JPH05309382A - 粒状担体を用いた生物濾過方法及び汚水浄化槽 - Google Patents

粒状担体を用いた生物濾過方法及び汚水浄化槽

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JPH05309382A
JPH05309382A JP4113881A JP11388192A JPH05309382A JP H05309382 A JPH05309382 A JP H05309382A JP 4113881 A JP4113881 A JP 4113881A JP 11388192 A JP11388192 A JP 11388192A JP H05309382 A JPH05309382 A JP H05309382A
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JP
Japan
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tank
water
biological filtration
treated
porous member
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JP4113881A
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English (en)
Inventor
Yasusato Wada
康里 和田
Nobuyoshi Katagai
信義 片貝
Kazuo Kosaka
一男 高坂
Masahiro Furuichi
昌浩 古市
Tsutomu Ishigaki
力 石垣
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生物濾過方法及び汚水浄化槽において、充填
床に多孔質を有する粒状体を用い、その充填床を反応ゾ
ーンと濾過ゾーンに分け高度な処理水を得る。 【構成】 嫌気濾床槽、脱窒素槽、生物濾過槽、処理水
槽、消毒槽を一体形にした汚水浄化槽であって、生物濾
過槽に粒状担体を収納して生物濾過層を形成し、生物濾
過層を上下2区画に分け、上区画を好気的生物分解を主
とする反応ゾーンを、また下区画を物理的濾過を主とす
る濾過ゾーンを構成する。生物濾過槽では被処理水が上
部から導入され、上区画下部から挿入された空気と向流
接触しながら処理される。また、生物濾過槽の洗浄は、
処理水を洗浄水として槽底部より導入し、かつ下区画の
底部から挿入した空気によつて行ない、上下区画境界部
より排出させる。洗浄水は嫌気濾床槽へ移送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家庭等から排出される合
併排水を浄化する粒状担体を用いた生物濾過方法及び汚
水浄化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】粒状担体として、浮上性担体を浸漬しこ
れに微生物を付着させ、有機物の生物的分解と物理的吸
着や濾過作用を伴って排水の処理を行う浮上性担体を利
用した生物濾過法は、沈降性担体利用の生物濾過法に比
較して担体が軽く流動し易いため、生物濾過槽の担体充
填層(生物濾過層)の洗浄が容易で、且つそれに要する
所要動力も少ないことから注目され、多くの処理方式の
提案がなされている。
【0003】浮上性担体を利用した生物濾過法による排
水の処理方法は、特公昭57−46884号公報、特公
昭63−1116号公報、特公昭57−59000号公
報等その他多くに見られ、それらに用いる浮上性担体に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の
合成樹脂ペレット又はそれらの発泡成形物、或いはパー
