JPH0531077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本願発明は、少なくとも２個の気密吸着容器を
具備する吸着装置に関する。該容器は加熱吸着部
と凝縮蒸発部からなり、前記加熱吸着部内面は駆
動物質を吸着及び脱着できる吸着物質で被覆し、
前記凝縮蒸発部は加熱吸着部において脱着された
駆動物質を凝縮し、又は爾後の工程において吸着
物質中に駆動物質を再吸着する。

熱を吸着装置で以て比較的高温度において、第
１の熱担体から第２の熱担体に伝導できる。吸着
装置は継続系統及び周期系統のものからなつてい
る。駆動物質を前記両系統において吸着物質に発
熱的に吸着し、再び吸熱反応において脱着する。

周期工程はポンプアツプできない固体吸着物質
のみに利用する。駆動物質を含んだ吸着物質を加
熱吸着部に配備し、駆動物質を外部との熱交換に
よつて吸着物質から脱着する。それにより吸着物
質は冷却され外部と熱交換する。吸着容器を外部
から冷却する帯域、即ち、凝縮蒸発部において、
駆動物質の凝縮が可能である。凝縮の放出熱を凝
縮蒸発部の壁を介して、熱担体流に伝導する。沸
騰している加熱吸着部を冷却し当該加熱吸着部を
その当初の状態に返す。かくすることなよつて、
加熱吸着部の吸着物質は先に蒸発した駆動物質の
吸着が可能となる。吸着熱は、加熱している加熱
吸着部の外側を流動する熱担体流により放出され
る。前記駆動物質は、熱担体流から熱を吸着する
ことによつて比較的低温下で凝縮蒸発部において
蒸発する。

吸着容器内の駆動物質圧及び吸着物質内の駆動
物質濃度は熱担体流の温度水準にのみ依存し、か
つ、駆動物質の反応動力学に基づいた速度に依存
する。公知の吸着物質及び駆動物質は好適でない
状態下で２〜３時間を必要としている。

熱担体流温度の制御は高価、かつ、複雑とな
る。継続冷却は単一の吸着容器では不可能であ
り、継続冷却工程は複数の吸着容器の交替使用又
は単一の物質の相変換の操作態様でのみ可能であ
る。上記２つのことは装置をより高価なものと
し、かつ、容量の増加のために自由な使用が妨げ
られる。１つの操作態様から他の操作態様のもの
への切換、例えば、ヒートポンプ操作から簡単な
熱交換操作又は伝熱操作への切換は不可能であ
る。

本願発明の目的は、固体吸着物質用に好適で継
続操作態様が可能な複数の新規な吸着装置を構成
することにある。当該吸着装置は本願発明にかか
る吸着物質の特性を有効に活用し、簡単な設計で
以てあらゆる公知の操作態様の実施を可能とする
ものである。その操作は公知のものと比較して極
めて簡単であり、本装置は調整及び制御部材の数
を少なく制限できるので自動車に用いうる。

本願発明の目的は、複数の気密吸着容器を配設
することによつても達成できるが、前記気密吸着
容器はその一帯域、即ち、加熱吸着部に吸着物質
及び駆動物質を含み、他の帯域にも吸着物質及び
駆動物質を含有し、該駆動物質を吸着するが、そ
れぞれ状態の変化により再吸着することが可能で
ある。当該容器を相互に回転する回転軸によつて
回転する。前記吸着容器を回転軸の周りに下記の
方法で配置する。即ち、すべての加熱吸着部を第
１の回転帯域ａ内に配置し、かつ、すべての凝縮
蒸発部は第１の回転帯域と分離した第２の回転帯
域ｂ内に配置されている。この態様においては、
分離した流れ区分内に供給された別個の熱担体流
が前記回転帯域に導入される。回転軸の周囲を完
全に一回転する間に、前記各部は、継続して必要
な温度水準を通過する。各流れ区分の流れの間
に、熱担体流は回転する吸着容器から熱を吸着し
たり又はそれらに対して熱を放出する。

