JPH053041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気テープに対し斜め走査により記録
再生を行なう回転ヘツド方式記録又は再生装置に
関する。

背景技術とその問題点 従来回転ヘツド方式の磁気記録再生装置、例え
ばビデオテープレコーダ（VTR）等においては
磁気テープのローデイング機構はいわゆるＵ形、
Ω形、Ｍ形、α形或いはμ形等が採用されている
が、いずれの場合も磁気テープは回転ドラムに対
して傾斜状態でローデイングするように構成され
ているため回転ヘツドドラムに対する入口側と出
口側では段差が生じると共に磁気テープにねじれ
が生じ、この段差を解消するためにローデイング
までのテープパス系を長くすると共にローデイン
グ機構のテープガイドポストを傾斜させることに
よりテープのねじれを徐々に修正するように構成
していたので磁気テープの回転ヘツドドラムに対
するローデイングセツトまでに時間を要し、記録
再生時の応答性に難点があり又、ローデイング機
構が複雑で比較的大型になり、しかも回転ヘツド
とテープ定速送り機構のキヤプスタン軸の駆動系
は夫夫別個のモータにより駆動するか１個のモー
タから複数のベルトを介して駆動するように構成
されているので全体の構成が複雑になり量産に難
点がありコスト高になる等の不都合がある。

発明の目的 本発明は斯る点に鑑み回転ヘツド方式記録又は
再生装置において、テープパス系を同一仮想平面
上に形成し、磁気ヘツドを搭載した回転体とキヤ
プスタンとを連動させることによりテープ定速走
行系と回転ヘツドとの同期を取り安定した回転ヘ
ツドの回転と同時に安定したテープ走行を得るこ
とができるようにした回転ヘツド方式記録又は再
生装置を提供するものである。

発明の概要 本発明は回転ヘツドを搭載した回転体の回転軸
を直接駆動するモータと、この回転軸とテープ送
り機構の回転軸とを連動させる歯車を設け、上記
回転体の回転軸とテープ送り機構の回転軸とを同
期回転させ、テープを走行させると共に、上記テ
ープに対し上記回転ヘツドの斜め走査により記録
又は再生するように構成し、磁気ヘツドの回転及
び磁気テープの走行の安定化を図ると共に装置全
体の構成の簡素化及び小形化を図つたものであ
る。

実施例 以下本発明の実施例につき図面を参照しながら
説明する。

第１図は本発明を適用した回転ヘツド方式
PCMテープレコーダのテープトランスポートの
概略を示し１は回転ヘツドドラム装置で磁気ヘツ
ド２，３が搭載され、テープカセツト４には供給
ハブ５、巻取ハブ６にテープガイド７，８を介し
てテープＴが巻回されている。９，１０は回転ヘ
ツドドラム装置１に対するテープＴのローデイン
グ用のテープガイドポスト、１１は入口側テープ
ガイドポスト９側に配設されるテープガイドでこ
のローデイング用テープガイドポスト９，１０及
びテープガイド１１はハブ軸５ａ，６ａと共に回
転ヘツドドラム装置１の中心軸線１ａと平行に位
置されてテープパスが回転ヘツドドラム装置１に
ローデイングされる磁気テープＴの長手方向の中
心線が同一仮想平面上に位置するように、即ちフ
ラツトパスとして形成されている。

入口側ローデイング用テープガイド９とテープ
ガイド１１は一方のローデイングアーム１２に立
設され又、出口側ローデイング用テープガイドポ
スト１０は他方のローデイングアーム１３に立設
されて回転ヘツドドラム装置１とテープカセツト
４との間において移動可能となされている。即ち
テープカセツト４をテープトランスポートにセツ
トした状態でローデイング用テープガイドポスト
９，１０及びテープガイド１１はテープカセツト
４の前面開口部に連続して形成された切欠け凹部
４ａに、その前面側に架張状態にある磁気テープ
T′の内側において挿入され、ローデイングアー
ム１２及び１３をローデイング操作することによ
り、テープガイドポスト９、テープガイド１１及
びテープガイドポスト１０は磁気テープの架張部
分T′を引掛けた状態で回転ヘツドドラム装置の
方向に移動され、磁気テープＴは両ローデイング
用のテープガイドポスト９及び１０により回転ヘ
ツドドラム装置１に対してローデイングされる。