ライト、シラスバルーン等の無機粒状物などを挙げてい
る。従来の処理方法を見ると、前述の浮上性粒状担体を
生物濾過層に充填し、被処理水を生物濾過層の上部から
入れ、下向流で通過させ、生物濾過層の下部から空気を
送入して、両者を向流接触させつつ、生物濾過層に生息
する好気的微生物によって有機物を分解する方法、或い
は被処理水と空気とを生物濾過層の下部から送入して、
両者を並流接触させつつ、前記同様に有機物を分解する
方法が主に採られている。
【0004】他方、沈降性担体を利用した生物濾過法に
よる廃水処理方法は、特公昭61ー38696号公報、
特公昭64ー75095号公報に示されるように、特に
後者においては、沈降性担体として多孔質セラミックス
等を挙げており、処理方法は球状の多孔質セラミックス
を生物濾過層に充填し、被処理水を生物濾過層の上部か
ら流入して下向流で通過させ、生物濾過層の下部から空
気を送風して両者を向流接触させつつ前記同様に有機物
を分解し、生物濾過層底部より下側にある開口部から処
理水を次槽である処理水槽に移流するとともに、洗浄時
には処理水槽に貯留してある処理水を洗浄水として生物
濾過層底部より下側にある開口部から水中ポンプを介し
て生物濾過層に送入して生物濾過槽を上向流で洗浄し、
上部から洗浄排水を取りだし、前段の嫌気性濾床槽に移
送させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の浮上性担体を用
いた生物濾過法による排水の処理方法は、該生物濾過層
の下部から送入空気泡によって担体が流動すること、ま
たある程度担体を密に充填しても、空気泡の通り道付近
の担体は同様に流動することなどから、捕捉した粒子や
増殖した微生物が剥離して、これらが該生物濾過層を通
過する流出水にリークするという課題があった。即ち生
物濾過層で充分な粒子(これらの粒子をSSと略す)の
除去が出来ず、またSSに起因するBODも高まって高
度な処理水が得られなかった。SSの流出を防ぐために
生物濾過層の上下に抑止体を設け、該生物濾過層を抑え
つけて処理を行う方法もあるが、この方法は該生物濾過
層の洗浄を行う際に濾過層を膨張させて緩めることが出
来ず、洗浄が良好に行えないこと、抑止体を機械的に駆
動させてもよいが、その設備にかかる経済的損失が大き
いことなどの課題がある。更に別法として生物濾過層の
流出水を再度該生物濾過層へ戻す循環方法によって、S
Sを除去する方法もあるが、循環によって生物濾過層の
濾過速度が高まるため、その効果は小さい。
【0006】他方、沈降性担体を用いた従来の生物濾過
方法による処理方式は、洗浄時にかなりの流速を与える
必要があり、充分な流速がなければ、担体間に捕捉して
いるSSを洗い流せず、通常の処理に閉塞を起こし短絡
などの影響により、充分な汚水処理が行なえなくなる。
それに加えて洗浄に用いる移送ポンプにかかる所要動力
が大きいという課題がある。以上のように従来の方法
は、BODやSSを充分に除去出来ず、高度な処理水が
得られなかった。
【0007】本発明は、BODやSSの除去に優れた粒
状担体を用いた生物濾過方法及び汚水浄化槽を提供する
ことを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、被
処理水を浸漬状態にある担体床に下向流で通過させ、担
体床下部より散気を行いこの過程で好気的生物分解と物
理的濾過作用を伴って浄化を行う生物濾過方法におい
て、粒状物を担体床とする生物濾過槽1とし、該生物濾
過槽1を上下二つの区画に分け、上区画の下部に被処理
水及び洗浄水は通すが粒状物は通さない多孔部材4を設
けるとともに下区画の下部にも被処理水及び洗浄水は通
すが粒状物は通さない多孔部材7を設け、上区画及び下
区画の多孔部材4、7下方に空気を吐出する散気部材
3、8を設け、通常の処理工程は被処理水を上区画の上
側から流入させ、上区画の散気部材3から散気を行なつ
