JPH0532317U - 部品補給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】有底ドラムの底面を摩耗しにくくし、有底ドラ
ムの回転にブレが生じないようにし、また有底ドラムを
手で持ち易くし、さらに円滑に部品供給装置に部品補給
する部品補給装置を提供するものである。 【構成】部品補給装置１の有底ドラム５の内周面に多条
の螺旋溝１１を配置し、有底ドラム５の底面に剛性およ
び耐摩耗性に優れる材料でなるボール受け板６を設ける
とともに、このボール受け板６中心にボールキャスタ７
が嵌まり込むの半球体形状の凹み部を設け、この有底ド
ラム５の底部を凹状に形成した上げ底にしている。 【効果】有底ドラムは長期間使用することができ、また
有底ドラムを手で持ち易くした。さらに、有底ドラムは
回転してもブレなくなり、また部品は円滑に部品供給装
置の部品収納部に補給される等の効果を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、部品を自動組立機等に供給する部品供給装置へ部品補給を 円滑に行う部品補給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に自動組立機に部品を供給する部品供給装置には部品供給を間断 なく連続して行えるように部品補給装置が必要となっている。この部品 補給装置としては、円滑な補給作業が行えるように開発された図４に示 す部品補給装置がある。この部品補給装置１は、所定角度傾斜して配置 された縦断面Ｌ型の取付板３を有し、この取付板３には所定間隔をおい て回転するローラ４がローラ台４ａを介して４箇所に配置されている。 また、この取付板３の裏面にはモータ８が固定されており、このモータ ８の回転力が前記ローラ４の一つに伝達されるように構成されている。 前記４個のローラ４は、上部が開口された円筒状で樹脂製の有底ドラム ５を支持しており、この有底ドラム５の外周面を案内して有底ドラム５ は傾斜した姿勢を保ちながら回転可能に構成されている。この有底ドラ ム５の内周面には、部品を移送する螺旋溝１１が一条配置されており、 有底ドラム５の回転にともなって有底ドラム５内の部品を螺旋溝１１に 沿って順次上方へ送リ出すように構成されている。前記有底ドラム５の 開口側の一部は、前記取付板３の端部から突出しており、しかもこの有 底ドラム５の底面中心には取付板３の直立部に取り付けられたボールキ ャスタ７が接触するように配置されている。

【０００３】 上記部品補給装置では、モータ８の回転力は前記ローラ４の一つに伝 達され、このローラ４が有底ドラム５の外周面を案内しながら有底ドラ ム５を回転させる。そのため、有底ドラム５内の部品が螺旋溝１１に沿 って上方に送り出され、有底ドラム５の開口側から部品供給装置２に補 給される。この間、有底ドラム５の底部にボールキャスタ７が接しなが ら、有底ドラム５が回転するため、有底ドラム５の底面の摩耗が激しく、 有底ドラム５が滑らかに回転しなくなり、部品供給装置２への部品補給 を円滑に行うことができなくなっている。また、手で有底ドラム５を持 上げる場合、有底ドラム５の底部は平面状をなしているため、有底ドラ ム５がつかみにくく有底ドラム５を落下させる危険性が極めて高くなっ ている。その上、有底ドラム５内の部品が少なくなった場合、有底ドラ ム５が持ち上げられることがあってその回転にブレが生じる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、ボールキャスタと接する有底ドラムの底 面が摩耗し易い点であり、また、部品補給量を増やす場合はモータを高 回転にして有底ドラムの回転数を上げねばならず、有底ドラム内の部品 が脈動的に部品供給装置へ排出され、部品供給装置から部品が飛び出し 易く、補給部品が小さい場合は紛失する可能性が高い点である。さらに、 有底ドラムを持上げる場合に手で有底ドラムを持ちにくい点である。ま た収納部品が少なくなった場合、有底ドラムの回転にブレが生じて有底 ドラムは円滑に回転しない点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

部品補給装置の取付板には複数箇所にローラ台を介して回転自在なロ ーラが配置されており、これらのローラにより上部の開口された円筒状 の有底ドラムがその一部を取付板の端部から突出するように保持されて いる。また、前記取付板にはボールキャスタが有底ドラムの底面に接す るように設けられており、この有底ドラムの内周面には部品を移送する 螺旋状の移送路が多条に配置されており、しかもボールキャスタと接す る有底ドラムの底面には、剛性および耐摩耗性に優れたボール受け板が 設けられている。一方、前記取付板の裏面には前記ローラの一つに回転 力を与えるモータが配置されており、このモータの回転力が前記有底ド ラムを回転させるように構成されている。また、この取付板には部品供 給装置の上部に係合する係合金具と部品供給装置の側方に当接する当て 金具とが固定されており、前記有底ドラムは傾斜して部品供給装置に取 付可能に構成されている。

