JPH05303991A - 放電管 - Google Patents

放電管

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JPH05303991A
JPH05303991A JP4107661A JP10766192A JPH05303991A JP H05303991 A JPH05303991 A JP H05303991A JP 4107661 A JP4107661 A JP 4107661A JP 10766192 A JP10766192 A JP 10766192A JP H05303991 A JPH05303991 A JP H05303991A
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electrode
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Yoshizumi Idei
義純 出井
Takuji Kinoshita
卓司 木下
Kunio Hoshino
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    • H01T4/10Overvoltage arresters using spark gaps having a single gap or a plurality of gaps in parallel
    • H01T4/12Overvoltage arresters using spark gaps having a single gap or a plurality of gaps in parallel hermetically sealed

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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】製造が困難な平等電界形成電極形状によらずと
も安定した放電を行うことができ、また、ガス漏れ等の
ない信頼性の高い放電管を提供する。 【構成】外囲器(12,14)の両端絞り込み部12
b,14中に、それぞれ、絞り込み部の相手電極に面す
る内端面12d,14aから相手電極より遠ざかる位置
に電極の先端部が位置するように電極5a,5bを配設
し、外囲器の内部空間S内に電極が突出することなく電
極全体が外囲器の絞り込み部で覆われる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電管に係り、特に放電
を安定させるのに好適な放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、絶縁管内に放電気体を封入
し、絶縁管の両端部に封着した放電電極間に電圧を印加
して放電させるようにした放電管は、様々な分野で広く
用いられている。
【0003】図4はこのような従来の放電管1を示した
もので、アルミナセラミックス等で形成され、両端部が
内方に絞り込まれた中空円筒状の外囲器としての絶縁管
2を有しており、この絶縁管2は、本体部2aと蓋体部
2bとをガラスフリット3等の接着材で接合することに
より形成されるようになっている。また、上記絶縁管2
の両端絞り込み部に形成された開口部4には、平等電界
形成電極形状であるロゴスキ電極、ハリソン電極等の形
状に孔明きの金属薄板をプレス成形してなる一対の電極
5が配設されており、この各電極5の基端フランジ部
5′が上記開口部4の周縁部4′と係合するようになっ
ている。
【0004】また、上記電極5が配設された絶縁管2の
両端開口部4を外側から覆うように導電性の金属板から
なる蓋状の電極基台6が設けられており、この電極基台
6が上記絶縁管2の開口周縁部4′との間に上記電極5
の基端フランジ部5′を挟み込むようになっている。そ
して、上記電極基台6の端面6′が上記絶縁管2の端面
に形成されたメタライズ面7にろう付け等で溶着される
ことで、上記電極基台6により電極5が保持されると共
に、電極5が配設された開口部4が封止されるようにな
っている。
【0005】また、上記電極基台6の一方には、絶縁管
2内に高圧のアルゴン等の放電気体を封入するための封
入パイプ8が設けられており、この封入パイプ8は、放
電気体封入後に封止されるようになっている。
