JPH05319601A - シート体の給送装置 - Google Patents

シート体の給送装置

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JPH05319601A
JPH05319601A JP4126005A JP12600592A JPH05319601A JP H05319601 A JPH05319601 A JP H05319601A JP 4126005 A JP4126005 A JP 4126005A JP 12600592 A JP12600592 A JP 12600592A JP H05319601 A JPH05319601 A JP H05319601A
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雅之 井田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機などのいわゆる下取りのシート体給送
装置において、積層された記録紙の端部をさばくための
空気流が最下部の記録紙と給送手段とを過度に離間させ
て給送を困難にすることを防止し、かつこの防止機能の
耐久性および信頼性を向上する。 【構成】 給送装置10内の載置板31上に積層された
記録紙Pは、空気噴射装置45からの空気流でその搬送
方向A方向下流側端部をさばかれるとともに、空気噴射
装置50による直上方からの空気流によって給送手段3
2から最下部の記録紙P1が過度に離間することが防が
れるので、適正な状態で1枚ずつ給送手段32に吸着さ
れて搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機およびプリンタ
などにおいて、記録紙のようなシート体を1枚ずつ給送
するようにしたシート体の給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術の給送装置1を、図5
に示す。複写機における記録紙Pは、載置板2上に積み
重ねられており、それらの記録紙Pのうち最下部の記録
紙P1は、給送用張架ベルト3に真空吸着されて一対の
搬送ローラ5まで搬送され、さらに当該搬送ローラ5に
挟持されて搬送される。給送用張架ベルト3は、多数の
空気通過孔4を有している。給送用張架ベルト内に配置
される真空吸引箱6が負圧を発生すると、この空気通過
孔4を通じて、積み重ねられている記録紙Pのうち最下
部の記録紙P1が真空吸着される。この真空吸着の際
に、最下部の記録紙P1とその上に積み重ねられている
第2枚目以上の残余の記録紙とは、空気噴射装置7から
噴射される空気流(矢符8でその流れを示す)によっ
て、その搬送方向A方向下流側端部がさばかれて、複数
枚の記録紙を同時に真空吸着することが防がれる。
【0003】このとき、空気噴射手段7からの空気流
は、図示するように、記録紙Pの搬送方向下流側端部を
さばきながら、記録紙Pの中央部に向けて侵入すると同
時に上下方向に膨張し、給送用張架ベルト3の上方で記
録紙Pを大きく分離する。したがって、最下部の記録紙
P1が未だ充分に給送用張架ベルト3に真空吸着されて
いないうちに、この空気流が給送用張架ベルト3と最下
部の記録紙P1との間に入り込むと、入り込んだ空気が
膨張して空気溜りDを形成し、最下部の記録紙P1を給
送用張架ベルト3から上方に大きく離間するので、真空
吸着が困難になるという問題がある。
【0004】そこで、従来から、図6に示す給送装置1
aのように一般にマイラなどと称される押さえ部材9を
用いて、記録紙Pが給送用張架ベルト3から過度に離間
することを防ぐという構成が採られている。図6では、
図5と共通する部分には同じ参照符号を付す。
【0005】押さえ部材9は、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)などの可撓性材料を薄いフィルム状に形
成した細長い板状の部材である。押さえ部材9の長手方
向一端部9aは、中間トレイ内に設けられる記録紙の後
端規制部材9bに接着剤などで固定されており、他端部
9bは積み重ねられた記録紙Pの最上部の記録紙Pnの
給送用張架ベルト3の上方に位置する部分に接して、当
該部分を下方に押圧する。この押さえ部材9によって、
空気噴射装置7からの空気流が最下部の記録紙P1と給
送用張架ベルト3とを離間させることを防ぎ、真空吸着
を容易にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような押さえ部材
9を用いた構成の複写機において、当該給送装置1a付
近に紙詰まりなどの搬送障害が発生した場合には、使用
者が詰まった紙の除去などの作業を行う必要がある。使
用者が除去作業を行うときに、押さえ部材9は使用者の
手が触れやすい場所に位置するので、押さえ部材9が破
損したり変形を生じたりすることがある。特に、押さえ
部材9は薄くかつ細長い形状であり、またその材質か
ら、変形し易く逆の上方側に湾曲してしまうことも多
い。そうすると、積み重ねられた記録紙Pの給送用張架
ベルト3の上方付近が給送用張架ベルト3から離間する
状態を防止することができないので、前述のように最下
部の記録紙P1が適正に吸着搬送されないという問題を
生じる。
【0007】本発明の目的は、吸着搬送手段と最下部の
シート体とが過度に離間することを防止し、かつその防
止のための機能が使用者の操作などによって失われるこ
とをも防止することによって、確実にシート体の吸着搬
