JPH09165654A - 高温機器用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
高温機器用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法Info
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- JPH09165654A JPH09165654A JP32581995A JP32581995A JPH09165654A JP H09165654 A JPH09165654 A JP H09165654A JP 32581995 A JP32581995 A JP 32581995A JP 32581995 A JP32581995 A JP 32581995A JP H09165654 A JPH09165654 A JP H09165654A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】800℃以上の高温において、耐高温腐食性、
耐高温酸化性ばかりでなく、強度に優れた高温機器用オ
ーステナイトステンレス鋼およびその製造方法を提供す
ること。 【構成】重量分率で、C:0.04〜0.08%、S
i:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:20〜
30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜0.25
%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、B:0.0
01〜0.005%、Zr:0.1%以下(0%を含
む)、Al:0.5%以下(0%を含む)であり、さら
に、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1〜0.45
%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上を含み、か
つ、以下の式を満足し、残部がFeおよび不可避的不純
物である、800℃以上の高温での強度に優れた高温機
器用オーステナイトステンレス鋼。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2
耐高温酸化性ばかりでなく、強度に優れた高温機器用オ
ーステナイトステンレス鋼およびその製造方法を提供す
ること。 【構成】重量分率で、C:0.04〜0.08%、S
i:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:20〜
30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜0.25
%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、B:0.0
01〜0.005%、Zr:0.1%以下(0%を含
む)、Al:0.5%以下(0%を含む)であり、さら
に、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1〜0.45
%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上を含み、か
つ、以下の式を満足し、残部がFeおよび不可避的不純
物である、800℃以上の高温での強度に優れた高温機
器用オーステナイトステンレス鋼。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐高温腐食性、
耐高温酸化性を兼備した、800℃以上の高温での強度
に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼および
その製造方法に関する。
耐高温酸化性を兼備した、800℃以上の高温での強度
に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱炉用構造材料、火力、原子力発電プ
ラントの高温ガス配管などの高温機器用には、耐高温腐
食性、耐高温酸化性、高温強度が同時に求められる。従
来、これらの用途向けには、オーステナイト鋼ないしは
20%Cr以上のオーステナイト系高合金鋼が使用され
てきたが、使用温度が700℃を超えると、通常の18
〜20%Cr−Ni系のオーステナイトステンレス鋼で
は耐高温酸化性が不足することから、このような用途に
使用可能な鋼としては、20%を超えるCr含有量の高
合金が最適であると考えられている。
ラントの高温ガス配管などの高温機器用には、耐高温腐
食性、耐高温酸化性、高温強度が同時に求められる。従
来、これらの用途向けには、オーステナイト鋼ないしは
20%Cr以上のオーステナイト系高合金鋼が使用され
てきたが、使用温度が700℃を超えると、通常の18
〜20%Cr−Ni系のオーステナイトステンレス鋼で
は耐高温酸化性が不足することから、このような用途に
使用可能な鋼としては、20%を超えるCr含有量の高
合金が最適であると考えられている。
【0003】中でも、特公平1−20222号公報等に
開示されているような、Nb等添加型の高合金は、炭窒
化物による強化炉利用すれば、約700℃までのクリー
プ破断強度をある程度高く維持することができるとされ
ている。
開示されているような、Nb等添加型の高合金は、炭窒
化物による強化炉利用すれば、約700℃までのクリー
プ破断強度をある程度高く維持することができるとされ
ている。
【0004】しかし、これより100℃高い温度、すな
わち800℃以上の高温での用途となると、一般に、構
造材料としての耐熱強度はもはや要求されず、主として
耐酸化性に優れた汎用耐熱鋼であるJIS SUS30
