JPH05321479A - 壁パネル立設具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床上に壁パネルを建て起こす際に使用するこ
とによって作業効率の向上が図られる壁パネル立設具を
提供する。 【構成】 この壁パネル立設具１は、床５に止着される
止着板部１０と、止着板部１０の上側に一体となって延
設されて壁パネル６の建起こし時には壁パネル６の屋外
側への倒れを防ぐ一方、建起こし後には壁パネル６に止
着されて壁パネル６と床５との結合強度を補強する壁パ
ネル倒れ防止板部２０と、止着板部１０から水平屋内向
きに延設されて壁パネル６の建起こし後に床５と壁パネ
ル６の下端６０との間に介装される間装板部３０と、間
装板部３０の屋内側端に起立させられて壁パネル６の建
起こし時に壁パネル６の下端６０を突き付けさせること
によって建起こしの支点となる起立板部４０とからでき
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はパネル工法によるプレフ
ァブ建築の床上に壁パネルを建て起こす際に使用する壁
パネル立設具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パネル工法によるプレファブ建築
において、図５に示すように、床５の半土台５１の外周
側部５２に止着した壁パネル倒れ防止用パッキン２によ
って壁パネル６が屋外側に倒れるのを防ぎながら、床５
上に起立させたアンカーボルト逃げ用パッキン３上に壁
パネル６を建て起こし、アンカーボルト９０と壁パネル
６のボルト通し孔６６との位置合わせおよび半土台５１
の外周側面５１ｂからの壁パネル６の出入り調整を行っ
た後、アンカーボルト逃げ用パッキン３を引き抜き、し
かる後、壁パネル倒れ防止用パッキン２を取り外してい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した壁パ
ネル倒れ防止用パッキン２およびアンカーボルト逃げ用
パッキン３の現場での製作および取付けに非常に手間を
要すにも拘らず、それら両パッキンを壁パネル６の建起
こし後には取り外してしまうため、非常に作業効率が悪
いという問題点があった。

【０００４】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、床上に壁パネルを建て起こす際に使用
することによって作業効率の向上が図られる壁パネル立
設具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の壁パネル立設具においては、床の外周側部
に止着される止着板部と、該止着板部に延設されて床の
外周側面の延長上に起立させられる壁パネル倒れ防止板
部と、前記止着板部から水平屋内向きに延設されて床の
上側面に添わされる間装板部と、該間装板部の屋内側端
に起立させられて壁パネルを建て起こす際の支点となる
起立板部とを備えている構成とした。また、壁パネルの
屋内外方向の立設位置が位置決めされるように、前記壁
パネル倒れ防止板部と前記起立板部とを壁パネルの厚さ
寸法に相当する長さ寸法だけ離間させてもよい。さら
に、壁パネルと床との結合強度が補強されるように、前
記壁パネル倒れ防止板部に、同壁パネル倒れ防止板部を
壁パネルに止着する止着部材を通す止着部材通し孔を設
けてもよいし、結合強度がより一層補強されるように、
前記間装板部に、同間装板部を床に止着する止着部材を
通す止着部材通し孔を設けてもよい。

【０００６】

【作用】本発明に係る壁パネル立設具によれば、床の外
周側部に止着される止着板部に延設されて床の外周側面
の延長上に起立させられる壁パネル倒れ防止板部と、前
記止着板部から水平屋内向きに延設されて床の上側面に
添わされる間装板部と、該間装板部の屋内側端に起立さ
せられて壁パネルを建て起こす際の支点となる起立板部
とを備えているため、この壁パネル立設具を用いて壁パ
ネルを建て起こせば、起立板部に寝かせた状態の壁パネ
ルを屋内側から衝止させて壁パネルの上部を持ち上げる
だけで、スムーズに壁パネルが建て起こされるととも
に、壁パネルが屋外側に倒れるのが防止される。前記壁
パネル倒れ防止板部と前記起立板部とが壁パネルの厚さ
寸法に相当する長さ寸法だけ離間させられているため、
壁パネルをそれら壁パネル倒れ防止板部と起立板部との
間に落し込んで挟ませれば、壁パネルの屋内外方向の立
設位置が位置決めされる。前記壁パネル倒れ防止板部
に、同壁パネル倒れ防止板部を壁パネルに止着する止着
部材を通す止着部材通し孔が設けられているため、壁パ
ネルを建て起こした後に、止着部材を介して壁パネルに
壁パネル倒れ防止板部を止着すれば、壁パネルと床との
結合強度が補強される。前記間装板部に、同間装板部を
床に止着する止着部材を通す止着部材通し孔が設けられ
ているため、止着部材を介して床に間装板部を止着して
おけば、壁パネルと床との結合強度がより一層補強され
るとともに、建起こしの際に起立板部にかかる荷重によ
って間装板部に塑性変形が起こるのが防止される。

