JPH05310416A - ゼオライトの製造方法 - Google Patents

ゼオライトの製造方法

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JPH05310416A
JPH05310416A JP3185978A JP18597891A JPH05310416A JP H05310416 A JPH05310416 A JP H05310416A JP 3185978 A JP3185978 A JP 3185978A JP 18597891 A JP18597891 A JP 18597891A JP H05310416 A JPH05310416 A JP H05310416A
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欣二 島田
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B39/00Compounds having molecular sieve and base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites; Their preparation; After-treatment, e.g. ion-exchange or dealumination
    • C01B39/02Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof; Direct preparation thereof; Preparation thereof starting from a reaction mixture containing a crystalline zeolite of another type, or from preformed reactants; After-treatment thereof

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 天然珪石石材からゼオライトを製造する方
法。Al/SiO比(モル/モル)を1乃至2
0×10−3含有する天然珪石石材原料を粉末調製する
工程と、得られる粉末に、有機陽イオン化合物、NaO
HおよびHOを混合し、加圧下で水熱処理する工程と
からなり、天然石材からゼオライトを直接合成すること
を特徴とする。 【効果】 天然珪石石材から一段階で直接、ゼオライト
を合成でき、天然石材の入手のしやすさと、製造方法の
簡易さによって、経済的に合成ゼオライトを得ることが
できる。しかも、得られるゼオライトは高SiO含有
ゼオライトであるため、酸性点が多く、しかも比表面積
の大きな特徴をもち、イオン交換特性また吸着特性のす
ぐれた特性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゼオライトの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトはその吸着性、イオン交換作
用により、多種の分野で利用されているが、最近では天
然ガスやメタノールから石油を合成する触媒として注目
を集めている。
【0003】合成ゼオライトはSiOにAl
混合し、有機酸化物、NaOHで反応させる方法は知ら
れているが、工業的にはSiOが99Wt%以上の高純
度Siを含有する珪砂粉末とソーダ灰を1100°C以
上で反応させて、カレットを生成し、これを粉砕して1
50°Cに加熱して水ガラスを生成する。この水ガラス
にAl化合物を反応させて、最終的にアルミノシリケー
トである合成ゼオライトを製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な製造方法では、出発原料が高価であること、2段階製
法であるために製造が複雑であることから、合成ゼオラ
イトが高価にならざるを得ず、低価格なゼオライトの工
業的製造方法の開発がのぞまれていた。
【0005】本発明は上記に鑑みてなされたもので、量
産に適し、かつ経済的ですぐれた特性をもつゼオライト