9(23%Cr−15%Ni)、SUS310(25%
Cr−20%Ni)などが、強度を必要としない部材に
限って、耐用温度に応じて用いられているのが現状であ
る。
わち800℃以上の高温での用途となると、一般に、構
造材料としての耐熱強度はもはや要求されず、主として
耐酸化性に優れた汎用耐熱鋼であるJIS SUS30
9(23%Cr−15%Ni)、SUS310(25%
Cr−20%Ni)などが、強度を必要としない部材に
限って、耐用温度に応じて用いられているのが現状であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の耐熱
ステンレス鋼の用途の中には、高温ガス配管の支持金物
や、熱処理炉の加熱室壁、加圧流動床燃焼発電のタービ
ンダクトなどに見られるように、800℃以上の温度で
用いられ、しかも耐熱強度の要求される用途が出現して
いる。
ステンレス鋼の用途の中には、高温ガス配管の支持金物
や、熱処理炉の加熱室壁、加圧流動床燃焼発電のタービ
ンダクトなどに見られるように、800℃以上の温度で
用いられ、しかも耐熱強度の要求される用途が出現して
いる。
【0006】これらの部材に、上述した23%Cr−1
5%Ni、25%Cr−20%Niなどの耐熱合金を適
用した場合には、強度が不足するばかりか、自重による
たわみ等により、構造を維持することができない場合が
ある。
5%Ni、25%Cr−20%Niなどの耐熱合金を適
用した場合には、強度が不足するばかりか、自重による
たわみ等により、構造を維持することができない場合が
ある。
【0007】一方、上述した特公平1−20222号公
報に開示されているような、従来の炭窒化物析出広合金
においては、析出強化の有効性が高温になるほど低下
し、温度が800℃程度を超えるとC、N、Nb、T
i、V等の添加物が析出強化作用を有効に発揮しなくな
る欠点がある。
報に開示されているような、従来の炭窒化物析出広合金
においては、析出強化の有効性が高温になるほど低下
し、温度が800℃程度を超えるとC、N、Nb、T
i、V等の添加物が析出強化作用を有効に発揮しなくな
る欠点がある。
【0008】この発明はかかる事情に鑑みてなされたも
のであって、800℃以上の高温において、耐高温腐食
性、耐高温酸化性ばかりでなく、強度に優れた高温機器
用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法を提
供することを目的とする。
のであって、800℃以上の高温において、耐高温腐食
性、耐高温酸化性ばかりでなく、強度に優れた高温機器
用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した800℃以上の
温度での析出強化を可能にするために、種々の添加量の
C、N、Nb、Ti、V等の添加鋼を実験室的に検討し
た結果、比較的高温で溶体化処理を行ったチャージの中
に、析出強化の効果が高温間で維持されるもののあるこ
とが見出だされた。しかし、工業化に際しては、生産規
模で行われる熱処理が、通常大気炉、もしくはガス燃焼
型の工業炉であり、表面酸化の問題が生じるため、高温
溶体化処理は実用的でない。すなわち、熱処理中の鋼の
表面酸かは高温ほど速やかに進行し、特に1150℃を
超えるような高温では、スケールが過剰に生成する。板
材を例にとると、酸化減量が大きくなりすぎ、板厚公差
の管理が非常に難しくなると同時に、生産コストが増大
する。また、粒界酸化が生じやすくなり、金属母材内に
根をおろしたスケールは、熱間加工中の傷発生の原因に
もなりやすい。さらに、内部酸化が進むようになると、
酸洗、ショットデスケーリング等の手段によっても、ス
ケールを除去することができないということが問題とな
る。
温度での析出強化を可能にするために、種々の添加量の
C、N、Nb、Ti、V等の添加鋼を実験室的に検討し
た結果、比較的高温で溶体化処理を行ったチャージの中
に、析出強化の効果が高温間で維持されるもののあるこ
とが見出だされた。しかし、工業化に際しては、生産規
模で行われる熱処理が、通常大気炉、もしくはガス燃焼
型の工業炉であり、表面酸化の問題が生じるため、高温
溶体化処理は実用的でない。すなわち、熱処理中の鋼の
表面酸かは高温ほど速やかに進行し、特に1150℃を
超えるような高温では、スケールが過剰に生成する。板
材を例にとると、酸化減量が大きくなりすぎ、板厚公差
の管理が非常に難しくなると同時に、生産コストが増大
する。また、粒界酸化が生じやすくなり、金属母材内に
根をおろしたスケールは、熱間加工中の傷発生の原因に
もなりやすい。さらに、内部酸化が進むようになると、
酸洗、ショットデスケーリング等の手段によっても、ス
ケールを除去することができないということが問題とな
る。
【0010】以上の背景を踏まえ、本発明者らは、80
0℃以上の高温強度、特にクリープ強度を維持するとい
う最近の高温用材料に対する要求を満足し、しかもその
十分な強度を低温溶体化処理でも達成することができる
鋼を開発するため、さらに検討を重ねた。析出強化元素
の添加割合と添加量を数多くの実験溶解によって、様々
に振り分けて検討した結果、析出強化元素の組合せ割合
が、ある一定の範囲にある場合に、800℃以上でも高
いクリープ破断強度が維持され、しかもこのような効果
を低温溶体化処理で達成する場合があることを見出し
た。
0℃以上の高温強度、特にクリープ強度を維持するとい
う最近の高温用材料に対する要求を満足し、しかもその
十分な強度を低温溶体化処理でも達成することができる
鋼を開発するため、さらに検討を重ねた。析出強化元素
の添加割合と添加量を数多くの実験溶解によって、様々
に振り分けて検討した結果、析出強化元素の組合せ割合
が、ある一定の範囲にある場合に、800℃以上でも高
いクリープ破断強度が維持され、しかもこのような効果
