JP3245097B2 - 高温用蒸気タービンロータ材 - Google Patents

高温用蒸気タービンロータ材

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JP3245097B2
JP3245097B2 JP22324397A JP22324397A JP3245097B2 JP 3245097 B2 JP3245097 B2 JP 3245097B2 JP 22324397 A JP22324397 A JP 22324397A JP 22324397 A JP22324397 A JP 22324397A JP 3245097 B2 JP3245097 B2 JP 3245097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電用蒸気ター
ビンロータ材に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用蒸気タービンプラントに用い
られる高温用ロータ材としては、CrMoV鋼や12C
r鋼があげられる。このうち、CrMoV鋼は高温強度
の限界から566℃までの蒸気温度のプラントに制限さ
れる。一方、12Cr系鋼製のロータ材は高温強度がC
rMoV鋼よりも優れているため、593℃までの蒸気
温度のプラントに適用することも可能であるが、これを
越える温度に対しては高温強度が不足することから蒸気
タービンロータとしての適用は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は12
Cr系鋼の材料で593℃以上の蒸気条件で適用できる
高温強度の優れた高温用蒸気タービンロータ材を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、本発明者らは
鋭意研究を重ねた結果、以下(1)〜(6)に示す優れ
た高温用蒸気タービンロータ材を開発した。本発明は上
記課題を解決する手段として次の鋼材(3)〜(6)を
提供するものである。
【0005】(1)重量比で炭素:0.05〜0.13
%、シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.1
〜1%、クロム:9.5〜11%、ニッケル:0.1〜
0.8%、バナジウム:0.1〜0.3%、ニオブ及び
/又はタンタルの合計:0.01〜0.2%、窒素:
0.01〜0.1%、モリブデン:0.01〜0.5
%、タングステン:0.9〜3.5%、コバルト:0.
1〜4%、ハフニウム:0.01〜0.2%及び不可避
的不純物及び鉄からなることを特徴とする高温用蒸気タ
ービンロータ材。(以下、材1という)
【0006】(2)重量比で炭素:0.05〜0.13
%、シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.0
1〜0.1%、クロム:9.5〜11%、ニッケル:
0.1〜0.8%、バナジウム:0.1〜0.3%、ニ
オブ及び/又はタンタルの合計:0.01〜0.2%、
窒素:0.01〜0.1%、モリブデン:0.01〜
0.5%、タングステン:0.9〜3.5%、コバル
ト:0.1〜4%、ハフニウム:0.01〜0.2%及
び不可避的不純物及び鉄からなることを特徴とする高温
用蒸気タービンロータ材。(以下、材2という)
【0007】(3)重量比で炭素:0.05〜0.13
%、シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.1
〜1%、クロム:9.5〜11%、バナジウム:0.1
〜0.3%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.0
1〜0.2%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
ン:0.01〜0.5%、タングステン:0.9〜3.
5%、コバルト:0.1〜4%、ハフニウム:0.01
〜0.2%及び不可避的不純物及び鉄からなることを特
徴とする高温用蒸気タービンロータ材。(以下、材3
という)
【0008】(4)重量比で炭素:0.05〜0.13
%、シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.0
1〜0.1%、クロム:9.5〜11%、バナジウム:
0.1〜0.3%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:
0.01〜0.2%、窒素:0.01〜0.1%、モリ
ブデン:0.01〜0.5%、タングステン:0.9〜
3.5%、コバルト:0.1〜4%、ハフニウム:0.
01〜0.2%及び不可避的不純物及び鉄からなること
を特徴とする高温用蒸気タービンロータ材。(以下、
材4という)
【0009】(5)重量比でボロン:0.001〜0.