て上区画で主に有機物の分解と粒子の除去を行い、次ぎ
に下区画で主に粒子の除去を行なわせ、その後、下区画
の下側から処理水を排出させてなり、洗浄工程は下区画
の下側の散気部材8から洗浄時のみ散気を行ない、両区
画を仕切る多孔部材4の下側で該槽内の処理水を通過さ
せ且つ下区画の粒状物は通さない多孔部材6を設け、該
多孔部材6と両区画を仕切る多孔部材4との間から槽内
処理水を槽外へ洗浄排水として引き抜くようにしたこと
を特徴とする。
【0009】本発明の第2発明は、槽内を仕切壁で仕切
り、複数の各種の処理槽を設け、これらの処理槽に被処
理水を順次移流して浄化を行う汚水浄化槽において、嫌
気濾床槽第1室25、第2室26、脱窒素槽27、生物
濾過槽1、処理水槽9、消毒槽31の順で配列され、嫌
気濾床槽第1室25と第2室26は底部で連通され、両
槽の濾床槽上部で流入水量の変動を吸収する流量調整機
能を有する空容積部を設け、第2室26濾床上部の液を
移送ポンプ33により後段の脱窒素槽27上部へ移送し
下向き流として流下させ、該槽27底部から後段の生物
濾過槽1上部へ自然流下させ下向き流とし、該生物濾過
槽1は粒状物を収納した生物濾過層を有し、該生物濾過
層を流入水及び洗浄水を通すが粒状物は通さない多孔部
材を水平横断的に設けて仕切り生物濾過層を上下の2区
画に分け、上区画の下部に被処理水及び洗浄水は通すが
粒状物は通さない多孔部材4を設けるとともに、下区画
の下部に流入水及び洗浄水を通すが粒状物は通さない多
孔部材7を水平横断的に設け、上区画及び下区画の多孔
部材4、7下方に空気を吐出する散気部材3、8を設け
るとともに、両区画を仕切る多孔部材4の下側で該槽内
の処理水を通過させ且つ下区画の粒状物は通さない多孔
部材6を設け、該多孔部材6と両区画を仕切る多孔部材
4との間から槽内処理水を槽外の嫌気性濾床槽第1室2
5へ移送流ポンプ13を介して洗浄排水として引き抜
き、そして該生物濾過槽1を下向流で流下した流入水
は、生物濾過槽1底部より処理水槽9へ移り、処理水槽
9上部から消毒槽31へ到るようにしてから放流され、
また、処理水槽9には該槽9内液を脱窒素槽27の上部
へ返送する移送ポンプ32を備えたことを特徴とする。
【0010】
【実施例】本願の第1発明である、粒状物を担体床とし
た生物濾過法による排水の処理方法の実施例を図1に基
づき説明する。図1において、(a)は生物濾過槽の通常
の処理状態を示す図であり、(b)は生物濾過槽の洗浄状
態を示す図である。
【0011】図1(a)の通常の処理方法について述べ
る。生物濾過槽1には、粒状担体2を生物濾過層として
充填してあり、その生物濾過層を上下の2区画に分け、
上区画Rゾーンと下区画Fゾーンがあり、両区画の境界
部に散気部材3、その散気部材3の下側に粒状担体2を
通さない多口部材4、多口部材4の下側で且つ洗浄排水
排出管5の下側でさらに下区画Fゾーンの上側に粒状担
体2を通さない多孔部材6、また下区画Fゾーンの下側
に粒状担体2を通さない多孔部材7、さらにその下側に
散気部材8を配し、生物濾過槽下部に処理水槽9と連通
する開口部10を設けてある。
【0012】以上のような構成で排水の処理方法は次の
ようにして行われる。被処理水11は生物濾過層の上区
画Rゾーンに入る。Rゾーンの粒状担体2は散気部材3
からの空気泡によって流動する程度に充填してあり、ま
た、溶存酸素は散気によってRゾーンの全域に拡散され
ることが望ましい。Rゾーンに入った被処理水は粒状担
体2に生息した好気性微生物によって処理され、BOD
分解及び硝化が進行する。また、粒状担体間2でSSも
捕捉除去される。しかし、Rゾーンは前述したように空
気泡によってゆっくりと流動しているため、SSの捕捉
が完全ではない。SSを含んだ通過水は、Rゾーンを下
向し下区画のFゾーンに達する。Fゾーンの粒状担体2
は、後述する洗浄時にだけ散気部材8から散気される空
