JPH0645495Y2 - 厨芥破砕圧送設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 この考案は、住宅，オフィス等の流し台の下に破砕圧送
装置を取り付けて、流し台からの雑排水あるいは液状化
した厨芥混合排水等を強制的に排水する厨芥破砕圧送設
備に関するものである。

【従来の技術】

従来の集合住宅用排水配管設備として、例えば、第４図
に示すものがある。尚、この場合の配管としては、給水
系統と排水系統とに大別されるが、この考案は排水系統
に関するものであるため、給水系統については省略して
ある。 図において、１は台所の流し台、２はガス調理台、３は
流し台１に接続された勾配を持つ排水横枝管、４はその
排水横枝管３が接続された台所各階共用の単管式排水立
管、５は洗濯場、洗面所・浴室等に接続した雑排水横枝
管、６は便所（大便器排水管、手洗器用排水管）に接続
した汚水排水横枝管、７はパイプシャフト８内に配管さ
れた各階共用の単管式排水立管であって、この共用単管
式排水立管７は、上記排水管5,6が接続され、室内に生
じた排水を外部に排水する。 そして、特に台所の排水系統では、上記流し台１で生じ
た雑排水を自然流下によってその系統の排水横枝管３か
ら各階共用の単管式排水立管４を介して建物外部へ排出
するようにしている。

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の排水配管設備では、サニタリーおよび
キッチンのゾーンごとに各階共用の単管式排水立管が住
戸内に設けられ、いずれの排水立管においても自然流下
する排水の流下音や伸縮音等の騒音発生が著しく、しか
も、上記排水立管は位置変更および住戸毎の水場の増設
が不可能な上、前記共用立管を納めるパイプシャフトも
必要であり、そのため住戸空間の有効スペースに対する
省スペース性に欠けるばかりか、住居者のライフサイク
ルやライフステージの要請から万一変更しようとする場
合、配管径や勾配および配管の位置，経路等の排水条件
が大きく制約され、このため、水場廻りの自由なレイア
ウトの多様化に対応できず、また、配管が埋設される住
戸の二重床がカサ上げされ、更に住戸全体としては床面
の不揃いが生じ、動線上の使い勝手や、あるいは利便
性、省スペース性に欠けるという問題点があった。 特に、上述のように、流し台１の雑排水を自然流下によ
って排水する配管設備では、上記雑排水に含まれた固形
物や厨芥の一部がそのまま排出されるため、それらの固
形物や厨芥によって配管内に詰まりが生じ、また、その
詰まった固形物や厨芥が腐食して悪臭を発し衛生的でな
いなどの問題点があった。 また、水場廻りの増設に際しては、当該配管経路（二重
床内）から大規模な改修工事を必要とするため、居住者
の経済的負担も過大になるという問題点があった。 更に、集合住宅以外の非木造建物で、かつ、地下階に流
しの水場を設ける場合、また、これらが点在している場
合には、当該施設に必要な汚水槽，動力槽，排水設備
（ポンプ，配管等）および付属設備等を要し、これに対
する作業の手間と費用が極めて大であった。 一方、これら建物の工事段階での仮設流し・手洗い施設
等に関しても、工事進行段階での移設の煩わしさや費用
の点からその設置数も少なく、不衛生で、かつ作業効率
の観点から歩留りにも影響が大であった。 また、公共施設の下水道本管への接続に際しては、下水
道本管が遠く、起伏地域では新規に下水道本管の延長あ
るいは布設替等や埋設深さにも影響し、その作業の手間
と費用が非常にかかるという問題点があった。 この考案は上記問題点を解決するためになされたもの
で、台所等の流し台で生じた雑排水に含まれる固形物や
厨芥等を自動的に破砕液化でき、その液状化された厨芥
混合排水を強制圧送して円滑に排水できる厨芥破砕圧送
設備を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