の製造方法を得るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然珪石石材
からゼオライトを製造する方法において、Al2 3
SiO比(モル/モル)を1乃至20×10−3の天
然珪石石材原料を粉末調製する工程と、得られる粉末
に、有機陽イオン化合物、NaOHおよびH2 Oを混合
し、加圧下で水熱処理する工程とからなり、天然珪石石
材からゼオライトを直接合成することを特徴とするゼオ
ライトの製造方法を提供するものである。
【0007】
【作用】例えば鹿児島県硫黄島で産出される天然珪石は
Al成分を平均1.40Wt%を含有するSiO
成分95Wt%以下のシリコン含有岩石であり、その他F
e、Ti、Ca、Mg、Na、K、強熱減量を含んでい
る。この岩石をNaOHに溶解しやすい100μm以
下、望ましくは50μm以下に粉砕して粉末調製し、有
機陽イオン化合物例えばテトラ−n−プロピルアンモニ
ウムブロマイド((CH3 CH2 CH2 4 N・Br)
(略称TPABr)およびNaOH溶液を加えて加圧
(〜100気圧)下で水熱合成する。水熱温度は160
−300°C、反応時間は3−72時間である。水熱反
応後、固形製造物を濾過により取り除き空気中で加熱乾
燥し粉末状ゼオライト(以下、合成により得たゼオライ
トをZMS−5と称する)を生成した。岩石に含有され
たSiOとAl以外の成分は合成に対して化学
的な影響を生じなかった。このZSM−5は(TPA)
−Na型ZSM−5であり、(TPA)(テトラプロピ
ルアンモニウム)とNaがZSM−5中のSiのAl置
換の電荷補償をしている。さらに加熱によって(TP
A)が分解し、Na型ZSM−5が得られる。さらにH
イオンによるNaイオンの置換とH2 Oの吸収によって
H型ZSM−5が得られる。
【0008】有機陽イオン化合物はTPABrの他、テ
トラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド(TPA
OH)、テトラプロピルアンモニウムカチオン、n−ブ
チルアミン、テトラ−n−プロピルホスホニウム塩、ア
ルコールアミン類他を用いることができる。
【0009】天然珪石の岩石材料は化学成分としてAl
を0.18乃至2.8wt%含むAl/Si
比(モル/モル)が1×10−3乃至20×10
−3の範囲のものが実用的に高歩留りでゼオライトを合
成でき、合成されるゼオライトはSiO/Al
比44−431の低モル比のZSM−5であり、多数の
酸性点をもち、吸着特性、触媒特性に有利な性質をも
つ。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。
【0011】(実施例1)出発原料である鹿児島県硫黄
島産出シリコン含有岩石(以下IISと称する)はクリ
ストバライト(SiO)、トリジマイト(SiO
および少量のアルナイト((KNa)Al3 (SO4
2 (OH)6 )を結晶相(X線回析による)として含
み、110°Cで24時間乾燥したIIS粒子の化学的
組成は次の通りである。
【0012】2.95強熱減量、94.16SiO
1.40Al、0.36Fe2 3 、0.81T
iO2 、0.17CaO、0.05MgO、総量99.
80(モル比SiO/Al=114)。
【0013】まず、平均粒径44μmにIIS粉末を調
製し、これにTPABr、酸化物組成で(a(TPA)
2 ・bNa2 O・Al2 3 ・cH2 O、ここでa=
2.72〜36.7、b=14.2〜28.4、c=1
510〜6620)のTPABrとNaOH水溶液の混
合物を弗素樹脂すなわちテフロン(商品名)の耐熱容器
に収めてオートクレーブ内で3乃至72時間、160乃
至220°Cに加熱した。水熱反応の後、固形製造物を
濾過によって溶液から除去し空気中で110°Cで8時
間乾燥した。
【0014】かくして得られる粉末中のZSM−5の形
成比は、TPABr、NaOH濃度を種々に調製するこ
とによって変化する。
【0015】すなわち、製造されたままの粉末の相は走
査速度2°/分でX線回折(CuKα、形式No.20
13理学電機株式会社)で確認した。粉末固形物中のZ
SM−5形成比(f(z))はZMS−5の(501)
面とクリストバライト(原料中に存在する結晶相)の
