JPH05301317A - 複合型制振材料の製造方法 - Google Patents

複合型制振材料の製造方法

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JPH05301317A
JPH05301317A JP4109578A JP10957892A JPH05301317A JP H05301317 A JPH05301317 A JP H05301317A JP 4109578 A JP4109578 A JP 4109578A JP 10957892 A JP10957892 A JP 10957892A JP H05301317 A JPH05301317 A JP H05301317A
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prepolymer
damping material
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reaction catalyst
low molecular
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JP4109578A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Eguchi
口 邦 彦 江
Yasunobu Uchida
田 康 信 内
Seiji Sakamoto
本 誠 司 坂
Hidetaka Sugibe
辺 英 孝 杉
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複合型制振材料を製造するに当たり、中間層樹
脂の硬化反応の時間を短縮し、中間層樹脂と金属板の接
着のタイミングを制御することにより高速で性能の高い
複合型制振材料を製造する方法の提供。 【構成】1分子鎖当たり少なくとも平均2個の官能基
(X)を有するプレポリマーと、官能基(X)と反応し
て共有結合を生成することのできる官能基(Y)を1分
子当たり少なくとも平均2個有する低分子量化合物とを
反応せしめて得られる樹脂が、2枚の金属板に挟持され
てなる複合型制振材料の製造方法において、プレポリマ
ーまたはその溶液と、低分子量化合物を混合して混合物
を得、その混合物を2枚の金属板の少なくとも一方の面
に塗布した後、続いて塗布面に反応触媒を存在させて、
その塗布面が前記2枚の金属板に挟持されるように圧着
することを特徴とする複合制振材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2枚の金属板の中間に
樹脂層を配してなる複合型制振材料の製造方法に関す
る。具体的には、製造後の製品性能の経時変化が小さい
複合型制振材料を高速で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】複合型制振材料とは、2枚の金属板の間
に粘弾性に優れる中間層樹脂を介在させた複合材料であ
り、金属板に加えられた振動を中間層樹脂が熱エネルギ
ーに変換して制振作用を発現するものである。さらに、
これらのうちには、通常の金属板と同様の溶接が施せる
ように、中間層樹脂に導電性物質を介在させたものもあ
る。
【0003】複合型制振材料の中間層樹脂としては、高
い制振性能と同時に、高い接着性能を具備すること、お
よび、高温において接着性能を保持することなどを理由
に、熱硬化性樹脂の使用が多くなっている。
【0004】熱硬化性樹脂を中間層樹脂に使用した例と
しては、官能基を有する熱可塑性樹脂としてポリエステ
ル、架橋剤(低分子量化合物)として多価イソシアネー
トを用い、これらを反応させた熱硬化性樹脂(特開昭6
4−48813号公報)、同様に、ポリエステルとイソ
シアネートやエポキシなどの架橋剤と無機フィラーから
なる熱硬化性樹脂(特開昭64−69685号公報)な
どが挙げられる。
【0005】官能基を有する熱可塑性樹脂と架橋剤との
反応によって生成する熱硬化性樹脂の場合、架橋反応は
加熱することによって促進される。このため、中間層樹
脂を金属板に積層接着する際に加熱を行うのが一般的で
ある。また、さらに反応を促進するためには、反応触媒
を用いることも有効である。
【0006】しかし、反応触媒については、前記の従来
例(特開昭64−48813号公報、特開昭64−69
685号公報)中においては、反応を促進または遅延す
る目的で触媒を加えてもよいという記載にとどまってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】架橋反応を伴う中間層
樹脂からなる複合型制振材料は、積層接着後の架橋反応
が不十分であると、接着強度不足による板ずれを引き起
こしたり、製品性能の大きな経時変化を招く。作製時に
架橋反応を十分に進行させる必要があるが、反応を促進
するために架橋反応触媒を用いると、以下に挙げる接着
不良などの問題を生じる。
【0008】従来技術を用いて、官能基を有する熱可塑
性樹脂と架橋剤との混合物中に架橋反応触媒を添加した
場合には、加熱積層接着前に架橋反応が過剰に進行して
しまい、粘着性の低下による接着不良を生じることがあ
る。さらに、中間層樹脂が硬質となることにより導電性
物質を配合した場合には、溶接不良(導電性物質と金属
板が接触しないことに起因)を生じることがある。これ
は、前記混合物が溶液状である場合には、溶媒の加熱乾
燥が必要となり、溶融状(例:ホットメルト式接着剤)
である場合には、架橋剤の均一混合性や塗布粘度の観点
から加熱溶融が必要となるが、これらの加熱により、架
橋反応が過剰に進行してしまうためである。
【0009】なお、これらの問題は、積層接着前に加熱
することなく、接着時に十分な加熱を与えることによっ
