JP5516524B2 - 電源システム - Google Patents
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Description
本発明は、電源を暖機できる電源システム、特に車両に搭載される電源システムに関する。
電気自動車およびハイブリッド自動車等の車両(EV)に搭載されるモータ駆動用電源として、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、電機二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスの開発が盛んである。
電源システムには、高容量かつ高出力の要求から、高容量型の蓄電デバイスと高出力型の蓄電デバイスとが、並列に接続された電源システムがある。一般に二次電池やキャパシタ等の蓄電デバイスは、その温度が低いと容量や出力が低下する。その結果、車両の走行に必要な充放電電力が蓄電デバイスからモータに供給されず、例えば、車両の円滑な発進や加速等が妨げられることとなる。したがって、蓄電デバイスの温度が低下している等の場合には、速やかに蓄電デバイスを暖機する必要がある。
二次電池やキャパシタ等の蓄電デバイスを暖機する方法としては、(1)二次電池に暖機用のヒータを設置する方法(例えば、特許文献1参照)、(2)二次電池に熱交換媒体を供給する方法(例えば、特許文献2参照)、(3)電池の内部発熱を利用する方法(例えば、特許文献3,4参照)、(4)吸着剤を備える吸着器を用いて、吸着剤が吸着媒体を吸着する際の吸着熱を利用する方法(例えば、特許文献5参照)等が挙げられる。
ところで、車両に搭載される電源システムに限られるものではないが、大きな容量及び出力が要求される電源システムでは、蓄電デバイス全体の熱容量は大きく、暖機に多量の熱エネルギを必要とする。したがって、上記(1)〜(4)のいずれかの暖機方法を用いたとしても、蓄電デバイス全体を加熱するためには、多くの時間とエネルギを必要とする。
そこで、本発明の目的は、速やかに且つ省エネルギで蓄電デバイスを暖機し、蓄電デバイスの性能低下を抑制することができる電源システムを提供する。
本発明は、車両の走行に必要な電力を供給する第1の電源及び第2の電源と、前記第1の電源を暖機する暖機手段と、を備える車両用の電源システムであって、前記第1の電源は前記第2の電源より出力密度が高く、前記第2の電源は前記第1の電源よりエネルギ密度が高く、前記暖機手段は、アンモニアが離脱するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を有する化学蓄熱装置であり、車両の走行開始前の所定期間又は走行開始後の所定期間において、前記第1の電源の暖機を開始する。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記化学蓄熱装置は、前記第1の電源を暖機すると共に、前記第2の電源を暖機するものであり、前記第1の電源の温度が所定温度に達した後に、前記第2の電源の暖機を開始することが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第2の電源を暖機する暖機装置を備え、前記第2の電源を暖機する暖機装置は、前記第1の電源の温度が所定温度に達した後に、前記第2の電源の暖機を開始することが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第2の電源を暖機する暖機装置は、車両の排熱を利用して前記第2の電源を暖機する暖機装置であることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第1の電源の昇温速度は、前記第2の電源の昇温速度より速いことが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第1の電源及び前記第2の電源はリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第1の電源はリチウムイオンキャパシタであり、前記第2の電源はリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第1の電源を暖機するために前記化学蓄熱装置から供給される熱媒体は、凝縮潜熱であることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記第1の電源を暖機するために前記化学蓄熱装置から供給される熱媒体は、液体であることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記化学蓄熱装置は、前記化学蓄熱材再生用の加熱器を備えることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記加熱器はヒータであり、前記ヒータへの電力は、前記第1の電源、前記第2の電源、及び車両からの回生エネルギにより発電する発電機のうち少なくともいずれか1つから供給されることが好ましい。
