JPH05306429A - 耐熱鋳鋼 - Google Patents
耐熱鋳鋼Info
- Publication number
- JPH05306429A JPH05306429A JP13753492A JP13753492A JPH05306429A JP H05306429 A JPH05306429 A JP H05306429A JP 13753492 A JP13753492 A JP 13753492A JP 13753492 A JP13753492 A JP 13753492A JP H05306429 A JPH05306429 A JP H05306429A
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- JP
- Japan
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- cast steel
- resistant cast
- ductility
- strength
- high temperature
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- Pending
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 延靱性、高温強度に優れており、火力発電
プラントの超々臨界圧タービンケーシングなどの用途に
十分耐え得る耐熱鋳鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０５〜０．１５％、Ｍ
n ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜１．５％、Ｃr
：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．５％、Ｖ：
０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１％を含有
し、さらに、所望によりＴi ：０．１％以下、Ｎb ：
０．０５〜０．２％、Ｗ：０．１〜１．５％を含有し、
残部がＦe および不可避的不純物からなる。 【効果】 高温強度および延靱性に優れており、過酷
な環境で使用される蒸気タービン用鋳鋼品にも十分に耐
え得る特性が得られる。
プラントの超々臨界圧タービンケーシングなどの用途に
十分耐え得る耐熱鋳鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．０５〜０．１５％、Ｍ
n ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜１．５％、Ｃr
：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．５％、Ｖ：
０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１％を含有
し、さらに、所望によりＴi ：０．１％以下、Ｎb ：
０．０５〜０．２％、Ｗ：０．１〜１．５％を含有し、
残部がＦe および不可避的不純物からなる。 【効果】 高温強度および延靱性に優れており、過酷
な環境で使用される蒸気タービン用鋳鋼品にも十分に耐
え得る特性が得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、火力発電プラントの
超々臨界圧タービンケーシングなどに使用される耐熱鋳
鋼に関するものである。
超々臨界圧タービンケーシングなどに使用される耐熱鋳
鋼に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、大型火力発電プラントでは出力を
上げて高効率化するために、超々臨界圧で使用されるタ
ービンが開発されている。このような超々臨界圧下で用
いられるケーシング、フランジ、バルブ等の蒸気タービ
ン用鋳鋼品は、苛酷な使用環境に耐えられるように、高
温特性に優れていることは勿論のこと、高靱性で経年劣
化の少ないことが要求される。従来、これらの鋳鋼品に
は、１２Ｃr−Ｍo 鋳鋼、１２Ｃr−Ｍo−Ｖ 鋳鋼などの
耐熱鋳鋼が使用されている。
上げて高効率化するために、超々臨界圧で使用されるタ
ービンが開発されている。このような超々臨界圧下で用
いられるケーシング、フランジ、バルブ等の蒸気タービ
ン用鋳鋼品は、苛酷な使用環境に耐えられるように、高
温特性に優れていることは勿論のこと、高靱性で経年劣
化の少ないことが要求される。従来、これらの鋳鋼品に
は、１２Ｃr−Ｍo 鋳鋼、１２Ｃr−Ｍo−Ｖ 鋳鋼などの
耐熱鋳鋼が使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の、より
苛酷な条件下においては、上記した１２Ｃr−Ｍo 鋳鋼
や１２Ｃr−Ｍo−Ｖ 鋳鋼では、延靱性や高温強度が十
分ではなく、より延靱性が良好で高温強度の優れた１２
Ｃr 系耐熱鋳鋼の開発が望まれている。本発明は、上記
課題に鑑みてなされたものであり、延靱性、強度ともに
優れた新規の１２Ｃr系の耐熱鋳鋼を提供することを目
的とするものである。