を低温溶体化処理で達成する場合があることを見出し
た。
【0011】そして、本発明者らがこの場合の溶解材の
成分とクリープ破断強度の評価の結果、添加したC、
N、Ti、Nb、V量において、Ti+Nb+V量に対
するC+N量の原子分率の比が2以下であるような関係
が成立するとき、すなわち (C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/48+
V/51)≦2 を満たすとき、低温溶体化処理における高温強度が著し
く改善されるという結論を得た。
成分とクリープ破断強度の評価の結果、添加したC、
N、Ti、Nb、V量において、Ti+Nb+V量に対
するC+N量の原子分率の比が2以下であるような関係
が成立するとき、すなわち (C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/48+
V/51)≦2 を満たすとき、低温溶体化処理における高温強度が著し
く改善されるという結論を得た。
【0012】一方、本発明者らは、このような鋼におい
ては、C+N量に対するTi+Nb+V量の原子分率が
相対的に低い領域に元素添加を行うべきであることも明
らかにした。
ては、C+N量に対するTi+Nb+V量の原子分率が
相対的に低い領域に元素添加を行うべきであることも明
らかにした。
【0013】すなわち、Ti+Nb+V量に対するC+
N量の原子分率の比が 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51) を満たす必要があることを見出した。これは、炭窒化物
とならない余剰のTi、Nb、Vがあると、母相に固溶
しきれない分が不安定な金属化合物または複合化合物を
形成し、粒界および粒内に粗大に析出して高温強度を劣
化させるためであると考えられる。
N量の原子分率の比が 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51) を満たす必要があることを見出した。これは、炭窒化物
とならない余剰のTi、Nb、Vがあると、母相に固溶
しきれない分が不安定な金属化合物または複合化合物を
形成し、粒界および粒内に粗大に析出して高温強度を劣
化させるためであると考えられる。
【0014】これらの知見を総合して、Ti+Nb+V
量に対するC+N量の原子分率の比が 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 を満たす場合に、低温溶体化処理でも高い高温強度が得
られるという結論が得られた。
量に対するC+N量の原子分率の比が 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 を満たす場合に、低温溶体化処理でも高い高温強度が得
られるという結論が得られた。
【0015】本発明はこれらの知見に基づいて完成され
たものである。すなわち、本発明は、第1に、重量分率
で、C:0.04〜0.08%、Si:2.5%以下、
Mn:2.0%以下、Cr:20〜30%、Ni:10
〜20%、N:0.10〜0.25%、Mg:0.05
%以下(0%を含む)、B:0.001〜0.005
%、Zr:0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5
%以下(0%を含む)であり、さらに、Nb:0.2〜
0.9%、Ti:0.1〜0.45%、V:0.1〜
0.5%のうちの1種以上を含み、かつ、以下の(1)
式を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物であるこ
とを特徴とする、800℃以上の高温での強度に優れた
高温機器用オーステナイトステンレス鋼を提供する。
たものである。すなわち、本発明は、第1に、重量分率
で、C:0.04〜0.08%、Si:2.5%以下、
Mn:2.0%以下、Cr:20〜30%、Ni:10
〜20%、N:0.10〜0.25%、Mg:0.05
%以下(0%を含む)、B:0.001〜0.005
%、Zr:0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5
%以下(0%を含む)であり、さらに、Nb:0.2〜
0.9%、Ti:0.1〜0.45%、V:0.1〜
0.5%のうちの1種以上を含み、かつ、以下の(1)
式を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物であるこ
とを特徴とする、800℃以上の高温での強度に優れた
高温機器用オーステナイトステンレス鋼を提供する。
【0016】本発明は、第2に、重量分率で、C:0.
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:
0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1
種以上を含み、さらに、Ce、La、Hfのうちの1種
以上を0.1%以下含み、かつ、以下の(1)式を満足
し、残部がFeおよび不可避的不純物であることを特徴
とする、800℃以上の高温での強度に優れた高温機器
用オーステナイトステンレス鋼を提供する。
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:
0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1
種以上を含み、さらに、Ce、La、Hfのうちの1種
以上を0.1%以下含み、かつ、以下の(1)式を満足
し、残部がFeおよび不可避的不純物であることを特徴
とする、800℃以上の高温での強度に優れた高温機器
用オーステナイトステンレス鋼を提供する。
【0017】本発明は、第3に、重量分率で、C:0.
