JP2707967B2 - ヒートシール耐性に優れたフレキシブル包装用フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ヒートシール耐性に優れたフレキシブル包装用フィルム及びその製造方法

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JP2707967B2 JP2703594A JP2703594A JP2707967B2 JP 2707967 B2 JP2707967 B2 JP 2707967B2 JP 2703594 A JP2703594 A JP 2703594A JP 2703594 A JP2703594 A JP 2703594A JP 2707967 B2 JP2707967 B2 JP 2707967B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒートシール耐性に優
れたフレキシブル包装用フィルム及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品等の包装には、金属、ガラ
ス、プラスチックを用いたリジッドな容器による包装の
他に、フレキシブル包装も広く使用されている。このフ
レキシブル包装は、軽量であると共に、内容物の保存性
も各種包装の目的に合致するものであり、使用後の包装
容器の廃棄も容易であるという利点を与えるものであ
る。
【0003】フレキシブル包装用素材の最も構成の簡単
なものとして単層フィルムがあり、また種々の特性を兼
ね備えたものとして多層フィルムがあるが、これらのフ
レキシブル包装用フィルムは、パウチ類、トレー類、カ
ップ類等の何れの容器形態の場合でも、ヒートシールに
より密封を行うのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ヒートシー
ル性を有する樹脂フィルムの場合、樹脂フィルム同士が
対向するシール面では良好な熱接着が行われるとして
も、反対側の面はヒートシールバーに直接接触する結果
として、ヒートシールバーに付着したり、或いは毛羽立
ちを生じたり、更にはフィルムの収縮乃至ヒートシール
境界部での強度の著しい低下を生じたりする傾向があ
る。
【0005】近年、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)が通常の低密度ポリエチレンに比して強度が大であ
るなど機械的特性に優れており、ヒートシール性もある
ため、フレキシブル包装材料として着目されているが、
LLDPEは上記欠陥を生じる傾向が特に大であり、ヒ
ートシール耐性に劣っている。
【0006】また、オレフィン樹脂等のヒートシール性
樹脂は、概して透明性や透明感に乏しく、フレキシブル
包装内に内容物を充填したときの外観特性も未だ不満足
であり、包装体の商品価値を高めるのに十分とはいえな
い。
【0007】フレキシブル包装用フィルムの外面にヒー
トシール耐性を付与するために、内面側にヒートシール
性樹脂層及び外面側に二軸延伸ポリエステル等の耐熱性
樹脂フィルムを積層した多層フィルムも使用されている
が、この多層フィルムを製造するには、複数種のフィル
ムを別個に製造して、接着剤を用いて貼り合わせる操作
が必要であり、また高価な二軸延伸ポリエステルを必要
とし、高価につくという欠点がある。また、有機溶剤系
の接着剤を用いた場合には、残留溶剤の問題が生じるな
ど貼り合わせに伴う各種の問題が生じることが多い。更
に、地球環境を考えた場合、複雑な構成の複合フィルム
はリサイクルの点からけして好ましいものではない。
【0008】従って、本発明の目的は、包装外面側とな
る樹脂層がヒートシール性樹脂から成る場合にも、樹脂
表面の軟化粘着等を防止して、ヒートシール耐性を向上
させることができ、更に透明性や表面光沢性、透明感等
の外観特性を向上させることが可能なフレキシブル包装
用フィルム及びその製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも外面がヒートシール性樹脂で形成され且つ全体が透
明である単層乃至多層フィルムの包装外面側となる面
に、アクリル系単量体を主体とする単量体と重合性シラ
ン系カップリング剤とコロイダルシリカとを乳化重合す
ることにより得られ且つ全固形分当り20乃至75重量
%のコロイダルシリカを含むコーティング層を、0.3
乃至15μmの厚みで設けて成ることを特徴とするヒー
トシール耐性に優れたフレキシブル包装用フィルムが提
供される。
【0010】本発明によればまた、少なくとも外面がヒ
ートシール性樹脂で形成され且つ全体が透明である単層
乃至多層フィルムの包装外面側となる面に、アクリル系
単量体を主体とする単量体と重合性シラン系カップリン
グ剤とコロイダルシリカとを乳化重合することにより得
られ且つ全固形分当り20乃至75重量%のコロイダル
シリカを含む水性の被覆用組成物を、乾燥後0.3乃至
15μmの厚みのコーティング層となるように塗装する
ことを特徴とするヒートシール耐性に優れたフレキシブ
ル包装用フィルムの製造方法が提供される。
【0011】本発明は、外面がエチレン乃至α−オレフ
ィン共重合体を主体とする樹脂、特に線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)から形成されている単層乃至多層
のフィルムに、ヒートシール耐性を付与するのに有用で
ある。特に、常温下のn−デカン抽出量7重量%未満の
エチレン乃至α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂
表面や、0乃至500ppm未満の有機滑剤添加量を有
するエチレン乃至α−オレフィン共重合体を主体とする
樹脂表面上にコーティング層を設けると、密着性、耐水
密着性に優れたコーティング層を形成させることができ
る。 また、濡れ指数35dyne/cm以上に化学処
理乃至物理処理が施されたエチレン乃至α−オレフィン
共重合体を主体とする樹脂表面上にコーティング層を設
けることにより、塗装性を向上させることができる。
【0012】本発明に用いるコーティング層では、コロ
イダルシリカの全体の30重量%以上が、シランカップ
リング剤を介してアクリル系単量体と結合したコロイダ
ルシリカであることが好ましく、またこのコーティング
層中に存在するアクリル系重合体は30℃以下のガラス
転移温度を有することが好ましい。
【0013】
【作用】本発明で使用する、アクリル系単量体を主体と
する単量体と重合性シラン系カップリング剤とコロイダ
ルシリカとを乳化重合することにより得られた水性組成
物は、例えば特開昭59−71316号公報等により、
木材、紙、合成樹脂、ガラス、金属、陶磁器、石膏、皮
革等に対する被覆材として公知のものである。
【0014】本発明では、この水性被覆組成物をヒート
シール性樹脂層上にコーティングすることにより、ヒー
トシールバー等に接触したときの樹脂の軟化融着傾向を
解消して、ヒートシール耐性に優れたフレキシブル包装
用フィルムが得られる。
【0015】このコーティング層では、アクリル重合体
とコロイダルシリカとがシラン系カップリング剤を介し