かくして、熱担体流に必要とした複雑な調整及
び制御を削減することができる。すべての熱担体
流制御を、適正な流れ要素を介して適正な吸着容
器を導く回転連動によつて行う。熱担体流の変動
する温度水準及び流れ容量の調整は、駆動物質の
蒸気圧の変化及び吸着物質内の濃度の変化による
完全な自己制御方法において使用される一対の吸
着物質によつて行う。

吸着容器の特定な設計及び配置で以て吸着装置
を一段と簡易化することが可能である。吸着装置
を、回転帯域内でのそれぞれの熱担体流の混合を
防止すると共に吸着容器内の駆動物質及び吸着容
器外側の熱担体流の圧力の急な降下を防止するた
め、同一型の端部を有する平板状にして、かつ、
楔状の吸着容器として設計する。相互間及び外部
スペースに対する流れ区分の密封は公知の回転型
熱交換器技術によつて行う。吸着容器の回転運動
は、該吸着容器壁を熱担体流の流れ方向に対して
配置している場合は熱担体流により行われる。同
様な効果は、回転軸が密封された位置にあり、か
つ、流れ区分が適正に配置されている場合には得
られる。駆動物質の流量のシフトにより、回転帯
域の半分においては回転軸方向への、他の半分に
おいては回転軸から外方へのトルクを誘発するこ
とが可能である。

原理的には、上述の駆動物質と比較してより低
い蒸気圧を持ち、かつ、駆動物質の吸着量に対し
て十分な蒸気圧の減少を起こすすべての物質は吸
着物質として好適である。冷凍技術で公知のすべ
てのアルカリ類及びアルカリ土類の塩類、ベント
ナイト類、シリカゲル類、並びに活性炭が好適で
ある。吸着物質は駆動物質、即ち水、メタノール
及びアンモニヤと共に使用して充分な吸着特性を
示す。特に好適な吸着物質はゼオライトで、ゼオ
ライトは０℃周辺の蒸発温度と同時に約350℃以
上の沸騰温度を可能とする。本願発明の方法にお
いては、駆動物質の水と協動して得られる温度は
100℃以上である。反応速度及び循環は極めて安
定している。更に有利な特性としては極めて高い
環境適合性及び生産価格の低いことである。駆動
物質としての水は０℃で氷結する。場合によつて
はこのことはむしろ不利でもあるが、適正に適用
された場合は固−液相の転換は潜熱を貯蔵熱の機
能として有利に使用しうる。

駆動物質の膨張蒸発による相転換は容量膨張を
齎さない。熱板又は加熱吸着部内の吸着物質であ
るゼオライトと凝縮蒸発部内で水をさらに吸着す
る物質、例えば、ベントナイト、塩又は活性炭と
のコンビネーシヨンは吸着装置の位置及び衝撃と
は無関係な使用を可能とし、従つて０度の限度も
また考慮する必要がない。同様な利点は駆動物質
として水素及び吸着物質として二つの異なる金属
水酸化物の使用についても見られる。吸着反応の
反応熱はこの場合比較的高く、吸着容器圧も同様
に高い。

本願発明の他の実施例としては、吸着物質を吸
着容器の外面に適用することである。ことことは
空調装置内の吸着装置に使用して特に有利であ
る。気流を乾燥するために、凝縮蒸発部内の駆動
物質の蒸発温度は気流の露点如何であつてはなら
ない。吸着物質内の空気湿気の吸着の間に放出す
る反応熱は、凝縮蒸発部で直ちに吸着されかつ該
反応熱は、駆動物質によつて加熱吸着部に供給さ
れてより高温となる。そのために、気流を単一の
操作工程で以に乾燥し、冷却し、かつ加熱する。

ポンプ及び換気装置を通常熱担体流の供給目的
で使用する。駆動モーターによる好適な伝達で以
で吸着容器の回転運動をなすが、重量当たり経費
の節減は自動車に使用して特に有利である。

