JPH0530744A - Dc−dcコンバータ - Google Patents

Dc−dcコンバータ

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JPH0530744A
JPH0530744A JP17963991A JP17963991A JPH0530744A JP H0530744 A JPH0530744 A JP H0530744A JP 17963991 A JP17963991 A JP 17963991A JP 17963991 A JP17963991 A JP 17963991A JP H0530744 A JPH0530744 A JP H0530744A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速スイッチング素子として電界効果トラン
ジスタ(FET)を用いることによって、スイッチング
時の損失が小さく、トランスの利用率が高く、さらに軽
負荷時にも安定して動作する。 【構成】 電界効果トランジスタQ1のゲートに電圧が
印加されてオン状態となり、帰還巻線NGの両端に誘起
電圧が生じ、この電圧がコンデンサC2を介してトラン
ジスタQ1のゲートに印加されてトランジスタQ1は完
全にオン状態になる。このオン状態時に、出力電圧検出
手段で検出された出力電圧に応じた量の電流を流す受光
トランジスタを介してコンデンサC2からコンデンサC
3に電流が流れ込み、コンデンサC3の両端間の電圧が
上昇する。この電圧の上昇に伴ってゲートコントロール
トランジスタQ2のベース電圧も上昇し、その値が所定
値に達するとトランジスタQ2がオン状態になるために
電界効果トランジスタQ1は瞬時にしてオン状態からオ
フ状態になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化直流電源装置等
に使用するDC−DCコンバータ(直流−直流変換器)
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランスの1次巻線にスイッチングトラ
ンジスタを直列に接続しこれをオン・オフすることによ
って直流電流を断続的に流して2次巻線に誘起される電
圧を、整流し平滑して直流出力を得るDC−DCコンバ
ータは既に広く知られる。
【0003】この種の装置の1つとして、回路構成が簡
単なオン・オフ型の自励式DC−DCコンバータがあ
る。この方式の回路は、もっともシンプルな構成である
ため部品点数を少なくできるが、出力容量に比べてスイ
ッチされる電流のピーク値が大きいこと、トランスへの
印加電圧は一方向のみで利用率が悪いこと、磁気飽和を
起こして過大電流が流れないよう注意が必要であること
などから、主に小出力用として使用されている。
【0004】図10は従来のDC−DCコンバータの構
成を示す回路図である。図10において、1,2は直流
電源端子、24,25は負荷を接続する出力端子であ
る。T1はスイッチングトランスで、N1は1次巻線、
N2は2次巻線、NBは帰還巻線(ベース巻線)であ
る。Q11はスイッチングトランジスタ、R12は発振
スタート時に起動電流をベースに流すためのバイアス抵
抗である。R13はベース巻線NBの電圧をベース電流
を制限しながらベースに加える抵抗である。
【0005】トランジスタQ12,抵抗R14および受
光トランジスタ3−1は、ベース電流をバイパス(分
流)し出力電圧を制御する制御回路を構成している。こ
こで受光トランジスタ3−1はフォトダイオード3−2
とフォトカプラ3を形成しており、出力電圧を制御する
ためフォトダイオード3−2からの光を受け、その抵抗
値を変化させて、トランジスタQ12に流れるベース電
流を制御する。抵抗R14は、この電流の最大値を制限
するとともに回路を安定に動作させるための抵抗であ
る。
【0006】コンデンサC1,抵抗R1およびダイオー
ドCR1はスイッチングトランスT1の結合ロスおよび
2次側の整流ロスのために発生する異状な逆起電圧を吸
収するスナバ回路を構成している。ここで、ダイオード
CR1は異状電圧発生時に導通状態になってその異状電
圧を吸収用コンデンサC1に吸収させるためのスイッチ
ングダイオードとして機能する。また抵抗R1はコンデ
ンサC1に蓄積された電荷を放電させるための抵抗であ
る。
【0007】ダイオードCR22は、トランジスタQ1
1がオフ時に発生する2次側の逆起電圧を整流する整流
ダイオード、コンデンサC22は、整流ダイオードCR
22からの整流電流を平滑化して安定した直流を出力す
るための平滑コンデンサである。
【0008】U1は出力電圧を制御するための可変型シ