また、前記車両用の電源システムにおいて、前記加熱器による前記化学蓄熱材の再生には、車両の排熱が利用されることが好ましい。
また、本発明は、装置の稼働に必要な電力を供給する第1の電源及び第2の電源と、前記第1の電源を暖機する暖機手段と、を備える電源システムであって、前記第1の電源は前記第2の電源より出力密度が高く、前記第2の電源は前記第1の電源よりエネルギ密度が高く、前記暖機手段は、アンモニアが離脱するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を有する化学蓄熱装置であり、電源システムが搭載される装置の稼働前の所定期間又は稼働後の所定期間において、前記第1の電源の暖機を開始する。
本発明によれば、速やかに且つ省エネルギで蓄電デバイスを暖機し、蓄電デバイスの性能低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電源システムの構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、電源回路1は、第1の電源10、第2の電源12及び暖機装置14を有する電源システム16と、第1のコンバータ18と、第2のコンバータ20と、インバータ22と、を備える。
第2のコンバータ20は、入力側が第2の電源12に接続され、出力側がインバータ22に接続されている。また、第1のコンバータ18は、入力側が第1の電源10に接続され、出力側が第2の電源12と第2のコンバータ20との接続ノードに接続される。
第1及び第2のコンバータ18,20は、主に(第1及び第2の電源10,12)電源から供給された電圧を外部負荷24が駆動する電圧に昇降圧するものである。インバータ22は、主に第1及び第2のコンバータ18,20から与えられる直流電圧を交流に変換して、外部負荷24に出力するものである。なお、外部負荷24が電動車両(EV)に搭載されるモータジェネレータ24等である場合には、インバータ22はモータジェネレータ24の発電によって与えられる交流電圧を直流に変換して、第2のコンバータ20に出力し、第2のコンバータ20及び第1のコンバータ18は、インバータ22から供給された電圧を、第1の電源10及び第2の電源12を充電させるための電圧に昇降圧することも可能である。すなわち、第1の電源10と外部負荷24とは第1及び第2のコンバータ18,20及びインバータ22を介して双方向に電力授受が可能である。また、第2の電源12と外部負荷24とは第2のコンバータ20及びインバータ22を介して双方向に電力授受が可能である。
第1の電源10は、第2の電源12より出力密度が高い(単位質量当たりの入出力抵抗が低い)出力型の蓄電デバイスであり、第2の電源12は、第1の電源10よりエネルギ密度が高い容量型の蓄電デバイスである。第1の電源10及び第2の電源12の具体例については後述するが、例えば、第1の電源10はリチウムイオンキャパシタ等が用いられ、第2の電源12はリチウムイオン二次電池等が用いられる。
ここで、出力型の蓄電デバイスである第1の電源10と容量型の蓄電デバイスである第2の電源12を備える電源システム16(以下、ハイブリッド電源システムと称する場合がある)の容量及び出力について説明する。比較のため、1つの蓄電デバイスからなる電源システム(以下、従来型電源システムと称する場合がある)の容量及び出力についても説明する。
図2は、従来型電源システム及びハイブリッド電源システムの電源の容量比を示す図である。一般的に、EVの走行に必要なエネルギである電池容量(或いはエネルギー密度)及び加減速性能である入出力パワー(或いは入出力密度)の両方を満足する蓄電デバイスは、現状存在しない。したがって、1つの蓄電デバイスからなる従来型電源システムにおいて、EVの走行で要求される入出力パワーを満たすためには、図2に示すように、EVの走行に必要な電池容量よりも過剰な電池容量を有する蓄電デバイスが必要となる。一方、ハイブリッド電源システムでは、入出力パワーは第1の電源10(出力型の蓄電デバイス)で補いながら、走行に必要なエネルギを第2の電源12(容量型の蓄電デバイス)で賄うことができるため、第1及び第2の電源10,12を必要最低限の容量となるよう設計することができる。