回転軸の周りを吸着容器が完全に一回転する間
に、すべての加熱吸着部は沸騰、冷却、吸着及び
加熱目的での第１の回転帯域の流れ区分に応じて
回転する。同時に、それぞれの時にそれぞれの相
態様で、対応するすべての凝縮蒸発部は凝縮、冷
却、蒸発及び加熱目的で第２の回転帯域の流れ区
分を動く。冷却及び加熱目的での流れ要素は本願
発明に基づく操作には必要でなく、簡素化された
吸着装置には必要でない。

しかしながら、もし移動する熱担体流が熱交換
目的からこれらの各流れ区分間を循環する類の熱
交換器においては、吸着装置でえられる発熱率は
かなり増大する。吸着物質及び駆動物質並びにそ
れらを含有する吸着容器の特定の熱容量は上記の
態様で有利に変化でき、その結果、少量の沸騰熱
の使用で、よりよい流れ効率で熱又は冷の温度が
得られる。

熱担体流の好適な流れ供給（例えば、流れ方向
の変化又は複数の通路のために）を有する吸着容
器の回転運動によつて吸着容器内及び熱担体流の
勾配ある温度に対し熱の移動を可能とするので、
流れ区分内の温度勾配は熱担体流の実質的な冷却
又は加熱に有利に使われる。

特に、流れ区分内の熱燃焼ガスの熱を沸騰及
び／又は加熱目的で使用でき、このような状態で
吸着温度としても活用できる。前記燃焼ガスで以
て、熱を“カロリー価装置”（calorific value
device）におけるよりもかなり良く利用できる。
なぜかならば、第４図に示すごとく、前記燃焼ガ
ス内の熱担体流が各種の目的で複数の流れ要素と
して図面上部の流れ区分を継続的に又は同時に通
過し、次いで沸騰及び／又は蒸発目的で図面下部
のの回転帯域の流れ区分を通過するからである。
同時に、環境を汚染する不純物を実質的な冷却に
よつてより良く分離しうる。１個の熱担体流が種
種な目的、例えば、冷却、吸着、加熱、蒸発等
で、複数の流れ区分を同時に流れる場合は有利
で、当然、こうした流れ区分を相互に制限したり
又隔離することは不必要である。このことは、簡
単で、経済的、かつ、軽量の吸着装置には決定的
第一要件である。

本願発明においては、それぞれの熱担体流、吸
着容器又はその含有物自体の温度に基づいて吸着
容器の回転数を制御することが可能であることが
特筆される。熱担体流相互の相違する投入温度又
は流量とは無関係にそれぞれの熱担体流の放出温
度となる。更に、使用した一対の吸着物質をそれ
に合つた操作をすることにより各吸着容器の過熱
は防止される。

また、放熱する熱担体流の温度は連結する流れ
区分を他のものと置き換えることで得られる。例
えば、熱担体流の放出温度は、蒸発目的の流れ区
分を凝縮目的の流れ区分に置き換えることで、
“冷却”から“暖房”に変えうる。従つて、この
ような置換によつて吸着装置の操作態様の変化が
可能である。即ち、冷却装置からヒートポンプへ
の変化と同じである。

操作態様の変化は熱担体流の流れ方向の変化に
よつて可能である。吸着装置は熱担体流導管内の
簡単なフラツプ又は弁と調整によつて冷却及び加
熱用として使用可能である。従つて、自動車にお
ける機械エネルギーで駆動される公知の温水加熱
システム及び圧縮器空調装置は最も簡易な吸着装
置を設置することで代替しうる。供給空気の乾燥
は何等付加的努力なしに実施でき、かつ、このこ
とは乾燥物質が吸着容器の外面に使用できる場合
には好適である。ガス消費の節減に加えて、車体
重量もまた公知の加熱系統を削除することで軽減
しうる。更に、沸騰目的での流れ要素が排気装置
のマフラーの機能を果すとすれば一段と重量及び
コストと節減となる。追加の分岐管も又削除され
る。

