JPH05313404A - トナー、トナーの製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び画像形成装置

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JPH05313404A
JPH05313404A JP4119431A JP11943192A JPH05313404A JP H05313404 A JPH05313404 A JP H05313404A JP 4119431 A JP4119431 A JP 4119431A JP 11943192 A JP11943192 A JP 11943192A JP H05313404 A JPH05313404 A JP H05313404A
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JP
Japan
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toner
polyolefin wax
image
roller
particles
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JP4119431A
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English (en)
Inventor
Akira Kamibayashi
昭 上林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動性に優れ、かつ感光体ドラム等への汚染
の少ないトナー及びトナーの製造方法を提供することを
目的とする。また、オフセット現象を未然に防止するト
ナー及びトナーの製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】本発明は熱可塑性のバインダー用樹脂と、バイ
ンダー用樹脂中に混合されて樹脂に色彩を付与する着色
剤とを有し、ポリオレフィンワックスを0.5〜6.0
重量%含有するトナーにおいて、トナー中のポリオレフ
ィンワックス粒子の短軸径が0.4μm以上の粒子のう
ち、短軸径が0.8μm以上の粒子が30個数%以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾式の現像プロセスを利
用して画像形成を行うものにおいて、特に熱ロールを利
用した接触加熱定着方式にてトナーを定着させて画像形
成を行うためのトナー、トナーの製造方法及び画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より乾式現像方式を用いる電子写真
法では像担持体、例えば表面に光導電性層を有する感光
体ドラム上に形成した静電潜像をトナーで現像した後
に、熱ロールを利用した接触加熱定着方式によりトナー
像を転写材上に圧着加熱するものが広く採用されてい
る。この接触加熱定着方式は熱効率が高く、迅速に定着
できる利点がある一方、オフセット現象が発生しやすい
という問題があった。
【0003】このオフセット現象を防止するために例え
ば特開昭60−230663号公報、特開平1−234
858号公報等にはトナー中にポリオレフィンワックス
を添加せしめ、熱ロールにより加熱されて溶融したトナ
ーに離型性を付与する方法が開示されている。
【0004】上記のようなトナーは熱可塑性のバインダ
ー用樹脂と、このバインダー用樹脂中に混合されて樹脂
に色彩を付与する着色剤と、ポリオレフィンワックスと
を溶融混練し、さらに粉砕及び分級して製造される。
【0005】しかし、ポリオレフィンワックスはバイン
ダー樹脂よりも硬度が低いため、上記の製造方法の粉砕
工程でトナー中のポリオレフィンワックス粒子が大きい
と、界面で破砕してポリオレフィンワックスがトナー表
面に露出しやすくなる。ポリオレフィンワックスは粘着
性が高いためこの露出したポリオレフィンワックスは他
のトナー表面に露出したポリオレフィンワックスと接触
して付着する。バインダー用樹脂とポリオレフィンワッ