て結合し且つ架橋した化学構造を有する。単層乃至多層
フィルムのヒートシール性樹脂層に結着し造膜するの
は、アクリル重合体であるが、このアクリル重合体中に
コロイダルシリカを含有させ、しかもアクリル重合体と
コロイダルシリカとの間にシラン系カップリング剤によ
る化学結合構造を導入することにより、エマルジョンの
安定性が著しく向上する結果、ゲル分などが少ない透
明、均一な外観特性に優れたコーティング皮膜が形成で
きること、また、ヒートシール耐性や耐水密着性が顕著
に向上する。
【0016】アクリル重合体エマルジョンでは、その造
膜(エマルジョン粒子の合着一体化)が比較的低温にお
いても容易に行われるように、重合体として比較的ガラ
ス転移点(Tg)の低いものが使用されている。このた
め、アクリル重合体エマルジョン単独をコーティングに
使用すると(後述する比較例1参照)、形成されるコー
ティング層の透明性や光沢度等の外観特性は優れている
としても、ヒートシールに際して、130℃程度の低温
でも、コーティング層がヒートシールバーに付着した
り、白化する傾向が見られ、210℃もの高温になる
と、コーティング層が剥離する傾向が認められる。ま
た、このコーティング層は、耐水密着性にも劣ってお
り、水との接触により、白化、失透したり、ブリスター
を発生したりする傾向が認められる。
【0017】アクリル重合体エマルジョンにコロイダル
シリカを配合した混合物をコーティングに使用すると
(後述する比較例2参照)、エマルジョンの安定性に劣
るためコーティング皮膜にゲル状のブツが多く生じて外
観特性に劣る傾向にあり、また形成されるコーティング
層の低温におけるヒートシール耐性は向上するものの、
高温ではヒートシールバーへの付着や白化がいぜん生
じ、また透明性や光沢度等の外観特性が低下する。ま
た、このコーティング層は、耐水密着性も未だ不十分で
あり、高温の水との接触により、白化する傾向が認めら
れる。
【0018】これに対して、本発明に従い、アクリル重
合体とコロイダルシリカとがシラン系カップリング剤を
介して結合し且つ架橋したコーティング層を、LLDP
E等のヒートシール性樹脂フィルム上に設けると、未塗
装のフィルム(比較例3参照)や上記のコーティング層
を設けたフィルムに比して、透明性や光沢度等の外観特
性が顕著に向上すると共に、ヒートシール耐性も230
℃程度まで顕著に向上し、且つ耐水密着性も向上する。
【0019】本発明のコーティング層において、ヒート
シール耐性が向上するのは、コーティング層中にコロイ
ダルシリカが含有されていることと、このコロイダルシ
リカとアクリル重合体とがシラン系カップリング剤を介
して架橋していることに基づくものであり、実際本発明
におけるコーティング層では、流動開始温度が220℃
以上、特に230℃以上に高められており、これが、ヒ
ートシール性樹脂上に僅か1μm程度の皮膜を設けるの
みでヒートシール耐性が向上する理由と思われる。
【0020】本発明に用いるコーティング層では、全固
形分当たり20乃至75重量%、特に25乃至70重量
%のコロイダルシリカを含有することも重要である。即
ち、上記範囲よりも少ないときには、ヒートシール耐性
の改善が不十分であり、一方上記範囲よりも多いときに
は、コーティング層の耐磨耗性が劣ったものとなると共
に、透明や光沢等の外観特性も低下する。
【0021】コーティング層の厚みも、0.3乃至15
μm,特に1.0乃至10μmの範囲にあるべきであ
り、上記範囲よりも薄いと、やはりヒートシール耐性の
改善が十分でなく、上記範囲よりも厚くても格別の利点
はなく、かえってコストが高くなり、またコーティング
層とフィルムとの物性の違いにより、コーティング層に
亀裂が発生したりする不都合がある。
【0022】本発明によれば、ヒートシール性樹脂その
ものを使用しても、ヒートシールバーとの接触部位にお
ける軟化付着や毛羽立ちが防止されるので、安価な単層
フィルムを単独でヒートシール可能なフレキシブル包装
に用いうるという利点が達成される。特に、エチレン乃
至α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂、特に線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)は、融点が低く、ヒ
ートシールが容易な反面として、ヒートシールバーへの
軟化付着や毛羽立ちの著しいものであったが、上記のコ
ーティング層を設けることにより、これらが有効に防止
されるばかりでなく、ヒートシール温度を広い範囲で設
定することが可能となり、これにより、高いシール強度
と良好なヒートシール作業性とが得られるものである。
【0023】コーティング層のフィルムへの耐水密着性
の点で、エチレン乃至α−オレフィン共重合体中の、常
温下のn−デカン抽出量や滑剤含有量が大きな影響を与
えることもわかった。後述する3表に示すとおり、n−
デカン抽出量を7重量%未満、特に4重量%未満とした
ものを用いることにより、また滑剤含有量が0乃至50
0ppm未満のものを用いることにより、耐水密着性を
向上させることができる。また、濡れ指数35dyne
/cm以上に化学処理乃至物理処理が施されたエチレン
乃至α−オレフィン共重合体フィルムにコーティング層
を設けることにより、塗装性を良好にし、熱水と接触し
たときのブリスターの発生を抑制することができる。
【0024】本発明に用いるコーティング層では、上記
乳化重合系に含まれる以外のコロイダルシリカを配合す
ることができるが、コロイダルシリカの全体の30重量
%以上が、シランカップリング剤を介してアクリル系単
量体と結合したコロイダルシリカであるのがよい。外部
添加コロイダルシリカの量がこの範囲を上回ると、水性
被覆組成物の分散安定性及び塗装作業性が低下し、透明
性や光沢が低下すると共に、ヒートシール耐性や耐水密
着性も低下する傾向がある。
【0025】このコーティング層中に存在するアクリル
系重合体は30℃以下のガラス転移温度を有することが
好ましく、これにより優れた造膜性と密着性とが得られ
る。
【0026】本発明は、単層フィルムに適用した場合
に、特に大きな利点が達成されるものであるが、本発明
は勿論、外層がヒートシール性樹脂層で内層が他の樹脂
である2層フィルムや、外層、内層のいずれもがヒート
シール性樹脂層である2層フィルムや、外層及び内層が
ヒートシール性樹脂層で中間層が他の樹脂である3層フ
ィルムにも適用できることは当業者には自明であろう。
【0027】
【発明の好適な態様】
[コーティング層]本発明では、ヒートシール性樹脂に
対するコーティング層として、アクリル系単量体を主体
とする単量体と重合性シラン系カップリング剤とコロイ
ダルシリカとを乳化重合することにより得られた水性組
成物を使用する。
【0028】本発明において、コーティング層の樹脂成
分として、アクリル系単量体を使用するのは、有機系塗
料は塗料としての基本的特性、例えば、塗工性、造膜
性、平滑性、密着性、耐水性、耐候性に優れていること
によるもので、アクリル系重合体は、特に、透明、光沢
性、耐候性、耐水性、密着性、可撓性に優れている。ま
た、このものは共重合性に優れ、単量体の種類も多い。
それらを共重合することによりフレキシブル包装とし