01%を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)記載
の高温用蒸気タービンロータ材。(以下、材5とい
う)
【0010】(6)上記(1)〜(5)に記載の材料成
分のうち、ハフニウムの一部又は全部、及び/又は鉄の
一部をネオジウムで置き換え、その量(ネオジウム量)
が0.005〜0.5%であることを特徴とする高温用
蒸気タービンロータ材。(以下、材6という)
【0011】(作用) 本発明者らは12Cr系鋼を基本成分として合金元素の
厳選を行って高温強度の改善を鋭意行い、優れた高温特
性を有する新しい高温用蒸気タービンロータを見出
た。先ず、材1における成分限定理由を述べる。な
お、以下の説明における%は重量%を意味する。
【0012】C:CはNとともに炭窒化物を形成しクリ
ープ破断強度の向上に寄与する。しかし、0.05%未
満では十分な効果は得られず、また0.13%を越える
と使用中に炭窒化物が凝集粗大化し、高温長時間強度を
劣化させる。このため0.05〜0.13%とする。
【0013】Si:Siは脱酸材としての効果がある。
その効果は0.01%未満では十分ではない。また、S
iは高温強度、とりわけクリープ破断強さを低下させ
る。このため、本発明材1においては真空カーボン脱酸
法を適用することも併せて考慮し、製鋼において必要な
最小限度の添加とし、その範囲を0.01〜0.1%と
する。
【0014】Mn:Mnも脱酸材として有用な元素であ
る。また、δフェライトの生成を抑制する作用がある。
一方、多量にこの元素を加えるとクリープ破断強度が劣
化する。このため、1%を越える量の添加は好ましくな
い。また、Mnは不純物として混入するSの悪影響をM
nSを形成することで無害化する作用もある。ただし、
製鋼段階での作り込を考えた場合にはスクラップの管理
をする上で0.1%以上の方がコスト的にメリットがあ
る。そこで0.1〜1%とする。
【0015】Cr:Crは炭化物を形成しクリープ破断
強度の改善に寄与するとともに、マトリックス中に溶け
込んで耐酸化性を改善するとともにマトリックス自体を
強化して高温長時間側の強度の向上に寄与する。9.5
%未満であるとその効果が十分でなく、また11%を越
える量を添加するとδフェライトを生成しやすくなって
強度の低下や靱性の劣化をもたらす。このため9.5〜
11%とする。
【0016】Ni:Niは靱性を改善する上で有効な元
素である。また、Cr当量を下げてδフェライトの生成
を抑制する効果もある。しかし、この元素の添加はクリ
ープ破断強度を低下させる。このため、必要最小限度の
添加が望まれる。本発明ではNiの効果を発揮する元素
としてCoを添加しており、Niの役割をCoによって
置き換えることができる。ただし、Coは高価な元素で
あり、Coの使用量は経済性から見た場合には可能なか
ぎり少なくすることも必要である。このため、他の合金
元素との関係もあるが、0.8%以下の添加によってδ
−フェライトの生成を抑制する。なお、下限値について
は不可避的不純物として混入する量を考慮して0.1%
以上とする。したがって、0.1〜0.8%とする。
【0017】V:Vは炭窒化物となってクリープ破断強
度を改善する。0.1%未満では十分な効果が得られな
い。また、逆に0.3%を越える量を添加するとむしろ
クリープ破断強度は低下してしまう。このため0.1〜
0.3%とする。
【0018】Nb及び/又はTa:Nb及び/又はTa
は炭窒化物を形成して高温強度の改善に寄与する。ま
た、高温で析出する炭化物(M236 )を微細にして長
時間クリープ破断強度の改善に寄与する。その合計量が
0.01%未満ではその効果はなく、またその合計量が
0.2%を越える量を添加すると、鋼塊製造時に生成し
たNb及び/又はTaの炭窒化物が熱処理(溶体化処
理:980〜1150℃)時にマトリックスに十分に固
溶できず、使用中に粗大化して長時間のクリープ破断強
度を低下させる。このためNb及び/又はTaの合計量
を0.01〜0.2%とする。
【0019】N:NはCや合金元素とともに炭窒化物を
形成して高温強度の改善に寄与する。0.01%未満で
は十分な炭窒化物を形成することができないために、ク
リープ破断強度が十分に得られない。また、0.1%を
越える量を添加すると長時間側で炭窒化物が凝集粗大化
して十分なクリープ破断強度を得ることができなくな
る。このため0.01〜0.1%とする。
【0020】Mo:MoはWとともにマトリックス中に
固溶してクリープ破断強度を改善する。Moの単独の添
