JPH0530188U - 布帛の液流処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理の間における布帛の捻じれを効果的に防
止することのできる布帛の液流処理装置を提供すること
を目的とする。 【構成】 長尺繊維布帛を一時滞留させる処理槽と、こ
の処理槽の一端から他端に連結された移送管と、および
前記処理槽の出口部に設けた処理液噴射部とを含み、こ
の処理液噴射部による処理液の噴流により布帛を前記処
理槽から前記移送管を経て再び処理槽に戻るように循環
させる布帛の環状処理通路を形成し、一方前記処理槽の
処理液吸込部からポンプおよび熱交換器を経て前記処理
液噴射部に至る処理液循環路を設け、布帛を前記環状処
理通路内を処理液とともに移送する間に処理するように
した布帛の液流処理装置であって、前記移送管の少なく
とも一部において移送通路断面の形状を多角形状にす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、布帛の液流処理装置に関する。特に、本考案は、処理の間に布帛が 捻じれるのを防止する機構を備える、長尺繊維布帛の液流処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

長尺繊維布帛を無端ロープ状に仕掛け、布帛と処理液との両者を循環させて液 流処理するための、いわゆる液流処理装置は、よく知られている。このような液 流処理装置においては、布帛は、この布帛を一時滞留させる処理槽の一端から他 端に連結された布帛の移送管内を処理液の噴流により移送され、再び処理槽内に 戻されるように循環され、処理される。この処理液の噴流は、通常、処理槽の出 口部に設けられた処理液噴射部により与えられるのであるが、処理液噴射部から 処理液を均一に噴射させることは極めて困難であり、一般には得られる噴流は渦 巻き状を呈し、そのため布帛が捻じれるという問題がある。特に、１本の移送管 に布帛を２本通して処理する場合には、布帛が相互に絡まりあい、処理後の装置 からの取り出しが困難となり、多大の労力と時間を費やす結果となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる従来技術の問題点を解消することを課題とするものである。 即ち、本考案は、処理の間における布帛の捻じれを効果的に防止することのでき る布帛の液流処理装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため、次の如き構成を有する装置を提供する。 即ち、長尺繊維布帛を一時滞留させる処理槽と、この処理槽の一端から他端に連 結された移送管と、および前記処理槽の出口部に設けた処理液噴射部とを含み、 この処理液噴射部による処理液の噴流により布帛を前記処理槽から前記移送管を 経て再び処理槽に戻るように循環させる布帛の環状処理通路を形成し、一方前記 処理槽の処理液吸込部からポンプおよび熱交換器を経て前記処理液噴射部に至る 処理液循環路を設け、布帛を前記環状処理通路内を処理液とともに移送する間に 処理するようにした布帛の液流処理装置であって、前記移送管の少なくとも一部 において移送通路断面の形状を多角形状にしたことを特徴とする、布帛の液流処 理装置である。

【０００５】

【作用】

かかる構成を有する本考案の装置においては、処理液噴射部に連なる移送管の 移送通路断面の形状を多角形状にしているので、処理液噴射部からの処理液の噴 流が渦巻き状を呈することによる布帛の捻じれが移送管内において効果的に防止 されることとなる。なお、本考案の装置では、移送管の全長または一部分におい て、１箇所または数箇所にわたり、その移送通路断面が多角形になっていてよい 。もっとも、この多角形の断面形状を有する移送通路部分は、処理液噴射部から の噴流に基づく布帛の捻じれを防止するためのものであるから、一般には、この 移送管内の処理液噴射部に近い側に設けるのがよいであろう。この断面の寸法や 形状は、所望の捻じれ防止効果を奏する限り任意である。また、この多角形の移 送通路断面は、移送管自体の断面をそのように形成することによって形成されて もよく、あるいは通常の円形断面を有する移送管の内部にそのような多角形状断 面の通路を別途設けることにより形成されてもよい。

【０００６】

【実施例】

以下、添付図面を参照しながら、本考案に係る装置の実施例について具体的に 説明する。

【０００７】 第１図は、本考案に係る液流処理装置の一例を模式的に示す側面断面図である 。処理槽１の外部には、出口部と入口部との間を連結して、移送管２が設けられ 、また処理槽１の内部には、出口部において、被処理布帛５を処理液の浴４から 引き上げるための布引き上げリール５と処理液の噴流を与えるための処理液噴射 部３が設けられている。被処理布帛５は、処理槽１の入口部から処理槽内に形成 された処理液の浴中に一時滞留する状態でゆっくりと出口部側へ進み、布引き上 げリール６により処理液の浴から引き上げられ、次いで処理液噴射部３により生 じる処理液の噴流により処理液とともに移送管２内に引き込まれ、この移送管内 を処理槽１の入口部に循環されるように移送される。

【０００８】 一方、処理液は、処理槽１の底部に設けられた処理液吸込部から吸引され、処 理液循環路７内を、処理液循環ポンプ８および熱交換器９を経て、処理液噴射部 ３へ送られる。そして、この処理液噴射部において噴流とされ、移送管２から処 理槽１へと送られ、処理槽内において処理液の浴を形成する。

【０００９】 しかして、この装置においては、移送管２の、例えば、処理液噴射部３に近い 側の部分１０および１１において、その通路断面が、本考案に従い、この移送管 を通過する布帛の捻じれを防止するよう、四角形になっている。即ち、一方の移 送路部分１０においては、第２図イ、ロおよびハに示す如く、移送管２の通路断 面は四角形状を有する。また、他方の移送路部分１１においても、第３図イおよ びロに示す如く、移送管２の通路断面は四角形状を有する。なお、第２図イはこ の移送路部分１０の縦断面図であり、第２図ロはその平面図であり、第２図ハは その横断面図である。また、第３図イは移送路部分１１の縦断面図であり、第３ 図ロはその横断面図である。これらの移送路部分１０および１１は、移送管に直 接取りつけ形成されたものであってもよく、あるいは着脱可能に構成されていて もよい。

【００１０】

【考案の効果】

上記の如き構成を有する本考案の装置によれば、処理中に生じる布帛の捻じれ に起因する目寄れや擦れ等の欠点および布帛の絡みにより生じる損傷等を防止し 、かつ処理後の布帛を取り出す際の余分の作業や煩雑さを解消して、長尺繊維布 帛の極めて効率的な液流処理を可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る装置の一例を模式的に示す側面断
面図である。

【図２】図１に示す装置の一方の移送路部分の構成を示
す図である。

【図３】図１に示す装置の他方の移送路部分の構成を示
す図である。

【符号の説明】

１…処理槽 ２…移送管 ３…処理液噴射部 ４…処理液 ５…布帛 ６…布引き上げリール ７…処理液循環路 ８…処理液循環ポンプ ９…熱交換器 １０、１２…移送路部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺繊維布帛を一時滞留させる処理槽
   と、この処理槽の一端から他端に連結された移送管と、
   および前記処理槽の出口部に設けた処理液噴射部とを含
   み、この処理液噴射部による処理液の噴流により布帛を
   前記処理槽から前記移送管を経て再び処理槽に戻るよう
   に循環させる布帛の環状処理通路を形成し、一方前記処
   理槽の処理液吸込部からポンプおよび熱交換器を経て前
   記処理液噴射部に至る処理液循環路を設け、布帛を前記
   環状処理通路内を処理液とともに移送する間に処理する
   ようにした布帛の液流処理装置であって、前記移送管の
   少なくとも一部において移送通路断面の形状を多角形状
   にしたことを特徴とする、布帛の液流処理装置。