JPH05302431A

JPH05302431A - 移動式型枠装置および型枠工法

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Publication number: JPH05302431A
Application number: JP13586692A
Authority: JP
Inventors: Fumio Hata; 文男秦; Hiroyuki Yamamoto; 啓幸山本; Tadanori Sugita; 忠則杉田; Kikutaro Sakai; 菊太郎酒井; Tsutomu Imai; 努今井
Original assignee: Kajima Corp; Toa Corp; Daisue Construction Co Ltd
Current assignee: Kajima Corp; Toa Corp; Daisue Construction Co Ltd
Priority date: 1992-04-27
Filing date: 1992-04-27
Publication date: 1993-11-16
Anticipated expiration: 2012-07-16
Also published as: JP2631598B2

Abstract

(57)【要約】【目的】剛性の大きいトラス部材ユニットを型枠面板
の補強材としたので、セパレーターの数をきわめて少な
くでき、特に大型の型枠を組立る場合にセパレーターの
設置作業が簡略化して手間と時間を節約でき、安全性の
向上も図れる。【構成】剛性の大きいトラス部材ユニット22を型枠面
板23の補強材とし、該トラス部材ユニット22を台車19に
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構造物を
造るための移動式型枠装置および型枠工法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンクリート構造物を造るには、
型枠を組立て、そこにコンクリートを流し込み、一定期
間養生した後、型枠を解体して所定の形状を得る。そし
て、一般に型枠は木製合板、金属板を型枠面板（せき
板）として、これを木材や鋼材での補強材で補強し、次
にそれらをセパレーターとよばれる鋼棒で継ぎ固定して
組立てる。

【０００３】特に、大型型枠とよばれる型枠は、前記補
強材としては断面係数の大きな溝形鋼やＨ形鋼、又はワ
イドパネルビームと称せられる市販の鋼材を使用する。

【０００４】また、下部に車輪を設けて移動式とした型
枠装置も存在する。図17、図18はその一例を示すもの
で、ボックスカルバート製作用の移動式型枠装置であ
る。

【０００５】この型枠装置は、下部に鉄車輪１とジャッ
キ脚２を並べて設けた枠組台車３に内型枠４と外型枠５
を設ける。これら内型枠４および外型枠５はともに、ワ
イドパネルビームと称せられる鋼製ビーム６を補強材と
し、この鋼製ビーム６に金属製型枠面板７（メタルフォ
ーム）を張設した構成で、セパレーターとしての埋込み
タイボルト８で間隔を存するこれら内型枠４と外型枠５
とを繋ぐ。

【０００６】さらに、内型枠４は左右の側板用のものが
上部の天板用のものにヒンジに結合し、下部をターンバ
ックル９で枠組台車３に結合する。図中10は必要に応じ
て左右の側板用の内型枠４の上部と枠組台車３間に介在
させるブラケットである。

【０００７】ボックスカルバートの床板部分が先に施工
されていて、この上にボックスカルバートを作製するた
めの鉄筋が門形に組まれるとして、この鉄筋の内側に内
型枠４が入り込むように枠組台車３を鉄車輪１で走行さ
せ、次いで、ジャッキ脚２を伸長して鉄車輪１を浮かし
た状態として枠組台車３を固定し、鉄筋の外側に外型枠
５を配置し、埋込みタイボルト８で内型枠４と外型枠５
を連結してコンクリートを内型枠４と外型枠５間に打設
する。

【０００８】コンクリート養生後は、埋込みタイボルト
８との結合を解除し、さらに、ブラケット10を撤去し、
ターンバックル９を縮めれば、内型枠４は左右の側板用
のものが傾斜してコンクリート面から離れる。また、ジ
ャッキ脚２を縮めれば、枠組台車３が降下して鉄車輪１
が接地する状態となるとともに内型枠４の天板用のもの
もコンクリート面から離れる。このようにして脱型した
内型枠４は枠組台車３とともに鉄車輪１で移動し、次の
型枠設置に転用する。

【０００９】一方、外型枠５は適宜取り外してクレーン
等の揚重手段で移動し、前記移動する内型枠４に再度組
み込む。

【００１０】ところで、型枠を組立てる前には、補強材
やセパレーターの数量やピッチを決めるために設計計算
を実施する。一般に、普通型枠の場合で直径６〜９mmの
セパレーターを50〜60cmピッチ、図17、図18に示す移動
型枠も含めて大型型枠で直径12〜16mmのセパレーターを
50〜60cmピッチに縦横に配置しなければならない。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】このように組立てる型
枠の面積が広くなればなるほど、セパレーターの数が多
くなり、取付ける手間がかかる。また、鉄筋コンクリー
トの場合は、組立てられた鉄筋が邪魔をしてなおさら手
間がかかり、さらに、型枠の高さが高くなると当然作業
時の危険度も増加する。

