JPH0530554B2 - - Google Patents

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JPH0530554B2
JPH0530554B2 JP62055287A JP5528787A JPH0530554B2 JP H0530554 B2 JPH0530554 B2 JP H0530554B2 JP 62055287 A JP62055287 A JP 62055287A JP 5528787 A JP5528787 A JP 5528787A JP H0530554 B2 JPH0530554 B2 JP H0530554B2
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JP
Japan
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tin
welding
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welded
seam
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JP62055287A
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Yoichi Kitamura
Hisashi Hotsuta
Makoto Ito
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、継目の外観、耐腐食性及び塗料の密
着性に優れたブリキ製光輝溶接シーム罐の製法に
関するもので、より詳細には側面継目の内外表面
部に特定の厚みの酸化物表面層と鉄−スズ合金の
中間層とを形成させることにより上記特性を改善
したブリキ製光輝溶接シーム罐の製法に関する。 スズメツキ鋼板即ちブリキは製罐用素材として
最も古くから使用されている耐食性や塗料密着性
更に加工性に優れた素材である。ブリキ製の罐は
一般に製罐用素材を円筒状に形成し、その両端縁
部をハンダを用いてラツプシーム、ロツクシーム
或はこれらの組み合わせシームに接合することか
らなつている。しかしながら、この製罐方法では
シーム部にかなりの面積が必要であり、資源節約
の点で問題があるとともに、食品罐の場合にはハ
ンダによる好ましくない影響もあり、ハンダ罐に
代わる製罐法が望まれている。 従来、ハンダ罐に代わる製罐法として絞りしご
き加工による無継目(シームレス)罐がある分野
では用いられているが、無継目罐は圧力による罐
胴側壁の変形が大であるため、バキユーム罐、即
ち内容物をレトルト殺菌する用途の罐に用いるこ
とは不合理である。ハンダ罐に代わる製罐法の他
の例として罐用素材の両端縁部を溶接によりラツ
プ(重ね合わせ)接合した溶接罐も既に知られて
いる。このような溶接罐は、ラツプシーム部の面
積がハンダ罐に比して著しく小であり、更にハン
ダのような格別の接合剤を必要としないという利
点を有しているが、公知のブリキ製溶接シーム罐
は、継目の外観、耐腐食性及び塗料の密着性にお
いて未だ十分満足し得るものではなかつた。 溶接シーム罐の製造は、罐用素材を円筒状に成
形することによつて形成される重ね合わせ部を、
上下一対の電極ローラー間に通過せしめるか、或
は電極ワイヤーを介して上下一対の電極ローラー
間に通過せしめるかして、重ね合わせ部を電気抵
抗溶接することにより行なわれている。 罐用素材がブリキである場合には、ブリキ表面
のメツキされたスズによる電極ローラーの汚染と
スパークエロージヨンによる電極ローラーの損傷
のために、ローラー電極法では実用上ブリキの溶
接シーム罐は製造できず、電極ワイヤーを介して
上下一対の電極ローラー間を通過せしめる電極ワ
イヤー溶接方式が用いられる。本発明はこの電極
ワイヤーシーム溶接法を用いるブリキ溶接シーム
罐の製法に関するものである。 電極ワイヤーを用いるシーム溶接を行なう時溶
接に際して溶融したスズメツキ層が電極部材に移
行したり或はヒユームとなつて飛散するため、ス
ズメツキ層による保護効果が失われ、表面に黒色
