JPH05311716A - 排水圧送トイレ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 便器から排出された汚物を細かく粉砕したう
えで、外系へ自由に排出できる排水圧送トイレ。 【構成】 便器２から排出された汚物を、破砕機９によ
り細かく破砕したうえで貯溜槽１１へ送り、更に貯溜槽
１１内の汚水を圧送ポンプ１０により、排水管５を通し
て排水マス６などの外系へ排出するようにした。 【効果】 住宅内におけるトイレ設置場所の自由度が広
がり、トイレ設置工事の容易化により、トイレの設置・
増設・移設を簡単に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、住宅・アパート・事務
所等の各種建物に設置されて、屎尿、雑排水を圧送排水
する排水圧送トイレに係り、詳しくは、配管の自由度を
確保し、任意の場所への汚水の排水を可能とする排水圧
送トイレに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、屎尿及び風呂の残り湯、洗濯水等
の汚水の排水は、排水管の配管勾配により重力で行われ
ていた。以下、従来のトイレの排水構造について説明す
る。

【０００３】図５は従来のトイレのシステム図である。
図中、１はトイレルーム、２は便器、３は便器２へ搬送
水を供給するロータンク、５は排水管、６は排水マスで
ある。図示するように排水管５は排水マス６へ向かって
下り勾配で配設されており、便器２に溜まった屎尿はロ
ータンク３から送られた搬送水とともに排水管５の配管
勾配により排水の重力で排水マス６へ送られる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のトイレでは、排水管５の口径はφ１００mm前後、また
１／５０から１／１００の排水勾配が必要であるため、
大がかりな排水管埋設工事を必要とし、そのため住宅内
に設置できるトイレの設置場所が限られ、また容易に増
設・移設を行うことができないものであり、殊にビルの
屋上などのトイレよりも高い場所への排水ができないと
いう問題点があった。

【０００５】そこで本発明は、配管の自由度が大きく、
殊にビルの屋上などの高い場所への汚水の排水を可能と
する排水圧送トイレを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、便器の排水側
に破砕機と圧送ポンプを設け、便器から排出された汚物
を破砕機により細かく粉砕したうえで、圧送ポンプによ
り汚水を排水マスなどの外系へ圧送排水するものであ
る。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、便器から排出された汚物を
破砕機で破砕した後、圧送ポンプにより積極的に外系へ
圧送するようにしているので、排水管の口径は例えばφ
２５mm程度の小径で良く、また排水管の勾配の制約も受
けないため大がかりな排水管埋設工事を必要とせず、配
管の自由度が大きく、ひいては住宅内におけるトイレの
設置場所の自由度が広がり、また容易にトイレの設置・
増設・移設を行うことができる。

【０００８】

【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例における排水圧送
トイレのシステム図、図２は構成図、図３は制御部のブ
ロック図、図４は動作を示すフローチャートである。図
１において、トイレルーム１には、便器２、この便器２
へ搬送水を供給するロータンク３、便器２から排出され
た汚水中の汚物を細かく破砕したうえで外系へ圧送排水
する圧送装置４が設置されている。この圧送装置４に
は、汚水を排水マス６へ排出する排水管５が連結されて
いる。本手段は、汚水を圧送装置４により積極的に排水
マス６へ排出するものであり、したがって図示するよう
に、排水管５は高い場所へ迂回させて排水することが可
能となっている。

【００１０】図２は配管の詳細を示すものであって、７
はロータンク３へ搬送水を供給する給水管、８はロータ
ンク３の搬送水を便器２へ送る電磁弁、９は便器２の排
水側にあって、便器２より排出された汚物を粉砕する破
砕機、１０は粉砕された汚物を含む汚水を前記排水管５
を通して排水マス６へ圧送排水する圧送ポンプ、１１は
汚水を一時ためる貯溜槽、１２は貯溜槽１１の水位を検
知するフロートスイッチ、１３は洗浄スイッチ、１４は
電磁弁８・破砕機９・圧送ポンプ１０の動作を制御する
制御部である。排水管５は圧送ポンプ１０に直立して連
結されており、この圧送ポンプ１０により、ビルの屋上
などの高い場所へ排水できるようにしている。

