JPH0531865A - ガスバリア性多層積層体 - Google Patents

ガスバリア性多層積層体

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JPH0531865A
JPH0531865A JP3215939A JP21593991A JPH0531865A JP H0531865 A JPH0531865 A JP H0531865A JP 3215939 A JP3215939 A JP 3215939A JP 21593991 A JP21593991 A JP 21593991A JP H0531865 A JPH0531865 A JP H0531865A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防曇剤により層間剥離強度が低下しないガス
バリア性に優れた多層ラミネートフィルム。 【構成】 ガスバリア層を構成層として有する基材フィ
ルム、アンカーコート剤に代え、基材フィルムに直接接
したシロキサン化合物からなる接着剤層、基材フィルム
と反対の最外層に非イオン界面活性剤を含む防曇層から
なる多層積層体。 【効果】 防曇剤により接着性能の低下するアンカーコ
ート剤に代え、シロキサン化合物を用いたため、防曇剤
の移行を効果的に防止し、接着強度の低下を防止でき
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性、ガスバリア性
に優れ、更に積層フィルム間の層間接着強度に優れた多
層積層体に関し、更に詳しくは多層積層体において防曇
剤の移行による接着剤層の層間接着強度低下を防止し、
防曇性能に優れたガスバリア性多層積層体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から食品包装、化粧品包装、医薬品
包装等に使用するガスバリア性多層積層体は、アルミニ
ウム箔やエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂(以
下EVOHと略す。)やポリ塩化ビニリデン共重合体樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル共重合体樹
脂等の、金属箔またはガスバリア性樹脂のフィルムを貼
合した積層フィルムを用いるのが一般的である。即ち、
バリア性樹脂フィルムとセロハン、二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等
を積層体とした基材フィルムに、ヒートシール性を付与
するためポリオレフィン系樹脂が一方の最外層にある積
層フィルムが用いられている。
【0003】これら積層フィルムの層間の接着にはウレ
タン系、アクリル系等のいわゆるドライラミネート接着
剤を利用したドライラミネーション成形法、基材フィル
ムに有機チタン系やポリエチレンイミン系、ポリエチレ
ンイミン系またはイソシアネート系のアンカーコート剤
(以下ACと略す。)をコートし、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等を高温で押出積層する押出ラミネーショ
ン成形法、共押出ラミネーション成形法等によって積層
され、またアンカーコート剤を使用せずに公知の接着性
樹脂を利用した共押出成形法によって積層されている。
【0004】公知の接着性樹脂(以下、ADと略す。)
としては、例えばポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸無水物またはエステル単量体をグ
ラフト重合または共重合した樹脂がある。グラフト方法
としてはポリオレフィン樹脂を有機過酸化物と共に上記
グラフト成分を押出機等により加熱し、溶融グラフト変
性する方法、または熱キシレンにポリオレフィン樹脂を
溶解し、有機過酸化物で上記グラフト成分をグラフトす
る方法で得ることができる。
【0005】グラフト剤としては不飽和カルボン酸、酸
無水物、エステル等の単量体があり、例えばメタクリル
酸、アクリル酸、エタクリル酸、メタクリル酸グリシジ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
モノエチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸、
マレイン酸無水物、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸
無水物、5−ノルボルネン−2、3−無水物、シトラコ
ン酸、シトラコン酸無水物、クロトン酸、クロトン酸無
水物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マ