気泡や、開口部10から挿入される洗浄水によって流動
する程度に充填することが必要である。
【0013】Fゾーンに達した通過水は、粒状担体2が
濾過層として形成されているため、含まれるSSは粒状
担体2間に捕捉除去される。Rゾーンに対してFゾーン
は静的状態にあることから、SSの除去効果は極めて高
い。またRゾーンから溶存酸素も持ち越されるため好気
性微生物も生息し、Rゾーンで分解し切れなかった残留
BODがある場合には、このFゾーンでも分解が出来
る。このように被処理水11は上区画のRゾーンで主に
BODが除去され硝化も進行し、下区画のFゾーンで主
にSSが除去されて開口部10から処理水槽9に到り、
その上部から処理水12として排出される。生物濾過槽
1は処理を続けていくと、生物濾過槽1で捕捉したSS
によって粒状担体2間が徐々に詰まって来るようにな
る。この傾向は下区画のFゾーンで著しい。そのため、
生物濾過槽1は洗浄が必要である。
【0014】そこで、生物濾過槽1の洗浄方法を図1の
(b)を用いて説明する。通常の処理から洗浄に移る場合
は、下区画Fゾーンの下側にある散気部材8からの散気
をはじめる。この空気泡によりFゾーンの粒状担体2は
ゆっくり流動し、捕捉したSSは遊離するようになる。
この時、洗浄排水排出管5と接続している移送ポンプ1
3を作動させる。尚、移送ポンプ13はエアリフト式を
示しているが、別の手段でも可能である。生物濾過槽1
の水位の低下に伴って、処理水槽9の水位も低下する。
従って、処理水槽9に貯留してある処理水12が洗浄水
14として生物濾過槽下部の開口部10から下区画Fゾ
ーンに逆流する。洗浄水14はFゾーンを上昇し、空気
泡によって遊離したSSを伴って洗浄排水15として洗
浄排水排出管5より移送ポンプ13を介して系外へ排出
される。この時、同時に生物濾過槽1のRゾーンの水位
も低下するため、Rゾーンで捕捉されたSSも水位下降
により洗浄排水15として排出される。従って、生物濾
過槽1と処理水槽9の水位は通常水位H・W・Lと洗浄
後の水位L・W・Lとの間で変化する。洗浄後の終了
は、Fゾーン下側の散気部材8からの散気を停止すると
ともに、移送ポンプ13を停止させることにより完了
し、通常の処理状態に戻る。生物濾過槽1の下降した水
位は、やがて被処理水11の流入により定常水位に戻
り、Rゾーン及びFゾーンの粒状担体2は元の状態に復
帰する。以上の洗浄において、極めて少ない空気量と極
めて小さい洗浄水の洗浄速度で且つ少ない洗浄水量でS
Sを流すことができ、従って、所要動力も小さくてすみ
経済的である。
【0015】次ぎに、生物濾過層1と処理水槽1と移送
ポンプ13との配置、形状について述べる。図2(a)
〜(e)は生物濾過層1と処理水槽9と移送ポンプ13
の形状と接続、配置を示す平面図である。図2(a)
は、図1の略平面図であり、生物濾過槽1は処理水槽9
と一体型角形槽に形成してあり、仕切壁によつて仕切ら
れている。その仕切り壁の下部に図1の開口部10が設
けてあり、生物濾過槽1と処理水槽9は連通している。
また、洗浄排水排出管5を介して生物濾過槽1と移送ポ
ンプ13は連結している。図2(b)は生物濾過槽1と
処理水槽9は丸形槽に形成してあり、生物濾過槽1の下
部の開口部10の代わりに移流管16を配してある。移
送ポンプ13との接続は図2(a)と同様である。図2
(c)は、角形型の生物濾過槽1を、図2(d)は丸形
型の生物濾過槽1を角形型の処理水槽9に入れた状態を
なし、生物濾過槽1の下部の開口部10で処理水槽9と
連通しており、移送ポンプ13との接続は図2(a)と
同様である。図2(e)は、生物濾過槽1と処理水槽9
との連絡は、(c)と(d)と同様であり、処理水槽9
を丸形型に形成したものである。以上のように、生物濾
過槽1、処理水槽9、移送ポンプ13の形状と接続、配
置方法は種々可能であり、従って本発明は上記方法に限
