JPS6120396B2 - - Google Patents

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JPS6120396B2
JPS6120396B2 JP5237180A JP5237180A JPS6120396B2 JP S6120396 B2 JPS6120396 B2 JP S6120396B2 JP 5237180 A JP5237180 A JP 5237180A JP 5237180 A JP5237180 A JP 5237180A JP S6120396 B2 JPS6120396 B2 JP S6120396B2
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JP
Japan
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tin
welded
welding
iron alloy
layer
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JP5237180A
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Yoichi Kitamura
Hisashi Hotsuta
Chikara Yurita
Makoto Ito
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Priority to CA000375844A priority patent/CA1165407A/en
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶接缶胴体の製造方法に関し、さらに
詳しくは缶胴体の溶接部の地鉄露出部が錫層によ
つて被覆された錫鉄合金被覆鋼板よりなる耐食性
溶接缶胴体の製造方法に関する。 従来食品缶、飲料缶、エアロゾール缶その他の
雑缶類等用の溶接缶胴体の素材としては、錫めつ
き鋼板(ぶりき)、テインフリースチール(電解
クロム酸処理鋼板)あるいは黒板(無表面処理あ
るいは極めて薄い燐酸塩処理またはクロム酸処理
被膜等を施された低炭素鋼板)等が使用されてい
る。錫めつき鋼板は耐食性、溶接性および塗料密
着性等に優れており、溶接缶素材として好適であ
るが、塗装して使用する場合は、一般に耐食性に
必要な厚さ以上の錫層によつて被覆されており、
錫価格の高騰などによりコストが高いという問題
がある。一方黒板は安価であるが、仮りに塗装し
てもフイリフオルムコロージヨン(塗膜下糸丈
錆)やアイアンピツクアツプ(後述)が著しく、
長期間の保存や高腐食性内容物用缶としては使用
することができない。そこで最近は特に炭酸飲料
缶やジユース缶等の分野で比較的安価なテインフ
リースチールが、塗膜密着性と耐食性が特に優れ
ているため広く使用されるようになつてきた。し
かしテインフリースチールの表面皮膜を構成する
金属クロム層とその上の水和クロム酸化物層は延
性がないため、巻締部等の加工部分でクラツクを
発生し、塗膜が不十分な場合に金属クロムと基板
である鉄との間に局部電池を形成して、特に酸性
で鉄溶出型の内容物の場合、鉄の溶出を促進して
孔食を招くという問題がある。さらに水和クロム
酸化物層は電気絶縁性であるため、溶接されるべ
き部分から予め水和クロム酸化物層を除去しなけ
れば満足な溶接部が形成されないという難点があ
る。 これらの従来の製缶素材の問題点を解決するた
め、最近極めて薄い錫鉄合金層で被覆された塗装
用低炭素鋼薄板が、例えば特開昭53−23833号な
どにおいて提案されている。この種の被覆鋼板
は、錫量が極めて少ないため低コストである。ま
たその錫鉄合金層(主としてFeSn2層よりなる)
は、塗膜密着性に優れているうえに、加工性が金
属クロム層などよりも優れているためクラツクが
入り難く、さらにコカコーラ等の炭酸飲料中では
基板の鉄に対して電位は貴になるが、その間の電