て、広範な用途、目的に合わせることができる。
【0029】アクリル系単量体としては、炭素数が1〜
18なるアルカナールとアクリル酸やメタクリル酸のエ
ステルが主体となるものであり、その適当な例として、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル
酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル等がある。ただし上記の(メタ)ア
クリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。
上記(メタ)アクリル酸エステルは単独でも組み合わせ
ても使用でき、また他の単量体との共重合体でもよい。
【0030】好適なエステルは、ガラス転移点が30℃
以下のポリマーを与えるものであり、メタクリル酸のメ
チル、エチル、イソプロピル、イソブチルエステルなど
であり、特にメタクリル酸プロピルエステルを主体とす
るものが好ましい。ガラス転移点は、重合に使用したモ
ノマーより成る樹脂のそれぞれのガラス転移温度と各モ
ノマーの仕込み重量より、公知の手法により計算にて見
積ることができ、また、差動走査熱量分析計などの公知
の測定手法により測定することができる。
【0031】これらの単量体と共に共重合される他の共
単量体としては、カルボキシル基、その塩の基、アミド
基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基、及
びエーテル化メチロール基を有するアクリル系単量体
や、その他のエチレン系不飽和単量体を挙げることがで
き、具体的には次のものが挙げられる。
【0032】エチレン系不飽和カルボン酸またはその無
水物;例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無
水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これら
の酸基含有モノマー単位は、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム等の金属塩類やアンモニウム塩、アミン塩等の
形で存在していてもよい。また、アミド基含有モノマー
としては、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。水
酸基含有モノマー単位としては、ビニルアルコール、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル
酸プロピレングリコールモノエステル等が挙げられる。
アミノ基含有モノマー単位としては、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチ
ルアミノエチル、ビニルピリジン、2−ビニル−5−エ
チルピリジン、(メタ)アクリル酸オキサゾリルエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルアミノエチル
等が挙げられる。エポキシ基含有モノマーとしては、
(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、ブタンモノオキシド等が挙げられる。メ
チロール基及びエーテル化メチロール基を有するモノマ
ーとしては、(メタ)アクリルアミドのジメチロール化
物や、そのエーテル化物、例えばエチルエーテル化物或
いはブチルエーテル化物等が使用される。
【0033】他の単量体としては、スチレン、ビニルト
ルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸
ビニル等を挙げることができる。
【0034】コロイダルシリカとしては、水性媒体中に
コロイダル状にシリカが分散したものが使用され、特に
シリカの分散粒径が一般に3乃至500nmのものが使
用される。好適なコロイダルシリカは、日産化学工業か
らスノーテックスの商品名で入手しうる。
【0035】本発明のコーティング層に用いるコロイダ
ルシリカは、次の利点を有する。即ち、粒子表面に活性
なシラノール基を持つ:安定で、長時間の親水性の保持
ができる:また極めて微粒子であるため、塗布液への分
散性が良い:耐熱性が高く、表面の粘着性がない:硬度
の低下がない。一方このものは、単独では、次の欠点を
有する。即ち、造膜性がわるい:塗膜は脆い:耐水性が
ない:密着性がわるい:塗料の貯蔵安定性がわるく、シ
リカの分離沈澱が生じる。本発明では、このコロイダル
シリカをアクリル系単量体及び重合性シラン系カップリ
ング剤の重合系に添加することにより、この欠点を防止
しうる。
【0036】重合性シラン系カップリング剤としては、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシ−β−
トリエトキシシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ア
リル(allyl)トリエトキシシラン、ジビニルジエ
トキシシラン、ジビニルジメトキシ−β−エトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、β−アリルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0037】本発明で用いる重合性シランカップリング
剤は、アクリル系重合体を、コロイダルシリカと結合さ
せる働きをする。重合体と結合したコロイダルシリカ
は、塗料中に安定に分散され、分離沈澱しにくくなる。
また耐熱性、シリカの安定化、塗膜からの脱落を防止す
る役割をする。シリカを塗料中、塗膜中に安定に分散さ
せ、かつ、シリカ表面の親水性を損なうことのないよう
な点からまた塗膜としての諸性能の点から好適な範囲が
ある。
【0038】上記組成物において、3成分固形分基準の
量比は、アクリル系単量体が25乃至80重量%、特に
30乃至75重量%、重合性シラン系カップリング剤が
0.1乃至10重量%、特に0.3乃至5重量%及びコ
ロイダルシリカが20乃至75重量%、特に25乃至7
0重量%の範囲にあるのがよい。
【0039】本発明に用いるコーティング組成物におい
て、コロイダルシリカの一部を乳化重合時に添加したも
のとし、他の一部を乳化重合後添加したものとすること
ができる。この場合、乳化重合時に添加され、シラン系
カップリング剤を介してアクリル系樹脂に結合している
ものは、全体の30重量%以上、特に40重量%以上で
あるのがよい。
【0040】カップリング剤の量が上記範囲よりも少な
いと、コロイダルシリカの分散安定性が低下し、またコ
ーティング層の透明性や耐磨耗性が低下するので好まし
くなく、一方カップリング剤を過剰に用いると、塗料と
して増粘しやすくなるので好ましくない。即ち、シリカ
表面が疎水性のカップリング剤に覆われてしまうため、
シリカの親水性が失われてしまい、塗膜表面の親水性が
得られないという問題が生ずる。
【0041】一方、コロイダルシリカの量が上記範囲よ
りも少ないと、コーティング層の耐熱性(ヒートシール
耐性)が低下する傾向があり、また、コロイダルシリカ