定されるものではない。
【0016】次ぎに、本発明に用いる粒状物を生物濾過
槽として適用する場合、上区画Rゾーンと下区画Fゾー
ンとの境界付近の粒状担体2が洗浄操作によって、上下
へ移動するため、各ゾーンの担体量が設定した量と変わ
ってくる場合がある。そこで、各ゾーンの粒状担体の充
填量を一定にして安定化することが望ましい。その方法
として、上区画Rゾーンと下区画Fゾーンの境界部にあ
る散気部材3より下側に、被処理水11は通すが粒状担
体2は通さない多孔部材4を水平横断的に設ける方法で
達成している。また、図1では洗浄排水排出管5の下側
に、被処理水11は通すが下区画の粒状担体2は通さな
い多孔部材6を水平横断的に設けることにより洗浄時に
下区画Fゾーンの粒状担体2が洗浄排水15とともに洗
浄排水排出管5から流失しないようにしている。洗浄排
水の排出方法は、これに限定されるものではない。
【0017】別の方法として、図3(a)〜(c)は上
下両区画の粒状担体2が系外に排出されないように設置
した多孔部材の設置方法である。図3(a)は前記した
図1と同じ構造をなしているが、洗浄排水排出管5の先
端が生物濾過槽1の壁で開口しているものである。図3
(b)は多孔部材4の下側で洗浄排水排出管5に筒状の
多孔部材17を具備したもので、図3(c)は多孔部材
4の下側で洗浄排水排出管5パイプ張出し部をなくし開
口部を覆うように多孔部材18を具備したものである。
以上の方法を適用することにより、両区画から洗浄排水
を容易に引き抜くことができる。
【0018】また、Fゾーンでは、SSの除去はその上
層部で殆ど行なわれるため、洗浄に入ると直ちにその上
層部から剥離したSSが引き抜かれることから洗浄効率
が極めて高く、洗浄水量も少ないという長所を有してい
る。
【0019】次に、生物濾過槽に充填する粒状物の担体
について述べる。担体に必要な特性は、微生物の付着量
(保持量)が大きく、また洗浄が容易に行なえること、
物理化学的、機械的耐久性があることである。生物濾過
槽では、処理効率を高めるためには、担体への微生物の
付着量(保持量)が大きいことがよく、そのような担体
としてはその内部に細孔を持ち、且つ細孔が連通してい
る粒状物が望ましい。あるいは、繊維間のような空隙を
持つ繊維塊が望ましい。このようなものに無機系担体と
してはパーライト、シラスバルーン、発泡コンクリー
ト、活性炭、多孔質セラミックス、多孔質ガラス等があ
る。合成樹脂系担体にはポリエチレン、ポリ塩化ビニー
ル、ポリウレタン、ポリビニルアルコールアセタール化
合物などの発泡成形物、繊維を不規則に絡めた繊維塊、
繊維を不規則に積層した不織布、繊維を結束した繊維塊
などがある。
【0020】しかし、生物濾過槽の洗浄においては、担
体がバブリングや水流によって、付着した過剰の微生物
や担体間に捕捉したSSが容易に剥離することが必要で
ある。これには担体の比重が大きく影響する。従って、
担体はその比重が大きすぎたり、小さすぎたりしても好
ましくなく、概ね比重0.9〜1.1を持つものが望ま
しい。無機系担体は、この点比重の大きすぎるものが多
い。ただし、空孔率の増大やそのほかの方法によつて比
重調整を行なうことで使用することも可能である。一
方、合成樹脂系担体では、ポリ塩化ビニール、ポリウレ
タン、ポリビニルアルコールアセタール化合物、前述し
た繊維でポリエステル、ナイロンなどの各種繊維塊は適
度な比重を有している。ポリエチレンはその点、僅かな
がら比重が小さい。但し、ポリエチレン(ここでは連通
気泡体を指す)は微生物が付着すると比重が高まり、
1.003〜1.008程度の適度な状態になる。従っ
て、ポリエチレン連通気泡体は予め微生物を付着させた
ものを使用することもできる。あるいは、別の比重調整
方法も可能である。エマルジョンペイントを連通気泡体
にに含浸させ乾燥する方法、あるいは担体の発泡成形時