ャントレギュレータであり、出力電圧Vout が抵抗R2
6,R27によって分圧されて制御端子に加えられてい
るために、出力電圧Vout の変化に従って流れる電流の
量が変化する。この可変型シャントレギュレータU1は
例えばテキサスインスツルメント社製のTL431等の
ICによって構成されている。この可変型シャントレギ
ュレータに電流が流れると発光ダイオード3−2が発光
し、受光トランジスタ3−1の抵抗値が変化する。この
抵抗値の変化によってトランジスタQ11のベース電流
が制御される。このようにトランジスタQ11のベース
電流を制御することによって出力電圧を安定化すること
ができる。抵抗R25は発光ダイオード3−2に流す電
流を制限するとともに回路を安定に動作させるための抵
抗である。
【0009】次に、以上のように構成された従来例の動
作について説明する。
【0010】先ず、バイアス抵抗R12を通じてわずか
なベース電流がスイッチングトランジスタQ11のベー
スに流れてトランジスタQ11はオンとなる。トランジ
スタQ11がオンになると1次巻線N1に電流が流れる
ために、帰還巻線であるベース巻線NBからベース電流
B が流れてトランジスタQ11は飽和する。
【0011】トランジスタQ1がオンしているときに
は、トランスT1の一次側インダクタンスLと入力電流
電源の電圧Vinによって定められる電流IC (IC =V
in・t/L)が増加していき、IC =HFE・IB (HFE
はトランジスタの増幅率)で電流の増加が止まる。以上
の期間においては、ベース電流IB は、トランジスタQ
12,3−1および抵抗R14からなる制御回路によっ
て制御されている。
【0012】電流IC の増加が止まると、ベース巻線N
Bの電圧は消滅し始め、ベース電流IB も減少し、急速
にトランジスタQ1はオフとなる。このオフ期間に2次
巻線N2に発生した逆起電圧(フライバック電圧)をダ
イオードCR22で整流しコンデンサC22で平滑する
と同時に出力端24,25に直流を出力する。さらに、
このオフ期間においてはベース巻線NBはトランジスタ
Q11を逆バイアスしてオフ状態を維持する。逆起電圧
が減少し、ダイオードCR22に流れる電流ID が零に
なると、ベース巻線NBはスイッチングトランジスタQ
11をオフ状態に維持できなくなるために、トランジス
タQ11は再びオンとなって発振は継続される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来の自励式DC−DCコンバータにおいては、1次巻線
に流す電流のスイッチング素子としてPNPジャンクシ
ョン型トランジスタまたはNPNジャンクション型トラ
ンジスタが用いられていた。ここでこれらのトランジス
タがオン状態からオフ状態になる状態を以下に説明す
る。
【0014】先ずオン状態からオフ状態に移行するとき
において、トランジスタQ11にはIC =HFE・IB
規定されるピーク値に近い値の電流が流れている。この
状態でコレクタ電流IC の増加が鈍くなると、それに伴
ってベース巻線NBに誘起される電圧も低くなりトラン
ジスタQ11のベース電流が低下する。そして、ベース
巻線NBの誘起電圧がさらに下がってベース電流がトラ
ンジスタQ11のオン状態を維持できなくなった段階で
トランジスタQ11はオン状態からオフ状態に移行す
る。
【0015】このように、従来装置にあっては、コレク
タにピーク値電流が流れている状態で、ベース電流が低
下してトランジスタのオン抵抗値が高くなるために、こ
のオン状態からオフ状態への移行時においてトランジス
タで大きな電力損失が生じていた。
【0016】また、これらのトランジスタはMOS型F
ET(電界効果トランジスタ)に比してスイッチングス
ピードが遅いために、オン状態の時間をある程度以上に
短くすることができない。このため、このオン最少時間
によってトランスT1に蓄積する磁気エネルギの最小値
が規制されてしまうために、従来装置に軽負荷を接続し
た場合にはスイッチング動作が間欠的になり装置の動作
が不安定になるという問題点もあった。
【0017】さらに、スイッチングスピードが遅いこれ
らのトランジスタを用いる従来装置にあっては発振周波
数をある程度以上高くできないために、トランスT1の
利用率も低かった。
【0018】ここで、従来装置のトランジスタをスイッ
チングスピードが速いMOS型FETで置換すれば上述
した問題点はすべて解消されるが、ベース電流を減少さ
せることによってトランジスタをオフ状態に移行させる
従来装置の回路ではスイッチング素子として電圧制御素
子であるMOS型FETを用いることができなかった。
【0019】本発明の目的は、1次巻線に流す電流のス