クスとの界面での破砕は製造工程中に限らず、現像工程
でトナーを撹拌する時にも起こる。このようなことが起
こるとトナーが凝集し、トナーの流動性が低下する。ト
ナーの流動性が低下すると、現像及び転写が良好に行わ
れず、良好な画像の形成を妨げるという欠点があった。
また、ポリオレフィンワックスの添加による効果を得る
ためにはトナー中のポリオレフィンワックスの含有割合
を相当大きくしなければならない。その結果、トナー表
面に露出した多量のポリオレフィンワックスが像担持体
やキャリアに付着して被膜を形成し、トナーと感光体と
の接触摩擦帯電や画像形成が良好に行われないという欠
点があった。
【0006】一方、ポリオレフィンワックスを添加した
トナーは上述したような問題があるため、トナーにポリ
オレフィンワックスを添加する代わりに熱ローラの表面
にシリコンオイル等を塗付することにてオフセット現象
を防ぐこともできる。しかしながらこのようにオイルを
塗付する方法はシリコンオイルの補給等のメンテナンス
が面倒であり、定着器の構造も複雑になるという欠点が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
オフセット防止剤としてポリオレフィンワックスを多量
に添加したトナーは表面にポリオレフィンワックスが露
出するためトナー同士が凝集し、トナーの流動性が低下
したり、ポリオレフィンワックスが感光体ドラムやキャ
リアに付着して被膜を形成するということがあった。
【0008】そこで本発明は上記欠点を除去し、流動性
に優れ、かつ感光体ドラム等への汚染の少ないトナー及
びトナーの製造方法を提供することを目的とする。ま
た、オフセット現象を未然に防止するトナー及びトナー
の製造方法を提供することを目的とする。更に本発明は
現像や転写が良好に行われ、オフセット現象を防ぎ、感
光体ドラム等を汚染することなく美しい画像を形成する
ことができる画像形成装置を提供することを目的とす
る。更に本発明は定着器の構造が簡単でメンテナンスの
負担の少ない画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は熱可塑性のバインダー用樹脂と、バインダ
ー用樹脂中に混合されて樹脂に色彩を付与する着色剤と
を有し、ポリオレフィンワックスを0.5〜6.0重量
%含有するトナーにおいて、トナー中のポリオレフィン
ワックス粒子の短軸径が0.4μm以上の粒子のうち、
短軸径が0.8μm以上の粒子が30個数%以下である
トナーを提供する。更に本発明は上記のトナーの製造方
法として、熱可塑性のバインダー用樹脂と、バインダー
用樹脂中に混合されて樹脂に色彩を付与する着色剤と、
粒径10μm以下のポリオレフィンワックスとを混合
し、溶融混練する溶融混練工程と、溶融混練工程により
得た混練物を1.5mm以下の間隔で対向させた第1及び
第2のローラ間を通過させて圧延する圧延工程と、圧延
工程により得られた圧延物を粉砕する粉砕工程とを有す
るトナーの製造方法を提供する。更に本発明が提供する
画像形成装置は上記のトナーを現像剤として収容してい
る。
【0010】
【作用】トナー中に含まれるポリオレフィンワックスの
内、トナー凝集や像担持体等の汚染原因となるのは表面
に露出した粒径0.8μm以上の粒径の大きな粒子であ
る。またトナー中に存在する0.4μm未満の微小なポ
リオレフィンワックスがトナーの凝集や流動性等のトナ
ーの性能に及ぼす影響はないといえる。そこでトナー中
のポリオレフィンワックスの短軸径が0.4μm以上の
粒子のうち、短軸径が0.8μm以上の粒子を30個数
%以下に制限することによりトナーの粉砕工程等でポリ
オレフィンワックスとバインダー樹脂との界面で破砕す
ることを防ぐ。こうすることによりトナー表面に露出す
るポリオレフィンワックスを減少させる。表面に露出し
たポリオレフィンワックスが減少すればポリオレフィン
ワックス同志の付着を防ぐことができ、ひいてはトナー
の凝集や流動性の低下を防止できる。
【0011】また、本発明においてポリオレフィンワッ
クスを0.5〜6.0重量%トナー中に含有しても表面
に露光したポリオレフィンワックスが少ないため像担持