乃至青色の酸化鉄(Fe3O4と思われる)が容易に
形成されるのである。このような酸化鉄の被膜は
一般に700乃至3000Åもの厚みに達するものであ
り、継目の外観不良、耐腐食性の低下及び塗膜の
密着不良等の欠点をもたらすことになる。 従つて本発明の目的は、継目の外観特性、耐腐
食性及び塗料の密着性に優れたブリキ製光輝溶接
シーム罐の製法を提供するにある。 本発明の他の目的は、溶接による側面継目の内
外表面部における酸化物表面層の形成が従来の溶
接罐のそれに比して極めて薄い厚さに制限され、
しかも従来の酸化鉄層に代わつて緻密で耐腐食性
等に極だつて優れている鉄−スズ合金からなる中
間層が保持された新規な層構成を有するブリキ製
光輝溶接シーム罐の製法を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、レトルト殺菌を行う
食罐として特に有用なブリキ製光輝溶接シーム罐
の製法を提供するにある。 本発明によれば、製罐用ブリキ素材を円筒状に
成形し、形成される重ね合せ部を電極ワイヤーを
介して一対の電極ローラー間に通過させることに
より電気抵抗溶接を行ない、この溶接操作を不活
性雰囲気中で行なうと共に溶接部の表面温度が
550℃に低下するまでの雰囲気を不活性雰囲気と
し、且つ該表面温度が溶接温度から550℃に低下
する冷却速度を100乃至900℃/秒の範囲とするこ
とを特徴とするブリキ製光輝溶接シーム罐の製法
が提供される。 本発明によるブリキ製光輝溶接罐では、側面継
目の内外表面部は、最外層に50乃至400オングス
トロームの鉄及びスズの酸化物から成る層及び次
の層に元のブリキ素材中の全スズ層の厚みの5乃
至100%の厚みを有し、しかも元のブリキ素材に
比して厚みの増大された鉄−スズ合金層から成る
中間層を有し且つ前記内外表面部はブリキ素材の
60%以上の反射率を有する。 本発明による溶接シーム罐を示す第1図におい
て、製罐用ブリキ素材1を円筒状に成形し、その
両端縁部2,2を重ね合わせ、後に詳述する特定
の溶接手段により接合して側面継目3を形成す
る。この側面継目3の内外表面部を拡大して示す
第2図において、本発明による溶接罐は鋼基質4
の上に形成された鉄−スズ合金からなる中間層5
及びその上の酸化物層6を備えており、ここで酸
化物6の厚みが50乃至400Åの厚みに制限されて
いること及び鉄−スズ合金層5の厚み(スズ量基
準)が製罐用ブリキ素材1におけるそれよりも増
大しており、しかもFe:Snの原子比が1:1乃
至1:2の層が明確に存在していることが顕著な
特徴である。 一般に製罐用ブリキ素材においては、全スズ層
の厚みは0.38乃至1.52ミクロン程度のものであ
り、金属スズ層と鋼基質との間には必ず鉄−スズ
合金層が存在している。この鉄−スズ合金層の厚
みはブリキの製造法によつても若干相違するが、
ブリキ製造時のリフロー工程(スズの融点232℃
付近への加熱工程)によつて生じたFeSn2主体の
鉄−スズ合金層であつて、メツキスズ量によつて
いくらか異なるが大体0.3〜0.8g/m2くらいの範
囲にあり、全スズ量の厚い場合で5〜10%、全ス
ズ量の薄い場合で10〜30%の値となるような比較
的薄いものである。しかして、従来の溶接罐にお
いては、接合部の表面において金属スズ層は前述
した原因により殆ど除去され、鉄−スズ合金も
Fe:Snの原子比が1:1乃至1:2の層の存在
が失われるともに、金属スズ層に代わつて、酸化
鉄層が700乃至3000Åの厚みに形成されるのであ
る。 これに対して、本発明による溶接罐において
は、鉄−スズ合金層の厚みが元のブリキ素材のそ
れに比して増大されると共に、Fe:Snの原子比
が1:1乃至1:2の範囲内にある合金層が保持
され、しかも鉄及びスズの酸化物層の厚みは前述
した50乃至400Åの極めて小さいレベルに抑制さ
れるのである。本発明による溶接罐においては、
上述した緻密な鉄−スズ合金の層としての存在が
維持されることにより、接合部の耐腐食性が顕著
に向上するとともに、外観特性も著しく改善され
るのである。しかもこの合金層の上に著しく薄く
その結果、外観に悪影響を与えないような酸化物
層が形成されることにより、塗膜との密着性が著