ここで、蓄電デバイスの容量について、より具体的に説明するにあたり、電源システムを搭載する電動車両(EV)について、例えば、極低温においても、一定距離A(km)を走行可能で、一定の加減速性能(入力パワーB(kW)、出力パワーC(kW))を有するものを想定する。そして、EVがある走行パターンで航続距離A’(km)を走った時に必要な平均エネルギをD(kWh/km)とし、走行時間をt(hour)とする。この場合、従来型蓄電デバイスでは、車両の入力パワーB(kW)及び出力パワーC(kW)を満たすために、走行に必要なエネルギであるD×A’(kWh)の電池容量以上の容量を有する蓄電デバイスが必要になる。一方、ハイブリッド蓄電デバイスにおいて、容量型の蓄電デバイスである第2の電源12に求められる性能は、走行に必要なエネルギであるD×A’(kWh)の電池容量と、この電池容量にて発揮されるD×A’/t(kW)の(平均)出力パワーである。そして、出力型の蓄電デバイスである第1の電源10には、残りの入出力パワーを補う性能を有していればよいため、第1の電源10は、残りの出力パワーであるC−D×A’/t(kW)と、第2の電源12の入力パワーをE(kW)とした場合の残りの入力パワーであるB−E(kW)を有する蓄電デバイスであればよい。したがって、従来型電源システムでは、過剰な電池容量を満たすために容積及び重量共に大きな蓄電デバイスが必要である。しかし、ハイブリッド電源システムでは、第2の電源12は必要最低限の容量を有するように設計できるため、第2の電源12の重量及び容積は、従来型電源システムの蓄電デバイスより小さくなる。更に、第1の電源10は第2の電源12の入出力パワーを補うように設計できるため、第1の電源10の重量及び容積は、第2の電源12よりも小さくなる。
次に、本実施形態の電源システム16(ハイブリッド電源システム)の暖機装置14について説明する。
本実施形態では、第1の電源10と第2の電源12とを備える電源システム16において、出力型の蓄電デバイスである第1の電源10を暖機装置14により暖機する例を説明する。但し、本実施形態の電源システム16は二つの電源に制限されるものではなく、第3の電源、第4の電源等をさらに備えるものであってもよい。この場合、本実施形態では、蓄電デバイスの中で出力密度が高くエネルギ密度の低い蓄電デバイスを複数選択し(例えば、第1及び第3の蓄電デバイス等)、その選択した複数の蓄電デバイスを暖機装置14によって暖機することを制限するものではない。すなわち、本実施形態は、暖機装置14により全ての蓄電デバイスを暖機するものではなく、蓄電デバイスの中で出力密度が高くエネルギ密度の低い蓄電デバイスを選択的に暖機して、蓄電デバイス全体の出力を効果的に上げるものである。
暖機装置14による具体的な暖機方法等については後述するが、本実施形態の電源システム16(実質的には電源回路1)が電動車両(EV)に搭載される場合、車両の走行開始前の所定期間又は走行開始後の所定期間に、暖機装置14により第1の電源10の暖機を開始する。ここで、車両の走行開始前の所定期間とは、少なくともイグニッションキーがON状態になって、車両が走行開始できる状態にされた時から車両が走行するまでの間の期間である。また、車両の走行開始後の所定期間は、車両の走行が開始してから第1の電源10に対して走行に必要な出力が要求されるまでの間で適宜設定されるものである。したがって、車両が走行開始できる状態となってから車両が走行を開始するまでの間、或いは車両走行後所定期間の間に、暖機装置14を稼働させ、第1の電源10の暖機を開始する。
本実施形態の電源システム16を備える電源回路1は車両に搭載される場合に限定されるものではなく、蓄電デバイスから電力を供給して稼働する全ての装置に搭載可能である。したがって、本実施形態の電源システム16を備える電源回路1が車両以外の装置に搭載される場合、暖機装置14は、電源システムが搭載される装置の稼働前の所定期間又は稼働後の所定期間に第1の電源10の暖機を開始することになる。ここで、装置の稼働前の所定期間とは、少なくとも装置の電源がON状態になって、装置が可動できる状態にされた時から装置が稼働するまでの間の期間である。また、装置の稼働後の所定期間は、装置が可動してから第1の電源10に対して装置の稼働に必要な出力が要求されるまでの間で適宜設定されるものである。以下では、電源システム16を備える電源回路1が車両に搭載された場合を例に具体的に説明する。
暖機装置14の構成は、車両の走行開始前の所定期間又は走行開始後の所定期間の間に、第1の電源10の暖機を開始することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、電気式ヒータや車両内の排熱を利用した熱交換器や後述する化学蓄熱装置等が挙げられる。暖機装置14としては、電源を速やかに暖機することができる点、省エネルギで電源を暖機することができる点、又は熱エネルギを長期に保存可能である点等から、化学蓄熱装置を採用することが好ましい。以下に、化学蓄熱装置(以下、化学蓄熱装置14と称する)の構成例を説明する。
図3は、化学蓄熱装置の構成の一例を示す模式図である。図3に示すように、化学蓄熱装置14は、第1の反応器26と、第2の反応器28と、第1の反応器26と第2の反応器28とを接続するアンモニア配管30と、を備える。
第1の反応器26は、筐体32と、筐体32に設けられた複数の熱媒体流路34と、筐体32に設けられた複数の反応室36と、各反応室36内に収納された化学蓄熱材(不図示)と、を有する。筐体32内では、反応室36と熱媒体流路34とが交互に配置されている。反応室36と熱媒体流路34とは隔壁を隔てて互いに分離されており、外部から熱媒体流路34に供給される熱媒体Aと反応室36内の化学蓄熱材との間で熱交換を行えるようになっている。なお、不図示であるが、第1の反応器26の反応室36とアンモニア配管30とは気密状態で連通されている。
