JPH05302228A - 繊維樹脂複合コード及びその製造法 - Google Patents

繊維樹脂複合コード及びその製造法

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JPH05302228A
JPH05302228A JP4131472A JP13147292A JPH05302228A JP H05302228 A JPH05302228 A JP H05302228A JP 4131472 A JP4131472 A JP 4131472A JP 13147292 A JP13147292 A JP 13147292A JP H05302228 A JPH05302228 A JP H05302228A
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JP
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fiber
cord
gpa
elastic modulus
fibers
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JP4131472A
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Naohiko Nagata
直彦 永田
Shiro Murakami
志朗 村上
Shinya Takagi
伸哉 高木
Masatsugu Mochizuki
政嗣 望月
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/005Reinforcements made of different materials, e.g. hybrid or composite cords

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリビニルアルコール系繊維と熱硬化性樹脂
とからなる曲げ弾性率の高い複合コードとその製造方法
を提供する。 【構成】 引張り強度が15g/d以上、初期弾性率が 2
50g/d以上のポリビニルアルコール系繊維と熱硬化性
樹脂とからなるコードである。また、繊維の体積含有率
が40%以上、70%未満であり、繊維が実質的にコードの
中心から0.84r(rはコードの半径)の範囲内に存在し
ている。さらに、引張り強度が0.8GPa以上、引張り
弾性率が15GPa以上、曲げ強度が0.4GPa以上、曲
げ弾性率が25GPa以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系繊維樹脂複合コード及びその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、ベルト、ホース等のゴム資材補
強用には、ナイロンやポリエステル、あるいはレーヨン
等の繊維を単数、あるいは複数本撚り合わせてコードと
した後、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RF
L)系の接着剤を付与したコードが広く用いられてい
る。近年は、ラジアルタイヤのベルト素材としてスチー
ルコードも用いられている。スチールコードは安価であ
り、しかも曲げ弾性率に優れるためタイヤの剛性が高ま
ることにより転がり抵抗を軽減して自動車の燃費改良に
大きく貢献してきた。
【0003】一方、自動車の燃費改良のために車体の軽
量化が強く望まれており、このためにはタイヤの軽量化
が不可欠である。また、膨大に発生する廃タイヤの処分
も大きな問題となっている。現在の廃タイヤの処理方法
としては、焼却廃棄するのが一般的であり、タイヤは燃
料として用いた場合、エネルギー節約のために良好な燃
料となり得る。
【0004】しかしながら、これらの問題に対応するた
めにはスチールコードは大きな欠点を有している。すな
わち、スチールコードは比重が大きいために、タイヤの
軽量化には不向きであり、また、タイヤを燃料として用
いた際に、燃焼させた後に不燃物として燃焼炉内に残存
するという問題がある。
【0005】このため、軽量で耐疲労性に優れ、しかも
タイヤを燃料として燃焼させる際にゴムと共に燃焼す
る、有機系合成繊維による補強コードが強く望まれてい
る。この問題を解決するため、特開平3−151229号公報
には、ポリパラフェニレンテレフタルアミドのフィラメ