しく向上し、塗装罐とした時の耐食性を一層向上
させることが可能となる。 かくして、本発明による溶接罐の内外表面部は
ブリキ素材そのものと殆んどかわらない外観を有
し、その光線反射率はブリキ素材の60%以上、特
に80%以上の値を示す。 鉄−スズ合金層の厚みは、後述する実施例に示
す通り、蛍光X線法で測定できる。この厚みはま
た、走査型電子顕微鏡X線マイクロアナライザー
でも測定することができる。 本発明による溶接罐の継目において鉄−スズ合
金層5の組成は、特に制限されないが、Fe:Sn
の原子比が1:1乃至1:2の範囲にあるものを
含み、後述する表面分析の結果の第3図からみる
と次のような構造となつているものと思われる。
すなわち表面のスズからベース金属の鋼基質の部
分へ向つて、Sn+FeSn2,FeSn2,FeSn2
FeSn,FeSn,(FeSn2+Fe),FeSn+Feと順次
組成が変化していると考えられる。この合金層
は、従来のいわゆるブリキの合金層のようにスズ
層、合金層、鋼層と明瞭には分離しにくいもので
あるが、第3図から少なくとも鉄−スズ合金が層
をなすと判断できる。 これに対し比較例となる大気中の溶接の場合に
は、その表面分析の結果を第4図に示したが、表
面スズが酸化し、揮散するためと、溶接後の冷却
速度がおそいためスズ(合金スズも含む)が母材
中に急速に拡散してしまうため、その構造は上記
と異なり、表面の鉄酸化物層の次にはその母材の
鋼中に分散した鉄−スズ合金は存在するが、いわ
ゆる緻密な合金「層」を形成するに至らず鋼中に
拡散した形となつている。 次に酸化物層6は主として酸化鉄の連続層7か
らなるが、酸化スズ層8も島状となつているか或
は連続層となつて混在する。酸化スズ層8と共に
金属スズ層9が存在することもある。 鉄−スズ合金層の厚みが上記範囲よりも小さい
場合には、耐食性の点で満足な結果が得られな
い。また、酸化物層の厚みが上記範囲よりも大き
い時には、外観特性の点で不満足なものとなると
ともに、塗料の密着性がやはり低下するようにな
る。 本発明による溶接罐において、側面継目の幅は
罐の径によつても相違するが、0.2乃至1.2mmのよ
うな比較的小さい幅でよく、罐用素材の使用量を
少なくできることも本発明の利点の1つである。
ブリキ素材として電気スズメツキ鋼板のうちリフ
ローブリキ板もノーリフローブリキ板の何れも使
用できる。スズメツキ量は、1.12乃至11.2g/m2
のものがよく板厚は0.15乃至0.50mmのものが好適
である。 本発明に従いブリキ製光輝溶接シーム罐を製造
するにあたつては、守らなければいけない幾つか
の制限が存在する。側面継目の電気抵抗溶接は、
罐用素材を円筒状に成形し、形成される重ね合せ
部を電極ワイヤーを介して上下1対の電極ローラ
ー間に通過せしめることによつて行なわれるが、
この溶接操作を不活性雰囲気中で行い、且つ溶接
部の表面温度が550℃に低下するまでの雰囲気を
不活性雰囲気とすることがまず重要である。溶接
雰囲気及びその後の放冷雰囲気を不活性雰囲気即
ち非酸化性雰囲気とすることは、酸化物の層厚を
減少させ且つ合金層の厚さを増大させるという点
で二重の作用効果を有している。即ち、溶接雰囲
気が空気のような酸化性の雰囲気である場合に
は、溶融されたスズ層が酸化スズヒユームとなつ
て溶接部の表面から除かれ、スズ層による保護被
膜効果が失われ或は減殺されることになる。更に
酸化性雰囲気の存在は、鉄−スズ合金層の酸化に
よるポーラス(多孔質)な酸化鉄の生成をもたら
すことになる。溶接雰囲気及びその後の放冷雰囲
気を不活性とすることにより、スズ層による保護
被覆効果が失われることなく保持され、更にポー
ラスな酸化鉄の生成が有効に抑制される。不活性
雰囲気としては、窒素、アルゴン、ネオン等を使
用することができる。上述した不活性気体の気流
中に溶接接合部を保持して作業を行なうのが好ま
しいが、上記気体を充填した密閉容器内で作業を
行つてもよい。 また、上述した層構成の内外表面部を有する溶
接継目を形成するためには、更に前記電極部材の
印加圧力を20乃至90Kg/溶接点の範囲とすること
も極めて重要である。電気抵抗溶接を有効に行う
ためには、電極部材と素材間及び重ね合わされた