苛酷な条件下においては、上記した１２Ｃr−Ｍo 鋳鋼
や１２Ｃr−Ｍo−Ｖ 鋳鋼では、延靱性や高温強度が十
分ではなく、より延靱性が良好で高温強度の優れた１２
Ｃr 系耐熱鋳鋼の開発が望まれている。本発明は、上記
課題に鑑みてなされたものであり、延靱性、強度ともに
優れた新規の１２Ｃr系の耐熱鋳鋼を提供することを目
的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明の耐熱鋳鋼は、重量％で、Ｃ：０．０５〜
０．１５％、Ｍn ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜
１．５％、Ｃr ：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．
５％、Ｖ：０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１
％を含有し、残部がＦe および不可避的不純物からなる
ことを特徴とする。上記組成には、さらに重量％でＴi
：０．１％以下、またはＮb ：０．０５〜０．２％、
Ｗ：０．１〜１．５％の１種または２種を含有させるこ
とができる。また、本願の耐熱鋳鋼は、不可避的不純物
のうち、重量％で、Ｓi ：０．１％以下を許容含有量と
するのが望ましい。
め、本願発明の耐熱鋳鋼は、重量％で、Ｃ：０．０５〜
０．１５％、Ｍn ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜
１．５％、Ｃr ：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．
５％、Ｖ：０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１
％を含有し、残部がＦe および不可避的不純物からなる
ことを特徴とする。上記組成には、さらに重量％でＴi
：０．１％以下、またはＮb ：０．０５〜０．２％、
Ｗ：０．１〜１．５％の１種または２種を含有させるこ
とができる。また、本願の耐熱鋳鋼は、不可避的不純物
のうち、重量％で、Ｓi ：０．１％以下を許容含有量と
するのが望ましい。
【０００５】
【作用】以下に本願発明の作用を、各成分の限定理由と
ともに説明する。Ｃ ：０．０５〜０．１５％ Ｃは炭化物形成元素と結びついて炭化物を形成し、高温
強度を向上させるが、０．０５％未満では十分な強度を
得ることができず、０．１２％を越えると、炭化物が粗
大化し、またデルタフェライトが晶出して高温性質を低
下させるので上記範囲とした。Ｍn ：０．５〜１．５％ Ｍn は、Ｓi に代わる脱酸元素として有効であり、十分
な脱酸効果を得るためには０．５％以上が必要である
が、１．５％を越えて含有させると靱性を損なうため上
記範囲とした。
ともに説明する。Ｃ ：０．０５〜０．１５％ Ｃは炭化物形成元素と結びついて炭化物を形成し、高温
強度を向上させるが、０．０５％未満では十分な強度を
得ることができず、０．１２％を越えると、炭化物が粗
大化し、またデルタフェライトが晶出して高温性質を低
下させるので上記範囲とした。Ｍn ：０．５〜１．５％ Ｍn は、Ｓi に代わる脱酸元素として有効であり、十分
な脱酸効果を得るためには０．５％以上が必要である
が、１．５％を越えて含有させると靱性を損なうため上
記範囲とした。
【０００６】Ｎi ：０．１〜１．５％ Ｎi は、Ｓi 含有量を低減することにより生じる焼入れ
性の低下を保証するために０．１％以上必要であるが、
１．５％を越えて含有させると高温強度を低下させるの
で上記範囲とした。Ｃr ：９．５〜１３％ Ｃr は、この鋼種において焼入れ性、高温強度を高める
ための基本合金成分であり、これら特性のために９．５
％以上の含有が必要であるが、１３％を越えて含有させ
ると、デルタフェライトが晶出して高温性質および切欠
靱性を劣化させるので、その上限を１３％とした。
性の低下を保証するために０．１％以上必要であるが、
１．５％を越えて含有させると高温強度を低下させるの
で上記範囲とした。Ｃr ：９．５〜１３％ Ｃr は、この鋼種において焼入れ性、高温強度を高める
ための基本合金成分であり、これら特性のために９．５
％以上の含有が必要であるが、１３％を越えて含有させ
ると、デルタフェライトが晶出して高温性質および切欠
靱性を劣化させるので、その上限を１３％とした。
【０００７】Ｍo ：０．５〜１．５％ Ｍo は焼戻軟化抵抗を高め、また高温強度を改善するた
めに、０．５％以上必要であるが、１．５％を越えても
効果は飽和して経済的でないので上記範囲とした。Ｖ：０．１〜０．３％ Ｖは安定した炭化物を形成し、クリープ強度を向上させ
る作用を有するが、０．１％未満ではその効果はなく、
また０．３％を越えて含有させると延靱性が低下するの
で上記範囲とした。Ｎ：０．０２５〜０．１％ Ｎは基地を強化するばかりでなく、Ｍo と共存するとク
リープ強度の向上に有効に作用する。ただし含有量が
０．０２５％未満ではその効果は認められず、また、
０．１％を越えて含有させると、ブローホールを発生す
るのでその含有量を上記範囲とした。
めに、０．５％以上必要であるが、１．５％を越えても
