JPH05310551A - 美白化粧料 - Google Patents

美白化粧料

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JPH05310551A
JPH05310551A JP4146381A JP14638192A JPH05310551A JP H05310551 A JPH05310551 A JP H05310551A JP 4146381 A JP4146381 A JP 4146381A JP 14638192 A JP14638192 A JP 14638192A JP H05310551 A JPH05310551 A JP H05310551A
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whitening
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Masayuki Suzuki
雅之 鈴木
Kazunari Shigematsu
一成 重松
Giyokuban Chin
玉盤 陳
Masao Takahashi
雅夫 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた皮膚美白効果を有し、かつ充分な保存
安定性および高い安全性を有する美白化粧料の提供。 【構成】 まず、生薬である枳殻の乾燥物約 100gをミ
キサーで粉砕し、その粉砕物および1リットルの50%エ
チルアルコールをフラスコに入れ、撹拌しながら50℃で
1時間環流抽出を行う。抽出後、この溶液を吸引濾過
し、得られた濾液をエバポレーターを用いて50℃にて減
圧濃縮する。次いで、得られた濃縮液を減圧乾燥し、1
4.7gの褐色結晶体(抽出物)を得、得られた抽出物を
有効成分として0.01〜5.0 %化粧料に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚美白効果を有する
美白化粧料に関し、さらに詳しくは、メラニン生成抑制
作用に基づく美白効果を有する生薬抽出物を有効成分と
して配合した美白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、日焼けによる色黒、シミ、ソバ
カス等は、黒褐色無定形の色素であるメラニンの生成に
より生じるものと考えられており、このメラニンは、皮
膚が紫外線などの外的刺激を受けると、皮膚のメラニン
細胞中に存在するチロシナーゼ(チロシン酸化酵素)が
活性化し、たんぱく質構成アミノ酸の一種であるチロシ
ンが酸化されて生成する。したがって、メラニン生成に
関与するチロシナーゼの活性を抑制することにより肌を
白くする効果が期待されるため、チロシナーゼ活性抑制
成分の化粧料への配合が提唱されていた。
【0003】従来、美白効果を有する美白化粧料とし
て、特公昭55−43443号「美白化粧料」や特公昭
54−974号「生薬抽出物配合組成物」に開示される
ように、アスコルビン酸またはその誘導体を配合したも
のが知られている。他にも、アルブチンを配合した皮膚
外用剤(特開昭60−16906号等)やコウジ酸を配
合した漂白化粧料(特公昭32−8100号)、植物成
分(特開昭63−2913号他)または動物成分(特開
昭63−8312号他)から抽出した化粧料が美白効果
を有するものとして公知である。
【0004】しかしながら、上記従来の化粧料は、充分
な美白効果が認められないものが多く、また、保存安定
性が充分でなかったり、刺激性を有するなど皮膚に対す
る安全性に問題があるものも多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来の
技術の問題点を解決し、優れた皮膚美白効果を有し、か
つ充分な保存安定性および高い安全性を有する美白化粧
料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は斯る課題を
解決するために鋭意研究した結果、枳殻、雷丸、金菊花
および山帰来といった生薬の抽出物がチロシナーゼ酵素
活性阻害作用、およびメラノーマ細胞におけるメラニン
生成抑制作用を有することを見い出し、本発明を提供す
ることができた。
【0007】すなわち、本発明は、枳殻、雷丸、金菊花
および山帰来からなる群より選ばれる少なくとも1種の