【０００６】 また、前記ボール受け板には前記ボールキャスタと嵌まり合う半球体 形状の凹みを設けておいても良い。有底ドラムの底部は凹状に形成され た上げ底に形成しても良い。有底ドラムの内周面には多条の螺旋状の移 送路を設けても良い。

【０００７】

【作用】

上記部品補給装置では、ボールキャスタと接する有底ドラムの底面に ボール受け板を設けているため、有底ドラムの底面は摩耗しにくくなり、 有底ドラムは継続して円滑に回転し、円滑に部品の補給を行うことがで きる。また、螺旋状の移送路を多条に設けているため、モータの回転数 をさほど上げなくても部品補給量を増加させることができる。また、有 底ドラムを持上げる場合、手が有底ドラムの底部側の上げ底に引っ掛け られるため、有底ドラムが持ち易くなり、作業能率が向上する。さらに、 有底ドラム内の部品が少ない場合であっても有底ドラムの回転中心は変 わらないため、有底ドラムはブレを起こさず円滑に回転することができ る。

【０００８】

【実施例】

以下図面に基づいて説明する。図１ないし図３において、１は部品供 給装置２へ部品を補給する部品補給装置であり、この部品補給装置１は 後記する係合金具９と後記する当て金具１０とを介して部品供給装置２ の上部に固定されている。前記部品補給装置１は所定角度傾斜して配置 された縦断面Ｌ型の取付板３を有し、この取付板３には所定間隔をおい てローラ４ａがローラ台４を介して複数箇所に配置されている。前記ロ ーラ４ａには、上部が開口された円筒状の樹脂製でなる有底ドラム５が 支持されており、この有底ドラム５はその外周面がローラ４ａにより案 内されて傾斜した姿勢を保ちながら回転可能に構成されている。前記有 底ドラム５の開口側の一部は、前記取付板３の端部から突出しており、 有底ドラム５内の部品が部品供給装置２に供給されるように構成されて いる。さらに、有底ドラム５の内周面には、部品を移送する螺旋状の移 送路をなす螺旋溝１１が多条に配置されており、有底ドラム５の回転に ともなって部品が上方に送られるように構成されている。この有底ドラ ム５の底部には、剛性および耐摩耗性に優れた材料でなるボール受け板 ６がインサート成形されており、これに後記するボールキャスタ７が当 接して有底ドラム５の底部が摩耗しないように構成されている。前記ボ ール受け板６にはボールキャスタ７と嵌まり合う半球体形状の凹みが設 けられており、有底ドラム５が常時ボールキャスタ７を中心に回転する ように構成されている。また、前記有底ドラム５の底部は凹状が形成さ れた上げ底に構成されており、有底ドラム５がつかみ易く構成されてい る。

【０００９】 前記取付板３の直立部にはボールキャスタ７がその中央に取付けられ ており、このボールキャスタ７は前記有底ドラム５の回転中心になるよ うに配置されている。また、前記取付板３の裏面にはモータ８が取付け られており、このモータ８の回転力が前記ローラ４ａの一つを介して有 底ドラム５に伝達されるように構成されている。さらに、前記取付板３ の有底ドラム５の開口側が位置する側には係合金具９が、その反対側に は当て金具１０が固定されている。

【００１０】 上記部品補給装置１では、取付板３に固定されたモータ８の回転力が 前記ローラ４ａの一つを介して有底ドラム５に伝達されると、この有底 ドラム５はその外周をローラ４ａに案内されながら、その位置で傾斜姿 勢を保持して回転することができる。そのため、部品供給装置２内に部 品を補給することができる。有底ドラム５が回転する間、有底ドラム５ の底面はボールキャスタ７と常時接触しているが、ボールキャスタ７が 剛性及び耐摩耗性に優れた材料でなるボール受け板６に当接しているた め、その底面は摩耗しにくくなる。そのため、有底ドラム５は継続して 回転でき、円滑に部品補給を行うことができる。また、有底ドラム５の 底面中心には前記ボールキャスタ７が嵌まり込む半球体形状の凹みが設 けられているので、有底ドラム５内の部品が少なくなっても有底ドラム ５のブレがなくなり、有底ドラム５は継続して回転できる。しかも、有 底ドラム５の底部は凹状に形成された上げ底となっているので、有底ド ラム５は持ち易く、部品の補給作業が簡単となった。その上、前記有底 ドラム５内部の部品は多条の螺旋溝１１に沿って上方に押し上げられて 移動するので、有底ドラム５の上端の開口部から円滑に部品供給装置２ へ補給される。