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、
Ti:0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のう
ちの1種以上を含み、かつ、以下の(1)式を満足する
鋼を、鋳造工程、熱間加工工程を経て所定の製品形状ま
たは半製品となした後に、1200℃以下の温度で溶体
化処理することを特徴とする、800℃以上の高温での
強度に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼の
製造方法を提供する。
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、
Ti:0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のう
ちの1種以上を含み、かつ、以下の(1)式を満足する
鋼を、鋳造工程、熱間加工工程を経て所定の製品形状ま
たは半製品となした後に、1200℃以下の温度で溶体
化処理することを特徴とする、800℃以上の高温での
強度に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼の
製造方法を提供する。
【0018】本発明は、第4に、重量分率で、C:0.
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:
0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1
種以上を含み、さらに、Ce、La、Hfのうちの1種
以上を0.1%以下含み、かつ、以下の式を満足する鋼
を、鋳造工程、熱間加工工程を経て所定の製品形状また
は半製品となした後に、1200℃以下の温度で溶体化
処理することを特徴とする、800℃以上の高温での強
度に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼の製
造方法を提供する。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/48+V/51)≦2 ……(1)
04〜0.08%、Si:2.5%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜20%、
N:0.10〜0.25%、Mg:0.05%以下(0
%を含む)、B:0.001〜0.005%、Zr:
0.1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0
%を含む)であり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:
0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1
種以上を含み、さらに、Ce、La、Hfのうちの1種
以上を0.1%以下含み、かつ、以下の式を満足する鋼
を、鋳造工程、熱間加工工程を経て所定の製品形状また
は半製品となした後に、1200℃以下の温度で溶体化
処理することを特徴とする、800℃以上の高温での強
度に優れた高温機器用オーステナイトステンレス鋼の製
造方法を提供する。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/48+V/51)≦2 ……(1)
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係るオーステナイトステンレス鋼は、
重量分率で、C:0.04〜0.08%、Si:2.5
%以下、Mn:2.0%以下、Cr:20〜30%、N
i:10.0〜20.0%、N:0.10〜0.25
%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、Mo:0.
2%以下、B;0.001〜0.005%、Zr:0.
1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を
含む)であり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、T
i:0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうち
の1種以上を含むものである。さらに、Ce、La、H
fのうちの1種以上を0.1%以下含んでもよい。
明する。本発明に係るオーステナイトステンレス鋼は、
重量分率で、C:0.04〜0.08%、Si:2.5
%以下、Mn:2.0%以下、Cr:20〜30%、N
i:10.0〜20.0%、N:0.10〜0.25
%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、Mo:0.
2%以下、B;0.001〜0.005%、Zr:0.
1%以下(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を
含む)であり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、T
i:0.1〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうち
の1種以上を含むものである。さらに、Ce、La、H
fのうちの1種以上を0.1%以下含んでもよい。
【0020】以下、これら各元素の限定理由等について
詳細に説明する。Cは、耐熱鋼の高温強度を得るために
有効な元素であるが、その効果は0.04%以上でなけ
れば十分ではなく、一方0.8%を超えると溶接性に対
して有害となるため、C含有量を0.04〜0.08%
とする。
詳細に説明する。Cは、耐熱鋼の高温強度を得るために
有効な元素であるが、その効果は0.04%以上でなけ
れば十分ではなく、一方0.8%を超えると溶接性に対
して有害となるため、C含有量を0.04〜0.08%
とする。
【0021】Siは鋼の脱酸に有効であるが、2.5%
を超えて添加すると相安定性を著しく損なうため、その
含有量を2.5%以下とする。Mnは、鋼のオーステナ
イト安定化に有効な元素であるが、2.0%を超えて添
加すると耐高温酸化性を損なうため、その含有量を2.
0%以下とする。
を超えて添加すると相安定性を著しく損なうため、その
含有量を2.5%以下とする。Mnは、鋼のオーステナ
イト安定化に有効な元素であるが、2.0%を超えて添
加すると耐高温酸化性を損なうため、その含有量を2.