加であれば1.5%程度添加することが可能であるが、
本発明材のようにWを添加する場合、Wの方が高温強度
の改善に有効であり、またMo及びWを多量に添加する
とδフェライトが形成されてクリープ破断強度を劣化さ
せる。このため、Wの添加量とのバランスから0.5%
以下の添加となる。また、W単独では十分な高温強度が
発揮できないことから僅かな添加でも必要であり、その
量は0.01%以上となる。したがってMoの添加量は
0.01〜0.5%とする。
【0021】W:Wは前述のようにMoとともにマトリ
ックス中に固溶してクリープ破断強度を改善する。Wは
Moよりも固溶体強化機能が強く有効な元素である。し
かし多量に添加するとδフェライトや多量のラーベス相
を生成するため、逆にクリープ破断強度を劣化させる。
このためMoの添加量とのバランスを考慮して0.9〜
3.5%の添加とする。
【0022】Co:Coはマトリックスに固溶してδフ
ェライトの生成を抑制する。また、Niのように高温強
度を劣化させることはない。このためCoを添加する
と、Coを添加しないものよりもCrやW、Mo等の強
化元素を多く添加することが可能となる。この結果、高
いクリープ破断強度を得ることが可能となる。加えてC
oには焼もどし軟化抵抗を大きくする作用があり、使用
中の材料の軟化を抑制することに効果がある。これらの
効果は他の元素との関係もあるが、0.1%以上添加す
るとその効果は現れる。しかし4%を越える量を添加す
るとδ相などの金属間化合物が生成しやすくなり、一度
金属間化合物が生成すると脆化してしまうことになる。
加えて長時間側のクリープ破断強度も劣化させてしまう
ことにつながる。したがってCoの添加は0.1〜4%
となる。
【0023】Hf:Hfはニッケル基の超合金などに添
加されている合金元素であり、粒界の強度を向上させて
高温強度、とりわけクリープ破断強さの向上に効果が大
きい元素である。このようなHfの効果は高Cr鋼の本
ロータ素材にも有用であり、上述のようにクリープ破断
強さ向上に効果が大きい。高Cr鋼では上述の効果の他
にマトリックスに固溶してマトリックス自体を強化する
こと、炭窒化物の凝集・粗大化を遅延させて長時間クリ
ープ破断強さを向上させる効果などがある。この効果は
0.01%未満では十分に機能しない。また、0.2%
以上を添加すると製造時にマトリックス中に固溶するこ
とができないため、それ以上添加することの効果は期待
できない。加えて、多量に添加すると溶解時に耐火物と
反応して介在物となり素材自体の清浄度を劣化させると
ともに、溶解炉も損傷させてしまう。このため必要最小
限度の添加を行うことが必要となる。以上のことからH
fの添加は0.01〜0.2%とする。
【0024】:材2における成分限定理由を述べる
が、材1の説明と重複するところは省略し、ここでは
新たに狭い範囲に限定したMnの現定理由のみの説明を
行う。
【0025】Mn:Mnは材1の説明でも述べたよう
に、脱酸材として有用な元素であり、さらにδフェライ
トの生成を抑制する作用がある。しかし、前述のよう
に、この元素を加えるとNiと同様にクリープ破断強度
が劣化してしまう。このため可能な限り低く抑えること
が必要である。特に、0.1%以下に低く抑えるとクリ
ープ破断強度は大きく改善される。また、Mnは不純物
として混入するSの悪影響をMnSを形成することで無
害化する作用もある。このため0.01%以上の添加は
必要である。したがって材2においてはMnを0.0
1〜0.1%に限定する。
【0026】:材3における成分限定理由を述べる
が、材1の説明と重複するところは省略し、ここでは
材1及び2とは異なり、全く添加しないことになった
Niについての説明を行う。
【0027】Ni:Niは材1の説明でも述べたよう
に、マトリックス中に溶け込んでδフェライトの生成を
抑制する作用がある。加えて靱性向上にも効果がある。
しかし、先にも述べたようにNiを添加するとクリープ
破断強度が低下してしまう。このため、可能な限り低く
抑えることが必要である。材3の場合にはCoを添加
することによりNiの効果を置き換えることができるよ
うになっているので、δ−フェライトが生成しないよう
にCo、C、N等の元素を加えてその管理を行えば、ク
リープ破断強さに悪影響を与えるNiの添加を全く行わ
ないことも可能となる。このようにNiを全く添加しな
いことで、Niを添加したものに比べて遙かに高いクリ
ープ破断強さを得ることが可能となる。
【0028】:材4における成分限定理由を述べる
