JPH0531573B2 - - Google Patents

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JPH0531573B2
JPH0531573B2 JP23323784A JP23323784A JPH0531573B2 JP H0531573 B2 JPH0531573 B2 JP H0531573B2 JP 23323784 A JP23323784 A JP 23323784A JP 23323784 A JP23323784 A JP 23323784A JP H0531573 B2 JPH0531573 B2 JP H0531573B2
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JP
Japan
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polymer
solvent
reaction
sulfone
bis
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JP23323784A
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JPS61113618A (ja
Inventor
Hideaki Oikawa
Hikotada Tsuboi
Shiro Fujikake
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性に優れ、しかも吸湿性、耐候
性等にも優れる射出成形可能な芳香族ポリエーテ
ル系重合体に関する。 〔従来の技術〕 二価フエノールのジアルカリ金属塩と活性化さ
れた芳香族ジハライド類との反応により、線状の
芳香族ポリエーテル系重合体を得る方法は良く知
られている(例えば、R.N.Johnson他、J.Polym.
sci.,A−1 2375(1967))。 特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンのジアルカリ金属塩と、ビス(4−
クロルフエニル)スルホンより得られるポリエー
テル系重合体は、比較的高温における機械的諸物
性に優れ、しかも加工が容易である利点を有し、
すでに多方面で実用に供されている。しかしなが
ら、電気電子工業や精密産業分野の著しい発展に
伴い、さらに高度の耐熱性が要求されるようにな
り、芳香族ポリエーテル系重合体としての優れた
特性を保持し、しかも例えばガラス転移温度が更
に向上した重合体が各方面から要望されている。 上記の目的に沿つたポリエーテル系重合体とし
て、ビス(4−ヒドロキシフエニル)スルホンの
ジアルカリ金属塩とビス(4−ハロフエニル)ス
ルホンより得られるポリエーテル系重合体があ
り、上記の2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンを使用するものにくらべ、ガラス転
移温度が大巾に向上しており、高度の耐熱が要求
される分野に使用されている。しかしながら、極
性の強いスルフオン結合が分子中にしめる割合が
大であるため、耐熱性は優れているものの吸湿性
が大きく、しかも耐候性が不十分であるという欠
点がある。重合体のガラス転移温度を上昇させる
ためには、通常、極性の大な結合やヘテロ原子を
含む結合が導入されるが、これら導入された結合
が吸湿性を増大させる傾向が強く、耐候性にも悪
影響を及ぼすものが少なくない。 〔発明が解決しようとする問題〕 本発明の目的は、上記の欠点のない耐熱性の優
れた芳香族ポリエーテル共重合体を提供すること
にある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは上記目的を達成するため種々検討
を続け、下記の構造を有するものが良好であるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、 一般式 〔但し、式中のR1〜R4はそれぞれ炭素原子数
1〜8の炭化水素基またはハロゲン原子を示し、
a〜dはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ま
たa〜dが2以上のとき、2個以上存在するR1
〜R4は互に同一でも異つていてもよい。〕 で示される繰返し単位よりなり、対数粘度が0.2
〜2.0の範囲にあることを特徴とする芳香族ポリ
エーテルである。 本発明の重合体に含まれるインダン環を含むビ