ント束にエポキシ樹脂を含浸させた空気式ラジアルタイ
ヤのための強化部材が提案されている。
【0006】しかしながら、ポリパラフェニレンテレフ
タルアミドからなる繊維は引張り方向の応力には強いも
のの、その分子鎖が剛直すぎるため、圧縮方向の応力に
は弱いという欠点がある。したがって、この繊維に樹脂
を含浸させた強化部材は、引張り方向には強いものの、
圧縮方向の応力が掛かると、この応力が繊維に直接作用
するため曲げに対しては極めて弱いという欠点がある。
【0007】また、特開平2−133349号公報には、引張
り強度が15g/d以上、初期弾性率が 300g/d以上の
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する。)系繊
維が60体積%以上と熱硬化性樹脂からなる棒状の補強材
が、また、特開平2−133348号公報には、引張り強度が
7g/d以上、初期弾性率が 150g/d以上、単繊維の
繊度が 100〜3000デニールのPVA系繊維が60体積%以
上と熱硬化性樹脂からなる補強材が提案されている。
【0008】しかしながら、これらの補強材は、コンク
リート、プラスチック等の補強材や抗張材を目的とした
もので、引張り物性を向上させるために繊維が引き揃え
られていることを重要な要件としており、弾性を有する
ゴムの補強に重要な曲げ強度や曲げ弾性率については何
ら考慮がなされていない。
【0009】PVA系繊維は、引張り強度や弾性率の点
ではポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維に及ばな
いものの、曲げや圧縮に対しては優れた特性を有してい
るため、PVA系繊維の前記特性を活用した補強材が得
られれば極めて有用である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、スチー
ルコードは、ラジアルタイヤのベルト部材として優れた
性能を有しているものの、その高比重、不燃性のために
問題があり、また、ポリパラフェニレンテレフタルアミ
ド繊維を補強材とする複合コードは、圧縮特性に劣ると
いう問題があった。さらに、曲げ強度や曲げ弾性率の優
れたPVA系繊維のコードは提案されていなかった。
【0011】したがって、本発明は、曲げや圧縮特性に
優れたPVA系繊維を補強材とする高い曲げ弾性率を有
する繊維樹脂複合コードと、前記コードを生産性よく製
造することが可能な製造法を提供することを技術的な課
題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0013】すなわち、本発明は、次の構成を有するも
のである。 (1) 引張り強度が15g/d以上、初期弾性率が 250g/
d以上のポリビニルアルコール系繊維と熱硬化性樹脂と
からなるコードであって、繊維の体積含有率が40%以
上、70%未満であり、繊維が実質的にコードの中心から
0.84r(rはコードの半径)の範囲内に存在し、かつ、
引張り強度が0.8GPa以上、引張り弾性率が15GPa
以上、曲げ強度が0.4GPa以上、曲げ弾性率が25GP
a以上であることを特徴とする繊維樹脂複合コード。
【0014】(2) 引張り強度が15g/d以上、初期弾性
率が 250g/d以上のポリビニルアルコール系繊維を熱
硬化性樹脂液に浸漬し、次いで前記樹脂液中に設けた複
数のオリフィスからなる複合ノズルを用いて、繊維の体
積含有率が40%以上、70%未満となり、繊維が実質的に
コードの中心から0.84rの範囲内に存在するように引き
抜き成型することを特徴とする繊維樹脂複合コードの製
造法。
【0015】なお、本発明でいうPVA系繊維及び複合
コードの引張り強度と初期弾性率は、JIS-L-1017の方法
に準じて測定するものである。また、複合コードの曲げ
強度と曲げ弾性率は、支点間隔25.4mm、変形速度25mm/
分での3点曲げ試験によって測定するものであり、得ら
れた応力−変位曲線のピーク値(W)及び初期勾配の外
挿値(S)から下式により求めるものである。 曲げ強度=(8WL)/(πd3) 曲げ弾性率=(4L2S)/(3πd4) ただし、 d:コードの直径(mm) L:支点間隔(25.4mm) W:応力−変位曲線でのピーク応力(kg) S:応力−変位曲線での初期勾配を変位25.4mm(100%)
に外挿した時の応力(kg)
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】本発明の繊維樹脂複合コードを構成するP