イッチング素子としてFETを用い、そのFETを高速
で動作させることによって、スイッチング時の損失が小
さく、トランスの利用率が高く、さらに軽負荷時にも安
定して動作するDC−DCコンバータを提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明は、トランスの1次巻線に直流電源からの電
流を間欠的に供給することによって、2次巻線に誘起さ
れる電圧を整流し平滑して負荷に供給するDC−DCコ
ンバータにおいて、前記直流電源に対して前記1次巻線
と直列接続され、ゲートが抵抗器を介して前記直流電源
の正極に接続された電界効果トランジスタと、前記直流
電源の負極と前記ゲート間に設けられ、制御端に入力す
る電圧が所定値以上のときに導通状態となるスイッチン
グ手段と、前記負荷へ供給する電圧を検出する出力電圧
検出手段と、前記トランスに設けられた帰還巻線と、一
端が前記電界効果トランジスタのゲートに接続され、他
端が前記帰還巻線の一端に接続された第1のコンデンサ
と、一端が前記スイッチング手段の制御端に接続され、
他端が前記帰還巻線の他端に接続された第2のコンデン
サと、該第2のコンデンサの前記一端と前記第1のコン
デンサの前記一端との間に設けられ、前記出力電圧検出
手段の出力に従って前記第1のコンデンサから前記第2
のコンデンサへ流れる電流の量を制御する電流制御素子
とを有するスイッチング制御手段と、前記第2のコンデ
ンサに、前記帰還巻線の前記一端に発生する電圧とは逆
相の電圧を供給する逆相電圧供給手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0021】
【作用】以上のように構成された本発明によれば、先
ず、電界効果トランジスタのゲートに電圧が印加されて
オン状態となり1次巻線に電流が流れる。この状態で帰
還巻線の両端に誘起電圧が生じる。この誘起電圧がスイ
ッチング制御手段の第1のコンデンサを介して電界効果
トランジスタのゲートに印加されて電界効果トランジス
タは完全にオン状態になる。
【0022】このオン状態時に、出力電圧検出手段で検
出された出力電圧に応じた量の電流がスイッチング制御
手段内の第1のコンデンサから第2のコンデンサに流れ
込み、第2のコンデンサの両端間の電圧が上昇する。そ
れに伴って第2のコンデンサの一端に接続されたスイッ
チング手段の制御端の電圧も上昇しその電圧が所定値に
達するとスイッチング手段は電界効果トランジスタのゲ
ートを電源の負極に接続して電界効果トランジスタを瞬
時にオフ状態にする。
【0023】このオフ状態のときトランスの2次巻線に
発生する逆起電圧を整流し平滑化して負荷に供給する。
さらにこのオフ状態においては、帰還巻線が電界効果ト
ランジスタを逆バイアスし、逆相電圧供給手段がスイッ
チング制御手段の第2のコンデンサを介してスイッチン
グ手段の制御端に所定値の電圧を供給しつづけてこのオ
フ状態を維持する。そして、逆起電圧が減少して逆相電
圧供給手段が上述した所定値の電圧を維持できなくなる
と、スイッチング手段が遮断状態となって電界効果トラ
ンジスタがオン状態に移行する。
【0024】以後上述した動作を繰返す。
【0025】このようにスイッチング手段の制御端に、
電界効果トランジスタのゲートとは逆相すなわちドレイ
ンと同相の電圧をコンデンサを介して加えるようにする
ことによって、電界効果トランジスタのオン,オフ動作
を確実かつ高速にして安定な動作と低損失を達成する。
また、第2のコンデンサの充電電流を制御し電界効果ト
ランジスタのオン時間を制御するようにすることによっ
て、トランスの磁気飽和を防ぎ過電流が流れないように
するとともに、出力電圧を安定化させる。さらに電界効
果トランジスタを用いるため、スイッチング速度を高速
にすることができて発振周波数を高く設定でき、トラン
スの利用率を高めることができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0027】図1は、本発明の第1の実施例を示す回路
図であり、図10と同一符号のものは同一のものを示し
ている。また、スイッチングトランスT1には1次巻線
N1,2次巻線N2の他に、帰還巻線が設けられてい
る。この帰還巻線は電源の負極に接続する位置で2つの
部分に分かれており、このうちNGはゲート巻線であ
り、NBはゲートコントロールトランジスタQ2のベー
スにゲート巻線NGとは逆相の電圧を加えるためのベー
ス巻線である。
【0028】Q1はMOS形FETのスイッチングトラ
ンジスタ、R2は発振スタート時にゲートに電圧を加え
るためのバイアス抵抗、C2,R5はゲート巻線NGか
らの電圧をゲートに加えるコンデンサと抵抗である。ツ
