JPH0531805B2 - - Google Patents
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- JPH0531805B2 JPH0531805B2 JP61302627A JP30262786A JPH0531805B2 JP H0531805 B2 JPH0531805 B2 JP H0531805B2 JP 61302627 A JP61302627 A JP 61302627A JP 30262786 A JP30262786 A JP 30262786A JP H0531805 B2 JPH0531805 B2 JP H0531805B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、樹脂結合剤を用いて磁石粉体を結合
したボンド磁石の製造方法に関し、更に詳しく
は、成形助剤として炭素と水素のみからなり液状
または微粉末状の有機化合物を用い、時効処理前
の低保磁力状態の2−17系希土類磁石粉体と混合
して磁場中成形を行い、その後に時効処理を施
し、熱硬化性樹脂を含浸させ固化させるようにし
たボンド磁石の製造方法に関するものである。 [従来の技術] 希土類磁石粉体を結合剤(バインダー)により
複合化したボンド磁石は従来公知である。結合剤
としては、熱可塑性または熱硬化性樹脂の他、金
属や合金等、あるいはガラス系の無機物質等が用
いられている。そして圧縮、射出、押し出し、圧
延等種々の成形法により製造されるが、なかでも
高エネルギー積を生じさせるため一般には圧縮成
形が行われている。 このような希土類ボンド磁石は、磁気特性が高
く、量産性に優れ寸法精度が出し易く、また形状
の自由度が大きい等の利点があり、近年、急速に
様々な用途で使用されつつある。 従来の希土類ボンド磁石の製造方法は、例えば
第2図に示すように、圧縮成形法に関しては先ず
原料である合金を粉砕し成形して焼結した後その
まま時効処理を行う。そしてそれを粉砕した後、
その時効処理後の粉体と結合剤とを混練し、磁場
中で形成した後、内部に含まれている結合剤をキ
ユア処理する構成が一般的である。 [発明が解決しようとする問題点] 磁場中で成形を行う時に磁石粉体を十分に配向
させるためには、印加する磁場の強さは素材であ
る磁石粉体の保磁力の4〜5倍以上が必要である
と言われている。このため従来技述において、例
えばSm2Co17系のボンド磁石の場合には、成形時
に40〜50KOe以上の強い磁場を印加しなければ
ならない。 しかし現在広く用いられている磁場プレス装置
で得られる磁場の強さは上記の値を満足できない
(一般に製造ラインで印加可能な磁場は15kOe程
度である)ため、実際に行われている磁場中成形
では素材原料粉体を十分に配向できていない。 このような問題を解決するため、本発明者等は
先に時効処理する以前の保磁力が6kOe以下の磁
石粉体を磁場中成形し、その後に時効処理を施す
方法を提案した。この方法は成形時に低磁場で磁
石粉体の十分な配向ができることから、容易に高
い特性を有するボンド磁石を製造できる利点があ
る。しかしこのような製造方法を採用しても焼結
品と比較するとその(BH)max(最大エネルギ
ー積)は半分程度の値にとどまつている。この磁
気特性を更に向上させるためにはより一層磁石粉
体の充填率を向上し配向度を高める必要がある。 そこで成形前に成形助剤を加え成形し易い状態
にしてから磁場中成形を行う方法が考えられる
が、前記の本発明者等が提案した方法では磁場中
成形後に磁石粉体を高保磁力化するために400〜
1000℃程度の高温で時効処理を行わねばならず、
成形助剤の種類によつてはかえつて(BH)max
を低下させる現象が生じることが認められた。こ
れはその種類によりヒステリシスループの角形性
が劣化すことによる。 本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点
を解消し、本発明者等が先に提案した時効処理す
る以前の保磁力が6kOe以下の磁石粉体を用いて
磁場中成形を行つた後に時効処理を施す方法を更
に発展させて、充填率を向上させ配向度を高め、
且つ角形性を劣化させることのない成形助剤を用
いてより一層磁気特性を向上させることができる