位差は金属クロムと鉄との電位差よりも小さく、
しかも錫鉄合金がわずかに溶解する。従つてこの
種の被覆鋼板は、鉄の局部腐食がテインフリース
チールよりも起り難く、しかも低コストであると
いう利点を有する。 しかし一方では錫鉄合金層は金属錫層にくらべ
て電気絶縁性が大きく、かつ硬くて溶接電極との
なじみが悪いことが原因と思われるが、電気抵抗
溶接性に乏しいという欠点を有する。すなわち通
常の電気抵抗シーム溶接法、すなわち2個の対向
するローラ電極間に直接、あるいは線電極を介し
て缶胴成形体の重ね合せ部を挿入して行なうシー
プ溶接法によつては、溶融鉄の飛沫すなわちスプ
ラツシユが溶接部近傍に固着して鉄露出を招き易
く、しかもこれを補正材料(塗料やプラスチツク
粉末あるいはフイルム等の)によつて完全に補正
することは至難である。さらに溶接部に巣が形成
され易いこと等のため、内容物保存性に優れた溶
接缶胴体を得ることが極めて困難である。この困
難を回避するため、溶接前に予めブランクの重ね
合せ部となるべき端縁部からミリングカツター等
の機械的手段あるいは化学的溶接手段等によつて
錫鉄合金層を除去することは、鉄面の露出による
耐食性の劣化および上記除去のためのコスト高を
招く。一方特に限られた溶接条件下で端縁部から
錫鉄合金層を除去することなく一応健全な溶接部
が得られたとしても、溶接されるべき重ね合せ部
の切断端面より溶接のさい形成された地鉄のはみ
出し部および残留端面は鉄面が露出している(空
気中で溶接した場合は黒色の酸化鉄面が露出、不
活性ガス雰囲気中で無酸化溶接した場合は実質的
に鉄面が露出)ので、溶接部の耐食性が他の部分
にくらべて劣るという問題がある。 本発明は以上のような従来技術の問題点に鑑み
なされたものであつて、本発明の目的は、溶接は
み出し部と残留端面が錫層で被覆されている錫鉄
合金被覆鋼板よりなる耐食性溶接缶胴体の製造方
法を提供することである。 本発明の他の目的は、溶接されるべき端縁部か
ら予め錫鉄合金層を除去することなく、しかも比
較的広い範囲の溶接条件下で健全な溶接が可能な
錫鉄合金被覆鋼板よりなる溶接缶胴体の製造方法
を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、上記錫層の被覆を
溶接の後工程でなく、溶接時に同時に行なう生産
性の優れた錫鉄合金被覆鋼板よりなる溶接缶胴体
の製造方法を提供することである。 上記目的を達成するため本発明は、低炭素鋼板
の表面に錫鉄合金層を主とする層が形成された錫
鉄合金被覆鋼板よりなるブランクより形成された
缶胴成形体の対向する端縁の重ね合せ部を、金属
錫層で被覆された線電極を介して電気抵抗溶接す
ることによつて溶接缶胴体を製造する方法におい
て、該線電極の該缶胴成形体に対接する面が平坦
であつて、かつ該面の幅が該重ね合せ部の幅より
も大きく、該金属錫量が約25g/m2以下であり、
かつ鋼表面への溶融錫の濡れを助長するフラツク
スを溶接前に上記端縁の端面に附着させ、かつ非
酸化性雰囲気中で、固相接合による電気抵抗溶接
を行なうことを特徴とする、溶接部の溶接はみ出
し部および残留端面が溶接のさい溶融流出した錫
によつて被覆されている溶接缶胴体の製造方法を
提供するものである。 以下本発明について詳細に説明する。 本明細書でいう錫鉄合金被覆鋼板とは、主とし
てFeSn2よりなるごく薄い緻密な錫鉄合金層を主
とする層で被覆された低炭素薄鋼板をいう。錫鉄
合金層の厚さは錫換算で0.05〜1.0g/m2(片面
表示、以下同じ)であることが好ましい。0.05
g/m2より薄いと耐食性が著しく低下し、一方
1.0g/m2より厚いと加工性が悪くなり、クラツ
クを生じて加工部の耐食性を損ね、また非加工部
の耐食性向上も特に期待できず、錫コストの上昇
を招くからである。このような錫鉄合金層は低炭
素鋼板の表面に公知の方法により薄い錫メツキを
行なつた後、公知の方法、例えば抵抗加熱、誘導
加熱、固体拡散等によつて該錫を溶融されること
によつて形成される。錫鉄合金層は緻密であつて
下地の鉄の露出のないことが、孔食防止の見地か
