JP5170879B2 - 化学蓄熱材複合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学蓄熱材と粘土鉱物とを含有する化学蓄熱材複合物及びその製造方法に関する。
従来より、化学蓄熱材を利用した各種蓄熱装置が開発されている。
化学蓄熱材としては、例えば粒径0.3〜4mmの範囲の結晶性の石灰石を温度850〜1100℃の範囲で所定時間加熱した後に温度500〜600℃の範囲で所定時間加熱することにより、多数の気孔を有する生石灰を生成する技術が知られている(特許文献1参照)。また、内部空間に対して10〜60容積%の割合で粉体化学蓄熱材を収容したカプセルを、反応器又は反応塔に充填する技術が知られている(特許文献2及び3参照)。さらに、溢汪管を具備した複数の蒸発皿を有する蒸発器と、冷媒液管流器と、凝縮器と、吸着剤容器と、これらを連通する連通管とを有する化学蓄熱型冷凍装置が知られている(特許文献3参照)。
特開平1−225686号公報 特公平6−80395号公報 特公平6−80394号公報 特公平7−332788号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、それ自体に気孔が形成された生石灰を粉体のまま化学蓄熱材として用いた場合には、作動中に水和反応と脱水反応とが繰り返えされたときに、化学蓄熱材の粉体が体積膨張と収縮とを繰り返し起こすことによって、他の粉体と擦れ合い、微粉化してしまうという問題があった。その結果、蓄熱システムとしての反応性が低下するおそれがあった。
また、特許文献2及び3の構成では、カプセルの採用による熱伝導抵抗の増加や伝熱経路の複雑化によって、化学蓄熱材の発熱反応による熱を効率良く取り出すことができず、さらに蓄熱反応における熱を効率よく供給することができないという問題があった。一方、特許文献4の構成は、複数の蒸発皿を用いることで蒸発器での冷媒の蒸発面積を確保することができるものの、熱交換媒体との熱交換面積が小さくなり、伝熱不足(律束)を起こす原因となる。
したがって、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる材料自体の開発が望まれていた。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる化学蓄熱材複合物及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、少なくとも化学蓄熱材と粘土鉱物とを含有し、上記化学蓄熱材の一次粒子間の少なくとも一部に、上記粘土鉱物の粒子が分散されており、
アンモニア又は極性官能基を有する水溶性有機化合物を含有し、上記粘土鉱物の粒子は、上記化学蓄熱材の一次粒子間に、上記水溶性有機化合物を介して分散されていることを特徴とする化学蓄熱材複合物にある(請求項1)。
上記化学蓄熱材複合物においては、上記のごとく、上記化学蓄熱材の上記一次粒子間の少なくとも一部に、上記粘土鉱物の粒子が分散されている。そのため、蓄熱と放熱とを繰り返し行ったときにおける上記化学蓄熱材同志の直接的な擦れ合いを一次粒子のレベルで抑制し、上記化学蓄熱材の微粒化を抑制することができる。また、上記粘土鉱物は上記化学蓄熱材の上記一次粒子という非常に小さな単位の粒子間にまで分散されている。そのため、上記化学蓄熱材複合物においては、蓄熱及び放熱時の反応に伴う例えば水蒸気等の反応物又は反応生成物の経路を上記化学蓄熱材の一次粒子間のレベルにまで形成することができる。そのため、化学蓄熱材の反応性を向上させることができ、上記化学蓄熱材複合物は、高い蓄熱量及び放熱量を発揮することが可能になる。また、一次粒子間のレベルにまで分散された上記粘土鉱物により、上記化学蓄熱材の粒子同士の直接的な接触を抑制することができる。そのため、蓄熱と放熱とを繰り返し行うことによる上記化学蓄熱材の粒子同士の凝集を抑制し、この凝集による反応性の低下を抑制することができる。そのため、上記化学蓄熱材複合物は、蓄熱と放熱とを繰り返し行ったときの反応の安定性に優れている。
このように、上記第1の発明によれば、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる化学蓄熱材複合物を提供することができる。
第2の発明は、粉体の化学蓄熱材酸化物と、粘土鉱物と、アンモニア又は極性官能基を有する水溶性有機化合物と、水分とを混合する水和反応工程を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法にある(請求項18)。
上記第2の発明の製造方法においては、上記化学蓄熱材酸化物と上記粘土鉱物とアンモニア又は上記水溶性有機化合物と水分とを混合している(水和反応工程)。
そのため、上記水和反応工程においては、上記化学蓄熱材酸化物が水和され、水酸化物状態の化学蓄熱材、即ち化学蓄熱材水酸化物が生成すると共に、粒子崩壊が起こり、例えば一次粒子のレベルにまで該化学蓄熱材水酸化物を微粒化させることができる。また、上記水和反応工程においては、アンモニア又は上記極性官能基を有する上記水溶性有機化合物を用いており、該水溶性有機化合物の上記極性官能基又はアンモニアは、上記粘土鉱物、上記化学蓄熱材酸化物、及び上記化学蓄熱材水酸化物との親和性に優れている。そのため、上記水和反応工程における混合時には、アンモニア又は上記水溶性有機化合物が上記粘土鉱物と上記化学蓄熱材酸化物及び/又は上記化学蓄熱材水酸化物とを架橋させることができる。さらに、アンモニア又は上記水溶性有機化合物は、上記化学蓄熱材水酸化物の結晶成長を抑制することができる。その結果、上記水和反応工程においては、上記粘土鉱物の粒子を上記化学蓄熱材水酸化物の例えば一次粒子間にまで分散させることができる。
また、上記化学蓄熱材水酸化物に結合したアンモニア又は上記水溶性有機化合物は、これが結合した結晶面において、その粒子の結晶成長を抑制することができる。そのため、上記化学蓄熱材水酸化物の粒子の粗大化を抑制することができる。また、アンモニア又は上記水溶性有機化合物が結合していない結晶面での結晶成長は進行させることができる。
一例として上記化学蓄熱材酸化物としてCaOを用いた場合には、CaOからCa(OH)2への水和反応時に、アンモニア又は上記水溶性有機化合物は、CaO及び/又はCa(OH)2に結合して六角柱形状の粒子の厚み方向(六角柱における六角形状の面に垂直な方向)への結晶成長を抑制することができると共に、上記粘土鉱物をCa(OH)2の粒子間に配置させることができる。その結果、上述のごとく、上記粘土鉱物の粒子を上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子間にまで分散させることができる。
上記第2の発明の製造方法により得られる上記化学蓄熱材複合物は、上記第1の発明と同様に、長期間安定に蓄熱及び放熱を繰り返し行うことができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
上記第1の発明において、上記化学蓄熱材複合物は、上記化学蓄熱材の一次粒子間の少なくとも一部に、上記粘土鉱物の粒子が分散されている。