第1の反応器26の反応室36に収納される化学蓄熱材は、吸熱反応によりアンモニアが離脱するときに蓄熱し、発熱反応である配位反応(化学反応)によってアンモニアが固定化されるときに放熱する金属塩化物を含む。金属塩化物としては、例えば、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、又は遷移金属の塩化物等が挙げられる。
アンモニア配管30にはバルブ30aが設けられており、バルブ30aの開閉によりアンモニア圧の差を調節できるようになっている。
第2の反応器28も第1の反応器26と同様に、筐体38と、筐体38に設けられた複数の熱媒体流路40と、筐体38に設けられた複数の反応室42と、各反応室42内に収納された化学蓄熱材(不図示)と、を有する。反応室42と熱媒体流路40とは隔壁を隔てて互いに分離されており、外部から熱媒体流路40に供給される熱媒体Bと反応室42内の化学蓄熱材との間で熱交換を行えるようになっている。なお、不図示であるが、第2の反応器28の反応室42とアンモニア配管30とは気密状態で連通されている。
第2の反応器28の反応室42に収納される化学蓄熱材は、前述した金属塩化物、又は物理吸着材(例えば、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物等)を含む。
また、化学蓄熱装置14には、装置内にアンモニアを供給するためのアンモニア供給装置(不図示)や、装置内のガスを排気する排気装置(不図示)や、装置内のアンモニア圧を促成するための圧力測定装置(不図示)等が設置されていてもよい。
図4は、化学蓄熱装置の出力特性を示す図である。図4では、第1の反応器26に収納される化学蓄熱材を塩化カルシウムとし、第2の反応器28に収納される化学蓄熱材を活性炭とした化学蓄熱装置14の出力特性である。図4から判るように、化学蓄熱装置14の熱出力は約30秒ほどでピーク値に到達する。すなわち、化学蓄熱装置14を用いることで、速やかに電源を暖機することができる。
図5は、化学蓄熱装置による第1の電源の暖機方法を説明するためのフロー図である。図3及び5を用いて、化学蓄熱装置14による第1の電源10の暖機方法について説明する。
第1の電源10を暖機するに当たり、初期状態として、図3に示す第2の反応器28の反応室42に収納された化学蓄熱材にアンモニアを固定した状態にし、アンモニア配管30のバルブ30aを閉じておく。そして、イグニッションキーがON状態とされて、前述した走行開始前後の所定期間の間に、化学蓄熱装置14により以下の動作が開始され、第1の電源10の暖機が行われる。まず、前述した初期状態の第2の反応器28の熱媒体流路40に、エタノール等のアルコール、水、油類等の熱媒体Bが不図示の配管等から流通され(なお、図3に示す熱媒体B’は熱媒体流路40から排出された熱媒体)、また、第1の反応器26の熱媒体流路34に、エタノール等のアルコール、水又は油類等の熱媒体Aが不図示の配管等から流通される。第2の反応器28に供給される熱媒体Bは所定の温度(例えば−30℃〜10℃)に維持されている。このとき、第2の反応器28では、吸熱反応によって第2の反応器28の化学蓄熱材からアンモニアCが離脱される。そして、アンモニア配管30のバルブ30aを開くことにより、アンモニア圧の高い第2の反応器28から、相対的にアンモニア圧の低い第1の反応器26に向けてアンモニアの輸送が行われる(図5参照)。なお、アンモニアの離脱は、第2の反応器28への所定温度の熱媒体の流通を維持することにより継続的に行われる。
第2の反応器28からアンモニア配管30を通って第1の反応器26に到達したアンモニアは、図3に示す第1の反応器26の反応室36に収納された金属塩化物を含む化学蓄熱材に、発熱反応により固定される。この発熱反応により、第1の反応器26に供給される熱媒体Aが加熱され、加熱された熱媒体A’が第1の電源10に向けて、不図示の配管等から供給(放熱)される。加熱された熱媒体A’は第1の電源10と熱交換され、第1の電源10が暖機される。但し、加熱された熱媒体A’が液体である場合には、図5に示すように、化学蓄熱装置14に蒸発器を設置して、蒸発器により熱媒体A’を蒸気にして、第1の電源10に供給することが望ましい。これは、以下に示すように、蒸気(凝縮潜熱)の方が電源を効率よく暖機する熱媒体として好適であるためである。このようにして暖機された第1の電源10は、図5に示すようにインバータ22との間で前述したように電力の授受が行われる。
図6は、各種熱媒体が供給された時の電源の昇温特性のシミュレーションの結果を示す図である。図6に示すように、電源を暖機する熱媒体として蒸気(凝縮潜熱)を使用することにより、電源の温度を速やかに上昇させることができる。その結果、電源の暖機をより短い時間で行うことが可能となる。但し、必ずしも化学蓄熱装置14に蒸発器を設置する必要はなく、装置の小型化、省電力化の観点からは、第1の反応器26により加熱された熱媒体が液体の状態であっても、蒸発器を設置せずにそのまま電源に供給することが好ましい。