VA系繊維は、引張り強度が15g/d以上、初期弾性率が
250g/d以上であることが必要であり、好ましくは引
張り強度が17g/d以上、初期弾性率が 300g/d以上
である。引張り強度が15g/d未満又は初期弾性率が 250
g/d未満では、複合コードとした際に満足な性能が得
られない。
【0018】本発明の繊維樹脂複合コードを構成する熱
硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエピ
クロルヒドリンから縮合反応によって得られるエポキシ
系樹脂、アルコールやフェノールから得られるモノグリ
シジルエーテル化合物、不飽和ポリエステル系の樹脂
等、種々のものを用いることができる。その中でも、曲
げ弾性率とタフネスの両方とも高い樹脂組成のものが容
易に得られるエポキシ樹脂が好ましい。
【0019】また、本発明では、繊維樹脂複合コード中
の繊維の体積含有率(コードの全体積に対する繊維の体
積分率)は40%以上、70%未満であることが必要であ
る。繊維の体積含有率が70%以上になると、繊維樹脂複
合コードの引張り強度や弾性率は高まるものの、本発明
の目的である高い曲げ弾性率は得られない。逆に繊維の
体積含有率が40%未満では、引張り強度や弾性率が低く
なるために繊維樹脂複合コードとしての物性が不十分と
なる。
【0020】本発明においてさらに重要なことは、補強
材であるPVA系繊維のフィラメントがコードの中心か
ら0.84r(rはコードの半径)の範囲内に存在し、0.84
r〜1.0rの範囲内には実質的に存在しないことであ
る。本発明でいう実質的に存在しないとは、極めて少数
のフィラメントが存在することまで除外するものではな
く、全フィラメント数の内、約90%以上がコードの中心
から0.84rの範囲内に存在していることを意味する。こ
のような構成は、コードが曲げ応力を受ける際に、曲げ
強度及び曲げ弾性率を発現させるコード表皮近傍が樹脂
に富んでいることを示しており、曲げに弱い繊維が曲げ
応力に関与し難いことになる。
【0021】上記のように構成された本発明の繊維樹脂
複合コードの引張り強度は0.8GPa以上、引張り弾性
率は15GPa以上である必要があり、また、曲げ強度は
0.4GPa以上、曲げ弾性率は25GPa以上である必要
がある。これらの値が前記の値未満になると、繊維樹脂
複合コードとして十分な性能を発揮することができな
い。
【0022】本発明において、コードの断面形状は特に
限定されるものではなく、円形、楕円形、矩形等いずれ
の形状でもよいが、円形とするのが好ましい。
【0023】次に、本発明の繊維樹脂複合コードの製造
法について説明する。
【0024】本発明の繊維樹脂複合コードを構成するP
VA系繊維の製造法は特に限定されるものではなく、例
えば、本発明者らが先に特開平2-300308号公報において
提案した乾・湿式紡糸方法に準じて、その最適条件下に
製造することができる。すなわち、重合度1500以上、70
00以下のPVAをジメチルスルホキシド等の溶媒に溶解
して調製した紡糸原液を、アルコールを主成分とする凝
固浴中に乾・湿式紡糸して糸条を形成し、この糸条中の
溶媒を除去した後、熱延伸することにより得ることがで
きる。
【0025】さらに望むならば、熱延伸の前にリン酸や
パラトルエンスルホン酸のような脱水反応促進用の触媒
を糸条に付与すると、糸条の耐熱水性を高めることがで
きる。また、紡糸原液にリン酸等の架橋性薬剤を添加し
ておいてもよい。
【0026】これらの繊維の繊度は特に限定されるもの
ではないが、好ましくは 250d以上、4000d以下であ
り、より好ましくは 500d以上、3000d以下、さらに好
ましくは 750d以上、2000d以下である。
【0027】本発明では、上記で得られたPVA系繊維
を熱硬化性樹脂液に浸漬し、引き続き樹脂液内の賦型ノ
ズルへ導いて賦型するが、この時、賦型ノズルとして複
合ノズルを用いることが重要である。図1に示す複合ノ
ズルは2個のオリフィスを有する例であるが、第1のオ
リフィス3の半径(r1)は第2のオリフィス4の半径
(r2)よりも小さくし、これらの半径の比(r1 /r2)
は0.63〜0.84の範囲になるように設定するのがよい。ま
た、第1オリフィスの出口と第2オリフィスの入り口間
には間隙を設け、第1オリフィスと第2オリフィスの先
端間の距離Dを5mm以上とすることが好ましい。
【0028】本発明においてr1 及びr2 の大きさは特
に限定されるものではないが、r2は0.1mm以上、0.8m