【0006】斯かる放電管1においては、放電電極を構
成する電極基台6間に所定の電圧が印加されることで、
対向する電極5の先端間である放電間隙Gにおいて平等
電界が形成されるようになっており、斯かる放電間隙G
において安定した放電が生ずるようになっている。
【0007】また、上記絶縁管2の両端絞り込み部によ
り、一方から他方の電極5までの絶縁管2の内壁面に沿
った距離が長くなっており、絶縁管2の内面に沿った沿
面放電の発生を防いで、上記放電間隙Gにおいて十分な
放電開始電圧をもって放電が生ずるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の放
電管1においては、放電気体が封入された絶縁管2の内
部空間に電極5全体が突出して配設されているので、放
電管1の近傍に所定電位の導体が位置する場合には、こ
の導体による電界の影響を強く受けて放電開始電圧が大
きく変動することがあり、上記した放電管外部の影響に
より安定した放電が得られなくなるという不都合を有し
ている。
【0009】また、上記電極5が平等電界形成電極形状
であるロゴスキ電極、ハリソン電極等の形状となってい
るので、その表面加工等に精密な加工技術が要求され、
その製造が極めて困難であり、製造コスト等が極めて嵩
んでしまうという不都合を有している。
【0010】さらに、図5は各種の平等電界形成電極の
断面形状を示したもので、図5に示したように、ロゴス
キ電極においては、放電間隙Gにより異なるが、120
°ロゴスキ電極においては放電間隙Gの約10倍、90
°ロゴスキ電極においては放電間隙Gの約6.5倍、平
等電界を形成する最もよい電極とされているハリソン電
極においても、放電間隙Gの約5.6倍の大きさの直径
を有する電極が必要となり、放電管1全体の直径寸法が
極めて大きくなってしまい、反対に、限られた直径の電
極においては、その直径の約1/10〜1/5.6の放
電間隙Gしか得られず、所望の放電開始電圧を得るため
には、極めて高圧の放電気体を封入しなければならなく
なっている。また、その曲面形状は極めて精密な加工を
必要とし、僅かな曲率の相違でも平等電界でなくなり、
その付近が高電界となり、その部分で放電し放電が安定
しないという不都合を有している。
【0011】一方、上記放電管1は、本体部2aと蓋体
部2bとをガラスフリット3等の接着材で接合すること
により、上記両端部が絞り込まれた絶縁管2が形成され
るようになっており、また、本体部2a及び蓋体部2b
の電極5が配設された開口部4が、絶縁管2の両端絞り
込み部に溶着される電極基台6で封止されるようになっ
ているので、絶縁管2内に封入される高圧の放電気体の
圧力が封止部である上記電極基台6に作用することで、
上記蓋体部2bにも作用するようになり、斯かる圧力に
対して本体部2aと蓋体部2bとの接着力が十分でない
場合には、接着部が破損してガス漏れ等が生じるおそれ
があり、所望の放電特性が得られなくなるという不都合
を有している。
【0012】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、製造の困難な電極形状によらずとも安定した放電を
得ることができ、また、ガス漏れ等のない信頼性の高い
放電管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る放電管は、絶縁物よりなる外囲器の両
端部に相対向する一対の放電電極を設け、上記外囲器内
に放電気体を封入してなる放電管において、上記外囲器
を本体部と、この本体部の少なくとも一方の端部におい
て内方に絞り込み形成された絞り込み部とで構成し、こ
の絞り込み部で上記一方の放電電極を取り囲むごとく一
方の放電電極を配設すると共に、上記絞り込み部の相手
放電電極に面する内端面の位置から相手放電電極より遠
ざかる位置に、上記一方の放電電極の先端部が位置する
ように配設したことをその特徴とするものである。
【0014】また、上記外囲器の本体部に第1の導電面
を設けると共に、上記絞り込み部の外面に上記第1の導
電面と導通した第2の導電面を設け、上記第1の導電面
及び上記第2の導電面に、上記一方の放電電極の電位を
与えることをその特徴とするものである。
【0015】さらに、外囲器の絞り込み部を蓋体部で構
成し、本体部に第1の導電面を設けると共に、蓋体部の
外面に第2の導電面を設け、蓋体部の本体部への接合面