【０００７】

【実施例】本発明に係る壁パネル立設具の一実施例を図
１乃至図３に示し、以下に説明する。それらのうち、図
１は床に対する壁パネル立設具の取付状態を示す全体斜
視図、図２は壁パネルの建起こし途中の状態を示す要部
縦断面図、図３は壁パネルの建起こし後の状態を示す要
部縦断面図である。

【０００８】この壁パネル立設具１は、図１乃至図３に
示すように、パネル工法によるプレファブ建築におい
て、床５上に建て起こす壁パネル６が屋外側に倒れるの
を防ぐ治具であるとともに、床５と建起こし後の壁パネ
ル６との結合強度を補強する補強具を兼ねているもの
で、床５に止着される止着板部１０と、壁パネル６の建
起こし時には壁パネル６の倒れを防ぐ一方、建起こし後
には壁パネル６に止着される壁パネル倒れ防止板部２０
と、壁パネル６の建起こし後に床５と壁パネル６の下端
６０との間に介装される間装板部３０と、壁パネル６の
建起こし時に壁パネル６の下端６０を突き付けさせるこ
とによって建起こしの支点となる起立板部４０とからで
きている。

【０００９】前記止着板部１０は、基礎７上に複数敷設
された床パネル５０，…の外周部を囲み床パネル５０，
…とともに床５を構成する半土台５１の外周側部５２
に、止着板部１０の屋内面１０ａを当接させた状態で、
例えばスクリュー釘８０で止着される。止着板部１０に
は、スクリュー釘８０を通す釘通し孔１１が、特にその
数およびその位置を限定しないが、例えば４箇所設けら
れている。

【００１０】前記壁パネル倒れ防止板部２０は、前記止
着板部１０の上側に一体となって延設されている。そし
て、壁パネル倒れ防止板部２０は、半土台５１の外周側
面５１ｂの延長上に起立させられて、壁パネル倒れ防止
板部２０の屋内面２０ａと前記外周側面５１ｂとが同一
面を構成するようにされている。壁パネル倒れ防止板部
２０には、壁パネル６への止着に供せられるスクリュー
釘８１などの止着部材を通す止着部材通し孔２１が、特
にその数を限定しないが、例えば２箇所設けられてい
る。この止着部材通し孔２１は、壁パネル６の屋内側面
材６１と屋外側面材６２とともに壁パネル６を構成する
枠体６３の下端芯材６４および縦芯材６５にスクリュー
釘８１を打ち込ませるために、それら下端芯材６４およ
び縦芯材６５の配設位置に一致させられる。

【００１１】前記間装板部３０は、前記止着板部１０か
ら水平屋内向きに延設されていて、半土台５１と床パネ
ル５０とに跨ってそれらの上側面５１ｃ，５０ｃに当接
される。間装板部３０には、床５への止着に供せられる
スクリュー釘８２などの止着部材を通す止着部材通し孔
３１が、特にその数を限定しないが、例えば２箇所設け
られている。この止着部材通し孔３１は、床パネル５０
の床面材５３とともに床パネル５０を構成する芯材５４
および半土台５１にスクリュー釘８２を打ち込ませるた
めに、それら芯材５４および半土台５１の配設位置に一
致させられる。

【００１２】前記起立板部４０は、少なくとも壁パネル
６の厚さ寸法に相当する長さだけ延在させられた間装板
部３０の屋内側端に起立させられていて、寝かせた状態
で屋内側から壁パネル立設具１に向けて移動させた壁パ
ネル６を衝止させるストッパーになっている。ここで
は、起立板部４０と壁パネル倒れ防止板部２０とで丁度
壁パネル６を挟むように、起立板部４０は壁パネル倒れ
防止板部２０から壁パネル６の厚さ寸法分だけ離間させ
られている。この起立板部４０に衝止させた壁パネル６
を起立板部４０を支点にして図２に示した矢印のように
建て起こすことによって、床５から突出するアンカーボ
ルト９０が壁パネル６の下端芯材６４に穿設されたボル
ト通し孔６６に挿通させられる。