に炭酸カルシウムや硫酸バリウムその他比重調整剤を添
加する方法、さらには担体の発泡成形時にポリエチレン
グリコール系エステルやグリセリン脂肪酸エステルなど
の親水性物質を添加する方法などである。以上のよう
に、担体内に連通気泡や繊維間の空隙を持つ発泡成形物
や繊維塊不織布等で且つ概ね比重が0.9〜1.1を持
つ粒状の担体を用いるものである。
【0021】本願の第2発明の実施例を図4に基づき説
明する。第2発明は第1発明の生物濾過法を浄化槽に適
用したものである。図4(a)は浄化槽の平面図で、図
4(b)は図4(a)のAーA断面図である。浄化槽1
9は、仕切壁20、21、22、23、24で仕切ら
れ、嫌気濾床第1室25、嫌気濾床第2室26には接触
材28、29が収納され、粗大固形物の除去と嫌気性微
生物による有機物の低分子化が行なわれる。脱窒素槽2
7には同様に接触材30が集納されており、さらに有機
物を効率的に分解する。生物濾過槽1には図1で述べた
構成を具備しており、前述した粒状担体2が収納され、
上区画Rゾーンと下区画Fゾーンとに機能分画されてい
る。各ゾーンにおける主な作用は、請求項1の説明で述
べているので省略する。散気部材3は通常の処理状態で
空気が送入され、また散気部材8は洗浄時のみ空気が送
入される。処理水槽9は、生物濾過槽1と開口部10を
介して連通されている。この処理水槽9は、処理水を洗
浄水として確保するために設けられている。消毒槽31
は、処理水を滅菌して放流するために設けられており、
移送ポンプ32は、処理水槽9内の処理水の一部を脱窒
素槽27に移送するために設けられている。そして、処
理水の返送は、生物濾過槽1で好気的微生物反応が行な
われ、硝酸態窒素を多く含むため、脱窒素槽27で窒素
除去を行なうことを目的としている。移送ポンプ33
は、嫌気性濾床槽第2室26の濾床上部から脱窒素槽2
7へ嫌気濾床槽処理水35を移送するポンプである。ま
た、移送ポンプ13は、生物濾過槽1の洗浄排水を嫌気
濾床槽第1室25に排出するために設けている。これら
の移送ポンプは、エアリフト式ポンプを用いた構成とし
ているが、エアリフト式ポンプに限定されるものではな
い。
【0022】ここで、汚水浄化槽の通常の処理工程と作
用について説明する。被処理水34は流入口から供給さ
れ、嫌気性濾床槽第1室25に入り、粗大固形物が接触
材28で除去されると同時に嫌気的分解も受け、移流口
を通り嫌気濾床槽第2室26に移流する。ここでも、接
触材29に付着した嫌気性微生物により嫌気的分解を受
ける。なお、嫌気濾床槽第1室25、第2室26は接触
材28、29より上側で水位が変動し、且つその変動範
囲(H.W.L〜L.W.L)は被処理水34の流動変
動を排出係数3程度で吸収できる容積を設けて流量調整
機能を持たせている。移送ポンプ33により脱窒素槽2
7の上部へピークカットした嫌気濾床槽処理水35が流
入する。ここで、さらに有機物の分解が行なわれると同
時に前述の返送した処理水の脱窒素が行なわれ、脱窒素
槽処理水11は自然流下によつて生物濾過槽1に供給さ
れる。生物濾過槽1では上区画Rゾーンにおいて、散気
部材3から挿入される空気によって粒状担体2に付着し
ている好気性微生物の作用で有機物の分解と硝化が行な
われ、SSも一部捕捉される。しかし、Rゾーンの粒状
担体は空気泡の上昇によって流動しているため、残留し
たSSを含んだ通過水は、下区画Fゾーンを下向する。
Fゾーンでは、粒状担体槽が静止状態にあるため、SS
は充分に捕捉除去される。この工程までに被処理水34
は有機物、SS、窒素も充分に除去されるため、透視度
の良い高度な処理水となり処理水槽9へ移行し、消毒槽
31で滅菌された後処理水12として系外に排出され
る。
【0023】次に洗浄工程について述べる。通常の処理
が継続されると、生物濾過槽1は生物濾過層特に下区画
FゾーンでSSの捕捉によつて除除に濾過抵抗が増すた