生薬の抽出物を配合したことを特徴とする美白化粧料を
提供するものである。
【0008】
【作用】本発明の化粧料は、次に示すような方法で製造
することができる。まず、枳殻、雷丸、金菊花および山
帰来のうち少なくとも1種の乾燥物または乾燥物の粉砕
物を、抽出溶媒を用いて加熱抽出する。なお、該抽出溶
媒としては、アルコール(メタノール、エタノール、プ
ロパノールまたはイソプロピルアルコール等)や水など
を用いることができ、また、これらの混合溶液を用いる
こともできる。例えば、アルコール濃度が20〜70%の含
水アルコールを用い、50℃で1時間の抽出を行うと抽出
効率が良い。
【0009】抽出後、抽出液を濾別して抽出エキスを得
る。得られた抽出エキスは、さらに60℃以下の温度で加
熱しながら減圧濃縮して乾固させ、乾固した抽出物を回
収して化粧料に配合する。なお、上記抽出エキスをその
まま化粧料に配合しても良い。
【0010】このようにして得た生薬(枳殻、雷丸、金
菊花、山帰来)の抽出物は、従来より用いられてきたア
スコルビン酸と比較して、低濃度で優れたメラニン生成
抑制作用を発揮することが本発明者等によって確認され
ており、この抽出物を有効成分として0.01〜5.0 %配合
することにより、美白効果を有する美白化粧料を得るこ
とができる。
【0011】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0012】
【実施例1】本実施例では、生薬の抽出方法の一例を示
す。まず、生薬である枳殻の乾燥物約 100gをミキサー
で粉砕し、その粉砕物および 500mlの50%エチルアルコ
ールをフラスコに入れ、撹拌しながら50℃で1時間環流
抽出を行った。抽出後、この溶液を吸引濾過し、得られ
た濾液をエバポレーターを用いて50℃にて減圧濃縮し
た。次いで、得られた濃縮液を減圧乾燥し、14.7gの褐
色結晶体(抽出物)を得た。
【0013】また、上記と同様にして、生薬である雷
丸、金菊花および山帰来の乾燥物約 100gから、それぞ
れ 1.7g、12.5gおよび 3.5gの抽出物を得た。
【0014】
【実施例2】本実施例では、実施例1で得た枳殻、雷
丸、金菊花および山帰来の抽出物のチロシナーゼ活性阻
害作用の測定を行った。なお、チロシナーゼ活性阻害作
用の測定は、ドーパからチロシナーゼにより生産される
ドーパクロムを、 475nmの吸光度測定によって定量する
方法を用いた。また、チロシナーゼ活性阻害作用の測定
にあたっては、次のような反応試薬を用いた。 (イ)コハク酸ナトリウムバッファー(100 mM、pH 5.
5) (ロ)マッシュルームチロシナーゼ(SIGMA 社製)溶液
(270 units/mlに(イ)のバッファーで調製) (ハ)L-DOPA(和光純薬工業(株)社製)溶液(6mM に
(イ)のバッファーで調製) まず、試験管に(イ)のバッファー1.8ml および(ロ)
のチロシナーゼ溶液0.1ml を入れ、この試験管に 2%(w
/v) 濃度の試料溶液(実施例1で得た抽出物の水溶液)
0.1ml を加え、30℃の恒温水槽で15分間インキュベート
した。次いで、この試験管に(ハ)のL-DOPA溶液を1ml
加え、撹拌した後、30℃の恒温室中で往復振とう機に該
試験管を約45°傾けてセットし、40分間振とう(往復回
数150/分)した。振とう後、分光光度計を用いて 475nm
の吸光度を測定し、その測定値をAとした。
【0015】一方、コントロールとして試料溶液の代わ
りに(イ)のバッファーを加えたこと以外は上記と同様
にして 475nmの吸光度を測定し、その測定値をBとし
た。また、ブランクとしてL-DOPA溶液の代わりに(イ)
のバッファーを加えたこと以外は上記と同様にして 475
nmの吸光度を測定し、その測定値をCとした。
【0016】上記 475nmの吸光度の測定値から試料溶液
のチロシナーゼ活性阻害率を算出した。なお、チロシナ
ーゼ活性阻害率の算出は、以下の計算式を用いて行い、
その結果を表1に示した。
【0017】チロシナーゼ活性阻害率(%)={1−
(A−C)/B}×100
【0018】
【表1】
【0019】表1からもわかるように、枳殻、雷丸、金
菊花および山帰来の抽出物は 2%(w/v)水溶液という
低濃度のものであっても、チロシナーゼの活性を強く阻
害しており、優れたチロシナーゼ活性阻害作用を有する