吸着装置は熱伝導器としても操作可能である。
蒸発及び沸騰目的での流れ要素としての平均温度
を持つ熱担体流を供給する。吸着目的のために
は、高温の熱担体流は流れ要素に利用可能であ
る。

吸着装置はまたヒート・パイプ・効果を持つ熱
交換器としても使用しうる。冷却用熱担体流を蒸
発及び／または沸騰目的のために流れ区分を介し
て供給し、又加熱用熱担体流を吸着及び／又は凝
縮目的で流れ区分を介して供給する。

吸着装置はまた再生型熱交換器としても使用し
うる。冷却用熱担体流を沸騰及び／凝縮目的で流
れ区分を介して供給し、加熱用熱担体を吸着及
び／又は蒸発目的で流れ区分を介して供給する。

吸着装置を再生型熱交換器として使用する場
合、操作態様は公知の回転型熱交換器を類似して
いる。再度用協同型熱交換器（吸着物質再使用、
冷却・除湿−加熱・加湿協同同時遂行型）として
使用する場合は、排気流の不純物は供給気流中に
混入しない。

吸着装置は排ガスから熱回収をする空調装置に
使用すれば特に好適である。この種の装置では、
通気と排ガスとの間の単純熱交換は一定の時間間
隔を以て充分である。吸着装置は外部の熱源（例
えば、オイル又はガスバーナー）と連結すること
で加熱又は冷却のより高い要望のある場合ヒート
ポンプ又は冷却装置としても使用しうる。このこ
とは通気導管内のフラツプの追加的な調整なくし
て可能である。熱担体流の温度水準のみが吸着装
置の操作態様を決定する。一対の吸着物質が自動
的に吸着容器内のすべての変化に順応する。

適用可能な吸着物質は数多くある。数多くのゼ
オライト、例えば、タイプＡゼオライト（例え
ば、MG−Ａ、NA−Ａ、CA−Ａ）、ダイプＸゼ
オライト（例えば、CA−Ｘ）及びタイプＹゼオ
ライト（例べば、NA−Ｙ、Ｈ−Ｙ）が使用可能
であり、活性炭、シリカゲル、ベントナイト、乾
燥塩類のごとき塩類（例えば、CACL₂、
MGCL₂、LIBR）及び金属水酸化物が適用可能
な吸着物質である。水、メタノール、アンモニ
ヤ、炭化水素のフルオロクロロ置換体類又は水素
のごとき物質を駆動物質として使用する。

（実施例） 第１図は吸着容器１の断面図で、コツプ状にす
る工程によつて相互に溶接した金属又はガラスで
作つた２つの半コツプ状のものから成つており、
吸着物質及び駆動物質がチヤージされている。加
熱吸着部２には第１の吸着物質３がある。中央部
は駆動物質の蒸気のより好ましい移動を可能とす
るものである。凝縮蒸発部４には第２の吸着物質
５がある。

第２図において、複数の吸着容器を回転軸６の
周りに放射方向に円形状に配置している。すべて
の加熱吸着部２は、回転軸６の周りを回転する
間、第１の回転帯域ａ内にあり、一方、すべての
凝縮蒸発部４は第２の回転帯域ｂ内にある。流れ
区分７は静止状態の回転帯域ａ及びｂ内に空〓と
なつており、それらを通じて相異る温度の熱担体
流が流れる。すべての流れ区分７は、回転軸６の
周りを吸着容器１が回転する間に通過する加熱吸
着部の沸騰、吸着及び加熱目的での流れ要素並び
に凝縮蒸発部での凝縮、冷却、蒸発及び加熱目的
で流れ要素の流れ区分７である。