上記化学蓄熱材の一次粒子は、倍率4000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察できる最小単位の粒子である。その粒径は約1μm以下である。粒径は、円相当径であり、粒子が例えば鱗片状又は板状の場合には、粒子を厚み方向(長尺方向と略垂直な方向、短軸方向)から観察したときにおける円相当径で規定できる。かかる粒径は、電子顕微鏡による画像解析により測定できる。
上記化学蓄熱材は、普通、一次粒子が凝集して二次粒子を構成するが、上記第1の発明の上記化学蓄熱材複合物においては、上記粘土鉱物が上記化学蓄熱材の一次粒子の間の少なくとも一部に分散されている。なお、二次粒子の粒径は、約6〜10μmであり、一次粒子と同様に顕微鏡観察により円相当径として測定できる。
上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴い酸化物となり、水和反応に伴い水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記化学蓄熱材複合物は、上記化学蓄熱材の水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができる。そして、上記化学蓄熱材は、水酸化物(化学蓄熱材水酸化物)又は酸化物(化学蓄熱材酸化物)の形態をとることにより蓄熱・放熱を行うことができる。ところで、上記水和反応系化学蓄熱材においては、水和反応及び脱水反応に伴ってその粒子の体積が膨張及び収縮を繰り返すが、本発明の上記化学蓄熱材複合物においては、上述のごとく上記粘土鉱物が上記化学蓄熱材の一次粒子間にまで分散されているため、粒子同士の接触による凝集を充分に抑制することができる。
上記化学蓄熱材として、例えばアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物を用いた場合には、水和反応及び脱水反応は、下記の式で表すことができる。ただし、Aはアルカリ土類金属元素を示し、Qは発熱量及び蓄熱量を示す。
AO+H2O→A(OH)2+Q(水和反応)
A(OH)2+Q→AO+H2O(脱水反応)
上記の反応式に示すごとく、水和反応系化学蓄熱材を用いた場合には、水(水蒸気)が化学蓄熱材との反応物及び反応生成物となり、放熱及び蓄熱が起こる。そして、上記の反応式で表される水和反応・脱水反応が可逆的に起こることにより、放熱及び蓄熱を繰り返し行うことができる。
また、上記化学蓄熱材は、無機化合物であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、無機化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性を向上させることができる。そのため、長期間安定に蓄熱・放熱を行わせることができる。
また、上記化学蓄熱材は、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物、及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種以上の化合物からなることが好ましい(請求項4)。
この場合にも、これらの化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性を向上させることができる。そのため、長期間安定に蓄熱・放熱を行わせることができる。
より好ましくは、アルカリ土類金属化合物がよい。この場合には、より長期間安定に蓄熱・放熱を行わせることができる。またこの場合には、上記化学蓄熱材として環境負荷の小さい安全なアルカリ土類金属化合物を用いることができるため、製造、使用、リサイクル等を含めた安全性の確保が容易になる。
上記化学蓄熱材として上記水和反応系化学蓄熱材を用いる場合には、上記化学蓄熱材は、蓄熱(脱水反応)時には酸化物の形態をとり、放熱(水和反応)時には水酸化物の形態をとることができる。また、上記化学蓄熱材としては、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物、バリウム化合物、カルシウム化合物、及びマグネシウム化合物から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。この場合には、上記化学蓄熱材は、比較的高い蓄熱量を発揮できると共に、優れた安定性を示すことができる。
したがって、上記化学蓄熱材は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の水酸化物からなることが好ましい(請求項5)。
また、上記化学蓄熱材は、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムからなることが好ましい(請求項6)。
より好ましくは、蓄熱(脱水反応)時の上記化学蓄熱材は、酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムがよく、放熱(水和反応)時の上記化学蓄熱材は、水酸化カルシウム及び/又は水酸化マグネシウムがよい。
この場合には、上記化学蓄熱材の優れた蓄熱量及び蓄熱反応と放熱反応との可逆性を生かして、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱密度を向上でき、また、上記化学蓄熱材複合物は、より長期間安定して蓄熱及び放熱を行うことができる。
特に、酸化カルシウムや水酸化カルシウムを用いた場合には、蓄熱・放熱を複数回繰り返し行ったときの安定性をより向上させることができる、また、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムを用いた場合には、より低温度領域での蓄熱・放熱が可能になる。
また、上記粘土鉱物の粒子は、繊維状または板状であることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記化学蓄熱材の上記一次粒子間に分散された上記粘土鉱物の粒子により、水蒸気等の反応物又は反応生成物の経路が充分に形成され、反応性を向上させることができる。
また、上記粘土鉱物は、多孔質であることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記化学蓄熱材の一次粒子間にまで分散された多孔質の上記粘土鉱物により、水蒸気等の反応物又は反応生成物が上記化学蓄熱材に充分に供給されるため、反応性を向上させることができる。また、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物との上述の一次粒子レベルでの分散構造を形成しつつ、水蒸気(熱媒)の移動が阻害されることもない。また、この場合には、蓄熱反応停止時に、上記化学蓄熱材複合物内に存在する余剰の水蒸気を多孔質の上記粘土鉱物が吸着することができる。そのため、反応停止時の低温状態等に、液体の水が発生すること(液水化)を防止することができる。その結果、液体状の水と化学蓄熱材との反応によるシンタリングを抑制することができる。
上記粘土鉱物は、層リボン構造を有することが好ましい(請求項9)。