【００１３】次に、上記のように構成された壁パネル立
設具１を用いた壁パネル６の建起こし方法に付いて説明
する。先ず、基礎７上に台輪７０を介して設置した半土
台５１に止着板部１０をスクリュー釘８０で止着すると
ともに、半土台５１および床パネル５０の芯材５４に間
装板部３０をスクリュー釘８２で止着して、壁パネル立
設具１を取り付ける。この際、壁パネル立設具１を、ア
ンカーボルト９０を逃げさせるとともに、壁パネル倒れ
防止板部２０が壁パネル６の縦芯材６５の配設位置と一
致するように位置させる。次に、寝かせた状態の壁パネ
ル６を屋内側から壁パネル立設具１に向けて移動させ、
壁パネル６の下端６０を起立板部４０に衝止させたまま
壁パネル６の上部を持ち上げて屋外側に向け建て起こ
す。アンカーボルト９０の上端が下端６０に当接した
ら、その状態のまま壁パネル６を屋外側にずらしてアン
カーボルト９０をボルト通し孔６６に挿通させる。そし
て、壁パネル倒れ防止板部２０と起立板部４０との間に
壁パネル６の下端部を落し込ませる。しかる後、壁パネ
ル６の屋内側面材６１に開口させた開口部６７から壁パ
ネル６内にナット９１を挿入し、座金９２を介してアン
カーボルト９０に螺合させて、壁パネル６を床パネル５
０および半土台５１を介して基礎７に緊結させる。最後
に、壁パネル６の下端芯材６４および縦芯材６５に壁パ
ネル倒れ防止板部２０をスクリュー釘８１で止着すれ
ば、壁パネル６の建起こしが終了する。ちなみに、壁パ
ネル立設具１は、図３に示すように、後工程で取り付け
られるサイディングなどの外装材８５によって被われ
る。

【００１４】上記実施例によれば、壁パネル立設具１
は、半土台５１の外周側部５２に止着される止着板部１
０と、壁パネル６の倒れを防ぐ壁パネル倒れ防止板部２
０と、間装板部３０と、壁パネル６の建起こしの支点と
なる起立板部４０とを備えているため、起立板部４０に
寝かせた状態の壁パネル６を屋内側から衝止させてその
上部を持ち上げるだけで、壁パネル６をスムーズに建て
起こすことができるとともに、壁パネル６が屋外側に倒
れるのを防止することができる。壁パネル倒れ防止板部
２０と起立板部４０とが壁パネル６の厚さ寸法に相当す
る長さ寸法だけ離間させられているため、壁パネル６を
それら壁パネル倒れ防止板部２０と起立板部４０との間
に落し込んで挟ませるだけで、壁パネル６の屋内外方向
の立設位置を容易に位置決めすることができる。壁パネ
ル６に壁パネル倒れ防止板部２０を止着させるようにな
っているため、壁パネル立設具１を壁パネル６と床５と
の結合強度を補強する補強具として兼用することができ
るので、従来のように壁パネル６の立設後に取り外す手
間が省け、壁パネル立設作業の作業効率が向上するだけ
でなく、従来後工程で取り付けていた、壁パネル６と床
５との結合強度を補強する補強金物の取付けが不要とな
り、さらに作業効率が向上する。床５に間装板部３０を
止着させるようになっているため、壁パネル６と床５と
の結合強度がより一層補強されるとともに、建起こしの
際に起立板部４０にかかる荷重によって間装板部３０が
塑性変形するのを防ぐことができる。

【００１５】なお、壁パネル立設具１は上記実施例のも
のに限らず、床５に止着される止着板部１０と壁パネル
６の倒れを防ぐ壁パネル倒れ防止板部２０と間装板部３
０と建起こしの支点となる起立板部４０とが設けられて
いれば、その形状等を如何ように設計変更してもよい。

【００１６】また、上記実施例においては、壁パネル立
設具１を、１階の壁パネル６を建て起こす際に適用した
場合に付いて説明したが、図４に示すように、２階建て
以上の家屋の２階以上の階に壁パネル６を建て起こす際
にも適用することができるのはいうまでもない。この場
合には、階下の壁パネル６上に敷設した床パネル５０お
よびその外周部を囲み床パネル５０とともに床５を構成
する胴差し材５５に壁パネル立設具１を止着し、階上の
壁パネル６を建て起こす。そして、階下の壁パネル６お
よび階上の壁パネル６を、胴差ボルト９５およびナット
９１，９１を介して緊結する。