を過剰に用いると塗料としての貯蔵安定性が低下する、
沈澱分離を生じ易い、塗膜の諸特性の劣化を生じ、成膜
性が低下する、塗膜がブリットルとなる、透明、光沢性
がわるい等の問題を生じる。
【0042】本発明に用いるコーティング組成物は、上
記アクリル系単量体、重合性シラン系カップリング剤及
びコロイダルシリカを水性媒体中に分散させ、乳化重
合、或いは乳化播種重合させることにより得られる。
【0043】重合開始剤としては、アゾイソブチロニト
リル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシクロヘキサ
ンカルボニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル等のアゾ化合物、クメンヒドロペルオキシド、
t−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド
類、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド等のジアルキルペルオキシド類、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイル等のジアシルペルオキシド類、t−ブ
チルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシラウ
レート、ジ−t−ブチルジペルオキシフラレート等のペ
ルオキシエステル類、メチルエチルケトンペルオキシド
等のケトンペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシ
ジカルボナート等のペルオキシジカルボナート類、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類、過酸
化水素水等の無機過酸化物を重合方法に応じて用いるこ
とができる。また、過酸化物系開始剤は適当な還元剤と
組み合わせてレドックス系低温開始剤として用いること
ができる。この他にγ線、加速電子線のようなイオン化
放射線や紫外線と各種増感剤との組み合わせを用いるこ
ともできる。重合開始剤量は単量体量100重量部当た
り0.01〜3重量部の量で用いるのが良い。
【0044】界面活性剤類としては、ラウリル硫酸ナト
リウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩
類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキ
ルアリルスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のア
ルキルスルホコハク酸塩類、ステアリン酸カリウム等の
脂肪酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩類、アシルサルコシン塩類等の
アニオン界面活性剤類、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステ
ル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアル
キルエーテル類等の非イオン界面活性剤類、など従来よ
り公知のものを用いることができる。
【0045】用いる水性コーティング組成物は、固形分
濃度が3乃至50重量%、特に10乃至40重量%の範
囲にあるのがよく、上記範囲よりも低い場合は水分の乾
燥に余分の熱エネルギーを必要とするので好ましくな
く、一方上記範囲よりも高いと塗装作業性が低下した
り、コーティング層の平滑性が失われるので好ましくな
い。
【0046】本発明において、上記乳化重合組成物はそ
のままの状態で使用できるのは勿論であるが、既に述べ
たとおり、この組成物中に別個にコロイダルシリカを配
合して、コーティング層の形成に使用することができ
る。外添するコロイダルシリカの量は、コロイダルシリ
カ全体の70重量%を越えないことが好ましい。
【0047】本発明に用いるコーティング組成物には、
上記以外のそれ自体公知の添加剤をそれ自体公知の処方
に従って配合でき、例えばレベリング剤、防かび剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、減粘剤、増粘剤を等が挙げら
れる。
【0048】[フィルム]本発明に使用するフィルム
は、ヒートシール性樹脂を少なくとも外面に有するもの
であり、単層或いは多層のフィルムが使用される。ヒー
トシール性樹脂としては、エチレンやα−オレフィンの
単独重合体や共重合体或いはそれらのブレンドが使用さ
れ、適当な例として、アイソタクチック或いはシンジオ
タクチックポリプロピレン、低−、中−或いは高−密度
のポリエチレン、線状低密度或いは線状超低密度のポリ
エチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン
−エチレン−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共
重合体、エチレン−アクリレート共重合体、オレフィン
系アイオノマー等のオレフィン系樹脂が挙げられる。
【0049】本発明では、これらの内でも、特にエチレ
ン乃至α−オレフィン共重合体の場合に著効がある。こ
れらの共重合体は特に低温でのヒートシール性に優れ、
ヒートシール部の端縁での非破壊性にも優れたものであ
るが、ヒートシール耐性に劣るものであるが、本発明で
は、上記のコーティング層を設けることにより、ヒート
シール耐性を向上させることができる。
【0050】エチレン乃至α−オレフィン共重合体の内
でも、線状低密度或いは超低密度のポリエチレンは、通
常の低密度ポリエチレンに比して、引っ張り強度、引き
裂き強度等の機械的性質や、耐衝撃性に優れており、フ
レキシブル包装用フィルムの外面材として適したもので
あるが、本発明によれば、線状低密度或いは超低密度ポ
リエチレンのヒートシール耐性の欠点を解消することが
できる。
【0051】線状低密度或いは線状超低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)は、エチレンを主体とし、これに炭素
数4乃至10のα−オレフィン、ブテン−1、ペンテン
ー1、ヘキセン−1、オクテン−1等を共重合させたも
のであり、このものは実質的に線状で、上記α−オレフ
ィンに基づく短い分岐鎖を有するものであり、その密度
は、一般に0.980乃至0.940g/ccの範囲に
ある。このLLDPEは、通常の低密度ポリエチレンに
比して、引っ張り強度や引き裂き強度等に優れており、
簡易包装用のフレキシブル包装素材として特に優れてい
る。線状低密度或いは超低密度ポリエチレンには、その
製膜性や製膜作業性を改善するために、低密度ポリエチ
レンあるいは高密度ポリエチレンをブレンドしたものを
使用でき、線状低密度或いは超低密度ポリエチレンと低
密度ポリエチレンあるいは高密度ポリエチレンとは、9
7:3乃至60:40の重量比でブレンドしたもの等が
好適に使用させる。
【0052】ヒートシール性樹脂としては、上に述べた
オレフィン系樹脂の他に低融点の共重合ポリエステルや
共重合ポリアミド等を用いることもできる。