0%以下とする。
【0022】Crは、鋼の一般耐食性付与に最も有効な
元素であり、前述したように、加熱炉用構造材料、火力
・電子力プラントの高温ガス配管などの、使用温度が8
00℃を超えるような高温機器用には、20.0%以上
含まれないと性能が十分ではない。しかし、30%を超
えて含有すると相安定性の確保が困難となる。したがっ
て、Cr含有量は20.0〜30.0%の範囲とする。
元素であり、前述したように、加熱炉用構造材料、火力
・電子力プラントの高温ガス配管などの、使用温度が8
00℃を超えるような高温機器用には、20.0%以上
含まれないと性能が十分ではない。しかし、30%を超
えて含有すると相安定性の確保が困難となる。したがっ
て、Cr含有量は20.0〜30.0%の範囲とする。
【0023】Niは、鋼のオーステナイト安定性を高め
る元素として非常に重要であり、その含有量が10%以
上でないとその効果が十分ではない。しかし、20%を
超えるとその効果が飽和するばかりか、著しく効果にな
る。したがって、Ni含有量を10〜20%の範囲とす
る。
る元素として非常に重要であり、その含有量が10%以
上でないとその効果が十分ではない。しかし、20%を
超えるとその効果が飽和するばかりか、著しく効果にな
る。したがって、Ni含有量を10〜20%の範囲とす
る。
【0024】Nは、鋼のオーステナイト安定化および高
温強度の両方に有効な元素である。しかし、その量が
0.10%以上でなければその効果が十分ではなく、
0.25%を超えて含有すると溶接性を損なうので、そ
の添加量は0.10〜0.25%とする。
温強度の両方に有効な元素である。しかし、その量が
0.10%以上でなければその効果が十分ではなく、
0.25%を超えて含有すると溶接性を損なうので、そ
の添加量は0.10〜0.25%とする。
【0025】Mgは、必須の成分ではないが、脱酸に有
効な元素であり、0.05%以下であれば許容されるた
め、その含有量を0.05%以下(0%を含む)とす
る。Bは、クリープ延性の向上に有効な元素であり、そ
の効果を発揮するために0.001%以上含有すること
が必要であるが、0.005%を超えて添加すると熱間
加工性を損なうため、その含有量を0.001〜0.0
05%とする。
効な元素であり、0.05%以下であれば許容されるた
め、その含有量を0.05%以下(0%を含む)とす
る。Bは、クリープ延性の向上に有効な元素であり、そ
の効果を発揮するために0.001%以上含有すること
が必要であるが、0.005%を超えて添加すると熱間
加工性を損なうため、その含有量を0.001〜0.0
05%とする。
【0026】Zrは、必須の成分ではないが、Bと同様
クリープ延性の向上に有効な元素である。しかし、0.
1%を超えて添加すると熱間加工性を損なうため、その
含有量を0.1%以下とする。
クリープ延性の向上に有効な元素である。しかし、0.
1%を超えて添加すると熱間加工性を損なうため、その
含有量を0.1%以下とする。
【0027】Alは、必須の成分ではないが、脱酸に有
効な元素であり、0.5%以下であれば許容されるた
め、その含有量を0.5%以下(0%を含む)とする。
Nbは、炭窒化物を形成して金属組織中に微細分散し、
鋼のクリープ破断強度向上に機よする元素である。しか
し、0.20%未満ではその効果が十分ではなく、0.
90%を超えて添加すると、金属間化合物等の粗大な析
出が生じ、クリープ破断強度が低下する。したがって、
Nb含有量を0.20〜0.90%とする。
効な元素であり、0.5%以下であれば許容されるた
め、その含有量を0.5%以下(0%を含む)とする。
Nbは、炭窒化物を形成して金属組織中に微細分散し、
鋼のクリープ破断強度向上に機よする元素である。しか
し、0.20%未満ではその効果が十分ではなく、0.