ェナーダイオードCR2は、ゲートに必要以上の電圧が
加わらないように保護する逆方向ダイオード特性を利用
したクランプ回路を構成するとともに、通常のダイオー
ドとして機能しゲート巻線NGの電圧利用率を高め、さ
らにゲートに負の電圧が加わらないようにしている。Q
2は、トランジスタQ1をオン状態からオフ状態へ移行
させるためのゲートコントロールトランジスタである。
C3は帰還巻線(ベース巻線NB)の電圧をベースに加
えるコンデンサ、抵抗R3,R4および受光トランジス
タ3−1は、コンデンサC3に充電電流を流す抵抗であ
り、スイッチングトランジスタQ1のオン時間を制御す
る。ここで受光トランジスタ3−1は、発光ダイオード
3−2とフォトカプラを構成しており、出力電圧を一定
に保つように機能する。R4は発振動作を安定させるた
めの抵抗である。
【0029】次に以上のように構成された本実施例の動
作を、各部の波形を示す図2を用いて説明する。
【0030】バイアス抵抗R2を通じてスイッチングト
ランジスタQ1のゲートに電圧が加わり、そのゲート電
圧がドレイン電流を流すスレッシュホールド電圧に達す
ると、トランジスタQ1はオンとなりドレイン電流が流
れる。ドレイン電流が流れると帰還巻線であるゲート巻
線NGからゲート電圧がコンデンサC2,抵抗R5を通
じて加わり、トランジスタQ1は完全にオン状態とな
る。またこの状態では、ゲートコントロールトランジス
タQ2は、ゲート巻線NGとは逆相の帰還電圧がコンデ
ンサC3を通じて供給されているために、完全なオフの
状態になっている。トランジスタQ1がオンしていると
きこのトランジスタQ1には、トランスT1の一次イン
ダクタンスLと入力直線電源の電圧Vinによって定めら
れる電流IC (IC =Vin・t/L)が流れ、時間とと
もに徐々に増加していく。
【0031】一方、ゲートコントロールトランジスタQ
2のベースに負の電圧を加えているコンデンサC3に
は、抵抗R3,R4および受光トランジスタ3−1を介
して充電電流が流れ込むため、トランジスタQ2のベー
ス電圧はトランジスタをオンにする電圧VBE(≒0.6
V)に近づく。そして、この電圧に達したときトランジ
スタQ2はオンになる。これによりトランジスタQ1の
ゲート電圧が低下してQ1はオフ状態となり、トランス
T1の1次巻線N1に流れる電流が急激に減少する。こ
の状態になると、帰還巻線のベース巻線NBがトランジ
スタQ2を完全にオンするとともに、ゲート巻線NGの
出力電圧も負になり、トランジスタQ1を高速で完全に
オフ状態にする。トランジスタQ2がオンするとコンデ
ンサC3は抵抗R3およびR4を介して蓄積した電荷を
放電する。
【0032】このオフ期間に2次巻線N2に発生する逆
起電圧(フライバック電圧)をダイオードCR22で整
流し、コンデンサC22平滑して出力端に直流電圧を出
力する。
【0033】負荷に供給されている出力電圧は抵抗R2
6,R27で分圧されて可変型シャントレギュレータU
1に加えられる。この可変型シャントレギュレータU1
は加わる電圧に応じて発光ダイオード3−2に流れる電
流をコントロールして受光トランジスタ3−1に流れる
コンデンサC3の充電電流をコントロールする。以上の
ようにして出力電圧を安定化する。
【0034】なおCR2はツェナーダイオードであり、
トランジスタQ1に加わるゲート電圧を制限すると共
に、ゲートに負電圧が加わるオフ期間のときには、通常
のダイオードとして動作し、ゲートの電位を一定に保
つ。このため次のオン期間が始まるときには、オフ期間
に充電されたコンデンサC2の電圧がゲート巻線NGの
電圧と加算されてゲートに出力される。このようにオン
期間が始まるときには、ゲート巻線NGのほぼピーク−
ピーク値が出力されるようにしてあるため、ゲート巻線
NGの電圧利用率が高まるとともに入力直流電源電圧の
許容範囲を広げることができる。
【0035】このように本実施例によれば、スイッチン
グトランジスタにスイッチング特性の優れたMOSFE
Tを使用するため、スイッチング速度を高速にできて、
スイッチング損失が低減できる。また、発振周波数も高
くできてトランスの利用効率を高めることができるとと
もに、オン時のトランスへの蓄積エネルギを少なくする
ことができて、オン・オフ型の自励式DC−DCコンバ
ータの欠点である軽負荷(無負荷)時に間欠発振となり
不安定になることをかなり改善できる。
【0036】さらに、NPNまたはPNPジャンクショ
ン型トランジスタを使用した従来例と異なり、オン期間
からオフ期間への転換時にベース電流と電流増幅率との
積で規定されるコレクタ電流の飽和現象を使用せず、コ
ンデンサに充電された電荷を放電するときの電圧変化に