【0053】エチレン乃至α−オレフィン共重合体は、
n−デカン抽出量が7重量%未満、特に4重量%未満と
したものを用いるのが耐水密着性の点でよく、また、エ
ルカ酸アミド等の有機滑剤含有量が0乃至500ppm
未満のもの、特に300ppm未満のものを用いるのが
やはり密着性の点でよい。
【0054】コーティング層を設ける表面の樹脂は、0
乃至500ppm未満の有機滑剤含有量を有するのがよ
い。フィルム成形用樹脂には、フィルム表面の易滑性の
改良のため、滑剤を通常、数百ないし数万ppm程度含
有させている。有機系滑剤が基材フィルム表面に多量に
ブリードした状態では、フィルム表面の表面張力は低
い。また後述する表面酸化処理を施したとしても、効果
が十分に発揮されない。この為、エマルジョン塗料の塗
工性が悪くなる。あえて、コーティング層を設けたとし
てもコーティング層/基材フィルム界面に存在する滑剤
の為、界面吸水性が大きくなり、耐水性が劣る。表面の
活性を低下させる添加剤量を他の特性が劣化しない範囲
で、抑える必要がある。成膜直後に酸化処理、塗工乾燥
を行えばより有効である。また、多層フィルムにおいて
は、コーティング層を設ける表面のフィルム層について
のみ、前述のような滑剤添加量の低減を行い、他の層に
ついては従来通り易滑性を付与する処分をして用いるこ
とも効果的である。
【0055】本発明において、フィルム基体は、コーテ
ィング層を設ける外表面がヒートシール性樹脂から成る
限り、単層フィルムであってもよいし、また多層のフィ
ルムであってもよい。多層フィルムとしては、種類の異
なるオレフィン樹脂の2層以上を重ね合わせたものや、
上記オレフィン系樹脂層と、耐油性に優れた樹脂層、例
えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステ
ル或いはコポリエステル、ポリアクリロニトリル或いは
スチレン−アクリロニトリル共重合体、或いはポリアミ
ド或いはコポリアミドの層を設けた多層フィルム、或い
は上記オレフィン系樹脂の内外層と、ガスバリアー性に
優れた樹脂、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合
体或いはポリアミド或いはコポリアミドの中間層を設け
た多層フィルム等が使用される。
【0056】本発明において、単層或いは多層のフィル
ムは、一般にインフレーション製膜法で製造されるが、
キャスト法及び二軸延伸法で製造されたものでもよい。
多層フィルムとしては、多重ダイスを用いる共押出法
や、押出コート法、サンドイッチラミネーション等の方
法で容易に製造することができる。
【0057】本発明の多層フィルムにおいては、外表面
フィルムにコーティング層を設けることによって耐熱性
が向上されるものの、内側のヒートシールが施される内
表面フィルムとして、外表面フィルムより融点、軟化温
度が低いものを選択するのが望ましい。その組み合わせ
は、これに限定されるものではないが、例えば外表面フ
ィルムが一般のLLDPEの場合には、内表面フィルム
としてはそれより低密度、低融点のエチレンとα−オレ
フィン共重合体あるいはエチレンと酢酸ビニル、アクリ
ル酸乃至アクリル酸エチル等のエチレン共重合体が、ま
た外表面フィルムがポリプロピレン系の場合には、内表
面フィルムとしてはそれより低密度、低融点のプロピレ
ン系共重合体が、更に外表面フィルムがポリスチレン系
の場合には、内表面フィルムとしてゴム系成分を共重合
したものが用いられる。このような構成を選択すること
により、コーティングの乾燥温度、速度を高めに設定で
きること、フィルムのハンドリング性が向上する。ま
た、このフィルムよりパウチ等の包装を形成するに当た
り、いわゆるフィルムの腰が良くなることからその作業
性も改善される。
【0058】フィルムの厚みは、用途によっても相違す
るが、一般に10乃至1000μm,特に20乃至50
0μmの範囲にあるのが望ましく、この内でも自動フィ
ルム包装、パウチ等の袋状容器乃至蓋材の場合には、1
0乃至200μm、真空成形乃至圧空成形によるフレキ
シブルカップ、トレイ等の用途には、100乃至100
0μmの範囲にあるのが望ましい。
【0059】また、濡れ指数35dyne/cm以上に
化学処理乃至物理処理が施されたオレフィン樹脂フィル
ム、特にエチレン乃至α−オレフィン共重合体フィルム
を用いるのが好ましく、上記処理は、コロナ放電処理、
火炎処理、クロム酸による酸化処理等で行うことができ
る。ポリオレフィンフィルムは通常これに満たず通常の
エマルジョン塗料の塗工性が劣る。また、塗料の表面張
力を、界面活性剤を添加し低下させることにより塗工性
を改善したとしても、塗料の密着性が得られない。表面
酸化処理を行うことにより、良好な塗工性が得られると
ともに耐水性、密着性に優れたコーティング層が得られ
る。尚、表面張力は濡れ指示薬を使用して判定する(J
IS K6769)。
【0060】本発明においては、フィルム外表面にそれ
自体透明性、光沢性に優れたコーティング層を設けるこ
とにより、本来フィルム外表面に存在するフィルム成形
時に発生する微細な凹凸に起因する不透明感(一般に外
部ヘイズと称される)、非光沢感を完全に解消すること
が可能となる。
【0061】[塗装方法]単層乃至多層フィルムに水性
コーティング組成物を塗工するには、それ自体公知の任
意の塗工法を用いることができ、例えばスプレー塗装、
浸漬塗装、ロールコート、ドクターブレードコート、ワ
イヤーコート、エアナイフコート等を用いることができ
る。塗工量は、乾燥後の膜厚が、0.3乃至15μm、
特に1.0乃至10μmとなるようなものである。
【0062】フィルム上に施したコーティングを乾燥す
る。この塗膜の乾燥は、用いたアクリル樹脂の造膜温度
以上の温度(一般にアクリル樹脂のガラス転移点;T
g)で行う。乾燥には、熱風乾燥あるいは赤外線加熱、
更にはこれらの併用等を用いることができる。本発明で
は、コーティング皮膜の透湿性が大きいために短時間で
乾燥できることが利点である。
【0063】フレキシブル包装フィルムの作成に当り、
コーティングと印刷とは互いに独立にあるいは同一工程
において、相前後したり、同一もしくは異なるフィルム
表面に対して、公知の手法を用いて任意の形態で行うこ
とができる。工程数を減らす観点から、外表面にグラビ
ア印刷等により印刷を施し、印刷機の最終ゾーンにおい
てコーティングを施すのが最も効率的である。その場
合、水性インキと組み合わせるのがコーティング組成物
の塗工性の点から望ましい。水性インキとしては、変性
アクリルあるいは変性ウレタンあるいはそれらの混合物
から成る公知のものが用いられる。
【0064】[用途]本発明のフレキシブル包装フィル
ムは、ヒートシール可能であると共に、外表面がヒート
シール耐性や透明性、光沢性、透明感に優れており、し
かもコーティング層がシリカを含有するにもかかわら
ず、フレキシブルで、耐磨耗性に優れているという特徴
を有する。
【0065】このため、本発明のフレキシブル包装フィ
ルムは、所定の寸法に裁断した後ロール状で供給される
自動包装フィルムとして、更に、製袋して、袋状容器、
パウチ、スタンディングパウチ等の用途に、また透明ヒ