素材間の密接による電気的導通を高める必要があ
るが、このような接触圧力の増大は接合部の外表
面に存在する金属スズの電極部材への移行や溶接
部分以外へのはみ出しにより、スズ層による保護
被覆効果を失わせることになる。電極部材の印加
圧力を上記範囲とすると、良好な電気的導通を維
持しながら、金属スズの電極部材への移行や溶接
部分以外へのはみ出しの量を極めて少ないレベル
に抑制し、スズ層による保護被覆効果を増大する
ことができる。尚、本発明の溶接罐の製造にあた
つては、電極部材の印加圧力を比較的小さい値と
するため、重ね合わされた素材の凹凸を避け、平
滑性が維持されるように留意すべきであり、電極
部材としても機械的精度や仕上げのよい部材を使
用すべきである。 電気抵抗溶接の電源としては、交流、直流、整
流波等の任意の電源を使用でき、電圧及び電流
は、従来溶接罐の製造に一般に使用されている範
囲のものでよい。 更に上述した溶接継目を形成させるためには、
継目の外表面温度が溶接温度(約750乃至1450℃
の範囲にある)から550℃に低下する冷却速度が
100乃至900℃/秒の範囲とすることも重要であ
る。この冷却速度は、鉄−スズ合金層の厚み並び
に緻密さ及び酸化物層の厚みと密接に関連してい
る。即ち、冷却速度が上記範囲よりも大きい時に
は、合金層の厚みが元のブリキの合金層の厚みと
それほど変らない。更に冷却速度が上記範囲より
も小さい場合には、Fe:Sn=1:1乃至1:2
の合金層の存在が失われるとともに酸化物層の厚
みが本発明で規定した範囲よりも大となる傾向が
ある。冷却速度を上述した範囲に維持することに
より、諸特性の上で最も好ましい厚みの酸化物層
と緻密な鉄−スズ合金層を形成させることができ
る。溶接継目の外表面の冷却速度を上記範囲に調
節する操作は、不活性気体の供給速度を調節する
ことにより、最も簡便に行なわれる。勿論、一定
の速度の不活性気体の気流中での製罐速度(罐の
送り速度)を調節することによつても、冷却速度
を調節できる。 本発明によるブリキ製光輝溶接シーム罐は、優
れた継目の外観、耐腐食性及び塗料の密着性を有
するため、非塗装罐、部分塗装罐或は全面塗装罐
の形で、内容物をレトルト殺菌するバキユーム
罐、炭酸飲料等を充填する内圧罐、エアゾール容
器等として種々の分野に用いることができる。 本発明の優れた作用効果を次の例で説明する。 実施例の測定及び評価は次の方法で行つた。 測定方法 (1) 表面酸化膜厚;溶接罐より溶接ラツプ部のみ
を切り取り、テープで貼り合わせ、ほぼ8×8
mmとし、サンプルとする。このサンプルの表面
をArガスでエツチングしながら、Sn,O,Fe
の原子濃度比を測定した。酸化物中の酸素は15
Å/分の割合でエツチングされ又、エツチング
していくと酸素は原子濃度比10〜20%でほぼ一
定となるため、酸化膜厚としては酸素が20%以
上の部分とした。 (2) 合金スズ量;溶接罐より溶接ラツプ部のみを
切取り、テープで貼り合わせ、ほぼ15×15mmと
しサンプルとする。これをNaOH液中で電解
処理して溶接部表面の遊離のSnを除去する。
その後蛍光X線で合金中のSn量を定量した。 (3) 反射率;溶接ラツプ部のみを切り取り、長さ
20mmで13本を貼り合わせ約10×20mmのサンプル
を作る。デジタル変角光度計を使用し、45°方
向より光を当てて非溶接部を100として反射比
率を求めた。 評価方法 (1) 塗膜密着性;エポキシ系塗料を溶接面に塗布
(10〜15μm厚)焼付(ピーク温度300℃−
15sec)後、溶接部付近を短冊状に切取り、塗
装面を外側にして溶接方向に180°折り曲げる
(この時、間に使用ブリキを1枚挟む)。そし
て、折り曲げた溶接部位の塗膜を顕微鏡で観察
する。 評価基準 ○……溶接部以外のブリキ面上の塗膜と同程度
の微小クラツク、 △……塗膜が浮いたり、剥離したりしているも
ので、程度小 ×……塗膜が浮いたり、剥離したりしているも
ので、程度大 (2) 耐食性;無塗装の溶接付近を短冊状に切り取
り、カツトエツジ部をテープでカバーした後、
耐圧ビンのガラスクリーナー溶液中に浸漬し、
50℃で2ケ月経時後溶接面の腐食程度を評価す