90%を超えて添加すると、金属間化合物等の粗大な析
出が生じ、クリープ破断強度が低下する。したがって、
Nb含有量を0.20〜0.90%とする。
【0028】Tiは、Nbと同様、炭窒化物を形成して
金属組織中に微細分散し、鋼のクリープ破断強度向上に
寄与する元素である。しかし、0.1%未満ではその効
果が不十分であり、0.45%を超えると、金属間化合
物等の粗大な析出が生じ、クリープ破断強度が低下す
る。したがって、Ti含有量を0.1〜0.45%とす
る。
金属組織中に微細分散し、鋼のクリープ破断強度向上に
寄与する元素である。しかし、0.1%未満ではその効
果が不十分であり、0.45%を超えると、金属間化合
物等の粗大な析出が生じ、クリープ破断強度が低下す
る。したがって、Ti含有量を0.1〜0.45%とす
る。
【0029】Vは、NbやTiと同様、炭窒化物を形成
して金属組織中に微細分散し、鋼のクリープ破断強度向
上に着よする元素である。しかし、0.10%未満では
その効果が不十分であり、0.50%を超えると、金属
間化合物等の粗大な析出が生じ、クリープ破断強度が低
下する。したがって、V含有量を0.1〜0.5%とす
る。
して金属組織中に微細分散し、鋼のクリープ破断強度向
上に着よする元素である。しかし、0.10%未満では
その効果が不十分であり、0.50%を超えると、金属
間化合物等の粗大な析出が生じ、クリープ破断強度が低
下する。したがって、V含有量を0.1〜0.5%とす
る。
【0030】これらNb、Ti、Vはいずれも同様の機
能を果たすため、これらのうち少なくとも1種を含有す
ればよい。これらの他、Ce、La、Hfは、いずれも
耐高温酸化性に対して有効な元素であるため、これらの
うち少なくとも1種を0.1%以下(0%を含む)の範
囲で含有してもよい。
能を果たすため、これらのうち少なくとも1種を含有す
ればよい。これらの他、Ce、La、Hfは、いずれも
耐高温酸化性に対して有効な元素であるため、これらの
うち少なくとも1種を0.1%以下(0%を含む)の範
囲で含有してもよい。
【0031】本発明では、上述したように、このように
各成分の範囲を規定する他、 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 の式を満たすことを要件としている。この式を満たすこ
とにより、800℃以上でも有効な析出強化を達成する
ことができ、高い高温強度が得られ、しかも、所定の強
度を得るための溶体化処理の低温化が可能となる。
各成分の範囲を規定する他、 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 の式を満たすことを要件としている。この式を満たすこ
とにより、800℃以上でも有効な析出強化を達成する
ことができ、高い高温強度が得られ、しかも、所定の強
度を得るための溶体化処理の低温化が可能となる。
【0032】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明では、上述のような組成範囲の鋼を、鋳造工
程、熱間加工工程を経て所定の製品形状または半製品と
なした後に、1200℃以下の温度で溶体化処理する。
すなわち、上述の組成の鋼は、1200℃以下の温度で
の溶体化処理においても800℃以上の高温での強度に
優れている。
る。本発明では、上述のような組成範囲の鋼を、鋳造工
程、熱間加工工程を経て所定の製品形状または半製品と
なした後に、1200℃以下の温度で溶体化処理する。
すなわち、上述の組成の鋼は、1200℃以下の温度で
の溶体化処理においても800℃以上の高温での強度に
優れている。
【0033】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
表1、2に示すような成分・組成を有する本発明鋼およ
び比較鋼を実験室の150kgw真空溶解炉にて溶製
し、25kgwインゴットに鋳造した後、熱間圧延によ
り圧下比2.5の粗圧延を加え、さらに圧下比3.5の
仕上げ圧延を施して板厚12mmとした。
表1、2に示すような成分・組成を有する本発明鋼およ
び比較鋼を実験室の150kgw真空溶解炉にて溶製
し、25kgwインゴットに鋳造した後、熱間圧延によ
り圧下比2.5の粗圧延を加え、さらに圧下比3.5の
仕上げ圧延を施して板厚12mmとした。
【0034】これらの鋼に対して、実生産を模したガス
燃焼型シミュレータ炉を用いた1180〜1220℃で
の溶体化熱処理を施し、断面光学顕微鏡観察によって粒
界酸化および内部酸化の有無を確認するとともに、90
0℃クリープ破断試験を行い、約10000時間までの
試験結果を外挿して100000時間破断強度を求め
た。
燃焼型シミュレータ炉を用いた1180〜1220℃で
の溶体化熱処理を施し、断面光学顕微鏡観察によって粒
界酸化および内部酸化の有無を確認するとともに、90
0℃クリープ破断試験を行い、約10000時間までの
試験結果を外挿して100000時間破断強度を求め
た。
【0035】表1、2に、化学組成と、以下に示す当量
比Rの値、および900℃、100000時間クリープ
破断強度をまとめて示す。 R=(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51) なお、表1の鋼番1〜16は本発明鋼であり、表2の鋼
番17〜29は比較鋼である。
比Rの値、および900℃、100000時間クリープ
破断強度をまとめて示す。 R=(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51) なお、表1の鋼番1〜16は本発明鋼であり、表2の鋼
番17〜29は比較鋼である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】また、表3に、溶体化処理後の断面観察に
おける粒界酸化および内部酸化の程度を示す。一部の鋼
を除いて、1180℃の溶体化処理材では粒界酸化およ
び内部酸化ともに発生しておらず、これに対し、122
0℃での溶体化熱処理材では、粒界酸化および内部酸化
がともに認められた。これらの不均一なスケール生成
は、圧延後の表面傷の発生と顕著な対応を有していたこ
とから、健常な板材を得るための溶体化熱処理条件とし
て、一般に1220℃は不適切と考えられる。
おける粒界酸化および内部酸化の程度を示す。一部の鋼
を除いて、1180℃の溶体化処理材では粒界酸化およ
び内部酸化ともに発生しておらず、これに対し、122
0℃での溶体化熱処理材では、粒界酸化および内部酸化
がともに認められた。これらの不均一なスケール生成
は、圧延後の表面傷の発生と顕著な対応を有していたこ
とから、健常な板材を得るための溶体化熱処理条件とし
て、一般に1220℃は不適切と考えられる。
【0039】上記のR値を整理すると、図1に示すよう