ートシール蓋として、更にこのものを真空成形、プレス
成形、プラグアシスト成形、圧空成形等の手段で、トレ
イ或いはカップ状の容器に成形して、フレキシブル包装
に用いることができる。
【0066】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。
【0067】(実施例1) エマルジョンの調整 粒径50nm(固形分30%)のコロイダルシリカ15
0部及び非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレン型)
2部をイオン交換水とともに窒素雰囲気下で60℃前後
に加熱した上で、微量の重合開始剤の存在下で、シラン
カップリング剤1部とアクリル系単量体として、n−ブ
チルアクリレート40部、メチルメタクリレート40
部、エチルアクリレート20部の混合物のうちの一部を
加え、反応温度を60〜70℃に保った状態で更に残量
を徐々に滴下し重合を完了させ、pH調整、固形分調整
を経て固形分30%のコロイダルシリカアクリル複合エ
マルジョンを得た。これを本発明1のコーティングに使
用した。
【0068】一方、比較のためのエマルジョンとして、
上記アクリル系単量体のみを前記手法にて重合して固形
分33%のエマルジョン(比較例1にて使用)、更にこ
のエマルジョンに対し、先と同一のコロイダルシリカを
同重量ブレンドすることで固形分33%のエマルジョン
(比較例2にて使用)を得た。なお、ここで使用した樹
脂単独のTgは−2℃であった。
【0069】コーティングフィルムの作成 エチレンとα−オレフィンとしてオクテン−1からなる
密度0.918g/cm3、MI 1.5g/10分、融点
121℃のLLDPEを原料として、インフレーション
成形法により、折り径800mm(ブロー比2.1)、
膜厚80μmのフィルムを作製し、これを以下のコーテ
ィング試験に供した。なお、フィルムにはアンチブロッ
キング剤としてシリカ及びケイソウ土をそれぞれ200
0PHR添加した。また、成形時にインラインでチュー
ブ外面のコロナ放電処理を実施し、製膜後24時間経過
の濡れ指数は40dyne/cmであった。
【0070】これらのフィルムに対し、先に示したエマ
ルジョンをグラビアコートした。線数65のグラビアシ
リンダーを使用し、コロナ処理面側に塗工を行い、引き
続き80℃15秒程度の乾燥を行った。乾燥後のコーテ
ィング量は2.5g/m2 であった。
【0071】コーティングフィルムの評価 コーティングフィルムの性能として、 外観特性、
ヒートシール耐性、耐水密着性を評価した。 外観特性は、 A 塗布乾燥後の外観、B 透明性(ヘ
イズ)、C 光沢度(60゜グロス)の項目についてJ
IS K7105に従って行った。 ヒートシール耐性は、2 枚のフィルムを用い、未塗
布面を内側ヒートシール面とし、塗布面を外側ヒートシ
ールバー接触面として、 A 210℃,0.5秒、面圧
6kgf/cm2 、 B 130℃,2秒、面圧6kgf
/cm2 の2条件にて行い、シールバーへの付着の有
無、シール面の外観を評価した。 耐水密着性としては、コーティングフィルムの切片を
A 55℃水中に1週間浸漬したものと、 B 105℃
加圧水中にて30分間処理したものについて、コーティ
ング膜の変化:剥離、ブリスター、白化等の有無を評価
した。 表1には、これらの結果をまとめて示す。ここで比較例
3として、未コートフィルムについての評価結果を合わ
せて示した。
【0072】アクリルエマルジョンでは、良好なコーテ
ィング外観が得られるが、ヒートシール耐性に乏しく耐
水密着性も劣り、十分なフィルム性能が得られなかっ
た。また、これにコロイダルシリカを混合した場合、こ
れらの性能がいくらか改善されるが、エマルジョンの安
定性が不十分なためかコーティングに濁り、ゲル状のブ
ツが多く見られ、外観特性に劣った。これに対し、コロ
イダルシリカアクリル複合エマルジョンでは、全ての点
において満足行く性能が得られ、105℃30分程度の
セミレトルトにも耐えるコーティングが実現した。この
コーティングフィルムを用いることで、従来比較例3に
示すような単層のLLDPEフィルムでは困難であっ
た、高い密封性が求められる液体内容物の高速充填シー
ルが可能となった。
【0073】(実施例2)アクリル系単量体として、メ
チルメタクリレート50部、n−ブチルアクリレート4
0部、メチルアクリレート10部の割合のものを用い、
粒径30nm、固形分30%のコロイダルシリカをアク
リル樹脂に対し10〜600PHRの範囲で種々変化さ
せたコロイダルシリカアクリル複合エマルジョンを実施
例1に準じて調製した。ここで、シランカップリング剤
の添加量については、コロイダルシリカの量に応じて変
化させ、未反応のコロイダルシリカの割合がほぼ一定と
なるように調整した。なお、ここで用いたアクリル樹脂
単体のTgは約9℃であった。これらのエマルジョンを
実施例1と同じLLDPEにコート、乾燥し、それらの
性能を評価した。結果を表2に示す。
【0074】コロイダルシリカアクリル複合エマルジョ
ンにおいては、シリカ含有量が低く、30PHR未満に
おいては(比較例4,5)、外観は極めて良好である
が、ヒートシール耐性に乏しく、シールバーへの付着や
それに伴う剥離、白化が生じる。また、耐水密着性も劣
りブリスターが発生する、特にセミレトルトにおいて白
化、失透する傾向にある。一方、シリカ含有量が多くな
り、200PHRを越えるとエマルジョンがやや不安定
になり、コート膜にくもりが発生する。また、このヘイ
ズ、光沢度の低下に伴い、ヒートシール時にシール跡
(シール部がやや透明になる)を生じる傾向にある(本
発明5,6)、シリカ含有量が更に増えると、エマルジ
ョンが著しく不安定になり、コート膜が白濁したりブツ
の発生が多くなる(比較例6,7)、恐らくアクリル樹
脂と結合のない未反応のコロイダルシリカが増加するた
めと考えられる。この場合、透明性や光沢度の著しい低
下が生じ、ヒートシール時のシールバー跡もより顕著と
なる。また、造膜に関与するアクリル樹脂の絶対量が不
足するためか、コート膜の可とう性が消失し、水中浸漬
やレトルトによりクラックや剥離が発生する。30乃至
300PHRが実用上問題のないシリカ含有率であり、
50乃至200PHRで全ての評価で良好であった。
【0075】(実施例3)アクリル系単量体として、メ
チルメタクリレート55部、2−エチルヘキシルアクリ
レート40部、エチルメタクリレート5部の割合で、粒
径70nm、固形分35%のコロイダルシリカをアクリ
ル樹脂に対し80PHRとなるような割合で、更にシラ
ンカップリング剤を1部の割合で用いて、実施例1の方
法に準じて固形分33%のコロイダルシリカアクリル複
合エマルジョンを調整した。なお、このアクリル樹脂単
独のTgは20℃であった。
【0076】これらのエマルジョンを基材であるLLD
PEの条件として、 A 樹脂の溶剤抽出分量(常温下で
のn−デカン抽出量)、 B フィルム滑剤(エルカ酸ア
ミド)の全樹脂に対する添加量、 C 製膜時のコロナ処
理条件(濡れ指数)などの要件がそれぞれ変わった場合
の耐水密着性を評価した。Aにおいては、エチレンとヘ
キセン−1を原料に、種々の異なる重合触媒を用いて得
