JP5125726B2 - 車両用化学蓄熱システム及び車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の走行に伴い生じる熱を有効利用するための車両用化学蓄熱システム及び車両に関する。
電気自動車において、緊急時に駆動用バッテリに充電するための補助エンジンと、暖房用に温水を加熱する燃焼器と、高温温水を利用して熱を蓄える蓄熱器とを備え、補助エンジンの始動の際に蓄熱器の蓄えた温水を補助エンジンに供給して補助エンジンを予熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンジン駆動とモータ駆動とを組み合わせたハイブリッド車において、冷却水の一部を保温保持する蓄熱器を備え、車両始動時における蓄熱器内の冷却水温がエンジン内の冷却水温よりも高い場合に蓄熱器からエンジンに冷却水を供給して暖気し、当座の間はモータ駆動によって車両を走行させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−11731号公報 特開2002−122061号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、熱を顕熱として蓄える顕熱蓄熱器を用いているため、長期間に亘り蓄熱状態を維持することができず、また蓄えた温水又は冷却水の温度以上の温度への加熱ができない。
本発明は、上記事実を考慮して、長期間に亘って安定的に蓄熱でき、かつ高温が要求される加熱対象の加熱が可能となる車両用化学蓄熱システムを得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、車両に搭載された内燃機関の排気熱により脱水反応を行って蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材が内蔵された反応器と、前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる水凝縮部と、吸着材が内蔵された吸着器と、前記吸着器で吸着される吸着質を蒸発させるための吸着質蒸発部と、前記吸着器から脱着され吸着質を凝縮させるための吸着質凝縮部とを含み、かつ前記吸着器及び吸着質蒸発部の組を少なくとも2組有する吸着式ヒートポンプ型空調装置と、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着器で生じた吸着熱を加熱熱源として水を蒸発させることで、前記反応器に前記水和反応のための水蒸気を供給するための水蒸発部と、前記車両の走行時に前記内燃機関の排気熱を前記反応器に蓄熱させ、前記車両の停止の際に2組の前記吸着器がそれぞれ前記吸着質を脱着するように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御し、前記車両始動の際に一の前記吸着器の吸着熱で他の吸着器用の吸着質蒸発部を加熱して吸着質を蒸発させ、かつ該他の吸着器の吸着熱が前記水蒸発部に加熱熱源として供給されるように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御する制御装置と、を備えている。
請求項1、2記載の車両用化学蓄熱システムでは、反応器の化学蓄熱材は、内燃機関の排気熱が付与されることで、脱水反応を生じつつ蓄熱する。この熱を放出する際には、吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着質蒸発部において低位熱源によって蒸発させた吸着質を吸着器に供給する。すると、吸着器では吸着熱が生じ、この吸着熱によって水蒸発部において水が蒸発され、得られた水蒸気が反応器に供給される。これにより、化学蓄熱材の水和反応が生じ、該化学蓄熱材に蓄えられていた熱が放出される。
ここで、本車両用化学蓄熱システムでは、脱水、水和反応により蓄熱・放熱を行う化学蓄熱材を用いるので、長期間に亘り安定的に蓄熱することができる。そして、本車両用化学蓄熱システムでは、車両用空調装置である吸着式ヒートポンプ型空調装置をヒートポンプとして利用して蒸発器での蒸発潜熱を確保する構成であるため、例えば環境温度で水を蒸発させる構成と比較して、蒸発部から反応部に供給される水蒸気圧(量)を増大させることができる。
このように、請求項1、2記載の車両用化学蓄熱システムでは、長期間に亘って安定的に蓄熱でき、かつ高温が要求される加熱対象の加熱が可能となる。しかも、本車両用化学蓄熱システムに専用のヒートポンプを備えることなく、例えば低温環境下においても蒸発部から反応器へ水蒸気を供給することができる。
また、請求項1、2記載の車両用化学蓄熱システムでは、制御装置は、適用された車両の走行時に反応器の化学蓄熱材に蓄熱させ、該車両の始動の際には吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御して、吸着器の吸着熱を蒸発部に伝達させる。すると、水蒸発部で水が蒸発されて得られた水蒸気が反応器に供給され、該反応器内の化学蓄熱材が放熱することで、加熱対象が加熱される。これにより、例えば低温環境下において、加熱や昇温が要求される加熱対象を短時間で加熱、昇温することができる。
そして、請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、制御手段は、適用された車両の走行時に反応器の化学蓄熱材に蓄熱させ、該車両の停止時には、吸着式ヒートポンプ型空調装置の2組の吸着器から吸着剤を脱着させる。すなわち、2つの吸着器に蓄熱する。そして、車両の始動の際には、吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御して、低位熱源により蒸発された吸着質を第1の吸着器に吸着させることで生じた吸着熱を、第2の吸着器用の吸着質蒸発部に伝え、より高温で蒸発された(より高圧の)吸着質を第2の吸着器に吸着させることで生じた吸着熱を水蒸発部に伝達させる。すると、水蒸発部で水が環境温度で蒸発して得られたより高圧の水蒸気が反応器に供給され、該反応器内の化学蓄熱材がより高温で放熱することで、加熱対象が加熱される。
このように、本車両用化学蓄熱システムでは、2段階で昇温された吸着熱(伝達媒体)が水蒸発部に加熱熱源として供給されるので、水蒸発部での発生水蒸気圧が高くなる。これにより、例えば低温環境下において、加熱や昇温が要求される加熱対象をより効果的に加熱、昇温することができる。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、車両に搭載された内燃機関の排気熱により脱水反応を行って蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材が内蔵された反応器、及び前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる水凝縮部の組を少なくとも2組有して構成された化学蓄熱部と、吸着材が内蔵された吸着器と、前記吸着器で吸着される吸着質を蒸発させるための吸着質蒸発部と、前記吸着器から脱着され吸着質を凝縮させるための吸着質凝縮部とを含み、かつ前記吸着器及び吸着質蒸発部の組を少なくとも2組有する吸着式ヒートポンプ型空調装置と、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着器で生じた吸着熱を加熱熱源として水を蒸発させることで、前記反応器に前記水和反応のための水蒸気を供給するための水蒸発部と、前記車両の走行時に前記内燃機関の排気熱を前記反応器に蓄熱させ、前記車両の停止の際に2組の前記吸着器がそれぞれ前記吸着質を脱着するように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御し、前記車両始動の際に一の前記吸着器の吸着熱が一の前記反応器用の水蒸発部に加熱熱源として供給され、該一の反応器での水和反応に伴う反応熱が他の前記吸着器用の吸着質蒸発部に加熱熱源として供給され、該他の吸着器の吸着熱が他の前記反応器用の水蒸発部に加熱熱源として供給されることで、該他の反応器の反応熱で前記加熱対象が加熱されるように、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置及び前記化学蓄熱部を制御する制御装置と、を備えている。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、制御手段は、適用された車両の走行時に各反応器の化学蓄熱材に蓄熱させ、該車両の停止時には、吸着式ヒートポンプ型空調装置の2組の吸着器から吸着剤を脱着させる。すなわち、2つの吸着器に蓄熱する。そして、車両の始動の際には、吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御して、低位熱源により蒸発された吸着質を第1の吸着器に吸着させることで生じた吸着熱を、第1の反応器用の蒸発部に伝え、該蒸発部で生じた水蒸気を第1の反応器に供給することで生じた該反応器の反応熱を、第2の吸着器用の吸着質蒸発部に伝達させる。すると、該吸着質蒸発部においてより高温で蒸発された(より高圧の)吸着質が第2の吸着器に吸着されることで、より高温の吸着熱が得られ、この吸着熱がさらに第2の反応器用の水蒸発部に伝達される。すると、水蒸発部で水が環境温度で蒸発されて得られたより高圧の水蒸気が第2の反応器に供給され、該第2の反応器内の化学蓄熱材がより高温で放熱することで、加熱対象が加熱される。
このように、本車両用化学蓄熱システムでは、3段階で昇温された吸着熱(伝達媒体)が水蒸発部に加熱熱源として供給されるので、水蒸発部での発生水蒸気圧が高くなる。これにより、例えば低温環境下において、加熱や昇温が要求される加熱対象をより効果的に加熱、昇温することができる。
請求項3記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項1又は請求項2記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記反応器と前記水凝縮部と前記水蒸発部とを連通する水蒸気系統は、予め大気圧未満に減圧されている。