が、材2において、前記材3とと同様にNiの添加
を行わないもので、他成分の限定理由は材1及び2で
説明したとおりであるので、その説明は省略する。
【0029】:材5における成分限定理由を述べる
が、ここでは材1〜4と重複する成分についての説明
は省略し、新たに限定したBの設定理由のみの説明を行
う。
【0030】B:Bは粒界強度を高くする作用がある。
このためクリープ破断強度の改善に寄与する。しかし、
多量に添加すると熱間加工性が悪くなるとともに靱性が
低下する。0.001%未満ではBの効果が十分に得ら
れない。一方、0.01%を越える量を添加すると熱間
加工性や靱性が低下する。このため0.001〜0.0
1%とする。
【0031】:材6における成分限定理由を述べる
が、ここでは材1〜5と重複する成分についての説明
は省略し、新たに限定したNdの設定理由のみの説明を
行う。
【0032】Nd:Ndは粒界強度を向上させるととも
に、マトリックスへの固溶強化、炭窒化物の凝集・粗大
化遅延効果により、高温強度、とりわけクリープ破断強
度の向上に効果が大きい。この効果は0.005%未満
の含有量では十分に機能しない。一方、過剰に添加する
と、介在物となり鋼の清浄度を低下させ、靱性の低下や
クリープ破断強度の低下を引き起こす。このため、上限
値を0.5%とする。
【0033】
【実施例】以下、本発明高温用蒸気タービンロータ材
含む鋼材1〜6の実施例をあげ、本発明の効果を明らか
にする。
【0034】(例1) 以下、材1に関する実施例について説明する。第1表
には試験に供した材料の化学成分をまとめて示す。全て
の材料は50kg真空高周波溶解炉にて溶製し試験材と
した。この試験材を加熱温度:1200℃にて熱間鍛造
を行い、その後に以下の熱処理を施した。熱処理は胴
径:1200φのロータを油冷したときの中心部を模擬
した焼入れ処理を行い、次いで焼もどしは0.2%耐力
がおよそ68〜74kgf/mm2 になるように各材料
の焼もどし温度を決めて行った。
【0035】第2表に材1及び比較材の機械的性質並
びにクリープ破断強さを示す。常温引張試験の結果には
とほんど差はないが、比較材の10、14、19の材料
の伸び、絞りが材1に比べて低くなっている。また、
衝撃特性の点では、比較材の材料番号の8〜11、14
〜17、19、20が低い値を示しており、材1に比
べて靱性が低いことが明らかとなっている。また、本表
には試験温度:650℃、応力:15kgf/mm2
おけるクリープ破断試験の破断時間を示す。この結果か
ら明らかなように比較材の10を除いて材1のクリー
プ破断強さは比較材に比べて各段に優れていることがわ
かる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(例2) 以下、材2に関する実施例について説明する。第3表
には試験に供した材料の化学成分をまとめて示す。
2の成分は材1の成分と対比すると、材1の成分の
Mnを低減させているものである。全ての材料は例1と
同様に50kg真空高周波溶解炉にて溶製し試験材とし
た。この試験材を加熱温度:1200℃にて熱間鍛造を
行い、その後に以下の熱処理を施した。熱処理は胴径:
1200φのロータを油冷したときの中心部を模擬した
焼入れ処理を行い、次いで焼もどしは0.2%耐力がお
よそ68〜74kgf/mm2 になるように各材料の焼
もどし温度を決めて行った。
【0039】第4表に材2及び比較のために材1の
機械的性質並びにクリープ破断強さを示す。この表から
明らかなように、常温引張試験の結果にはとほんど差は
ない。ただし、衝撃特性において、材2はMnが少な
くなった関係で材1に比べて若干衝撃値が低くなって
いる。しかし、この低下は小さいものであり問題となる
ものではない。一方、クリープ破断強さを比較するとM
nを低くしたことによって材2は材1よりも破断時
間が長くなっており、明らかにクリープ破断強さが向上
していることがわかる。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】(例3) 以下、材3(本発明材)に関する実施例について説明
する。第5表には試験に供した材料の化学成分をまとめ
て示す。材3の成分は材1の成分と対比すると、
材1の成分からNiを完全に排除したものである。全て
の材料は、例1、2と同様に50kg真空高周波溶解炉
にて溶製し試験材とした。この試験材を加熱温度:12
00℃にて熱間鍛造を行い、その後に以下の熱処理を施
した。熱処理は胴径:1200φのロータを油冷したと