【００１１】図３は制御部１４のブロック図であって、
１５は電磁弁８を動作させる電磁弁駆動回路、１６は破
砕機９を動作させる破砕機駆動回路、１７は圧送ポンプ
１０を動作させるポンプ駆動回路、１８はフロートスイ
ッチ１２、洗浄スイッチ１３からの信号を受けて電磁弁
駆動回路１５・破砕機駆動回路１６・ポンプ駆動回路１
７を制御するマイクロコンピュータ（以下、マイコンと
記す）、１９は抵抗器である。以上のように構成された
本実施例の排水圧送トイレについて、以下図１〜図４に
基づいてその動作を説明する。

【００１２】洗浄スイッチ１３をオンすると、マイコン
１５の入力Ｐ１は“Ｈ”から“Ｌ”となり、出力Ｐ２か
ら信号が出力され、電磁弁駆動回路１５がオンして電磁
弁８が開き、ロータンク３より搬送水が便器２へ流れる
（図４のフローチャートのステップ１、ステップ２）。
一定時間後、出力Ｐ２からの信号は停止し、電磁弁駆動
回路１５もオフして電磁弁８は閉じる（ステップ３、ス
テップ４）。搬送水は便器２の汚物と共に破砕器９を通
って貯溜槽１１に流れ込みフロートスイッチ１２がオン
しマイコン１５の入力Ｐ０は“Ｈ”から“Ｌ”となる。
洗浄スイッチ１３オン後５秒経過すると（ステップ５，
ステップ６）、マイコン１８の出力Ｐ４から信号が出力
され、ポンプ駆動回路１７がオンして圧送ポンプ１０が
起動し（ステップ７）し、貯溜槽１１に溜まった汚水は
排水管５を通って排水マス６へ圧送排水される。一方、
圧送ポンプ１０が起動後、２秒経過するとマイコン１５
の出力Ｐ３から信号が出力され（ステップ８）、破砕機
駆動回路１６がオンして破砕機９が起動し（ステップ
９）、便器２から流れた汚物は細かく粉砕される。圧送
ポンプ１０の運転により貯溜槽１１の水位が下がってフ
ロートスイッチ１２がオフしマイコン１５の入力Ｐ０が
“Ｌ”から“Ｈ”となると（ステップ１０，ステップ１
１）、出力Ｐ４からの信号が停止し、ポンプ駆動回路１
７もオフして圧送ポンプ１０は停止する（ステップ１
２）。破砕機９が起動後（ステップ１３）、１５秒経過
しフロートスイッチ１２がオフであればマイコン１５の
出力Ｐ３からの信号が停止し、破砕機駆動回路１６もオ
フして破砕機９は停止する（ステップ１４，ステップ１
５）。以上の動作を繰り返すことにより便器２の汚物は
破砕機９により粉砕されて、圧送ポンプ１０の駆動によ
り搬送水とともに排水マス６などの外系へ圧送排水され
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、便器から排出された汚物を破
砕機により汚物を細かく粉砕したうえで貯溜槽に貯溜
し、さらに圧送ポンプにより搬送水とともに外系へ圧送
排水するようにしているので、排水管の口径は従来の１
／４程度に小さくできる。また、圧送ポンプにより汚水
を積極的に圧送排水するため、従来のように排水管の勾
配の制約を受けず大がかりな排水管埋設工事が不要とな
り、トイレの設置工事が極めて容易となる。その上、住
宅内におけるトイレ設置場所の自由度が広がってビルの
屋上などの高い場所への設置も可能となり、設置工事の
簡便化とともにトイレの増設・移設も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る排水圧送トイレのシス
テム図

【図２】本発明の一実施例に係る排水圧送トイレの構成
図

【図３】本発明の一実施例に係る排水圧送トイレのブロ
ック図

【図４】本発明の一実施例に係る排水圧送トイレの動作
を示すフローチャート

【図５】従来のトイレのシステム図

【符号の説明】

２ 便器 ３ ロータンク ５ 排水管 ６ 排水マス（外系） ８ 電磁弁 ９ 破砕機 １０ 圧送ポンプ １１ 貯溜槽 １２ フロートスイッチ １３ 洗浄スイッチ １４ 制御部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】便器に搬送水を供給するロータンクと、便
   器から排出された汚物を破砕する破砕機と、この破砕機
   で破砕された汚水を貯溜する貯溜槽と、この貯溜槽の水
   位を検知するフロートスイッチと、この貯溜槽の汚水を
   排水管を通して外系へ排水圧送する圧送ポンプと、前記
   フロートスイッチの入力信号により前記圧送ポンプ及び
   前記破砕機の動作を制御する制御部とを有し、便器から
   排出された汚物を破砕したうえで、汚水を前記外系に圧
   送排水することを特徴とする排水圧送トイレ。