ら望ましい。このような合金層は、例えば錫イオ
ン濃度の低い弱酸性浴または公知のアルカリ浴を
使用して錫メツキ時に多量の水素ガスを発生する
条件でメツキすることによつて緻密な錫メツキを
行なつてから、上記の方法等によつて錫を溶融さ
せることによつて形成される。この場合に表面に
やむを得ず形成される微量の金属錫を残しても差
支えない。 錫鉄合金層またはその上の金属錫層の塗膜密着
性を高めるため、その上を0.005〜0.05g/m2
(クロム換算)の極めて薄い水和クロム酸化物層
によつて被覆することがより好ましい。この場合
0.005g/m2より薄いと塗膜密着性の効果が薄
れ、0.05g/m2より厚いと加工部の塗膜密着性が
低下する。このような水和クロム酸化物層は公知
の方法、例えば電気ぶりきの後処理用として使用
する重クロム酸ソーダ浴、あるいはテインフリー
スチールの製造に使用される無水クロム酸水溶液
に硫酸等の助剤を添加した浴を使用して陰極処理
を行なうことによつて形成される。 第1図は本発明の方法により製造された溶接缶
胴体1の1例を示したものであつて、側面継目部
がシーム重ね合せ溶接部2(以下溶接部とよぶ)
によつて形成されている。本発明の方法により形
成された溶接部2は、第2図および第3図に示さ
れるように一対の線電極3a,3bにより直接重
ね合せ部(第3図の7参照)が押圧通電されるこ
とによつて形成される。第2図は溶接部2附近の
拡大断面図であつて、溶接部2は線電極3a,3
bと接触する部分4(以下電極接触部とよぶ)お
よび溶接はみ出し部5と残留端面5′よりなつて
いる。電極接触部4および溶接はみ出し部5に
は、錫鉄合金被覆鋼板6の非溶接部6′が連接し
ている。錫鉄合金被覆鋼板6は、基板である低炭
素鋼板6aと、その両面を被覆する錫鉄合金層を
主とする層6bよりなつている。溶接はみ出し部
5は、溶接直前の状態を示す第3図にみられる重
ね合せ部7の端面8が、溶接のさいの押圧力によ
つて外方にはみ出すことによつて形成されたもの
である。残留端面5′ははみ出さずに残つた端面
8の一部である。線電極は通常銅または銅合金線
よりなるが、その表面に金属錫層が被覆されてい
ないときは、溶接のさい錫鉄合金層の一部が線電
極に附着して電極接触部4における鉄露出が増加
し易い。しかし本発明においては、線電極の表面
が金属錫層18によつて被覆されているので、後
述のフラツクスの作用によつても助長されて、電
極接触部4に線電極から錫が移行する傾向にある
ので、該部の鉄露出が減少して耐食性が向上する
という効果が得られる。本発明の方法により製造
された溶接缶胴体1は、残留端面5′と溶接はみ
出し部5の表面も錫層(本明細書においては金属
錫層および錫鉄合金層を含んでよぶものとする)
6b′によつて被覆されている。後述のフラツクス
の作用によつて、線電極表面の金属錫層18の金
属錫が溶接はみ出し部5と残留端面5′の表面に
溶融流出するからである。この錫層6b′は均一に
被覆していることが好ましいが、現実には被覆厚
みのバラツキや一部に未被覆部分が残ることもあ
る。溶接部2は通常塗料等によつて補正されて使
用される。微少な未被覆部分の存在は、フイリフ
オルムコロージヨンやアイアンピツクアツプおよ
び塗料密着性(内容物と接触した場合の)等に対
して、さほどの悪影響を与えない。未被覆部分の
割合は、例えばフエロオキシルテスト法(JIS
H0402およびH8612)、または特願昭54−105081
号で提案されている電気化学的方法等によつて測
定される。なお本発明の方法により製造された缶
銅体は、非酸化雰囲気中で溶接されるので、従来
の缶胴体溶接部にみられるような黒色の比較的厚
い酸化鉄の露出はない。 次に本発明の製造方法を、その一実施例の説明
図である第4図を参照しながら説明する。 錫鉄合金被覆鋼板は所定サイズのブランク9に
切断されてから、通常多数枚数が積重されたスタ
ツク9′とされる。スタツク9′の溶接重ね合せ部
端面となるべき両面にローラ10によつてフラツ
クス11(第3図参照)が塗布される。そのさい