体等に被膜を形成することがない。
【0012】このように一定のポリオレフィンワックス
を含有するトナーは粒径10μm以下のポリオレフィン
ワックスをバインダー用樹脂、着色剤等とともに溶融混
練する溶融混練工程と、この溶融混練工程により得られ
た混練物を1.5mm以下の間隔で対向させた2つのロー
ラ間に通して圧延する圧延工程と、この圧延工程で得ら
れた圧延物を粉砕する粉砕工程とを有するトナーの製造
方法により与えることができる。すなわちトナー中のポ
リオレフィンワックスの粒径を制御するために、まずポ
リオレフィンワックスを粒径10μm以下になるように
粉砕する。しかし、粉砕したポリオレフィンワックスを
他のトナー材料とともに溶融混練すると、溶融混練中に
高い粘着性を有するポリオレフィンワックスが凝集し、
再び粒径の大きなポリオレフィンワックスとなるおそれ
がある。そこで溶融混練にて得られた混練物を2つの対
向するローラ間に通すことにより厚さ1.5mm以下にな
るよう圧延する。混練物をこのように薄く圧延するとバ
インダー樹脂中で凝集していたポリオレフィンワックス
が圧延により広い表面積を有するようになる。更に、こ
の圧延した混練物を微小に粉砕すると、広い表面積を有
するポリオレフィンワックスは確実に粉砕されて、微粒
子化したトナー中においてポリオレフィンワックス微細
粒子がバインダー用樹脂中に保持された状態が維持され
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て説明する。まず本実施例で使用される複写機の概略図
を図2に示す。
【0014】図2に示すように、複写機本体101(以
下本体101と言う)の略中央部には、像担持体とし
て、ドラム状の感光体103が図示矢印a方向に回転可
能に設けられている。感光体103は表面に光導電性層
を有している。この感光体103の周囲には、その回転
方向にそって以下の装置が固設されている。
【0015】すなわち感光体103表面を一様に帯電さ
せる帯電チャージャ105及びこの帯電チャージャ10
5の感光体103の回転方向下流側上方に、帯電した感
光体103上に原稿像を光像としてスリット露光するた
めのスリットガラス107が設けてある。また、スリッ
トガラス107の下流側には感光体103上の静電潜像
にトナーを付着させて現像を行う現象装置109が設置
されており、この現象装置109内には現像剤としてキ
ャリアを混合したトナー110が収容されている。この
トナー110については後に詳述する。また現像装置1
09内にはローラの回転により現像剤を撹拌して摩擦帯
電させる撹拌ローラ201及び撹拌ローラ201により
撹拌された現像剤を下記マグネットローラ203に供給
する供給ローラ202が設けられている。更に現像装置
109内には内部にローラの回転方向に沿ってS極とN
極を交互に配置したマグネットローラ203が感光体1
03に接近した状態で図示矢印1方向に回転可能に設け
られている。この現像装置109の下流側には転写装置
111及び剥離装置113が設けられている。転写装置
111は、現像装置109により形成されたトナー像を
複写用紙(以下用紙とする)上に転写する装置であり、
剥離装置113は転写装置111により感光体103表
面に吸着された用紙を感光体103表面から剥離する装
置である。剥離装置113の下流側には、感光体103
の表面に付着したトナー110の内、転写装置111に
よる転写を行った後に感光体103上に残留したトナー
110を除去するクリーニング装置115が設けられて
いる。クリーニング装置115と帯電チャージャ105
の間には感光体103の電位を降下するための除電装置
117が固設されている。
【0016】また本体101は上部に原稿を乗せるため
の原稿ガラス119及び原稿ガラス119上の原稿に光
を当て、その反射光を感光体103表面上に導く光学系
121を有している。光学系121は光源となるランプ
123及び光源から照射された光を反射するためのミラ
ー124、125、127、129、131、133及
び反射光を結像させるためのレンズユニット135を有
している。
【0017】ランプ123及びミラー124は原稿ガラ