られるn−デカン抽出量を異にするLLDPEを用い
た。これらの密度はいずれも0.918〜0.922g
/cm2 、MIは1.2〜1.8g/10分の範囲のも
のであった。また、Bではこのうちn−デカン抽出量5
のものに対し、エルカ酸アミドの添加量を最大2000
ppmまで変えたもの、また、Cでは製膜時のコロナ放
電処理条件として電圧を変化させフィルム表面の濡れ指
数の異なるフィルムを作成した。なお、これらのフィル
ムにはいずれもアンチブロッキング剤として、ケイソウ
土を3000ppm添加して用いた。
【0077】これらの基材に対し先の実施例と同様にグ
ラビアコートにより上記エマルジョンを塗工、乾燥して
コートフィルムを作成した。
【0078】コートフィルムの外観として、滑剤添加量
の大きなもの(本発明13,14)で表面ブリードが多
くなるためややヘーズが高く(8〜10%)なったこ
と、またコロナ処理条件が弱く濡れ指数の低いもの(本
発明16,17)において、表面汚れによる若干の塗料
ハジキが生じた点を除いて光沢など外観の優れたコート
フィルムが得られた。耐水密着性は、特に105℃30
分のセミレトルトにおいては、LL基材の条件に依存す
る。フィルム原料樹脂中のn−デカン抽出量が増加する
ほど、セミレトルトによりブリスターが生じる傾向にあ
り、逆にn−デカン抽出量が少ないほどゆるやかなコロ
ナ処理条件でも良好な密着性を示した。滑剤の添加が最
も影響が大で、エルカ酸アミドが1000ppmを越え
ると(本発明13,14)と、55℃の浸漬でもブリス
ターが生じ、セミレトルトでも著しいブリスターとな
る。同じコロナ処理電圧でも高い濡れ指数が得られなく
なり、コート樹脂とフィルム基材間に介在物層が形成さ
れ、この影響が大きい事が示された。また、コロナ処理
条件がゆるやかなほど、耐水密着性が劣る傾向を示し、
処理が無い場合(本発明17)にはブリスターを生じ
る。
【0079】このように、コートフィルムの性能のう
ち、耐水密着性は、基材の表面状態への依存性が大き
い。外観特性や耐ヒートシール性は、いずれの条件にお
いても良好であることから、このコートフィルムの用途
によりその耐水性の要求度に応じた基材条件を選定する
必要のあることが分かる。
【0080】(実施例4)アクリル系単量体として、メ
チルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート
30部、2−エチルヘキシルアクリレート40部の割合
で、粒径30μm、固形分30%のコロイダルシリカを
アクリル樹脂に対して120PHRとなるような割合
で、更にシランカップリング剤を1.5部の割合で用い
て実施例1の方法に準じて調整された固形分30%のコ
ロイダルシリカアクリル複合エマルジョンをコート材と
して、以下のコーティングフィルムを作成した。なお、
用いたアクリル樹脂単独のTgは3℃であった。
【0081】 フィルム基材として、被コート層樹脂
(外面側)としてエチレンとヘキセン−1共重合体(密
度0.922g/cm3 、 MI 0.5g/10分、融
点121℃、n−デカン抽出量1.5%)、内面側樹脂
層としてエチレンとブテン−1共重合体(密度0.90
0g/cm3 、 MI 1.5g/10分、融点119
℃)を共押出しインフレーションにより膜厚50μm、
層比1:2にて製膜して用いた。ここで、アンチブロッ
キング剤を外添により、外面、内面層にそれぞれ200
0,4000ppm、滑剤をやはり外添により内面層だ
けに300ppm添加した。製膜と同時に外面層にコロ
ナ放電処理を施し、漏れ指数として42dyne/cm
を確保した。更に、このフィルムを両端スリットし開い
た後にグラビア印刷機により5色の印刷と最終ゾーンに
て前記エマルジョンをオーバーコート塗布し、乾燥し、
コーティングフィルムを得た。
【0082】このフィルムの外観は良好で、非印刷面の
ヘイズ5%、光沢度115%であった。幅22cmのこ
のフィルムを用いて、横ピロー包装機を使用して、ピッ
チ22cmにて毎分80袋の速度でカボス3ヶを自動包
装した。このフィルムを用いることで、従来単層のLL
DPEでは困難であった高速充填、密封シールができ、
OPPフィルムに匹敵する外観、ヒートシール作業性が
確保された。また、この構成のフィルムの通気性が良好
なため、OPPフィルムでは困難であった簡易CA包装
が可能となった。
【0083】 エチレンとヘキセン−1共重合体(密
度0.920g/cm3 、MI 2.0g/10分、融
点120℃、n−デカン抽出量2.0%)よりTダイキ
ャスト法にて厚さ50μmのフィルムを作成した。この
樹脂にはアンチブロッキング剤を1000PHR外添
し、インラインにてコロナ放電処理を施し、漏れ指数と
して45dyne/cmを確保した。このフィルムの処
理面側にグラビア印刷機にて3色の印刷、また最終ゾー
ンにて先のエマルジョンをコートし乾燥を施した。次い
で、押出しラミネーターにて、コート面と反対側にLD
PE20μm、EVA10μmを共押出しラミネート
し、包装材原反を得た。幅40cmのこのフィルムを用
いて、縦ピーロー包装機を使用して、ピッチ25cmに
て、毎分60袋の速度で冷凍野菜サラダ1kgを自動包
装した。従来の2軸延伸ナイロンフィルムを使用する構
成と比較した場合同等の自動充填適性が得られる一方、
フィルムの耐ピンホール性、低温衝撃性も良好であり、
外観も光沢性が10%程度向上した。
【0084】 外層樹脂としてエチレンとオクテン−
1共重合体(密度0.924g/cm3 、 MI 1.1
g/10分、融点122℃、n−デカン抽出量3.4
%)内層樹脂としてナイロン6/12共重合体(融点1
30℃、相対粘度2.5)を、無水マレイン酸変性LL
DPE( MI 8.5g/10分)を中間接着剤層とし
て、全体の膜厚が100μm、層比として外側より7
0:5:25の折径600mmの3種3層フィルムをイ
ンフレーション成形にて得た。ここでインラインにて外
層表面をコロナ放電処理を施し、漏れ指数として42d
yne/cmを確保した。このフィルムの処理面側にグ
ラビア印刷機にて3色の印刷、またこの最終ゾーンにて
先のエマルジョンをコートし、乾燥を施した。この原反
に対して、同一構成の底材を使用して、通常の三方万シ
ール機を使用して容量300mlのスタンディングパウ
チを作成した。ここで2軸延伸ナイロンフィルムを最外
層に使用する構成とほぼ等しい一列当たり、90ショッ
ト毎分の高速製袋が可能であった。更にこのパウチに、
ロータリー充填シール機を使用して80℃のミネラルウ
ォーターを毎分120袋の速度にて充填した。この構成
によるとホットパックによっても高速充填シールが可能
で、またパウチのハンドリングによる外面コート皮膜の
密着性も十分で、外観、強度、耐内容品性に優れたパウ
チが得られた。
【0085】実施例5 実施例1の本発明1に使用したコロイダルシリカアクリ
ル複合エマルジョンをベースにこの重合に用いたものと
同じコロイダルシリカを種々の混合割合にて混合したエ
マルジョンについて、実施例1と同一のLLDPE基材
に塗工、乾燥し、外観特性をヒートシール耐性の評価を
行った表4にそれらの結果を示す。これによると、コロ
イダルシリカアクリル複合エマルジョンに対して一定割