通常は、重ね合せ部となるべき面までフラツクス
が浸透する。フラツクス中の水分もしくは溶剤は
熱風乾燥機12によつて蒸散される。本実施例で
はフラツクス塗布をローラによつて行なつたが、
その他の滴当な手段、例えばスプレー、ブラシ等
を用いても差支えない。またスタツキング前後の
適当な工程で一枚宛もしくは複数枚同時に塗布し
てもよい。塗布のさいフラツクスが端面のみなら
ず、重ね合せ部となるべき面をも被覆すること
が、溶接のさい溶融錫を介して線電極と錫鉄合金
層とのなじみを良くすることによつて溶接性を向
上させる(つまり溶接可能電流範囲を広げる)上
で望ましい。 フラツクスとしては、鋼表面(従つて錫鉄合金
層表面)への溶融錫の濡れを助長するものを使用
することが必要である。この種のフラツクスとし
ては、ロジン系フラツクス(例えば、純ロジ
ン、活性化ロジン)、カルボン酸系フラツクス
(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチ
ン酸、安息香酸、酒石酸、フランカルボン酸、フ
タル酸等)、有機塩基系フラツクス(例えば、
アニリン、尿素、エチレンジアミン、アセトアミ
ド、エタノールアミン、その他のアミン類、アミ
ド類およびそのハロゲン化水素酸塩類)、無機
塩系フラツクス(例えば、塩化亜鉛、塩化アンモ
ン、塩化カリ、塩化マグネシウム、塩化第一錫そ
の他の金属塩化物)、以上の各種フラツクスの
混合物等が例示され、これらは何れも通常水もし
くは適当な溶剤によつて溶液とされて使用され
る。 以上の各種フラツクスの中でも、溶接時の高温
により容易に蒸発してしまい、溶接部に残留しな
いもの、または残留しても腐食性の消失するもの
が好ましい。フラツクスは一般に腐食性があるた
め、上記の場合は、これを水洗もしくは溶剤浸漬
等によつて溶接部から完全に除去しないと、本発
明の目的を達成することが困難となるからであ
る。以上のように本発明におけるフラツクスは、
特公昭49−36860号に開示されている抵抗発熱促
進剤とは、組成、作用効果において異なるもので
ある。 以上のようにして端面にフラツクスを塗布され
たブランク9は送り装置(図示されない)によつ
て缶胴成形機13(ロールフオームタイプ等の)
に送られ、ここで缶胴成形体14に成形された
後、マンドレル15に沿つて送り機構(図示され
ない)によつて溶接ローラ電極16まで送られ
る。ローラ電極は対向する1対の上ローラ電極1
6aおよび下ローラ電極16bよりなつている。
第3図に示されるように各ローラ電極の外周面に
は溝17aおよび17bが形成されており、その
内部を溝の深さよりも厚い線電極3aおよび3b
が通過するように構成されている。線電極3a,
3bは通常少なくとも重ね合せ部7と接触する面
が平担な銅もしくは銅合金よりなつている。そし
てその巾は重ね合せ部7の巾よりも大きいことが
望ましい。重ね合せ部7全体に一様な溶接圧力を
加えることにより、重ね合せ部7に未溶接部が残
らないようにするためである。さらに線電極の少
なくとも重ね合せ部7と対向する面には、金属錫
層18が被覆されている。溶接時に溶融したこの
金属錫が、フラツクスの濡れ作用によつて、線電
極と錫鉄合金層とのなじみをよくし、かつ端面8
に移行して、溶接はみ出し部5および残留端面
5′(第2図参照)を被覆するようにするためで
ある。上記の溶融金属錫による残留端面5′と溶
接はみ出し部5の被覆には、第3図に示すよう
に、線電極3a,3bの缶胴成形体の重ね合せ部
7およびその近傍と対接する面が、重ね合せ部の
端面8の外側に延びていることが寄与する。金属
錫層18の厚さは、約6〜25g/m2であることが
好ましい。約6g/m2より薄いと、前記なじみ性
が十分に改善されず、かつ溶接はみ出し部5と残
留端面5′の錫層による被覆が耐食性を与えるほ
ど十分でないからである。一方約25g/m2より多
いと、溶接部と線電極間にスリツプを生じ易く、
そのため一部に鉄露出部が生じて電極接触部の耐
食性が低下し、また溶接強度の不均一および前記
なじみ性や溶接はみ出し部5の被覆効果の一層の