スフエノール残基は、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)プロパン残基にくらべ、重合体の
ガラス転移温度を向上させる効果があり、しかも
ビス(4−ヒドロキシフエニル)スルホン残基の
ようにスルホン結合を含まないため、重合体中に
スルホン結合の占める割合が高くならず、吸湿性
や耐候性への悪影響を及ぼすことがないため、実
用性の高い芳香族ポリエーテルを形成する。 本発明の重合体は一般式で示される繰返し単
位よりなるが、さらに一般式AおよびBよりなる
構造単位により構成されている。 〔式(A)、(B)中のR1〜R4、a〜dは一般式に
おけると同じである。〕 本発明の重合体は後に記すように、通常、一般
式Aの構造単位を構成する原料化合物である芳香
族ハロゲン化合物と一般式Bの構造単位を構成す
るインダン環を有するビスフエノール類との重縮
合により製造される。 一般式Aの構造単位を構成する原料化合物であ
る芳香族ハロゲン化合物の具体的な例としては、
ビス(4−クロルフエニル)スルホン、ビス(2
−クロルフエニル)スルホン、ビス(3,4−ジ
クロルフエニル)スルホン、ビス(3−メチル−
4−クロルフエニル)スルホン、ビス(3,5−
ジメチル−4−クロルフエニル)スルホン、ビス
(4−フルオロフエニル)スルホン、ビス(4−
ブロモフエニル)スルホン、ビス(4−ヨードフ
エニル)スルホン、ビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−クロルフエニル)スルホン、ビス(3,
5−ジフエニル−4−クロルフエニル)スルホ
ン、ビス(3−クロル−4−フルオロフエニル)
スルホン、3−メチル−4,4′−ジクロルジフエ
ニルスルホンなどを挙げることができ、これらは
単独でも2種以上の混合物としても使用すること
ができる。 特に好ましいものは、ビス(4−クロルフエニ
ル)スルホン、ビス(4−フルオロフエニル)ス
ルホンである。 一般式Bで示される構造単位を構成する原料の
ビスフエノール類としては、ヒドロキシフエニル
インダノール誘導体であり、具体的な例としては
1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシ
フエニル)−5−インダノール、1,1,3,4,
6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフエニル)−5−インダノール、1,
1,3,4−テトラメチル−3−(3−メチル−
4−ヒドロキシフエニル)−5−インダノール、
1,1,3−トリメチル−4,6−ジ−t−ブチ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフエニル)−5−インダノール、1,1,3
−トリメチル−4,6−ジブロモ−3−(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフエニル)−5−イ
ンダノール、1,1,3−トリメチル−4,6−
ジクロロ−3−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシフエニル)−5−インダノール、1,1,3
−トリメチル−3−(3−ヒドロキシフエニル)−
4−インダノール、1,1,3−トリメチル−3
−(3−ヒドロキシフエニル)−6−インダノー
ル、1,1,3,5−テトラメチル−3−(3−
ヒドロキシ−4−メチルフエニル)−6−インダ
ノール、1,1,3,6−テトラメチル−3−
(3−メチル−4−ヒドロキシフエニル)−5−イ
ンダノール、1,1,3,5−テトラメチル−3
−(3−メチル−4−ヒドロキシフエニル)−5−
インダノールなどを挙げることができ、これらは
1種又は2種以上を使用できる。 上記ヒドロキシインダノール誘導体は、イソプ
ロペニルフエノール類またはその二量体より酸触
媒の存在下に加熱して〔例えば、特開昭54−
76564、特公昭55−11651、U.S.4334106(1982),
U.S.3288864(1966)〕、ビスフエノール類を直接酸
触媒の存在下に加熱して〔U.S.2979534(1961)〕、
あるいはα−アルキルスチレン誘導体の二量化に
よつて得られるインダン化合物をスルホン化、ア
ルカリ溶融して〔U.S.2819249(1958)、U.
S.2754285(1956)〕得ることができる。 本発明の重合体の製造に用いられるビスフエノ
ール類のハロゲン化合物に対するモル比は0.7〜
1.3の範囲に入ることが好ましい。さらに好まし