【００１７】

【発明の効果】本発明に係る壁パネル立設具によれば、
床の外周側部に止着される止着板部に延設されて床の外
周側面の延長上に起立させられる壁パネル倒れ防止板部
と、前記止着板部から水平屋内向きに延設されて床の上
側面に添わされる間装板部と、該間装板部の屋内側端に
起立させられて壁パネルを建て起こす際の支点となる起
立板部とを備えているため、この壁パネル立設具を用い
て壁パネルを建て起こせば、起立板部に寝かせた状態の
壁パネルを屋内側から衝止させて建て起こすだけで、壁
パネルをスムーズに建て起こすことができるとともに、
壁パネルが屋外側に倒れるのを防止することができる。
前記壁パネル倒れ防止板部と前記起立板部とが壁パネル
の厚さ寸法に相当する長さ寸法だけ離間させられている
ため、壁パネルをそれら壁パネル倒れ防止板部と起立板
部とに挟ませれば、壁パネルの屋内外方向の立設位置を
容易に位置決めすることができる。前記壁パネル倒れ防
止板部に、同壁パネル倒れ防止板部を壁パネルに止着す
る止着部材を通す止着部材通し孔が設けられているた
め、止着部材を介して建て起こした壁パネルに壁パネル
倒れ防止板部を止着すれば、この壁パネル立設具を壁パ
ネルと床との結合強度を補強する補強具として兼用する
ことができるので、従来のように壁パネルの立設後に取
り外す手間が省け、壁パネル立設作業の作業効率が向上
するだけでなく、従来後工程で取り付けていた、壁パネ
ルと床との結合強度を補強する補強金物の取付けが不要
となり、さらに作業効率が向上する。前記間装板部に、
同間装板部を床に止着する止着部材を通す止着部材通し
孔が設けられているため、止着部材を介して床に間装板
部を止着しておけば、壁パネルと床との結合強度がより
一層補強されるとともに、建起こしの際に起立板部にか
かる荷重によって間装板部が塑性変形するのを防ぐこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における壁パネル立設具の床に対する
取付状態を示す全体斜視図である。

【図２】本実施例における壁パネルの建起こし途中の状
態を示す要部縦断面図である。

【図３】本実施例における壁パネルの建起こし後の状態
を示す要部縦断面図である。

【図４】壁パネル立設具を他の箇所に適用した状態を示
す要部縦断面図である。

【図５】従来の壁パネルの建起こし途中の状態を示す要
部縦断面図である。

【符号の説明】

１ 壁パネル立設具 ５ 床 ６ 壁パネル １０ 止着板部 ２０ 壁パネル倒れ防止板部 ２１，３１ 止着部材通し孔 ３０ 間装板部 ４０ 起立板部 ５０ｃ，５１ｃ 上側面 ５１ｂ 外周側面 ５２ 外周側部 ８１，８２ スクリュー釘

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋外側に壁パネルが倒れるのを防ぎなが
   ら、該壁パネルを床上に建て起こさせる壁パネル立設具
   であって、該壁パネル立設具は、床の外周側部に止着さ
   れる止着板部と、該止着板部に延設されて床の外周側面
   の延長上に起立させられる壁パネル倒れ防止板部と、前
   記止着板部から水平屋内向きに延設されて床の上側面に
   添わされる間装板部と、該間装板部の屋内側端に起立さ
   せられて壁パネルを建て起こす際の支点となる起立板部
   とを備えていることを特徴とする壁パネル立設具。
2. 【請求項２】 前記壁パネル倒れ防止板部と前記起立板
   部とが壁パネルの厚さ寸法に相当する長さ寸法だけ離間
   させられていることを特徴とする請求項１記載の壁パネ
   ル立設具。
3. 【請求項３】 前記壁パネル倒れ防止板部に、同壁パネ
   ル倒れ防止板部を壁パネルに止着する止着部材を通す止
   着部材通し孔が設けられていることを特徴とする請求項
   １または２記載の壁パネル立設具。
4. 【請求項４】 前記間装板部に、同間装板部を床に止着
   する止着部材を通す止着部材通し孔が設けられているこ
   とを特徴とする請求項１、２または３記載の壁パネル立
   設具。