向上を望めず、逆にコスト高という不利益が生ず
るからである。 フラツクス作用による鋼端面8への錫の移行を
円滑に行なうためには、鋼端面8および溶接はみ
出し部5が溶接時に酸化しないことが必要であ
る。そのため第4図の例ではローラ電極16の出
口側に不活性ガス(窒素、アルゴン等の)吹付け
装置19を設けて、約500℃以上に加熱された溶
接部が通過する領域が非酸化性雰囲気に保たれる
ようにしている。従つて製品の溶接部2は他の部
分と同様に美麗な金属色を呈している。 溶接条件すなわち加圧力、溶接電流等は鍛接す
なわち第5図の断面顕微鏡写真(倍率65.5%硝酸
アルコールによりエツチング)に示されるような
固相接合になるような条件を選ぶことが必要であ
る。すなわち溶融接合になると錫層が鋼中に溶け
込んでしまつて表面に錫層が残らなくなつて耐食
性が失なわれるばかりでなく、冷却後鋼中に巣が
発生して缶体の気密性が損われたり、あるいは鋼
が脆い急冷組織となつてフランジ部が破れ易くな
るからである。またスプラツシユの発生も鋼露出
の原因となるので好ましくなく、このような欠陥
の発生しない溶接条件を選ばなければならない。
電流周波数は溶接速度が大きいほど高いものが選
ばれる。溶接された缶胴体20はマンドレル15
に沿つて次の工程へ送られる。 本発明の方法により製造された溶接缶胴体は、
残留端面と溶接はみ出し部が錫層で被覆されてお
り、また電極接触部の鉄露出も従来の方法で同一
の錫鉄合金被覆鋼板のブランクから製造された缶
胴体に比べて少ないので、耐食性に優れていると
いう長所を有する。また不活性ガス雰囲気中で溶
接されるので、溶接部の外観も金属色を呈し美麗
である。さらに溶接部を塗料等の有機物被膜で補
正する場合も、下地に錫層が存在するため、有機
物被膜の厚さが比較的薄くしても内容物と接触し
た状態での優れた耐食性を実現できるという利点
を有する。 さらに本発明の製造方法によれば、溶接可能電
流範囲が大きいので溶接作業が容易であり、かつ
溶接と同時に溶接はみ出し部と残留端面の錫層被
覆が行なわれるので、該被覆のための特別の工程
を必要とせず、生産性にすぐれているという長所
を有する。 以下実施例について説明する。 実施例 板厚0.23mm、硬度(ロツクウエル30T)62の冷
延鋼ストリツプを常法により脱脂、酸洗した後、
次の条件で両面に第1表に示す3種類の錫鉄合金
被覆鋼板が得られるように電気錫めつきを行なつ
た。 浴組成: 硫酸錫 40g/ フエノールスルフオン酸(60%液とし
て) 40g/ エトキシ化αナフトールスルフオン酸
5g/ 浴 温 45℃ 電流密度 7A/dm2 続いて、これを直接通電抵抗加熱法により、錫
の融点以上の温度に0.9秒加熱して、全錫量を錫
鉄合金化した後水中で急冷した。 次にこれを30g/、50℃の重クロム酸ソーダ
水溶液中で電流密度10A/dm2で陰極処理して、
表面に0.015g/m2(クロム換算)の水和クロム
酸化物層を形成し、さらにその上に4.5mg/m2
綿実油を静電塗布した後、ぶりきサイズに切断し
た。 上記錫鉄合金被覆鋼板より、125mm×206mmのブ
ランクを作製し、これを積重してパイルの長さ
125mm側の両端面に、ゴムロールにより、オレイ
ン酸15重量部、モノエタノールアミン塩酸塩1重
量部、グリセリン2重量部、水1.5重量部、イソ
プロピルアルコール80.5重量部よりなるフラツク
スを塗布した後、熱風により溶剤を蒸散させた。
なお比較のためフラツクスを塗布しないブランク
を残した。次いでこれらのブランクより長さ125
mm、直径65.3mm、重ね合せ部巾0.4mmの缶胴成形
体をロールフオームマシンによつて作製した。 ローラ電極の直径は缶内面用のものを62mm、缶
外面用のものを110mmとし、線電極は表面に厚さ
11g/m2の電気錫めつきを行なつた軟銅丸線を第
3図の形状に平ロールで扁平化したものを使用
し、その巾は2.1mm、厚さは1.0mmであつた。なお
比較のため錫めつきを行なわない裸の軟銅線より