に第2の導電面と導通した第3の導電面を設け、第1の
導電面と第3の導電面とを封着すると共に、上記それぞ
れの導電面に上記一方の放電電極の電位を与えることを
その特徴とするものである。
【0016】またさらに、本体部と蓋体部とを接合して
なる両端部を内方に絞り込み形成した絶縁物からなる外
囲器の両端絞り込み部に、相対向する一対の放電電極を
設け、上記外囲器内に放電気体を封入してなる放電管に
おいて、上記外囲器の本体部に、相対向する第1の導電
面を設けると共に、上記外囲器の両端絞り込み部に、上
記第1の導電面と導通した相対向する第2の導電面を設
け、上記第1の導電面又は第2の導電面の相対向するそ
れぞれの導電面に、このそれぞれの導電面に対応した上
記それぞれの放電電極の電位を与え、少なくとも上記蓋
体部が接合された側の上記第1の導電面の一方に、上記
蓋体部側の一方の放電電極を封着したことをその特徴と
するものである。
【0017】
【作用】本発明によれば、外囲器の絞り込み部中に、絞
り込み部の相手放電電極に面する内端面の位置から相手
放電電極より遠ざかる位置に放電電極の先端部が位置す
るように放電電極を配設してなるから、外囲器の内部空
間内に放電電極が突出することなく放電電極全体が外囲
器の絞り込み部で覆われるようになり、放電管の外部の
電界等の影響を受けて放電が安定しなくなる等の事態を
防ぐことができ、安定した放電を得ることができるもの
である。
【0018】また、放電電極を取り囲むように配された
外囲器の絞り込み部中に形成される電界と、放電電極に
与えられた電位により外囲器の本体部中に形成される電
界とが協働して、放電電極先端部付近の電界を形成する
ため、放電電極が絞り込み部で取り囲まれていない放電
電極だけの場合より、放電電極先端部付近の電界をより
平等電界に近い電界にすることができ、これにより安定
した放電を得ることができるものである。
【0019】さらに、外囲器の絞り込み部を蓋体部で構
成し、本体部に第1の導電面を設けると共に、蓋体部の
外面に第2の導電面を設け、蓋体部の本体部への接合面
に第2の導電面と導通した第3の導電面を設け、第1の
導電面と第3の導電面とをろう材等により封着すること
により、本体部と蓋体部とを強固に接合することがで
き、ガス漏れ等のない信頼性の高い放電管を得ることが
できるものである。
【0020】またさらに、外囲器の蓋体部が接合された
側は、放電電極を蓋体部に封着せずに、外囲器の本体部
に封着するようにしているので、封止部である放電電極
に作用する高圧のガス圧力が蓋体部に直接作用すること
がなくなり、ガス圧による本体部と蓋体部との接合部の
破損を防いで、ガス漏れ等のない所望の性能が得られる
信頼性の高い放電管を得ることができるものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図3を参照
して説明する。図1は本発明に係る放電管1の第1の実
施例を示したもので、アルミナセラミックス等の絶縁物
からなる円筒体11が設けられており、この円筒体11
の内面には、内方に絞り込み形成されると共に、円筒体
11の一側に膨出形成された隔壁部12が一体に設けら
れている。また、上記隔壁部12の他側には、切欠き部
13が形成されており、この切欠き部13には、上記円
筒体11の他側に絞り込みながら膨出形成された上記隔
壁部12とは別体で、同様の絶縁物からなる蓋体部14
がガラスフリット3等の接着材を介して接合されるよう
になっている。
【0022】また、上記隔壁部12の一側外表面には、
その周縁平面部12aから中央膨出部12bにわたっ
て、メタライズ等の手段により金属化された導電面(第
1及び第2の導電面)15aが形成されており、上記隔
壁部12の他側外表面にも、上記切欠き部13を除いた
周縁平面部12cに導電面(第1の導電面)15bが形
成されている。また、上記蓋体部14の外表面にも、同
様な導電面(第2の導電面)16が形成されている。な
お、上記隔壁部12の導電面15aを、その周縁平面部
12aの導電面(第1の導電面)15a′と、その中央
膨出部12bの導電面(第2の導電面)15a″とに分
離形成してもよく、これらの導電面15a′,15a″
が導通状態にあればよい。
【0023】また、上記隔壁部12及び蓋体部14の各
膨出部分中央には、後述する電極5が配設される開口部
4a,4bがそれぞれ形成されている。そして、上記隔
壁部12側の開口部4aが、隔壁部12の膨出部分12