くは、0.85〜1.15の範囲であり、特に高分子量の
重合体を得る目的のためには、上記のモル比は1
付近になるようにするのが良い。 本発明の重合体の製造に用いられるビスフエノ
ール類は、すでに記したように実際の反応におい
ては、ジアルカリ金属塩として作用する。したが
つて、ビスフエノール類のジアルカリ金属塩を別
途に製造して使用するか重合反応前または同時に
塩を形成しながら反応を進めることができる。ア
ルカリ金属の種類としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビシウムがあげられるが、特に
好ましいのはナトリウムおよびカリウムである。 アルカリ塩を形成するために用いられる金属化
合物としては、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が
挙げられ、特に水酸化物および炭酸塩が好まし
い。 したがつて、ビスフエノール類のジアルカリ金
属塩を調整するためには、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
の少くとも1種を使用するのが特に好ましい。 本発明の重合体の製造には、必要に応じて溶媒
が使用される。重合反応に好ましい溶媒は、原料
のビスフエノール類、ハロゲン化合物、および生
成されるポリエーテル系重合体のいずれもが高い
溶解度を示し、しかもビスフエノール類のアルカ
リ塩、アルカリ金属化合物なども溶解性をもつも
のであることが好ましい。 このような目的に適する溶媒としては、通常極
性溶媒と称される化合物が多く使用されるが、こ
れに限定されるものではない。必要に応じて使用
される溶媒の具体的な代表例としては、ジメチル
スルホキシド、スルホラン(テトラメチレンスル
ホン)、ジフエニルスルホン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホン、ジ
エチルスルホン、ジエチルスルホキシドなどが挙
げられる。 さらに、極性溶媒以外にジフエニルエーテル、
ビフエニル、ターフエニル、フエナントレン、ナ
フタレン、ジフエニルメタン、トリフエニルメタ
ンなども有利に使用することができる。 本発明の重合体を製造する際に必要に応じて用
いられる溶媒の使用量は用いられるビスフエノー
ル類の重量を基準として0.05〜20倍の範囲で通常
使用される。さらに好ましくは0.1〜10倍の範囲
であり、その使用量は溶媒の種類、用いられるビ
スフエノール類、ハロゲン化合物の種類その他反
応上の条件等により異なる。 上記範囲より、溶媒の使用量が少ない場合には
溶媒としての効果が認められず、特に生成した重
合体が低分子量のものであつても析出してしまう
ため、実用性のある高分子量重合体が得られなく
なる。一方、溶媒量を上記範囲より多くすると、
モノマー濃度が低下するため、分子量を高めるた
めにはより高温、長時間の反応を要し、好ましい
結果が得られない。 本発明の重合体の製造における実際の重合反応
は、以下に示す種々の形式で具体的に実施するこ
とができる。例えば、(1)溶媒を使用せずに、あら
かじめ別途調製しておいたビスフエノール類のア
ルカリ塩無水物とハロゲン化合物を十分均一に混
合し撹拌しながら加熱して反応させる方法、(2)ビ
スフエノール類にアルカリ金属化合物を反応させ
て得られた水溶液に共沸溶媒を加えて共沸蒸留を
行ない、ビスフエノール類のアルカリ塩が実質無
水の状態になつた後ハロゲン化合物を加え、反応
溶媒を使用せず加熱反応させる方法、(3)ビスフエ
ノール類をアルカリ金属化合物と反応させて得ら
れた水溶液またはその濃縮物とハロゲン化合物を
共沸溶媒の存在下に加熱し、共沸脱水を実施しな
がら重合反応を同時に開始させ、脱水が完了後は
無溶媒で加熱反応を行なう方法、(4)溶媒の存在下
に別途調製したビスフエノール類のアルカリ塩無
水物とハロゲン化合物を反応させる方法、(5)溶媒
の存在下にビスフエノール類とアルカリ金属化合
物と反応させて得られた水溶液またはその濃縮物
に共沸溶媒を加え、共沸蒸留により脱水を行ない
ビスフエノール類アルカリ塩が実質無水になつた
後、ハロゲン化合物を加え、溶媒の存在下に加熱
反応を実施する方法(この際、溶媒は共沸溶媒よ
り高沸点のものを使用する)、(6)溶媒の存在下に
ビスフエノール類のアルカリ塩含水物または水溶
液、ハロゲン化合物および共沸溶媒を加え、加熱
して共沸脱水を実施しながら、重合反応を開始さ
せ、脱水が完了して共沸溶媒が留去された後は、
(反応)溶媒の存在下に加熱反応を実施する方法、