る。 評価基準 ○……腐食程度小のもの △……腐食程度中のもの ×……腐食程度大のもの 実施例 1 板厚0.23mm、メツキ量#50(内面側遊離スズ
量;5.16g/m2、合金スズ量;0.76g/m2)のリ
フローブリキを使用し、N2ガス気流(内面側2.5
/分)中で下記条件で溶接製罐した。その後、
表面酸化膜厚、合金スズ、反射率の測定を罐内面
側について行なつた。 溶接条件 電 極 ;Cu線 ラツプ巾 ;0.4mm 溶接速度 ;30m/分 電極加圧力 ;40Kg 一次側電圧 ;210V 550℃迄の溶接部表面冷却速度 ;300℃/sec 比較例 1 実施例1と同一材料、同一溶接条件だが、N2
ガスを使用せず大気中でシーム溶接を行なつた。 実施例 2 板厚0.21mm、メツキ量#25(内面側遊離スズ
量;2.40g/m2、合金スズ量;0.43g/m2)のリ
フローブリキを使用し、Arガス気流中で実施例
1と同一条件で行なつた。 比較例 2 実施例1と同一材料、同一溶接条件だが、Ar
ガスを使用せず大気中でシーム溶接を行なつた。 実施例 3 板厚0.23mm、テンパー;T−4、メツキ量;
#25(内面側遊離スズ量;2.14g/m2、合金スズ
量;0.66g/m2)のリフローブリキを使用し、
N2ガス気流(両面、3/分)中で下記溶接条
件において溶接した。その後、ラツプ内面部の表
面酸化膜厚、合金量(厚さ)、反射率を実施例1
と同様に測定し、更に塗膜密着性、耐食性も評価
した。 溶接条件 電 極 ;Cu線 ラツプ巾 ;0.4mm 溶接速度 ;35m/分 電極加圧力 ;55Kg 溶接電流 ;6700A 550℃迄の溶接部表面冷却速度 ;150℃/sec 比較例 3 実施例3と同一材料、同一溶接条件だが、N2
ガスを使用せず大気中でシーム溶接をした。 上記の各測定結果を第1表に、評価結果を第2
表に示す。又、ESCA(Electron Spectroscopy
for Chemical Analysis)で溶接部表面をArガス
でエツチングしながらSn,O,Feの原子濃度比
を測定した例として実施例3を第3図に比較例3
を第4図に示す。
【表】
【表】 第3図及び第4図において、横軸のエツチング
時間は継目外表面からの深さに対応している。こ
れらの図を対比すると、従来法の溶接罐において
は、酸化物層の形成が内部迄厚く進行しており、
またスズが著しく消失しFe:Sn=1:1乃至
1:2の組成の層が存在しないのに対して、本発
明による溶接罐においては、酸化物層の形成が外
表面の極く薄い部分にのみ限定され、しかもスズ
が合金層の形で有効に残存し、Fe:Sn=1:1
乃至1:2の層も明確に存在していることがわか
る。 実施例 4 板厚0.23mm、テンパー;T−4、メツキ量下記
(A)及び(B)のリフローブリキを使用し、N2ガス気
流(両面、15/分)中で下記溶接条件にてシー
ム溶接及び製罐した。その後、ラツプ外面部の表
面酸化膜厚、合金スズ量及び反射率を測定した。 メツキ量材料 外面側遊離Sn量 外面側合金Sn量 (A) 5.07g/m2 0.55g/m2 (B) 2.40g/m2 0.75g/m2 溶接条件 電 極 ;Cu線 ラツプ巾 ;0.4mm 溶接速度 ;15m/分 電極加圧力 ;55Kg 溶接電流 ;材料(A)……6950A 材料(B)……6700A 550℃迄の溶接部表面冷却速度
;800℃/sec得られた結果を第3表に示す。
【表】 塗膜密着性及び耐食性について第2表に示した
と同様の評価を行なつたところ、いずれも○印評
価となり良好であつたが、実施例1,2,3に比
べ塗膜密着性、耐食性ともさらに良好であつた。 実施例 5 不活性ガス中での冷却温度と表面酸化膜および
表面反射率の関係を知るため、次の実験を行なつ
た。 板厚0.21mm、テンパー;T4CA、メツキ量内面
側#50(5.6g/m2)外面側#25(2.78g/m2)、
(遊離スズ量2.30g/m2、合金スズ量0.48g/m2
のブリキを使用し溶接部を除き内外面に5μmの厚
さでエポキシ・フエノール系塗料を塗装した。次
にN2ガス気流(両面、28/分)中で溶接電流
を変化させて溶接し、各々不活性雰囲気装置出口
での罐外面溶接部の表面温度を赤外線放射温度計
を用いて測定した。また、溶接した罐の溶接外面