第３図は回転軸６の周りに吸着容器１の他の配
置を示す。吸着容器１のこの設計及び配置はこれ
らを使用しようとする場所に実質的に適用可能で
ある。

第４図は自動車の空調及び加熱装置としての操
作態様における吸着装置の断面図である。プロペ
ラ９を具備する電気モーター８を回転軸６に設け
ている。前記モーター８は公知の駆動力１３で以
て吸着容器１に回転運動を与える。内燃機関モー
ターの排気ガス１０を沸騰目的での流れ要素７に
連結する。遮断フラツプ又は弁を具備する空気導
管は流れ要素７から蒸発、加熱、凝縮及び冷却目
的で自動車の内部に通じている。自動車内部の空
気温度は遮断フラツプを調節することで制御でき
る。操作時を通じて“冷却”と“加熱”とを同時
に行う吸着装置なるが故に、両方の気流を同時に
使いうる。このような方法で以て、例えば、太陽
に晒す側を冷却し太陽に隠れる側を加熱すること
は可能である。当然に、大気操作における熱回収
の全形態が可能である。特に、排気ガスと接触す
る加熱吸着部が凝縮蒸発部と接触する自動車の供
給気流とは接触しないので汚染の恐れがない。

第５図は自動車に搭載した本願発明の吸着装置
２０を示す。複数の平坦状の密封した吸着容器１
の車輪状をなして中心軸２１を周りに放射状に配
置している。外部ハウジング又はリム２２は、中
心軸上に車輪のスポーク状に配設した配列容器の
露出した端部を覆つている。この相互に連結状に
配列した容器は矢印方向に前記軸２１を周りをゆ
つくり回転する。

前記２つの相互に連結した隔室からなり、ゼオ
ライトのような吸着物質と吸着可能な駆動物質を
その内部に含有する。ゼオライトを使用する場合
には駆動物質は水でよい。加熱吸着部２の隔室を
いずれも外部リム２２に近接して配置し各容器の
他の凝縮蒸発部４の隔室は軸２１に密着する。前
記隔室をいずれもその間において拡張した区分２
３によつて連結したものとなる。隣接する各容器
の前記拡張した区分を相互に連係している。この
配列によつて各容器間で軸の軸方向に２組のチヤ
ンネルを構成することとなる。１組のチヤンネル
を各容器の拡張し相互連結用中間区分と軸の間に
位置し、他の１組のチヤンネルを各容器の拡張し
た相互連結用区分と外部リムとの間に位置する。
自動車の排気導管２４からの排ガスはリムに近接
したチヤンネル区分を通過する。軸に近接したチ
ヤンネル区分は気流に冷却力、又は加熱力を供給
する。所望により、空気供給は回転する装置２０
を介して空気ブロー用の扇風機によりできる。前
記装置２０は矢印の方向に回転するが、一方装置
２０を介しての空気及び排ガスの導管は固定され
ている。

操作において、排気導管を通過する熱排ガスは
リムに近接したチヤンネル区分へ入り、密封した
吸着容器１の内側でゼオライトのような吸着物質
を加熱する。緩やかな回転の間に、吸着物質内の
水のごとき駆動物質は蒸発即ち脱着する。蒸気は
密封容器内で、軸方向に即ち各容器のより冷たい
軸側凝縮蒸発部４方向に移動する。凝縮蒸発部４
において、蒸気は凝縮し、装置２０内の各吸着容
器１間の軸側チヤンネルを通過する気流へ熱を供
給する。このようにして発生した熱空気は導管２
５を介して自動車内部へ直行可能である。こうし
た方法で、当該装置は自動車の加熱装置として使
用できる。

各容器が軸２１の周りを回転し続けているの
で、該容器は排気導管２４から離れ最早排ガスに
より加熱されない。各吸着容器１の各容器間のチ
ヤンネルを介して空気を通過することにより、各
容器の両帯域を周囲の温度まで冷却する。