送を行うことのできるシート体の給送装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、積み重ねられ
た複数のシート体の下方に設けられ、シート体を最下部
から1枚ずつ吸着して搬送する吸着搬送手段と、前記積
み重ねられたシート体の搬送方向下流側端部に向けて空
気を噴射する第1空気噴射手段と、積み重ねられたシー
ト体の上方に設けられ、最上部のシート体に向けて空気
を噴射する第2空気噴射手段とを含むことを特徴とする
シート体の給送装置である。
【0009】
【作用】本発明に従えば、積み重ねられたシート体は、
吸着搬送手段によって最下部から1枚ずつ吸着搬送され
る。この吸着に際して、第1空気噴射手段は空気流をシ
ート体の搬送方向下流側端部に向けて噴射し、この空気
流によってシート体の当該端部付近をさばいて、吸着搬
送手段による1枚ずつの吸着が容易であるような状態と
する。
【0010】また、第2空気噴射手段は、積み重ねられ
たシート体の上方から最上部のシート体に向けて空気を
噴射して押圧し、前記第1空気噴射手段から積み重ねら
れた各シート間に入り込んだ空気が過度に上下に膨張す
ることを防ぐ。すなわち、最下部のシート体と吸着搬送
手段との間に入った空気の過度膨張を防ぐので、最下部
のシート体が吸着搬送手段から過度に離間することがな
い。したがって、最下部のシート体は、吸着搬送手段と
の距離において吸着に適した状態で吸着搬送に供され
る。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の簡略的な断面図
である。この給送装置10は、図2に示される複写機1
1のいわゆる中間トレーとして用いられる。複写される
べき記録紙は、1枚ずつ記録紙供給手段13から供給さ
れ、搬送経路14を経て、直円筒状の感光体15の転写
領域16に導かれる。循環式原稿供給手段17は、原稿
を読取領域18に導き、この原稿像は光学手段19によ
って感光体15の露光領域20に結像され、こうしてコ
ロナ放電器21によって帯電された感光体15上に原稿
の静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段2
2によってトナー像に顕像化され、転写領域16を通る
記録紙の一方表面に転写され、その後、定着手段23に
おいて定着される。
【0012】記録紙の他方の表面にもまた複写を行うた
めに、定着手段23において一方表面が定着された記録
紙は、搬送経路24を経て、またさらにスイッチバック
経路25を経て中間トレーである給送装置10に一旦積
み重ねられる。この給送装置10からの記録紙は、搬送
経路26および搬送経路14を経て、再び転写領域16
に導かれ、記録紙の他方表面に他の原稿が複写される。
こうして両面複写された記録紙は、定着手段23によっ
て定着され、排出ローラ28からトレー29に排出され
て、受けられる。
【0013】給送装置10の載置板31上には、記録紙
Pが積み重ねられて載置される。前記載置板31の給送
方向A方向下流側端部には、切欠き60が形成されてお
り、この切欠き60には、給送手段32が臨む。給送手
段32は、給送用張架ベルト38と、一対のローラ4
1,42と、真空吸引箱43とを含む。給送用張架ベル
ト38は、幅方向に複数隣接して配置されており、この
給送用張架ベルト38には複数の空気通過孔40が形成
されている。この給送用張架ベルト38は、給送方向A
方向前後に間隔をあけて設けられたローラ41,42に
巻き掛けられる。これらのローラ41,42は、図示し
ないモータによって駆動され、給送用張架ベルト38を
走行駆動する。
【0014】給送用張架ベルト38の上張架部分38a
の真下には、上方に開放した真空吸引箱43が配置され
る。この真空吸引箱43は、後述するファン44によっ
て吸引され、その内部空間は負圧とされる。この際に、
前記給送用張架ベルト38に形成された空気通過孔40
を通じて、記録紙Pを真空吸着する。このようにして給
送手段32は、載置板31上に積み重ねられている記録
紙Pのうち、真空吸着された最下部の記録紙P1を給送
方向A方向に給送する。この給送手段32の給送方向A
方向下流側には、給送手段32から給送された記録紙を
さらに給送するための給送手段34が配置される。この
給送手段34は、上下に配置されて記録紙を挟持して給
送する一対のローラ35,36を含む。積み重ねられた
記録紙Pの搬送方向A方向下流側上方に臨んで、空気噴
射装置45が設けられる。この空気噴射装置45はノズ
ル46を含み、このノズル46から空気流を前記記録紙
Pの給送方向A方向下流側端部に向けて噴射し、この端
部をさばく。
【0015】積み重ねられている記録紙Pの給送方向A
方向下流側端部付近であって、給送用張架ベルト38上
に位置する部分の真上には、空気噴射装置50が臨む。
この空気噴射装置50は、記録紙Pのうちの最上部の記
録紙Pn上に向かって、直下方に空気を噴射する。
【0016】図3は、本実施例の給送装置10における
各部の関連を示す系統図である。真空吸引箱43は、ダ
ンパ51を介してファン44に接続され、ファン44に
よって空気を吸引して負圧とされる。空気噴射装置45
および空気噴射装置50は、各々ダンパ52,53を介
して同一のファン47に接続され、ファン47から送ら
れる空気を噴射する。各ファン44,47および各ダン
パ51〜53の動作は、中央処理装置(CPU)54に
よって統合的に制御される。
【0017】図4は、本実施例の給送装置10の給送動