化学蓄熱装置14から供給される熱媒体A’と電源との熱交換の一例を説明する。
図7(A)は、電源に設置される熱交換器の構成の一例を示す模式図であり、図7(B)は、熱交換器を電源に設置した状態を示す模式図である。図7(A)に示すように、熱交換器44は、流路プレート46と、入口及び出口マニホールド48,50とを有する。流路プレート46内には熱媒体A’が通過する流路52が形成されている。入口マニホールド48は流路プレート46内の流路52の入口側と連通し、出口マニホールド50は流路プレート46内の流路52の出口側と連通している。図7(B)に示すように、流路プレート46は、第1の電源10を構成するために積層されたセル10a間に配置される。また、各流路プレート46の入口マニホールド48同士、出口マニホールド50同士は連結されている。
前述したように、化学蓄熱装置14から加熱された熱媒体A’(蒸気の状態であってもよい)が第1の電源10に供給される。供給された熱媒体A’は、入口マニホールド48内を通り、各流路プレート46に分配される。そして、流路プレート46内の流路52を通過する。この際、流路プレート46を介して第1の電源10と加熱された熱媒体A’とが熱交換され、第1の電源10が暖機される。また、流路プレート46を通過した熱媒体A’は、出口マニホールド50を通り、系外へ排出される。
このようにして暖機された電源システム16(ハイブリッド電源システム)の暖機前後における出力特性について説明する。比較のため、1つの蓄電デバイスからなる電源システム(従来型電源システム)の暖機前後における出力特性についても説明する。
図8は、暖機前後の容量型蓄電デバイスと出力型蓄電デバイスの出力密度比を示す図である。図8では、蓄電デバイスとして二次電池を例としている。暖機前の温度の低い二次電池(例えば、電池温度が−20℃〜−30℃)では、二次電池内の電解液の粘性や反応抵抗が高くなる等の理由のために、電池の内部抵抗が高くなり、二次電池本来の性能を発揮することができない。しかし、暖機後の温度の高い二次電池(例えば、電池温度が50℃)では、電解液の粘性や反応抵抗も低減するため、電池の内部抵抗も低下し、二次電池本来の性能を発揮することができる。これは、図8に示すように、容量型の二次電池及び出力型の二次電池でも同様な結果になる。また、図8では、二次電池を例にしたが、キャパシタであっても、電解液の粘性は温度に依存するため、二次電池と同様な結果になる。
図9は、暖機前後の従来型電源システムとハイブリッド電源システムの電源の出力比を示す図である。図10は、従来型電源システムとハイブリッド電源システムの電源を暖機するのに必要な熱容量比である。図9に示すように、従来型電源システムの電源及びハイブリッド電源システムの電源(出力型蓄電システムである第1の電源10)を暖機して、電池温度を上げることにより、どちらのシステムでも車両走行に必要な出力(車両要求出力)を発揮できることがわかる。そして、この時の電源の暖機に必要な熱容量は、図10に示すように、従来型電源システムの電源に掛かる熱容量に比べてハイブリッド電源システムの電源に掛かる熱容量の方が小さくて済むことがわかる。前述したように、従来型電源システムは、EVの走行で要求される入出力パワーを満たすために、過剰な電池容量を有する蓄電デバイスからなるものであって、蓄電デバイスの容積は大きい。そのため、容積の大きな蓄電デバイスを暖機するために必要な熱容量は高くなり、また、暖機時間も長くなる。これに対し、ハイブリッド電源システムの場合、図9に示すように、出力型の蓄電デバイス(第1の電源10)を暖機するだけで車両走行に必要な出力パワーを満たすことができるため、蓄電デバイスを暖機するために必要な熱容量は少なく、暖機時間も短くて済む。なお、前述したように、出力型の蓄電デバイス(第1の電源10)が容量型の蓄電デバイス(第2の電源12)では賄うことができない出力を補うために使用される場合には、容量型の蓄電デバイス(第2の電源12)より容積を小さくできるため、暖機に必要な熱容量はより小さくなり、暖機時間もより短くなる。例えば、出力型の蓄電デバイスが蓄電デバイス全体の1/10の熱容量で暖機することができる場合、その1/10の熱容量で出力型の蓄電デバイスを暖機するだけで、車両から要求される出力を発揮することが可能となる。
以上のように、車両の走行開始前の所定期間又は走行開始後の所定期間の間に、暖機装置14により速やかに第1の電源10を暖機することにより、車両の走行に必要な出力を電源から安定に供給させることが可能となる。また、第1の電源10を暖機するだけでよいため、暖機に必要な熱容量は小さくて済む。したがって、暖機装置14の小型化、省エネルギ化を図ることも可能である。なお、暖機装置14による第1の電源10の暖機終了のタイミングは、第1の電源10の電池温度に基づいて適宜設定されればよい。