(101)面に関するX線回折強度比によって表すこと
が出来、f(z)=Iz(501)/(Iz(501)
+Ic(101))であるから、f(z)が大なるほ
ど、ZSM−5の歩留まりが高いことを示す。固形生成
物の化学的組成は50kVのX線蛍光(Rh)(システ
ム3080−E、理学電機株式会社)によって調査し
た。これは約200mgの粉末生成物を4.5gのLi
と混合して同混合物を溶融してて35mm直
径のガラス球を形成するが、これによりSi、Al、F
e、Ti、Na、およびK含有量に就いて化学的に分析
する。製品のTGおよびDTA解析(PTC−10A形
式、理学電機会社)を温度上昇速度10℃/分で100
0℃まで行った。製品の組織形態は75kVの走査顕微
鏡(H−700H形、日立製作所)によって観察した。
【0016】本実施例のZSM−5の水熱合成の結果 (イ) 反応時間と固体生成物 図1は、出発組成(モル比)2.74(TPA)O−
24.6NaO−Al−114SiO−15
30HOの系を220°Cで反応させた時の、IIS
に対する固形生成物の重量比(歩留まり)、相関係、お
よび製品のSiO/Alモル比の反応時間依存
性を示す。プロトン型ゼオライトの一般式はHx Si
(1-x) Alx 2 であるが、Hの部分に(TPA)とN
aが置換した構造である。
【0017】図から明らかなように、歩留まりは3時間
での短時間の急激な低下の後反応時間と共に一定値(約
0.55)に漸次達した。比較のためにTPABrを添
加せず合成した場合、220℃で12時間の水熱反応の
後のZSM−5を含まない固形生成物の歩留まりが33
%であった。この値は図1の3時間の歩留まりに近いこ
とを示している。この結果と図1に示す相関係とは、 (1)220℃において3時間内にIISの約60重量
%が溶解すること、 (2)ZSM−5は次の2プロセスで形成されること (a)IIS−TPABr−NaOH−HO系内の固
体−液体反応、および、(b)溶解SiO成分、TP
ABrおよびNaOHを含有する液相からの結晶の生
成。
【0018】時間の経過に伴うSiO/Al
の増加は歩留まりとZSM−5の量の増加を伴っている
が、これは液相からZSM−5の結晶化が生じることを
反映している。12−72時間の反応後の濾液に対する
キレート滴定によるAl3+とFe3+の湿式分析は出
発IISのこれらのイオンの99.0−100%が形成
されたZSM−5ゼオライト中に止まっていることを示
している。 上述の結果と、出発IISと220℃72
時間の反応後に形成されたZSM−5との間のSiO
/Alモル比の相違とはIISのSiOの54
%がZSM−5の形成に使用され、46%のSiO
溶液中に止まっていることを示している。
【0019】(ロ) ZSM−5の形成に対するNaO
HとTPABrの濃度の影響 220℃12時間の反応で、図2(A)は固体製品の歩
留まり、および(B)はZSM−5の形成比へのNaO
H濃度の影響を示す。1.2モル/l以上のNaOH濃
度の増加はIISの溶解を加速し(A)、溶解性ナトリ
ウムシリケートを形成する。TPABr成分比をf
(T)とすると、f(T)=(TPABr)/((TP
ABr)+(NaOH))であり、図からわかるように
IISの溶解に対する影響は少なかった。一方、ZSM
−5の形成比はNaOHとTPABrの両者の濃度に依
存している。f(T)=0ではZSM−5は220℃で
は形成されない。図2(B)に見られるように、ZSM
−5の量はNaOH濃度とf(T)値(TPABr濃
度)の増加と共に増加している。しかし、0.5以上の
高いf(T)値においては、あるNaOH濃度において
ZSM−5の形成比f(Z)は最大値を示す。ここにf
(Z)はZSM−5(Iz)とクリストバライト(I
c)のX線回折強度比で表し、f(Z)=Iz(50
1)/(Iz(501)+Ic(101))である。
【0020】図2(A)と図2(B)とを比較すると、
(1)ZSM−5を形成するSiO成分とNaOHと
の反応は濃度[NaOH]=1.4モル/l以下では完
全に進行せず、また(2)0.2以下の低いf(T)値
でのZSM−5の量の低下は高濃度のNaOH溶液から
のZSM−5の結晶化の遅延に加えて(図1)ZSM−