(7)ビスフエノール類、ハロゲン化合物およびアル
カリ金属炭酸塩または炭酸水素塩との混合物を溶
媒および共沸溶媒の存在下に加熱することによ
り、ビスフエノール類のアルカ塩を生成させ、同
時に生成する水を共沸蒸留しつつ、または共沸蒸
留した後に、重合反応を進行させる方法などを挙
げることができ、ビスフエノール類およびハロゲ
ン化合物の反応性物性等に応じ最適なものを選ぶ
ことができる。 上記の重合方法の例で明らかなように、ビスフ
エノール類のアルカリ塩を無水の状態で反応させ
るために、水と共沸する共沸溶媒が必要に応じて
用いられる。具体的な共沸溶媒の例としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン類などの芳香族炭化水
素、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなど
のハロゲン化合物を挙げることができるが、その
他の化合物も使用される。 また共沸溶媒の使用量は、反応系に存在する水
分の量および共沸組成などから決定することがで
きる。共沸溶媒を使用した脱水においては、水を
共沸溶媒とともに留出させ、留出物は冷却されて
凝縮し、水と共沸溶媒は二層に分離する。分離し
た共沸溶媒層が反応系に還流するようにしておけ
ば、共沸溶媒が有効に使用されるため、大過剰の
共沸溶媒を使用せずに脱水を完了することができ
る。 共沸脱水に要する時間も、反応系に存在する水
分の量、使用する共沸溶媒の量などによつて異な
るが、実用面からは10時間以内で行なわれること
が好ましく、さらに5時間以内で完了することが
一層好ましい。 本発明の重合体を製造する際の重合反応の温度
は、反応原料成分の種類、重合反応の形式などに
より変化するが、通常80〜400℃の範囲であり、
好ましくは100〜350℃の範囲で実施される。上記
の温度範囲より反応温度が低い場合は、目的とす
る重合反応は殆んど実用に耐える速度で進行せ
ず、必要とする分子量の重合体を得ることは困難
である。一方、上記の範囲より反応温度が高い場
合は、目的とする重合反応以外の副反応が無視で
きなくなり、得られる重合体の着色も著しくな
る。また反応は一定の温度で実施してもよいし、
温度を徐々に変化させるかまたは温度を段階的に
変化させてもよい。 本発明の重合体の製造において、反応に要する
時間は反応原料成分の種類、重合反応の形式、反
応温度の種類などにより大幅に変化するが、通常
は10分〜100時間の範囲であり、好ましくは30分
〜24時間の範囲で実施される。 反応雰囲気としては、酸素が存在しないことが
好ましく、窒素もしくはその他の不活性ガス中で
行なうと良い結果が得られる。ビスフエノール類
のアルカリ塩は、酸素の存在下で加熱すると酸化
され易く、目的とする重合反応が妨げられ、高分
子量化が困難になる他、重合体の着色の原因とも
なる。 本発明の重合体の製造において、重合反応を停
止させるには、通常反応物を冷却すればよい。し
かしながら重合体の末端に存在する可能性のある
フエノキサイド基を安定化させるために、脂肪族
ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物などを添加反
応させることも必要に応じ実施される。上記ハロ
ゲン化物の具体的な例としては、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、メチルブロマイド、4−
クロルジフエニルスルホン、4−クロルベンゾフ
エノン、ビス(4−クロルフエニル)スルホン、
p−クロルニトロベンゼンなどを挙げることがで
きる。 また重合反応を停止して、室温に反応物を冷却
すると反応物の粘度が著しく高くなり、無溶媒反
応や使用した反応溶媒の種類によつては反応物が
固化する場合があるため、冷却前または冷却中に
不活性な溶媒で稀釈することも、場合によつては
有効である。上記の目的のためには、生成するア
ルカリハライドが不溶なものが望ましく、そのよ
うなものはまた以下に記す重合体の分離のために
有利である。溶媒反応の場合、適切な稀釈溶媒が
ないときは、反応に使用した溶媒でさらに稀釈し
てもよい。 重合反応終了後の重合体の分離および精製は、
芳香族ポリエーテル系重合体についての公知の方
法を適用できる。例えば目的とする重合体が可溶
で、しかも生成するアルカリハライドが不溶であ
る溶媒を反応混合物中に加えて、析出する塩(ア
ルカリハライド)を別する。この目的の溶媒の
例としては、クロルベンゼン、ジクロルメタン、
sym−テトラクロルエタンなどを挙げることがで