外側のリムに隣接した各加熱吸着部２の冷却に
よつて駆動物質の再吸着が開始する。冷却した吸
着物質はガス状の駆動物質を吸着し各容器内の蒸
気圧は減少する。米国特許No.4169362において開
示のごとく空気欠除のために、各容器の軸側凝縮
蒸発部４内の水蒸気を相互連結した外側の加熱吸
着部２内の吸着物質によつて吸着し、より多くの
水蒸気が供給するために蒸発する。蒸発は非常に
低い温度、例えば０℃で起こる。蒸発熱は外側の
加熱吸着部２の該区分を通過した気流によつて供
給する。装置２０から排出する冷却気流は自動車
内部へ導管２６を介して空調用として使用でき
る。該導管内に配設した適当な制御バルブ２７は
自動車内部での所望の気流を制御するので有用で
あり、即ち、空調用には導管２５の熱気流を車外
に放出し導管２６の冷気流は車内を導入するが、
加熱用には上記と反対の操作を行う。

装置２０が回転しているので、各吸着容器１内
のプロセスは同一ステツプを連続して行う。大多
数の吸着容器の場合には加熱力及び空調力の連続
的供給が可能となる。

自動車の部品として該装置２０の使用は一例で
あり、本願発明は自動車車体に限定されるもので
はない。該装置はいくつかの気流を交互に、又は
同時に加熱し、冷却し、又は乾燥することが重要
とされる数多くの環境において特に有用である。
必要エネルギーを熱空気又は熱排ガスとして供給
する。小型モータが車輪を回転するのに必要なも
ののすべてであり、それ以外の機械的又は電気的
力は必要でない。

第１図に示すように、吸着物質１２を乾燥物質
として各容器の外側に公知の方法で被覆できる。

上述したように、本願発明は、各吸着容器１が
回転軸の周りを回転する間に、熱放出と熱吸着を
交互に行つて熱を交換するように設計されてい
る。各流れ区分を他の流れ区分から相互に分離し
ているので、回転する吸着容器に関しては熱担体
流の有害な混合がない。各吸着容器は、熱担体流
を循環し、該熱担体流は複数の流れ区分間の境界
又は壁により分離されている。即ち、流れ区分７
は冷却区分及び吸着区分を境界により分離してい
る。

上述については、第２図及び第４図に記載して
おり、個々の区分７を“吸着”、“冷却”、“加熱”、
“蒸発”、“凝縮”及び“沸騰”の各部を示す。

平板状の密封した複数の吸着容器１を、車輪の
平坦なスポーク状に回転軸６の周りに放射状に配
置している。こうした配列体は前記軸６の周りを
ゆるやかに回転する。各吸着容器１は２つの相互
に連結した加熱吸着部２及び凝縮蒸発部４から成
る。

前記各部は吸着物質例えばゼオライト、及び駆
動物質例えば水を含有する。該各部２及び４、即
ち、１つはムリに密着し、他は回転軸６に密着し
ているが、前記各部を容器の広くなつた部分によ
つて連結している。

各吸着容器の広くなつた部分は相互に密着し、
かつ、密封されて、各吸着容器間に前記回転軸方
向の２つの空気チヤンネルを作る。第１の空気チ
ヤンネルは前記リム側の回転帯域ａを形成し、第
２の空気チヤンネルは回転軸６側の回転帯域ｂを
形成する。

第４図に示す実施例においては、排気装置１０
からの排ガスはリム側のチヤンネル部分を通過す
る。回転軸６側の複数のチヤンネルで熱担体流を
冷却又は加熱する。該吸着容器は回転するが、一
方、排ガス導管は定位置のままである。

操作において、排気装置１０からの排ガスは、
リム側の各チヤンネルを通過し、該吸着容器の内
部の吸着物質を加熱する。ゆるやかに回転する間
に、吸着物質内の駆動物質は蒸発（脱着）し、容
器のより冷たい回転軸側帯域へ移動する。該帯域
では、蒸気は凝縮し、チヤンネルを通過する気流
へ熱を供給する。この方法で加熱された熱空気
は、加熱目的で利用できる。

吸着容器は回転軸６の周りを回転しているの
で、排ガスによる加熱帯域を通過した吸着容器は
もはや排ガスによつて加熱されない。各吸着容器
の前記各部２及び４は、各チヤンネルを介して空
気を通すことにより冷却される。