ようにしたボンド磁石の製造方法を提供すること
にある。 [問題点を解決するための手段] 上記のような目的を達成することのできる本発
明は、時効処理する以前の保磁力が6kOe以下の
2−17系希土類磁石粉体に、成形補助として炭素
と水素のみからなり液状または微粉末状の有機化
合物を混合し、磁場中成形した後時効処理し、次
いで熱硬化性樹脂を含浸させキユア処理して固化
するようにしたボンド磁石の製造方法である。 原料となる2−17系の希土類磁石粉体は、
R2TM17(但し、RはYを含むSm、Ce、Pr、Nd
等の希土類元素の1種又は2種以上、TMはFe、
Co、Ni等の遷移金属元素の1種又は2種以上)
で表される組成を主成分とするものである。この
ような原料は通常、所定の組成を有する合金を粉
砕した後、一定の形状に成形し焼結し、また必要
があればそれを所定の条件で溶体化処理すること
によつて得られる。 2−17系希土類磁石は、時効処理により析出硬
化が起こり高保磁力が出現する。本発明はこの現
象を有効に利用している。 第1図に示すように本発明では上記のような原
料焼結体を先ず粉砕する。これにより得られた磁
石粉体は時効処理前であり6kOe以下の低保磁力
状態である。このような低保磁力の磁石粉体を使
用するのは、本発明者等が磁場成形前の磁石粉体
の保磁力と時効後のボンド磁石の磁気特性の関係
について種々の実験を行つた結果、保磁力が
6kOe以下の磁石粉体を用いてボンド磁石を作製
すれば、本発明法の方が従来法により得られた同
じ保磁力を有するボンド磁石に比べて極めて磁気
特性、特にBrと(BH)maxが良好になることを
見出したことによる。 そして成形助剤として炭素と水素のみからなり
液状または微粉末状の有機化合物を使用し、それ
と前記磁石粉体とを混合する。このような成形助
剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、パラフ
イン、流動パラフイン等が挙げられる。成形助剤
の量を磁石粉体の6重量%以下としたのは、高磁
気特性、ここでは高Br、高(BH)maxを呈する
ボンド磁石を得るには、その磁石中での磁石粉体
が占める割合が大きいほど好ましいからである。
因に6重量%を超える量を使用すると成形助剤を
使用しない時よりも磁気特性が低下してしまう。 次にこの混合物を磁場中で成形し、成形された
形状を保持したまま時効処理を行つて高い保磁力
を出現させる。その後エポキシ樹脂やフエノール
樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ
キユア処理する。 [作用] 本発明では成形前に液状あるいは微粉末状の所
定組成の成形助剤を混入したことにより、磁石粉
体間の間隙を充填すると共に滑剤的役目を果た
す。このため磁石粉末間の摩擦が減少し、配向性
が向上すると共に磁石粉末を密に充填することが
可能となる。 また成形助剤として炭素と水素のみからなる有
機化合物を使用しているから、磁石粉体と同時に
高温での時効処理を行つても、それらはスムーズ
に加熱飛散し、得られた製品の磁石特性に悪影響
を及ぼさない。 更に本発明では時効処理前の低保磁力状態の磁
石粉末を用いて磁場中成形を行うから、一般に製
造ラインで用いられているような磁場プレス装置
を用いても十分配向させることができ、高い磁石
特性を発生させることができる。 なお粒度調整がなされた磁石粉体を用いるなら
ば本発明の効果は更に大きくなる。 [実施例] 原料としてSm(Co0.68Fe0.20Cu0.10Zr0.02)7.9で示
される低保磁力状態の合金をジヨークラツシヤー
で粉砕し平均粒径200μmの磁石粉体を得た。次
にこの磁石粉体に対して成形助剤を2重量%加え
て混合し、15kOeの磁場中で3ton/cm2で圧縮成形
した。 次にその成形体について800℃、1時間の時効
処理を行い高保磁力化した。その後エポキシ樹脂
を含浸させ120℃で2時間のキユア処理を行いボ
ンド磁石を得た。ここで成形助剤としてはポリエ
チレン粉末(平均粒径2μm)とポリブチレン
(日本油脂(株)製ポリブテン30N)を使用した。 また比較例として成形助剤にエポキシ樹脂を用
いた場合と成形助剤を用いない場合についても同