よりゲートコントロールトランジスタQ2をオンさせて
スイッチングトランジスタQ1をオフさせるために、従
来例のようにスイッチングトランジスタの電流増幅率の
バラツキの影響を受けず、バラツキのない安定した動作
を得ることができる。
【0037】そして、ゲートコントロールトランジスタ
Q2のベースに、トランジスタQ1のゲートとは逆相の
電圧を加えるため、ゲート信号の立上りおよび立下が急
峻となってMOSFETのスイッチング速度を高速にし
てスイッチング損失を小さくすることができる。
【0038】図3は本発明の第2の実施例の構成を示す
回路図であり、図4は各部の波形を示す波形図である。
図3において図1と同一符号のものは同一のものを示し
ており、また、R8は抵抗、CR4はツェナーダイオー
ドである。図1に示した第1の実施例と本実施例との差
異は、ベース巻線NBに発生する電圧の代わりに、ゲー
ト巻線NGに抵抗R8を直列接続して、この抵抗R8の
両端に生じる電圧をトランジスタQ2のベースに印加す
るようにしていることである。ツェナーダイオードCR
4は、抵抗R8の両端に発生する電圧を制限してベース
印加電圧を制限するものである。
【0039】以下、本実施例の動作を図5,図6を用い
て説明する。
【0040】図5は、本実施例の動作を説明するための
説明図であり、図6はゲート巻線NGの電圧,トランジ
スタQ1のゲート電圧およびトランジスタQ2のベース
印加電圧の状態を表わした模式図である。
【0041】スイッチングトランジスタQ1のオン,オ
フに従って、ゲート巻線NGを流れる電流の向きは変化
する。すなわち、トランジスタQ1のオン期間には電流
2が流れるために、ゲートコントロールトンランジス
タQ2のベース・エミッタ間はツェナー電圧で逆バイア
スされてトランジスタQ2はオフ状態を保つ。また、ス
イッチングトランジスタQ1のオフ期間には、電流i1
が流れるために、ゲートコントロールトランジスタQ2
のベースには、ツェナーダイオードCR4の両端電圧と
コンデンサC3の電圧とが加算されて印加されてゲート
コントロールトランジスタQ2はオン状態を保つ。
【0042】本実施例のその他の動作は第1の実施例と
同様であるのでその説明は省略する。
【0043】図7は本発明の第3の実施例の構成を示し
た回路図であり、図8は各部の波形を示した波形図であ
る。
【0044】前述した第2の実施例と本実施例との差異
は、第2の実施例のゲートコントロールトランジスタの
部分を2つのトランジスタをサイリスタ接続した回路で
構成したことである。すなわち、NPNジャンクション
型トランジスタとPNPジャンクション型トランジスタ
の相方のベースを他方のコレクタに接続するサイリスタ
接続された2つのトランジスタQ2,Q3で構成された
回路によってゲートコントロールをしていることであ
る。
【0045】このように構成することによりトランジス
タQ2がオフからオンへ移行する時間が極端に短くな
り、スイッチングトランジスタQ1のスイッチング速度
をさらに短くすることができる。この場合ツェナーダイ
オードCR4の向きを図7に示したようにすると、この
スイッチング動作を第2の実施例に比してさらに確実に
行うことができる。その他の動作は第2の実施例と同様
である。
【0046】図9は第3の実施例を改良した第4の実施
例であり、第3の実施例と異なるところは、コンデンサ
C2と抵抗R5の位置を変えて、コンデンサC2からダ
イオードCR5を介して抵抗R3に電圧を印加するよう
にしたことである。
【0047】このような構成とすれば、入力する電源の
電圧Vinが上昇してゲート巻線NGに誘起される電圧が
高くなると、その変化に伴って抵抗R3に印加される電
圧も高くなるために、コンデンサC3の充電時間を電源
の電圧Vinに追従させることができる。すなわち、電源
の電圧Vinが高くなると、それに追従させてスイッチン
グトランジスタQ1のオン期間を短くすることができ、
使用できる電源電圧の範囲を広げることができる。他の
動作は第3の実施例と同様である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
ランスの1次巻線に流す電流のスイッチングを高速で行
うことができ、スイッチング時の損失が小さく、トラン
スの利用率が高く、さらに軽負荷時にも安定して動作す
るDC−DCコンバータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図2】第1の実施例の各部の波形を示す波形図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図4】第2の実施例の各部の波形を示す波形図であ
