JPH05317941A - 棒鋼・線材の水冷制御方法 - Google Patents

棒鋼・線材の水冷制御方法

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JPH05317941A
JPH05317941A JP4151194A JP15119492A JPH05317941A JP H05317941 A JPH05317941 A JP H05317941A JP 4151194 A JP4151194 A JP 4151194A JP 15119492 A JP15119492 A JP 15119492A JP H05317941 A JPH05317941 A JP H05317941A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 品質(引張り張力、スケール等)の高付加価
値化を図るプロセスにおいて、高応答・高精度な水冷制
御方法を提供するものである。 【構成】 熱間圧延中もしくは後の棒鋼もしくは線材を
冷却するに際し、被圧延材が冷却帯に入る前のC点、水
冷終了後復熱途中におけるB点そして復熱終了後の地点
A点で、被圧延材の温度TCi、TBiそしてTAiをそれぞ
れ測定し、A点の温度が目標温度‘TAiとなるようなB
点の目標温度‘TBiを下記数式により推定し、B点の目
標温度‘TBiを目標値としてフィードバック制御を行っ
て冷却水の流量を調節をする。 ‘TBi=C1 ─C2 ・TCi 【効果】 フィードバック制御において生じる、復熱時
間のための検出遅れを短縮した状態で、より精度よく所
定温度に下げることが出来るので、引張り張力、スケー
ル等の品質の安定化を図ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延ラインにおける熱
間圧延中もしくは後の棒鋼・線材(以下鋼材と言う)の
水冷制御方法に関するものであり、更に詳細には、フィ
ードバック制御において生じる、復熱時間のため発生す
る検出遅れを短縮し、制御精度を向上させる方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開昭63─52708号に記
載されているような、現在一般に行われている鋼材の圧
延ラインにおける水冷制御方法の一例を図12(イ)、
(ロ)によって説明する。
【0003】図12(イ)は、温度偏差により冷却流量
を調節する通常(従来)のフィードバック制御による温
度制御装置の概略説明図であって、鋼材1は、水冷ゾー
ン2を通る間に水により所定の温度まで冷却され、その
後鋼材は圧延ラインを進行し、復熱終了地点(A点)を
通過した後、NT(non−twist)圧延機に誘導
されるか又は巻取り機によりコイル状に巻き取られる。
【0004】NT圧延機前温度(TA )により引っ張り
強さ等が変化し、また巻取り温度(TA )によりスケー
ル性状等が変化するので、復熱終了地点(A点)におけ
るこの温度(TA )を所定の温度にすることが、所定の
製品品質を得るために必要とされている。
【0005】そこで復熱終了地点(A点)におけるこの
温度(TA )を測定し、A点の温度が目標温度
(‘TA )となるように水冷ゾーン2における水量を変
えて鋼材の温度を調節するために、この測定値を基にフ
ィードバック方式の温度制御を行っている。
【0006】即ち、温度計3で測定した温度値(TA
を水冷ゾーン2における温度調節計へフィードバック
し、これを水冷ゾーン2における流量調節計へ流量計の
測定値と共にフィードバックし、そして水冷ゾーン2に
おける流量調節計の指令によって流量調節弁4の開度調
節を行ない、冷却流量を調節して鋼材の温度を調節す
る。
【0007】また、このような自動制御を行わないまで
も、温度計3の指示値を見ながら、それを所定の目標温
度に達せしむべく、水冷ゾーン2の水量を手動によって