加熱吸着部２の冷却で以て、駆動物質の再吸着
が始まる。冷却した吸着物質はガス状の駆動物質
を吸着し、吸着容器内の蒸気圧は減少する。凝縮
蒸発部４の水は蒸発し、より多くの蒸気を供給
し、これはまた吸着される。蒸発は非常な低温
（例、０℃）でおこり、凝縮蒸発部４の蒸発熱供
給のため熱担体流は冷却される。発生する冷却担
体流を自動車客室の空調用に使用できる。吸着物
質は水蒸気を吸着し加熱されるが、吸着熱は回転
軸周りの空気に伝導しない。

吸着容器は回転し続けているので、反復して上
記の各ステツプを遂行する。多数の容器は熱及び
空調力の連続的供給が可能となる。

本願発明の機能は駆動物質と吸着物質との吸着
及び脱着の特性を利用し熱交換、空調を廃熱によ
り行わんとするもので経済的利益がおおきいはか
りでなく資源節約の上からも非常に有益なもので
ある。更に、本願発明の効果を列挙すれば、 (1) 継続操作可能な吸着装置で操作が簡単であ
る、調整及び制御部材が少ない。

(2) 熱担体流が分離されており、吸着容器の回転
により熱担体流の制御ができる。

(3) 温度水準及び流れ容量は駆動物質及び吸着物
質の自己制御で行うことができる。

(4) 吸着物質を容器外面にも用いて効果を高めて
いる。

(5) 「冷却」から「暖房」への変換が容易であ
る。

(6) 乾燥が容易にできる。

(7) 多目的に使用できる。

熱伝導器、各種熱交換器、空調装置、ヒートポ
ンプ、冷却装置等。

かくして、上述の各目的及び利点は再も効果的
に得ることができる。いくつかの好適な実施例を
ここに開示し、かつ、詳細に記載したけれども、
本願発明はそれによつて限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願発明による吸着容器の断面図であ
る。第２図は吸着容器及び流れ区分を具備する本
願発明の吸着装置を示す。第３図は回転軸の周り
の吸着容器の他の配置例を示し、第４図は自動車
の選択的加熱又は冷却用の吸着装置の断面図で、
第５図は自動車に設置した装置の操作の概略図で
ある。 １……吸着容器、２……加熱吸着部、３……吸
着物質、４……凝縮蒸発部、５……吸着物質、６
……回転軸、７……流れ区分、８……モーター、
９……プロペラ、１０……排気装置、１１……駆
動物質、１２……吸着物質、１３……駆動力、２
０……吸着装置、２１……回転軸、２２……リ
ム、２３……拡張区分、２４……排気装置、２５
……導管、２６……導管、２７……制御バルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動物質と吸着物質でチヤージされた加熱吸
   着部及び凝縮蒸発部とから成る少なくとも２個の
   気密吸着容器と、 回転軸の周りを回転することですべての加熱吸
   着部が第１の回転帯域内に、かつ、前期回転帯域
   から半径方向に一定間隔を保ち、かつ、前記第１
   の回転帯域とは分離したすべての凝縮蒸発部が第
   ２の回転帯域内にある前記吸着容器と、 別個の熱担体流が通過する定常流れ区分に分離
   されている前記各回転帯域と、 熱放出及び熱吸着をなす熱担体流で交互に熱交
   換するために回転可能な前記各回転帯域及び同一
   の熱担体流で熱交換する隣接する各吸着容器とか
   らなることを特徴とする吸着装置。 ２ 前記各回転帯域内の前記熱担体流の混合を遮
   断する手段と、再生型回転式熱交換器の方法によ
   り前記回転吸着容器間の複数の定位置熱担体区分
   を相互に分離密封をする手段と、前記熱担体流の
   助力で前記吸着容器に回転力を導入する手段及び