この考案に係る厨芥破砕圧送設備は、流し台の排水口に
接続した破砕部と、上記破砕部からの液状化された厨芥
混合排水を圧送する圧送部とを収納し上記液状化された
厨芥混合排水を貯溜する密閉容器からなる破砕圧送装置
と、上記圧送部の吐出側を、内管を排水経路とし、上記
内管の外周を囲う外管との間その上端部を外気に連通
し、内管内の気圧変動を防止する通気経路を有する二槽
管排水立管の中間継手（特願昭61-269946号，特開昭63-
125735号公報）に接続する小口径からなる圧送管と、上
記圧送管の途中に取り付けた逆止弁と、上記破砕圧送装
置の破砕部および圧送部を駆動制御するための制御部と
で構成したものである。

【作用】

この考案の厨芥破砕圧送設備によれば、流し台からの固
形物および厨芥を含む雑排水が、破砕・圧送装置に流入
すると、まず、破砕部で固形物や厨芥等が破砕液化さ
れ、次いで、液化された厨芥混合排水は圧送部から小口
径の圧送管を介して二層管排水立管の内管に強制的に圧
送することができる。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 第１図に示す厨芥破砕圧送設備の配管図において、10は
流し台であり、この流し台10の大シンク用排水口には破
砕圧送装置11の一次側の破砕部が接続され、この破砕圧
送装置11の二次側の圧送部には圧送管12が接続されてい
る。更に、圧送管12は各階共用の二層排水立管33の内管
に中間継手32を介して接続される。 上記破砕圧送装置11は、第２図に示すように、上記流し
台10の下部に設けられた密閉容器10A内に収納されてい
る。 そして、上記破砕圧送装置11は、第３図に示すように、
密閉容器10A内に設けられた排水圧送室14と、この排水
圧送室14の上部に設けられたストレーナ15と、このスト
レーナ15内に接続された小シンク用の一次側排水管接続
口部16とを有している。 この実施例において、上記破砕圧送装置11は、上記排水
圧送室14内に収納されたモータ17と、このモータ17の一
方の出力軸に連結されて回転駆動される圧送部としての
ポンプ18と、上記ストレーナ15内に収納配置され且つ上
記モータ17の他方の出力軸に連結されて回転駆動される
破砕部としてのカッターとからなっている。 ここで、上記排水圧送室14内の底部には、吸水口20が設
けられと共に、上記圧送管12が接続されている。 従って、上記破砕圧送装置11は、上記一次側排水管接続
口部からストレーナ15内に流入した雑排水に含まれる固
形物や厨芥等をカッター19で破砕して液化し、その液状
化された厨芥混合水等が上記ストレーナ15を通過して上
記密閉容器10Aと排水圧送室14との間に形成された排水
経路Ａを流下し、排水圧送室14内にその下部の吸水口20
から流入したのち、上記ポンプ18の作用で圧送管12に強
制圧送するようになっている。 尚、上記密閉容器10Aにはレベル変換器21と水位検出器2
2が取付けられている（第２図）。 そして、流し台からの排水がストレーナ15を通過して密
閉容器10A内に流入し水位検出器22が上限値まで水位が
上昇したことを検出すると自動的にカッターおよびポン
プを作動して固形物および厨芥を破砕すると同時に圧送
管12に液状化された厨芥混合排水を圧送する。次いで、
排水の流入が止まって、レベル検出器22が下限値まで水
位が下降したことを検出するとカッターおよびポンプの
作動を停止して圧送を終了する。更に、圧送管12に設け
た逆止弁（図示せず）により圧送された排水の逆流を防
止し、これによって排水立管に発生する管内気圧変動に
より受ける影響を防止器具トラップの封水を一定レベル
に維持することができる。 このような流し台10の厨芥破砕圧送排水設備によって、
排水中の固形物および厨芥を破砕して液状化して、排水
立管までの圧送が自動的に小径の圧送を介して容易に行
なうことができるので、排水立管までの距離や途中の勾
配などに規制されないで現場に合せた配管ができる。 また、第１図の圧送排水設備において、洗面所の手洗い
器23および浴室・浴槽24は、それぞれの排水横枝管23a,
24aにより、それぞれの系統の排水ピット兼用の分配ピ
ット25,端末ピット26を介して排水横枝管27に接続され
ている。 この排水横枝管27は便所ユニット28に設けられた破砕圧
送装置29の一次側に接続され、この破砕圧送装置29の二
次側に圧送管30が接続されている。 そして、上記流し台10の圧送管12と上記洗面所・浴室側
の圧送管30は各住戸の天井にサヤ管31を介して配管さ
れ、かつ、二層管中間継手32を介して共用二層管排水立
管33に接続されている。尚、上記便所ユニット28および
これに組み込まされた破砕圧送装置29については、本出
願人の先願である実願昭61-99657号（実開昭63-5070号
公報）に詳述されている。 次に作用を説明する。流し台10で生じた固形物、厨芥を
含む雑排水は破砕圧送装置11の破砕部のストレーナ15内
に流入し、ここで、上記雑排水に含まれた固形物や厨芥
等がカッター19により破砕されて液状化する。 次いで、その破砕・液状化された厨芥混合排水は、上記
ストレーナ15を通過し、排水経路Ａを通り、排水圧送室
14内にその下部にある吸水口20から吸引される。そし
て、上記排水圧送室14内では、インペラ18の手段で上記
圧送管12に強制圧送されることにより、二層管用中間継
手32を介して二層管排水立管33に入り自然に流下して系
外に排水される。 一方、洗面所・浴室・便所等の水場廻りにおいても、そ
れぞれの系統の汚水・雑排水が上記便所ユニット28の破
砕圧送装置29で同様に破砕液状化されたのち、その系統
の圧送管30に強制圧送されることにより、二層管中間継
手32を介して二層管排水立管33より系外に排水される。