bの導電面15aにろう材17を介して溶着される金属
板からなる電極基台6aで封止されるようになってお
り、また、上記蓋体部14側の開口部4bが、上記隔壁
部12の他側の導電面15b及び蓋体部14の導電面1
6の一部にろう材17を介して封着される電極基台6b
で封止されるようになっている。なお、上記隔壁部12
の他側の導電面15bと上記蓋体部14の導電面16と
が所定の手段で導通状態にあれば、上記電極基台6bの
封着箇所は、隔壁部12側の導電面15bだけでよい。
【0024】また、上記隔壁部12の両側に封着された
上記各電極基台6a,6bの内面には、タングステン、
モリブデン等の高融点金属であるスパッタ防止金属材か
らなる電極5a,5bが溶接等により固着されており、
この各電極5a,5bが上記各開口部4a,4b内にそ
れぞれ配設されて、各電極の先端面5a′,5b′が隔
壁部12及び蓋体部14の各内端面12d,14aより
それぞれ相手電極から遠ざかる位置に位置するようにな
されている。そして、各電極5a,5b全体がそれぞれ
隔壁部12及び蓋体部14で覆われるようになってい
る。
【0025】また、上記一方の電極基台6bには、その
電極5bで孔全部が覆われない位置に封入孔18が形成
されており、さらに、上記電極基台6bの外面には、上
記封入孔18と連通した封入パイプ8が固着されるよう
になっている。
【0026】本実施例の放電管1においては、上記隔壁
部12及び蓋体部14が従来の放電管(図4)の絶縁管
2として機能し、隔壁部12が絶縁管2の本体部2a、
蓋体部14が絶縁管2の蓋体部2bとして機能するよう
になっており、上記隔壁部12と蓋体部14とで形成さ
れる空間が、隔壁部12及び蓋体部14に相対向して配
設された電極5a,5bの放電間隙Gの周囲に形成され
る放電空間Sとなるようになっている。また、上記隔壁
部12及び蓋体部14の各膨出部分が、従来の絶縁管2
の両端絞り込み部に相当するようになっている。さら
に、上記各電極基台6及びそれに固着される各電極5に
より、上記絶縁管2の両端部に封着される各放電電極が
構成されるようになっており、上記一方の電極基台6b
に設けられた封入パイプ8及び封入孔18を介して、放
電管内に高圧の放電気体が封入されるようになってい
る。
【0027】従って、本実施例においては、隔壁部12
と蓋体部14とで形成される放電空間S内に各電極5
a,5bが突出せずに、各電極5a,5b全体がそれぞ
れ隔壁部12及び蓋体部14で覆われるようになってお
り、放電管1の外部の電界等の影響を受けて各電極5
a,5bにおける放電が安定しなくなる等の事態を防ぐ
ことができ、安定した放電を得ることができる。
【0028】また、本実施例においては、上記電極基台
6a,6b間に電圧を印加すると、上記隔壁部12の周
縁平面部分の両側に相対向して形成された導電面15a
(15a′),15b間に電位が与えられるようにな
り、斯かる導電面15a(15a′),15b間の隔壁
部分に平等電界に近似した電界が形成されるようになっ
ており、また、上記隔壁部12の膨出部分12b及び蓋
体部14に相対向して形成された導電面15a(15
a″),16間にも電位が与えられるようになり、少な
くとも上記放電空間Sに対応した範囲の導電面15a
(15a″),16が平行平板状に形成されることで、
放電空間S内に平等電界に近似した電界が形成されるよ
うになっている。
【0029】そして、上記隔壁部12の周縁平面部分及
び放電空間Sに形成される平等電界同士が協働し合うこ
とで、平等電界領域が広い放電管1を得ることができ、
従来のように、電極の形状をその製造が困難な平等電界
形成電極形状であるロゴスキ電極、ハリソン電極等の形
状とすることなしに、即ち、その先端表面形状を特殊な
曲面形状とすることなく、例えばその先端部の断面を四
分円状に面取りを行っただけでも、相対向する電極5
a,5b間の放電間隙Gにおいて安定した放電が行われ
るようにすることができる。
【0030】また、上記したように、蓋体部14の開口
部4bの封止を、大部分が隔壁部12側に封着される電
極基台6bで行っており、この電極基台6bが蓋体部1
4側にはほとんど封着されていないので、上記放電管1
内に封入される高圧の放電気体の圧力が封止部である上
記電極基台6bに作用しても、斯かる圧力が蓋体部14
にはほとんど作用しないようになり、斯かる圧力により
蓋体部14と隔壁部12との接着部が破損するおそれが
