JPH0530833Y2

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Publication number: JPH0530833Y2
Application number: JP14813689U
Authority: JP
Priority date: 1989-12-21
Filing date: 1989-12-21
Publication date: 1993-08-06
Anticipated expiration: 2003-08-06
Also published as: JPH0385149U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は中空状の鋳造用中子を製造するための
鋳造用中子製造装置に関する。

（従来の技術）砂型である鋳型中子は、例えば熱硬化性樹脂等
のバインダーを混合させた鋳造用型砂（中子素
材）を中子製造用金型内に充填した後、加熱して
焼成されるわけであるが、型砂の消費量を少なく
すると共に、中子重量を軽減し、また鋳造直後
に、鋳物内の中子を容易に破壊して排出しやすい
ようにするため、上述した中子の焼成直後に、中
子金型内から不用な型砂を排出して、該中子を中
空状にすることが一般的におこなわれている。

従来では、中子を中空状にするため、第４図に
示すように、中子製造用金型１を、その中心軸Ｏ
を支点として所定の揺転角度αで左右に揺転さ
せ、その揺転運動によつて該金型１内から不用な
型砂Ａを排出するようにしている。

（考案が解決しようとする課題）上述のように中子製造用金型１を左右に揺転さ
せるだけでは、該金型１内から不用な型砂Ａを完
全に排出させることは困難であり、特に複雑な形
状の中子の場合には、図示するように、出入口付
近の型砂Ａがわずかに排出されるだけである。ま
た中子製造用金型１を揺転運動させるための駆動
装置を必要とすることから、当然、それだけ構造
が複雑になる。さらに上記金型１から排出された
型砂２が周辺に撒き散らされ、作業環境が悪化す
るという難点もある。

本考案は、上記従来の問題点に鑑み、簡単な構
造で、中子製造用金型から不用となつた中子用型
砂を確実に排出することができ、しかも上記金型
から排出した型砂が周辺に撒き散らされないよう
にした鋳造用中子製造装置を提供することを目的
としている。

（課題を解決するための手段）上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１図を用いて説明すると、本
考案は、中子製造用金型１の型砂給排口２１に接
続された型砂タンク１４に、該型砂タンク１４内
の中子用型砂Ａを前記金型１内に吹込み充填する
ためのエア供給装置１８を接続してなる鋳造用中
子製造装置において、上記型砂タンク１４に、上
記金型１内の中子用型砂Ａを該型砂タンク１４内
に吸引排出するためのエア吸引装置１９を接続す
ると共に、該エア吸引装置１９と前記エア供給装
置１８とのいずれか一方を択一的に型砂タンク１
４に連通させるためのエア切替装置２０を設けた
ものである。

（作用）上記構成によれば、エア切替装置２０をエア供
給装置１８側に切替え、該エア供給装置１８によ
り型砂タンク１４内にエアを圧入すると、その圧
入エアによつて型砂タンク１４内の型砂Ａが中子
製造用金型１内に吹込み充填され、高熱（250〜
300℃程度）状態の金型内周面に付着した型砂Ａ
が熱硬化させられる。次に所定時間（例えば20〜
30秒）経過後、エア切替装置２０をエア吸引装置
１９側へ切替えると、該エア吸引装置１９によつ
て前記型砂タンク１４内のエアが吸引されて、そ
の型砂タンク１４内が負圧状態となり、前記金型
１内の熱硬化していない不用な型砂Ａが上記型砂
タンク１４内に吸引排出される。そして、この結
果、上記金型１から中空状の鋳造用中子ａを取出
すことができる。

（実施例）第３図は本考案一実施例たる鋳造用中子製造装
置を示し、中子製造用金型１を構成する固定金型
１ａに対し可動金型１ｂを圧接離間させる金型圧
接装置２と、上記金型１の直下位置と型砂貯溜ホ
ツパー３の直下位置との間を往復移動自在な型砂
運搬車４とを有する。

上記金型圧接装置２は、第１図にも示すよう
に、基礎台５上に立設した互いに平行する一対の
支持枠６，６と、該両支持枠６，６の両端部上に
それぞれ配設した一対の固定枠７ａ，７ｂと、該
両固定枠７ａ，７ｂ間に配設したガイドロツド８
に摺動自在に配設された摺動枠９とを有し、前記
固定金型１ａは上記一方の固定枠７ａに取付けら
れ、また前記可動金型１ｂは上記摺動枠９に取付
けられており、上記他方の固定枠７ｂに設けたシ
リンダ装置１０により上記摺動枠９を往復摺動さ
せることによつて、可動金型１ｂを固定金型１ａ
に対し圧接離間させることができるようになつて
いる。

前記型砂運搬車４は、第１図に示すように、基
礎台５上のガイドレール１２に沿つて移動自在な
台車１３と、該台車１３上に載置した型砂タンク
１４とを有し、該型砂タンク１４は台車１３に設
けたシリンダ装置１５によつて昇降させられるよ
うになつている。また上記型砂タンク１４内にメ
ツシユの小さい金網等からなるフイルタ１６によ
つて、上側の型砂貯溜室１４ａと下側の気密室１
４ｂとに分離され、該気密室１４ｂは可撓性エア
ホース１７を介してエア供給ポンプ（エア供給装
置）１８と、エア吸引ポンプ（エア吸引装置）１
９とに接続され、上記エアホース１７の途中に
は、上記エア供給ポンプ１８とエア吸引ポンプ１
９とのうち、いずれか一方を択一的に前記型砂タ
ンク１４内に連通させるための電磁弁等の電磁式
エア切替装置２０が設けられている。また前記型
砂タンク１４上の上部に配設したブロー板１４ｃ
には、該ブロー板１４ｃが金型１の下面に当接し
たときに、その金型１の型砂給排口２１に連通す
る型砂出入口２２を貫設している。