きる。 塩を分離した後の溶液を、通常は、重合体の非
溶媒に滴下するか、逆に重合体の非溶媒を重合体
溶液中に加えることにより、目的とする重合体を
析出させることができる。重合体の非溶媒として
通常用いられるものの例としては、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、水などが挙げられるが、これら
は単独でも、また二種以上の混合物としても使用
される。 析出された重合体は、常圧または減圧下に加熱
乾燥され、種々の加工法に用いられる重合体が粉
末状、フレーク状、薄膜状など析出方法により
種々の形態で得ることができる。 以上の操作により純度の高い重合体を得ること
ができるが、さらに高純度の重合体が要求される
場合は、例えば得られた重合体を溶媒に再溶解し
上記の非溶媒を用いた析出操作を繰り返すことな
どにより、さらに精製を行なうことができる。 また、水に不溶な溶媒を使用した重合体の溶液
を、重合体が析出しない割合の水と十分に混合し
て、洗浄分液した後に重合体を析出させて精製を
行うこともできる。 本発明の重合体は後記する対数粘度測定法によ
り測定した対数粘度が0.2〜2.0dl/gである重合
度が必要であり、0.2dl未満では分子量が小さす
ぎるため耐衝撃性が不足し、2.0dl/gを超える
と加工流動性がきわめてわるくなるため使用困難
となる。 本発明の重合体は、通常の成形加工法および条
件にて成形加工し望ましい製品とすることができ
る。即ち、圧縮成形、押出し成形、射出成形がそ
れぞれ一般の成形機の能力範囲で十分可能であり
しかも目的とする製品を望ましい状態で得ること
ができる。 重合体の成形加工条件を押出しおよび射出成形
の場合の例で示すと、成形温度は200〜400℃、好
ましくは250〜380℃までの範囲である。また、溶
融粘度を低下させる化合物、安定剤などの添加に
よつては、成形温度を上記範囲よりさらに低下さ
せることが可能である。また成形品のサイズ、形
状等に制約はなく、通常の成形物の他フイルム、
シート状物、精密微細構造を有する部品などを、
一般的な成形法により容易に成形することができ
る。 本発明の重合体を成形加工する際は、用途に応
じて充填剤成分を含むことができる。充填剤成分
の代表的な例としてはガラス繊維、炭素繊維、芳
香族ポリアミド系繊維、炭素、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、ステアリン酸、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硫化
モリブデン、タルク、アルミナ、シリカ、アスベ
ストなどを挙げることができ、単独または2種類
以上の混合物として用いることができる。これら
の充填剤の使用量は、本発明の重合体の重量を基
準として0.5〜150%であり、好ましくは3〜120
%の範囲である。 また、通常、樹脂の加工に際して添加されてい
る帯電防止剤、着色剤、難燃剤、滑剤、加工改良
剤、安定剤なども単独または2種以上の混合物と
して本発明の重合体に添加することができる。添
加量は、本発明の重合体の重量を基準として10-4
〜60%の範囲で、好ましくは10-2−40%の範囲で
ある。 本発明の重合体の有機溶媒溶液よりキヤステイ
ング法によるフイルム製造も可能であり、押出し
フイルムと同様、透明、強靭で耐熱性の大なもの
が得られる。 以上のようにして成形された本発明の重合体は
電気、電子分野の各種部品、ハウジング類、自動
車部品、航空機用内装材、摺動部品、ギヤー、絶
縁材料、歯科用材料、蒸気殺菌容器などの広範な
分野に用いることができる。 〔実施例〕 本発明を、以下の実施例および比較例にて詳細
に説明する。以下の実施例における対数粘度ηioh
は、フエノール/テトラクロルエタン(重量比
6/4)の混合溶媒を用い、ポリマー濃度0.5
g/dlの溶液として、35℃にて測定し次式にした
がつて求められるものである。 ηioh=1/Cloget1/t2 (上式中、t1はポリマー溶液の流れ時間(秒)、
t2は溶媒のみの流れ時間(秒)であり、Cはポリ
マー溶液濃度(g/dl)である。) なお、以下において部、%、比率は特記せぬ限
り重量基準による。 実施例 1 撹拌器、温度計、冷却器、留出物分液器および
窒素導入管を備えた500mlのフラスコに、1,1,
3−トリメチル−3−(4′−ヒドロキシフエニル)
−5−インダノール26.83g(0.1モル)、トルエ
ン50ml、ジメチルスルホキシド100ml、48.0%水
酸化カリウム水溶液23.4gをとり、撹拌しながら