ス119の下を移動可能に構成されており、光路長が常
に一定に保たれるようミラー125及びミラー127は
ランプ123の2分の1の速度で移動するよう構成され
ている。ミラー133からの反射光はスリットガラス1
07を透過して感光体103表面に導かれるよう構成さ
れている。
【0018】また、本体101の右側の中段には用紙を
収納する手差しトレイ141が取りはずし可能に設けら
れており、本体101にはこの手差しトレイ141の先
端上方に手差しトレイ141に収納された紙を引き出す
ためのピックアップローラ143が設けられている。
【0019】また、本体101の左側には、複写された
用紙が排出される排紙トレイ171が設けられている。
この手差しトレイ141と排紙トレイ171の間には、
用紙の搬送経路すなわち搬送路142が形成されてお
り、図2には搬送路142が点線で示されている。
【0020】搬走路142の上流には第1及び第2の2
組のローラ対が本体101に取り付けられている。第1
のローラ対は手差しトレイ141に隣接し、給紙ローラ
145及び分離ローラ147の2つのローラから構成さ
れている。給紙ローラ145は図示矢印b方向へ回転可
能でピックアップローラ143によって引き出された紙
をローラの回転により第2のローラ対へ送るためのロー
ラである。分離ローラ147は給紙ローラ145の下に
接触対向して設けられており、ピックアップローラ14
3から送られてきた紙が2枚以上の場合、給紙ローラ1
45の回転方向と逆方向に回転して余分な紙を手差しト
レイ141に引き戻す。分離ローラ147はピックアッ
プローラ143から送られた紙が1枚の場合には給紙ロ
ーラの回転につられてまわる。第2のローラ対は上部ロ
ーラ及び下部ローラから構成されるレジストローラ14
9である。レジストローラ149は給紙ローラ145か
ら送られてきた紙の先端と突あたることにより、紙の整
位を行い、この整位した紙を感光体103と転写装置1
11との間に感光体103上のトナー像と重なるように
送り込む。
【0021】搬走路142の中程には上記転写装置11
1及び剥離装置113が配置されており、その先には紙
を搬送するための帯状のベルト、すなわち搬送ベルト1
51が設けられている。更に搬送路142の搬送方向下
流側にはトナー110に加熱及び加圧を行ってトナー1
10を紙上に定着する定着装置153が設置されてい
る。定着装置153は図示矢印c方向及びd方向へそれ
ぞれ回転可能なヒータローラ157及び加圧ローラ15
9を有している。ヒータローラ157は加熱体であるヒ
ータランプ155を内臓し、加圧ローラ159と一部圧
着している。ヒータローラ157の表面は熱伝導性の良
い金属部材から成り、加圧ローラ159の表面はヒータ
ローラ157に圧着しやすいよう弾性ゴム部材からでき
ている。更に定着装置153の搬送方向の下流には複写
像を乗せた紙を排紙トレイ171に排出するための排紙
ローラ161が設けられている。上述した本体101に
おける複写プロセスは次の通りである。
【0022】まず、感光体103の表面が帯電チャージ
ャ105のコロナ放電により一様に帯電される。次に光
学系121内のランプ123は原稿の置かれた原稿ガラ
ス119の下を走査し原稿に光が照射される。ミラー1
24はランプ123とともに原稿ガラスの下を移動し、
ミラー124が図2に破線で示したミラー124Aまで
移動した時、ミラー125及びミラー127は、ミラー
124とミラー124Aとの間のちょうど中間点に存在
しているミラー125A及び127Aまで移動する。こ
のようにして光路長を一定に保ちながら走査が行われる
と、ランプ123から照射された光はミラー124から
ミラー125へ、ミラー125からミラー127へ反射
され、ミラー127から反射された光はレンズユニット
135へと導かれる。レンズユニット135で反射光は
反転され、ミラー129へ導かれる。反転した光はミラ
ー129からミラー131、ミラー131からミラー1
33へと導かれる。この光は更にミラー133からスリ
ットガラス107へと導かれ、スリットガラス107を
介して帯電した感光体103上に露光される。光が露光