る。
【図5】第2の実施例の動作を説明するための説明図で
ある。
【図6】第2の実施例の動作を説明するための説明図で
ある。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図8】第3の実施例の各部の波形を示す波形図であ
る。
【図9】本発明の第4の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図10】従来装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1,2 電源端子 3 フォトカプラ 3−1 受光トランジスタ 3−2 発光ダイオード 24,25 出力端子 C1,C2,C3,C22 コンデンサ CR1〜CR5 ダイオード N1 1次巻線 N2 2次巻線 NB ベース巻線 NG ゲート巻線 Q1 電界効果トランジスタ Q2,Q3 トランジスタ R1〜R5,R8,R9,R25〜R27 抵抗 T1 トランス U1 シャントレギュレータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの1次巻線に直流電源からの電
    流を間欠的に供給することによって、2次巻線に誘起さ
    れる電圧を整流し平滑して負荷に供給するDC−DCコ
    ンバータにおいて、 前記直流電源に対して前記1次巻線と直列接続され、ゲ
    ートが抵抗器を介して前記直流電源の正極に接続された
    電界効果トランジスタと、 前記直流電源の負極と前記ゲート間に設けられ、制御端
    に入力する電圧が所定値以上のときに導通状態となるス
    イッチング手段と、 前記負荷へ供給する電圧を検出する出力電圧検出手段
    と、 前記トランスに設けられた帰還巻線と、 一端が前記電界効果トランジスタのゲートに接続され、
    他端が前記帰還巻線の一端に接続された第1のコンデン
    サと、一端が前記スイッチング手段の制御端に接続さ
    れ、他端が前記帰還巻線の他端に接続された第2のコン
    デンサと、該第2のコンデンサの前記一端と前記第1の
    コンデンサの前記一端との間に設けられ、前記出力電圧
    検出手段の出力に従って前記第1のコンデンサから前記
    第2のコンデンサへ流れる電流の量を制御する電流制御
    素子とを有するスイッチング制御手段と、 前記第2のコンデンサに、前記帰還巻線の前記一端に発
    生する電圧とは逆相の電圧を供給する逆相電圧供給手段
    とを備えたことを特徴とするDC−DCコンバータ。
  2. 【請求項2】 前記逆相電圧供給手段は、前記帰還巻線
    の両端間の一点を前記直流電源の負極に接続する接続線
    であることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコ
    ンバータ。
  3. 【請求項3】 前記逆相電圧供給手段は、前記帰還巻線
    の前記他端と前記直流電源の負極との間に介挿された抵
    抗器であることを特徴とする請求項1に記載のDC−D
    Cコンバータ。
  4. 【請求項4】 前記スイッチング手段は一方のベースを
    他方のコレクタに接続するサイリスタ接続されたPNP
    型トランジスタおよびNPN型トランジスタからなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記スイッチング制御手段は、前記第1
    のコンデンサの前記一端と前記直流電源の負極間に設け
    られた第1抵抗器および定電圧素子からなる直列回路
    と、前記第1のコンデンサの前記一端と前記第2のコン
    デンサの前記一端との間に介挿された第2抵抗器とを有
    しており、前記第1のコンデンサの前記一端は、前記第
    1抵抗器を介して前記電流制御素子および前記ゲートに
    接続されていることを特徴とする請求項1に記載のDC
    −DCコンバータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003304686A (ja) * 2002-04-05 2003-10-24 Yutaka Denki Seisakusho:Kk スイッチング電源回路
JP2010068629A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Shindengen Electric Mfg Co Ltd 電力変換装置および内燃機関用点火装置

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