JPH05318441A - 筒形ブロックの成形用型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中型の装脱装置を型枠自体に備えた筒形ブロ
ック成形用の型枠に関するもので、中型のブロック成形
面を損傷せず、中型の装脱作業を円滑に行うことがで
き、ブロックの脱型作業も容易な型枠を提供することを
目的としている。 【構成】 この発明の型枠は、中型１５の軸方向に水平
移動可能な支持腕１７を有する中型引抜工具１９を備え
ている。支持腕１７は、型組された中型１５に挿通され
たときにその上面と中型１５との間に中型の絞り代より
小さい隙間があく高さに設置される。型閉め時に中型１
５を拡開するとその両端が外型２１の小口板１２で支持
されてその絞り代より小さい揚程で支持腕１７から離隔
する。型開き時に中型１５を絞ると中型１５はその絞り
代の分だけ降下しようとするので、この降下動作により
支持腕１７に中型１５が載置される。そこで中型引抜工
具１９を移動させて中型１５を引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、暗渠ブロック等の筒
形ブロックを成形する型枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】筒形ブロックを成形する従来の型枠は、
小口板と側板とを基台に開閉自在に設けた外型と、小口
板の開口部で支持される筒状の中型とを有しており、外
型と中型とで形成されたキャビティに生コンクリートを
流し込んで成形し、硬化後中型を内側に絞ってその軸方
向に引き出し、小口板及び側面を開放してフォークリフ
トやクレーン等の脱型機でブロックを吊り上げて脱型す
るものである。

【０００３】この種の型枠では、外型から中型を引き出
す中型引抜工具は、型枠とは別個に設けられており、外
型から中型を引き出す作業と引き出した中型を貯留場ま
で運搬するという作業を繰り返すことによって多数の型
枠から中型を順次抜き取っている。しかしこのような方
法では、抜き取った中型を貯留場に放置しておくことに
なり、中型のブロック成形面が損傷を受けやすいという
問題がある。

【０００４】このような問題を解決する手段として、型
枠毎に中型を微少移動可能に支持する中型支持装置を設
けたものがある（例えば、特開昭６１−４９８０４号公
報）。この中型支持装置２６は、図６ないし図８に示さ
れており、型枠の基台１を中型１５の軸方向に延設し、
その延設部２７に２本の支柱２８、２９を立設し、これ
ら支柱の上方にカム３０及びロック装置３１を介して基
台１と平行な支持腕１７を上下、前後に微少移動可能に
設けたものである。支持腕１７の先端は、中型１５の中
心を貫通して平行に延びており、この支持腕１７に中型
１５が固着されている。

【０００５】このような型枠における型閉め操作は、ク
レーン等で支持腕１７の先端を少し持ち上げ、支持腕が
挿通されない小口板１２の開口部１４に中型１５の先端
を装着し、他端を支持腕側の小口板１２の開口部１４に
装着する（図６）。型開き操作は、外型２１と中型１５
で形成されたキャビティ２２に流し込んだ生コンクリー
トの固化後中型１５を内側に絞り、外型２１の側板１０
及び小口板１２を開放することによって行われる。ブロ
ック２０の脱型作業は、バキューム機構又は挟み機構を
有する脱型機３２をブロックの外表面に添着して少し吊
り上げた状態で支持装置２６と反対側に引き出すことに
よって行われる。このとき支持腕１７も斜め上方に微少
移動し、ブロック２０と外型の底板４の間に生ずる間隔
３３を利用して脱型作業を行うものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記支持装置
を有する型枠では、脱型作業に先立ってブロックから中
型を引き出すものでないから中型引抜き工具が不要であ
るが、中型がブロックに内蔵されたままであるため、フ
ォークリフトでブロックを取り出すことができず、バキ
ューム機構又は挟み機構の脱型機が必要となる。また、
脱型時に生ずる間隔が狭く脱型作業に細心の注意を要す
るという欠点がある。更に、型閉め時にクレーン等で支
持腕の先端を吊り上げてやる必要があり、面倒である。

【０００７】本発明は、中型のブロック成形面を損傷せ
ず、型閉め型開き作業を円滑に行うことができ、しかも
フォークリフトでブロックを脱型することができる、筒
形ブロックの成形に好適な型枠を提供することを目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の筒形ブロックの
成形用型枠は、筒形ブロック２０の外周面を成形する外
型２１と、内周面を成形する筒状の中型１５と、中型１
５の軸方向に水平移動可能な支持腕１７を有する中型引
抜工具１９とを備えている。支持腕１７は、型組された
中型１５に挿通されたときにその上面と中型１５との間
に中型の絞り代より小さい隙間があく高さに設置され
る。型閉め時には中型１５が拡開されて外型２１の小口
板１２に支持され、型開き時には中型１５が中型引抜工
具１９の支持腕１７に載置される。脱型時には中型引抜
工具１９を移動して中型１５をブロック２０から引き出
し、フォークリフト等でブロック２０を吊り上げ可能な
状態にするものである。