変える操業が行われている。
【0008】ここで問題となるのは、A点において鋼材
の温度が目標温度(‘TA )となるようにするために、
A点で測定した鋼材の温度(TA )を基準として冷却ゾ
ーン2における鋼材の目標温度を決定する、冷却ゾーン
2における鋼材の冷却温度の目標値の与え方である。
【0009】一般に高温の鋼材を水で冷却した場合、鋼
材と水との間の熱流速量と鋼材内部の熱流速量とに大き
な差があるため、鋼材の断面の中心と表面とに温度分布
を生じる。この温度分布は鋼材表面が低く、内部が高い
という分布になり、その分布状態は、水冷前の鋼材温
度、水冷の水量、時間等によって変化する。
【0010】図12(ロ)は、図12(イ)の温度制御
装置を用いて鋼材を水冷した時の温度工程を示す。
【0011】鋼材1が水冷ゾーン2で水冷される際、先
ず表面が中心に先立ち冷却され、表面温度と中心の断面
内温度との偏差が時間の経過に連れて次第に拡大する。
【0012】次に水冷終了後、表面と中心との間で復熱
が起こり、断面内温度偏差が時間の経過に連れて次第に
縮小する。復熱は復熱過程で表面温度が極大値(図中
↑)になった時点で終了する。
【0013】鋼材のメタラジー(冶金)を制御するに
は、復熱終了後の温度を管理することが不可欠であるた
め、通常水冷制御の目標温度(‘TA )は、復熱終了地
点〔図12(ロ)中では↑、図12(イ)中ではA点〕
で設定し、フィードバック制御を行っている。
【0014】例えば、引張り張力等のコントロールのた
め、NT圧延機前で水冷を行う場合には、NT圧延機前
の復熱終了地点で目標温度を設定し、また例えば、スケ
ール等のコントロールのため、NT圧延機後でステルモ
ア冷却を行う場合には、ステルモア冷却機後の復熱終了
地点で目標温度を設定し、フィードバック制御を行って
いる。
【0015】これは、図13(イ)、(ロ)に示すよう
に、点線(…)で示す鋼材の復熱曲線と実線(ー)で示
す鋼材の復熱曲線とを比較する場合には、復熱過程にお
いて復熱途中における地点(B点)で目標温度
(‘TB )を設定〔図13(ロ)中では↑‘TB 、図1
3(イ)中ではB点〕すると、その地点での鋼材の表面
温度が等しくても、冷却前の鋼材温度、鋼材速度、冷却
水量、時間等により、復熱終了後の同一地点〔図13
(ロ)中では↑TA 、図13(イ)中ではA点〕での鋼
材温度(TA )は違ったものになるので、通常は復熱過
程において復熱途中におけるB点で目標温度(‘TB
を設定することは、鋼材のメタラジーの制御に不適であ
ると考えられているからである。
【0016】しかして、本発明者等は、水冷制御の目標
温度を復熱終了地点〔図13(ロ)中では↑TA 、図1
3(イ)中ではA点〕で設定してフィードバック制御を
行う従来の自動制御方法では、例えば、直径20mmの
鋼材を150℃冷却する場合には約5secの復熱時間
の大きな検出遅れが生じるので、制御精度が低下してい
ることに注目した。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決し、フィードバック制御において生じる復熱時間の
検出遅れ時間を短縮することにより、熱間圧延中もしく
は後の棒鋼・線材を水冷により所定温度に下げ、品質
(引張り張力、スケール等)の高付加価値化を図るプロ
セスにおいて、品質の安定化を図ることを目的とする、
高応答・高精度な水冷制御方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を要
旨とする。
【0019】熱間圧延中もしくは後の棒鋼もしくは線材
を冷却するに際し、被圧延材が冷却帯に入る前の地点
(C点)、水冷終了後復熱途中における初期または中期
における地点(B点)そして復熱終了後の地点(A点)
で、該被圧延材の温度(TCi)、(TBi)そして
(TAi)をそれぞれ測定し、A点の温度が目標温度
(‘TAi)となるようなB点の目標温度(‘TBi)を下
