JPH0715124B2 - 磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法Info
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- JPH0715124B2 JPH0715124B2 JP63307614A JP30761488A JPH0715124B2 JP H0715124 B2 JPH0715124 B2 JP H0715124B2 JP 63307614 A JP63307614 A JP 63307614A JP 30761488 A JP30761488 A JP 30761488A JP H0715124 B2 JPH0715124 B2 JP H0715124B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気特性の他機械的特性にも優れた磁性複合材
料の製造方法に関するものである。
料の製造方法に関するものである。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 電気、電子機器部材として各種磁性材料が用いられてい
る。磁性材料としては従来より鋼や鉄粉焼結品等が汎用
されているが、これらの材料は、重い、加工性が悪い、
ポーラスである、寸法精度が悪い等といった問題を有し
ていた。
る。磁性材料としては従来より鋼や鉄粉焼結品等が汎用
されているが、これらの材料は、重い、加工性が悪い、
ポーラスである、寸法精度が悪い等といった問題を有し
ていた。
これらの問題を改善するため鉄等の磁性金属粉に、エポ
キシ樹脂、ナイロン、ゴム等をバインダーまたはマトリ
ックス材料として混合し、射出成形や圧縮成形して樹脂
ベースの磁性複合材料としたものや、磁性金属とアルミ
ニウムとを合金化して磁性材料としたものが提供されつ
つある。
キシ樹脂、ナイロン、ゴム等をバインダーまたはマトリ
ックス材料として混合し、射出成形や圧縮成形して樹脂
ベースの磁性複合材料としたものや、磁性金属とアルミ
ニウムとを合金化して磁性材料としたものが提供されつ
つある。
ところが樹脂ベースの磁性複合材料やAl合金よりなる磁
性材料は磁性材料としての重要な特性である透磁率が低
く、一般的な使用に耐え得るものではなかった。そこで
透磁率を改善したものとして、鉄繊維と樹脂よりなる複
合磁性材料が提案された。しかしこの複合材料において
も、繊維と樹脂の均一混合が困難であること、鉄繊維自
体が高価であること等の問題を有していた。
性材料は磁性材料としての重要な特性である透磁率が低
く、一般的な使用に耐え得るものではなかった。そこで
透磁率を改善したものとして、鉄繊維と樹脂よりなる複
合磁性材料が提案された。しかしこの複合材料において
も、繊維と樹脂の均一混合が困難であること、鉄繊維自
体が高価であること等の問題を有していた。
また高周波用の磁芯材料としてフェライト焼結品がある
が、これも寸法精度が悪く、しかも加工性が悪くて機械
加工費が嵩むという欠点があり、結局量産性の良い樹脂
ベースの磁性(芯)材料が望まれている。
が、これも寸法精度が悪く、しかも加工性が悪くて機械
加工費が嵩むという欠点があり、結局量産性の良い樹脂
ベースの磁性(芯)材料が望まれている。
そこで本発明においては加工が容易であると共に軽量で
磁気特性および機械的特性に優れた樹脂ベースの磁性複
合材料について検討した。
磁気特性および機械的特性に優れた樹脂ベースの磁性複
合材料について検討した。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明に係る磁性複合
材料とは、55〜93%の扁平状軟磁性粉末及び残部が熱硬
化性樹脂からなる磁性複合材料であって、長手方向平均
粒子径が50〜300μmであり扁平率(長手方向平均粒子
径/扁平粒子の厚み、以下同じ)が5以上である前記扁
平状軟磁性粉末と、平均粒子径が150μm以下である熱
硬化性樹脂粉末を乾式混合した後、金型に充填して圧縮
成形し、次いで上記熱硬化性樹脂粉末の硬化温度以上の
温度に加熱して硬化することを要旨とするものである。
材料とは、55〜93%の扁平状軟磁性粉末及び残部が熱硬
化性樹脂からなる磁性複合材料であって、長手方向平均
粒子径が50〜300μmであり扁平率(長手方向平均粒子
径/扁平粒子の厚み、以下同じ)が5以上である前記扁
平状軟磁性粉末と、平均粒子径が150μm以下である熱
硬化性樹脂粉末を乾式混合した後、金型に充填して圧縮
成形し、次いで上記熱硬化性樹脂粉末の硬化温度以上の
温度に加熱して硬化することを要旨とするものである。
[作用] 樹脂をベースとした複合材料を製造する場合には金型成
形方法を用いるのが一般的である。従って金型成形に用
いる粉末は金型への充填が容易である様な球状のものを
用いることが一般化されている。磁性複合材料を製造す
る場合も従来は上記と同様の考え方で球状にした磁性金
属粉末を樹脂と混合して金型に充填し成形している。と
ころがこの様にして得た磁性複合材料を磁場の中に置く
と、磁性複合材料中の磁性体粉末そのものはその透磁率
に従って磁化されるが、その時磁性体粉末内部に反磁場
を形成し、磁性複合材料の透磁率が低下してしまう。即
ち見かけ上の透磁率が低下する。
形方法を用いるのが一般的である。従って金型成形に用
いる粉末は金型への充填が容易である様な球状のものを
用いることが一般化されている。磁性複合材料を製造す
る場合も従来は上記と同様の考え方で球状にした磁性金
属粉末を樹脂と混合して金型に充填し成形している。と
ころがこの様にして得た磁性複合材料を磁場の中に置く
と、磁性複合材料中の磁性体粉末そのものはその透磁率
に従って磁化されるが、その時磁性体粉末内部に反磁場
を形成し、磁性複合材料の透磁率が低下してしまう。即