請求項3記載の車両用化学蓄熱システムでは、反応器と水凝縮部と水蒸発部との連通部分すなわち水蒸気の移動範囲が減圧されているので、水蒸発部における水の蒸発が促進される。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記加熱対象を加熱するための反応器の熱を前記2つの吸着器の少なくとも一方に伝えるための熱回収装置をさらに備え、前記制御装置は、前記加熱対象の加熱が終了した後に、前記加熱対象を加熱するための反応器への水蒸気の供給が停止されると共に、該反応器の余熱が前記2つの吸着器の1つに伝えられるように、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置及び熱回収装置を制御する。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、制御手段は、加熱対象の加熱後に、少なくとも2つの反応器の1つに対し、反応器(第2の反応器)の余熱によって、吸着質の脱着を生じさせる。これにより、1つの吸着質が蓄熱状態(吸着可能状態)、他の1つの吸着器が放熱状態とされ、交互運転による空調維持が可能な状態に復帰される。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項〜請求項の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記車両は、前記内燃機関の排気ガスを浄化するための排気触媒を有しており、前記排気触媒が前記加熱対象とされている。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、上記の如く吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着器で生じる吸着熱によって水蒸発部で発生する水蒸気圧力を高くすることができるため、反応器の化学蓄熱材の放熱により高温の熱を得ることができる。このため、高温(例えば300℃)で反応活性が良好となる排気触媒の加熱を、化学蓄熱材に蓄えた熱にて有効に行うことが可能になる。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記車両は、走行用の駆動力を発揮するモータと、前記モータに電力を供給するバッテリとを備えたハイブリッド車両であり、前記バッテリが前記加熱対象とされている。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、化学蓄熱材が蓄熱していた熱によって、一般に低温での出力密度が低いバッテリが車両始動の際に加熱されるので、該バッテリの出力密度が増大される。これにより、本車両用化学蓄熱システムが適用された車両では、モータによる低温始動性が向上する。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置は、前記内燃機関の冷却水からの熱供給によって前記吸着器から吸着質が脱着されるように構成されており、前記水蒸発部は、前記内燃機関の冷却水を介して前記吸着器の吸着熱が水の加熱熱源として供給されるようになっている。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、吸着式ヒートポンプ型空調装置から水蒸発器への伝熱媒体として内燃機関の冷却水を用いるので、本車両用化学蓄熱システムに専用の伝熱媒体循環系を備えることなく、反応器の化学蓄熱材に放熱させることが可能になる。
請求項記載の発明に係る車両用化学蓄熱システムは、請求項1〜請求項の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムにおいて、前記水蒸発部は、前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる前記水凝縮器の機能を兼ね備える。
請求項記載の車両用化学蓄熱システムでは、水蒸発部が水蒸気の凝縮器能をかねるため、換言すれば、水蒸発器と水凝縮器とが一体化されているので、システム全体の構造が簡素化される。
請求項9記載の車両は、請求項1〜請求項8の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムを備えている。
以上説明したように本発明に係る車両用化学蓄熱システムは、長期間に亘って安定的に蓄熱でき、かつ高温が要求される加熱対象の加熱が可能となるという優れた効果を有する。
以下、第1、第2の実施形態とあるのは、第1、第2参考例と読み替えるものとする。また、第3、第4実施形態とあるのは、第1、第2の実施形態と読み替えるものとする。
本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10について、図1〜図9に基づいて説明する。先ず、車両用化学蓄熱システム10が適用された車両としての自動車11の熱系統について簡単に説明し、次いで、車両用化学蓄熱システム10について説明することとする。
(自動車の概要)
図1には、自動車11に適用された車両用化学蓄熱システム10の概略全体構成がシステム構成図にて示されている。この図に示される如く、自動車11は、内燃機関としてのエンジン12と、電気モータであるモータ14とを備えている。すなわち、自動車11は、エンジン12とモータ14とを備えたハイブリッド車とされており、モータ14に電力を供給するためのインバータ(パワーコントロールユニット)15、バッテリ16をさらに備える。この実施形態では、エンジン12及びモータ14の双方に車両走行のための駆動力を生じさせ得るパラレル式のハイブリッド車とされている。
また、自動車11は、エンジン12からの排気ガスを浄化して大気放出する排気系18を備えている。排気系18は、一端がエンジン12に接続されると共に他端が大気開放端20Aとされた排気ライン(排気管)20と、排気ライン20におけるエンジン12側に設けられた排気触媒としての触媒コンバータ22とを有する。図示は省略するが、排気系18には、排気音を低減するための消音装置が排気ライン20における触媒コンバータ22の下流側に設けられている。
さらに、自動車11は、エンジン12を冷却するためのエンジン冷却系24を備えている。エンジン冷却系24は、エンジン12、ラジエータ28の順でエンジン冷却水を循環させるための冷却水循環ライン30、冷却水循環ライン30におけるエンジン12の直上流に設けられエンジン冷却水に駆動力を付与するウォータポンプ32と、ラジエータ28をバイパスするバイパスライン34とを含んで構成されている。この実施形態におけるウォータポンプ32は、エンジン12の駆動力で作動する機械式のポンプとされている。
この実施形態では、冷却水循環ライン30におけるラジエータ28とウォータポンプ32との間へのバイパスライン34の合流部分には、3ポート弁36が設けられている。3ポート弁36は、冷却水循環ライン30にのみエンジン冷却水が流通される状態と、バイパスライン34によってラジエータ28が完全にバイパスされる状態と、ラジエータ28とバイパスライン34とにエンジン冷却水が流れる割合を調整する状態とをとり得る構成とされている。
またさらに、自動車11は、車両用空調装置38を備えている。車両用空調装置38は、吸着式ヒートポンプ型空調装置とされている。具体的には、車両用空調装置38は、第1吸着器40及び第1蒸発凝縮器42の組と、第2吸着器44、第2蒸発凝縮器46の組とを有して構成されている。第1吸着器40、第2吸着器44は、それぞれ吸着質を吸脱着可能な吸着材を内蔵して構成されており、該吸着材による吸着質の吸着に伴い吸着熱を放出し、脱着熱の供給を受けて吸着質を脱着させる(蓄熱する)ようになっている。この実施形態では、吸着質として水蒸気が用いられている。また、第1吸着器40、第2吸着器44を構成する吸着材の吸着等温泉は、図8に示す通りである。
これら第1吸着器40、第2吸着器44は、吸着材とエアコン熱媒又はエンジン冷却水との熱交換器として構成されている。この実施形態では、エンジン冷却水、エアコン熱媒として、同種の流体(LLC)が用いられている。
より具体的には、車両用空調装置38は、エンジン冷却系24の冷却水循環ライン30から分岐され、第1吸着器40、第2吸着器44にエンジン冷却水を導入するエンジン冷却水導入ライン48と、第1吸着器40、第2吸着器44からのエンジン冷却水を冷却水循環ライン30に戻すエンジン冷却水戻しライン50とを有する。エンジン冷却水導入ライン48、エンジン冷却水戻しライン50は、第1吸着器40、第2吸着器44が冷却水循環ライン30に対しそれぞれ並列となるように設けられている。
また、冷却水循環ライン30とエンジン冷却水導入ライン48との分岐部には、3ポート弁52が設けられている。さらに、第1吸着器40、第2吸着器44におけるエンジン冷却水導入ライン48の接続部分には、3ポート弁54、56が設けられており、第1吸着器40、第2吸着器44におけるエンジン冷却水戻しライン50の接続部分には、3ポート弁58、60が設けられている。
3ポート弁54、56、58、60の残余のポートには、第1吸着器40、第2吸着器44にエアコン熱媒を循環させるためのエアコン熱媒循環ライン62が、該第1吸着器40と第2吸着器44とが並列となる(独立してエアコン熱媒を循環し得る)ように接続されている。エアコン熱媒循環ライン62には、空調用エアとの熱交換器である室内熱交換器64、エアコン熱媒を循環させる駆動用の熱媒ポンプ66が設けられている。
車両用空調装置38は、その運転中(暖房モード)には、後述するECU140による3ポート弁54、56、58、60の制御によって、第1吸着器40、第2吸着器44の何れか一方にエンジン冷却水導入ライン48、エンジン冷却水戻しライン50を介してエンジン冷却水が流通し(エンジン冷却水と吸着材との熱交換が行われ)、他方にエアコン熱媒循環ライン62を介してエアコン熱媒が流通する(エアコン熱媒と吸着材との熱交換が行われる)ようになっている。なお、この実施形態では、車両用空調装置38における冷房モードで運転するための構成の図示、説明を省略している。
第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46は、それぞれ水を蒸発させて吸着質である水蒸気を発生させる蒸発器(本発明における吸着質蒸発器として)の機能と、水蒸気を凝縮させて水にする凝縮器の機能と、凝縮した水を貯留する水タンクの機能とを兼ね合わせた構成とされている。なお、車両用空調装置38は、これらの3機能の一部を別体に分けて構成しても良い。
第1蒸発凝縮器42は、その水系の空間が、開閉弁68を有する水蒸気ライン70を介して第1吸着器40における吸着材が充填された空間に連通されている。これにより、第1蒸発凝縮器42は、第1吸着器40の吸着材による吸着用の水蒸気を該第1吸着器40に供給し、また第1吸着器40の吸着材から脱着された水蒸気を凝縮させて貯留するようになっている。同様に、第2蒸発凝縮器46は、その水系の空間が、開閉弁72を有する水蒸気ライン74を介して第2吸着器44における吸着材が充填された空間に連通されている。これにより、第2蒸発凝縮器46は、第2吸着器44の吸着材による吸着用の水蒸気を該第2吸着器44に供給し、また第2吸着器44の吸着材から脱着された水蒸気を凝縮させて貯留するようになっている。この実施形態では、第1吸着器40と第1蒸発凝縮器42との連通空間、第2吸着器44と第2蒸発凝縮器46との連通空間は、それぞれ大気圧に対し減圧(この実施形態では真空脱気)されている。