め洗浄が必要となる。この洗浄の指令は生物濾過槽1の
水位が所定水位まで上昇したら、又はタイマー設定で所
定時間に達したら、その信号によって洗浄を行なうこと
ができる。なお、この場合、洗浄操作は嫌気濾床槽第1
室25、第2室26の水位が低水位の(L.W.L)の
時に行なうことが望ましく、通常被処理水34の流入が
ない夜間に設定することが良い。
【0001】洗浄は次ぎのように行なう。先ず、散気部
材8からの散気を開始して、Fゾーンをバブリングし、
同時に移送ポンプ13を作動して、開口部10から処理
水槽9の処理水を洗浄水としてFゾーンに流入させる。
空気泡により剥離したSSは、洗浄水とともに洗浄排水
排出管5から洗浄排水15として引き抜かれ、嫌気濾床
槽第1室25に排出される。同時にRゾーンに捕捉され
ているSSも水位の下降に伴い洗浄排水15として嫌気
濾床槽第1室25に排出される。なお、多孔部材4、
6、7により各ゾーンの担体量は変わることがない。洗
浄の終了は散気部材8からの散気を停止し、移送ポンプ
13を停止することにより完了する。洗浄に必要な水量
は、生物濾過槽の少なくともRゾーンとFゾーンの容積
と同等以下を供給すれば充分である。洗浄終了後は、脱
窒素槽処理水11の流入によって通常の処理状態へ復帰
する。以上の工程を行なうことにより、高度な処理を維
持することが可能となる。用いる担体2については第1
発明で述べているので省略する。
【0002】
【発明の効果】本発明によれば、連通気泡体、繊維塊、
不織布などの多孔質からなる粒状担体を用いているた
め、その担体の細孔内に多量の微生物を保持出来、排水
中の有機物を充分除去でき、硝化も効率的行なわれる。
また生物濾過層の上部を有機物分解を主とする好気反応
ゾーン、その下部をSSの除去を主とする濾過ゾーンに
分画したため、低BOD、効率的な硝化、低SSで透明
感のある高度な処理水を安定して得ることが出来る。ま
た、洗浄排水量も少量に抑えることができる。さらに、
この生物濾過方法を汚水浄化槽に組み込んで一体形とし
たため、小形で高性能な汚水浄化槽を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒状担体を用いた生物濾過法の実施例
を示す断面図であり、(a)は通常の処理状態、(b)
は洗浄状態を示す。
【図2】(a)〜(e)は本発明の実施例を示す平面図
であり、本発明の生物濾過槽と処理水槽と移送ポンプと
の配置例及び形状例を示したものである。
【図3】(a)〜(c)は本発明の実施例を示す断面図
であり、生物濾過槽における多孔部材の配置例を示した
ものである。
【図4】(a)は本発明の実施例を示す汚水浄化槽の断
面図であり、(b)は(a)のAーA断面図である。
【符号の説明】
1…生物濾過槽、2…粒状担体、3…散気部材、4…多
孔部材、5…洗浄排水排出管、6…多孔部材、7…多孔
部材、8…散気部材、9…処理水槽、10…開口部、1
1…被処理水(脱窒槽処理水)、12…生物濾過槽処理
水、13…移送ポンプ、14…洗浄水、15…洗浄排
水、16…移流管、17、18…多孔部材、19…汚水
浄化槽、20、21、22、23、24…仕切壁、25
…嫌気処理槽(第1室)、26…嫌気処理槽(第2
室)、27…脱窒素槽、28、29、30…接触材、3
1…消毒槽、32、33…移送ポンプ、34…被処理
水、35…嫌気濾床槽処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 昌浩 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内 (72)発明者 石垣 力 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水を浸漬状態にある担体床に下向
    流で通過させ、担体床下部より散気を行いこの過程で好