上記層リボン構造を有する上記粘土鉱物としては、例えば、セピオライト、パリゴルスカイトを用いることができる(請求項10)。
これらの場合には、上記粘土鉱物は、多孔質で比表面積が大きい繊維状形態を有する。そのため、上記粘土鉱物が有する繊維質、多孔性、及び可塑性等という性質により、上記化学蓄熱材複合物中で上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、上記粘土鉱物としては、上記の層リボン構造を有するもの以外に、ベントナイトを用いることができる(請求項11)。
この場合には、接着力が強いというベントナイトの特性を生かして、上記化学蓄熱材複合物中で上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
また、上記化学蓄熱材複合物は、アンモニア又は極性官能基を有する水溶性有機化合物を含有し、上記粘土鉱物の粒子は、上記化学蓄熱材の一次粒子間に、上記水溶性有機化合物を介して分散されていることが好ましい
この場合には、上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物とを混合して上記化学蓄熱材複合物を作製する際に、アンモニア又は上記水溶性有機化合物がその極性官能基を生かして上記化学蓄熱材と上記粘土鉱物とに結合してこれらを架橋することができる。そのため、上記化学蓄熱材の一次粒子間に上記粘土鉱物の粒子が分散した上記化学蓄熱材複合物を得ることができる。また、アンモニア又は上記水溶性有機化合物は、熱分解により容易に消失させることができる。
上記水溶性有機化合物は、酸素及び/又は窒素を含有する極性官能基を有することが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記水溶性有機化合物の上記極性官能基は、比較的高い極性を示し、上記水溶性有機化合物は、上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材に結合し易くなる。そのため、上記粘土鉱物と上記水溶性有機化合物と上記化学蓄熱材との複合体が形成され易くなり、上記化学蓄熱材の一次粒子間に上記粘土鉱物の粒子を分散させ易くなる。
酸素及び/又は窒素を含有する極性官能基としては、例えば−OH、−COOR1、−NR23(R2、R3は、明細書作成の便宜のため横に並べて記載してあるが、これらはいずれもNに結合しているものである)等がある。R1、R2、R3としては、H、CH3、C25、CH2OH、C24OH等があり、R2とR3は同じであっても異なっていてもよい。
このような極性官能基を有する上記水溶性有機化合物は、炭素と酸素と水素、炭素と酸素、炭素と窒素、炭素と窒素と水素等の結合を有するため、比較的大きな極性を示すことができ、粘土鉱物や化学蓄熱材により結合し易くなる。
上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基から選ばれるいずれか1種以上を含有することが好ましい(請求項13)。即ち、上記水溶性有機化合物は、アルコール、アミン、カルボン酸であることが好ましい。
この場合には、上記極性官能基の高い極性を生かして、上記水溶性有機化合物は、上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材に優れた親和性を示すことができる。そのため、上記水溶性有機化合物を上記粘土鉱物と上記化学蓄熱材と共に混合して上記化学蓄熱材複合物を作製する際に、上記化学蓄熱材の一次粒子間に上記粘土鉱物の粒子をより充分に分散させることができる。より好ましくは、上記極性官能基は、水酸基、アミノ基がよい。水酸基及びアミノ基等のアルカリ性を示す極性官能基を有する上記水溶性有機化合物は、上記粘土鉱物の一部を溶解して反応し、上記化学蓄熱材への分散性を向上させることができる。
また、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基を2つ以上含有することが好ましい(請求項14)。
この場合には、上記水溶性有機化合物は、少なくとも1つの上記極性官能基で上記粘土鉱物と結合し、残りの上記極性官能基で上記化学蓄熱材と結合することができる。そのため、混合時に、より確実に上記化学蓄熱材の一次粒子間に上記水溶性有機化合物を介して上記粘土鉱物を分散させることができる。そのため、分散性をより向上させることができる。
極性官能基を2つ以上有する上記水溶性有機化合物としては、上記極性官能基として水酸基を2つ以上含有する多価アルコールを用いることができる(請求項15)。
具体的には、水酸基を2つ含有するジオール、3つ含有するトリオール等がある。
さらに具体的には、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、ソルビトール、キシリトール等の糖類等がある。
また、極性官能基を2つ以上有する上記水溶性有機化合物としては、上記極性官能基としてアミノ基を2つ以上含有するアミンを用いることができる(請求項16)。
具体的には、アミノ基を2つ含有するジアミン、アミノ基を3つ含有するトリアミン等がある。ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等がある。トリアミンとしては、例えばエチレントリアミン、プロピレントリアミン、及びブチレントリアミン等がある。
その他にも、上記水溶性有機化合物としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、及びジエチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、メタノール、及びエタノール等のアルコール等がある。
上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を含有する第1級アミンであることが好ましい(請求項17)。
第1級アミン(R−NH2)は、アミノ基の窒素原子の周囲に大きな極性を生じやすく、例えば水中においては、極性の大きな有機アンモニウムイオン(R−NH3 +)を形成することができる。そのためこの場合には、上記極性官能基の高い極性を生かして、上記水溶性有機化合物は、上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材に優れた親和性を示すことができる。そのため、上記水溶性有機化合物を上記粘土鉱物と上記化学蓄熱材と共に混合して上記化学蓄熱材複合物を作製する際に、上記化学蓄熱材の一次粒子間に上記粘土鉱物の粒子をより充分に分散させることができる。
次に、上記第2の発明においては、上記水和反応工程を行うことにより、水酸化物状態の上記化学蓄熱材(化学蓄熱材水酸化物)の粒子間に上記粘土鉱物の粒子が分散された上記化学蓄熱材を得ることができる。このとき、アンモニア又は上記水溶性有機化合物を上記化学蓄熱材水酸化物と上記粘土鉱物との間に架橋させることができる。
上記水和反応工程における化学蓄熱材酸化物と粘土鉱物とアンモニア又は水溶性有機化合物との組合せとしては、水中で化学蓄熱材酸化物と粘土鉱物の双方に吸着可能な水溶性有機化合物とこれらの化学蓄熱材酸化物及び粘土鉱物、又は水中でアンモニアに吸着可能な化学蓄熱材酸化物及び粘土鉱物とアンモニアを選択することができる。