また、第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46は、その内部の水又は水蒸気と熱交換媒体としての冷却水との熱交換によって、水の蒸発潜熱が付与され又は水蒸気の凝縮熱を放出するようになっている、具体的には、車両用空調装置38は、第1蒸発凝縮器42と第2蒸発凝縮器46とが並列となる(独立して冷却水を循環し得る)ように設けられた冷却水循環ライン76を有する。冷却水循環ライン76には、冷却水と外気との熱交換器である室外熱交換器(サブラジエータ)78と、冷却水を循環させる駆動用の冷却水ポンプ80とが設けられている。
この冷却水循環ライン76における第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46の出入口には、それぞれ3ポート弁82、84、86、88が設けられている。第1蒸発凝縮器42の出口部に設けられた3ポート弁84の残余のポートは、第1直列用ライン90を介して第2蒸発凝縮器46の入口部に設けられた3ポート弁138の残余のポートに接続されている。また、第2蒸発凝縮器46の出口部に設けられた3ポート弁88の残余のポートは、第2直列用ライン92を介して第1蒸発凝縮器42の入口部に設けられた3ポート弁82の残余のポートに接続されている。これにより、車両用空調装置38は、後述するECU140による3ポート弁82、84、86、88の制御によって、第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46の何れか一方と室外熱交換器78とに冷却水が循環する状態と、室外熱交換器78、第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46の順で冷却水が循環する状態と、室外熱交換器78、第2蒸発凝縮器46、第1蒸発凝縮器42の順で冷却水が循環する状態とを切り替え得る構成とされている。
以上説明した車両用空調装置38は、その運転中(暖房モード又は冷房モード)には、第1吸着器40で水蒸気を吸着すると共に第2吸着器44で水蒸気を脱着(再生)させる状態と、第1吸着器40で水蒸気を脱着(再生)させると共に第2吸着器44で水蒸気をする状態とが交互に切り替わる構成とされている。この車両用空調装置38は、暖房モードでは、第1吸着器40又は第2吸着器44の吸着熱のエアコン熱媒への放出熱を暖房に供する構成とされている。具体的には、図3に例示する如く、吸着熱を放熱する第1吸着器40(第1蒸発凝縮器42)、室内熱交換器64の順でエアコン熱媒を循環することで暖房モードを実行するようになっている。
車両用空調装置38の暖房運転(後述する低温始動用の運転を含む)のサイクルを図7(A)に、冷房運転のサイクルを図7(B)に示す。図7(A)は、下側の等温線が吸着を示しており、吸着熱がエアコン冷媒を介して室内熱交換器64に伝達されることで、空調用空気が加熱されるようになっている。図7(B)は、下側の等温線が吸着を示しており、この吸着に要する水蒸気を発生するための蒸発潜熱が空調用空気から奪われることで該空調用空気が冷却されるようになっている。図7から、図8に示す吸着等温線における吸着材1グラム当たりの水蒸気の吸着量V[g/g]と平衡圧力との直線性の良好な範囲を用いてサイクルが構成されていることが解る。
(車両用化学蓄熱システムの構成)
車両用化学蓄熱システム10は、以上説明した自動車11に適用され、図5(A)に模式的に示される如く排気系18の排気熱を蓄熱し、図5(B)に模式的に示される如く所要の場合に蓄熱した熱を放熱させることで、自動車11を構成する加熱対象(例えばバッテリ16や触媒コンバータ22等)を加熱するようになっている。この実施形態では、後述する如く、自動車11の低温始動の際にバッテリ16を加熱する構成とされている。以下、具体的に説明する。
車両用化学蓄熱システム10は、容器内に化学蓄熱材が充填された反応器94を備えている。反応器94内の化学蓄熱材は、脱水に伴って蓄熱(吸熱)し、水和(水酸化カルシウムへの復原)に伴って放熱(発熱)する構成とされている。この実施形態では、化学蓄熱材として、アルカリ土類金属水酸化物の1つである水酸化カルシウム(Ca(OH))が採用されている。したがって、反応器94内では、以下に示す反応で蓄熱、放熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
Ca(OH) ⇔ CaO + H
この式に蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、
Ca(OH) + Q → CaO + H
CaO + HO → Ca(OH) + Q
となる。
また、車両用化学蓄熱システム10は、反応器94に排気系18の排気ライン20から排気熱、すなわち高温の排気ガスを導入するための排気供給ライン96、反応器94から排気ライン20に排気ガスを戻す排気戻しライン98を備えている。排気供給ライン96には開閉弁100が設けられ、排気戻しライン98には開閉弁102が設けられている。これにより、開閉弁100、102が共に開放されている場合には反応器94に排気ガスの一部が流通され、開閉弁100、102が共に閉止されている場合には反応器94に排気ガスが導入されない構成とされている。
すなわち、この実施形態における反応器94は、化学蓄熱材と排気ガスとの熱交換器として捉えることができる。なお、この実施形態では、自動車11の運転中(蓄熱モードの実行中)における化学蓄熱材の温度が略450℃になるように、排気ガスの反応器94への流通量(割合)が設定されている。この設定は、排気ライン20と反応器94側との圧力損失のバランス等で設定されても良く、後述するECU140にて開閉弁100、102の開度を調整することで設定されても良い。化学蓄熱材の温度を略450℃とするのは、500℃以上で生じやすくなる化学蓄熱材の劣化(潮解等)を抑制するためである。
さらに、車両用化学蓄熱システム10は、反応器94内の化学蓄熱材が放出した熱を加熱対象に供給するための伝熱構造としての加熱エアライン104を備えている。加熱エアライン104は、一端がブロア105に接続されており、中間部に反応器94内の化学蓄熱材と熱交換可能な熱交換部、加熱対象としてのバッテリ16との熱交換部が設けられている。加熱エアライン104の他端は、大気開放端104Aとされている。
またさらに、車両用化学蓄熱システム10は、反応器94内の化学蓄熱材の脱水反応に伴い生じた水蒸気を凝縮するための凝縮器106を備えている。凝縮器106は、開閉弁108が設けられた水蒸気回収ライン110を介して反応器94の内部(化学蓄熱材の充填室)に連通されている。凝縮器106は、冷媒としての水蒸気冷却液と反応器94から流入した水蒸気との熱交換によって、該水蒸気を凝縮させる熱交換器とされている。
水蒸気冷却液は、凝縮器106とサブラジエータ112とを結ぶ冷却液循環ライン114をリキッドポンプ116の動力で循環するようになっている。これにより、凝縮器106にて供給された凝縮熱がサブラジエータ112にて放出されるようになっている。サブラジエータ112は、外気と冷却液との熱交換器であるため、凝縮器106は、水蒸気を略40℃以下に冷却することができる。
以上説明した凝縮器106は、開閉弁118が設けられた水回収ライン120を介して水タンク122に連通されている。水タンク122は、凝縮器106にて凝縮された水を液体のまま貯留するようになっている。
さらに、車両用化学蓄熱システム10は、反応器94内に化学蓄熱材に水和反応を生じさせるための水蒸気を供給する水蒸発器としての蒸発器124を備えている。蒸発器124は、水ポンプ126が設けられた水供給ライン128を介して水タンク122に連通されると共に、開閉弁130が設けられた水蒸気供給ライン132を介して反応器94の内部(化学蓄熱材の充填室)に連通されている。車両用化学蓄熱システム10では、水ポンプ126の駆動力により蒸発器124に供給された水が該蒸発器124において熱媒と熱交換されることによって蒸発され、反応器94内に供給されるようになっている。
この実施形態では、反応器94における化学蓄熱材の充填空間、開閉弁108を含む水蒸気回収ライン110、凝縮器106、開閉弁118を含む水回収ライン120、水タンク122、水ポンプ126を含む水供給ライン128、蒸発器124、開閉弁130を含む水蒸気供給ライン132で構成される水蒸気系統としての水・水蒸気循環ライン134は、予め真空脱気されている。したがって、反応器94、凝縮器106、蒸発器124は、その機能を発揮するための反応、熱交換が行われていない状態では、それぞれの内圧が大気圧と比較して十分に小さい構成とされている。
これにより、蒸発器124では、低温の熱媒と液相の水との熱交換によって、該液相の水を蒸発させて水蒸気にすることができる構成とされている。この実施形態では、蒸発器124は、エンジン冷却水を熱媒(低温熱源)として、水タンク122から供給された水を蒸発させるようになっている。
したがって、車両用化学蓄熱システム10は、蒸発器124にエンジン冷却水を導く低温熱媒ライン136を備えている。この実施形態では、低温熱媒ライン136は、エンジン冷却系24の冷却水循環ライン30におけるラジエータ28の下流側から分岐されると共に、蒸発器124の熱媒流路を経由して、車両用空調装置38のエアコン熱媒循環ライン62における室内熱交換器64の上流(第1吸着器40、第2吸着器44の下流)に合流している。これにより、車両用化学蓄熱システム10は、第1吸着器40又は第2吸着器44を通過したエンジン冷却水(エアコン冷媒)を蒸発器124に導入可能に構成されている。
また、冷却水循環ライン30における低温熱媒ライン136の分岐部分には、3ポート弁138が設けられている。3ポート弁138は、低温熱媒ライン136と冷却水循環ライン30との間を開閉する機能と、冷却水循環ライン30におけるラジエータ28の下流部分を開閉する機能とを有する構成とされている。