部の表面酸化膜厚、合金スズ量、反射率を実施例
1と同様に測定した。その結果を第4表に示す。 溶接条件 電 極 ;Cu線 ラツプ巾 ;0.35mm 溶接速度 ;36m/分 電極加圧力 ;40Kg 550℃迄の溶接部表面冷却速度 ;900℃/sec
【表】 次に、本発明の冷却条件が格別の効果を奏する
ことを比較試験とその結果を示して説明する。 比較試験 実施例1において溶接部の表面温度が550℃に
なるまでの冷却速度を50℃〜1200℃/秒の範囲で
変化させて溶接部の酸化膜の形成状態を比較し
た。結果を次の表に示す。
【表】 この試験結果から、冷却速度が本発明の範囲外
であり、速度の遅い例1、では溶接部に厚い酸化
膜が形成され、溶接部は淡褐色となり地金の色は
変化し光輝は失われる。また冷却速度の大きい例
8、例9、ではやはり溶接部に厚い軟化膜が発生
し、地金の色は変化し光輝は失われることは明ら
かである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の溶接罐の断面図であり、第
2図は、側面継目の内外表面部を拡大して示す断
面図であり、第3図及び第4図は夫々実施例3及
び比較例3の溶接罐継目についてのエツチング時
間と原子濃度との関係を示す線図である。 引照数字1は、製罐用ブリキ素材、2はその両
端縁部、3は側面継目、4は鋼基質、5は鉄−ス
ズ合金からなる中間層、6は酸化物層、7は酸化
鉄層、8は酸化スズ層、9は金属スズ層をそれぞ
れ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 製罐用ブリキ素材を円筒状に成形し、形成さ
    れる重ね合せ部を電極ワイヤーを介して一対の電
    極ローラー間に通過させることにより電気抵抗溶
    接を行ない、この溶接操作を不活性雰囲気中で行
    なうと共に溶接部の表面温度が550℃に低下する
    までの雰囲気を不活性雰囲気とし、且つ該表面温
    度が溶接温度から550℃に低下する冷却速度を100
    乃至900℃/秒の範囲とすることを特徴とするブ
    リキ製光輝溶接シーム罐の製法。 2 ブリキ素材が1.12乃至11.2g/m2のスズメツ
    キ量と0.15乃至0.50mmの厚さを有するブリキ素材
    である特許請求の範囲第1項記載の溶接シーム罐
    の製法。 3 側面継目の幅が0.2乃至1.2mmである特許請求
    の範囲第1項記載の溶接シーム罐の製法。 4 電極部材の印加圧力を20乃至90Kg/溶接点の
    範囲とする特許請求の範囲第1項記載の溶接シー
    ム罐の製法。
JP5528787A 1987-03-12 1987-03-12 ブリキ製光輝溶接シ−ム罐の製法 Granted JPS62270286A (ja)

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JPS62270286A JPS62270286A (ja) 1987-11-24
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3652818A (en) * 1970-07-31 1972-03-28 Continental Can Co Inert atmosphere seam welder
JPS51117142A (en) * 1975-03-19 1976-10-15 Paul Opprecht Method of effecting electric seam welding of metallic plate semiiautomatically or fulllautomatically and resistance welder for use in carrying out the method
JPS52105550A (en) * 1976-03-03 1977-09-05 Osumi Sangyo Kk Automatic seam welding machine for steel sheet

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