効果は飽和して経済的でないので上記範囲とした。Ｖ：０．１〜０．３％ Ｖは安定した炭化物を形成し、クリープ強度を向上させ
る作用を有するが、０．１％未満ではその効果はなく、
また０．３％を越えて含有させると延靱性が低下するの
で上記範囲とした。Ｎ：０．０２５〜０．１％ Ｎは基地を強化するばかりでなく、Ｍo と共存するとク
リープ強度の向上に有効に作用する。ただし含有量が
０．０２５％未満ではその効果は認められず、また、
０．１％を越えて含有させると、ブローホールを発生す
るのでその含有量を上記範囲とした。
【０００８】次に所望により添加する選択元素または含
有量を制限する不可避不純物について説明する。Ｔi ：０．１％以下 Ｔi は脱酸剤の一つであり、炭化物あるいは窒化物を形
成し、高温特性を向上させるが、０．１％を越えて含有
させると、介在物が多く形成されるので上限を０．１％
とした。なお同様の理由で上限を０．０５％とするのが
望ましい。Ｎb ：０．０５〜０．２％ Ｎb は微細な炭窒化物を形成し、高温強度を向上させる
が、０．０５％未満では効果がなく、また、０．２％を
越えて含有させると炭窒化物が必要以上に形成され、延
靱性を低下させるので上記範囲とした。Ｗ：０．１〜１．５％ Ｗは高温強度を向上させるが、０．１％未満であると、
その効果はなく、１．５％を越えて含有させると偏析傾
向が増大し、延靱性を低下させるので上限を１．５とし
た。
有量を制限する不可避不純物について説明する。Ｔi ：０．１％以下 Ｔi は脱酸剤の一つであり、炭化物あるいは窒化物を形
成し、高温特性を向上させるが、０．１％を越えて含有
させると、介在物が多く形成されるので上限を０．１％
とした。なお同様の理由で上限を０．０５％とするのが
望ましい。Ｎb ：０．０５〜０．２％ Ｎb は微細な炭窒化物を形成し、高温強度を向上させる
が、０．０５％未満では効果がなく、また、０．２％を
越えて含有させると炭窒化物が必要以上に形成され、延
靱性を低下させるので上記範囲とした。Ｗ：０．１〜１．５％ Ｗは高温強度を向上させるが、０．１％未満であると、
その効果はなく、１．５％を越えて含有させると偏析傾
向が増大し、延靱性を低下させるので上限を１．５とし
た。
【０００９】Ｓi ：０．１％以下 不可避的に含有されるＳi は、含有量を低減するに従っ
てマクロ偏析、特に逆Ｖ偏析が軽微となり、肉厚内部に
おける延性および切欠靱性の不均一性が改善される。ま
たＳi 含有量が高いと、焼戻感受性が極めて大となり切
欠靱性が損なわれる。したがってＳi 含有量は低いほど
望ましいが、製造上の裕度を考慮して実用的な上限とし
て０．１％を定めた。なお、その他には、通常の製法に
よって不可避的に含まれる不純物が含有されるが、それ
らの含有量は特に限定するものではない。
てマクロ偏析、特に逆Ｖ偏析が軽微となり、肉厚内部に
おける延性および切欠靱性の不均一性が改善される。ま
たＳi 含有量が高いと、焼戻感受性が極めて大となり切
欠靱性が損なわれる。したがってＳi 含有量は低いほど
望ましいが、製造上の裕度を考慮して実用的な上限とし
て０．１％を定めた。なお、その他には、通常の製法に
よって不可避的に含まれる不純物が含有されるが、それ
らの含有量は特に限定するものではない。
【００１０】
【実施例】表１に示す組成を有する合金（実施例および
比較例）を、電炉で溶解し、炉外精錬で不純物を低減し
た後、砂型に鋳込んだ。これらの鋳塊に所定の熱処理
（焼入、焼戻）を施して供試材とした。各供試材の機械
的性質を評価するために、供試材から試験片を切り出し
て材料試験を行い、その結果を表２に示した。表２から
明らかなように、実施例の供試材は、高温クリープ強度
および延靱性ともに優れているのに対し、比較例は、高
温クリープ強度が十分でなく、また、延靱性にも劣って
いた。
比較例）を、電炉で溶解し、炉外精錬で不純物を低減し
た後、砂型に鋳込んだ。これらの鋳塊に所定の熱処理
（焼入、焼戻）を施して供試材とした。各供試材の機械
的性質を評価するために、供試材から試験片を切り出し
て材料試験を行い、その結果を表２に示した。表２から
明らかなように、実施例の供試材は、高温クリープ強度
および延靱性ともに優れているのに対し、比較例は、高
温クリープ強度が十分でなく、また、延靱性にも劣って
いた。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の耐熱鋳
鋼によれば、重量％で、Ｃ：０．０５〜０．１５％、Ｍ
n ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜１．５％、Ｃr
：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．５％、Ｖ：
０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１％を含有
し、さらに、所望によりＴi ：０．１％以下、Ｎb ：
０．０５〜０．２％、Ｗ：０．１〜１．５％を含有し、
残部がＦe および不可避的不純物からなるので、高温強
度および延靱性に優れており、過酷な環境で使用される
蒸気タービン用鋳鋼品にも十分に耐え得る特性を与える