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、厨芥破砕圧送設備に
よって、台所等の流し台で生じた雑排水に含まれる固形
物や厨芥等を自動的に破砕液状化して、その厨芥混合水
を圧送管を経て排水立管に強制圧送するので、従来の排
水条件（勾配・管径・配管位置・経路）の制約が少な
く、円滑に排水できると共に、圧送管の細径化が図れ、
水場廻りの自由なレイアウトの多様化に柔軟な対応が可
能となり、二重床の寸法を縮少でき、しかも、各住戸内
における水場廻りごとの排水立管をなくすことができ、
これらの立管で起っていた排水の流下音や伸縮音等によ
る騒音発生が排除できる。 また、上述のような圧送排水による搬送距離の延長から
数戸共用の排水立管とすることができ、配管の材工が大
巾に省略されて省力化・経済性も高く、更に水場廻りご
との圧送管と二層管中間継手との間は媒介継手により着
脱自在に接続されることにより、耐久性に応じて交換で
き、かつ、保守・管理も容易であり、破砕圧送装置の密
閉容器内は圧送管に設けた逆止弁により排水立管の気圧
変動からの影響による排水破壊も発生しない。 また、特殊な配管技術を必要とせず、専用治具の使用に
より施工品質も均質化が図れると共に、仕上げ時期に配
管作業が集約でき、施工管理が容易である。更には施工
の簡略化による工数の低減等によりコストダウンが可能
となり、しかも、圧送管の配管は、サヤ管と可撓性のあ
る小口径管材を使用して床下あるいは天井内に自由に配
管することができ、水場プラン（設計・移設）の自由度
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る厨芥破砕圧送設備の
配管図、第２図は流し台の破砕圧送装置据え付け部の拡
大断面図、第３図は同破砕圧送装置の断面図、第４図は
従来の排水系統の配管図である。 図において、10は流し台、11は破砕圧送装置、12は圧送
管、33は二層管排水立管、32は二層管中間継手である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】住宅，オフィスビル等に設置される流し台
   において、前記流し台シンクの排水口に接続して排水中
   の厨芥を破砕して液状化する破砕部と、上記破砕部から
   の液状化した厨芥混合排水を圧送する圧送部とを収納
   し、上記液状化した厨芥混合排水を貯溜する密閉容器か
   らなる破砕圧送装置と、上記圧送部の吐出側を、内管を
   排水経路とし、上記内管の外周を囲う外管との間に外気
   に連通させた通気経路を有する二層管排水立管の中間継
   手に接続する小口径からなる圧送管と、上記圧送管の途
   中に取り付けた逆止弁と、上記破砕圧送装置の破砕部お
   よび圧送部を駆動制御するための制御部とで構成したこ
   とを特徴とする厨芥破砕圧送設備。