されると感光体103の表面に静電潜像が形成される。
【0023】現像装置109内では、撹拌ローラ201
により撹拌されて摩擦帯電したトナー110及びキャリ
アが供給ローラ202によりマグネットローラ203に
送られる。マグネットローラ203上に送られたトナー
110及びキャリアはマグネットローラ203内のS
極、N極間に形成された磁力線により磁気ブラシを形成
する。キャリアは常にマグネットローラ203に磁気に
より引き付けられており、トナー110はこのキャリア
と電気的に引き合っている。そしてマグネットローラ2
03と感光体103とが回転し、磁気ブラシと感光体1
03上の静電潜像とが近接すると静電潜像の持つより強
い静電引力によりトナー110はキャリアから離れて静
電潜像に付着する。静電潜像に付着したトナー110は
トナー像を形成する。また現像時には図示しない電圧器
によりDC200V前後の電圧をマグネットローラ20
3にかけて不要なトナー110の付着によるカブリを防
ぐ。
【0024】一方、給紙カセット141内に収納された
紙はピックアップローラ143により引き出され、この
引き出された紙の内給紙ローラ145と分離ローラ14
7の回転により、1枚の紙だけがレジストローラ149
へ送られる、レジストローラ149は紙の先端の整位を
行い、この紙を感光体103と転写装置111との間に
送り込んで感光体103の静電潜像に重ね合わせる。こ
の送り込まれた紙の裏側に転写装置111からトナーと
反対極性の電荷を与えると、静電引力によりトナー像は
紙の上へ転写される。このようにしてトナー像をのせた
紙は剥離装置113により感光体103表面からはがさ
れて、搬送ベルト151上を搬送される。搬送された紙
は定着装置153に至る。定着装置153では、あらか
じめ内蔵したヒータランプ155により加熱されたヒー
タローラ157と加圧ローラ159とが一部圧着しなが
ら、それぞれの回転方向に回転する。ヒータローラ15
7と加圧ローラ159の回転時、これら2つのローラの
圧着している部分にトナー像がヒータローラ157側に
なるよう紙を通すことによってトナー像は紙上へ定着さ
れる。すなわちヒータローラ157の熱によりトナー1
10を溶融し、加圧ローラ159の圧力により熱の伝導
効率を高めると共にトナーを紙の繊維の間に侵み込ませ
る。上述した過程を経て複写画像が形成された紙は、排
紙ローラ161を介して排紙トレイ171へ排出され
る。次にトナーの製造方法について説明する。
【0025】まず、バインダー用樹脂としてスチレンア
クリル樹脂(ハイマーSDM73:三洋化成社製)を1
00重量部、着色剤としてカーボンブラック(MA60
0:三菱化成社製)を10重量部、オフセット防止剤と
して粒径10μm以下の未変性ポリプロピレンワックス
(ビスコール550P:三洋化成社製)を3重量部及び
ニグロシン系帯電制御剤2重量部を用意する。以上の用
意された材料を混合し、溶融混練工程として連続式混練
機にて、例えば90〜110℃の設定温度で約30分間
溶融混練する。次に圧延工程として2つの対向するロー
ラを有する圧延機にて約1.2mmの厚さのシート状に圧
延する。このようにして得た圧延物を冷却後、粉砕工程
としてハンマーミルで粗粋後、更にジェットミルで微粉
砕する。微粉砕物を分級し平均粒径9μmの粒子をトナ
ー(以下トナー1という)として得る。
【0026】上記のようにして得られたトナー1中のポ
リプロピレンワックスの短軸径を測定する。ところで短
軸径とは図1に示すようにトナー1中のポリオレフィン
ワックス粒子の外周が2本の平行線に内接した時に最も
短くなる平行線間の距離aをいう。短軸径を測定するた
めに、はじめにトナー1をエポキシ樹脂で包埋固形化
し、ミクロトームで厚さ0.1μm程度の薄片を作成
し、この薄片を透過型電子顕微鏡で1万倍程度に拡大
し、写真撮影する。この撮影した写真上でポリオレフィ
ンワックスの短軸径を実測し、これを実物大に換算して
短軸径の値とする。
【0027】本実施例で製造したトナー1の内、任意の
トナー1粒子10個中のポリオレフィンワックスの短軸
径を実測し、測定値をもとにポリオレフィンワックスの
短軸径が0.4μm以上の全粒子のうち、短軸径が0.