合のコロイダルシリカをブレンドすることによっても良
好なコーティングが得られることが分かる。すなわち、
複合エマルジョンに用いるコロイダルシリカのおよそ3
倍量のコロイダルシリカをブレンドする場合でも実用性
のあるコーティングフィルムが得られる。複合エマルジ
ョンがコロイダルシリカの安定性にも寄与していること
が分かる。ブレンドするコロイダルシリカが3倍量を越
すと(比較例8,9)、先の比較例2などと同じく、エ
マルジョンが不安定になり、ブツの生成、コーティング
膜がくもったりし、ヒートシールによってもシールバー
跡が目立って外観が損なわれる。なお、耐水密着性に関
しては、これらのいずれの例においても実用性があっ
た。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】本発明では、アクリル系単量体を主体と
する単量体と重合性シラン系カップリング剤とコロイダ
ルシリカとを乳化重合することにより得られた水性組成
物を、ヒートシール性樹脂層上にコーティングすること
により、ヒートシールバー等に接触したときの樹脂の軟
化融着傾向を解消して、ヒートシール耐性に優れたフレ
キシブル包装用フィルムが得られる。
【0091】本発明のフレキシブル包装フィルムは、ヒ
ートシール可能であると共に、外表面がヒートシール耐
性や透明性、光沢性、透明感に優れており、しかもコー
ティング層がシリカを含有するにもかかわらず、フレキ
シブルで、耐磨耗性に優れているという特徴を有する。
【0092】このため、本発明のフレキシブル包装フィ
ルムは、製袋して、袋状容器、パウチ、スタンディング
パウチ等の用途に、また透明ヒートシール蓋として、更
にこのものを真空成形、プレス成形、プラグアシスト成
形、圧空成形等の手段で、トレイ或いはカップ状の容器
に成形して、フレキシブル包装に用いることができる。
【0093】本発明のフレキシブル包装フィルムは、従
来複数種類の系統の異なるフィルムを積層して実用性能
を確保していた点を改良し、殆ど単一材料によって、そ
の目的を達せられる点を可能とし、地球環境に対応した
包装材料システムを提供するものである。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外面がヒートシール性樹脂で
    形成され且つ全体が透明である単層乃至多層フィルムの
    包装外面側となる面に、アクリル系単量体を主体とする
    単量体と重合性シラン系カップリング剤とコロイダルシ
    リカとを乳化重合することにより得られ且つ全固形分当
    り20乃至75重量%のコロイダルシリカを含むコーテ
    ィング層を、0.3乃至15μmの厚みで設けて成るこ
    とを特徴とするヒートシール耐性に優れたフレキシブル
    包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 コーティング層中のコロイダルシリカの
    全体の30重量%以上が、シランカップリング剤を介し
    てアクリル系単量体と結合したコロイダルシリカである
    請求項1記載のフレキシブル包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 コーティング層が30℃以下のガラス転
    移温度のアクリル系重合体より形成されるコーティング
    層から成る請求項1記載のフレキシブル包装用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 コーティング層がエチレン乃至α−オレ
    フィン共重合体を主体とする樹脂表面上に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル包装用
    フィルム。
  5. 【請求項5】 前記共重合体が線状低密度ポリエチレン
    (LLDPE)である請求項4記載のフレキシブル包装
    用フィルム。
  6. 【請求項6】 コーティング層が常温下のn−デカン抽
    出量7重量%未満のエチレン乃至α−オレフィン共重合
    体を主体とする樹脂表面上に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のフレキシブル包装用フィルム。
  7. 【請求項7】 コーティング層が0乃至500ppm未
    満の有機滑剤添加量であるエチレン乃至α−オレフィン
    共重合体を主体とする樹脂表面上に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載のフレキシブル包装用フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 コーティング層が濡れ指数35dyne
    /cm以上に化学処理乃至物理処理が施されたエチレン
    乃至α−オレフィン共重合体を主体とする樹脂表面上に
    設けられていることを特徴とする請求項1記載のフレキ
    シブル包装用フィルム。
  9. 【請求項9】 包装外面に設けられた印刷乃至印刷層上
    に該コーティング層が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載のフレキシブル包装用フィルム。
  10. 【請求項10】 少なくとも外面がヒートシール性樹脂
    で形成され且つ全体が透明である単層乃至多層フィルム
    の包装外面側となる面に、アクリル系単量体を主体とす
    る単量体と重合性シラン系カップリング剤とコロイダル
    シリカとを乳化重合することにより得られ且つ全固形分
    当り20乃至75重量%のコロイダルシリカを含む水性
    の被覆用組成物を、乾燥後0.3乃至15μmの厚みの
    コーティング層となるように塗装することを特徴とする
    ヒートシール耐性に優れたフレキシブル包装用フィルム
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 コーティング層を設ける単層乃至多層
    フィルムの外面がエチレン乃至α−オレフィン共重合体
    を主体とする樹脂から成ることを特徴とする請求項10
    記載のフレキシブル包装用フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 コーティング層を設ける単層乃至多層
    フィルムの外面が0乃至500ppm未満の有機滑剤添
    加量であるエチレン乃至α−オレフィン共重合体を主体
    とする樹脂から成ることを特徴とする請求項10記載の
    フレキシブル包装用フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 コーティング層を設ける単層乃至多層
    フィルムの外面が濡れ指数35dyne/cm以上に化
    学処理乃至物理処理が施されたエチレン乃至α−オレフ
    ィン共重合体を主体とする樹脂表面上に設けられている
    ことを特徴とする請求項10記載のフレキシブル包装用
    フィルムの製造方法。
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