【００１２】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、セパレーターの数をきわめて少なくでき、特に大型
の型枠を組立てる場合にセパレーターの設置作業が簡略
化して手間と時間を節約でき、安全性の向上も図れる移
動式型枠装置および型枠工法を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、移動式型枠装置としては、剛性の大きいトラ
ス部材ユニットを型枠面板の補強材とし、該トラス部材
ユニットを台車に設けたこと、および、トラス部材ユニ
ットはジャッキを介して位置調整自在に台車に設けるこ
と、さらに、トラス部材ユニットで補強された型枠に、
漏斗状の受台部を設け、この受台部にセパレーターとし
てのネジ鋼棒を固定する円錐または四角錐状の固定部を
嵌め込むこと、もしくは、台車は、走行駆動装置を設け
た自走台車であることを要旨とするものである。

【００１４】また、移動式型枠工法としては、剛性の大
きいトラス部材ユニットを型枠面板の補強材とし、該ト
ラス部材ユニットを台車に設けた移動式型枠装置を該型
枠面板相互を対向させて並列させ、この型枠面板間にコ
ンクリートを打設することを要旨とするものである。

【００１５】

【作用】請求項１記載の本発明によれば、型枠面板の補
強材としては剛性の大きいトラス部材ユニットを使用す
ることで、セパレーターの数をきわめて少なくすること
ができる。その結果、セパレーターの設置作業が簡略化
して手間と時間を節約でき、安全性の向上も図れる。

【００１６】請求項２記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ジャッキを伸縮することで簡単に型枠の位置
を調整することができ、設置や脱型も容易であるととも
に、柱が壁から飛び出しているような複雑な形状でもジ
ャッキを収縮することで型枠面板を内側に引っ込めて対
応できる。

【００１７】請求項３記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、セパレーターの配設を簡単に行うことができ
る。

【００１８】請求項４記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、台車が自走するので型枠の移動を簡単に行う
ことができる。

【００１９】請求項５記載の本発明によれば、複数の移
動式型枠装置を並列状態で組み合わせることにより、複
数箇所の同時施工が可能となるもので、型枠全体が移動
可能なもので、例えば管廊、水路Ａ、水路Ｂと３連に水
処理施設用の処理槽の施工などにおいて、５台の移動式
型枠装置を並列させて使用することにより、３連全断面
を一度に施工することができるなど、施工の合理化を図
ることができる。

【００２０】

【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図１は本発明の移動式型枠装置および型枠工
法の１実施例を示す正面図、図２は同上平面図で、先に
施工するコンクリート構造物について説明すると、水処
理施設の生物反応槽で、これは図11に示すように左から
水路Ｂ11、水路Ａ12、管廊13が並ぶような構成である。

【００２１】このような構造の生物反応槽を構築するに
は、図11に示すように底盤14部分を先ず施工し、次いで
図12に示すようにこの底盤14上に下部ハンチ15を施工す
る。そして、図13に示すようにこの底盤14の上および脇
にレール16を敷設する。さらに図14に示すように鉄筋組
立足場17を組立て、図示は省略するがこの足場17を使用
して壁鉄筋を組立てる。

【００２２】この状態で本発明の移動式型枠装置を設置
する。該移動式型枠装置はＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅの５タイ
プのものである。このうちＡ型型枠装置は図３、図４に
示すようにフレームで形成し、下部に前記レール16上を
走行する車輪18を設けた台車19に、側方へ向けて油圧ジ
ャッキ20を設け、この油圧ジャッキ20に型枠21を取付け
たものである。

【００２３】この型枠21は、鋼管、等辺山形鋼、溝形
鋼、軽量形鋼等の鋼材で組立て、縦方向トラス、横方向
トラスからなるトラス部材ユニット22を補強材とし、こ
のトラス部材ユニット22にステンレスによる型枠面板23
をボルト・ナットもしくは市販の取付け金具で固定して
張設した。なお、該トラス部材ユニット22は縦方向トラ
ス３本を１組とし、その上下方向を横方向トラスで繋い
だものを１ユニットとして組立てる型枠の大きさに合わ
せてユニット数を決定する。

【００２４】また、前記台車19は、モーター等の走行駆
動装置24を設けた自走台車とした。さらに、前記車輪18
には手動昇降ウインチ26を併設可能とし、一方、台車19
上は手摺等を周囲に設けて作業足場25として形成する。