次に、暖機装置14により暖機される第1の電源10の種類及び第2の電源12の種類について説明する。暖機装置14により暖機される第1の電源10は、例えば、出力型のリチウムイオン二次電池又はリチウムイオンキャパシタであることが好ましい。リチウムイオン二次電池の場合、電池の内部抵抗のうち反応抵抗が占める割合が高く、反応抵抗の活性化エネルギが大きい。そのため、電池性能は電池温度の影響を受けやすい。したがって、前述したように、走行開始前後の所定期間に出力型のリチウムイオン二次電池の暖機を開始することにより、効率よく出力型のリチウムイオン二次電池の性能を発揮させることが可能となる。また、リチウムイオンキャパシタは、正極にナノゲートカーボン(登録商標)を用い、負極に黒鉛系カーボンを採用した非対称型キャパシタであり、暖機後の入出力密度が現状の蓄電デバイスの中で最も高いものである。そのため、走行開始前後の所定期間にリチウムイオンキャパシタの暖機を開始することにより、高性能の電源システムを提供することが可能となる。一方、第2の電源12は、例えば、容量型のリチウムイオン二次電池を用いることが好ましい。これは、エネルギ密度が非常に高いものであるため、高性能の電源システムを提供することが可能となるからである。但し、第1の電源10及び第2の電源12は上記に制限されるものではなく、鉛二次電池、ニッケル水素二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスの採用を制限するものではない。
出力型のリチウムイオン二次電池と容量型のリチウムイオン二次電池等のように、同じ蓄電デバイス同士でも、電極材料の種類、電極の寸法、使用する電解液の種類等によって容量型の蓄電デバイス、出力型の蓄電デバイスに分かれる。例えば、容量型のリチウムイオン二次電池は、一般的なリチウムイオン二次電池で、例えば、正極材料としてコバルト酸リチウムが用いられる。これに対して、出力型のリチウムイオン二次電池は、例えば、正極材料としてオリビン酸リン酸鉄リチウムが用いられる。
図11は、化学蓄熱装置の再生処理の方法を説明するためのフロー図である。第1の反応器26の放熱が継続され、第2の反応器28内のアンモニアが減少した場合には、アンモニアを再び第2の反応器28側に集め、第2の反応器28の化学蓄熱材にアンモニアを固定させる再生処理を行う必要がある。再生処理の一例について、図3及び図11を用いて説明する。
(再生処理)
再生処理の例としては、図11に示すように、第1の反応器26にヒータ等を設置して、図3に示すアンモニア配管30のバルブ30aを開いた状態で、ヒータにより第1の反応器26を加熱する。ヒータへの電力供給は、図11に示すように、第1の電源10や第2の電源12、又はインバータ22(及びコンバータ)を介して、車両からの回生エネルギにより発電するモータジェネレータ24により行われる。このように、第1の反応器26を加熱することによって、第1の反応器26内に固定されているアンモニアC’が吸熱反応により離脱し、アンモニア配管30を通って、第2の反応器28に輸送される(図11参照)。輸送されたアンモニアC’は、図3に示すように、第2の反応器28の反応室42内の化学蓄熱材に発熱反応により固定化され、初期の状態に再生される。なお、この発熱反応は、例えば、第2の反応器28の熱媒体流路40へ所定温度(例えば、−30℃〜10℃)の熱媒体Bを供給することにより維持される。このような再生処理を行うことにより、第1の電源10等の暖機を繰り返し行うことができる。
再生処理の例としては、図11に示すように、第1の反応器26にヒータ等を設置して、図3に示すアンモニア配管30のバルブ30aを開いた状態で、ヒータにより第1の反応器26を加熱する。ヒータへの電力供給は、図11に示すように、第1の電源10や第2の電源12、又はインバータ22(及びコンバータ)を介して、車両からの回生エネルギにより発電するモータジェネレータ24により行われる。このように、第1の反応器26を加熱することによって、第1の反応器26内に固定されているアンモニアC’が吸熱反応により離脱し、アンモニア配管30を通って、第2の反応器28に輸送される(図11参照)。輸送されたアンモニアC’は、図3に示すように、第2の反応器28の反応室42内の化学蓄熱材に発熱反応により固定化され、初期の状態に再生される。なお、この発熱反応は、例えば、第2の反応器28の熱媒体流路40へ所定温度(例えば、−30℃〜10℃)の熱媒体Bを供給することにより維持される。このような再生処理を行うことにより、第1の電源10等の暖機を繰り返し行うことができる。
再生処理時に使用されるヒータへの電力供給は、電力を有効に利用することができる点で、電源の残容量の状態に応じて行うことが好ましい。以下に、その具体例について説明する。一般的に、電源の寿命を確保する点から、電源の残容量に閾値を設定し、閾値未満である場合には、インバータ22(及びコンバータ)を介して、車両からの回生エネルギによりモータジェネレータ24で発電した電力を電源に供給して充電を行い、閾値以上である場合には、モータジェネレータ24が発電した電力の供給を制限する等して、電源の充電制御が行われている。