さらに、車両用化学蓄熱システム10は、制御装置としてのECU140を備えている。ECU140は、図2に示される如く、開閉弁68、72、100、102、108、118、130、3ポート弁36、52〜60、82〜88、136、熱媒ポンプ66、冷却水ポンプ80、ブロア105、リキッドポンプ116、水ポンプ126のそれぞれに電気的に接続されており、これらの作動を制御するようになっている。ECU140は、自動車11の図示しないスタートスイッチ(運転制御ECUやメインコントローラ)や外気温センサ等にも電気的に接続されており、車両の走行状態や外気温等の情報に基づいて上記した各制御対象を制御するようになっている。
この実施形態では、ECU140は、自動車11の走行時には、反応器94の化学蓄熱材への蓄熱が行われる蓄熱モードを実行するように、上記した各制御対象を制御するようになっている。具体的には、図3に示される如く、開閉弁100、102、108、118を開放させ、リキッドポンプ116を作動させる一方、3ポート弁138の蒸発器124側のポート、開閉弁130を閉止させ、ブロア105、水ポンプ126を停止状態に維持するようになっている。なお、各図に示す弁類の黒塗りで示すポートは、該ポートが閉止されている状態を示している。この車両走行中には、車両用空調装置38は乗員の所望のモード又はオートモード等で作動されるようになっている。図3は、車両用空調装置38が暖房モードで運転されている状態を示している。
一方、ECU140は、自動車11の低温環境下での始動時(低温始動時におけるモータ14の作動前)には、反応器94内の化学蓄熱材が放熱を行うと共に、該反応器94から放熱された熱がバッテリ16に導かれる放熱モードを実行するように、上記した各制御対象を制御するようになっている。具体的には、図4に示される如く、開閉弁100、102、108、118を閉止させ、リキッドポンプ116を停止させる一方、開閉弁130を開放させると共にブロア105、水ポンプ126を作動させ、かつ第1吸着器40(又は第2吸着器44)、バイパスライン34、蒸発器124(低温熱媒ライン136)、室内熱交換器64の順でエンジン冷却水(エアコン冷媒)が循環されるように3ポート弁36、54〜60を切り替え、駆動用の熱媒ポンプ66を作動すると共に、第1蒸発凝縮器42(又は第2蒸発凝縮器46)に冷却水が循環されるように3ポート弁82〜88を切り替え、駆動用の冷却水ポンプ80を作動するようになっている。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用化学蓄熱システム10では、ECU140は、自動車11の運転中には、図3に示される如き蓄熱モードを実行する。すると、排気系18の排気ライン20から排気供給ライン96を経由して反応器94に高温の排気ガスが導かれ、該排気ガスからの熱供給を受けて反応器94内の化学蓄熱材が脱水反応を生じ、排気熱が化学蓄熱材に蓄熱される。
この蓄熱モード実行の際、反応器94で化学蓄熱材から脱水された水である水蒸気は、水蒸気回収ライン110を介して凝縮器106に流入され、該凝縮器106で冷却液循環ライン114を循環する冷却液との熱交換により冷却、凝縮される。水蒸気の凝縮熱で加熱された冷却液は、サブラジエータ112にて冷却される。また、凝縮器106で凝縮された水は、水回収ライン120を介して水タンク122に回収される。
以上により、車両用化学蓄熱システム10が適用された自動車11では、その走行(エンジン12の作動)に伴い生じる排気ガスの排気熱を反応器94に蓄熱する。なお、例えばモータ14による走行モード(エンジン12がバッテリ16の充電用途にも運転されない場合など)には、蓄熱モードは停止(休止)する。
また、車両用化学蓄熱システム10では、ECU140は、外気温が所定の閾値を下回る低温環境下で自動車11が始動される場合には、図4に示される如き放熱モードを実行する。すると、水タンク122内の水が水ポンプ126の駆動力によって蒸発器124に導かれると共に、車両用空調装置38の第1吸着器40(又は第2吸着器44)を通過したエアコン熱媒(エンジン冷却水)が熱媒ポンプ66の駆動力によってエンジン冷却水戻しライン50、冷却水循環ライン30、バイパスライン34、低温熱媒ライン136を経由して蒸発器124に導かれる。このエアコン熱媒との熱交換によって、水タンク122から導入された水は蒸発され、これにより生じた水蒸気が水蒸気供給ライン132を介して反応器94内に供給される。
すると、反応器94内の化学蓄熱材は、水蒸気との接触に伴い水和反応を行いつつ放熱する。この熱は、ブロア105により加熱エアライン104を流れる空気に供給され、該加熱空気によってバッテリ16が加熱される。ECU140は、例えば暖気開始からの経過時間、バッテリ16の温度、加熱エアライン104内の空気の温度変化の何れか1つに基づいて、バッテリ16が十分に加熱されたと判断すると、モータ14の始動許可信号をメインコントローラ等に出力する。すなわち、バッテリ16の暖機を終了する。この後、ECU140は、車両用空調装置38が蒸発器124から縁切られると共に、第1吸着器40(又は第2吸着器44)の吸着熱が室内熱交換器64に導かれるように、3ポート弁82〜88を切り替えることで、放熱モードから通常の暖房モードに移行する。
ここで、車両用化学蓄熱システム10では、脱水、水和反応により蓄熱・放熱を行う化学蓄熱材を用いて蓄熱・放熱を行うため、長期間に亘り安定的に蓄熱することができる。また、車両用空調装置38を利用して(低温の熱を汲み上げて)生じさせた水蒸気により化学蓄熱材に水和反応を生じさせるので、化学蓄熱材を高温で放熱させることができる。特に、車両用化学蓄熱システム10では、反応器94、凝縮器106、蒸発器124を連通する水・水蒸気循環ライン134が減圧(真空脱気)されているので、低温熱源によって十分な蒸発量を得ることができ、十分な熱量を得ることができる。
上記したように低温熱源から高温を得る点について、図6(A)に示すサイクル図にて補足する。図6(A)には、PT線図に示された圧力平衡点における車両用化学蓄熱システム10のサイクルが示されている。この図において、上側の等圧線が脱水(吸熱)反応を示し、下側の等圧線が水和(発熱)反応を示している。このサイクルに示す通り、化学蓄熱材の温度が略424℃で蓄熱された場合、水蒸気は略50℃が平衡温度となる。この水蒸気は、凝縮器106にて略40℃以下に冷却されるので、凝縮されて水になることが解る。
また、図6(A)からは、蒸発器124では供給される温度に応じた圧力で水蒸気を発生させることが解る。すなわち、下側の等圧線の基点を高温側にシフトすることで、等圧線を高圧側にシフトすることができることが解り、この場合、反応器94の化学蓄熱材の蓄熱量が同じでも放熱温度が高くなることが解る。
そして、上記の如く車両用空調装置38の第1蒸発凝縮器42で汲み上げた低温の熱によって生じた水蒸気を吸着して第1吸着器40が放出する吸着熱を、蒸発器124での低温熱源として利用する車両用化学蓄熱システム10では、例えば、冷却水循環ライン30のエンジン冷却水を低温熱源として蒸発器124で用いる比較例と比較して、平衡圧力との圧力差すなわち水和反応の反応速度が大きくなるので、高い放熱温度を得ることができる。
すなわち、車両用化学蓄熱システム10では、車両用空調装置38をヒートポンプとして利用して蒸発器124で水蒸気を発生することで、例えば環境温度が0℃の場合において10℃程度の水蒸気を反応器94に供給することができる。この場合、反応器94の化学蓄熱材の放熱温度は、略350℃となり、環境温度に対し著しく高い温度を得ることができる。また、蒸発器124において環境温度(0℃)の熱源で水蒸気を発生させる図6(B)の比較例では、放熱温度が略330℃であるのに対し、車両用空調装置38をヒートポンプとして用いる車両用化学蓄熱システム10では、上記の通り略350℃の温度を発生させることができ、バッテリ16の暖気促進に寄与する。
このように、化学蓄熱材を内蔵した反応器94にて蓄熱を行う車両用化学蓄熱システム10では、図5(A)及び図5(B)にも示される如く、424℃程度で反応器94に蓄熱した場合、わずか0°の低温熱源から熱をくみ上げて、350℃の高温を得ることができる。
そして、車両用化学蓄熱システム10では、反応器94内で高温の化学蓄熱材との熱交換によって加熱された空気がブロア105によってバッテリ16に送られるので、該バッテリ16が加熱される。これにより、バッテリ16の出力密度が増大する。具体的には、バッテリ16の出力密度は、図9に示される如き温度依存性を有しており、例えば、バッテリ16の温度を環境温度0℃から10℃間で上昇させることができれば、出力密度は略1.7倍になり、また例えばバッテリ16の温度を環境温度5℃から10℃間で上昇させることができれば、出力密度は略1.5倍に増大することが解る。そして、本実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10では、略1分間弱の放熱モードの実行で、バッテリ16の温度を略10℃上昇させることができることが確かめられている。
これにより、車両用化学蓄熱システム10が適用されたハイブリッド車である自動車11は、低温環境下において、放熱モードの実行によるバッテリ16の昇温を待ってモータ14をスムースに始動させることができる。換言すれば、自動車11は、バッテリ16の出力密度が低下する低温環境下において、エンジン12に頼ることなく始動することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム150について、図10に基づいて説明する。図10には、車両用化学蓄熱システム150がシステム構成図にて示されている。この図に示される如く、車両用化学蓄熱システム150は、凝縮器106及び蒸発器124に代えて、これらの機能が集約された蒸発・凝縮器152を備える点で、第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10とは異なる。
蒸発・凝縮器152は、水蒸気ライン154を介して反応器94(化学蓄熱材の充填空間)に連通されており、該水蒸気ライン154には開閉弁156が設けられている。この車両用化学蓄熱システム150では、反応器94、蒸発・凝縮器152における水・水蒸気の貯留・流通空間、水蒸気ライン154が予め真空脱気されている。
また、蒸発・凝縮器152は、冷却液循環ライン60を循環する水蒸気冷却液との熱交換で凝縮された水を、自らの内部に貯留(保持)するようになっており、低温熱媒ライン136を流通するエンジン冷却水との熱交換によって貯留していた水を蒸発する構成とされている。したがって、蒸発・凝縮器152は、水・水蒸気の貯留・流通空間(熱交換路)と、水蒸気冷却液の流通空間と、エンジン冷却水の流通空間との3流路を有する構成とされている。
