JPH05311609A

JPH05311609A - 舗装用敷板

Info

Publication number: JPH05311609A
Application number: JP11755192A
Authority: JP
Inventors: Setsuo Yanaka; 節男谷中; Shigeki Kataki; 茂樹片木
Original assignee: Hayakawa Rubber Co Ltd
Current assignee: Hayakawa Rubber Co Ltd
Priority date: 1992-05-11
Filing date: 1992-05-11
Publication date: 1993-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】道路または公園等の舗装に用いられる舗装用
敷板において、歩行する際の疲労感および騒音を低減さ
せ、舗装用敷板が濡れた場合にも安全に歩行でき、しか
も舗装用敷板の下層部材と上層弾性部材とが容易に離脱
しないようにすることを目的とする。【構成】舗装用敷板１は、下層部材３と上層弾性部材
２からなっている。下層部材３は、コンクリート又はモ
ルタルからからできている。上層弾性部材２は、加硫ゴ
ムまたは加硫ゴム粉末を液状バインダーで硬化させた硬
化物からできている。この上層弾性部材２に、固定用金
具４Ａの一部分が埋設され、固定用金具４Ａの残りの部
分が下層部材３に埋設されていて、それにより上層弾性
部材２と下層部材３とが一体化している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、道路又は公園等の舗装
に用いられる、インターロッキングブロック、歩道板、
溝蓋等の舗装用敷板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】道路や公園等の舗装面には、美観の向
上、歩行性の改善または雨水を地下に吸収させるなどの
目的で、種々のインターロッキングブロック、歩道板、
溝蓋等が敷設されている。図６に、従来の舗装用敷板の
断面図を示す。舗装用敷板１１としては、コンクリート
で下層部材６を成形し、この上にモルタル製の上層部材
７を載せて一体化したものが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この舗装用敷
板１１は、強度や耐久性には優れているものの、表面が
硬いので、歩行する際に騒音を発生し、肉体的疲労も甚
だしい。また、この舗装用敷板１１の表面が濡れた場合
に滑りやすくなり、歩行者が転倒する恐れがあり、危険
であることなどの課題を抱えていた。一方、上層部材７
として、モルタルの代わりに加硫ゴム等からなる弾性体
を用いることも検討した。この場合には、上記の課題は
かなり解消できるが、下層部材６と上層部材７が完全に
接着せず、上層部材７が剥離しやすいという問題があっ
た。本発明の課題は、歩行する際の騒音発生および肉体
的疲労感を減らし、舗装用敷板の表面が濡れた場合にも
安全に歩行できるようにし、しかも舗装用敷板の下層部
材と上層部材とが容易に離脱しないようにすることであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリート
又はモルタルからなる下層部材と、加硫ゴム又は加硫ゴ
ム粉末を液状バインダーで硬化させた硬化物からなる上
層弾性部材とを有する舗装用敷板であって、固定用金具
の一部が上層弾性部材に埋設され、残りの部分が下層部
材に埋設され、下層部材と上層弾性部材とが一体化され
ている舗装用敷板を提供するものである。

【０００５】

【実施例】図１は、本発明に関する舗装用敷板１を模式
的に示した斜視図であり、図５は、この舗装用敷板１を
Ｖ−Ｖ線で切ったときの矢視断面図である。本発明の舗
装用敷板１は、コンクリートまたはモルタルからなる下
層部材３と、加硫ゴムまたは加硫ゴム粉末を液状バイン
ダーで硬化させた硬化物からなる上層弾性部材２とから
なっている。上層弾性部材２と下層部材３とは、固定用
金具４Ａによって連結され、一体化されている。この固
定用金具４Ａは、図２に示すように、断面コの字状をな
し、互いに平行な一対の係止部４ａ、４ｂを備えてい
る。係止部４ａの方に、空洞５が形成されている。

【０００６】特に図５に示すように、固定用金具４Ａの
係止部４ａが上層弾性部材２に埋設され、係止部４ｂが
下層部材３に埋設されている。空洞５内に、上層弾性部
材２を構成する弾性体が回り込んでいる。

【０００７】この舗装用敷板１を製造するには、まず金
型に、固定用金具４Ａを少なくとも一つ以上セットした
後、加硫ゴムまたは加硫ゴム粉末を液状バインダーと混
合したものをこの金型に仕込み、加圧加熱処理を施すこ
とにより、固定用金具４Ａの一部が埋設された上層弾性
部材２を作製する。この上層弾性部材２と固定用金具４
Ａとの結合力は、固定用金具４Ａの一部を上層弾性部材
２に埋設することにより得られる。さらに固定用金具４
Ａに空洞５を設けることにより、空洞５の中に上層弾性
部材２を構成する弾性体が回り込み、硬化するので、結
合が一層強固となっている。次いで、固定用金具４Ａの
一部が埋設された上層弾性部材２を型枠の中に入れ、こ
の上に、下層部材３の原料であるコンクリートまたはモ
ルタルを振動締固めを行いながらプレスし、養生するこ
とにより、舗装用敷板１を製造できる。