少なくなる。このため、絶縁管の本体部として機能する
隔壁部12と、絶縁管の蓋体部として機能する蓋体部1
4との接着部がガス圧で破損して、ガス漏れ等が生じる
おそれがなくなり、ガス漏れ等により所望の放電特性が
得られなくなることを防いで、安定した性能が得られる
信頼性の高い放電管を得ることができる。
【0031】なお、上記したように、電極5a,5bを
スパッタ防止材で形成することにより、陰極となる一方
の電極5a又は5bのスパッタリングを防ぐことがで
き、また、特定の平等電界形成電極形状ではない、即
ち、その先端表面形状が特殊な曲面形状ではない上記電
極5a,5bの先端角部を面取りするようにすれば、斯
かる角部において局部的に強電界となって放電開始電圧
のばらつきが大きくなることを防ぐことができる。
【0032】また、上記円筒体11が放電管1の外部沿
面放電を防止する筒体として機能し、これにより、より
安定した放電を得ることができる。
【0033】また、図2は本発明に係る放電管1の第2
の実施例を示したもので、上記隔壁部12の他側に嵌着
される上記蓋体部14の形状を、上記した円筒体11の
他側に絞り込みながら膨出形成された形状とせずに、ほ
ぼ平板状の形状としたものである。また、上記隔壁部1
2の他側には、その内周部分に円筒体11の軸方向に突
出する係合凸部12eが形成されており、上記平板状の
蓋体部14の嵌着面には、上記係合凸部12eと係合す
る係合凹部14bが形成されている。また、上記隔壁部
12の他側外表面には、上記係合凸部12eを除いた周
縁平面部12cにメタライズ等の手段により金属化され
た導電面(第1の導電面)15bが形成されており、上
記蓋体部14の外表面にも同様の導電面(第2の導電
面)16が形成されており、さらに、上記蓋体部14の
嵌着面にも、上記導電面16と導通状態にある導電面
(第3の導電面)19が形成されている。
【0034】そして、上記隔壁部12の係合凸部12e
と蓋体部14の係合凹部14bとを係合させて、隔壁部
12の導電面15bと蓋体部14の導電面19とをろう
材17を介して溶着すると共に、上記係合凸部12eと
係合凹部14bとの間にガラスフリット3等の接着材を
充填することで、上記隔壁部12に蓋体部14が強固に
嵌着、接合されるようになっている。
【0035】また、本実施例においては、上記したよう
に隔壁部12の導電面15bと蓋体部14の導電面19
とが封着されており、隔壁部12と蓋体部14との接合
が極めて強固になされているので、上記第1の実施例の
ように蓋体部14側の電極基台6bが隔壁部12側に封
着されることなく、蓋体部14の導電面16に直接封着
されるようになっている。
【0036】なお、図中符号20は外部接続電極であ
り、また、上記隔壁部12及び蓋体部14の各開口部4
a,4b内に配設される各電極5a,5bの先端面5
a′,5b′が隔壁部12及び蓋体部14の各内端面1
2d,14aよりそれぞれ相手電極から遠ざかる位置に
位置して、各電極5a,5b全体が隔壁部12及び蓋体
部14で覆われるようになされている点等、その他の構
成は上記第1の実施例と同様である。
【0037】従って、本実施例においても、各電極5
a,5b全体がそれぞれ隔壁部12及び蓋体部14で覆
われるようになっており、放電管1の外部の電界等の影
響を受けて各電極5a,5bにおける放電が安定しなく
なる等の事態を防ぐことができ、安定した放電を得るこ
とができる。
【0038】また、上記隔壁部12の周縁平面部分と、
隔壁部の膨出部分12b及び蓋体部14とに形成される
平等電界同士が協働し合うことで、平等電界領域が広い
放電管1を得ることができ、放電間隙Gにおいて安定し
た放電が行われるようにすることができる。
【0039】さらに、上記隔壁部12の係合凸部12e
と蓋体部14の係合凹部14bとが係合し、係合凸部1
2eと係合凹部14bとの間に接着材が充填された状態
で、隔壁部12の導電面15bと蓋体部14の導電面1
9とが封着されるようになっているので、隔壁部12に
蓋体部14が極めて強固に嵌着、接合されるようにな
り、ガス漏れ等のない信頼性の高い放電管1を得ること
ができ、また、上記係合凸部12eと係合凹部14bと
の係合により、斯かる部分に僅かな間隙21が形成され
るようになり、これにより、放電管1の内部沿面距離を
長くすることができ、内部沿面放電の発生を抑えて、よ
り放電を安定させることができる。なお、上記間隙21