きの中心部を模擬した焼入れ処理を行い、次いで焼もど
しは0.2%耐力がおよそ68〜74kgf/mm2
なるように各材料の焼もどし温度を決めて行った。
【0043】第6表に材3(本発明材)及び比較のた
めに材1の機械的性質並びにクリープ破断強さを示
す。この表から明らかなように、常温引張試験の結果に
はとほんど差はない。ただし、衝撃特性において本発明
である鋼材3はNiが少なくなった関係で材1に比
べて若干衝撃値が低くなっている。しかし、この低下は
Mnを低減した材2と同様に小さいものであり問題と
なるものではない。一方、クリープ破断強さを比較する
とNiを排除したことによって材3は材1よりも明
らかにクリープ破断強さが向上していることがわかる。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】(例4) 以下、材4(本発明材)に関する実施例について説明
する。第7表には試験に供した材料の化学成分をまとめ
て示す。材4の成分は材3の成分のMnを低減した
ものである。全ての材料は例1〜3と同様に50kg真
空高周波溶解炉にて溶製し試験材とした。この試験材を
加熱温度:1200℃にて熱間鍛造を行い、その後に以
下の熱処理を施した。熱処理は胴径:1200φのロー
タを油冷したときの中心部を模擬した焼入れ処理を行
い、次いで焼もどしは0.2%耐力がおよそ68〜74
kgf/mm2 になるように各材料の焼もどし温度を決
めて行った。
【0047】第8表に材4及び比較のために材3の
機械的性質並びにクリープ破断強さを示す。この表から
明らかなように、この場合においても常温引張試験の結
果にはとほんど差はない。ただし、衝撃特性において
材4はMnが少なくなった関係で材3に比べて若干衝
撃値が低くなっている。しかし、この低下も小さいもの
であり問題となるものではない。一方、クリープ破断強
さを比較するとMnを低くしたことによって材4は
材3よりも明らかにクリープ破断強さが向上しているこ
とがわかる。
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】(例5) 以下、材5に関する実施例について説明する。第9表
には試験に供した材料の化学成分をまとめて示す。
5の材料は材1〜4の材料の代表に対してBをそれぞ
れ添加したものである。具体的には、材5の51〜5
8は材1の3、4、材2の21、22、材3の3
4、35及び材4の41、42をそれぞれ基本成分と
して、それぞれの基本成分の材料に対してBを添加した
ものである。なお、第9表の鋼材5中の55〜58が本
発明材である。全ての材料は材1〜4と同様に50k
g真空高周波溶解炉にて溶製し試験材とした。この試験
材を加熱温度:1200℃にて熱間鍛造を行い、その後
に以下の熱処理を施した。熱処理は胴径1200φのロ
ータを油冷したときの中心部を模擬した焼入れ処理を行
い、次いで焼もどしは0.2%耐力がおよそ68〜74
kgf/mm2 になるように各材料の焼もどし温度を決
めて行った。
【0051】第10表に、材5(55〜58が本発明
材)及び比較のために材1〜4の一部の機械的性質並
びにクリープ破断強さを示す。本結果から明らかである
ように材5は材1〜4と比較して機械的性質におい
てほとんど差はない。クリープ破断強さを比較するとB
を添加した本発明材5はそれぞれ基本成分の材料に対し
て明らかにクリープ破断強さが向上していることがわか
る。
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】(例6) 以下、材6に関する実施例について説明する。第11
表には試験に供した材料の化学成分をまとめて示す。
材6の材料は材1〜5の材料の代表に対してHfの一
部又は全部、及び/又はFeの一部をNdで置き換えた
ものである。具体的には、材6の61〜68は材1
の3、材2の21、材3の34、鋼材4の41及び
材5の52、54、56、68をそれぞれ基本成分と
して、それぞれの基本成分の材料に対してHfの一部又
は全部、及び/又はFeの一部をNdで置き換えたもの
である。また、さらなる比較材として、材6の64、
68を基本成分として、本発明におけるNd量の上限値
以上にNdを添加した材料(試料番号71、72)も用
意した。なお、第11表の鋼材6中の63、64及び6
7、68が本発明材である。全ての材料は材1〜5と
同様に50kg真空高周波溶解炉にて溶製し試験材とし
た。この試験材を加熱温度:1200℃にて熱間鍛造を
行い、その後に以下の熱処理を施した。熱処理は胴径1