以上により、車両用化学蓄熱システム150は、開閉弁118、水回収ライン120、水タンク122、水ポンプ126、水供給ライン128を有しない構成とされている。車両用化学蓄熱システム150の他の構成は、車両用化学蓄熱システム10の対応する構成と同じである。
したがって、本発明の第2の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム150によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用化学蓄熱システム150では、凝縮器106の機能と蒸発器124の機能とを蒸発・凝縮器152に集約することで、全体として簡素なシステムとすることができる。また、ECUによる制御対象も減るので、制御系を含めシステムの簡素化を図ることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム160について、図11〜図14に基づいて説明する。図11には、車両用化学蓄熱システム160がシステム構成図にて示されている。この図に示される如く、車両用化学蓄熱システム160は、その加熱対象がバッテリ16に代えて触媒コンバータ22とされている。したがって、車両用化学蓄熱システム160は、加熱エアライン104に代えて、ブロア105の作動によって反応器94の熱(加熱空気)を触媒コンバータ22に導く加熱エアライン162を備えている。
加熱エアライン162は、反応器94との熱交換を行う熱交換部を通過した加熱空気が、触媒コンバータ22の内部に導入されて排気触媒と直接的に熱交換され、排気ライン20を介して大気開放されるように構成されている。この実施形態に係る自動車11は、モータ14及びバッテリ16を備えず、エンジン12の動力のみで走行するものであっても良い(以下、モータ14、バッテリ16に関する説明は省略する)。
また、350℃以上の温度への昇温が要求される触媒コンバータ22を加熱対象とする車両用化学蓄熱システム160は、反応器94の化学蓄熱材により高温で放熱させるように、2つの第1吸着器40、44を用いて蒸発器124に供給されるエアコン熱媒(エンジン冷却水)の温度を上昇させるように構成されている。
具体的には、車両用化学蓄熱システム160を構成する第2蒸発凝縮器46は、水・水蒸気の流路及び冷却水の流路に加え、エアコン熱媒を流通させる熱媒流路46A(図13参照)を有している。この熱媒流路46Aは、エアコン熱媒循環ライン62における第1吸着器40及び第2吸着器44(3ポート弁58、60)と室内熱交換器64との間から分岐されると共に、エンジン冷却水導入ライン48に合流された2段昇温ライン164の中間部に直列に設けられている。これにより、車両用化学蓄熱システム160の第2蒸発凝縮器46は、エアコン熱媒と水との熱交換によっても水蒸気を発生し得る構成とされている。
また、エアコン熱媒循環ライン62における2段昇温ライン164の分岐部には3ポート弁166が設けられ、エンジン冷却水導入ライン48における2段昇温ライン164の合流部には3ポート弁168が設けられている。
また、車両用化学蓄熱システム160を構成する図示しないECU140は、車両用化学蓄熱システム10を構成するECU140に対し、制御対象として、3ポート弁166、168が追加されており、減らされた制御対象はない。したがって、車両用化学蓄熱システム160におけるECU140による制御は、車両用化学蓄熱システム10のECU140における制御とは異ならされている。
詳細は本実施形態の作用と共に後述するが、車両用化学蓄熱システム160のECU140は、蓄熱モードの制御については、車両用化学蓄熱システム10の場合と同様とされている。ECU140は、この蓄熱モードを含め、後述する放熱モード以外の場合は、3ポート弁166、168の各2段昇温ライン164側のポートを閉止するようになっている。また、車両用化学蓄熱システム160のECU140は、自動車11の停止時に、2つの第1吸着器40、第2吸着器44が共に再生される(水蒸気が脱着されて蓄熱する)ように、各制御対象を制御するようになっている。
そして、車両用化学蓄熱システム160のECU140は、放熱モードにおいては、第1蒸発凝縮器42に環境温度の冷却水を流通させることで第1吸着器40にて吸着熱を生じさせると共に、該吸着熱をエアコン熱媒を介して第2蒸発凝縮器46に運搬することで第2吸着器44にてより高温の吸着熱を生じさせ、この吸着熱が蒸発器124に加熱熱源(蒸発潜熱)として供されるように、各制御対象を制御するようになっている。車両用化学蓄熱システム160の他の構成は、車両用化学蓄熱システム10の対応する構成と同じである。
次に、第3の実施形態の作用について、第1の実施形態の作用と異なる部分を主に説明する。
上記構成の車両用化学蓄熱システム160では、自動車11の走行中には、車両用化学蓄熱システム10と同様に蓄熱モードを実行し、反応器94に蓄熱する。
この自動車11が停止される(車両用空調装置38による空調維持が不要になる)と、ECU140は、第1吸着器40、第2吸着器44が共に再生される再生モードを実行する。具体的には、図12に示される如く、エンジン冷却水導入ライン48、エンジン冷却水戻しライン50を介して第1吸着器40、第2吸着器44に高温のエンジン冷却水が循環するように、3ポート弁36、52〜60、138を制御すると共に、第1蒸発凝縮器第1蒸発凝縮器42、46、室外熱交換器78に冷却水が循環するように3ポート弁82〜88、駆動用の冷却水ポンプ80を制御する。なお、この再生モードを実行するために、エンジン12を作動させても良く、ウォータポンプ32を電動ポンプとしてECU140に作動を制御させるようにしても良い。この再生モードにより、第1吸着器40、第2吸着器44は共に脱着熱相当の熱を蓄熱する。
また、車両用化学蓄熱システム160では、ECU140は、自動車11が始動される場合には、図13に示される如き放熱モードを実行する。具体的には、ECU140は、冷却水が第1蒸発凝縮器42、室外熱交換器78の順で循環されるように、3ポート弁82〜88、駆動用の冷却水ポンプ80を制御する。そして、ECU140は、図13に示される如く、エアコン冷媒(エンジン冷却水)が第1吸着器40、第2蒸発凝縮器46、第2吸着器44、バイパスライン34、蒸発器124(低温熱媒ライン136)、室内熱交換器64の順で流れるように、3ポート弁36、52〜60、138、166、168、熱媒ポンプ66を制御する。
これにより、先ず第1蒸発凝縮器42で環境温度の冷却水(低温熱源)との熱交換で該環境温度に応じた水蒸気が発生し、この水蒸気が第1吸着器40の吸着材に吸着されて生じた吸着熱により、エアコン熱媒が昇温される。このエアコン熱媒がエアコン熱媒循環ライン62、2段昇温ライン164を経て第2蒸発凝縮器46に導かれると、該エアコン熱媒との熱交換によって第2蒸発凝縮器46内の水が蒸発され、該エアコン熱媒の温度に応じた圧力の水蒸気が発生する。すなわち、第1蒸発凝縮器42よりも高圧の水蒸気が発生する。
この高圧の水蒸気が第2吸着器44にて吸着材に吸着されることで、第2吸着器44では、第1吸着器40よりも高温の吸着熱が生じる。この吸着熱によって、2段昇温ライン164、エンジン冷却水導入ライン48を経て第2吸着器44に導かれたエアコン熱媒がさらに昇温される。このように2段階で昇温されたエアコン熱媒がエンジン冷却水戻しライン50、バイパスライン34、低温熱媒ライン136を経て蒸発器124に至ると、このエアコン熱媒との熱交換によって蒸発器124内の水が蒸発され、該エアコン熱媒の温度に応じた圧力の水蒸気が発生する。これにより生じた水蒸気が水蒸気供給ライン132を介して反応器94内に供給される。
ここで、車両用化学蓄熱システム160では、2つの第1吸着器40、第2吸着器44を用いて2段階で蒸発器124に供給するエアコン熱媒を昇温するため、車両用化学蓄熱システム10と比較して高温(同じ環境温度での比較で高温)のエアコン熱媒を蒸発器124に供給することができる。これにより、蒸発器124では、より高圧の水蒸気が発生されるので、反応器94での水和反応の反応速度が速くなり、該水和反応に伴う熱がより高温で化学蓄熱材から放熱される。この実施形態では、図14に示される如く、環境温度が0℃の場合に蒸発器124での水蒸気温が略37℃となり、すなわち車両用化学蓄熱システム10と比較して平衡圧力との圧力差がより大きくなり、化学蓄熱材の放熱温度として略400℃が得られることが確かめられている。
これにより、車両用化学蓄熱システム160が適用された自動車11では、エンジン12が作動された場合に、該エンジン12の排気ガスが良好に浄化される。具体的には、この実施形態では、略1分間の放熱モードの実行で、触媒コンバータ22の温度を略350℃まで上昇させることができることが確かめられており、この場合、排気ガス中の未燃炭化水素成分が、放熱モードなしでエンジン12を始動した場合と比較して半減される。すなわち、車両用化学蓄熱システム160が適用された自動車11では、低温始動時の排気ガス浄化性能が著しく向上する。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム170について、図15〜図19に基づいて説明する。図15には、車両用化学蓄熱システム170がシステム構成図にて示されている。この図に示される如く、車両用化学蓄熱システム170は、反応器94、蒸発器124に加えて、サブ反応器172、サブ蒸発器174を備える点で、第1、第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10、160とは異なる。すなわち、車両用化学蓄熱システム170は、反応器94と蒸発器124との組と、サブ反応器172とサブ蒸発器174との組とを有する構成とされている。以下、具体的に説明する。
サブ反応器172は、反応器94とは独立して(化学蓄熱材の充填空間同士が非連通とされて)設けられている。この実施形態では、サブ反応器172は、排気ガス流路(排気供給ライン96、排気戻しライン98との接続部分)が開閉弁176、178を介して反応器94の排気ガス流路に連通されている。また、サブ反応器172は、開閉弁180を有する水蒸気回収ライン182を介して凝縮器106に連通されている。すなわち、この実施形態では、反応器94とサブ反応器172とは、脱水反応に伴い共通の凝縮器106に水蒸気を放出するようになっている。
これにより、反応器94とサブ反応器172とは、排気ガスの排気熱を同じタイミングで蓄熱するようになっている。なお、サブ反応器172は、凝縮器106から独立した専用の凝縮器に連通されても良く、反応器94とは独立して排気ライン20に連通されても良い。また、サブ反応器172は、反応器94とは独立して蓄熱モードを実行し得る構成としても良い。この実施形態では、サブ反応器172の蓄熱容量(化学蓄熱材の充填量)は、反応器94の蓄熱容量に対し小(1/4程度)とされている。