記数1に表す式により推定し、B点の目標温度
(‘TBi)を目標値としてフィードバック制御を行って
冷却水の流量の調節をすることを特徴とする棒鋼・線材
の水冷制御方法。
【0020】
【数1】‘TBi=C1 ─C2 ・T Ci 〔式中、C1 ,C2 はA点の目標温度(‘TAi)、移動
速度(V)、被圧延材の直径(D)及び水冷条件(冷却
帯の位置、冷却能力、温度計の位置)によって定まる係
数である。〕
【0021】
【作用】本発明は、被圧延材が冷却ゾーンに入る前の地
点をC点、水冷終了後復熱途中における初期または中期
における地点をB点そして複熱終了後の地点をA点と
し、これらの点における該被圧延材の温度を(TCi)、
(TBi)そして(TAi)としたとき、B点における温度
(TBi)を制御することにより、A点における実測温度
(TAi)を目標温度(‘TAi)に制御する制御方法であ
る。
【0022】従来は、復熱終了後の地点であるA点にお
ける温度(TAi)に基づき冷却ゾーンにおける該被圧延
材の冷却温度を制御していたので、該被圧延材が冷却ゾ
ーンに進入し冷却された部分が、冷却後温度を検出され
るまでの検出遅れ時間は、冷却ゾーン−A点間における
該被圧延材の移動時間であったが、本発明では検出遅れ
時間は冷却ゾーン−B点間の移動距離となり、これによ
ってフィードバック制御の検出遅れが短縮されて制御精
度が向上し、品質の安定化を図ることが出来る。
【0023】本発明者等は、数値計算、基礎的な加熱−
冷却実験および実際の現場実験を重ねた結果、熱間圧延
中もしくは後の鋼材(棒鋼もしくは線材)を冷却するに
際し、復熱終了後の地点であるA点における温度が目標
温度(‘TAi)となるようなB点の目標温度(‘TBi
を下記数1により表せることを見出した。
【0024】
【数1】‘TBi=C1 ─C2 ・T Ci 〔式中、C1 ,C2 はA点の目標温度(‘TAi)、移動
速度(V)、被圧延材の直径(D)及び水冷条件(冷却
ゾーンの位置、冷却能力、温度計の位置)によって定ま
る係数である。〕
【0025】熱間圧延中とは、例えば、図7に示すよう
に、二中間圧延機7と仕上圧延機6との間に水冷ゾーン
2を配置し、仕上圧延機6前の復熱終了地点(A点)で
目標温度を設定してフィードバック制御を行いながら水
冷を行うスタンド間水冷の場合であり、そして熱間圧延
後とは、例えば、図9に示すように、仕上圧延機6後に
水冷ゾーン2を配置し、仕上圧延機6後の復熱終了地点
(A点)で目標温度を設定してフィードバック制御を行
いながら水冷を行う仕上水冷の場合を言う。
【0026】図7および図9において3−1、3−2そ
して3−3はそれぞれ温度計であり、そして図9におい
て8はレーイング・ヘッドそして9は搬送コンベアであ
る。
【0027】以下本発明の鋼材の温度制御方法について
図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】図1(ロ)は、図1(イ)に示す本発明の
温度制御装置により冷却前の温度を異にする鋼材(a、
bそしてc)1をそれぞれ冷却制御した時の鋼材温度
(表面温度の復熱曲線および中心温度)と時間との関係
を示している。なお、これらの復熱曲線は、熱伝導方程
式を差分法や数学的解法によって解くことによって得ら
れる。
【0029】鋼材1の表面は、水冷ゾーン2を進行する
間に水により所定の最低温度まで冷却され、そして水冷
ゾーン2を通過した鋼材1の表面は圧延ラインを進行す
る間に復熱により温度が上昇し、復熱のため高温となり
ピークに達すると、その後表面冷却のほうが復熱にまさ
り鋼材1の表面温度は低下する。
【0030】図1(イ)において、鋼材1が冷却ゾーン
2に入る前の地点をC点、水冷終了後復熱途中における
初期または中期における地点をB点そして該ピークの地
点(復熱終了後の地点)をA点とする。
【0031】図1(ロ)において、(TCi)、(TBi
そして(TAi)はそれぞれC点、B点そしてA点におけ