部分に上記したように接着材が充填されていなくても、
内部沿面防止という点では同様の効果が得られる。
【0040】またさらに、上記蓋体部14がほぼ平板状
に形成されているので、斯かる部分をアルミナセラッミ
クス等の絶縁物で形成する際の加工性が向上し、かつ、
加工精度を高めることができ、これにより、上記隔壁部
12に蓋体部14を組み付ける際の位置精度を高精度に
保持することができ、量産に適した構造とすることがで
きる。
【0041】さらに、図3は本発明に係る放電管1の第
3の実施例を示したもので、上記円筒体11の隔壁部1
2の両側部分においてそれぞれ内方に絞り込み形成され
た部分をともに平板状の蓋体部22,14で形成し、こ
の各蓋体部22,14が上記隔壁部12に嵌着、接合さ
れるようにしたものであり、その他の構成は、上記第2
の実施例と同様の構成となっている。
【0042】本実施例においても、上記第2の実施例と
同様の効果を得ることができ、また、上記平板状の蓋体
部22,14を採用することで、より量産性を高めるこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る放電管
は、外囲器の絞り込み部中に、絞り込み部の相手放電電
極に面する内端面の位置から相手放電電極より遠ざかる
位置に放電電極の先端部が位置するように放電電極を配
設してなるから、外囲器の内部空間内に放電電極が突出
することなく放電電極全体が外囲器の絞り込み部で覆わ
れるようになり、放電管の外部の電界等の影響を受けて
放電が安定しなくなる等の事態を防ぐことができ、安定
した放電を得ることができる。
【0044】また、放電電極を取り囲むように配された
外囲器の絞り込み部中に形成される電界と、放電電極に
与えられた電位により外囲器の本体部中に形成される電
界とが協働して、放電電極先端部付近の電界を形成する
ため、放電電極が絞り込み部で取り囲まれていない放電
電極だけの場合より、放電電極先端部付近の電界をより
平等電界に近い電界にすることができ、これにより安定
した放電を得ることができる。
【0045】さらに、外囲器の絞り込み部を蓋体部で構
成し、本体部に第1の導電面を設けると共に、蓋体部の
外面に第2の導電面を設け、蓋体部の本体部への接合面
に第2の導電面と導通した第3の導電面を設け、第1の
導電面と第3の導電面とをろう材等により封着すること
により、本体部と蓋体部とを強固に接合することがで
き、ガス漏れ等のない信頼性の高い放電管を得ることが
でき、また、外囲器を組み立てる際の寸法精度が出し易
くなり、量産性をより高めることができる。
【0046】またさらに、外囲器の蓋体部が接合された
側は、放電電極を蓋体部に封着せずに、外囲器の本体部
に封着するようにしているので、封止部である放電電極
に作用する高圧のガス圧力が蓋体部に直接作用すること
がなくなり、ガス圧による本体部と蓋体部との接合部の
破損を防いで、ガス漏れ等のない所望の性能が得られる
信頼性の高い放電管を得ることができる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放電管の第1の実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明に係る放電管の第2の実施例を示す断面
図である。
【図3】本発明に係る放電管の第3の実施例を示す断面
図である。
【図4】従来の放電管を示す断面図である。
【図5】各種平等電界形成電極における放電間隙と直径
との関係を示す図である。
【符号の説明】
S 放電空間 G 放電間隙 1 放電管 2 絶縁管 3 ガラスフリット 4,4a,4b 開口部 5,5a,5b 電極 6,6a,6b 電極基台 8 封入パイプ 11 円筒体 12 隔壁部 12a,12c 隔壁部の周縁平面部 12b 隔壁部の中央膨出部 12d 隔壁部の内端面 12e 隔壁部の係合凸部 13 切欠き部 14,22 蓋体部 14a 蓋体部の内端面 14b 蓋体部の係合凹部 15a 導電面 15a′,15b 第1の導電面 15a″,16 第2の導電面 17 ろう材 18 封入孔 19 第3の導電面 20 外部接続電極 21 係合凸部と係合凹部との係合部分に
形成される間隙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁物よりなる外囲器の両端部に相対向