上記水和反応工程後に得られる上記化学蓄熱材複合物には、アンモニア又は上記水溶性有機化合物が含まれるが、アンモニア又は該水溶性有機化合物は、例えば400℃以上で加熱することにより容易に除去することができる。そのため、アンモニア又は上記水溶性有機化合物が蓄熱・放熱反応に対する阻害物質になることを容易に回避することができる。
上記水和反応工程においては、上記粘土鉱物とアンモニア又は上記水溶性有機化合物と水分とを混合して粘土鉱物分散液を作製し、該粘土鉱物分散液と上記化学蓄熱材酸化物とを混合することが好ましい(請求項19)。
この場合には、上記粘土鉱物分散液の状態でアンモニア又は上記水溶性有機化合物と上記粘土鉱物との結合(吸着)を形成させることができるため、上記粘土鉱物分散液と上記化学蓄熱材酸化物とを混合したときにおける上記粘土鉱物と上記化学蓄熱材酸化物及び/又は該化学蓄熱材酸化物が水和された化学蓄熱材水酸化物との分散性をより一層向上させることができる。一方、上記粘土鉱物とアンモニア又は上記水溶性有機化合物と水分と上記化学蓄熱材酸化物とを一度に混合すると、上記水溶性有機化合物が比較的低沸点の成分からなる場合に、水分と化学蓄熱材酸化物との反応(水和反応)における昇温により、上記水溶性有機化合物の一部が気化し、分散性を向上させることができなくなるおそれがある。これはアンモニアや比較的低分子量の上記水溶性有機化合物を用いた場合に顕著となる傾向がある。
上記水和反応工程においては、上記粘土鉱物分散液を上記化学蓄熱材酸化物に噴霧することが好ましい(請求項20)。
この場合には、例えば上記化学蓄熱材酸化物を配置した可動ベルト等の生産ライン上に上記粘土鉱物分散液を噴霧することにより、上記水和反応工程を連続的に行うことができる。そのため、工業的な生産性を向上させることができる。
上記粘土鉱物は、繊維状又は板状の粒子からなる粉体であることが好ましい(請求項21)。
この場合には、上記水和反応工程において、上記粘土鉱物を上記化学蓄熱材酸化物と分散させたときに、該化学蓄熱材酸化物及び/又は上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子レベルまで分散させることが容易になると共に、一次粒子間に上記粘土鉱物を配置させ、一次粒子同士の直接的な接触を抑制できる構造を容易に形成させることができる。
上記粘土鉱物は、多孔質であることが好ましい(請求項22)。
この場合には、上述のごとく、より反応性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。
上記粘土鉱物は、層リボン構造を有することが好ましい(請求項23)。
上記粘土鉱物としては、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトを採用することが好ましい(請求項24)。
これらの場合には、上述のごとく、上記化学蓄熱材複合物中で上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
上記粘土鉱物としては、ベントナイトを採用することが好ましい(請求項25)。
この場合には、上述のごとく、上記化学蓄熱材複合物中で上記化学蓄熱材を良好に組織化・構造化させることができる。
上記水溶性有機化合物は、酸素及び/又は窒素を含有する極性官能基を有することが好ましい(請求項26)。
この場合には、酸素及び/又は窒素を含有する上記極性官能基の高い極性を生かして、上記水和反応工程において、上記水溶性有機化合物を上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材酸化物(又は上記化学蓄熱材水酸化物)により優れた親和性で吸着及び吸収させることができる。そのため、上記水和反応工程において、上記粘土鉱物の粒子を上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子間にまでより充分に分散させることができる。
上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基から選ばれるいずれか1種以上を含有することが好ましい(請求項27)。
この場合には、上記極性官能基の高い極性を生かして、上記水溶性有機化合物の上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材酸化物又は上記化学蓄熱材水酸化物に対する親和性をより向上させることができる。そのため、上記粘土鉱物と上記化学蓄熱材水酸化物との分散性をより向上させることができる。より好ましくは、上記極性官能基は、水酸基、アミノ基がよい。水酸基及びアミノ基等のアルカリ性を示す極性官能基を有する上記水溶性有機化合物は、上述のごとく上記粘土鉱物の一部を溶解して反応し、上記化学蓄熱材酸化物又は上記化学蓄熱材水酸化物への分散性をより向上させることができる。
上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基を2つ以上含有することが好ましい(請求項28)。
この場合には、上記水和反応工程において、上記水溶性有機化合物は、少なくとも1つの上記極性官能基で上記粘土鉱物と吸着(結合)し、残りの上記極性官能基で上記化学蓄熱材酸化物又は上記化学蓄熱材水酸化物と吸着(結合)することができる。そのため、上記水和反応工程において、上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子間のレベルにまで上記水溶性有機化合物を介して上記粘土鉱物をより確実に分散させることができる。そのため、分散性をより向上させることができる。
極性官能基を2つ以上有する上記水溶性有機化合物としては、上記極性官能基として水酸基を2つ以上含有する多価アルコールを用いることができる(請求項29)。
また、極性官能基を2つ以上有する上記水溶性有機化合物としては、上記極性官能基としてアミノ基を2つ以上含有するアミンを用いることができる(請求項30)。
具体的に用いることができる多価アルコール及びアミンの例は、上述のとおりである。
また、上記水和反応工程において用いることができるその他の水溶性有機化合物の例は、上述のとおりである。
上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を含有する第1級アミンであることが好ましい(請求項31)。
この場合には、アミノ基の窒素原子の周囲に大きな極性を生じやすいという上記第1級アミンの特性を生かして、上記水和反応工程において、上記水溶性有機化合物を、上記粘土鉱物及び上記化学蓄熱材酸化物(又は上記化学蓄熱材水酸化物)により優れた親和性で吸着(結合)させることができる。
また、上記第2の発明において、上記化学蓄熱材酸化物としては、水和反応に伴って水酸化物となり、脱水反応伴って酸化物となる水和反応系化学蓄熱材の酸化物状態にある化合物を採用することが好ましい(請求項32)。