200φのロータを湯冷したときの中心部を模擬した焼
入れ処理を行い、次いで焼もどしは0.2%耐力がおよ
そ68〜74kgf/mm2 になるように各材料の焼も
どし温度を決めて行った。
【0055】第12表に、材6(63、64、67、
68が本発明材)及び比較のために材1〜5の一部、
更なる比較材としての試料番号71、72の機械的性質
並びにクリープ破断強さを示す。本結果から明らかであ
るように材6は材1〜5と比較して機械的性質にお
いてはほとんど差はない。クリープ破断強さを比較する
と、Ndを添加した材6はそれぞれの基本成分の材料
に対して明らかにクリープ破断強さが向上していること
がわかる。一方、Ndを過剰に添加した試料番号71、
72は、基本成分材である材6の64、68と比較し
て、衝撃値及びクリープ破断強さが明らかに低下してお
り、上限値以上のNdの添加はかえって材料特性を低下
させることがわかる。
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【発明の効果】本発明の高温用蒸気タービンロータ材は
優れた高温強度を有するため、蒸気温度が593℃を越
える超々臨界圧発電プラント用の高温用蒸気タービンロ
ータ材として有用である。本発明により、現在の超々臨
界圧発電プラントをさらに高温化し、化石燃料の節約に
寄与するとともに二酸化炭素の発生量を低く抑える上で
有用なものであると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加来 勝夫 福岡県北九州市戸畑区大字中原先ノ浜46 番地59 日本鋳鍛鋼株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−371552(JP,A) 特開 平4−147948(JP,A) 特開 平3−274223(JP,A) 特開 平8−120414(JP,A) 特開 平8−85850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 F01D 5/02 F01D 5/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で炭素:0.05〜0.13%、
    シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.1〜1
    %、クロム:9.5〜11%、バナジウム:0.1〜
    0.3%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.01
    〜0.2%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデン:
    0.01〜0.5%、タングステン:0.9〜3.5
    %、コバルト:0.1〜4%、ハフニウム:0.01〜
    0.2%及び不可避的不純物及び鉄からなることを特徴
    とする高温用蒸気タービンロータ材。
  2. 【請求項2】 重量比で炭素:0.05〜0.13%、
    シリコン:0.01〜0.1%、マンガン:0.01〜
    0.1%、クロム:9.5〜11%、バナジウム:0.
    1〜0.3%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.
    01〜0.2%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
    ン:0.01〜0.5%、タングステン:0.9〜3.
    5%、コバルト:0.1〜4%、ハフニウム:0.01
    〜0.2%及び不可避的不純物及び鉄からなることを特
    徴とする高温用蒸気タービンロータ材。
  3. 【請求項3】 重量比でボロン:0.001〜0.01
    %を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の高温用
    蒸気タービンロータ材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の材料成分のうち、
    ハフニウムの一部又は全部、及び/又は鉄の一部をネオ
    ジウムで置き換え、その量が重量比で0.005〜0.
    5%であることを特徴とする高温用蒸気タービンロータ
    材。
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