8μm以上の粒子の割合(以下短軸径大率という)を算
出したところ約30個数%であった。また、本実施例の
トナー1について流動性を調べた。流動性の測定にはパ
ウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて測定
した。
【0028】また、トナー1をフェライトキャリアと混
合し、トナー濃度が6重量%で、トナー帯電量が10±
2μC/gとなる現像剤を調製した。この現像剤を電子
複写機(レオドライ2510:東芝社製)に使用して、
静電荷像の現像、転写材へのトナー像の転写及びトナー
像の熱ローラ定着を行った。得られた複写画像の画像濃
度を測定し、更にトナー1の定着性を測定するために学
振型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科学精器製作所社
製)により複写画像の摩擦試験を行った。すなわちトナ
ー1に摩擦を与える前後において画像濃度を測定し、両
者の比から残存率を求めた。以上の試験の結果を表1に
示す。表1を見てわかるように、トナー1の流動性は良
好で、画像濃度が高かった。また残存率は95%という
高い値が得られ良好な定着性が得られた。
【0029】またトナー1は上記の電子複写機(レオド
ライ2510)で25000枚の連続複写を行った場合
にも最後まで鮮明で良好な画像が形成された。このこと
からトナーによる像担持体やキャリア等への汚染はない
ことがわかった。
【0030】他の実施例としては実施例で使用するもの
と同一の材料を実施例と同量準備し、この準備された材
料を用いて溶融混練し得られた混練物を1mmの圧さに圧
延する。圧延後実施例と同様にしてトナー(以下トナー
2という)を製造する。このように製造されたトナー2
のワックス短軸径大率を実施例と同様にして求めたとこ
ろ約20個数%であった。この製造されたトナー2の流
動性と、トナー2より調製した現像剤を用いて画像濃度
及び定着性とを実施例と同様の方法で調べた。その結果
表1に示すように流動性は良好で、画像濃度及び残存率
も高い値を示し良好であった。また、実施例と同様に2
5000回の連続複写を行ったところ最後まで鮮明で良
好な画像が形成された。 (比較例1)
【0031】実施例で使用した同一の材料を同量準備
し、この材料を用いて溶融混練し、混練物を2mmの厚さ
に圧延する。圧延後実施例と同様にしてトナー(以下比
較トナー1という)を製造した。製造した比較トナー1
のワックス短軸径大率は50個数%であった。この比較
トナー1を用いて実施例と同様に流動性、複写画像の画
像濃度及び定着性を調べた結果を表1に示す。比較トナ
ー1は画像濃度及び残存率は良好であったが短軸径大率
が50個数%と大きいため流動性が悪かった。 (比較例2)
【0032】実施例で使用した材料の内、未変性ポリプ
ロピレンワックスの添加量を1重量部に変更し、その他
の材料については実施例と同量準備する。この準備され
た材料を用いて溶融混練し、得られた混練物を2mmに圧
延する。圧延後、実施例と同様にしてトナー(以下比較
トナー2という)を製造する。このように製造した比較
トナー2のワックス短軸径大率は50個数%であった。
この比較トナー2を用いて実施例と同様に流動性複写画
像の画像濃度及び定着性を調べた結果を表1に示す。比
較トナー2はポリプロピレンワックスの添加量が1重量
部と少ないにも関わらず、ワックス短軸径大率が50個
数%と大きいため流動性がやや悪くなっている。
【0033】トナーを製造するのに用いるバインダー樹
脂としては、実施例で使用したものの他、スチレン系単
量体による重合体若しくは共重合体、即ちスチレン系単
量体の1種若しくは複数種による重合体若しくは共重合
体、またはスチレン系単量体と他のビニル系単量体との
共重合体であるスチレン系樹脂が用いて実施例を種々の
形に変形してもよい。
【0034】前記スチレン系単量体の具体例としては、
例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−
n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p
−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−
n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フ
ェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロ
ルスチレン等を挙げることができる。
【0035】前記スチレン系単量体とビニル系単量体と
の共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体ま
たはスチレン−アクリル共重合体がある。ここにアクリ
ル成分のためのアクリル単量体としては、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸
フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロ
ピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソ
ブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸
ドデシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸2