この場合には、上述のごとく水和反応及び脱水(逆水和)反応によって蓄熱・放熱を良好に行うことができる上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。
また、上記化学蓄熱材酸化物は、無機化合物であることが好ましい(請求項33)。
この場合には、上述のごとく無機化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。
上記化学蓄熱材酸化物は、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、及びアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種以上の酸化物からなることが好ましい(請求項34)。
この場合にも、上述のごとくアルカリ土類金属化合物の優れた安定性を生かして、水和・脱水反応等の蓄熱・放熱反応に対する材料安定性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。
上記化学蓄熱材酸化物は、酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムであることが好ましい(請求項35)。
酸化カルシウムを用いた場合には、上記水和反応工程後に、水酸化カルシウムを上記化学蓄熱材水酸化物として含有する上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。また、酸化マグネシウムを用いた場合には、上記水和反応工程後に、水酸化マグネシウムを上記化学蓄熱材水酸化物として含有する上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。これら水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムを含有する上記化学蓄熱材複合物は、比較的高い蓄熱密度を発揮できると共に、優れた安定性を示すことができる。
また、上記水和反応工程後に得られる上記化学蓄熱材複合物においては、化学蓄熱材は、水酸化物(化学蓄熱材水酸化物)の形態をとっている。上記水和反応工程後に、大気雰囲気下等の酸化条件下で種々の加熱操作等を行うことにより、化学蓄熱材を酸化物(化学蓄熱材酸化物)の形態にすることができる。
また、上記水和反応工程後の上記化学蓄熱材複合物を雰囲気温度100〜200℃の条件下で30分以上攪拌する熟成工程を行うことが好ましい(請求項36)。
この場合には、上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子を成長させることができる。この成長により、水和反応工程後の一次粒子の粒径約0.1μm〜0.2μmを粒径約0.3μm〜3μmにまで成長させることができる。成長は、上記水溶性有機化合物が吸着していない面で進行するため、比表面積の大きな鱗片状又は板状の一次粒子を有する上記化学蓄熱材複合物を得ることができる。鱗片状又は板状の一次粒子は、構造上、厚み方向(長尺方向と略垂直な方向、短軸方向)に空隙を形成しながら凝集することから、二次粒子は、一次粒子に比べてより多くの空間を有する多孔構造となりうる。かかる化学蓄熱材複合物においては、上述のごとく鱗片状又は板状の一次粒子が凝集して二次粒子を構成するため、例えば球状の一次粒子が凝集して二次粒子を構成した構造体に比べて、一次粒子間により多くの隙間が確保される。そのため、上記化学蓄熱材複合物においては、蓄熱及び放熱時の反応に伴う例えば水蒸気等の反応物又は反応生成物の経路がより充分に形成されると共に、比表面積の大きな一次粒子と反応物又は反応生成物との接触面積が増大する。そのため、上記化学蓄熱材複合物の蓄熱密度及び放熱密度を向上させることができる。また、一次粒子同士の凝集を抑制することができる。そのため、蓄熱と放熱を繰り返し行ったときの安定性を向上させ、上記化学蓄熱材複合酸化物は、より長期間安定に蓄熱及び放熱を行うことができる。
雰囲気温度が100℃未満の場合又は熟成温度が30分未満の場合には、熟成が不十分になり、六角柱形状の粒子のサイズを充分に成長させることができず、粒子の比表面積を充分に増大させることができなくなるおそれがある。一方、200℃を越える場合には、上記水溶性有機化合物として比較的低沸点のものを用いた場合に、該水溶性有機化合物が気化して消失するおそれがある。そのため、上記水溶性有機化合物が結晶成長の抑制効果を充分に発揮できなくなるおそれがある。また、焼成後の粒子サイズを1μm以下とする粒径制御の観点からは、熟成時間は100分以下であることが好ましい。
上記熟成工程後又は上記水和反応工程後の上記化学蓄熱材複合物に含まれる水分を10秒以内に蒸発させる瞬間乾燥工程を行うことが好ましい(請求項37、請求項38)。
この場合には、上記化学蓄熱材複合物の全体に、内部から外部に連通する微細な細孔を形成させることができる。即ち、上記化学蓄熱材複合物全体を多孔質化させることができる。そのため、より反応性に優れた上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。瞬間乾燥工程における蒸発時間が10秒を越える場合には、ゆるやかな蒸発により細孔形成が不足し、多孔質化が不十分になり、上記瞬間乾燥工程を行うメリットが低下するおそれがある。
上記化学蓄熱材複合物を成形し、焼成する焼成工程を行うことが好ましい(請求項39)。
この場合には、用途に応じた所望の形状の上記化学蓄熱材複合物を製造することができる。また、上記焼成工程を大気雰囲気等の酸化条件下で行った場合には、酸化状態の化学蓄熱材(化学蓄熱材酸化物)を含有する化学蓄熱材複合物を製造することができる。
また、上記水和反応工程後に得られる上記化学蓄熱材複合物においては、上記化学蓄熱材水酸化物の一次粒子間に上記粘土鉱物が分散され、該一次粒子同士は凝固してさらに大きな二次粒子を形成することができる。上記焼成工程において、上記化学蓄熱材複合物にさらに粘土鉱物を混合し、成形して焼成することにより、二次粒子の周囲にさらに粘土鉱物が分散された化学蓄熱材複合物を得ることができる。この場合には、上記粘土鉱物により、二次粒子間の隙間を確保することができ、上記化学蓄熱材複合物の反応性をより向上させることができる。また、化学蓄熱材の二次粒子同士の直接的な接触を抑制することができるため、微粉化を防止し、より長期間に安定に蓄熱及び放熱を行うことができる。
粘土鉱物としては、上述の水和反応工程と同様の鉱物を用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例は、蓄熱及び放熱を行うことができる化学蓄熱材複合物を製造する例である。
図1に示すごとく、本例の化学蓄熱材複合物1は、化学蓄熱材11と粘土鉱物12とを含有する。粘土鉱物の粒子12は、化学蓄熱材の一次粒子11間の少なくとも一部に分散されている。また、化学蓄熱材複合物1は、図2に示すごとく、極性官能基を有する水溶性有機化合物13を含有し、粘土鉱物の粒子12は、化学蓄熱材の一次粒子11間に、水溶性有機化合物13を介して分散されている。