【０００８】次に、本発明に使用する上層弾性部材およ
び固定用金具について具体的に述べる。上層弾性部材の
原料である加硫ゴムとしては、一般工業界で使用される
天然ゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリ
エチレン等があり、これらの１種または混合して用い
る。前記ゴムを主原料とし、加硫剤、加硫促進剤、充填
剤、軟化剤、着色剤等を混ぜ合わせたものを用いる。ま
た、加硫ゴムチップ等にウレタンバインダーもしくは液
状ゴム等を混合し、硬化させた硬化物も使用できる。上
層弾性部材の厚みは、舗装用敷板の弾力性、すなわち歩
行の快適さに関係し、敷設される施工対象等によっても
異なるが、一般には５〜２０ｍｍが好ましい。

【０００９】固定用金具に使用できる材質は、好ましく
は、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等である。図２
に示す固定用金具４Ａにおいては、上層弾性部材２に埋
設される係止部４ａが、接合界面に対してほぼ平行であ
り、かつ空洞５を有している。一方、固定用金具４Ａの
下層部材３に埋設される係止部４ｂは、下層部材３にア
ンカー効果により接合される。また、図３に示す固定用
金具４Ｂにおいては、係止部４ａの末端から垂直に延設
部４ｃが設けられていて、延設部４ｃの下部が下層部材
３に埋設される。

【００１０】図４に示す固定用金具４Ｃにおいては、係
止部４ａの末端から４５°程度の角度をもって延びる延
設部４ｄが設けられており、延設部４ｄの下部が下層部
材３に埋設される。これらの各固定用金具において、図
２に示す固定用金具４Ａが最もアンカー効果が大きく、
図４に示す固定用金具４Ｃがそれに次ぐ。固定用金具４
Ａ，４Ｂ，４Ｃの下層部材３への埋設部分に、空洞部を
設けてもよい。固定用金具は、一個の舗装用敷板１に対
し、経済性を考慮して少なくとも１個以上で何個使用し
てもよい。

【００１１】以下に、実施例と比較例について試験を行
ったので説明する。なお、本発明品の実施例は、代表的
なものについて記載する。・実施例１鉄製の固定用金具４Ａを金型にセットし、次いで、適宜
に着色かつ配合された未加硫ゴムを仕込み、加圧加熱処
理し、固定用金具４Ａ付きの上層弾性部材２を得た。こ
の上層弾性部材２の厚みは、１０ｍｍとした。この上層
弾性部材２を型枠に入れ、この上に、混練したコンクリ
ートを、振動締固めを行いながら合計５０ｍｍの高さま
で入れ、常温で養生することにより、下層部材３を形成
し、本発明による舗装用敷板１を作製し、試験に供し
た。・実施例２実施例１の舗装用敷板１において、固定用金具４Ａの代
わりに４Ｂを用いた。・実施例３実施例１の舗装用敷板１において、固定用金具４Ａの代
わりに４Ｃを用いた。・比較例従来の舗装用敷板１１であり、これを試験に供した。

【００１２】◎試験方法上記の各舗装用敷板を用い、上層弾性部材２の垂直引っ
張り剥離試験を行い、併せてこれらの舗装用敷板を歩道
に敷設して、そのときの歩行性、騒音、表層損傷につい
ても調べた。表２に、これらの試験結果を示す。

【００１３】垂直引っ張り剥離試験は、建研式垂直引っ
張りによる引き抜き強さを測定したものである。測定面
積は、２５ｍｍ角である。

【表１】歩行性は、次のように評価した。「〇」歩行が快適にでき、疲労感もない。「×」歩行はさほど快適ではなく、ある程度の疲労感が
残る。騒音は、次のように評価した。「〇」騒音はほとんどない。「×」騒音がする。表層損傷は、次のように評価した。「〇」１年使用後においても、摩耗や表層の剥離はな
い。「×」１年使用後において、表面の摩耗がある。

【００１４】

【表２】

【００１５】舗装用敷板を歩道に敷設して歩行した際の
歩行性や騒音は、本発明品はいずれも従来品よりも優れ
ており、表層損傷についても従来品と同等の性能である
ことがわかる。本発明の舗装用敷板の中で、固定用金具
がコンクリート製の下層部材に対してアンカー効果の大
きい形状であるものほど、垂直引っ張り力に強く、すな
わち接合強度が大きいことが解る。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、舗装用敷板の上層が前
述の弾性部材からなるので、歩きやすく、地面から伝わ
る足腰への衝撃負担を緩和することができ、従って歩行
時の疲労感を少なくし、騒音も小さくできる。また、歩
行の際に転倒した場合も、人体に与える影響を少なくで
きる。さらに、固定用金具により上層弾性部材と下層部
材とを一体化しているので、部材間の接合強度が大き
く、舗装用敷板の使用寿命を長くし、安定させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の実施例に関わる舗装用敷板の
斜視図である。

【図２】図２は、固定用金具４Ａを示す断面図である。

【図３】図３は、固定用金具４Ｂを示す断面図である。

【図４】図４は、固定用金具４Ｃを示す断面図である。

【図５】図５は、図１のＶ−Ｖ線で切って見た矢視断面
図である。

【図６】図６は、従来の舗装用敷板１１を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１、１１舗装用敷板２上層弾性部材３下層部材４Ａ，４Ｂ，４Ｃ固定用金具５空洞部６下層部材７上層部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コンクリート又はモルタルからなる下層
部材と、加硫ゴム又は加硫ゴム粉末を液状バインダーで
硬化させた硬化物からなる上層弾性部材とを有する舗装
用敷板であって、固定用金具の一部が上層弾性部材に埋
設され、残りの部分が下層部材に埋設され、下層部材と
上層弾性部材とが一体化されている舗装用敷板。