グネシウム等がある。これらグラフト重合体については
米国特許4026967号明細書及び同3953655
号明細書、特開昭51−98784号公報、特公昭44
−15423号公報、同49−4822号公報等に詳細
に記載されている。これらのなかでコストや変性の容易
さ等から無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフ
ト変性したものが一般的に用いられている。
【0006】これら多層積層体を利用した包装体におい
ては、通常ヒートシール性を考慮してポリオレフィン系
樹脂を最内層として用いている。しかし、ポリオレフィ
ン系樹脂は一般に疎水性樹脂であるため、包装体内部が
多湿状態の雰囲気であったり、冷凍、冷蔵保存する温度
が露点に達し包装体内部の水蒸気圧が飽和水蒸気圧にな
ると、この温度を境にして水蒸気の凝縮がおこり、著し
い場合は凝縮した水滴のため内容物の識別ができなくな
ったり、水滴の落下により内容物の変敗を引き起こす原
因となっていた。これらの問題点を解する方法として
は、 (1)ポリビニルアルコール樹脂やポリアクリル酸メチ
ル、セルロース・アセテートなどのできるだけ水との接
触角の小さい高分子化合物の皮膜層を包装体内面に塗布
または貼り合わせ等の方法により設け、この皮膜層に水
分を吸着または吸収させる方法 (2)包装体内面のフィルム基材と水との接触角をでき
るだけ小さくするため、界面活性剤などの塗布、練り込
み等の方法により親水化処理し、水滴を成長させないで
水膜とする方法 (3)逆に接触角をできるだけ大きくして、水滴とせ
ず、水がはじけるような皮膜を形成する方法 (4)自動車のフロントガラスやリアウインドなどが知
られているように表面を強制的に加熱し、結露を防ぐ方
法などが挙げられる。
【0007】これらのうち、(1)の親水性高分子化合
物はポリオレフィン樹脂との相溶性が劣るため塗布また
は貼りあわせは困難で積層強度も弱く、著しいときは剥
離現象や透明性不良などを伴い有効でない。(3)の方
法に用いられる樹脂として良く知られている物は、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂があるが、この樹脂は高価である
ばかりでなくポリオレフィン樹脂との相溶性に劣り、ま
たポリオレフイン樹脂よりもヒートシール特性に劣るな
どの問題がある。(4)の方法に関しては、食品容器な
どの用途としての積層フィルムには用いる事ができな
い。
【0008】従って、防曇性を必要とする食品等の包装
容器等のための積層フィルムとしては(2)の方法によ
ることになる。これらのより具体的な方法としては、例
えば、特公昭60−34460号公報には、基材フィル
ムの印刷層を含む面に接着剤あるいはアンカーコート剤
からなる接着層を設け、更に該ポリオレフィン層を介し
てソルビタン脂肪酸エステルやポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル等の非イオン性界面活性剤を混練したポリオレフィ
ン層を設けて成る食品包装用防曇性フィルムが開示され
ている。また特開平2−289634号公報にはグリセ
リン混合脂肪酸エステルとジエタノールアミドとの混合
物をポリオレフィン樹脂に対し、0.05〜2.0重量
%添加する方法、さらに「機能性複合フィルム・シー
ト」(加工技術研究会昭和61年2月25日発行)26
6ページ、「防曇性複合フィルム・シート」には従来の
技術に関して紹介されている。
【0009】しかしこれら従来の多層積層体では、ポリ
オレフィン層に添加、混練された防曇剤が接着剤層やガ
スバリア層等の極性物質側に経時的に移行してしまい、
防曇性が低減して水蒸気が多層積層体の内面に結露し、
透明性が悪くなって商品価値が低下し、水滴が局部的に
凝集して腐敗の原因となっていた。また、これら防曇剤
の移行によりガスバリア層とアンカーコート剤や酸無水
物変性ポリオレフィン樹脂などの接着剤層との間の層間
接着強度が極端に低下する問題があった。
【0010】例えば共押出成形により、ポリプロピレン
(以下PPと略す。)とEVOHからなる多層積層体と
防曇性を付与したポリエチレン樹脂(以下、AF−PE
と略す。)との多層積層体;PP/AD(1)/EVO
H/AD(2)/PPからなるガスバリア性共押出フィ
ルムに防曇性を付与するため、この共押出フィルムにA
Cを塗布しAF−PEフィルムの間にポリエチレン樹脂
(以下PEと略す。)を高温で押出し接着積層したPP
/AD(1)/EVOH/AD(2)/PP/AC/P
E/AF−PEからなる多層積層体ではEVOH/AD
(2)の部分やAC/PEの部分が容易に剥離するとい