m以下、特に0.14mm以上、0.7mm以下が好ましく、さら
に好ましくは0.17mm以上、0.6mm以下である。また、こ
れらのオリフィスの中心は、図1に示したように一直線
上にあることが好ましい。
【0029】このようにして構成された複合ノズルは、
熱硬化性樹脂槽にオリフィス全体が樹脂液に浸るように
取り付けられる。これによりそれぞれのオリフィスに樹
脂液が自由に流入できる。
【0030】図1で示したように、補強材となるPVA
系繊維1は、熱硬化性樹脂液2中で第1オリフィス3と
第2オリフィス4を連続して通過する。第1オリフィス
を通過する際、繊維の単糸間に樹脂が浸透し、この段階
でまずコードとしての形態が付与される。次いで、第2
オリフィスを通過する際に、このコードの外層にさらに
樹脂が付着し、コードの内層に繊維が存在し、外周部に
は繊維が実質的に存在しない構成のコードとなる。
【0031】このようにして樹脂を含浸され、賦型され
たコードは、引き続き乾燥及び硬化炉へ導かれて硬化、
成型される。乾燥及び硬化の時間や温度は使用する熱硬
化性樹脂の乾燥、硬化条件に応じて設定すればよいが、
一般的に乾燥を 100〜 150℃で2分間、硬化を 120〜 1
90℃で1分間行うのが好ましい。
【0032】
【作用】本発明の繊維樹脂複合コードが高い曲げ弾性率
を有するのは、補強繊維として圧縮特性に優れたPVA
系繊維を用い、さらにこの補強繊維が、実質的にコード
の中心部から0.84rの範囲内に存在し、0.84r〜1.0r
間は熱硬化性樹脂のみが存在するためと考えられる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0034】実施例1 重合度4000、ケン化度99.9モル%のPVAをジメチルス
ルホキシドに溶解して紡糸原液を調製した。なお、溶解
に際しては、PVAに対して0.32重量%のリン酸を添加
した。この紡糸原液を孔径0.45mm、孔数 232の紡糸口金
からジメチルスルホキシドを15重量%含有するメタノー
ル凝固浴中に30mmのエアギャップを通して乾・湿式紡糸
した。糸条中のジメチルスルホキシドをメタノールで除
去した後、入口温度 180℃、出口温度 235℃の熱風加熱
炉で17.5倍に熱延伸して、引張り強度17.2g/d、初期
弾性率 320g/dである1519d/232fのPVA繊維を得
た。
【0035】この繊維をエポキシ樹脂(油化シェル社製
エピコート828)含浸槽に導入し、引き抜き賦型ノズ
ルを通して賦型した。引き抜き賦型ノズルとしては第1
オリフィスが内径(2×r1 )0.5mm、第2オリフィス
が内径(2×r2 )0.7mm、第1オリフィスと第2オリ
フィスとの間隔Dが20mmである複合ノズルを用いた。次
いで、賦型された繊維樹脂複合コードを 120℃で乾燥後
170℃で硬化させ、毎分20mの速度で巻き取った。
【0036】得られた繊維樹脂複合コードは、直径(2
×r)0.55mmの円形断面のものであり、繊維の体積含有
率は66%で、引張り強度は1.1GPa、引張り弾性率は
20GPaであった。また、このコードの曲げ強度及び曲
げ弾性率を支点間隔25.4mmで3点支持法により測定した
ところ、それぞれ0.6GPa、32GPaと極めて優れた
性能を有していた。さらに、断面を顕微鏡下で観察した
ところ、補強材であるPVA系繊維は実質的にコード中
心から半径0.22mmの範囲内に存在し、その外側では繊維
が観察されなかった。
【0037】比較例1 複合ノズルとして第1オリフィスの内径が0.7mm、第2
オリフィスの内径が1mmのものを用いる以外は実施例1
と同様にして繊維樹脂複合コードを製造した。得られた
繊維樹脂複合コードの曲げ強度と曲げ弾性率は0.7GP
a、33GPaと高かったものの、繊維の体積含有率が17
%と少なかったため、引張り強度は0.4GPaにすぎな
かった。
【0038】比較例2 複合ノズルとして、第1オリフィスの内径が0.42mm、第
2オリフィスを内径が0.45mmのものとを用いる以外は実
施例1と同様にして繊維樹脂複合コードを製造した。得
られた繊維樹脂複合コードの引張り強度と弾性率は1.6
GPa及び31GPaと高かったが、繊維の体積含有率が
82%と多かったため、曲げ強度と曲げ弾性率は0.3GP
aと21GPaでしかなかった。
【0039】比較例3 賦型ノズルとして、内径が0.5mmのオリフィス1個から
なるノズルを用いる以外は実施例1と同様にして繊維樹