−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタア
クリル酸フェニル、メタアクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステル類がある。更に他の
アクリル単量体としてはアクリロニトリル、メタアクリ
ロニリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタ
アクリル酸誘導体等があり、これらの単量体は単独であ
るいは2種類以上を選択して用いる。他にもバインダー
樹脂としてポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いて
も構わない。
【0036】また、ポリオレフィンワックスは実施例で
使用したもの以外にも単一のオレフインモノマーより得
られるホモポリマー或いはオレフインモノマーをこれと
共重合可能な他のモノマーと共重合させて得られるコポ
リマーのいずれを用いても良く、これらを使用して実施
例を種々の形に変形できる。
【0037】前記オレフインモノマーとしては、例えば
エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1
及び不飽和結合の位置を異にするそれらの異性体、並び
に例えば3−メチル−1−ブテン、8−メチル−2−ペ
ンテン、3−プロピル−5−メチル−2−ヘキセン等の
それらにアルキル基より成る分岐鎖を有するもの、その
他のすべてのオレフィンモノマーが含まれる。
【0038】また、オレフィンモノマーと共重合可能な
他のモノマーとしては、例えばビニルメチルエーテル、
ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル
等のビニルエーテル類、例えばビニルアセテート、ビニ
ルブチレート等のビニルエステル類、例えば弗化ビニ
ル、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、テトラクロロエチレン等のハロ
オレフイン類、例えばメチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタアクリ
レート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアク
リレート、ステアリルメタアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタアクリレート、t−ブチルアミノ
エチルメタアクリレート等のアクリル酸エステル類若し
くはメタアクリル酸エステル類、例えばアクリロニトリ
ル、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリル酸誘
導体、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マイレン
酸、フマール酸、イタコン酸等の有機酸類、ジエチルフ
マレート、β−ピネン等、種々のものを挙げることがで
きる。また、有用なワックスとして前記のようなポリオ
レフィンを他の成分によりブロック化又はグラフト化し
た変性ポリオレフィンを用いることもできる。
【0039】この場合の変性成分としては、例えばスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、3,
4−ジクロルスチレン等の芳香族ビニルモノマー或いは
アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エチル、メタ
アクリル酸メチル等の不飽和脂肪酸モノマー及びそのエ
ステル類が有用である。
【0040】ポリオレフィンワックスの添加量は0.5
〜6.0重量%が好ましい。ポリオレフィンワックスの
添加量を0.5重量%未満にすると、オフセット現象防
止効果が認められず、一方10重量%を越えると、本実
施例が示すトナーの製造方法によってもトナー表面にポ
リオレフィンワックスが多量に露出するのを防止できな
いので好ましくない。
【0041】また、トナーに添加する着色剤としてはカ
ーボンブラックの他、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマ
リンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロ
ー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーンオクサレート及びランプベンガ
ル等の中から選択して単独であるいは混合物として用い
ても構わない。着色剤はトナー中に1〜5重量%用いる
のが好ましい。1重量%未満であると、着色剤の量が不
足するため着色剤としての機能を果たすことができな
い。また、5重量を越えて添加すると着色剤が凝集し、
トナーの帯電性や流動性を低下させるので好ましくな
い。
【0042】また、実施例では帯電制御剤としてニグロ
シン系のものを使用したが、これ以外にも必要に応じて
正又は負の帯電制御剤をトナー中に添加して実施例を変
形することもできる。正極に制御するものとしてはニグ
ロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染
料、塩基性染料、この塩基性染料のレーキ顔料等があ
る。塩基性染料としてはシー.アイ.ベーシック.イエ
ロー2、シー.アイ.ベーシック.レッド1、シー.ア
イ.ベーシック.レッド9、シー.アイ.ベーシック.