なる同一寸法の線電極をも使用した。 溶接は、流量10/minの窒素ガスを吹付けな
がら行ない、溶接条件は加圧力45Kg、電流周波数
50Hz溶接速度7m/分とし、スプラツシユ発生等
の起らない溶接可能電流範囲をテストによつて求
め、その電流範囲内で試験用溶接缶を作製して、
塩水噴霧テスト、鉄露出量試験およびアイアンピ
ツクアツプテストを行なつた。結果を第1表に示
す。フラツクスを使用する本発明の方法によれ
ば、溶接可能電流範囲が広いので健全な溶接部が
容易に得られ、また鉄露出面積が非溶接部と同等
程度であり、無塗装の場合の耐錆性に優れ、さら
に塗装した場合のコーラ中へ鉄溶出量も少なく、
孔食防止に効果があることが分る。 また試料No.3およびNo.9について観察した溶接
はみ出し部近傍の断面のエレクトロンプローブマ
イクロアナライザーによるX線像(Sn−Lα
線、倍率250)を、夫々第6図および第7図に示
す。写真の白色部が錫の存在を示しており、本発
明の製造方法によつて作製された試料9(第7
図)の溶接はみ出し部と残留端面は完全に錫層に
よつて被覆されていることが分る。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法により製造された溶接缶
胴体の1例の斜視図、第2図は本発明の方法によ
り製造された溶接缶胴体の溶接部断面の説明図、
第3図は第4図の−に沿う従断面の要部拡大
図であつて、溶接直前の重ね合せ部近傍の状態を
示す説明図、第4図は本発明の方法を実施する装
置の一例の説明用正面図、第5図は本発明の方法
により製造された溶接缶胴体の溶接部近傍傍断面
の金属顕微鏡写真、第6図および第7図は溶接は
み出し部近傍断面のエレクトロンプローブマイク
ロアナライザーX線像写真であつて、第6図は従
来の方法により溶接された場合、第7図は本発明
の方法により製造された場合を示す。 1……溶接缶胴体、3a,3b……線電極、5
……溶接はみ出し部、5′……残留端面、6……
錫鉄合金被覆鋼板、6b……錫鉄合金層を主とす
る層、6b′……錫層、7……重ね合せ部、8……
端面、9……ブランク、11……フラツクス、1
8……金属錫層、19……不活性ガス(非酸化性
雰囲気)吹付け装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低炭素鋼板の表面に錫鉄合金層を主とする層
    が形成された錫鉄合金被覆鋼板よりなるブランク
    より形成された缶胴成形体の対向する端縁の重ね
    合せ部を、金属錫層で被覆された線電極を介して
    電気抵抗溶接することによつて溶接缶胴体を製造
    する方法において、該線電極の該缶胴成形体に対
    接する面が平坦であつて、かつ該面の幅が該重ね
    合せ部の幅よりも大きく、該金属錫量が約25g/
    m2以下であり、かつ鋼表面への溶融錫の濡れを助
    長するフラツクスを溶接前に上記端縁の端面に附
    着させ、かつ非酸化性雰囲気中で、固相接合によ
    る電気抵抗溶接を行なうことを特徴とする、溶接
    部の溶接はみ出し部および残留端面が溶接のさい
    溶融流出した錫によつて被覆されている溶接缶胴
    体の製造方法。 2 錫鉄合金層はFeSn2を主成分とし、かつ錫量
    換算で0.05〜1.0g/m2の厚さを有する特許請求
    の範囲第1項記載の溶接缶胴体の製造方法。 3 錫鉄合金層を主とする層は、錫鉄合金層を被
    覆するクロム量換算で0.005〜0.05g/m2の厚さ
    の水和クロム酸化物層を含んでいる特許請求の範
    囲第1項記載の溶接缶胴体の製造方法。
JP5237180A 1980-04-22 1980-04-22 Welded can body and its production Granted JPS56151181A (en)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
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