窒素ガスを通じ、反応系をすべて窒素で置換し
た。窒素ガスを通じながら130℃まで加熱した。
反応液の温度が上昇すると共に、トルエンの還流
が開始され、反応系内の水をトルエンとの共沸で
除去し、トルエンを反応系に戻しながら共沸脱水
を130℃で4時間行なつた。この後、ビス−(4−
クロロフエニル)スルホン28.71g(0.1モル)、
トルエン20mlを反応系に加え、反応液の温度を
140℃に加熱した。トルエンを留出させながら4
時間反応させ、高粘度の茶褐色の溶液を得た。 反応液の温度を室温まで冷却し、ジクロロメタ
ン500mlを反応液に投入した。ポリマーの溶解後、
このジクロロメタン溶液をトールビーカーに移
し、メタノール/水=1/1(体積比)の混合溶
媒200mlを強力な撹拌で加え、更に1N塩酸水溶液
を加えて混合液をPH3〜4の酸性にした。20分間
撹拌を続け静置し、上相の水相を取り除き再度メ
タノール/水=1/1(体積比)の混合溶媒200ml
で20分間ジクロロメタン溶液を洗浄した。洗浄さ
れたジクロロメタン溶液をメタノール1600mlの入
つたホモミキサー中に注ぎ、ポリマーを粉末状に
析出させた。 得られた粉末は無色であり、室温で風乾後150
℃で12時間減圧乾燥した。収量は46.9gであつ
た。 粉末状のポリマーを330℃で1分間予熱し、続
いて330℃で1分間、100Kg/cm2の圧力を加えてシ
ートを得た。 得られたポリマーの分析値及び物性値は次のと
おりであつた。 (1) 対数粘度ηioh:0.60(粉末)、0.59(シート) (2) IR(フイルム,cm-1):2970,1590,1490,
1250,1160,1110 (3)′ H−NMR(CDCl3): δ値(ppm) シグナルパターン 強度比 1.10 S 3 1.39 S 3 1.70 S 3 2.34 dd 2 7.00 m 11 7.82 d 4 比較例 1 実施例1における1,1,3−トリメチル−3
−(4−ヒドロキシフエニル)−5−インダノール
の代りに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンを使用する他は実施例1と同様に行
ない、無色のポリマー粉末およびプレスシートを
得た。粉末とプレスシートのηiohはいずれも0.55
であつた。 比較例 2 実施例1において、1,1,3−トリメチル−
3−(4−ヒドロキシフエニル)−5−インダノー
ル、トルエン、ジメチルスルホキシドの代りにビ
ス(4−ヒドロキシフエニル)スルホン、キシレ
ン、スルホランをそれぞれ使用する他は、実施例
1と同様に行ない無色のポリマー粉末とプレスシ
ートを得た。粉末とプレスシートのηiohは、それ
ぞれ0.47、0.46であつた。 実施例1および比較例1、2で得られたポリマ
ーの加熱重量減少温度Td、ガラス転移温度Tgを
それぞれ熱重量分析(TG)法、TMA法により
測定し、表−1の結果が得られた。
【表】 実施例1および比較例1、2で得られたポリマ
ーのプレスシートを粉砕機にて粗粉砕し、得られ
たチツプ(3〜5メツシユ)を、23℃で湿度50%
に調整された室内に150時間放置した後含有水分
量を測定し、表−2の結果が得られた。
【表】 実施例1および比較例1、2で得られたポリマ
ーのプレスシート(厚さ0.15mm)を長さ75mm、巾
5mmの小片に切断し、所定時間ウエザーメーター
に暴露した後、恒温恒湿(23℃、相対湿度50%)
の室内に24時間放置して、引張強度をオートグラ
フにて測定し、表−3の結果を得た。
〔発明の効果〕
本発明の重合体は、耐熱性に優れ、高いTgを
有し(表−1参照)、吸湿性も少なく(表−2参
照)、かつ耐候性も良好である(表−3参照)の
で、これらの性質が要求される各種用途に有効に
用いうる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔但し、式中のR1〜R4は、炭素原子数1〜8
    個の炭化水素基またはハロゲン原子を示し、a〜
    dはそれぞれ独立して0〜4の整数を示す。ま
    た、a〜dが2以上のとき、2個以上存在する
    R1〜R4は互に同一でも異つていてもよい。〕 で示される繰返し単位よりなり、対数粘度が0.2
    〜2.0の範囲にあることを特徴とする芳香族ポリ
    エーテル。
JP23323784A 1984-11-07 1984-11-07 芳香族ポリエ−テル系重合体 Granted JPS61113618A (ja)

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