ち見かけ上の透磁率が低下する。
ところで反磁場形成の強さは複合材料に含まれる磁性体
形状にも依存することが知られており、磁性体が細く長
くなるほど反磁場形成の強さは減少することが知られて
おり、磁気特性改善のために磁性金属繊維と樹脂との複
合材料も提案されている。ところが金属繊維は複合材料
製造時の混合性が悪く、また金型で圧縮成形する際に折
損してしまう等の問題があった。
形状にも依存することが知られており、磁性体が細く長
くなるほど反磁場形成の強さは減少することが知られて
おり、磁気特性改善のために磁性金属繊維と樹脂との複
合材料も提案されている。ところが金属繊維は複合材料
製造時の混合性が悪く、また金型で圧縮成形する際に折
損してしまう等の問題があった。
そこで本発明者等は種々研究の結果、軟磁性粉末の形状
や含有率等を以下の様に設定してやると磁気特性に優れ
た複合材料が得られることを見出した。すなわち軟磁性
粉末を扁平状とし、この扁平状軟磁性粉末の長手方向の
平均粒子径が50〜300μmで扁平率を5以上としてその
含有率を複合材料全体に対して55〜93%とすれば、前記
諸欠点のない優れた材料が得られることが分かった。こ
れは磁性複合材料中において軟磁性粉末が扁平面同士で
接触しやすくなり、磁性材料同士が連結された様な状態
で分布することによって透磁率が高くなる為と考えられ
る。
や含有率等を以下の様に設定してやると磁気特性に優れ
た複合材料が得られることを見出した。すなわち軟磁性
粉末を扁平状とし、この扁平状軟磁性粉末の長手方向の
平均粒子径が50〜300μmで扁平率を5以上としてその
含有率を複合材料全体に対して55〜93%とすれば、前記
諸欠点のない優れた材料が得られることが分かった。こ
れは磁性複合材料中において軟磁性粉末が扁平面同士で
接触しやすくなり、磁性材料同士が連結された様な状態
で分布することによって透磁率が高くなる為と考えられ
る。
扁平状軟磁性粉末の長手方向の平均粒径が50μm未満で
は反磁場形成の影響を少なくすることができず、300μ
mを超えると複合材料成形時の充填性や流動性が低下
し、混合性や生産性が低下する。また扁平率が5未満で
は反磁場に影響が出易く複合材料の透磁率は低下する。
さらに上記の様な形状の軟磁性粉末の含有量が55%未満
では十分な磁気特性が得られず。93%を超えると熱硬化
性樹脂成分量が相対的に少なすぎて複合材料の内部結合
力が弱くなり、強度が弱くなる。
は反磁場形成の影響を少なくすることができず、300μ
mを超えると複合材料成形時の充填性や流動性が低下
し、混合性や生産性が低下する。また扁平率が5未満で
は反磁場に影響が出易く複合材料の透磁率は低下する。
さらに上記の様な形状の軟磁性粉末の含有量が55%未満
では十分な磁気特性が得られず。93%を超えると熱硬化
性樹脂成分量が相対的に少なすぎて複合材料の内部結合
力が弱くなり、強度が弱くなる。
また軟磁性粉末としてはFeまたはFe合金、Co合金、Mn-A
l合金等の粉末が例示されるが、これらのうちいずれを
使用するかについては特に限定される訳ではない。
l合金等の粉末が例示されるが、これらのうちいずれを
使用するかについては特に限定される訳ではない。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリフェノー
ル、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を用いること
ができ、特にエポキシ樹脂は微粉化が容易であり、扁平
状軟磁性粉末と均一に混合し易いため、成形された部品
内部での磁性粉の偏析が少なくなり好ましい。
ル、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を用いること
ができ、特にエポキシ樹脂は微粉化が容易であり、扁平
状軟磁性粉末と均一に混合し易いため、成形された部品
内部での磁性粉の偏析が少なくなり好ましい。
上記構成よりなる磁性複合材料は透磁率および飽和磁束
密度も大きく良好な磁性材料となる。
密度も大きく良好な磁性材料となる。
またこの様な複合磁性材料は以下の様にして製造するこ
とができる。すなわち前記した形状の扁平状軟磁性粉末
55〜93%と平均粒径150μm以下の熱硬化性樹脂粉末7
〜45%を乾式混合し、金型に充填して圧縮成形、熱硬化
性樹脂の硬化温度以上に加熱して熱硬化させる。平均粒
径150μm以下の熱硬化性樹脂粉末を用いる理由は、樹
脂粉末粒度が150μm以下のものを用いると磁性体粉体
間の空隙部に樹脂粉末が入って行きやすく、磁性体粉体
間の空隙部を樹脂が埋めることとなりバインダーとして
の作用が向上し複合材料の強度を高くすることができる
からである。
とができる。すなわち前記した形状の扁平状軟磁性粉末
55〜93%と平均粒径150μm以下の熱硬化性樹脂粉末7
〜45%を乾式混合し、金型に充填して圧縮成形、熱硬化
性樹脂の硬化温度以上に加熱して熱硬化させる。平均粒
径150μm以下の熱硬化性樹脂粉末を用いる理由は、樹
脂粉末粒度が150μm以下のものを用いると磁性体粉体
間の空隙部に樹脂粉末が入って行きやすく、磁性体粉体
間の空隙部を樹脂が埋めることとなりバインダーとして
の作用が向上し複合材料の強度を高くすることができる
からである。
[実施例] 第1表に示す様な扁平率と長手方向平均粒子径を有する
扁平状鉄粉とエポキシ粉末を第1表に示す割合で混合
し、金型に充填して5トン/cm2の圧力を加えると共に8
0℃で1時間、次いで150℃で1時間保持して45mmφの円
盤状成形体を得た。得られた円盤状成形体の最大透磁
率、飽和磁束密度、抗折強度を第1表に示す。
扁平状鉄粉とエポキシ粉末を第1表に示す割合で混合
し、金型に充填して5トン/cm2の圧力を加えると共に8