5を形成するためのTPABrのテンプレート効果の欠
如に帰せられる。
【0021】これらの現象(1)と(2)とは、ガラス
形成でのNaOによるSiOの四面体Si−O結合
の部分的破壊(非橋絡酸素)およびNaO−SiO
−M系(M:陽イオン)でのガラスの結晶化に類
似している。高いf(T)値でのNaOH濃度に対する
ZSM−5形成比の最大値の存在と、f(T)値の減少
に伴う高濃度へのZSM−5の最大形成比に対応するN
aOH濃度の高濃度側へのシフトは220℃でのTPA
Brの溶解度に付随するものかもしれない。溶解してい
ないTPABrによるIISの表面の被覆はIISとN
aOHとの間の化学反応を防止しその結果ZSM−5の
形成比は100%に達しない可能性がある。220℃で
のTPABrの溶解度はZSM−5の図2(B)の最大
形成比から1.2−1.3モル/lと推定される。
【0022】(ハ) 固形製品の化学的組成 図3は160°−220℃の水熱反応の後の固形製品の
SiO、AlおよびNaO含有量、および約
1000℃に加熱後の強熱減量をZSM−5の形成比の
関数として示してある。生成品の、あるTG−DTAデ
ータの解析を基礎とすると、約350℃より低温および
高温で観察された強熱減量は夫々HOの蒸発および
(TPA)Oの分解によるものと解釈される。SiO
からZSM−5への構造変化はSiOおよびH
含有量の減少と(TPA)O含有量の増加とを伴う。
ZSM−5の形成に伴うAlとNaOの成分変
化は図3に示すように少なかった。ZSM−5の形成に
伴う(TPA)OおよびNaOの増加はこれらの成
分がZSM−5構造を作るのに重大な役割をもっている
ことを示している。
【0023】図4はNaOHの濃度の関数としての22
0℃での水熱反応後の製品のSiO/Al比を
示す。SiO/Alモル比は高濃度NaOH溶
液を使用する反応においては減少した。この傾向は図2
(A)に示す結果と比較可能である。NaOH濃度の増
加はIISのSiO成分の溶解を促進する。しかしI
ISの殆どのAl成分はZSM−5中に含まれ
る。その結果、SiO/Al比はNaOH濃度
に強く依存する。さらに、SiO/Alモル比
は高いZSM−5形成比を有する製品に対しては増加し
た(図1)。この結果は液相からのZSM−5の結晶化
によって説明される。従って、SiO/Al
ル比はNaOHの濃度とZSM−5の形成比によって支
配される。図5はNaOH溶液中のIISに非晶質Si
粉末またはNaAlOを添加することによる広い
範囲のZSM−5のSiO/Alモル比の制御
を示す。
【0024】220℃24時間で実験を行った結果、全
部の固形製品はX線回折でZSM−5のみであった。Z
SM−5の歩留まりは図5(A)に示すように出発原料
のAl/SiOモル比の増加によって増加し、
液相からのZSM−5の結晶化に対するAl成分
の加速効果を暗示している。ZSM−5のAl
SiO比は出発原料の1.3−1.9倍であった(図
5(B))。
【0025】図5(B)に示す通り、ZSM−5のAl
/SiO比の出発原料に対する変化は出発原料
のAl/SiO比の増加に伴って直線的に減少
している。この結果はZSM−5の歩留りに関係してい
る。出発原料の低Al/SiO比での歩留まり
の減少は大量のSiO成分の溶解を示すものであり
(図2および図4)、ZSM−5のAl/SiO
比は出発Al/SiO比が減少すると大きく
なる。
【0026】本発明の実施例によるIIS−TPABr
−NaOH−HO系と、比較のため実験的に調製した
非晶質SiO−NaAlO−TPABr−NaOH
−HO系との間のZSM−5のAl/SiO
比の差は、図5(B)の出発原料のAl/SiO
=8.77×10−3のモル比の数値で比較できる。
IISを使用する前者の系は非晶質SiOとNaAl
を使用する後者の系に比較して、高いAl
SiO比のZSM−5を与える。前者の系では歩留り
が低いことがAl/SiO比が高くなる一因で
ある。
【0027】(ニ) ZSM−5ゼオライトの形態 実施により得た、系13.9(TPA)O・14.2
NaO・Al・114SiO・6540H
Oに対する水熱反応温度による固形製品の形態変化をS
EM(走査型電子顕微鏡)により観察すると、稀薄Na