る被圧延材の実測温度を示している。
【0032】図1(イ)において、C点およびA点で該
被圧延材の温度(TCi)および(TAi)を温度計3−3
および3−1でそれぞれ実測する。そして演算制御部5
において、この実測値を用いて、A点の温度が目標温度
(‘TAi)となるようなB点の目標温度(‘TBi)を下
記数1により予測し、B点で該被圧延材の温度(TB1
を実測しかつB点の実測値(TBi)とB点の目標温度
(‘TBi)とを比較し、この比較結果に基づいて冷却条
件を補正する指令を冷却水を供給する流量調節弁4に送
り、指令された開度で冷却水を供給して温度制御をす
る。このように、B点の目標温度(‘TBi)を目標値と
してフィードバック制御を行い冷却流量の調節をする。
【0033】
【数1】‘TBi=C1 ─C2 ・T Ci 〔式中、C1 ,C2 はA点の目標温度(‘TAi)、該被
圧延材の移動速度(V)、被圧延材の直径(D)及び水
冷条件(冷却帯の位置、冷却能力、温度計の位置)によ
って定まる係数である。〕
【0034】次に上記数1に示す式の算出方法を説明す
る。
【0035】図2に示すように、二中間圧延機7を出た
鋼材(棒線材)1が冷却ゾーン2に入る前の地点(C
点)、水冷終了後復熱途中における初期または中期にお
ける地点(B点)そして複熱終了後でかつ仕上圧延機6
の前方における地点(A点)にそれぞれ温度計3−3、
3−2そして3−1を配置しかつ棒線材の移動速度V=
5.9m/sec、直径D=17.5mmφとして圧延
条件(計算条件)を定め、これらの地点における棒線材
の表面温度TC 、TB そしてTA の関係を、伝熱方程式
を差分法で解く数値計算によりもとめた。
【0036】図3に、棒線材の温度TA が820℃、8
00℃そして780℃の時における温度TB およびTC
の関係を示す。
【0037】この関係から重回帰結果として数2に表す
数値計算値からの予測式を得た。
【0038】
【数2】TB =516.3−0.819TC +1.26
7TA
【0039】この数値計算結果より、TB は、各移動速
度Vおよび直径Dに対し、数3に表す数値計算の予測式
で表せることが判った。
【0040】
【数3】‘TBi=C1 −C2 ・T Ci +C3 ・‘TA 〔式中、‘TBiの左上付逆さコンマ(‘)は目標値を表
し、そしてTBiおよびTCiのアイ( i)は制御周期子と
の値を表す。尚、目標値を表すために、例えば、左上付
逆さコンマ(‘)の代わりに、 外1 のようにTBi
上方に横線を描くか又は 外2 のようにTBiのTの上
方に山形の線を描いてもよい。〕
【0041】
【外1】
【0042】
【外2】
【0043】数3を各移動速度V、直径Dそして目標温
度‘TA 毎に求め、テーブル化し、モデル式とする。
【0044】棒鋼・線材は、通常その圧延において、移
動速度Vそして直径Dは系列化しており、目標温度‘T
A も基準化され数種類しかないことから、テーブル数は
さほど多くならない。
【0045】そこで、V=一定、D=一定そして‘TA
=一定のとき、数3より計算して得られる数1をモデル
式の最終形とした。
【0046】すなわち、数4および数5に表す関係とな
る。
【0047】
【数4】(数1の)C1 =(数3の)C1 +C3 ・‘T
A
【0048】
【数5】(数1の)C2 =(数3の)C2
【0049】例えば、上記
【0035】に記載の圧延条件、水冷条件のもので、目
標温度‘TA =800℃のとき、数1は、数2に‘TA
=800℃を代入することにより、数7に示す予測式と
なる。
【0050】次に数3に表すモデル式を実測値により補
正することを説明する。
【0051】先ず図4において、多数の◇は、移動速度
V=5.9m/sec、直径D=17.5mmφそして
A =800℃のときにおける温度TB およびTC の実
測値、実線(──)は数6に表す実測値からの回帰式、
そして点線(……)は数7に表す数値計算からのモデル