本例の化学蓄熱材複合物1は、化学蓄熱材11として水酸化カルシウムを有し、粘土鉱物12としてセピオライト(主成分:含水マグネシウムシリケート:Mg8Si1230(OH)4(OH2)4・8H2O)を有する。化学蓄熱材の一次粒子11の形状は、六角柱の鱗片状であり、六角形状の面が幅広で、厚み方向(六角形状の面に垂直な方向)の幅よりも六角形状の面方向(六角形状の面と平行な方向)の幅が大きくなっている。化学蓄熱材複合物1においては、図1及び図2に示すごとく、化学蓄熱材の一次粒子11が凝集して二次粒子15を形成しており、粘土鉱物12は、一次粒子11間に分散されている。また、粘土鉱物12は、一次粒子11間だけでなく、二次粒子15間にも分散されている。
また、図2に示すごとく、化学蓄熱材の一次粒子11と粘土鉱物の粒子12との間には、水溶性有機化合物13としてのジエチレングリコールが配置されている。ジエチレングリコールは、極性官能基としての水酸基を2つ含有するジオールであり、一方の水酸基で化学蓄熱材の一次粒子11に、もう一方の水酸基で粘土鉱物12と吸着することができる。これにより、水溶性有機化合物13を介して化学蓄熱材11と粘土鉱物12との複合体18を形成することができる。
以下、本例の化学蓄熱材の製造方法につき、説明する。
本例においては、粉体の化学蓄熱材酸化物(CaO)と、粘土鉱物(セピオライト)と、水溶性有機化合物(ジエチレングリコール)と、水分とを混合することにより化学蓄熱材複合物を製造する。
具体的には、まず、化学蓄熱材酸化物として、粉体の酸化カルシウム(CaO)を作製した。図3(a)〜(c)に示すごとく、本例において、粉体の酸化カルシウム10は、採掘した石灰石100(炭酸カルシウム;CaCO3)を粒径1mm以下に粉砕して粉体の石灰石110を作製し、これを加熱分解(CaCO3→CaO+CO2)して作製した。
次いで、粘土鉱物としてのセピオライトを準備した。セピオライトとしては、水に懸濁した場合の線径(繊維径)が1μm以下で、その長さ(繊維長)が200μm以下のものを用いることができる。本例においては、線径が約0.01μmで長さが数十μmのトルコ産のセピオライトを用いた。なお、トルコ産のセピオライトに代えて、例えば線径が約0.1μmで長さが約100μmのスペイン産のセピオライトを用いることもできる。本例において使用したセピオライトを走査型電子顕微鏡(倍率4000倍)で観察したときの写真を図4に示す。
このセピオライト10gをジエチレングリコール濃度2重量%のジエチレングリコール水溶液209gに分散させて粘土鉱物分散液を作製した。この粘土鉱物分散液においては、ジエチレングリコールを粘土鉱物に予め吸着させることができる。
次に、図3(d)に示すごとく、可動ベルト9上に配置した粉体の化学蓄熱材酸化物10に粘土鉱物分散液19を噴霧した。噴霧量は、化学蓄熱材酸化物200gに対して粘土鉱物分散液中の粘土鉱物の混合量が10gとなるように調整した。これにより、化学蓄熱材酸化物(酸化カルシウム)が水和され、化学蓄熱材水酸化物(水酸化カルシウム:Ca(OH)2)が生成すると共に、水和反応時の発熱とこの反応に伴う体積膨張により粒子崩壊が起こり、化学蓄熱材水酸化物を、粒径約1μm以下より具体的には約0.1〜0.2μm程度の一次粒子が凝集してなる粒径約6〜10μm程度の二次粒子レベルまで微粒子化させることができる(水和反応工程)。
また、水酸基を有する水溶性有機化合物13(ジエチレングリコール)は、粘土鉱物12(セピオライト)、化学蓄熱材11(CaO及びCa(OH)2)との親和性に優れており、水和反応工程においては、予め粘土鉱物分散液において粘土鉱物12に吸着(結合)させた水溶性有機化合物13を化学蓄熱材の一次粒子11にさらに結合させることができる(図2参照)。また、水溶性有機化合物13は、鱗片状の化学蓄熱材の一次粒子11における六角形状の面に結合することができ、この六角形状の面に垂直な方向の成長を阻害することができる。
このように、水和反応工程においては、化学蓄熱材酸化物の水和反応及び化学蓄熱材と粘土鉱物との分散が進行し、図1に示すごとく、粘土鉱物の粒子12を化学蓄熱材水酸化物の鱗片状の一次粒子11間にまで分散させることができる。なお、本例において、水和反応工程後の化学蓄熱材複合物の含水率は、約20質量%であった。
上記水和反応工程によって得られた化学蓄熱材複合物1においては、図1に示すごとく、化学蓄熱材の一次粒子11間の少なくとも一部に、粘土鉱物の粒子12が分散されている。そのため、蓄熱と放熱とを繰り返し行ったときにおける化学蓄熱材11同志の擦れ合いを抑制し、化学蓄熱材11の微粒化を抑制することができる。また、粘土鉱物12は化学蓄熱材の一次粒子11という非常に小さな単位の粒子間にまで分散されている。そのため、化学蓄熱材複合物1においては、蓄熱及び放熱時の反応に伴う例えば水蒸気等の反応物又は反応生成物の経路を化学蓄熱材の一次粒子11間のレベルにまで形成することができる。そのため、化学蓄熱材11の反応性を向上させることができ、化学蓄熱材複合物1は、高い蓄熱量及び放熱量を発揮することが可能になる。また、一次粒子11間のレベルにまで分散された粘土鉱物12により、化学蓄熱材の粒子11同士の直接的な接触を抑制することができるため、蓄熱と放熱とを繰り返し行うことによる化学蓄熱材の粒子11同士の凝集を抑制し、この凝集による反応性の低下を抑制することができる。そのため、化学蓄熱材複合物1は、蓄熱と放熱とを繰り返し行ったときの反応の安定性に優れている。
本例の水和反応工程後に得られる化学蓄熱材複合物1は、これをそのまま、あるいは乾燥及び/又は焼成することにより、化学蓄熱装置等に適用することができる。
また、水和反応工程後に、以下のように熟成工程や瞬間乾燥工程を行うこともでき、以下、これらの後工程について説明する。
即ち、次に本例においては、上記のように水和反応工程によって作製した化学蓄熱材複合物を雰囲気温度約100℃で約1時間攪拌した(熟成工程)。これにより、化学蓄熱材水酸化物の一次粒子を水溶性有機化合物が吸着していない面と垂直な方向、即ち一次粒子における六角形状の面と平行な方向に成長させることができる。熟成工程後の化学蓄熱材複合物の走査型電子顕微鏡写真(倍率4000倍)を図5に示す。同図より知られるごとく、化学蓄熱材複合物においては、粘土鉱物(セピオライト)の粒子が、化学蓄熱材水酸化物(水酸化カルシウム)の一次粒子間にまで分散されており、一次粒子は凝集して二次粒子を形成している。また、粘土鉱物は、二次粒子間にも分散されている。
次に、化学蓄熱材複合物に含まれる水分を5秒以内に蒸発させた(瞬間乾燥工程)。具体的には、化学蓄熱材複合物を温度300℃で約5秒間加熱した。これにより、水分が蒸発する際に、上記化学蓄熱材複合物の全体に、その内部から外部に連通する微細な細孔を形成させ、化学蓄熱材複合物全体を多孔質化させることができる。また、瞬間乾燥工程を大気雰囲気条件下等の酸化雰囲気条件下で行うことにより、化学蓄熱複合物中の化学蓄熱材水酸化物(Ca(OH)2)の少なくとも一部を酸化させて化学蓄熱材酸化物(CaO)を生成させることができる。
次に、化学蓄熱材複合物を成形し、焼成した(焼成工程)。具体的には、化学蓄熱材複合物を所望の形状の型に入れ、温度約80℃で焼成させた。