サブ蒸発器174は、開閉弁184を有する水蒸気供給ライン186を介してサブ反応器172に連通されている。この実施形態では、凝縮器106、サブ反応器172、サブ蒸発器174間についても、凝縮器106、反応器94、蒸発器124間と同様に真空脱気されており、水・水蒸気循環ライン134を構成している。
このサブ蒸発器174は、蒸発器124とは独立して水蒸気を発生し、該水蒸気をサブ反応器172に供給するようになっている。具体的には、サブ蒸発器174は、水の蒸発潜熱が低温熱媒ライン136を流れるエアコン熱媒(エンジン冷却水)から供給されるようになっている。これにより、サブ蒸発器174は、車両用化学蓄熱システム10における蒸発器124と同様に、第1吸着器40の吸着熱が加熱熱源として供給される構成とされている。
一方、この実施形態における蒸発器124は、後述する如く第2吸着器44の吸着熱が加熱熱源として供給されるようになっている。また、この実施形態では、サブ蒸発器174は、その水・水蒸気系の空間が、開閉弁188を介して蒸発器124の水・水蒸気系の空間と連通されており、蒸発器124を介して水タンク122からの水が供給される構成である。
そして、車両用化学蓄熱システム170は、サブ反応器172の放熱を加熱熱源として第2蒸発凝縮器46に供給可能で、かつ第2吸着器44の吸着熱を蒸発器124に供給可能な構成とされている。具体的には、車両用化学蓄熱システム170を構成する第2蒸発凝縮器46は、水・水蒸気の流路及び冷却水の流路に加え、熱媒流路46A(図18参照)を有している。この熱媒流路46Aは、第1熱媒ライン190の中間部に直列に設けられている。
第1熱媒ライン190は、一端がサブ反応器172の熱媒流路(化学蓄熱材と熱媒との熱交換流路)に接続されると共に、他端がエンジン冷却水導入ライン48における第1吸着器40、44(3ポート弁54、56)の上流側に合流されている。エンジン冷却水導入ライン48における第1熱媒ライン190の合流部には、3ポート弁192が設けられている。以上により、熱媒流路46A、第1熱媒ライン190を流れる熱媒は、エアコン熱媒、エンジン冷却水と同種の液体とされている。
さらに、車両用化学蓄熱システム170は、エンジン冷却水戻しライン50から分岐され、蒸発器124における熱媒流路に接続された第2熱媒ライン194と、蒸発器124の熱媒流路とサブ反応器172の熱媒流路とを連通する第3熱媒ライン196とを備えている。このエンジン冷却水戻しライン50における第2熱媒ライン194の分岐部には、3ポート弁195が設けられている。
これにより、車両用化学蓄熱システム170では、図18に示される如く、サブ反応器172、第2蒸発凝縮器46(第1熱媒ライン190)、第2吸着器44(エンジン冷却水導入ライン48)、蒸発器124(エンジン冷却水戻しライン50、第2熱媒ライン194)サブ反応器172(第3熱媒ライン196)の順で熱媒が循環する熱媒循環路が形成される構成とされている。また、第1熱媒ライン190における第2蒸発凝縮器46の上流側(サブ反応器172側)には、この熱媒循環路に熱媒を循環させるための熱媒ポンプ198が設けられている。
また、車両用化学蓄熱システム170では、反応器94の余熱を、第1吸着器40又は第2吸着器44に供給可能な構成されている。この実施形態では、第1熱媒ライン190における熱媒ポンプ198の下流側から分岐してエンジン冷却水導入ライン48における第1吸着器40、44(3ポート弁54、56)の上流側に合流した第4熱媒ライン200と、エンジン冷却水戻しライン50から分岐されて反応器94の熱媒流路を経由して第1熱媒ライン190における熱媒ポンプ198の上流側に合流する第5熱媒ライン202とを備えている。この実施形態における反応器94は、水。水蒸気系の流路、排気ガスの流路、加熱空気の流路の他に、熱媒(エンジン冷却水、エアコン熱媒)の流路が形成されて構成されている。
第1熱媒ライン190における第4熱媒ライン200の分岐部、第5熱媒ライン202の合流部には、3ポート弁204、206が設けられている。また、エンジン冷却水導入ライン48における第4熱媒ライン200の合流部には、3ポート弁208が設けられている。さらに、エンジン冷却水戻しライン50における第5熱媒ライン202の分岐部には、3ポート弁210が設けられている。
これにより、車両用化学蓄熱システム170では、図19に例示する如く、反応器94(第5熱媒ライン202)、第1吸着器40(第4熱媒ライン200、エンジン冷却水戻しライン50)の順で熱媒が循環する熱媒循環路が形成される構成とされている。図示は省略するが、反応器94、第2吸着器44の順で熱媒が循環する熱媒循環路を形成することも可能である。
また、車両用化学蓄熱システム160を構成する図示しないECU140は、車両用化学蓄熱システム10を構成するECU140に対し、制御対象として、開閉弁176、178、180、184、188、熱媒ポンプ198、3ポート弁192、195、204、206、208、210が追加されており、減らされた制御対象はない。したがって、車両用化学蓄熱システム170におけるECU140による制御は、車両用化学蓄熱システム10のECU140における制御とは異ならされている。
詳細は本実施形態の作用と共に後述するが、車両用化学蓄熱システム170のECU140は、蓄熱モードの制御については車両用化学蓄熱システム10の場合と同様、2つの第1吸着器40、第2吸着器44を共に再生する再生モードは、車両用化学蓄熱システム160の場合と同様とされている。また、車両用化学蓄熱システム170のECU140は、放熱モードにおいては、第1蒸発凝縮器42に環境温度の冷却水を流通させることで第1吸着器40にて吸着熱を生じさせると共に、該吸着熱がサブ蒸発器174に加熱熱源として供され、これにより生じたサブ反応器172の放熱が第2蒸発凝縮器46に加熱熱源として供され、これにより生じた第2吸着器44の吸着熱が蒸発器124に加熱熱源として供されるように、各制御対象を制御するようになっている。
また、この実施形態では、車両用化学蓄熱システム170は、加熱エアライン162を有しており加熱対象が触媒コンバータ22とされている。なお、反応器94、サブ反応器172、蒸発器124、サブ蒸発器174、熱媒ライン190〜196、熱媒ポンプ198を及びこれらを繋ぐ各種弁類が本発明における化学蓄熱部(の一部)を構成している。また、第1熱媒ライン190、第4熱媒ライン200、熱媒ポンプ198が本発明における熱回収装置を構成している。車両用化学蓄熱システム170の他の構成は、車両用化学蓄熱システム10の対応する構成と同じである。
次に、第4の実施形態の作用について、第1の実施形態の作用と異なる部分を主に説明する。
上記構成の車両用化学蓄熱システム160では、自動車11の走行中には、図16に示される如く、車両用化学蓄熱システム10と同様に蓄熱モードを実行し、反応器94に蓄熱する。この場合、開閉弁176、178が開放されることで、反応器94、サブ反応器172の双方にエンジン12の排気熱が供給され、該反応器94、サブ反応器172の双方の化学蓄熱材に蓄熱される。
この自動車11が停止される(車両用空調装置38による空調維持が不要になる)と、ECU140は、図17に示される如く、車両用化学蓄熱システム160と同様に第1吸着器40、第2吸着器44が共に再生される再生モードを実行する。
そして、車両用化学蓄熱システム170では、ECU140は、自動車11が始動される場合には、図18に示される如き放熱モードを実行する。具体的には、ECU140は、冷却水が第1蒸発凝縮器42、室外熱交換器78の順で循環されるように、3ポート弁82〜88、駆動用の冷却水ポンプ80を制御する。さらに、ECU140は、エアコン冷媒(エンジン冷却水)が第1吸着器40、サブ蒸発器174の順で流れるように、3ポート弁36、52、54、58、138、熱媒ポンプ66を制御する。
これにより、先ず第1蒸発凝縮器42で環境温度の冷却水(低温熱源)との熱交換で該環境温度に応じた水蒸気が発生し、この水蒸気が第1吸着器40の吸着材に吸着されて生じた吸着熱が該第1吸着器40を流通するエアコン熱媒を昇温させる。このエアコン熱媒は、エンジン冷却水戻しライン50、バイパスライン34、低温熱媒ライン136を経てサブ蒸発器174に至り、該サブ蒸発器174の水との熱交換に供される。この熱交換によって、サブ蒸発器174では、エアコン熱媒の温度に応じた圧力の水蒸気が発生し、この水蒸気がサブ反応器172に供給される。
一方、ECU140は、サブ反応器172、第2蒸発凝縮器46、第2吸着器44、蒸発器124の順で熱媒が循環されるように、3ポート弁56、60、192、195、204、206、熱媒ポンプ198を制御する。さらに、ECU140は、ブロア105を作動させる。
これにより、車両用化学蓄熱システム170では、サブ蒸発器174から供給された水蒸気によりサブ反応器172の化学蓄熱材が水和反応に伴い放熱し、この熱によってサブ反応器172を通過する熱媒が昇温される。この熱媒は、第1熱媒ライン190を経由して第2蒸発凝縮器46に至り、該第2蒸発凝縮器46で水と熱交換することで、該熱媒の温度に応じた圧力の水蒸気、すなわち第1蒸発凝縮器42で生じた水蒸気圧よりも高圧の水蒸気が発生する。この高圧の水蒸気が第2吸着器44にて吸着材に吸着されることで、第2吸着器44では第1吸着器40よりも高温の吸着熱が生じる。
この吸着熱は、第2蒸発凝縮器46から第1熱媒ライン190を経て第2吸着器44に導入された熱媒の昇温に供される。これにより、熱媒温度は、サブ反応器172を通過直後の温度よりも高くなる。そして、この熱媒がエンジン冷却水戻しライン50、第2熱媒ライン194を経て蒸発器124に導かれると、該蒸発器124では、熱媒温度に応じた圧力の水蒸気が生じる。これにより生じた水蒸気が水蒸気供給ライン132を介して反応器94内に供給される。
ここで、車両用化学蓄熱システム170では、第1吸着器40、サブ反応器172、第2吸着器44を用いて3段階で蒸発器124に供給する熱媒を昇温するため、車両用化学蓄熱システム10、160と比較して、より高温のエアコン熱媒を蒸発器124に供給することができる。これにより、蒸発器124では、より高圧の水蒸気が発生されるので、反応器94では水和反応の反応速度が一層速く、より高温で化学蓄熱材が放熱する。この実施形態では、図示は省略するが、環境温度が0℃以下の場合にも化学蓄熱材の放熱温度として略400℃以上を得ることが可能になる。