式を示している。
【0052】
【数6】TB =1434.8−0.723TCi
【0053】
【数7】‘TBi=1529.9−0.819TCi
【0054】即ち、数6に表す実測値からの回帰式と数
7に表す数値計算の予測式との比較から、移動速度V=
5.9m/sec、直径D=17.5mmφそして目標
温度‘TA =800℃のとき、数7に表す数値計算の予
測式は、実測値の補正によって数8に表す式に修正され
る。
【0055】
【数8】‘TBi=1434.8−0.723TCi
【0056】図5に、この数1に表す式をモデル式とし
て用いる冷却フローチャートの例を示す。
【0057】圧延条件およびA点における目標温度
(‘TAi)から冷却条件を設定し、冷却ゾーンにおける
初期流量を設定するとともに冷却管(三方弁)の数を設
定し、A点およびB点における被圧延材の温度(TAi
および(Tci)を検出し、上記の数1に表すモデル式を
用いてB点における目標温度(‘TBi)を予測し、B点
における温度(TBi)を検出し、この検出した温度(T
Bi)とB点における目標温度(‘TBi)との差がゼロに
なるように冷却流量を調節する。
【0058】そしてこれによりA点において検出した温
度(TAi)がA点における目標温度(‘TA )を満たし
つつ、鋼材の尾端が通過するまでこのように冷却制御を
続ける。
【0059】
【実施例1】図1(イ)に示すように、鋼材(棒線材)
(SCM435)1が冷却ゾーン2に入る前の地点をC
点、水冷終了後復熱途中における初期または中期におけ
る地点をB点そして複熱終了後の地点をA点とし、C点
から水冷ゾーン2の入側までの距離を0.1m、C点か
ら水冷ゾーン2の出側までの距離を9.0m、C点から
B点までの距離を12.0m、C点からA点までの距離
を29.5mとした。
【0060】これらの地点における棒線材の温度TCi
BiそしてTAiを測定する温度計3−3、3−2そして
3−1を配置した。
【0061】また棒線材の移動速度V=5.9m/se
c、直径D=17.5mmφそしてA点における棒線材
の温度が目標温度(‘TAi)の800℃のとき得られる
前述したおよび下記の数8に表す式をモデル式とした。
【0062】
【数8】‘TBi=1434.8−0.723TCi
【0063】次にA点における棒線材の温度が目標温度
(‘TAi)の800℃となるように流量調節弁4を調節
して冷却水を供給しながら、直径D=17.5mmφの
棒線材を移動速度V=5.9m/secで圧延した。成
品径は7mmであった。
【0064】この際、C点およびA点で該被圧延材の温
度(TCi)および(TAi)を温度計3−3および3−1
でそれぞれ実測した。
【0065】そして演算制御部5において、この実測値
を用いて、A点の実測温度が目標温度(‘TAi)の80
0℃となるようなB点の目標温度(‘TBi)を上記数8
により予測し、B点で該被圧延材の温度(TB1)を温度
計3−2で実測しかつB点の実測温度(TBi)とB点の
目標温度(‘TBi)とを比較し、この比較結果に基づい
て冷却条件を補正する指令を冷却水を供給する流量調節
弁4に送り、指令された開度で冷却水を供給して温度制
御をした。
【0066】このように、B点の目標温度(‘TBi)を
目標値としてフィードバック制御を行い冷却流量の調節
をした。
【0067】図6(イ)に、棒線材の温度TCi、‘TBi
そしてTAiの関係を示す。
【0068】図6(イ)に示されているように、A点の
実測温度(TAi)はほぼ目標温度(‘TA )の800℃
に制御することが出来た。
【0069】
【比較例1】上記の数8に表すモデル式を用いないで、
A点の目標温度(‘TA )を目標値としてフィードバッ
ク制御を行い冷却流量の調節をした以外は、実施例1と
同様にして冷却温度制御を行った。
【0070】図6(ロ)に、棒線材の温度TCiとTAi
関係を示す。
【0071】図6(ロ)に示されているように、A点お