な関係となる。1180℃、1220℃溶体化熱処理材
はともに、1≦R≦2の範囲で900℃、100000
時間クリープ破断強度が特に良好であることがわかる
が、また、1180℃処理材と1220℃処理材のクリ
ープ破断強度の差も、この1≦R≦2の範囲で比較的小
さいことも特徴である。これは、この範囲において、溶
体化処理の低温化を行った場合も、高温強度の低下を最
小限に抑えることができることを意味している。
な関係となる。1180℃、1220℃溶体化熱処理材
はともに、1≦R≦2の範囲で900℃、100000
時間クリープ破断強度が特に良好であることがわかる
が、また、1180℃処理材と1220℃処理材のクリ
ープ破断強度の差も、この1≦R≦2の範囲で比較的小
さいことも特徴である。これは、この範囲において、溶
体化処理の低温化を行った場合も、高温強度の低下を最
小限に抑えることができることを意味している。
【0040】こうしたR値での評価を、各元素の添加量
の適正化と同時に検討することにより、良好なクリープ
破断強度を発揮する範囲を把握することができる。すな
わち、本発明鋼では、1≦R≦2であるため、1180
℃の溶体化処理温度でも高温強度が高く、かつ粒界酸化
および内部酸化とも発生しない。これに対して、比較鋼
18、27では、それぞれCおよびNの含有量が下限よ
り少ないため、十分な高温強度が得られなかった。比較
鋼20,21,22は、それぞれNb,Ti,Vの添加
が過剰であったために、金属組織中に粗大な相が析出
し、クリープ延性の低下、破断寿命の低下につながった
ものである。また、比較鋼23は、Cr含有量が低す
ぎ、900℃クリープ破断試験中の大気酸化が著しく、
減肉によって破断が早期化した。比較鋼24,25,2
6は、Cr,Si、Ni等の含有量が適正値を外れてい
ることにより、相安定性の調整が困難となり、シグマ相
等の脆い金属間化合物析出につながり、長時間高温強度
が低下した。比較鋼27にも低Nに起因する同様の傾向
が認められた。さらに、比較鋼17,19,28は、R
値が適正値を外れているため、1180℃溶体化処理後
の高温クリープ破断強度が低かった。
の適正化と同時に検討することにより、良好なクリープ
破断強度を発揮する範囲を把握することができる。すな
わち、本発明鋼では、1≦R≦2であるため、1180
℃の溶体化処理温度でも高温強度が高く、かつ粒界酸化
および内部酸化とも発生しない。これに対して、比較鋼
18、27では、それぞれCおよびNの含有量が下限よ
り少ないため、十分な高温強度が得られなかった。比較
鋼20,21,22は、それぞれNb,Ti,Vの添加
が過剰であったために、金属組織中に粗大な相が析出
し、クリープ延性の低下、破断寿命の低下につながった
ものである。また、比較鋼23は、Cr含有量が低す
ぎ、900℃クリープ破断試験中の大気酸化が著しく、
減肉によって破断が早期化した。比較鋼24,25,2
6は、Cr,Si、Ni等の含有量が適正値を外れてい
ることにより、相安定性の調整が困難となり、シグマ相
等の脆い金属間化合物析出につながり、長時間高温強度
が低下した。比較鋼27にも低Nに起因する同様の傾向
が認められた。さらに、比較鋼17,19,28は、R
値が適正値を外れているため、1180℃溶体化処理後
の高温クリープ破断強度が低かった。
【0041】
【表3】
【0042】以上のように、各元素の含有量の適正化お
よびR値の適正化を行うことによって、本発明鋼1〜1
6のように、良好な高温強度を得ることができ、例えば
900℃、100000時間クリープ破断強度が、11
80℃溶体化熱処理材の場合でも、約10MPaと高い
値となることが確認された。
よびR値の適正化を行うことによって、本発明鋼1〜1
6のように、良好な高温強度を得ることができ、例えば
900℃、100000時間クリープ破断強度が、11
80℃溶体化熱処理材の場合でも、約10MPaと高い
値となることが確認された。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって初
めて、中・低温度域はもとより、800℃以上の高温に
おける耐熱強度への要求にも十分に対応することがで
き、しかも耐高温腐食性、耐高温酸化性が優れた材料が
得られる。しかも、表面性能低下・歩留まり低下を引き
起こす金属の高温溶体化処理を避けた1200℃以下の
温度での溶体化処理において、上述のような特性を達成
することができ、火力・原子力発電複合プラント等の高
性能高温機器の高効率化、および建造における経済性向
上に寄与することができる。
めて、中・低温度域はもとより、800℃以上の高温に
おける耐熱強度への要求にも十分に対応することがで
き、しかも耐高温腐食性、耐高温酸化性が優れた材料が
得られる。しかも、表面性能低下・歩留まり低下を引き
起こす金属の高温溶体化処理を避けた1200℃以下の
温度での溶体化処理において、上述のような特性を達成
することができ、火力・原子力発電複合プラント等の高
性能高温機器の高効率化、および建造における経済性向
上に寄与することができる。
【図1】鋼のR値と、900℃、100000時間クリ
ープ破断強度との関係を示す図。
ープ破断強度との関係を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量分率で、C:0.04〜0.08
%、Si:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:
20〜30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜
0.25%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、
B:0.001〜0.005%、Zr:0.1%以下
(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を含む)で
あり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1
〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上
を含み、かつ、以下の式を満足し、残部がFeおよび不
可避的不純物であることを特徴とする、800℃以上の
高温での強度に優れた高温機器用オーステナイトステン
レス鋼。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 - 【請求項2】 重量分率で、C:0.04〜0.08
%、Si:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:
20〜30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜
0.25%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、
B:0.001〜0.005%、Zr:0.1%以下
(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を含む)で
あり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1〜0.4
5%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上を含み、
さらに、Ce、La、Hfのうちの1種以上を0.1%
以下含み、かつ、以下の式を満足し、残部がFeおよび
不可避的不純物であることを特徴とする、800℃以上
の高温での強度に優れた高温機器用オーステナイトステ
ンレス鋼。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 - 【請求項3】 重量分率で、C:0.04〜0.08
%、Si:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:
20〜30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜
0.25%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、
B:0.001〜0.005%、Zr:0.1%以下
(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を含む)で
あり、さらに、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1
〜0.45%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上
を含み、かつ、以下の式を満足する鋼を、鋳造工程、熱
間加工工程を経て所定の製品形状または半製品となした
後に、1200℃以下の温度で溶体化処理することを特
徴とする、800℃以上の高温での強度に優れた高温機
器用オーステナイトステンレス鋼の製造方法。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2 - 【請求項4】 重量分率で、C:0.04〜0.08
%、Si:2.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:
20〜30%、Ni:10〜20%、N:0.10〜
0.25%、Mg:0.05%以下(0%を含む)、
B:0.001〜0.005%、Zr:0.1%以下
(0%を含む)、Al:0.5%以下(0%を含む)で
あり、Nb:0.2〜0.9%、Ti:0.1〜0.4
5%、V:0.1〜0.5%のうちの1種以上を含み、
さらに、Ce、La、Hfのうちの1種以上を0.1%
以下含み、かつ、以下の式を満足する鋼を、鋳造工程、
熱間加工工程を経て所定の製品形状または半製品となし
た後に、1200℃以下の温度で溶体化処理することを
特徴とする、800℃以上の高温での強度に優れた高温
機器用オーステナイトステンレス鋼の製造方法。 1≦(C/12+N/14)/(Nb/93+Ti/4
8+V/51)≦2
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32581995A JPH09165654A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 高温機器用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32581995A JPH09165654A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 高温機器用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165654A true JPH09165654A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18180959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32581995A Pending JPH09165654A (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 高温機器用オーステナイトステンレス鋼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09165654A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100466420B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-01-13 | 주식회사 포스코 | 박판주조기를 이용한 고강도 오스테나이트계 스테인레스강판의 제조방법 |
JP2009084606A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 長期使用後の加工性に優れた高温用オーステナイト系ステンレス鋼 |
CN115029642A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-09-09 | 西安稀有金属材料研究院有限公司 | 具有良好力学性能、耐点蚀性能的不锈钢板及其制备方法 |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP32581995A patent/JPH09165654A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100466420B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-01-13 | 주식회사 포스코 | 박판주조기를 이용한 고강도 오스테나이트계 스테인레스강판의 제조방법 |
JP2009084606A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 長期使用後の加工性に優れた高温用オーステナイト系ステンレス鋼 |
CN115029642A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-09-09 | 西安稀有金属材料研究院有限公司 | 具有良好力学性能、耐点蚀性能的不锈钢板及其制备方法 |
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