これにより、車両用化学蓄熱システム170が適用された自動車11では、エンジン12が作動された場合に、該エンジン12の排気ガスが良好に浄化される。すなわち、車両用化学蓄熱システム170が適用された自動車11では、車両用化学蓄熱システム160が適用された自動車11と同等の低温始動時の排気ガス浄化性能を得るための暖機時間が短縮される。
さらに、車両用化学蓄熱システム170のECU140は、放熱モード(触媒コンバータ22の暖機)の終了後に、図19に示される如く、反応器94の余熱で第1吸着器40を再生する復帰モードを実行する。復帰モードでECU140は、開閉弁108、184を閉止して反応器94、172での水和反応を停止させた後、反応器94、第1吸着器40の順で熱媒が循環するように、3ポート弁54〜60、192、195、204〜210、熱媒ポンプ198を制御する。
これにより、反応器94の余熱が熱媒を介して第1吸着器40に運搬され、第1吸着器40では脱水反応が生じて吸着材が再生される。図19の例では、第2吸着器44と室内熱交換器64とにエアコン熱媒が循環されることで、車室内の暖房が行われている。この場合の第1蒸発凝縮器42での凝縮、第2蒸発凝縮器46での蒸発のための冷却水の流れは、図3に示す暖房モードの場合と逆になれば良い。そして、ECU140は、エンジン12が始動されて冷却水循環ライン30を循環するエンジン冷却水の温度が80℃以上になると、図16に示す蓄熱モードを実行する。
ここで、車両用化学蓄熱システム170では、反応器94の余熱を利用して第1吸着器40の再生を行うため、エンジン冷却水の温度が上昇する前に第1吸着器40を再生して暖房モードを実行することができる。
なお、第4の実施形態では、放熱モードの実行後に反応器94の余熱で第1吸着器40を再生する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、放熱モードの実行後に反応器94の余熱で第2吸着器44を再生する構成としても良く、2つの吸着器40、44のうち水蒸気吸着量の少ない(脱着量の多い)吸着器の再生を行う構成としても良く、反応器94の余熱による第1吸着器40又は第2吸着器44の再生を行わない簡素な構成としても良い。また、第3の実施形態において、放熱モードの実行後に、反応器94の余熱で第1吸着器40及び第2吸着器44の何れか一方を再生するように構成しても良い。
また、第3、第4の実施形態に、第2の実施形態に係る蒸発・凝縮器152を適用しても良い。第4の実施形態に適用する場合には、蒸発・凝縮器152と、サブ蒸発・凝縮器を設ければ良い。
さらに、第3、第4の実施形態では、加熱対象を触媒コンバータ22とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加熱対象をバッテリ16としても良い。また、上記した各実施形態の構成において、加熱対象はバッテリ16、触媒コンバータ22には限られず、例えば、予めされた設定に基づいて又は要求に応じて、エンジン12及び/又はヒータコアを加熱対象としても良く、また例えば、氷雪等が付着した車体、車輪周り、ウインドシールドガラス等を加熱対象としても良い。また、加熱対象を複数の加熱対象候補から選択する構成とすることも可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム220について、図20〜図22に基づいて説明する。図20には、車両用化学蓄熱システム220がシステム構成図にて示されている。この図に示される如く、車両用化学蓄熱システム220は、室内熱交換器64を用いて冷房運転を行うための構成が付加された車両用空調装置222を備える自動車11に適用されている点で、第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システム10とは異なる。以下、具体的に説明する。
図20に示される如く、車両用空調装置222は、計8つの3ポート弁54、56、58、60、82、84、86、88に代えて、計8つの4ポート弁224、226、228、230、232、234、236、238を備えている点で、車両用空調装置38とは異なる。4ポート弁224〜238の各3つのポートには、車両用空調装置38を構成する対応する3ポート弁54、56、58、60、82、84、86、88の各3つのポートと同じラインが接続されている。また、車両用空調装置222は、エアコン熱媒循環ライン62における熱媒ポンプ66の下流側(この実施形態では、第1吸着器40、第2吸着器44への分岐の上流)側に設けられた3ポート弁240と、冷却水循環ライン76における駆動用の冷却水ポンプ80の下流(この実施形態では、第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46への分岐の上流)側に設けられた3ポート弁242とを備えている。
そして、車両用空調装置222では、3ポート弁240及び4つの4ポート弁232〜238の各残余のポートに、第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46にエアコン熱媒を循環させるための冷房用エアコン熱媒ライン244が、第1蒸発凝縮器42と第2蒸発凝縮器46とが並列となる(独立してエアコン熱媒を循環し得る)ように接続されている。すなわち、冷房用エアコン熱媒ライン244は、エアコン熱媒循環ライン62における3ポート弁240の1ポートから2系統に分岐され、該エアコン熱媒循環ライン62における第1吸着器40、第2吸着器44と室内熱交換器64との間に合流されている。これにより、車両用空調装置222は、第1蒸発凝縮器42又は第2蒸発凝縮器46、室内熱交換器64の順でエアコン熱媒を循環させ得る構成である。
また、車両用空調装置222では、3ポート弁242、及び4つの4ポート弁224〜230の各残余のポートに、第1吸着器40、第2吸着器44に冷却水を循環させるための冷房用冷却水ライン246が、第1吸着器40と第2吸着器44とが並列となる(独立して冷却水を循環し得る)ように接続されている。この実施形態では、冷房用冷却水ライン246は、冷却水循環ライン76における3ポート弁242の1ポートから2系統に分岐され、第1吸着器40を経由する系統は第2直列用ライン92に合流されると共に、第2吸着器44を経由する系統は第1直列用ライン90に合流されている。これにより、車両用空調装置222は、第1吸着器40又は第1蒸発凝縮器42、室外熱交換器78の順で冷却水を循環させ得る構成である。
次に、第5の実施形態の作用について、第1の実施形態の作用と異なる部分を主に説明する。
上記構成の車両用空調装置222では、例えば冬季等での自動車11の走行中には、図21に示される如く暖房モードで運転される。この暖房モードでは、第1蒸発凝縮器42から供給される水蒸気の吸着に伴って吸着熱を放熱する第1吸着器40、室内熱交換器64の順でエアコン熱媒を循環させる。これにより、吸着熱で加熱されたエアコン熱媒と空調用空気との熱交換が室内熱交換器64にて行われ、車室内が暖房される。この際、第2吸着器44では、エンジン冷却水による加熱により吸着材から水蒸気を脱着して該吸着材が再生され、この第2吸着器44からの水蒸気が第2蒸発凝縮器46にて凝縮される。図21の例では、第2蒸発凝縮器46にて凝縮熱を回収した冷却水が加熱熱源として第1蒸発凝縮器42で水蒸気を発生させ、この水蒸気が第1吸着器40に供給されている。第1吸着器40、第2吸着器44での吸着、脱着を交互に行うことで暖房モードが維持される。以上説明した暖房モードは、車両用空調装置38における暖房モード(図3参照)と全く同様である。
この際、車両用化学蓄熱システム220では、必要に応じて化学蓄熱モードが実行される。図21は、化学蓄熱モードが実行されている状態が図示されている。車両用化学蓄熱システム220は、車両用空調装置38に代えて車両用空調装置222の吸着熱が蒸発器124の加熱熱源となる以外は、車両用化学蓄熱システム10と同様の構成であるため、蓄熱モード、放熱モード(図示省略)とも、車両用化学蓄熱システム10と同様に運転される。
そして、例えば夏季等での自動車11の走行中には、車両用空調装置222では、図22に示される如く冷房モードで運転される。この冷房モードでは、水蒸気の蒸発するためにエアコン熱媒から潜熱が奪われる第1蒸発凝縮器42(第2蒸発凝縮器46)、室内熱交換器64の順でエアコン熱媒を循環させる。これにより、第1蒸発凝縮器42で蒸発潜熱が奪われ冷却されたエアコン熱媒と空調用空気との熱交換が室内熱交換器64にて行われ、車室内が冷房される。この際、第2吸着器44では、エンジン冷却水による加熱により吸着材から水蒸気を脱着して該吸着材が再生され、この第2吸着器44からの水蒸気が第2蒸発凝縮器46にて凝縮される。図22の例では、第1蒸発凝縮器42で発生した水蒸気を吸着することに伴う第1吸着器40の吸着熱を回収した冷却水が、第2蒸発凝縮器46で第2吸着器44の再生に伴う凝縮熱をさらに回収し、室外熱交換器78にて外気との熱交換で冷却されて循環されている。第1吸着器40、第2吸着器44での吸着、脱着を交互に行うことで冷房モードが維持される。
この冷房モード実行の際にも、車両用化学蓄熱システム220では、必要に応じて化学蓄熱モードが実行される。
以上説明したように、車両用空調装置222では、共通の室内熱交換器64を用いて、冷房モード、暖房モードでの運転が可能である。この車両用空調装置222は、車両用化学蓄熱システム150、160、170に適用されても良いことは言うまでもない。例えば、加熱対象が触媒コンバータ22である車両用化学蓄熱システム160、170では、冷房モードの実行中に化学蓄熱モードが実行される。
なお、上記した各実施形態では、車両用化学蓄熱システム10、150、160、170、220の概略構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、各種変形して実施可能であることは言うまでもない。特に、各実施形態における各ラインの配置、弁類のタイプ、配置、開閉動作等は、対応するモード(蓄熱、放熱の各モード)を実行可能であれば良く、各種の変更が可能である。同様に、車両用空調装置38、222についても、各種変形して実施可能であることは言うまでもない。
また、上記した各実施形態では、化学蓄熱材として水酸化カルシウムを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、水和・脱水による各種の放熱・蓄熱する各種の化学蓄熱材を用いて実施することができる。