いて棒線材の温度は、目標温度(‘TAi)の800℃に
よく制御出来きず、図6(イ)に比べ制御精度が低下し
ていた。
【0072】
【実施例2】図7に示すように、二中間圧延機7および
仕上圧延機6を用いてスタンド間圧延を行なって実施例
1と同様にして温度制御を行った。図6(イ)に示され
ているように、A点の実測温度(TAi)はほぼ目標温度
(‘TA )の800℃に制御することが出来た。また図
8に示すように、品質(引張り張力等)の安定化を図る
ことが出来た。
【0073】
【比較例2】図7に示すように、二中間圧延機7および
仕上圧延機6を用いてスタンド間圧延を行なって比較例
1と同様にして温度制御を行った。図6(ロ)に示され
ているように、A点おいて棒線材の温度は、目標温度
(‘TAi)の800℃によく制御出来きず、図6(イ)
に比べ制御精度が低下していた。また図8に示すよう
に、品質(引張り張力のばらつき等)が低下していた。
【0074】
【実施例3】図9に示すように、仕上圧延機6およびレ
ーイング・ヘッド8を用いて仕上圧延を行った。C点か
らB点までの距離は37mそして水冷ゾーン2の出側か
らB点までの距離は1.0mであった。レーイング・ヘ
ッド8で巻き取られた線材1は、搬送コンベア9上を搬
送され、A点に達する。このようにして線材1がB点か
らA点まで移動に要する時間は1.5秒であった。また
棒線材(SWRH72A)の移動速度V=60m/se
c、直径D=5.5mmφそしてA点における棒線材の
温度が目標温度(‘TA )の850℃のとき得られる下
記の数9に表す式をモデル式とした。そして実施例1と
同様にして冷却温度制御を行った。
【0075】
【数9】‘TBi=1031.2−0.197・TCi
【0076】図10(イ)に、棒線材の温度TCi、‘T
BiそしてTAiの関係を示す。
【0077】図10(イ)に示されているように、A点
の実測温度(TAi)はほぼ目標温度(‘TA )の850
℃に制御することが出来た。また図11に示すように、
品質(スケール等)の安定化を図ることが出来た。
【0078】
【比較例3】上記の数9に表すモデル式を用いなかった
以外は、実施例3と同様にして温度制御を行った。
【0079】図10(ロ)に、棒線材の温度TCiとTAi
の関係を示す。
【0080】図10(ロ)に示されているように、A点
おいて棒線材の温度は、目標温度(‘TAi)の850℃
によく制御出来きず、図10(イ)に比べ制御精度が低
下していた。また図11に示すように、品質(スケール
等)が低下していた。
【0081】
【発明の効果】以上のように構成される本発明は、下記
の如き効果を奏する。
【0082】従来は、被圧延材の冷却温度を復熱終了後
の地点であるA点で実測した温度(TAi)に基づきフィ
ードバック制御していたので、制御開始時間は従来はC
点−A点間における鋼材の移動時間であったが、本発明
では制御開始時間はB点−A点間における鋼材の移動時
間となり、これによって冷却制御開始時間が短縮されて
品質の安定化を図ることが出来る。
【0083】本発明は、フィードバック制御において生
じる、復熱時間のため検出遅れとなる制御開始時間を短
縮した状態で、熱間圧延中もしくは後の棒鋼・線材を水
冷により所定温度に下げることが出来るので、熱間圧延
中にフィードバック制御を行いながら水冷を行うスタン
ド間水冷の場合には、品質(引張り張力等)の安定化を
図ることが出来る。
【0084】また本発明は、熱間圧延後にフィードバッ
ク制御を行いながら水冷を行う仕上水冷の場合には、品
質(スケール等)の安定化を図ることが出来る。
【図面の詳細な説明】
【図1】図1(イ)は、本発明が適用される水冷制御装
置のレイアウトの例を示す説明図である。図1(ロ)
は、図1(イ)の水冷制御装置により制御される鋼材の
表面および中心における温度と時間との関係を示すグラ
フである。
【図2】本発明が適用される水冷制御装置のレイアウト