う問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術には、防曇
性および層間接着強度の低下等の原因となる防曇剤が経
時的に接着層やガスバリア層等の極性物質または極性樹
脂側に容易に移行してしまう問題があった。従って本発
明の目的は、防曇剤の移行による接着強度の低下を防止
し、防曇性の低下のない優れたガスバリア性防曇多層積
層体を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも
(a)透明性を有するガスバリア性樹脂層を構成層とし
て有する基材フィルム、(b)基材フィルムに直接接し
たシロキサン化合物からなる接着剤層及び(c)基材フ
ィルムの反対の最外層の面に非イオン界面活性剤を含む
ポリオレフィンの防曇層からなることを特徴とする防曇
性多層積層体を開発することにより上記課題を解決し
た。
【0013】本発明に使用する非イオン性界面活性剤
は、HLBが3以上18以下のものが好適に用いられ
る。非イオン性界面活性剤のHLBが18を越えると防
曇効果が向上するものの、フィルム表面へのブリードす
る傾向が強まり防曇効果の持続性が極度に低下する。一
方、HLBが低い程ブリード性は低下し、持続性はよく
なるが、防曇効果が低下する。従ってHLBが7.0以
上、9.5以下位が防曇性と持続性のバランスから特に
好ましい範囲となる。
【0014】防曇剤として使用される界面活性剤として
は、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレ
ン・オキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテルの一種またはそれらの混合物を挙げ
ることができる。
【0015】非イオン界面活性剤のポリオレフィン樹脂
に対する混合割合は0.05〜8重量%、好ましくは
0.1〜5重量%である。非イオン界面活性剤が8重量
%よりも多いと長期にわたる防曇性維持には好適である
がフィルムにべと付きが生じ、成膜後の製袋時における
ヒートシール性等に悪影響を及ぼす。更に極端な場合に
は非イオン性界面活性剤が多層積層体表面にブリード
し、製袋の際にフィルム同士が付着し、開封が極めて困
難となってしまう。また、0.05重量%より少ないと
期待された防曇性を発現することはできない。防曇剤の
混合方法は、あらかじめバンバリーミキサー等でポリオ
レフィン樹脂とメルトブレンドし、マスターバッチ化し
たものを所定の混合比にする方法、あるいはポリオレフ
ィンとの直接混合方式のどちらでもかまわない。
【0016】従来、積層するフィルムをあらかじめグラ
ビアロール法、滴下法、バーコード法などによってチタ
ン系カップリング剤やポリエチレンイミン類、イソシア
ネート系などのアンカーコート剤を塗布した後、ポリエ
チレン系樹脂を240℃以上に加熱して基材フィルムと
積層したり、ポリエチレン系樹脂に変えてエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂やエチレン−アクリル酸エチル−
無水マレイン酸三元共重合体樹脂などを使用し積層して
いる。
【0017】本発明においては、従来のアンカーコート
剤を使用した接着剤層に代えてシロキサン化合物をアン
カーコート剤を使用しなくともよい接着剤層として塗
布、積層するものである。本発明においてシロキサン化
合物としては、 有機シランまたはシランカップリング剤の加水分解
によるポリマー(オリゴマー)化したもの エチレン;ビニル、アクリル、アリル等の重合性不
飽和基を有するシラン;ビニル系化合物、アクリル系化
合物などのエチレン性不飽和化合物;から誘導された共
重合体の加水−架橋体 オレフィンと重合性不飽和基を有するシロキサン化
合物の共重合体 ポリオレフィンに重合性不飽和基を有するシロキサ
ン化合物のグラフト共重合体 などシロキサングループを主鎖または分岐鎖に有するポ
リマーまたはオリゴマーなどを挙げることができる。
【0018】これら、シロキサン化合物からなる接着剤
の厚みは2μm以下では防曇剤の移行を防止できず、層
間剥離、防曇性能の低下を生じ好ましくない。一方、1
5μm以上になると多層積層体が剛直になりすぎ耐屈曲
疲労性の原因となり、好ましくない。より好ましくは4
〜13μmとなるように塗布するのが良い。
【0019】エチレン;オレフィン性不飽和基を有する
シラン化合物およびエチレン性不飽和化合物の共重合体
を水架橋させたものとして、特公昭62−23779号
公報、同62−15580号公報、同62−23979
号公報、同57−26696号公報、同63−3942
7号公報、同61−155412号公報等があり、さら
にはWO89/00501号公報に記載されているよう