これにより、所望の形状の化学蓄熱材複合酸化物を得ることができる。このとき、化学蓄熱材複合物に、さらに粘土鉱物を混合し、成形して焼成することにより、化学蓄熱材の二次粒子の周囲にさらに粘土鉱物が分散された化学蓄熱材複合物を得ることができる。また、焼成工程を大気雰囲気条件下等の酸化雰囲気条件下で行うと化学蓄熱材複合物中の化学蓄熱材水酸化物を化学蓄熱材酸化物にすることができる。
(実施例2)
本例においては、実施例1のジエチレングリコールの代わりにトリエタノールアミンを用いて化学蓄熱材複合物を作製する例である。
本例の化学蓄熱材複合物1は、実施例1と同様に、化学蓄熱材11と粘土鉱物12とを含有し、粘土鉱物の粒子12は、化学蓄熱材の一次粒子11間の少なくとも一部に分散されている(図1参照)。本例の化学蓄熱材複合物においては、図6に示すごとく、粘土鉱物の粒子12は、化学蓄熱材の一次粒子11間に、トリエタノールアミン14を介して分散されている。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例の化学蓄熱材複合物の作製にあたっては、まず、実施例1と同様にして粉体の酸化カルシウムを作製した。また、実施例1と同様のトルコ産のセピオライトを準備し、このセピオライト10gをトリエタノールアミン濃度2重量%のトリエタノールアミン水溶液209g中に分散させて粘土鉱物分散液を作製した。この粘土鉱物分散液においては、トリエタノールアミンを粘土鉱物に予め吸着させることができる。
次に、実施例1と同様にして、可動ベルト上に配置された化学蓄熱材酸化物に粘土鉱物分散液を噴霧した。これにより、実施例1と同様に、化学蓄熱材酸化物(酸化カルシウム)が水和され、化学蓄熱材水酸化物(水酸化カルシウム:Ca(OH)2)が生成すると共に、一次粒子レベルまで微粒子化させることができる(水和反応工程)。
また、トリエタノールアミン水溶液中のトリエタノール14は、粘土鉱物12(セピオライト)、化学蓄熱材11(CaO及びCa(OH)2)との親和性に優れており、水和反応工程においては、予め粘土鉱物分散液において粘土鉱物12に吸着(結合)させたトリエタノールアミン14を化学蓄熱材酸化物及び/又は化学蓄熱材水酸化物の一次粒子11にさらに結合させることができる(図6参照)。即ち、トリエタノールアミン14を介して、粘土鉱物の粒子12を化学蓄熱材の一次粒子11の周囲に配置させることができる。また、トリエタノールアミン14は、鱗片状の化学蓄熱材の一次粒子11における六角形状の面に結合することができ、この六角形状の面に垂直な方向の成長を阻害することができる。
本例の水和反応工程においても、実施例1と同様に、化学蓄熱材酸化物の水和反応及び化学蓄熱材と粘土鉱物との分散が進行し、粘土鉱物の粒子を化学蓄熱材水酸化物の鱗片状の一次粒子間にまで分散させることができる。また、トリエタノールアミンは、鱗片状の化学蓄熱材の一次粒子における六角形状の面に結合することができ、この六角形状の面に垂直な方向の成長を阻害することができる。なお、本例において、水和反応工程後の化学蓄熱材複合物の含水率は、実施例1と同様に約20質量%であった。
本例の水和反応工程において得られた化学蓄熱材複合物は、実施例1のジエチルグリコールの代わりにトリエタノールアミンを介して化学蓄熱材の一次粒子の周囲に粘土鉱物が配置されている。その他の構成は、実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を示すことができる。
実施例1にかかる、化学蓄熱材複合物の構成を示す説明図。 実施例1にかかる、化学蓄熱材複合物において化学蓄熱材(一次粒子)と粘土鉱物(粒子)とが水溶性有機化合物を介して結合する様子を示す説明図。 実施例1にかかる、化学蓄熱材複合物の製造工程を示す説明図であって、石灰石を示す説明図(a)、粉体の石灰石を示す説明図(b)、粉体の酸化カルシウムを示す説明図(c)、粉体の酸化カルシウムに粘土鉱物分散液を噴霧する様子を示す説明図(d)。 実施例1にかかる、セピオライトを走査型電子顕微鏡で観察した様子を示す写真代用図。 実施例1にかかる、熟成工程後の化学蓄熱材複合物の走査型電子顕微鏡で観察した様子を示す写真代用図。 実施例2にかかる、化学蓄熱材複合物において化学蓄熱材(一次粒子)と粘土鉱物(粒子)とがトリエタノールアミンを介して結合する様子を示す説明図。
符号の説明
1 化学蓄熱材複合物
11 化学蓄熱材(一次粒子)
12 粘土鉱物
13 水溶性有機化合物
14 トリエタノールアミン
15 二次粒子

Claims (39)

  1. 少なくとも化学蓄熱材と粘土鉱物とを含有し、上記化学蓄熱材の一次粒子間の少なくとも一部に、上記粘土鉱物の粒子が分散されており、
    アンモニア又は極性官能基を有する水溶性有機化合物を含有し、上記粘土鉱物の粒子は、上記化学蓄熱材の一次粒子間に、上記水溶性有機化合物を介して分散されていることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  2. 請求項1において、上記化学蓄熱材は、脱水反応に伴い酸化物となり、水和反応に伴い水酸化物となる水和反応系化学蓄熱材であることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  3. 請求項1又は2において、上記化学蓄熱材は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記化学蓄熱材は、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、銅化合物、及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種以上の化合物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記化学蓄熱材は、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の水酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記化学蓄熱材は、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウムから選ばれる1種以上の酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記粘土鉱物の粒子は、繊維状または板状であることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、多孔質であることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  10. 請求項9において、上記粘土鉱物は、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、ベントナイトであることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、酸素及び/又は窒素を含有する極性官能基を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基から選ばれるいずれか1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基を2つ以上含有することを特徴とする化学蓄熱複合物。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として水酸基を2つ以上含有する多価アルコールであることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を2つ以上含有するアミンであることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を含有する第1級アミンであることを特徴とする化学蓄熱材複合物。