この磁気テープＴのローデイング状態で磁気テ
ープＴはテープカセツト４の供給側テープガイド
ローラ７とテープガイド１１との間においてテン
シヨン検出レバー１４に又、入口側ローデイング
用テープガイドポスト９とテープガイド１１との
間において消去ヘツド１５に夫々摺接される。一
方テープカセツト４の巻取側テープガイドローラ
８と出口側ローデイング用テープガイドポスト１
０との間において補助ヘツド（例えばCTLヘツ
ド）１６とキヤプスタン軸１７に摺接されキヤプ
スタン軸１７にはピンチローラ１８が磁気テープ
Ｔを介して圧接される。

このピンチローラ１８はアーム１９に支持され
てテープカセツト４のセツト時にテープカセツト
４の切欠け凹部４ａに、架張状態にある磁気テー
プT′の内側において挿入されて駆動動作即ちロ
ーデイング動作に伴なうアーム１９の回動により
気欠け凹部４ａから突出しキヤプスタン１６に圧
接される。

このようにして磁気テープＴのローデイング後
は磁気テープＴを移送すると共に回転ヘツドドラ
ム装置１の磁気ヘツド２，３を回転駆動すること
になるが、本発明においてはこの磁気テープＴの
移送と磁気ヘツド２，３の回転を連動するように
したものである。即ち回転ヘツドドラム装置１の
駆動源から連動機構Ａを介してキヤプスタン軸１
７の駆動源を取るようにしたものである。

このようにして磁気テープＴをローデイング
後、定速で同期をとつて移送させ磁気ヘツド２，
３をテープの幅方向に移動させながら回動するこ
とにより磁気テープＴに斜走査により記録パター
ンを得又、記録パターンに沿つたトラツキングを
行ない再生するものである。

この回転ヘツド装置１とキヤプスタン１７との
連動関係（連動機構Ａ）を第２図を参照して詳細
に説明する。

第２図において２１は回転ヘツド装置１の回転
ドラムであつて、回転軸２２に固着され、回転軸
２２はベアリングハウジング２３に内蔵された上
下のベアリング２４，２５により支持され回転す
る。この回転ドラム２１には直径方向に相対して
磁気ヘツド２，３が搭載されている。この磁気ヘ
ツド２，３はヘツドチツプ２ａ，３ａを電気−機
械変換素子、例えばバイモルフ素子２６，２７の
一端部に固着して構成され、この磁気ヘツド２，
３はヘツドチツプ２ａ，３ａの先端部が回転ドラ
ム２１の周面にテープの摺接方向と直交する方向
に形成した窓２８，２９から突出するようにバイ
モルフ素子２６，２７の他端を回転ドラム２１に
形成した支持部３０，３１に接着剤で固着して片
持バネ状に設置されている。

この磁気ヘツド２，３のバイモルフ素子２６，
２７の駆動用リード端子は回転ドラム２１の中央
の通し孔１ａを通し回転ドラム２１に同軸的に取
り付けられた中継基板３２に接続され、回転軸２
２に固定されたスリツプリング３３を介して外部
の駆動電源回路から駆動電圧が印加される。そし
てこのバイモルフ素子２６，２７は両面電極に駆
動電圧を印加することにより伸縮効果により変形
して自由端部が上下に振れ、ヘツドチツプ２ａ，
３ａは回転ドラム２１に対して軸方向、即ち窓２
８，２９に沿つて可動されることになる。一方磁
気ヘツド２，３のヘツドチツプ２ａ，３ａには回
転ドラム２１の軸着部２１ａに固定されたロータ
３４ａと、ベアリングハウジング２３の上口部に
固定されたステータ３４ｂから成るロータリート
ランス３４を介して記録再生信号の入出力が行な
われる。

又、回転ドラム２１の回転軸２２の下端部はベ
アリングハウジング２３の下部より突出されて
BSLモータ３５のロータ３５ａに軸着されてお
りこのモータ３５のステータ３５ｂはシヤーシ３
６の下面側に固定されている。又、ベアリングハ
ウジング２３の周面に回転ドラム２１より大径で
ドラム下面と対向として一体的に形成されて上面
周縁部がテープリードとなる平面部２３ａには
PGコイル３７が固定され回転ドラム２１にはPG
コイル３７と対応してPGマグネツト３８が取り
付けられており、このPGコイル３７とPGマグネ
ツト３８により回転ドラム２１、即ち回転ヘツド
の位相周波数制御を行なうようにしてある。