【００２５】Ｂ型型枠装置は、前記Ａ型型枠装置とほと
んど同じであり、上部の作業足場25の部分が一段となっ
ているだけの違いである。

【００２６】Ｃ型型枠装置は、管廊13の施工用のもの
で、図５、図６に示すように、台車19やこれに型枠21が
左右に取り付く点は前記Ａ型型枠装置やＢ型型枠装置と
同様であるが、台車19上にパイプサポート27を立設し、
このパイプサポート27の上端に大引28および根太29を介
して管廊13の上床板施工用の型枠30を設ける。

【００２７】この型枠30は前記型枠21とはハンチ型枠31
とで連結するが、このハンチ型枠31はハンチ型枠支保材
32で補強され、さらに該ハンチ型枠支保材32は型枠21と
はヒンジに結合し、型枠21のトラス部材ユニット22にこ
のハンチ型枠支保材32の起伏用ジャッキ33を設けた。

【００２８】Ｄ型型枠装置、Ｅ型型枠装置は側部に位置
する型枠装置であり、フレームで形成し、下部に前記レ
ール16上を走行する車輪18を設けた台車19に型枠21を設
ける点は前記他の型枠装置と同様であるが、トラス部材
ユニット22を補強材としてこれに型枠面板23を張設した
型枠21は、これを油圧ジャッキではなく、ターンバック
ル34で台車19に支承するようにした。また、このＤ型型
枠装置、Ｅ型型枠置は走行駆動装置24を設けずに非自
走台車とし、車輪18の近傍にレールクランプ35を付設す
る。

【００２９】次に、各型枠装置の型枠面板23間を繋ぐセ
パレーターとしての繋ぎ部材について説明すると、この
繋ぎ部材にはネジ鋼棒36を使用する。図９、図10に示す
ように型枠21の４隅に漏斗状の受台部37を設け、この受
台部37に取付ボルト38を設置する円錐または四角錐状の
固定部39を嵌め込み、該取付ボルト38とネジ鋼棒36とは
ネジカップラー40で締結する。図中41は座金、42は取付
ボルト38の締め付け用のテーパーナット、43はアンカー
プレートである。

【００３０】図１、図10に示すようにＡ型型枠装置は水
路Ａ12、Ｂ型型枠装置は水路Ｂ11、Ｃ型型枠装置は管廊
13の内部に配置され、Ｄ型型枠装置は水路Ｂ11の外側、
Ｅ型型枠装置は管廊13の外側に配置する。

【００３１】Ａ型〜Ｃ型型枠装置における先行スパンか
ら、次施工スパンへの移動は、台車19の車輪18に装着し
た走行駆動装置24によって、底盤14上に敷設されたレー
ル16上を走行する。走行の運転は、走行駆動装置24に取
付けられた前、後進のボタンスイッチで行う。

【００３２】次に、油圧ジャッキ20を作動させてトラス
部材ユニット22の位置調整を行い、、型枠面板23を両側
へ拡張し、前記壁鉄筋に適宜近づける。なお、油圧ジャ
ッキ20は、油圧ユニットより、配管で接続されており、
手元のボタンスイッチ及び各所のバルブでコントロール
する。

【００３３】そして、台車19の下部４か所（車輪18の近
辺）に、昇降ウインチ26を設置して台車19をジャッキア
ップし、レベルを固定する。次に、再度油圧ジャッキ20
を作動させて型枠面板23をより壁鉄筋に近づける。

【００３４】なお、Ｄ型型枠装置、Ｅ型型枠装置の先行
スパンから次スパンへの移動は、外側に設置したレール
16上を走行することにより行うが、これは自走装置はな
く人力で移動でき、所定の位置にきたら、レールクラン
プ35で固定する。また、型枠面板23の位置調整は、ター
ンバックル34で行う。

【００３５】このようにして、Ｄ型型枠装置、Ｂ型型枠
装置、Ａ型型枠装置、Ｃ型型枠装置、Ｅ型型枠装置を並
列させて並べ、相互の型枠21の型枠面板23を対向させ
る。そして、型枠相互の締結は、受台部37に固定部39を
嵌め込み、この固定部39に設置する取付ボルト38をセパ
レーターとしてのネジ鋼棒36と結合させることで、該ネ
ジ鋼棒36により行う。

【００３６】そして、型枠装置相互の型枠面板23間にコ
ンクリートを打設する。コンクリート養生後は、テーパ
ーナット42をゆるめ、取付ボルト38をネジカップラー40
から取りはずす。同時に油圧ジャッキ20を作動させ、型
枠面板23を内側へ引き込み、脱型する。

【００３７】Ｃ型型枠装置においては、さらに、管廊13
の型枠30を支保しているパイプサポート27を解放し、次
に、起伏用ジャッキ33を操作してハンチ型枠31を内側へ
たおす。続いて油圧ジャッキを作動させ、型枠30を下げ
脱型する。