様の手順でボンド磁石を製作した。 更に従来例として同じ組成の合金について800
℃で1時間の時効処理を行い高保磁力化した後、
ジヨークラツシヤーで粉砕し、平均粒径200μm
とし、エポキシ樹脂と混練した後15kOeの磁場中
で3ton/cm2で圧縮成形し、120℃で2時間のキユ
ア処理を行いボンド磁石を製作した。 これらの各試料にいついて磁気特性と密度を測
定した結果を第1表に示す。
したボンド磁石の製造方法に関し、更に詳しく
は、成形助剤として炭素と水素のみからなり液状
または微粉末状の有機化合物を用い、時効処理前
の低保磁力状態の2−17系希土類磁石粉体と混合
して磁場中成形を行い、その後に時効処理を施
し、熱硬化性樹脂を含浸させ固化させるようにし
たボンド磁石の製造方法に関するものである。 [従来の技術] 希土類磁石粉体を結合剤(バインダー)により
複合化したボンド磁石は従来公知である。結合剤
としては、熱可塑性または熱硬化性樹脂の他、金
属や合金等、あるいはガラス系の無機物質等が用
いられている。そして圧縮、射出、押し出し、圧
延等種々の成形法により製造されるが、なかでも
高エネルギー積を生じさせるため一般には圧縮成
形が行われている。 このような希土類ボンド磁石は、磁気特性が高
く、量産性に優れ寸法精度が出し易く、また形状
の自由度が大きい等の利点があり、近年、急速に
様々な用途で使用されつつある。 従来の希土類ボンド磁石の製造方法は、例えば
第2図に示すように、圧縮成形法に関しては先ず
原料である合金を粉砕し成形して焼結した後その
まま時効処理を行う。そしてそれを粉砕した後、
その時効処理後の粉体と結合剤とを混練し、磁場
中で形成した後、内部に含まれている結合剤をキ
ユア処理する構成が一般的である。 [発明が解決しようとする問題点] 磁場中で成形を行う時に磁石粉体を十分に配向
させるためには、印加する磁場の強さは素材であ
る磁石粉体の保磁力の4〜5倍以上が必要である
と言われている。このため従来技述において、例
えばSm2Co17系のボンド磁石の場合には、成形時
に40〜50KOe以上の強い磁場を印加しなければ
ならない。 しかし現在広く用いられている磁場プレス装置
で得られる磁場の強さは上記の値を満足できない
(一般に製造ラインで印加可能な磁場は15kOe程
度である)ため、実際に行われている磁場中成形
では素材原料粉体を十分に配向できていない。 このような問題を解決するため、本発明者等は
先に時効処理する以前の保磁力が6kOe以下の磁
石粉体を磁場中成形し、その後に時効処理を施す
方法を提案した。この方法は成形時に低磁場で磁
石粉体の十分な配向ができることから、容易に高
い特性を有するボンド磁石を製造できる利点があ
る。しかしこのような製造方法を採用しても焼結
品と比較するとその(BH)max(最大エネルギ
ー積)は半分程度の値にとどまつている。この磁
気特性を更に向上させるためにはより一層磁石粉
体の充填率を向上し配向度を高める必要がある。 そこで成形前に成形助剤を加え成形し易い状態
にしてから磁場中成形を行う方法が考えられる
が、前記の本発明者等が提案した方法では磁場中
成形後に磁石粉体を高保磁力化するために400〜
1000℃程度の高温で時効処理を行わねばならず、
成形助剤の種類によつてはかえつて(BH)max
を低下させる現象が生じることが認められた。こ
れはその種類によりヒステリシスループの角形性
が劣化すことによる。 本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点
を解消し、本発明者等が先に提案した時効処理す
る以前の保磁力が6kOe以下の磁石粉体を用いて
磁場中成形を行つた後に時効処理を施す方法を更
に発展させて、充填率を向上させ配向度を高め、
且つ角形性を劣化させることのない成形助剤を用
いてより一層磁気特性を向上させることができる
ようにしたボンド磁石の製造方法を提供すること
にある。 [問題点を解決するための手段] 上記のような目的を達成することのできる本発
明は、時効処理する以前の保磁力が6kOe以下の
2−17系希土類磁石粉体に、成形補助として炭素
と水素のみからなり液状または微粉末状の有機化
合物を混合し、磁場中成形した後時効処理し、次
いで熱硬化性樹脂を含浸させキユア処理して固化