脂複合コードを製造した。得られた繊維樹脂複合コード
は引張り弾性率が20GPaと高かったものの、曲げ弾性
率は15GPaに過ぎなかった。また、コードの断面を顕
微鏡下で観察したところ、補強繊維はほぼ全面に均一に
分散していた。
【0040】実施例2 実施例1と同様の方法により、引張り強度18.1g/d、
初期弾性率 340g/dである 790d/150fのPVA繊維
を作製し、これを補強材としてビスフェノールA型のエ
ポキシ樹脂を主剤、芳香族アミンを硬化剤とする熱硬化
性樹脂溶液を付与して複合コードを作製した。なお、乾
・湿式紡糸したPVA繊維の延伸は、入口温度 180℃、
出口温度 235℃の熱風加熱炉中で延伸倍率18.0倍で行っ
た。また、複合ノズルとして、第1オリフィスが内径0.
3mm、第2オリフィスが内径0.38mmのものを用いた。
【0041】得られた複合コードの繊維体積含有率は60
%であり、引張り強度は1.2GPa、引張り弾性率は24
GPaであった。また、曲げ強度と曲げ弾性率はそれぞ
れ0.9GPa、40GPaと優れた物性を有しており、補
強繊維はコードの中心から0.8rの範囲内に存在してい
ることが観察された。
【0042】
【発明の効果】本発明の繊維樹脂複合コードは、高い引
張り強度と初期弾性率及び曲げ弾性率を有し、スチール
コードに替えてタイヤの補強材となり得る有機系複合コ
ードである。また、本発明の製造法によれば、上記の利
点を有する繊維樹脂複合コードを安価に生産性よく得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法で用いられる複数のオリフィス
からなる複合ノズルの一実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 PVA系繊維 2 熱硬化性樹脂液 3 第1オリフィス 4 第2オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 9/00 E 8408−3D D01F 6/14 Z 7199−3B D06M 15/55 // B29K 105:08 (72)発明者 望月 政嗣 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張り強度が15g/d以上、初期弾性率
    が 250g/d以上のポリビニルアルコール系繊維と熱硬
    化性樹脂とからなるコードであって、繊維の体積含有率
    が40%以上、70%未満であり、繊維が実質的にコードの
    中心から0.84r(rはコードの半径)の範囲内に存在
    し、かつ、引張り強度が0.8GPa以上、引張り弾性率
    が15GPa以上、曲げ強度が0.4GPa以上、曲げ弾性
    率が25GPa以上であることを特徴とする繊維樹脂複合
    コード。
  2. 【請求項2】 引張り強度が15g/d以上、初期弾性率
    が 250g/d以上のポリビニルアルコール系繊維を熱硬
    化性樹脂液に浸漬し、次いで前記樹脂液中に設けた複数
    のオリフィスからなる複合ノズルを用いて、繊維の体積
    含有率が40%以上、70%未満となり、繊維が実質的にコ
    ードの中心から0.84rの範囲内に存在するように引き抜
    き成型することを特徴とする繊維樹脂複合コードの製造
    法。
JP4131472A 1992-04-24 1992-04-24 繊維樹脂複合コード及びその製造法 Pending JPH05302228A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019003738A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 株式会社ブリヂストン タイヤ用補強部材およびそれを用いたタイヤ

Cited By (2)

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WO2019003738A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 株式会社ブリヂストン タイヤ用補強部材およびそれを用いたタイヤ
CN110809523A (zh) * 2017-06-30 2020-02-18 株式会社普利司通 轮胎用增强构件和使用其的轮胎

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