OH溶液(0.24モル/l)中の低い(160°−1
80℃)および高い(200°−220℃)温度での生
成品は、1−2μのモノデイスパーズな球形または方形
の粒子と、サブミクロン寸法範囲の方形の一次粒子の凝
集体から夫々できている。反応温度に伴うZSM−5の
生成物の形状および寸法および形成比の上述の変化(図
3に示す)から、次の結論が導き出せる。
【0028】(1)高い反応温度でのIISとNaOH
との間の反応速度の増加はSiOの溶解を加速する、
(2)SiO成分の濃度の増加と温度上昇に伴うII
Sの構造変化がZSM−5の核形成を加速する溶液中の
一様な核形成と部分的に破壊されたIISの方向性のな
い核を形成する、(3)各ZSM−5粒子の粒子成長が
高温でのZSM−5の高い核生成速度と稀薄なNaOH
溶液中でのSiO成分の貧弱な供給とのために抑制さ
れる。
【0029】一方、SEMの観測から高濃度のNaOH
溶液中では約5μmの大形角形ZSM−5粒子が形成さ
れる。また、TPABrの濃度の増加が凝集ZSM−5
の形成を促進するするが知見された。高濃度のNaOH
溶液中でのZSM−5粒子の成長は、溶解しているSi
成分の十分な供給によるものと推定され、TPAB
r濃度の増加に関係のある凝集ZSM−5の形成はZS
M−5の高い核生成によるものであることが推定され
る。
【0030】さらに、ZSM−5成長に対するAl
の影響については、出発原料のAlの減少は
(1)ZSM−5粒子の寸法を減少し、(2)不規則な
形状のZSM−5粒子の形成をもたらす。即ち、Alイ
オン量の増加は角形ZSM−5の粒子成長を促進する。
【0031】なお、本実施例で生成される(TPA)−
Na型ZSM−5の形成に対するNaおよびTPAの役
割は、AlイオンがSi−O四面体を形成するSiイオ
ンと置換することに伴う電荷の差を補償するものであ
る。
【0032】加熱によってHOを放出し、さらに加熱
すると(TPA)2 Oを熱分解して放出し、Na型ZS
M−5が得られる。TPAの抜けた後は空孔となり比表
面積の増大に寄与する。Na型ZSM−5はHイオンに
よるNaイオンの置換とHOの吸収によってH型ZS
M−5に変化可能である。
【0033】一例として本実施例で水熱合成したTPA
−Na型ZSM−5を540°C、3時間加熱して得ら
れたNa型ZSM−5を0.5モル/lのHCl溶液中
へ浸漬して45°Cから85°Cで1〜168時間、還
流した。その結果、24時間後、45°Cで89.7%
の交換比、85°Cで99.0%の交換比がえられた。
得られたH型ZSM−5は熱的に非常に安定で1100
°Cでも300m2 /g以上の高比表面積を維持する。
【0034】本実施例の製法によって生成した、SiO
/Al比70.5のH型ZSM−5とSiO
/Al比66.4のH型ZSM−5を触媒に使用
して、370°Cでメタノールのガソリン合成を試みた
ところ、(1)メタノールは5時間までは炭素数1−1
0の炭化水素に完全に変換された(最長試験時間)、
(2)生成された炭化水素の約60Wt%は炭素数6−1
0の化合物であり、また、(3)炭素数6−10に対す
る脂肪族化合物と芳香族化合物の重量比は約40:60
であった。
【0035】以上からIISから合成されたH型ZSM
−5触媒の高品位が立証された。
【0036】(実施例2)IIS粉末にNaAlO
末を混ぜて全体としてAl換算含有量が2.8Wt
%になるように粉末調製した。
【0037】これは図5でAl/SiO比が1
6.7×10−3(モル/モル)であることを示す。
【0038】この原料を実施例1と同条件で水熱処理し
たところ、ゼオライトが70%の高い歩留まりで得られ
た。
【0039】(実施例3)実施例1におけるTPABr
にかえてテトラプロピルアンモニウム(TPAOH)を
有機陽イオン酸化物とし、同じ条件でに水熱反応させた
ところ、(TPA)−Na型ZSM−5が得られた。
【0040】(実施例4)IIS粉末に非晶質SiO
粉末を加えてAl/SiO比が1×10−3
原料に調製し、実施例1と同条件で水熱処理したとこ
ろ、歩留り約60%の(TPA)−Na型ZSM−5が
得られた(図5)。
【0041】以上のように本発明によれば、モル比Si