    する一対の放電電極を設け、上記外囲器内に放電気体を
    封入してなる放電管において、 上記外囲器を本体部と、この本体部の少なくとも一方の
    端部において内方に絞り込み形成された絞り込み部とで
    構成し、この絞り込み部で上記一方の放電電極を取り囲
    むごとく一方の放電電極を配設すると共に、上記絞り込
    み部の相手放電電極に面する内端面の位置から相手放電
    電極より遠ざかる位置に、上記一方の放電電極の先端部
    が位置するように配設したことを特徴とする放電管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放電管において、上記外
    囲器の本体部に第1の導電面を設けると共に、上記絞り
    込み部の外面に上記第1の導電面と導通した第2の導電
    面を設け、上記第1の導電面及び上記第2の導電面に、
    上記一方の放電電極の電位を与えることを特徴とする放
    電管。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の放電管において、
    上記外囲器を本体部と、一つの蓋体部とで構成すると共
    に、この蓋体部を上記絞り込み部として構成し、上記本
    体部に第1の導電面を設けると共に、上記蓋体部の外面
    に第2の導電面を設け、上記蓋体部の本体部への接合面
    に上記第2の導電面と導通した第3の導電面を設け、上
    記第1の導電面と第3の導電面とを封着すると共に、上
    記それぞれの導電面に上記一方の放電電極の電位を与え
    ることを特徴とする放電管。
  4. 【請求項4】 本体部と蓋体部とを接合してなる両端部
    を内方に絞り込み形成した絶縁物からなる外囲器の両端
    絞り込み部に、相対向する一対の放電電極を設け、上記
    外囲器内に放電気体を封入してなる放電管において、 上記外囲器の本体部に、相対向する第1の導電面を設け
    ると共に、上記外囲器の両端絞り込み部の外面に、上記
    第1の導電面と導通した相対向する第2の導電面を設
    け、上記第1の導電面又は第2の導電面のそれぞれに、
    このそれぞれの導電面に対応した上記それぞれの放電電
    極の電位を与え、少なくとも上記蓋体部が接合された側
    の上記第1の導電面の一方に、上記蓋体部側の一方の放
    電電極を封着したことを特徴とする放電管。
  5. 【請求項5】 本体部と少なくとも一つの蓋体部とを接
    合してなる両端部を内方に絞り込み形成した絶縁物から
    なる外囲器の両端絞り込み部に、相対向する一対の放電
    電極を設け、上記外囲器内に放電気体を封入してなる放
    電管において、 上記外囲器の本体部に、相対向する第1の導電面を設け
    ると共に、上記外囲器の両端絞り込み部の外面に、相対
    向する第2の導電面を設け、少なくとも上記一方の絞り
    込み部を構成する上記蓋体部の本体部への接合面に上記
    第2の導電面と導通した第3の導電面を設け、上記第1
    の導電面の一方と第3の導電面とを封着すると共に、上
    記それぞれの導電面に対応した上記それぞれの放電電極
    の電位を与えることを特徴とする放電管。
  6. 【請求項6】 請求項3又は5記載の放電管において、
    上記本体部と蓋体部との接合部に、本体部又は蓋体部の
    何れか一方に係合凸部を形成すると共に、他方に上記係
    合凸部と係合する係合凹部を形成したことを特徴とする
    放電管。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか記載の放電管に
    おいて、上記放電電極を放電を形成する電極と、この電
    極を保持する電極基台とで形成し、この一方の放電電極
    の電極基台に、封入孔を形成すると共に、この封入孔と
    連通した封入パイプを設け、上記封入孔の全部を覆わな
    い位置に、上記電極を設けたことを特徴とする放電管。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか記載の放電管に
    おいて、上記放電電極の放電を形成する電極を高融点金
    属で構成したことを特徴とする放電管。
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