するようにしたボンド磁石の製造方法である。 原料となる2−17系の希土類磁石粉体は、
R2TM17(但し、RはYを含むSm、Ce、Pr、Nd
等の希土類元素の1種又は2種以上、TMはFe、
Co、Ni等の遷移金属元素の1種又は2種以上)
で表される組成を主成分とするものである。この
ような原料は通常、所定の組成を有する合金を粉
砕した後、一定の形状に成形し焼結し、また必要
があればそれを所定の条件で溶体化処理すること
によつて得られる。 2−17系希土類磁石は、時効処理により析出硬
化が起こり高保磁力が出現する。本発明はこの現
象を有効に利用している。 第1図に示すように本発明では上記のような原
料焼結体を先ず粉砕する。これにより得られた磁
石粉体は時効処理前であり6kOe以下の低保磁力
状態である。このような低保磁力の磁石粉体を使
用するのは、本発明者等が磁場成形前の磁石粉体
の保磁力と時効後のボンド磁石の磁気特性の関係
について種々の実験を行つた結果、保磁力が
6kOe以下の磁石粉体を用いてボンド磁石を作製
すれば、本発明法の方が従来法により得られた同
じ保磁力を有するボンド磁石に比べて極めて磁気
特性、特にBrと(BH)maxが良好になることを
見出したことによる。 そして成形助剤として炭素と水素のみからなり
液状または微粉末状の有機化合物を使用し、それ
と前記磁石粉体とを混合する。このような成形助
剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、パラフ
イン、流動パラフイン等が挙げられる。成形助剤
の量を磁石粉体の6重量%以下としたのは、高磁
気特性、ここでは高Br、高(BH)maxを呈する
ボンド磁石を得るには、その磁石中での磁石粉体
が占める割合が大きいほど好ましいからである。
因に6重量%を超える量を使用すると成形助剤を
使用しない時よりも磁気特性が低下してしまう。 次にこの混合物を磁場中で成形し、成形された
形状を保持したまま時効処理を行つて高い保磁力
を出現させる。その後エポキシ樹脂やフエノール
樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ
キユア処理する。 [作用] 本発明では成形前に液状あるいは微粉末状の所
定組成の成形助剤を混入したことにより、磁石粉
体間の間隙を充填すると共に滑剤的役目を果た
す。このため磁石粉末間の摩擦が減少し、配向性
が向上すると共に磁石粉末を密に充填することが
可能となる。 また成形助剤として炭素と水素のみからなる有
機化合物を使用しているから、磁石粉体と同時に
高温での時効処理を行つても、それらはスムーズ
に加熱飛散し、得られた製品の磁石特性に悪影響
を及ぼさない。 更に本発明では時効処理前の低保磁力状態の磁
石粉末を用いて磁場中成形を行うから、一般に製
造ラインで用いられているような磁場プレス装置
を用いても十分配向させることができ、高い磁石
特性を発生させることができる。 なお粒度調整がなされた磁石粉体を用いるなら
ば本発明の効果は更に大きくなる。 [実施例] 原料としてSm(Co0.68Fe0.20Cu0.10Zr0.02)7.9で示
される低保磁力状態の合金をジヨークラツシヤー
で粉砕し平均粒径200μmの磁石粉体を得た。次
にこの磁石粉体に対して成形助剤を2重量%加え
て混合し、15kOeの磁場中で3ton/cm2で圧縮成形
した。 次にその成形体について800℃、1時間の時効
処理を行い高保磁力化した。その後エポキシ樹脂
を含浸させ120℃で2時間のキユア処理を行いボ
ンド磁石を得た。ここで成形助剤としてはポリエ
チレン粉末(平均粒径2μm)とポリブチレン
(日本油脂(株)製ポリブテン30N)を使用した。 また比較例として成形助剤にエポキシ樹脂を用
いた場合と成形助剤を用いない場合についても同
様の手順でボンド磁石を製作した。 更に従来例として同じ組成の合金について800
℃で1時間の時効処理を行い高保磁力化した後、
ジヨークラツシヤーで粉砕し、平均粒径200μm
とし、エポキシ樹脂と混練した後15kOeの磁場中
で3ton/cm2で圧縮成形し、120℃で2時間のキユ
ア処理を行いボンド磁石を製作した。 これらの各試料にいついて磁気特性と密度を測
定した結果を第1表に示す。
【表】
この第1表の比較例から判るように、エポキシ