  18. 体の化学蓄熱材酸化物と、粘土鉱物と、アンモニア又は極性官能基を有する水溶性有機化合物と、水分とを混合する水和反応工程を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  19. 請求項18において、上記水和反応工程においては、上記粘土鉱物とアンモニア又は上記水溶性有機化合物と水分とを混合して粘土鉱物分散液を作製し、該粘土鉱物分散液と上記化学蓄熱材酸化物とを混合することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  20. 請求項19において、上記水和反応工程においては、上記粘土鉱物分散液を上記化学蓄熱材酸化物に噴霧することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  21. 請求項18〜20のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、繊維状または板状の粒子からなる粉体であることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  22. 請求項18〜21のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、多孔質であることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  23. 請求項18〜22のいずれか一項において、上記粘土鉱物は、層リボン構造を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  24. 請求項23において、上記粘土鉱物としては、セピオライト及び/又はパリゴルスカイトを採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  25. 請求項18〜22のいずれか一項において、上記粘土鉱物としては、ベントナイトを採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  26. 請求項18〜25のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、酸素及び/又は窒素を含有する極性官能基を有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  27. 請求項18〜26のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基から選ばれるいずれか1種以上を含有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  28. 請求項18〜27のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基を2つ以上含有することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  29. 請求項18〜28のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基として水酸基を2つ以上含有する多価アルコールであることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  30. 請求項18〜29のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を2つ以上含有するアミンであることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  31. 請求項18〜30のいずれか一項において、上記水溶性有機化合物は、上記極性官能基としてアミノ基を含有する第1級アミンであることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  32. 請求項18〜31のいずれか一項において、上記化学蓄熱材酸化物としては、水和反応に伴って水酸化物となり、脱水反応伴って酸化物となる水和反応系化学蓄熱材の酸化物状態にある化合物を採用することを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  33. 請求項18〜32のいずれか一項において、上記化学蓄熱材酸化物は、無機化合物であることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  34. 請求項18〜33のいずれか一項において、上記化学蓄熱材酸化物は、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化銅、及びアルカリ土類金属酸化物から選ばれる1種以上の酸化物からなることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  35. 請求項18〜34のいずれか一項において、上記化学蓄熱材酸化物は、酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムであることを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  36. 請求項18〜35のいずれか一項において、上記水和反応工程後の上記化学蓄熱材複合物を雰囲気温度100〜200℃の条件下で30分以上攪拌する熟成工程を行うことを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  37. 請求項36において、上記熟成工程後の上記化学蓄熱材複合物に含まれる水分を10秒以内に蒸発させる瞬間乾燥工程を行うことを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  38. 請求項18〜35のいずれか一項において、上記水和反応工程後の上記化学蓄熱材複合物に含まれる水分を10秒以内に蒸発させる瞬間乾燥工程を行うことを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
  39. 請求項18〜38のいずれか一項において、上記化学蓄熱材複合物を成形し、焼成する焼成工程を行うことを特徴とする化学蓄熱材複合物の製造方法。
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