/Al=61乃至75のZSM−5ゼオライ
トが硫黄島シリコン含有岩石(IIS)−有機陽イオン
化合物−NaOH−HO系中で固体−液体反応と溶解
SiO成分を含む液相からのZSM−5の結晶化によっ
て水熱的に合成される。
【0042】原料中のAl全成分はZSM−5中
にとりこまれる。
【0043】NaOH濃度の必要以上の増加はZSM−
5の歩留りとSiO/Alモル比を低下させ
る。0.2乃至2.0モル/lの範囲で選択するのが望
ましい。
【0044】溶解度以上の溶解されないTPABrはZ
SM−5の形成を阻害する。溶解度は220°Cで最大
1.3モル/lである。
【0045】原料のモル比は非晶質SiOまたはNa
AlOをIIS中に添加することで調製できる。生成
ZSM−5のAl/SiO比は出発原料のAl
/SiO比の増加とともに直線的に減少する。
生成ZSM−5のAl/SiO比は出発原料の
Al/SiO比の1.3乃至1.9倍となる。
【0046】モル比SiO/Al=61乃至7
5のZSM−5ゼオライトは逆比Al/SiO
が高く、Siに対するAlの置換量が比較的大であるた
め、イオンと結付く酸性点が多く、イオン交換性も高
い。しかも、(TPA)イオンも多く結合するため、
(TPA)を熱分解によりNa型ZSM−5に変化させ
る段階で、TPAが位置する部分が空孔となり、比表面
積の大きなZSM−5が得られ、ガスなどの吸着その
他、活性度の高いZSM−5が得られる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、天然珪石石材から一段
階で直接、ゼオライトを合成でき、天然石材の入手のし
やすさと、製造方法の簡易さによって、経済的に合成ゼ
オライトを得ることができる。
【0048】しかも得られるゼオライトは高SiO
有ゼオライトであり、酸性点が多く、しかも比表面積の
大きな特徴をもち、イオン交換特性また吸着特性のすぐ
れた特性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】220°Cで生成した本実施例による2.74
(TPA)O−24.6NaO−Al−11
4SiO−1530HO系に対する相関係(A)、
IISに対する固体物質の歩留り(重量比)(B)、お
よび製品のSiO/Alモル比(C)の反応時
間依存性を示す。
【図2】220°C、12時間の水熱反応における固体
物質の歩留り(A)とZSM−5の形成比(f(Z))
(B)に対するNaOH濃度の影響を示す。
【図3】ZSM−5の形成比(f(Z))の関数として
の160°C乃至220°Cの水熱反応後の固体物の化
学組成を示す。
【図4】NaOH濃度の関数としての220°C、10
乃至12時間の水熱反応後の固体物のSiO/Al
比を示す。
【図5】出発原料のSiO/Alモル比の関数
としての220°C、24時間の水熱反応に対する歩留
り(A)と、出発原料に対するZSM−5のAl
/SiOモル比(B)を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然珪石石材からゼオライトを製造する
    方法において、Al/SiO比(モル/モル)
    を1乃至20×10−3含有する天然珪石石材原料を粉
    末調製する工程と、得られる粉末に、有機陽イオン化合
    物、NaOHおよびHOを混合し、加圧下で水熱処理
    する工程とからなり、天然石材からゼオライトを直接合
    成することを特徴とするゼオライトの製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100310661B1 (ko) * 1999-06-22 2001-10-17 곽영훈 납석을 이용한 제올라이트 Na-A 제조법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60221316A (ja) * 1984-04-17 1985-11-06 Hiroyoshi Takasaki 大谷石を原料にした結晶性アルミノシリケイトゼオライトの製造法

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