キヤプスタン軸１７はシヤーシ３６に固定され
たベアリングハウジング４１内のベアリング４
３，４４に、回転軸２２と平行に軸支され、シヤ
ーシ３６の下方に平行に固定された支持板４５に
高さ調節可能に装着されたスラスト受４６により
スラスト方向に支持されており、ドラム軸２２と
連動機構Ａを介して連動される。即ちこのキヤプ
スタン軸１７の下部には大径の歯車４７が圧入固
定され、シヤーシ３６と支持板４５との間には軸
受４８，４９によりキヤプスタン軸１７と平行に
中間軸５０が軸支されており、この中間軸５０の
中間にキヤプスタン軸１７に固定された歯車４７
と噛み合う歯車５１と回転軸２２の下端に形成さ
れた歯部２２ａと噛み合う歯車５２が一体的に圧
入固定されて連動機構Ａが構成されている。

このように構成される連動機構Ａを回転ヘツド
ドラム装置１の回転軸２２とキヤプスタン軸１７
との間に介在することにより回転ドラム２１の回
転、即ち回転軸２２のモータ３５による回転力は
回転軸２２の歯部２２ａから中間軸５０の歯車５
２，５１を介してキヤプスタン軸１７の歯車４７
に伝達され、キヤプスタン軸１７が回動される。
この回転力の伝達において中間軸５０の歯車５
１，５２は減速機構となりキヤプスタン軸１７は
回転ドラム２１より減速回転されることになる。

又、この構成において減速比により回転軸２２
の歯部２２ａのピツチサークル径を大きくする場
合は第３図に示す如く回転軸２２に直接歯形を切
削することなく、所要のピツチサークル径の歯車
５３を圧入固定する。この場合、中間軸５０には
上例のものより小径の歯車５２′を固定し、歯車
５３に噛み合せることになる。

又、第１図及び第２図に示す場合は回転ドラム
２１の回転方向とキヤプスタン軸１７の回転方向
が同方向であるが、この回転方向が逆回転の場合
はアイドラギアを附加することになる。また、こ
れとは別に歯車径比は大きくなるが回転軸２２の
歯部２２ａ又は歯車５３とキヤプスタン軸１７の
歯車４７とを直接噛合させるようにしてもよい。
さらに、第２図においては、駆動源を回転ドラム
２１側、即ち回転軸２２にBSLモータ３５を装
着してあるが、モータをキヤプスタン軸１７側に
装着し、キヤプスタン軸１７側から回転ドラム２
１に駆動力を伝達するようにしてもよい。なお、
一般にキヤプスタンは直径１mm程度以上のものを
使用し、テープスピードも低速でも数mmないし数
10mm程度のものを対象としているのでドラム回転
数30Hzの場合キヤプスタン回転数１Hz前後でよ
く、磁気テープの幅は1.905mmないし3.81mmのも
のを使用し、ピンチローラをキヤプスタンに圧接
させて磁気テープを走行させると、回転ヘツドに
より記録角を5°程度の斜走査記録パターンを得て
いる。

発明の効果 以上のように本発明によれば回転ヘツドを搭載
した回転体の回転軸を直接駆動するモータを設け
ると共にこの回転軸より歯車機構を介してテープ
送り機構の回転軸を駆動するので、キヤプスタン
は回転ドラムと確実に同期駆動されて、回転ヘツ
ドの回転と同時に安定した磁気テープの走行を得
ることができて、確実な記録又は再生が行われる
と共にキヤプスタンは直接モータにより駆動され
る回転ドラムの回転軸と歯車機構を介して駆動さ
れるので長期間にわたつて確実な駆動力の伝達が
行われて信頼性が著しく向上し、また、キヤプス
タンは回転ドラムの回転軸を直接駆動するモータ
により駆動する構成であるため装置全体の構成が
簡素化されて小形化が可能となりコストを低減で
きる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による回転ヘツド方式記録又は
再生装置の略線的平面図、第２図は要部の縦断面
図、第３図はドラム回転軸の他例の一部分の縦断
面図である。 図中１は回転ヘツドドラム装置、２，３は磁気
ヘツド、４はテープカセツト、９，１０はローデ
イング用テープガイドポスト、１７はキヤプスタ
ン軸、１８はピンチローラ、２１は回転ドラム、
２２は回転軸、２２ａは歯部、４７，５１，５
２，５３は歯車、Ａは連動機構、Ｔは磁気テープ
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転ヘツドを搭載した回転体の回転軸を直接
   駆動するモータと、 上記回転軸とテープ送り機構の回転軸とを連動
   させる歯車機構を設け、 上記回転体の回転軸と上記テープ送り機構の回
   転軸とを同期回転させ、テープを走行させると共
   に、上記テープに対し上記回転ヘツドの斜め走査
   により記録又は再生するようにしたことを特徴と
   する回転ヘツド方式記録又は再生装置。