作における各部のタイミングの一例を示すタイミングチ
ャートである。時刻t0において複写開始キーの操作に
よって複写動作が開始されると同時に、空気噴射装置5
0および空気噴射装置45は空気噴射を開始する。複写
動作開始後、載置板31上に記録紙Pが積み重ねられて
乗載される間の時間、たとえば3秒間の後、真空吸引箱
43が負圧とされて吸引を開始する。この吸引開始か
ら、たとえば0.3秒遅れて給送用張架ベルト38が駆
動される。この0.3秒は、積み重ねられた記録紙Pを
空気噴射装置45,50によって充分にさばき、かつ吸
引に適した状態とするための時間である。
【0018】この給送用張架ベルト38の駆動開始か
ら、たとえば0.15秒遅れて搬送ローラ35,36が
駆動される。この0.15秒は、給送用張架ベルト38
によって搬送される最下部の記録紙P1が搬送ローラ3
5,36付近まで搬送される時間である。給送用張架ベ
ルト38によって搬送された記録紙P1が、搬送ローラ
35,36に噛み込まれて搬送を開始すると、真空吸引
箱43および給送用張架ベルト38はオフとされる。こ
れらの各部の動作は、載置板31上の記録紙Pがすべて
搬送されるまで続行する。
【0019】前記空気噴射装置45,50は、時刻t0
から複写動作が終了するまでの時刻t1まで連続してオ
ン状態とされる。
【0020】従来技術として図5で示すように、前記空
気噴射手段50から空気を噴射しないで記録紙Pの給送
を行おうとすると、記録紙Pの給送方向A方向下流側端
部をさばくために、各記録紙P間に入り込んだ空気流
は、さらに記録紙Pの中央へ進むに従って膨張して空気
溜まりDを形成するので、最下部の記録紙P1と給送用
張架ベルト3間にも過大な空気溜まりDが形成されるこ
とがあり、記録紙P1を給送用張架ベルト3から離間さ
せる。それに対して、本実施例の構成では、最下部の記
録紙P1と給送用張架ベルト38との間に入り込んだ空
気溜まりDが過度に膨張しようとしても、直上方から空
気流噴射装置50が噴射する空気流がその空気溜まりD
を押圧し、記録紙P1が給送用張架ベルト38から過度
に離間することが防がれる。したがって、両空気噴射装
置45,50が常に同時に噴射を行うので、記録紙Pを
給送用張架ベルト38から過度に離間させない程度にさ
ばくことのできる適度の空気流を形成し、最下部の記録
紙P1は給送用張架ベルト38によって確実に吸着さ
れ、搬送される。
【0021】また、この空気流噴射装置50は、記録紙
P1から一定の距離を置いて配置され、かつ従来技術と
して前述した押さえ部材9のように破損・変形し易い部
材ではないので、使用者が給送装置10付近の紙詰まり
などの障害を除去するために作業を行う際に、誤ってこ
の空気流噴射装置50に触れて破損したりまたは変形さ
せるなどの心配はない。
【0022】したがって、前述したように確実な記録紙
の給送に対する信頼性を格段に向上することができる。
また本発明は、原稿の供給装置など上取り給紙を行う他
の装置にも実施される。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、積み重ね
られたシート体には、その搬送方向下流側端部に第1空
気噴射手段による空気流が噴射され、上方からは第2空
気噴射手段による空気流が噴射される。
【0024】これにより、第1空気噴射手段からの空気
流によって前記端部がさばかれるとともに、その空気流
の一部が吸着搬送手段と最下部のシート体との間で膨張
して最下部のシート体を吸着搬送手段から大きく離間さ
せることを防ぐ。
【0025】したがって、吸着搬送手段と最下部のシー
ト体とは、適正な距離を保つことができるので、1枚ず
つ確実に吸着搬送動作を行うことができる。
【0026】さらに、この第2空気噴射手段は、シート
体および吸着搬送手段から離間しており、かつ比較的変
形・破損を生じにくいので、使用者が搬送障害を除去す
るために本発明の給送装置付近に誤って触れてしまい、
変形・破損を生じることが防がれる。
【0027】したがって、シート体の給送装置における
吸着搬送の信頼性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である給送装置10の側断面
図である。
【図2】本実施例の給送装置10が備えられる複写機1
1の側断面図である。
【図3】本実施例の給送装置10の各部の関連を示す系
統図である。
【図4】本実施例の給送装置10の給送動作における各
部のタイミングの一例を示すタイミングチャートであ
る。
【図5】典型的な従来技術の例を示す側断面図である。
【図6】典型的な従来技術の例を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 給送装置 31 載置板 32 給送手段 38 給送用張架ベルト 43 真空吸引箱 45,50 空気噴射装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積み重ねられた複数のシート体の下方に
    設けられ、シート体を最下部から1枚ずつ吸着して搬送
    する吸着搬送手段と、 前記積み重ねられたシート体の搬送方向下流側端部に向
    けて空気を噴射する第1空気噴射手段と、 積み重ねられたシート体の上方に設けられ、最上部のシ
    ート体に向けて空気を噴射する第2空気噴射手段とを含
    むことを特徴とするシート体の給送装置。
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