【００１１】 なお、実施例では有底ドラム５の底面にボール受け板６はインサート 成形されているが、これを有底ドラム５の底面に取り付けるようにして も良い。また、螺旋溝に代え、スパイラルブレードを取付けても良い。 さらに、実施例ではモータ８の回転力はローラ４に伝達されて有底ドラ ム５を回転させているが、図５に示すように有底ドラム５の外周面に歯 １２を設け、この歯１２とかみ合う位置に小歯車１３を設け、この小歯 車１３をモータ８の出力軸先端に取り付けても同様の効果が得られる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は有底ドラムの底面に摩耗しにくい剛性 および耐摩耗性に優れた材料でなるボール受け板を設けている。そのた め、ボールキャスタと接触する有底ドラムの底面は摩耗しにくくなり、 有底ドラムは長期間使用することができ経済的である。また、この有底 ドラムを手で持上げる場合、手は底面の凹み部に引っ掛かるため手を滑 らしにくく有底ドラムを落下させるなどの危険性は低くなる。さらに、 有底ドラムの底面中心にはボールキャスタが嵌合しているため、有底ド ラム内の部品が少ない場合、有底ドラムは回転してもブレない利点があ る。また、螺旋状の移送路が多条に配置されているため、有底ドラムの 回転をさほど上げなくても部品を円滑に部品供給装置に補給することが できる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部拡大断面図である。

【図２】本考案の使用状態を示す側面図である。

【図３】本考案の正面図である。

【図４】従来の部品補給装置の側面図である。

【図５】本考案の実施例を示す要部平面図である。

【符号の説明】

１ 部品補給装置 ２ 部品供給装置 ３ 取付板 ４ ローラ ４ａ ローラ台 ５ 有底ドラム ６ ボール受け板 ７ ボールキャスタ ８ モータ ９ 係合金具 １０ 当て金具 １１ 螺旋溝 １２ 歯 １３ 小歯車

【手続補正書】

【提出日】平成３年１２月１２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図５

【補正方法】削除

【００１１】なお、実施例では有底ド
ラム５の底面にボール受け板６がインサート成形されて
いるが、これを有底ドラム５の底面に取付けても良い。
また、螺旋溝に代え、スパイラルブレードを取付けても
良い。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】符号の説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【符号の説明】 １ 部品補給装置 ２ 部品供給装置 ３ 取付板 ４ ローラ ４ａ ローラ台 ５ 有底ドラム ６ ボール受け板 ７ ボールキャスタ ８ モータ ９ 係合金具 １０ 当て金具 １１ 螺旋溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付板の複数箇所にローラ台を介してモー
   タの回転を受けて回転するローラを回転自在に配置し、
   これらローラにより上部が開口された円筒状の有底ドラ
   ムをその一部が取付板の端部から突出するように保持
   し、この有底ドラムの内周面に部品を移送する螺旋状の
   移送路を配置するとともに、前記取付板にボールキャス
   タを有底ドラムの底面と接するように取り付け、さらに
   前記取付板に所望部品供給装置の上部に係合する係合金
   具と所望部品供給装置の側面に当接する当て金具とを固
   定し、部品供給装置に前記有底ドラムを傾斜させて取付
   可能に構成する部品補給装置において、 有底ドラムの底面のボールキャスタと接する部分に剛性
   および耐摩耗性に優れた材料でなるボール受け板を設け
   たことを特徴とする部品補給装置。
2. 【請求項２】有底ドラムの内周面に螺旋状の移送路を多
   条に配置したことを特徴とする請求項１に記載の部品補
   給装置。
3. 【請求項３】有底ドラムの底部を凹みが形成される上げ
   底としたことを特徴とする請求項１に記載の部品補給装
   置。
4. 【請求項４】ボール受け板にボールキャスタの先端が嵌
   まり合う形状の凹みを設けたことを特徴とする請求項１
   に記載の部品補給装置。