バイオレット1等がある。
【0043】塩基性染料のレーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物及びフェロシアン化物等がある。その他ト
ナーを正極に制御する帯電制制御剤としてはシー.ア
イ.ソルベント.ブラック3、ハンザイエローG、シ
ー.アイ.モルダント.ブラック11、シー.アイ.ピ
グメント.ブラック1、ギルソナイト、アスファルト、
アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有
する縮合系ポリマー等のポリアシン樹脂及び第4級アン
モニウム塩、ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニ
ウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロ
ライド及びジブチルチンオキサイド等の有機錫化合物、
高級脂肪酸の金属塩、ガラス、雲母、酸化亜鉛等の無機
微粉末、及びアセチルアセトンの金属錯体等がある。
【0044】また、帯電制御剤のうちトナーを負極に制
御するものとしてはモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフ
ミン酸及びその塩等がある。その他にはサリチル酸、ナ
フトエ酸、ダイカルボン酸の鉄、クロムあるいは鉄等の
金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、ニト
ロ基、ハロゲン基を導入したスチレンオリゴマー、塩素
化パラフィン及びメラミン樹脂等がある。
【0045】実施例のトナー1は列挙したバインダー樹
脂、着色剤、ポリオレフィンワックス及び帯電制御剤等
を用いて種々に変形できる他、トナーに磁性成分を含有
せしめたりや流動性改善用滑剤等を添加せしめても良
い。流動性改善用滑剤等としてはコロイド状シリカ粉
末、フッ素樹脂粉末等がある。
【0046】本実施例のトナーは鉄粉、フェライト、ガ
ラスビーズ等の中から選択されたキャリアと混合されて
二成分現像剤とされるが、そのまま一成分現像剤として
使用することもできる。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明のトナーの製
造方法によればオフセット防止剤としてポリオレフィン
ワックスをトナー中に良好に分散させることができる。
また、製造されたトナーは像担持体等への汚染がなく、
流動性やトナーの耐オフセット性が向上する。
【0049】更に本発明の画像形成装置はメンテナンス
の負担を軽減し簡単な構成でオフセット現象の発生を防
ぎ、感光体ドラム等を汚染することなく美しい画像を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリオレフィンワックスを含有するトナーの断
面図である。
【図2】実施例で使用される複写機の断面図である。
【符号の説明】
1 バインダー樹脂 2 着色剤 3 ポリオレフィンワックス 101 複写機本体 103 感光体 109 現像装置 111 転写装置 121 光学系 153 定着装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性のバインダー用樹脂と、バイン
    ダー用樹脂中に混合されて樹脂に色彩を付与する着色剤
    とを有し、ポリオレフィンワックスを0.5〜6.0重
    量%含有するトナーにおいて、トナー中のポリオレフィ
    ンワックス粒子の短軸径が0.4μm以上の粒子のう
    ち、短軸径が0.8μm以上の粒子が30個数%以下で
    あることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 熱可塑性のバインダー用樹脂と、バイン
    ダー用樹脂中に混合されて樹脂に色彩を付与する着色剤
    と、粒径10μm以下のポリオレフィンワックスとを混
    合し溶融混練する溶融混練工程と、上記溶融混練工程に
    より得た混練物を1.5mm以下の間隔で対向させた2つ
    のローラ間を通過させて圧延する圧延工程と、上記圧延
    工程により得られた圧延物を粉砕する粉砕工程とを有す
    ることを特徴とするトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンワックスを0.5〜6.
    0重量%含み、この含まれたポリオレフィンワックスの
    内、短軸径が0.4μm以上の粒子のうち短軸径が0.
    8μm以上の粒子が30個数%以下の状態にあるトナー
    を収容する収容手段と、像担持体表面に静電潜像を形成
    する潜像形成手段と、上記潜像形成手段により静電潜像
    に上記収容手段に収容されたトナーを付着せしめて現像
    する現像手段と、上記現像手段により形成された可視像
    を被画像形成媒体上に転写する転写手段と、上記転写手
    段により転写された可視像を被画像形成媒体上に定着す
    る定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0784398A (ja) * 1993-09-16 1995-03-31 Konica Corp 静電荷像現像用現像剤
JPH10207116A (ja) * 1996-06-27 1998-08-07 Fuji Xerox Co Ltd 静電潜像現像剤用トナー、その製造方法、静電潜像現像剤及び画像形成方法
US6013405A (en) * 1997-02-07 2000-01-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Developing agent and developing device using the same
JP2013092626A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Kao Corp トナーの製造方法

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