そこで、本実施形態では、例えば、第1の電源10に、電圧及び電流センサを設置して、第1の電源10の電圧値及び電流値から、第1の電源10の残容量を算出する。そして、第1の電源10の残容量が充電を制限するために設定した閾値以上である場合には、図11に示すように、インバータ22(及びコンバータ)を介してモータジェネレータ24で発電した電力をヒータに供給して、化学蓄熱装置14の再生処理を行う。また、第1の電源10の残容量が閾値未満等の適正範囲である場合には、第2の電源12等からヒータに電力を供給して化学蓄熱装置14の再生処理を行う。このようにヒータへの電力供給を制御することにより、電力を効率的に利用することができるため、車両の走行中でも再生処理が可能となる。
ここでは、第1の電源10の残容量の状態に応じて再生処理を実行する例を説明したが、第2の電源12の残容量の状態又は第1及び第2の電源12の残容量の状態に応じて、モータジェネレータ24からヒータに電力を供給したり、第2の電源12(又は第1の電源10)からヒータに電力を供給したりして、再生処理を実行してもよい。また、本実施形態において、再生処理に必要な電力(エネルギ)は、第2の電源12が供給することができる電力(エネルギ)の1%以下となるように、化学蓄熱システムを設計することが望ましい。
図12は、本実施形態の電源システムの電源を暖機する方法の他の一例を説明するためのフロー図である。ここでは、第1の電源10の暖機だけでなく、第2の電源12の暖機も行う。第2の電源12の暖機を行うことで、第2の電源12からの入出力が増加するため、第1の電源から出力される電力が抑えられ、第1の電源の劣化を抑制することが可能となる。
まず、前述したように、イグニッションキーがON状態とされて、走行開始前後の所定期間の間に、第1の反応器26、第2の反応器28、及び蒸発器を有する化学蓄熱装置14によって、第1の電源10の暖機が開始される。第1の暖機後(暖機途中又は暖機終了後)、第2の電源12の暖機が開始される。ここで、第1の電源10の暖機後に、化学蓄熱装置14によって第2の電源12の暖機を開始してもよいが、第1の電源10を暖機する化学蓄熱装置14とは別に、第2の電源12を暖機する暖機装置を設けることが好ましい。
第1の電源10及び第2の電源12を暖機する場合には、図12に示すように、主に第1の電源10を暖機する第1の暖機装置と、主に第2の電源12を暖機する第2の暖機装置と、を備える暖機装置システムとすることが望ましい。そして、第1の暖機装置は、前述した化学蓄熱装置であり、第2の暖機装置は、車両内で発生する排熱を利用する暖機装置であることが好ましい。これにより、車両内で発生する排熱を有効に利用することができるため、効率的又は省エネルギで電源の暖機が可能になる。
第2の暖機装置は、車両内で発生する排熱を利用して蒸気を発生する蒸気発生器、車両内で発生する排熱により加熱された熱媒体を第2の電源12に供給するファン、熱交換器等が挙げられる。車両内で発生する排熱は、例えば、エンジンやモータジェネレータ24からの排熱、インバータ22の損失熱、トランスアクスルからの排熱等が挙げられる。
暖機装置による電源の昇温速度において、第1の電源の昇温速度は第2の電源の昇温速度より早く設定することが好ましい。これは、第1の電源を速やかに昇温することにより、電源システム全体の出力を効率的に発揮させることが可能となるからである。
これまでの実施形態では、第1の電源10の暖機開始タイミングを車両走行開始前後の所定期間としている。しかし、例えば、第1の電源10に温度センサを設置して、温度センサにより検出される電池温度が所定値以下である場合には、車両走行開始前の所定期間に第1の電源10の暖機を開始し、電池温度が所定値を超える場合には、車両走行開始後の所定期間に第1の電源10の暖機を開始する等して、暖機開始タイミングを制御してもよい。
また、第2の電源12の暖機開始タイミングを第1の電源10の暖機後(暖機途中及び暖機終了後)としているが、例えば、第1の電源10に温度センサを設置して、温度センサにより検出される電池温度が所定値に達した後に、第2の電源12の暖機を開始する等して、第2の電源12の暖機開始タイミングを制御してもよい。
図13は、化学蓄熱装置の再生処理の方法の他の一例を説明するためのフロー図である。前述したように、再生処理の際には、第1の反応器にヒータを設置して、第1の反応器26を加熱してもよいが、図13に示すように、車両内で発生する排熱を利用する加熱装置により、第1の反応器26を加熱してもよい。なお、車両内で発生する排熱を利用する場合には、第1の反応器26にヒータを設置する必要はない。加熱装置は、車両内で発生する排熱を利用して蒸気を発生する蒸気発生器、車両内で発生する排熱により加熱された熱媒体を第1の反応器26に供給するファン、熱交換器等が挙げられる。車両内で発生する排熱は、例えば、エンジンやモータジェネレータ24からの排熱、インバータ22の損失熱、トランスアクスルからの排熱等が挙げられる。