【００３８】以上の実施例においては、上床板部分や大
梁のの施工については説明を省略したが、例えばスラブ
型枠は、Ｃ型型枠装置におけるようにＨ型鋼を格子状に
組み、その上に型枠面板を敷設し、それを台車19上に設
置した油圧ジャッキで、上下できるような構造とし、ま
た、コンクリート打設中の荷重は台車19上のパイプサポ
ートで支持をする。大梁の底型枠は、台車19上にＨ型鋼
で製作した支保ビームを架設し、その上部にパイプサポ
ート、さらにＨ型鋼で製作した受台を設置してメタルフ
ォームを布設することにより設置できる。

【００３９】

【発明の効果】以上述べたように本発明の移動式型枠装
置および型枠工法は、剛性の大きいトラス部材ユニット
を型枠面板の補強材としたので、セパレーターの数をき
わめて少なくでき、特に大型の型枠を組立てる場合にセ
パレーターの設置作業が簡略化して手間と時間を節約で
き、安全性の向上も図れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の移動式型枠装置および型枠工法の１実
施例を示す正面図である。

【図２】本発明の移動式型枠装置および型枠工法の１実
施例を示す平面図である。

【図３】Ａ型型枠装置の正面図である。

【図４】Ａ型型枠装置の側面図である。

【図５】Ｃ型型枠装置の正面図である。

【図６】Ｃ型型枠装置の側面図である。

【図７】Ｅ型型枠装置の正面図である。

【図８】Ｅ型型枠装置の側面図である。

【図９】型枠相互の締結部の縦断側面図である。

【図１０】型枠相互の締結部の正面図である。

【図１１】本発明の型枠装置による生物反応槽施工の工
程を示すもので、第１工程の正面図である。

【図１２】本発明の型枠装置による生物反応槽施工の工
程を示すもので、第２工程の正面図である。

【図１３】本発明の型枠装置による生物反応槽施工の工
程を示すもので、第３工程の正面図である。

【図１４】本発明の型枠装置による生物反応槽施工の工
程を示すもので、第４工程の正面図である。

【図１５】本発明の型枠装置による生物反応槽施工の工
程を示すもので、第５工程の正面図である。

【図１６】本発明の型枠装置により施工する生物反応槽
施工の正面図である。

【図１７】従来の型枠装置の正面図である。

【図１８】従来の型枠装置の側面図である。

【符号の説明】

１…鉄車輪２…ジャッキ脚３…枠組台車４…内型枠５…外型枠６…鋼製ビーム７…金属製型枠面板８…埋込みタイボルト９…ターンバックル 10…ブラケト 11…水路Ｂ 12…水路Ａ 13…管廊 14…底盤 15…下部ハンチ 16…レール 17…鉄筋組立足場 18…車輪 19…台車 20…油圧ジャッキ 21…型枠 22…トラス部材ユニッ
ト 23…型枠面板 24…走行駆動装置 25…作業足場 26…昇降ウインチ 27…パイプサポート 28…大引 29…根太 30…型枠 31…ハンチ型枠 32…ハンチ型枠支保材 33…起伏用ジャッキ 34…ターンバックル 35…レールクランプ 36…ネジ鋼棒 37…受台部 38…取付ボルト 39…固定部 40…ネジカップラー 41…座金 42…テーパーナット 43…アンカープレート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山本啓幸大阪府大阪市西区阿波座一丁目３番15号鹿島建設株式会社大阪支店内 (72)発明者杉田忠則大阪府大阪市西区阿波座一丁目３番15号鹿島建設株式会社大阪支店内 (72)発明者酒井菊太郎東京都千代田区四番町５東亞建設工業株式会社内 (72)発明者今井努大阪府大阪市福島区福島６丁目８番10号大末建設株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】剛性の大きいトラス部材ユニットを型枠
面板の補強材とし、該トラス部材ユニットを台車に設け
たことを特徴とする移動式型枠装置。
【請求項２】トラス部材ユニットはジャッキを介して
位置調整自在に台車に設ける請求項１記載の移動式型枠
装置。
【請求項３】トラス部材ユニットで補強された型枠
に、漏斗状の受台部を設け、この受台部にセパレーター
としてのネジ鋼棒を固定する円錐または四角錐状の固定
部を嵌め込むことを特徴とした請求項１および請求項２
記載の移動式型枠装置。
【請求項４】台車は、走行駆動装置を設けた自走台車
である請求項１ないし請求項３記載の移動式型枠装置。
【請求項５】剛性の大きいトラス部材ユニットを型枠
面板の補強材とし、該トラス部材ユニットを台車に設け
た移動式型枠装置を該型枠面板相互を対向させて並列さ
せ、この型枠面板間にコンクリートを打設する移動式型
枠工法。