の他の例を示す説明図である。
【図3】図2の水冷制御装置を用いて測定した温度のT
A とTB およびTC との関係の例を示すグラフである。
【図4】TA =800℃のときにおける温度TB および
C の実測値、実線(──)で示す数6に表す実測値か
らの回帰式、そして点線(……)で示す数7に表す数値
計算の予測式の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の数1に表す式をモデル式として用いる
冷却フローチャート例である。
【図6】図6(イ)は、本発明の数8に表すモデル式を
用いて棒鋼材を制御した場合の‘TAi=800℃のとき
における実測値温度TAi、‘TBiおよびTCiの関係の例
を示すグラフである。図6(ロ)は、従来方法によりフ
ィードバック制御した場合において‘TAi=800℃の
ときにおける実測値温度TAiおよびTCiの関係の例を示
すグラフである。
【図7】本発明が適用される水冷制御装置を含む圧延機
全体のレイアウトの例を示す説明図である。
【図8】図7に示す水冷制御装置を用いて本発明および
従来法により製造した製品の品質の比較を示すグラフで
ある。
【図9】本発明が適用される水冷制御装置を含む圧延機
全体のレイアウトの他の例を示す説明図である。
【図10】図10(イ)は、本発明の数8に表すモデル
式を用いて棒鋼材を制御した場合の‘TAi=850℃の
ときにおける実測値温度TAi、‘TBiおよびTCiの関係
の例を示すグラフである。図10(ロ)は、従来方法に
よりフィードバック制御した場合において‘TAi=85
0℃のときにおける実測値温度TAiおよびTCiの関係の
例を示すグラフである。
【図11】図9に示す水冷制御装置を用いて本発明およ
び従来法により製造した製品の品質の比較を示すグラフ
である。
【図12】図12(イ)は従来法が適用される水冷制御
装置のレイアウトの例を示す説明図である。図12
(ロ)は、図12(イ)の水冷制御装置により制御され
る、鋼材の表面および中心における温度と時間との関係
を示すグラフである。
【図13】図13(イ)は従来の制御の考え方を説明す
る水冷制御装置のレイアウトの例を示す説明図である。
図13(ロ)は、図13(イ)の水冷制御装置により従
来の制御の考え方により制御される、鋼材の表面および
中心の温度と時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鋼材 2 水冷ゾーン 3 温度計 3−1 A点における温度計 3−2 B点における温度計 3−3 C点における温度計 4 流量調節弁 5 演算制御部 6 仕上圧延機 7 二中間圧延機 8 レーイング・ヘッド 9 搬送コンベア a、bそしてc 鋼材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延中もしくは後の棒鋼もしくは線
    材を冷却するに際し、被圧延材が冷却帯に入る前の地点
    (C点)、水冷終了後復熱途中における初期または中期
    における地点(B点)そして復熱終了後の地点(A点)
    で、該被圧延材の温度(TCi)、(TBi)そして
    (TAi)をそれぞれ測定し、A点の温度が目標温度
    (‘TAi)となるようなB点の目標温度(‘TBi)を下
    記数1に表す式により推定し、B点の目標温度
    (‘TBi)を目標値としてフィードバック制御を行って
    冷却水の流量の調節をすることを特徴とする棒鋼・線材
    の水冷制御方法。 【数1】‘TBi=C1 ─C2 ・TCi 〔式中、C1 ,C2 はA点の目標温度(‘TAi)、移動
    速度(V)、被圧延材の直径(D)及び水冷条件(冷却
    帯の位置、冷却能力、温度計の位置)によって定まる係
    数である。〕
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