ことが確認された。
【0020】
【実施例3】本実施例では、実施例1で得た枳殻、雷
丸、金菊花および山帰来の各抽出物のメラニン生成抑制
作用の測定を行った。
【0021】まず、メラニンを生成するマウス由来の悪
性黒色腫細胞であるB16メラノーマ細胞(B16-F0、ATCC
No. CRL-6322 )を、ウシ胎児血清を終濃度10%となる
ように添加したイーグルMEM培地で培養し、6ウェル
プレート(FALCON社製)の各ウェルに、該細胞を 3×10
3 cell/ml の濃度で含む上記培地を 6ml入れ、CO2
ンキュベーター(5%CO2 、37℃)内で5日間培養し
た。
【0022】次いで、この培地を0.03%のテオフィリン
(SIGMA社製)を含む新しいイーグルMEM培地(6 ml)
に交換し、各ウェルに適当な量の試料溶液(実施例1で
得た抽出物の水溶液)を添加した後さらに3日間培養し
た。培養終了後、該培地を捨てて各ウェルに1mlの生理
食塩水を加え、スクレーパーを用いてウェルの底面に付
着している細胞をかきとるように懸濁させた。次に、ピ
ペットを用いて該細胞懸濁液をマイクロ遠心チューブ
(1.5ml容量、エッペンドルフ社製)に移し、遠心分離
(1,000 ×g、15分間)した。
【0023】一方、対照として試料溶液の代わりに滅菌
水を添加して上記同様の試験を行った。また、細胞の白
色化を比較するための実験区として、試料溶液の代わり
に 2%L−アスコルビン酸水溶液を (a)60μl、(b)150
μl、(c)300μl添加し、上記同様の試験を行った。
【0024】次に、ペレットとなった細胞の白色化の度
合を目視で比較し、メラニン生成抑制効果の判定を行っ
た。その際、対照実験区(滅菌水添加区)の細胞の白色
の度合を「−」、L−アスコルビン酸を添加した比較実
験区の細胞の白色の度合をそれぞれ (a):「+」、(b)
:「++」、 (c):「+++」として、試料溶液を添
加した場合の細胞の白色の度合が−、+、++、+++
のどれに対応するかを目視で判断し、試料溶液のメラニ
ン生成抑制効果の強さとして4段階の判定を行った。な
お、その結果は表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表2からもわかるように、枳殻、雷丸、金
菊花および山帰来の各抽出物は 200μg/mlの濃度でL−
アスコルビン酸 200μg/mlと同等のメラニン生成抑制作
用を示しており、中でも、雷丸の抽出物は50μg/mlの低
濃度でL−アスコルビン酸 200μg/mlと同等のメラニン
生成抑制作用を示していた。また、各抽出物は 800μg/
mlの高濃度であっても細胞に対する毒性はなかった。
【0027】
【実施例4】本実施例では、実施例1で得た生薬枳殻の
抽出物の美白化粧料への配合例を示す。
【0028】 (重量%) 枳殻抽出物 1.0 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 1.5 エタノール 10.0 香料 適量 防腐剤、酸化防止剤 適量 色素 適量 精製水 残部
【0029】
【発明の効果】生薬である枳殻、雷丸、金菊花および山
帰来の抽出物は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用、お
よびメラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制作用を有
しており、これらの抽出物のうち少なくとも1種を配合
した本発明の美白化粧料は、優れた皮膚美白効果を発揮
する。また、本発明の美白化粧量に配合される枳殻、雷
丸、金菊花および山帰来の抽出物は、少量で優れた皮膚
美白効果を発揮し、細胞への毒性も低いため、安全性の
高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 雅夫 東京都中央区日本橋小舟町4番11号 順成 産業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枳殻、雷丸、金菊花および山帰来からな
    る群より選ばれる少なくとも1種の生薬の抽出物を配合
    したことを特徴とする美白化粧料。
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