JPH0531443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、被加熱物を載置する加熱用天板の裏
面側の制限空間内に、燃焼面を形成する多孔板を
前記加熱用天板に対向させる状態で備えるガスバ
ーナを配置した密閉型コンロと、前記制限空間内
から排ガスを強制排気するためのコンロ用排気路
とを器具ケーシング内に備えた調理用ガス器具に
関する。

〔従来の技術〕

上記の如き調理用ガス器具においては、従来、
制限空間内からの排ガスが保有する熱量を回収し
て加熱調理用として有効利用するために、例えば
金網等からなる通気性の板状体（本願考案の熱輻
射体に相当するもの）を燃焼面を形成する多孔板
とは別体に形成し、その板状体をコンロ用排気路
に配置して排ガスを通過させることによつて熱量
を回収するようにしていた（例えば、実開昭58−
25902号公報又は実開昭54−148570号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来技術では、機能上から
燃焼面を形成する多孔板に近接配置される熱輻射
体を上記多孔板とは別体に製作する必要があると
共に、調理用ガス器具の組み立てにおいても上記
多孔板の取り付けと熱輻射体の取り付けとに二重
の手間を要するという問題があつた。

本考案は、かかる実情に鑑みてなされたもので
あつて、その目的は、合理的な改良により、調理
用ガス器具の製造並びに組み立てに要する手間及
び費用を軽減することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による調理用ガス器具の特徴構成は、前
記加熱用天板に対向する状態で配置する多孔板状
の熱輻射体を、前記ガスバーナの前記多孔板と一
体成型して設け、前記制限空間内からの排ガスが
前記熱輻射体を通過する状態で流動するように構
成してある点にあり、その作用効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

つまり、上記熱輻射体がガスバーナの燃焼面を
形成する多孔板と一体成型されて製作され、その
熱輻射体と多孔板とが一体成型された物が加熱用
天板に対向する状態に配置されてガス器具に組み
込まれる。

そして、制限空間内からの排ガスを上記多孔板
状の熱輻射体に通過させることで、排ガスが保有
する熱量を熱輻射体で回収して熱輻射体を加熱
し、その回収熱を熱輻射体から放射熱として放射
して加熱用天板に付与することで、加熱用天板を
加熱して加熱調理に寄与させることができる。

〔考案の効果〕

その結果、排ガスにより外部に排出される熱量
を極力少なくして排熱損失を抑制し器具の熱効率
を向上できると同時に、熱輻射体と多孔板とを一
体成型することで器具の製造並びに組み立てに要
する手間と費用を軽減することができるに至つ
た。

〔実施例〕

次に実施例を説明する。

第１図及び第２図は調理用ガス器具を示し、器
具ケーシング１の上部に密閉型コンロ２を配設す
るとともに、その下部にグリル３を配設してあ
る。

密閉型コンロ２は、被加熱物Ａを載置する加熱
用天板４をセラミツク材や耐熱ガラス等で形成
し、器具ケーシング１において加熱用天板４の裏
面側に、燃焼用空気の取入口５に連通する制限空
間６を形成し、そして、その制限空間６内に、加
熱用天板４を介して被加熱物Ａを加熱するガスバ
ーナとしての環状の赤外線バーナ７を配置したも
のである。

赤外線バーナ７は、加熱用天板４に対向する状
態で配置されて燃焼面Ｂを形成するセラミツク製
多孔板８と、その多孔板８の各孔に対して燃料混
合気を供給する環状の混合気室９とにより構成し
てある。

又、グリル３においては、その内部空間１０の
上部にグリル用の赤外線バーナ１１を下向きに装
備すると共に、内部空間１０の下部に、被加熱物
を載置する受網１２、及び、汁受皿１３を配備し
てある。

図中１４はグリル３の開閉扉である。

密閉型コンロ２において、赤外線バーナ７から
の排ガスは、排気フアン１５の吸引作用により環
状赤外線バーナ７の中央孔部分を介して下向きに
流動させる状態で制限空間６内から排出するよう
にしてあり、それに対し、排気路Ｆとなる環状赤
外線バーナ７の中央孔部分には、通過排ガスによ
り加熱されることで上方の加熱用天板４に向けて
熱放射する多孔板状の熱輻射体１６を加熱用天板
４に対向する状態で配設してある。

すなわち、排気路Ｆを、制限空間６内からの排
ガスが熱輻射体１６を下方向きに通過する状態で
流動するように構成してある。

つまり、環状赤外線バーナ７からの高温排ガス
が保有する熱量を熱輻射体１６で捕捉回収して、
その回収熱を放射熱として加熱用天板４に付与す
ることで、密閉型コンロ２における排熱損失を抑
制して熱効率の向上を図つてある。

尚、上述熱輻射体１６は、環状赤外線バーナ７
において燃焼面Ｂを形成するセラミツクス製多孔
板８とともに一体成型したセラミツクス製多孔板
で構成してある。

一方、熱輻射体１６を下方向きに通過させた排
ガスは、グリル３の内部空間１０を介して器具ケ
ーシング後部の排気フアン配設部へ導き、そし
て、排気フアン１５の送気作用により排気口１７
から排出させるよにしてある。

すなわち、グリル３の内部空間１０を密閉型コ
ンロ２からの排ガスに対する排気路Ｆの一部に兼
用利用するようにしてあり、それによつて、排気
路形成部材の削減、器具内部構造の簡略化、及
び、器具ケーシング１のコンパクト化を図るとと
もに、密閉型コンロ２からの高温排ガスによりグ
リル３の内部を浄化（所謂セルフクリーニング）
できるようにしてある。

尚、上記排気フアン１５は、グリル使用時にも
グリル用赤外線バーナ１１からの排ガスを排出口
１７へ送出するために運転されるものである。

〔別実施例〕 次に本考案の別実施例を説明する。

密閉型コンロにおける制限空間とグリル内空間
との具体的接続構造、並びに、グリル内空間と排
気フアンとの具体的接続構造は、前述実施例の如
き構造に代えて種々の変更改良が可能である。

器具そのものに排気フアンを装備する型式に代
えて、器具側の排気路を、外部設置した強制排気
管に接続する構成としても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示し、第
１図は断面図、第２図は一部破断平面図である。 １……器具ケーシング、２……密閉型コンロ、
４……加熱用天板、６……制限空間、７……ガス
バーナ、８……多孔板、１６……熱輻射体、Ａ…
…被加熱物、Ｂ……燃焼面、Ｆ……コンロ用排気
路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被加熱物Ａを載置する加熱用天板４の裏面側の
   制限空間６内に、燃焼面Ｂを形成する多孔板８を
   前記加熱用天板４に対向させる状態で備えるガス
   バーナ７を配置した密閉型コンロ２と、前記制限
   空間６内から排ガスを強制排気するためのコンロ
   用排気路Ｆとを器具ケーシング１内に備えた調理
   用ガス器具であつて、 前記加熱用天板４に対向する状態で配置する多
   孔板状の熱輻射体１６を、前記ガスバーナ７の前
   記多孔板８と一体成型して設け、前記制限空間６
   内からの排ガスが前記熱輻射体１６を通過する状
   態で流動するように構成してある調理用ガス器
   具。