に、ポリオレフィン樹脂とシロキサン化合物をラジカル
重合開始剤の存在下、高圧力で共重合する方法、特開昭
63−172712号公報、特公昭48−1711号公
報、特開昭47−8389号公報等に記載されている押
出機等を用いて有機過酸化物(ラジカル重合開始剤)の
存在下でポリオレフィン樹脂にシロキサン化合物をグラ
フトする方法等の提案がある。また、シロキサンモノマ
ーを利用したものとしてはガラス繊維の処理剤に代表さ
れるシランカップリング剤が良く知られている。
【0020】一般に、シロキサンのポリマーは、ポリオ
レフィン樹脂や他のポリマーよりもガス成分を容易に透
過するものである。例えば、高分子加工、第36巻3号
11ページ(1987)に開示されているように、むし
ろガスを透過する用途に検討されている。しかし、本発
明においてはシロキサン化合物、特にアミノ基を含有す
るシランカップリング剤を接着剤として使用することに
より均一な膜が形成され、さらにこれを厚さ2〜15μ
mとなるように塗布することにより、この接着剤の層が
防曇剤(界面活性剤)の移行防止のバリア層となり、多
層積層体の層間接着強度の低下の防止、防曇剤の濃度低
下を防ぎ防曇性を維持できるものと思われる。
【0021】アミノ基を含有しているシロキサンが本発
明に特に有効である理由は完全には判っていないが、一
つにはポリオレフィンフィルムの表面を湿潤化すること
と関係があり、ポリオレフィンフィルム表面上または表
面のすぐ下側の負の表面電荷が、メタノール溶液中にあ
る時に陽イオン性のアミノ基含有シロキサンを引き付
け、フィルム表面を湿潤させるためであると考えられ
る。また、特にコロナ放電処理された積層体のポリオレ
フィンフィルムは、ポリオレフィンフィルム表面上のカ
ルボキシル基がシロキサンのアミノ基を引き付けて、ポ
リオレフィンフィルム表面を湿潤させるということも考
えられる。アミノ基を含有するシラン混合物をポリオレ
フィンフィルム上で防曇剤のガスバリア性樹脂の前躯体
として使用する場合、シランを加水分解して得られるシ
ロキサン化合物が表面を湿潤できるようにするために
は、モノマーを混合し、次いで共加水分解すべきである
ことも見いだされている。好ましいシロキサン化合物と
してはビニルベンジルアミノシランまたはこれとビニル
トリメトキシシランの加水分解−重合体を挙げることが
できる。
【0022】本発明のシロキサンを含有する接着剤の製
造方法の一例としては米国特許4803126号明細
書、特開平2−286331号公報を挙げることができ
る。具体的には例えば、シロキサンモノマーをアルコー
ル類に溶解しこれに少量の水を加えたものをポリエチレ
ンテレフタレート樹脂層の部分に塗布、加温しシロキサ
ンの部分を架橋させ、このフィルムと更に防曇剤を練り
込んだポリオレフィン樹脂フィルムとの間に低密度ポリ
エチレン樹脂を高温で押し出すことによりガスバリア性
多層積層体を得ることができる。
【0023】防曇剤を混入するポリオレフィンとして
は、ヒートシール可能であることが必要であり、これの
可能な低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0024】本発明ガスバリア性多層積層体に使用する
ガスバリア性樹脂としては、通常ガスバリア性樹脂とし
て使用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアクリロニトリル共重合体樹脂が使用でき
る。
【0025】また、基材フィルムとしてはガスバリア性
フィルムと二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポ
リプロピレンフィルム等を積層したものであってもよ
く、これら基材フィルムとAF−PEの積層に際しシロ
キサン化合物からなる接着剤を使用したものであれば本
発明は効果を発揮する。従って、基材フィルム/接着剤
/AF−PE、あるいは基材フィルム/接着剤/(ポリ
オレフィンまたはその他の樹脂)/AF−PEなどの組
み合わせにおいて本発明の充分な効果が得られる。
【0026】
【作用】本発明の多層積層体に於いては、透明性を有す
るガスバリア性樹脂層を構成層として有する基材フィル
ムとAF−PE層の間にシロキサン化合物の接着剤層を
設けることにより、防曇剤が該接着剤層で遮断され且つ
接着強度を高度に維持でき、このため高いガスバリア性
を維持すると共に層間剥離を防止し、長期にわたって防
曇性能を維持できるものと思われる。
【0027】
【実施例】次に本発明を具体的に例を挙げてさらに詳し
く説明する。また、防曇性能の評価及び層間剥離の評価
は次の試験方法で行った。
【0028】〔防曇性能〕防曇剤含有ポリオレフィンフ
ィルムを積層した多層積層体を、70℃の水を入れた半