1 電源回路、10 第1の電源、10a セル、12 第2の電源、14 暖機装置又は化学蓄熱装置、16 電源システム、18 第1のコンバータ、20 第2のコンバータ、22 インバータ、24 外部負荷又はモータジェネレータ、26 第1の反応器、28 第2の反応器、30 アンモニア配管、30a バルブ、32,38 筐体、34,40 熱媒体流路、36,42 反応室、44 熱交換器、46 流路プレート、48 入口マニホールド、50 出口マニホールド、52 流路。
Claims (13)
- 車両の走行に必要な電力を供給する第1の電源及び第2の電源と、前記第1の電源を暖機する暖機手段と、を備える車両用の電源システムであって、
前記第1の電源は前記第2の電源より出力密度が高く、前記第2の電源は前記第1の電源よりエネルギ密度が高く、
前記暖機手段は、アンモニアが離脱するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を有する化学蓄熱装置であり、車両の走行開始前の所定期間又は走行開始後の所定期間において、前記第1の電源の暖機を開始することを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1記載の車両用の電源システムであって、
前記化学蓄熱装置は、前記第1の電源を暖機すると共に、前記第2の電源を暖機するものであり、前記第1の電源の温度が所定温度に達した後に、前記第2の電源の暖機を開始することを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1記載の車両用の電源システムであって、
前記第2の電源を暖機する暖機装置を備え、
前記第2の電源を暖機する暖機装置は、前記第1の電源の温度が所定温度に達した後に、前記第2の電源の暖機を開始することを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項3記載の車両用の電源システムであって、
前記第2の電源を暖機する暖機装置は、車両の排熱を利用して前記第2の電源を暖機する暖機装置であることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用の電源システムであって、
前記第1の電源の昇温速度は、前記第2の電源の昇温速度より速いことを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用の電源システムであって、
前記第1の電源及び前記第2の電源はリチウムイオン二次電池であることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用の電源システムであって、
前記第1の電源はリチウムイオンキャパシタであり、前記第2の電源はリチウムイオン二次電池であることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1記載の車両用の電源システムであって、
前記第1の電源を暖機するために前記化学蓄熱装置から供給される熱媒体は、凝縮潜熱であることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1記載の車両用の電源システムであって、
前記第1の電源を暖機するために前記化学蓄熱装置から供給される熱媒体は、液体であることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項1記載の車両用の電源システムであって、
前記化学蓄熱装置は、前記化学蓄熱材再生用の加熱器を備えることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項10記載の車両用の電源システムであって、
前記加熱器はヒータであり、前記ヒータへの電力は、前記第1の電源、前記第2の電源、及び車両からの回生エネルギにより発電する発電機のうち少なくともいずれか1つから供給されることを特徴とする車両用の電源システム。 - 請求項10記載の車両用の電源システムであって、
前記加熱器による前記化学蓄熱材の再生には、車両の排熱が利用されることを特徴とする車両用の電源システム。 - 装置の稼働に必要な電力を供給する第1の電源及び第2の電源と、前記第1の電源を暖機する暖機手段と、を備える電源システムであって、
前記第1の電源は前記第2の電源より出力密度が高く、前記第2の電源は前記第1の電源よりエネルギ密度が高く、
前記暖機手段は、アンモニアが離脱するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を有する化学蓄熱装置であり、電源システムが搭載される装置の稼働前の所定期間又は稼働後の所定期間において、前記第1の電源の暖機を開始することを特徴とする電源システム。
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