    気的生物分解と物理的濾過作用を伴って浄化を行う生物
    濾過方法において、粒状物を担体床とする生物濾過槽と
    し、該生物濾過槽を上下二つの区画に分け、上区画の下
    部に被処理水及び洗浄水は通すが粒状物は通さない多孔
    部材を設けるとともに下区画の下部にも被処理水及び洗
    浄水は通すが粒状物は通さない多孔部材を設け、上区画
    及び下区画の多孔部材下方に空気を吐出する散気部材を
    設け、通常の処理工程は被処理水を上区画の上側から流
    入させ、上区画の散気部材から散気を行なつて上区画で
    主に有機物の分解と粒子の除去を行い、次ぎに下区画で
    主に粒子の除去を行なわせ、その後、下区画の下側から
    処理水を排出させてなり、洗浄工程は下区画の下側の散
    気部材から洗浄時のみ散気を行ない、両区画を仕切る多
    孔部材の下側で該槽内の処理水を通過させ且つ下区画の
    粒状物は通さない多孔部材を設け、該多孔部材と両区画
    を仕切る多孔部材との間から槽内処理水を槽外へ洗浄廃
    水として引き抜くようにしたことを特徴とする粒状担体
    を用いた生物濾過方法。
  2. 【請求項2】 槽内を仕切壁で仕切り、複数の各種の処
    理槽を設け、これらの処理槽に被処理水を順次移流して
    浄化を行う汚水浄化槽において、嫌気濾床槽第1室、第
    2室、脱窒素槽、生物濾過槽、処理水槽、消毒槽の順で
    配列され、嫌気濾床槽第1室と第2室は底部で連通さ
    れ、両槽の濾床槽上部で流入水量の変動を吸収する流量
    調整機能を有する空容積部を設け、第2室濾床上部の液
    を移送ポンプにより後段の脱窒素槽上部へ移送し下向き
    流として流下させ、該槽底部から後段の生物濾過槽上部
    へ自然流下させ下向き流とし、該生物濾過槽は粒状物を
    収納した生物濾過層を有し、該生物濾過層を流入水及び
    洗浄水を通すが粒状物は通さない多孔部材を水平横断的
    に設けて仕切り生物濾過層を上下の2区画に分け、上区
    画の下部に多孔部材を設けるとともに、さらに下区画の
    下部に流入水及び洗浄水を通すが粒状物は通さない多孔
    部材を水平横断的に設け、上区画及び下区画の多孔部材
    下方に空気を吐出する散気部材を設けるとともに、両区
    画を仕切る多孔部材の下側で該槽内の処理水を通過させ
    且つ下区画の粒状物は通さない多孔部材を設け、該多孔
    部材と両区画を仕切る多孔部材との間から槽内処理水を
    槽外の嫌気性濾床槽第1室へ移流ポンプで洗浄排水とし
    て引き抜き、そして該生物濾過槽を下向流で流下した流
    入水は、生物濾過槽底部より処理水槽へ移り、処理水槽
    上部から消毒槽へ到るようにしてから放流され、また、
    処理水槽には該槽内液を脱窒素槽の上部へ返送する移送
    ポンプを備えたことを特徴とする汚水浄化槽。
JP4113881A 1992-05-07 1992-05-07 粒状担体を用いた生物濾過方法及び汚水浄化槽 Pending JPH05309382A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001137885A (ja) * 1999-11-16 2001-05-22 Hitachi Chem Co Ltd 濾過層洗浄用散気管、好気濾床槽及び汚水浄化槽

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001137885A (ja) * 1999-11-16 2001-05-22 Hitachi Chem Co Ltd 濾過層洗浄用散気管、好気濾床槽及び汚水浄化槽

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