径が5cmの円筒状の容器の上面に防曇剤を混入した防
曇層(AF−PE層)が水側となるように隙間なくカバ
ーし、30分経過後にフィルムの状態を目視により評価
した。この時水滴等の付着により透明性が阻害されるも
のを×、透明性になんら変化のないものを○で表わし
た。更に長期にわたる性能評価として、フィルム成形直
後、及び25℃、湿度65RH%の状態で保管された成
形1ケ月後、6ケ月後のフィルム評価も行なった。
【0029】〔剥離評価〕防曇フィルムを積層した多層
積層体の防曇剤を混合した層同志を190℃、シール圧
2kg/cm2 でヒートシールし、東洋精機社製、テン
シロン、UTMIII を用いて300mm/minの剥離
速度で剥離した時の15mm幅の剥離強度及び剥離場所
(剥離場所が基材フィルムの接着層または接着剤層剥離
の場合には×、防曇剤を混入した層内の凝集破壊の場合
は○で表わした。)を評価した。さらに防曇性能評価と
同様に長期にわたる性能評価としてフィルム成形直後、
及び25℃、湿度65RH%の状態で保管された成形1
ケ月後、成形6ケ月後の評価も行なった。
【0030】(実施例1)ホモポリプロピレン(昭和電
工社製、ショウアロマー、MI=7.0g/10mi
n)、無水マレイン酸変性PPである接着層樹脂(三井
石油化学社製、アドマーQF551)、エチレン含量が
29mol%の日本合成化学社製、ソアノールDT(E
VOH)を、PP/AD/EVOH/AD/PPの層構
成となるように、東芝機械社製、65φ3種5層Tダイ
装置で共押出成形法により成形した(ダイス温度は21
0℃)。またこの時の各層の厚みは、PP層がそれぞれ
20μm、AD層がそれぞれ3μm、EVOH層が12
μmであった(このフィルムを基材フィルムとす
る。)。一方の表面に、ビニルベンジルアミノシラン
(ダウコーニング社製、Z−6032)を25℃、24
時間加水分解したもの10vol%とメタノール90v
ol%からなる混合溶液を、バーコート法により塗布加
温し厚み5μmの塗布層を得た。一方、防曇剤としてH
LBが7.3のジグリセリン脂肪酸エステルを川田制作
所製のスーパーミキサーSMV−20を用いて0.5重
量%混合した直鎖状低密度ポリエチレン(昭和電工社
製、ショウレックス、MI=5g/10分、密度=0.
920g/cm3 )を吉井鉄工社製40φ単層Tダイ成
形機を用いて厚み20μmの単層フィルムを成形し(ダ
イス温度は210℃)、そのフィルムを低密度ポリエチ
レン(昭和電工社製、ショウレックス、MI=7.5g
/10分、密度=0.917g/cm3 )を用いて、基
材フィルムの塗布層側とサンドラミ法により貼合しガス
バリア性多層積層体を得た。このとき低密度ポリエチレ
ン層の厚みは20μmであった。この多層積層体を前述
の試験方法により評価した。結果を表1に示した。
【0031】(実施例2)防曇剤の量を5重量%にした
以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性多層積層体
を得た。得られたフィルムを前述の試験方法により評価
した。結果を表1に示した。
【0032】(実施例3)実施例1で成形された基材フ
ィルムの一方の表面にシロキサン化合物としてビニルベ
ンジルアミノシラン(ダウコーニング社製、Z−603
2)2vol%とビニルトリメトキシシラン(東レシリ
コーン社製、SZ−6300)8vol%の加水分解し
た混合溶液を実施例1の方法で塗布加温し厚み5μmの
塗布層を得た以外はすべて実施例1の方法で多層積層体
を得た。この積層フィルムを前述の試験方法により評価
した。結果を表1に示した。
【0033】(比較例1)実施例1で用いた直鎖状低密
度ポリエチレン、接着層樹脂、EVOHをPE/AD/
EVOH/AD/PEの層構成となるように実施例1と
同様の方法で、厚みがPEがそれぞれ20μm、ADが
それぞれ3μm、EVOHが12μmとなるように多層
積層体を得た。この積層体を前述の試験方法で評価し
た。結果を表1に示した。
【0034】(比較例2)実施例1で用いた直鎖状低密
度ポリエチレンに防曇剤としてポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを実施例1に従って0.5重量%混合し(これを
PE/AFとする。)、東芝機械製65φ3種5層多層
TダイによりPE−AF/AD/EVOH/AD/PE
−AFの層構成となるように成形した(ダイス温度は2
10℃)。このとき各層厚みはPE−AFがそれぞれ2
0μm、ADがそれぞれ3μm、EVOHが12μmで
あった。得られたフィルムを前述の試験方法により評価
した。結果を表1に示す。
【0035】(比較例3)実施例1で得られた基材フィ
ルムにポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布し
たものと、あらかじめ防曇剤としてHLBが7.3のジ
グリセリン脂肪酸エステルを実施例1の要領で0.5重
量%混合したポリエチレン樹脂(昭和電工社製、ショウ
レックス、MI=5g/10分、密度=0.920g/
cm3 )を吉井鉄工社製40φ単層Tダイ成形機で単層
成形したフィルムを(PE−AFとする。)ポリエチレ
ン樹脂(昭和電工社製、ショウレックス、MI=7.5
g/cm3 、密度0.917g/cm3 、以下PEとす
る。)でサンドラミ法にて押出積層し、基材フィルム/
AC/PE/PE−AFの層構成からなる防曇フィルム
を得た。このときPEの厚みは20μmであった。得ら
れた積層体を前述の試験方法により評価した。結果を表
1に示す。
【0036】(比較例4)比較例1で得られた多層積層
体に実施例1で得られた防曇剤を混合した直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂の単層フィルムを同じく実施例1で用
いた低密度ポリエチレン樹脂でサンドラミし、新たに多
層積層体を得た。このとき低密度ポリエチレン層の厚み
は20μmであった。この新たに得られた多層積層体を
前述の試験方法により評価した。結果を表1に示した。
【0037】
【0038】
【発明の効果】本発明は、AF−PEからの防曇剤であ
る非イオン界面活性剤が移動し基材フィルム中のガスバ
リアフィルムに浸透してガスバリア性を低下させたり、
基材フィルムを接着させている接着剤に悪影響を与えて
層間接着強度を低下させたり、またこの移動によりAF
−PE層中の防曇剤濃度の低下による防曇性の低下する
ことをシロキサン化合物からなる接着剤層がこれらを効
果的に防止できることを見いだしたことに基づくもので
ある。この結果本発明の多層積層体は層間接着強度に優
れ、且つ、長期にわたつてガスバリア性、防曇性能を維
持でき、機械的強度等が極めて良好であり、食品包装材
料、医薬品包装材料、化粧品包装材料及び容器の原材料
として有用である。
【0039】透明性を問題としない包装体であっても、
ガスバリア層としてアルミニウム箔を使用したときで
も、包装体内部に水滴の局部的な凝集による局部的な濡
れを防止できるためこのような包装材としても有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/12 7141−4F // B65D 65/40 A 9028−3E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも(a)透明性を有するガスバ
    リア性樹脂層を構成層として有する基材フィルム、
    (b)基材フィルムに直接接したシロキサン化合物から
    なる接着剤層及び(c)基材フィルムの反対の最外層の
    面に非イオン界面活性剤を含むポリオレフィンの防曇層
    からなることを特徴とするガスバリア性多層積層体。
  2. 【請求項2】 ガスバリア性樹脂がエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体鹸化物樹脂(EVOH)、塩化ビニリデン−
    塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−メチルアクリレ
    ート共重合体(PVDC)、ポリアミド樹脂、ポリアク
    リロニトリル(PAN)である請求項1記載のガスバリ
    ア性多層積層体。
  3. 【請求項3】 シロキサン化合物がビニルベンジルアミ
    ノシラン、ビニルトリメトキシシランの加水分解−重合
    体である請求項1記載のガスバリア性多層積層体。
  4. 【請求項4】 シロキサン化合物を厚さ2〜15μmの
    接着層とした請求項1記載のガスバリア性多層積層体。
  5. 【請求項5】 非イオン性界面活性剤が、ソルビタン脂
    肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エ
    ステル、ポリオキシエチレン脂肪族エステル、ポリグリ
    セリン脂肪酸エステル、オキシエチレン・オキシプロピ
    レンブロックポリマ−、ポリオキシエチレンアルキルエ
    −テル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
    ルの一種または二種以上の混合物をポリオレフィン樹脂
    に0.05〜8重量%の範囲で混合した請求項1記載の
    ガスバリア性多層積層体。
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