樹脂を成形助剤として混入した場合には、成形助
剤を入れないものよりもかえつて磁気特性が低下
する。つまり成形助剤を使用すると密度は上がる
が、それだからといつて必ずしも磁気特性
(BH)maxが向上するわけではない。 それらに対して本発明方法を採用すれば、従来
方法のみならず比較例のものよりもはるかに優れ
た磁気特性を生じさせることができる。 [発明の効果] 本発明は上記のように時効処理により析出硬化
する磁石粉体を析出硬化前の低保磁力状態の時に
磁場中成形し、その後その形状を保持したまま析
出硬化させ高保磁力を出現させる方法であり、成
形助剤を使用しているため磁石粉体の高充填高配
向が可能となるし、また成形助剤として炭素と水
素のみからなる有機化合物を使用しているため成
形後に高温で時効処理を行つても成形助剤が角形
性に悪影響を及ぼすこともなく、高い飽和磁化並
びに残留磁束密度を持つボンド磁石を製造できる
優れた効果が生じる。
樹脂を成形助剤として混入した場合には、成形助
剤を入れないものよりもかえつて磁気特性が低下
する。つまり成形助剤を使用すると密度は上がる
が、それだからといつて必ずしも磁気特性
(BH)maxが向上するわけではない。 それらに対して本発明方法を採用すれば、従来
方法のみならず比較例のものよりもはるかに優れ
た磁気特性を生じさせることができる。 [発明の効果] 本発明は上記のように時効処理により析出硬化
する磁石粉体を析出硬化前の低保磁力状態の時に
磁場中成形し、その後その形状を保持したまま析
出硬化させ高保磁力を出現させる方法であり、成
形助剤を使用しているため磁石粉体の高充填高配
向が可能となるし、また成形助剤として炭素と水
素のみからなる有機化合物を使用しているため成
形後に高温で時効処理を行つても成形助剤が角形
性に悪影響を及ぼすこともなく、高い飽和磁化並
びに残留磁束密度を持つボンド磁石を製造できる
優れた効果が生じる。
第1図は本発明方法によるボンド磁石の製造工
程の一例を示す工程説明図、第2図は従来技術の
一例を示す工程説明図である。
程の一例を示す工程説明図、第2図は従来技術の
一例を示す工程説明図である。
Claims (1)
- 1 時効処理する以前の保持力が6kOe以下の2
−17系希土類磁石粉体に、成形助剤として磁石粉
体の6重量%以下の炭素と水素のみからなり液状
または微粉末状の有機化合物を混合し、磁場中成
形した後、得られた成形体を時効処理し、次いで
熱硬化性樹脂を含浸させキユア処理することによ
り磁石粉体同士を結合させることを特徴とするボ
ンド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61302627A JPS63155602A (ja) | 1986-12-18 | 1986-12-18 | ボンド磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61302627A JPS63155602A (ja) | 1986-12-18 | 1986-12-18 | ボンド磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63155602A JPS63155602A (ja) | 1988-06-28 |
JPH0531805B2 true JPH0531805B2 (ja) | 1993-05-13 |
Family
ID=17911257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61302627A Granted JPS63155602A (ja) | 1986-12-18 | 1986-12-18 | ボンド磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63155602A (ja) |
-
1986
- 1986-12-18 JP JP61302627A patent/JPS63155602A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63155602A (ja) | 1988-06-28 |
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