ことができる。また、上記組成の不可避的不純物のう
ち、重量％で、Ｓi ：０．１％以下を許容含有量とすれ
ば、偏析の発生が防止され、延靱性が一層向上する効果
がある。
鋼によれば、重量％で、Ｃ：０．０５〜０．１５％、Ｍ
n ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜１．５％、Ｃr
：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．５％、Ｖ：
０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１％を含有
し、さらに、所望によりＴi ：０．１％以下、Ｎb ：
０．０５〜０．２％、Ｗ：０．１〜１．５％を含有し、
残部がＦe および不可避的不純物からなるので、高温強
度および延靱性に優れており、過酷な環境で使用される
蒸気タービン用鋳鋼品にも十分に耐え得る特性を与える
ことができる。また、上記組成の不可避的不純物のう
ち、重量％で、Ｓi ：０．１％以下を許容含有量とすれ
ば、偏析の発生が防止され、延靱性が一層向上する効果
がある。
Claims (4)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ：０．０５〜０．１５％、
Ｍn ：０．５〜１．５％、Ｎi ：０．１〜１．５％、Ｃ
r ：９．５〜１３％、Ｍo ：０．５〜１．５％、Ｖ：
０．１〜０．３％、Ｎ：０．０２５〜０．１％を含有
し、残部がＦe および不可避的不純物からなる耐熱鋳鋼 - 【請求項２】 請求項１記載の組成に、さらに重量％で
Ｔi ：０．１％以下を含有する耐熱鋳鋼 - 【請求項３】 請求項１または２記載の組成に、さらに
重量％でＮb ：０．０５〜０．２％、Ｗ：０．１〜１．
５％の１種または２種を含有する耐熱鋳鋼 - 【請求項４】 不可避的不純物のうち、重量％で、Ｓi
：０．１％以下を許容含有量とする請求項１〜３のい
ずれかに記載の耐熱鋳鋼
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13753492A JPH05306429A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 耐熱鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13753492A JPH05306429A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 耐熱鋳鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05306429A true JPH05306429A (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=15200936
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13753492A Pending JPH05306429A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 耐熱鋳鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05306429A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07278761A (ja) * | 1994-04-14 | 1995-10-24 | Daido Steel Co Ltd | 耐熱鋳鋼 |
| EP0931845A1 (en) * | 1998-01-27 | 1999-07-28 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Material for gas turbine disk |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP13753492A patent/JPH05306429A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07278761A (ja) * | 1994-04-14 | 1995-10-24 | Daido Steel Co Ltd | 耐熱鋳鋼 |
| EP0931845A1 (en) * | 1998-01-27 | 1999-07-28 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Material for gas turbine disk |
| US6106766A (en) * | 1998-01-27 | 2000-08-22 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Material for gas turbine disk |
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