この考案に係る鋳造用中子製造装置によれば、
次の要領で鋳造用中子を製造することができる。
まず第３図実線に示すように、型砂運搬車４を型
砂貯溜ホツパー３の直下位置に停止させ、型砂タ
ンク１４をシリンダ装置１５により上昇させて、
該型砂タンク１４の上部に設けた開閉弁付き型砂
受給部１４ｄを上記ホツパー３の型砂供給管３ａ
に接続し、該型砂供給管３ａの下端部に設けた開
閉ゲート２３を開放することによつて、上記ホツ
パー３内の型砂Ａを上記型砂受給部１４ｄを介し
て型砂タンク１４内に投入する。

上記型砂タンク１４内に型砂Ａが所定量投入さ
れたならば、前記開閉ゲート２３を閉鎖し、型砂
タンク１４を下降させた後、型砂運搬車４を、第
３図仮想線に示すように、中子製造用金型１の直
下位置まで移動させる（第１図実線状態）。この
状態では、上記中子製造用金型１の固定金型１ａ
に対し可動金型１ｂが圧接しているので、型砂タ
ンク１４をシリンダ装置１５により上昇させるこ
とによつて、第１図仮想線に示すように、該タン
ク１４のブロー板１４ｃを上記金型１の下面に当
接させ、該ブロー板１４ｃの型砂出入口２２と金
型１の型砂給排口２１とを連通させる。

次に第１図実線に示すように、エア切替装置２
０の切替弁２０ａをエア供給ポンプ１８側へ切替
えることによつて、該エア供給ポンプ１８により
エアホース１７を介して型砂タンク１４の気密室
１４ｂ内にエアを圧入する。この圧入エアはフイ
ルタ１６を通過して型砂貯溜室１４ａに流入し、
該室１４ａ内の型砂Ａが型砂給排口２１を介して
金型１内に吹込み充填され（第２図ａ状態）、高
熱（250〜350℃程度）状態の金型内周面に付着し
た型砂Ａが熱硬化させられる。なお前記型砂受給
部１４ｄには開閉弁を設けているので、この型砂
受給部１４ｄからエアが型砂タンク１４の外へ漏
れることはない。

次に所定時間（例えば20〜30秒）経過後、エア
切替装置２０の切替弁２０ａを、第１図仮想線に
示すように、エア吸引ポンプ１９側へ切替える
と、該エア吸引ポンプ１９によつて前記型砂タン
ク１４内のエアが吸引され、該型砂タンク１４内
が負圧状態となり、前記金型１内の熱硬化してい
ない不用な型砂Ａが上記型砂タンク１４内に吸引
排出され、金型１内には熱硬化した中空状の鋳造
用中子ａが残される（第２図ｂ状態）。

その後、型砂タンク１４を下降させ、型砂運搬
車４を型砂貯溜ホツパー３の直下位置まで戻すと
共に、可動金型１ｂをシリンダ装置１０により固
定金型１ａから離間させた後、該可動金型１ｂを
前記摺動枠９に設けた回動シリンダ装置（図示せ
ず）により、第３図仮想線に示すように、上方へ
90°回動させて水平状態にし、その水平状態の可
動金型１ｂから鋳造用中子ａを中子搬送装置２５
により取出すようになつている。

（考案の効果）本考案によれば、中子製造用金型内に中子用型
砂を吹込み充填した後、エア切替装置をエア吸引
装置側に切替えて、該エア吸引装置により上記型
砂タンク内のエアを一挙に吸引するようになつて
いるため、前記金型内に充填された型砂のうち、
金型内周面に付着せず、熱効果しなかつた不用な
型砂を型砂タンク内に確実に吸引排出することが
でき、その結果、前記金型内から中空状に形成し
た鋳造用中子を取出すことができる。

また従来、前記金型内から不用な型砂を排出す
るため設けられていた金型揺転駆動装置が不要と
なり、それだけ構造を簡単にすることができる。

さらにエア吸引によつて型砂タンク内が負圧状
態にされるから、該型砂タンク内に排出された型
砂が型砂タンク外に漏出するおそれがなく、作業
環境を良好に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例たる鋳造用中子製造
装置の要部の横断面図、第２図は同装置による鋳
造用中子の製造過程を説明する説明図、第３図は
同装置の全体の正面図、第４図は従来の鋳造用中
子製造装置による鋳造用中子の製造状態を説明す
る説明図である。１……中子製造用金型、１４……型砂タンク、
１８……エア供給ポンプ（エア供給装置）、１９
……エア吸引ポンプ（エア吸引装置）、２０……
エア切替装置、２１……型砂給排口、Ａ……型
砂、ａ……鋳造用中子。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

中子製造用金型の型砂給排口に接続された型砂
タンクに、該型砂タンク内の中子用型砂を前記金
型内に吹込み充填するためのエア供給装置を接続
してなる鋳造用中子製造装置において、上記型砂
タンクに、上記金型内の中子用型砂を該型砂タン
ク内に吸引排出するためのエア吸引装置を接続す
ると共に、該エア吸引装置と前記エア供給装置と
のいずれか一方を択一的に型砂タンクに連通させ
るためのエア切替装置を設けてなる鋳造用中子製
造装置。