0℃で1時間、次いで150℃で1時間保持して45mmφの円
盤状成形体を得た。得られた円盤状成形体の最大透磁
率、飽和磁束密度、抗折強度を第1表に示す。
上記の結果から、磁気特性及び機械的特性が共に優れた
磁性複合材料を製造するためには、本発明で規制した様
な形状の軟磁性粉末を用いると共に、本発明で規制した
様な体積分率にすることが必要であることが示され、こ
れらの結果磁気特性および機械的強度の高い磁性複合材
料が得られる。また150μm以下の熱硬化性樹脂粉末を
用いると、当該樹脂がバインダーとして良好に作用する
ことも分かる。
磁性複合材料を製造するためには、本発明で規制した様
な形状の軟磁性粉末を用いると共に、本発明で規制した
様な体積分率にすることが必要であることが示され、こ
れらの結果磁気特性および機械的強度の高い磁性複合材
料が得られる。また150μm以下の熱硬化性樹脂粉末を
用いると、当該樹脂がバインダーとして良好に作用する
ことも分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されているので磁気特性に優れ
ていると共に高強度の磁性複合材料を得ることができ
る。またバインダーとして樹脂を用いるので加工しやす
く軽量にすることができる。
ていると共に高強度の磁性複合材料を得ることができ
る。またバインダーとして樹脂を用いるので加工しやす
く軽量にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 1/04 F 33/02 L H01F 1/22
Claims (1)
- 【請求項1】55〜93%(体積%、以下同じ)の扁平状軟
磁性粉末及び残部が熱硬化性樹脂からなる磁性複合材料
であって、長手方向平均粒子径が50〜300μmであり扁
平率(長手方向平均粒子径/扁平粒子の厚み、以下同
じ)が5以上である前記扁平状軟磁性粉末と、平均粒子
径が150μm以下である熱硬化性樹脂粉末を乾式混合し
た後、金型に充填して圧縮成形し、次いで上記熱硬化性
樹脂粉末の硬化温度以上の温度に加熱して硬化すること
を特徴とする磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63307614A JPH0715124B2 (ja) | 1988-12-05 | 1988-12-05 | 磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63307614A JPH0715124B2 (ja) | 1988-12-05 | 1988-12-05 | 磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02153003A JPH02153003A (ja) | 1990-06-12 |
JPH0715124B2 true JPH0715124B2 (ja) | 1995-02-22 |
Family
ID=17971153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63307614A Expired - Lifetime JPH0715124B2 (ja) | 1988-12-05 | 1988-12-05 | 磁気特性の優れた磁性複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0715124B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0921534A4 (en) * | 1996-08-21 | 2000-04-26 | Tdk Corp | MAGNETIC POWDER AND MAGNETIC MOLDED BODY |
JPH1074613A (ja) * | 1996-08-30 | 1998-03-17 | Tokin Corp | テープ、粘着テープ及び自己融着テープ |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62238305A (ja) * | 1986-04-07 | 1987-10-19 | Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd | 片状Fe−Si−A1合金粉末の製造方法 |
JPS62274002A (ja) * | 1986-05-21 | 1987-11-28 | Tdk Corp | 希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末とその製造方法 |
JPS6335701A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-16 | Showa Denko Kk | 鱗片状高透磁性金属粉 |
JPS6335706A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-16 | Showa Denko Kk | 鱗片状金属粉の製造法 |
JPS63146414A (ja) * | 1986-08-23 | 1988-06-18 | Nippon Steel Corp | ボンド磁石の製造方法 |
-
1988
- 1988-12-05 JP JP63307614A patent/JPH0715124B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02153003A (ja) | 1990-06-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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