さらに、上記した各実施形態では、車両用空調装置38が第1蒸発凝縮器42、第2蒸発凝縮器46を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両用空調装置38は、各吸着器に対し、個別の熱交換器として構成された凝縮器と蒸発器とをそれぞれ備えて構成されても良い。
本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの概略全体構成を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムを構成するECUの図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの蓄熱モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの放熱モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの動作モードを概念的に説明する図であって、(A)蓄熱モードの概念図、(B)は、放熱モードの概念図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの蓄熱、放熱サイクルを示すPT線図、(B)は本発明の実施形態との比較例に係る車両用化学蓄熱システムの蓄熱、放熱サイクルを示すPT線図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムを構成する車両用空調装置の動作サイクルを示す図であって、(A)暖房運転の動作サイクル線図、(B)は冷房運転の動作サイクルを示す線図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムを構成する吸着材の吸着等温線を示す線図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムが適用されたハイブリッド車を構成するバッテリの環境温度と出力密度との関係を示す線図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの概略全体構成を示すシステム構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの概略全体構成を示すシステム構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの再生モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの放熱モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの蓄熱、放熱サイクルを示すPT線図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの概略全体構成を示すシステム構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの蓄熱モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの再生モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの放熱モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの復帰モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムの概略全体構成を示すシステム構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムに適用された車両用空調装置の暖房モードを説明するためのシステム構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両用化学蓄熱システムに適用された車両用空調装置の冷房モードを説明するためのシステム構成図である。
符号の説明
10 車両用化学蓄熱システム
11 自動車(車両)
12 エンジン(内燃機関)
14 モータ
16 バッテリ
22 触媒コンバータ(排気触媒)
38 車両用空調装置(吸着式ヒートポンプ型空調装置)
40 第1吸着器(吸着器)
42 蒸発凝縮器(吸着質蒸発部)
44 第2吸着器(吸着器)
46 蒸発凝縮器(吸着質蒸発部)
106 凝縮器(水凝縮部)
124 蒸発器(水蒸発部)
140 ECU(制御装置)
150・160・170・220 車両用化学蓄熱システム
152 蒸発・凝縮器(水蒸発部、水凝縮部)
172 サブ反応器(反応器)
174 サブ蒸発器(水蒸発部)
190 第1熱媒ライン(化学蓄熱部、熱回収装置)
194 第2熱媒ライン(化学蓄熱部)
196 第2熱媒ライン(化学蓄熱部)
198 熱媒ポンプン(化学蓄熱部、熱回収装置)
200 第4熱媒ライン(熱回収装置)
202 第5熱媒ライン(熱回収装置)
222 車両用空調装置(吸着式ヒートポンプ型空調装置)

Claims (9)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気熱により脱水反応を行って蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材が内蔵された反応器と、
    前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる水凝縮部と、
    吸着材が内蔵された吸着器と、前記吸着器で吸着される吸着質を蒸発させるための吸着質蒸発部と、前記吸着器から脱着され吸着質を凝縮させるための吸着質凝縮部とを含み、かつ前記吸着器及び吸着質蒸発部の組を少なくとも2組有する吸着式ヒートポンプ型空調装置と、
    前記吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着器で生じた吸着熱を加熱熱源として水を蒸発させることで、前記反応器に前記水和反応のための水蒸気を供給するための水蒸発部と、
    前記車両の走行時に前記内燃機関の排気熱を前記反応器に蓄熱させ、前記車両の停止の際に2組の前記吸着器がそれぞれ前記吸着質を脱着するように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御し、前記車両始動の際に一の前記吸着器の吸着熱で他の吸着器用の吸着質蒸発部を加熱して吸着質を蒸発させ、かつ該他の吸着器の吸着熱が前記水蒸発部に加熱熱源として供給されるように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御する制御装置と、
    を備えた車両用化学蓄熱システム。
  2. 車両に搭載された内燃機関の排気熱により脱水反応を行って蓄熱し、水和反応により放熱する化学蓄熱材が内蔵された反応器、及び前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる水凝縮部の組を少なくとも2組有して構成された化学蓄熱部と、
    吸着材が内蔵された吸着器と、前記吸着器で吸着される吸着質を蒸発させるための吸着質蒸発部と、前記吸着器から脱着され吸着質を凝縮させるための吸着質凝縮部とを含み、かつ前記吸着器及び吸着質蒸発部の組を少なくとも2組有する吸着式ヒートポンプ型空調装置と、
    前記吸着式ヒートポンプ型空調装置の吸着器で生じた吸着熱を加熱熱源として水を蒸発させることで、前記反応器に前記水和反応のための水蒸気を供給するための水蒸発部と、
    前記車両の走行時に前記内燃機関の排気熱を前記反応器に蓄熱させ、前記車両の停止の際に2組の前記吸着器がそれぞれ前記吸着質を脱着するように前記吸着式ヒートポンプ型空調装置を制御し、前記車両始動の際に一の前記吸着器の吸着熱が一の前記反応器用の水蒸発部に加熱熱源として供給され、該一の反応器での水和反応に伴う反応熱が他の前記吸着器用の吸着質蒸発部に加熱熱源として供給され、該他の吸着器の吸着熱が他の前記反応器用の水蒸発部に加熱熱源として供給されることで、該他の反応器の反応熱で前記加熱対象が加熱されるように、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置及び前記化学蓄熱部を制御する制御装置と、
    を備えた車両用化学蓄熱システム。
  3. 前記反応器と前記水凝縮部と前記水蒸発部とを連通する水蒸気系統は、予め大気圧未満に減圧されている請求項1又は請求項2記載の車両用化学蓄熱システム。
  4. 前記加熱対象を加熱するための反応器の熱を前記2つの吸着器の少なくとも一方に伝えるための熱回収装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記加熱対象の加熱が終了した後に、前記加熱対象を加熱するための反応器への水蒸気の供給が停止されると共に、該反応器の余熱が前記2つの吸着器の1つに伝えられるように、前記吸着式ヒートポンプ型空調装置及び熱回収装置を制御する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システム。
  5. 前記車両は、前記内燃機関の排気ガスを浄化するための排気触媒を有しており、
    前記排気触媒が前記加熱対象とされている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システム。
  6. 前記車両は、走行用の駆動力を発揮するモータと、前記モータに電力を供給するバッテリとを備えたハイブリッド車両であり、
    前記バッテリが前記加熱対象とされている請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システム。
  7. 前記吸着式ヒートポンプ型空調装置は、前記内燃機関の冷却水からの熱供給によって前記吸着器から吸着質が脱着されるように構成されており、
    前記水蒸発部は、前記内燃機関の冷却水を介して前記吸着器の吸着熱が水の加熱熱源として供給されるようになっている請求項〜請求項6の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システム。
  8. 前記水蒸発部は、前記反応器から前記脱水反応に伴って放出された水蒸気を凝縮させる前記水凝縮器の機能を兼ね備える請求項1〜請求項7の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システム。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか1項記載の車両用化学蓄熱システムを備えた車両。
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