   前記吸着容器内で前記駆動物質を置換することに
   より前記回転軸の周りに回転力を付与する手段と
   で構成された前記吸着容器たる前記特許請求の範
   囲第１項に記載の吸着装置。 ３ 前記吸着物質をゼオライト類、活性炭類、シ
   リカゲル類、ベントナイト類、乾燥塩類及び金属
   水酸化物類からなる群から選択し、かつ、駆動物
   質を水、メタノール、アンモニア、炭化水素のフ
   ルオロクロロ置換体類及び水素からなる群から選
   択した特許請求の範囲第１項に記載の吸着装置。 ４ 前記乾燥塩類を前記吸着容器外面で用いるこ
   との可能な特許請求の範囲第１項に記載の吸着装
   置。 ５ 前記吸着容器を通風気機モーター及びその駆
   動で回転する特許請求の範囲第１項に記載の吸着
   装置。 ６ 前記吸着容器が回転軸の周りを完全に１回転
   する間に、すべての前記加熱吸着部は沸騰、冷
   却、吸着及び加熱目的でそれぞれ分離した流れ区
   分を通過し、一方前記凝縮蒸発部は凝縮、冷却、
   蒸発及び加熱目的でそれぞれ分離した流れ区分を
   通過する特許請求の範囲第１項に記載の吸着装
   置。 ７ 前記各熱担体流は、前記流れ区分の予め定め
   られた位置により冷却及び加熱目的で前記流れ区
   分と前記熱担体流との間に熱交換をなす熱交換手
   段を具備する特許請求の範囲第６項に記載の吸着
   装置。 ８ 前記流れ区分内の前記熱担体流は温度勾配の
   ある回転する吸着容器に流れる特許請求の範囲第
   １項に記載の吸着装置。 ９ 前記熱担体流は相異る目的で複数の流れ区分
   を介して継続的に流れる特許請求の範囲第１項に
   記載の吸着装置。 １０ 前記吸着容器の回転数を個々の熱担体流の
   温度及び前記吸着容器の温度の少なくとも１つに
   基づいて制御する特許請求の範囲第１項に記載の
   吸着装置。 １１ 複数の前記熱担体流の温度の少なくとも１
   つ及び前記吸着装置の操作態様の変化を防止する
   ために、複数の前記回転帯域内の前記流れ区分を
   置換する手段を具備する特許請求の範囲第１項に
   記載の吸着装置。 １２ 選択的加熱及び冷却手段として、沸騰目的
   には高温の前記熱担体流を前記流れ区分内に供給
   し、冷却目的には蒸発目的で前記流れ区分からの
   前記熱担体流を用い、一方、凝縮及び／又は吸着
   目的で前記流れ区分からの前記熱担体流を加熱に
   好適に使用する特許請求の範囲第１項に記載の吸
   着装置。 １３ 蒸発及び沸騰目的で前記流れ区分を平均温
   度の複数の熱担体流で供給し、かつ、吸着目的で
   は高温の複数の熱担体流を前記流れ区分により利
   用できる特許請求の範囲第１項に記載の吸着装
   置。 １４ ヒートパイプ効果を有する熱交換手段を、
   冷却されるべき前記熱担体流を蒸発及び／又は沸
   騰目的で前記流れ区分を介して供給し、かつ、加
   熱されるべき前記熱担体流を吸着及び／又は凝縮
   目的で前記流れ区分を介して供給する吸着装置に
   使用する特許請求の範囲第１項に記載の吸着装
   置。 １５ 再生型熱交換器を、冷却されるべき前記熱
   担体流を沸騰及び／又は凝縮目的で前記流れ区分
   を介して供給し、かつ、加熱されるべき前記熱担
   体流を吸着及び／又は蒸発目的で前記流れ区分を
   介して供給する吸着装置に使用する特許請求の範
   囲第１項に記載の吸着装置。 １６ 前記複数の熱担体流を、相異なる目的で複
   数の前記流れ区分を介して同時に流す特許請求の
   範囲第１項に記載の吸着装置。