【０００９】

【作用】本発明の型枠でブロック２０を成形するには、
両側の側板１０を底板４に当接し、小口板１２を閉じて
外型２１を組み立て、中型引抜工具１９を移動して小口
板の開口部１４から中型１５を挿通して拡開する。中型
１５は、支持腕１７に載置されているので、拡開すると
小口板１２で支持されてその絞り代より小さい揚程で支
持腕１７から離隔する。型閉め状態の外型２１と中型１
５とで形成されたキャビティ２２に生コンクリートを流
し込む。生コンクリートが固化したら中型１５を内側に
絞り込みブロック２０から剥離させる。このとき中型１
５はその絞り代の分だけ降下しようとするので、この降
下動作により支持腕１７に載置される。そこで中型引抜
工具１９を移動させて中型１５を引き出す。小口板１２
及び側板１０を移動して外型２１を開放し、ブロック２
０の貫通孔にフォークリフトのフォークを挿通して吊り
上げてブロック２０を脱型する。

【００１０】

【実施例】図１ないし図３は本発明の第１実施例を示し
たものであり、角筒形の暗渠プロックを２個同時に成形
する型枠に関するものである。本発明の型枠の基台１
は、下側レール２、２の左側上面に上側レール３、３を
井桁状に固着し、更に上側レールの上面に底板４を固着
したものである。下側レール２には車輪５を介して下部
台車６が移動自在に設けられており、上側レール３、３
には互いに反対方向に移動する上部台車７が車輪８、８
で支持されている。

【００１１】上部台車７の先端には移動側板１０が立設
されており、底板４の中央には固定側板１１が立設され
ている。移動側板１０は、上部台車７を引き出すことに
より底板４から離隔する。小口板１２は、その中央で縦
方向に２分割されており、外側のものが移動側板１０に
垂直軸回りに回動自在に支持され、内側のものが固定側
板１１に垂直軸回りに回動自在に支持されている。閉鎖
状態の小口板１２の中央には矩形の開口部１４が設けら
れており、この開口部に中型１５が拡開状態で支持され
ている。中型には従来公知の絞り機構が内蔵されてい
る。

【００１２】下部台車６の右側端部には２本の支柱１６
が立設されており、それぞれの上端に中型の軸心と平行
に延びる支持腕１７が固着されている。支持腕１７の先
端は中型１５の中心を通って他端から僅かに突出してお
り、突出端の上方に係止片１８が設けられている。この
ようにして構成された中型引抜工具１９の支持腕１７と
中型１５とは離隔している。

【００１３】型閉め状態の外型２１と中型１５とで形成
されたキャビティ２２に生コンクリートを流し込んで暗
渠ブロック２０を成形する。生コンクリートが固化した
ら中型１５を内側に絞り込みブロック２０から剥離させ
て支持腕１７に載置する。中型引抜工具１９を図上右方
向に移動させて中型１５を引き出し、小口板１２を垂直
軸回りに両側に開放し、上部台車７を引き出して側板１
０及び小口板１２を外側に移動する。この状態では小口
板１２が側方に退避しているので、フォークリフトをブ
ロック２０に接近させることができ、ブロック２０の貫
通孔にフォークリフトのフォークを挿通して吊り上げで
ブロック２０を簡単に脱型することができる。型閉めを
行うときは逆手順で行えばよく、外型に装着するときに
中型が絞り状態にあるので、支持腕の先端を吊り上げる
必要がなく型閉め作業を円滑に行うことができる。本実
施例のような２個取り型枠では、外型２１と中型１５及
び中型引抜工具１９のフレームを共通にすることがで
き、一動作で全ての中型の引き出しをすることができる
という特徴がある。

【００１４】図４及び図５は本発明の第２実施例を示し
たものである。本実施例では下部台車６に一方の小口板
１２を立設すると共に、この小口板１２にその開口部１
４を通って中型の中心に延びる支持腕１７を固設したも
のである。このような構造とすることにより、部品数を
減少させることができ、小口板１２の開放と中型１５の
引き出しとを一動作でできるという特徴がある。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明の型枠には、型枠
毎に中型引抜工具が設けられているので、中型が貯留場
に放置されることがなく、中型のブロック成形面が損傷
されるおそれがない。中型は、中型引抜工具の支持腕に
載置されているだけであるから、型閉め時には支持腕か
ら離隔して小口板で支持されるので、支持腕を移動台車
に固定的に取りつけることができる。また、型開き時に
は、中型が内側に絞られて小口板から離隔し、支持腕に
載置された状態で引き出すことができる。従って、フォ
ークをブロックの貫通孔を挿通してブロックをフォーク
リフトで脱型することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の型枠を型閉め状態で示す
右側面図

【図２】図１の正面図

【図３】中型を引き出して示す型枠の正面図

【図４】本発明の第２実施例の型枠を型閉め状態で示す
正面図

【図５】中型を引き出して示す正面図

【図６】従来の型枠の正面図

【図７】外型を開き中型を絞った状態の正面図

【図８】ブロックの脱型時の正面図

【符号の説明】

12 小口板 15 中型 17 支持腕 19 中型引抜工具 20 暗渠ブロック 21 外型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒形ブロック(20)の外周面を成形する外
   型(21)と、内周面を成形する筒状の中型(15)と、中型(1
   5)の軸方向に水平移動可能な支持腕(17)を備えた中型引
   抜工具(19)とを備えており、型閉め時には中型(15)が拡
   開されて外型(21)の小口板(12)に支持され、この状態で
   中型(15)はその絞り代より小さい揚程で中型引抜工具の
   支持腕(17)から上方へ離隔しており、型開き時には中型
   (15)が絞られて降下することにより中型引抜工具の支持
   腕(17)に載置され、ブロック脱型時には中型引抜工具(1
   9)で中型(15)が引き抜かれている、筒形ブロックの成形
   用型枠。