て防ぐことができると考えられるが、この場合には、複
合型制振材料の作製に長時間を要するため、根本的な改
良策とはいえない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を行った結果、官能基を有
する熱可塑性樹脂と架橋剤を混合し、得られた混合物を
2枚の金属板の少なくとも一方に塗布した後、積層接着
する直前に、架橋反応触媒を樹脂塗膜上に存在させ、こ
れを積層接着することによって、製造直後の接着性能が
高く、導電性物質を配合した場合も溶接性を損なうこと
なく、高速で、製造後の経時変化の小さい複合型制振材
料を作製できることを見出し、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明の態様は、1分子鎖当た
り少なくとも平均2個の官能基(X)を有するプレポリ
マーと、官能基(X)と反応して共有結合を生成するこ
とのできる官能基(Y)を1分子当たり少なくとも平均
2個有する低分子量化合物とを反応せしめて得られる樹
脂が、2枚の金属板に挟持されてなる複合型制振材料の
製造方法において、プレポリマーまたはその溶液と、低
分子量化合物を混合して混合物または混合溶液を得、そ
の混合物または混合溶液を2枚の金属板の少なくとも一
方の面に塗布したのち、溶媒がある場合には、溶媒を除
去し、必要な場合には加熱して除去し、続いて塗布面に
反応触媒を存在させ、塗布面が2枚の金属板に挟持され
るように圧着または加熱圧着する複合型制振材料の製造
方法を提供する。
【0012】なお、プレポリマーが飽和ポリエステルで
あることが好ましい。また、官能基(X)が水酸基であ
ることが好ましい。また、官能基(Y)がイソシアネー
ト基であることが好ましい。また、反応触媒が錫類ある
いは/および第3級アミン類であることが好ましい。ま
た、反応触媒がプレポリマーとの混合物であってもよ
い。また、樹脂が導電性充填材を含んでいてもよい。な
お、これらを単独で他の条件と組み合わせてもよいし、
これらのいくつかを組み合わせてもよい。以下、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明の態様 金属板 本発明の制振材料の製造に用いることのできる金属板に
は特に限定はなく、冷間圧延鋼板や、クロメート処理鋼
板、亜鉛系めっき鋼板、リン酸塩処理鋼板等の表面処理
鋼板、さらに銅板、アルミ板、ステンレス板、チタン板
等であってもよい。また、形状もコイル状、切り板のい
ずれであってもよい。金属板の板厚にも特に限定はない
が、成形加工性や保形性等を考慮すれば、通常、0.2
〜2mm程度のものが好適に用いられる。
【0014】プレポリマー 本態様において、中間層の樹脂を調製するのに用いられ
る原料の一つとして、1分子鎖当り少なくとも平均2個
の官能基(X)を有するプレポリマーを用いる。このプ
レポリマーの数平均分子量は制振性能及び金属板への塗
布の際の作業性を考慮して7,000〜50,000、
特には10,000〜30,000のものが好ましい。
官能基(X)としては水酸基、エポキシ基、アミノ基、
カルボキシル基、イソシアネート基、酸無水基などを好
ましく挙げることができる。
【0015】プレポリマーの具体例としては、水酸基ま
たはカルボキシル基を有するポリエステル、ポリオール
のグリシジルエーテル、カルボキシル基を有するポリエ
ステルのグリシジルエステル、アミノ基またはカルボキ
シル基を有するポリアミド、水酸基、カルボキシル基ま
たは酸無水基を有する変性ポリオレフィンなどを例示す
ることができる。
【0016】このような官能基(X)は、プレポリマー
の1分子鎖当り平均2個以上、好ましくは平均2〜4個
存在する。なお、ここで1分子鎖当りの官能基(X)の
数は平均値としての値である。このようなプレポリマー
はそれ自体公知であり市販されているものもあるし、ま
た公知の方法で当業者であれば極めて容易に製造するこ
とのできるものである。
【0017】プレポリマーの中でポリエステルの場合を
詳細に説明する。ポリエステルを構成するカルボン酸成
分として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など
の芳香族二塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、1,6−ヘキ
サンジカルボン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナン
ジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカ
ルボン酸などの脂肪族二塩基酸、更にはマレイン酸、ダ
イマー酸などの不飽和脂肪酸、トリメリット酸などの芳
香族多塩基酸を例示することができる。また、アルコー
ル成分として、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルペン
タンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグ
リコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールなどの多官能性のアルコールを例示することができ
る。
【0018】勿論、ポリエステルを合成するに当って、
当業者の常識に従いこれらのカルボン酸及びアルコール
を直接反応してエステル化することもできるが、カルボ
ン酸とエステルあるいは酸ハライドに変換してアルコー
ルと反応させることもできる。
【0019】好ましいプレポリマーは飽和ポリエステル
であるが、特に酸成分の中でテレフタル酸成分が30〜
90モル%占め、残りが脂肪酸二塩基酸、特にはアジピ
ン酸あるいはセバチン酸である飽和ポリエステルが好ま
しい。そして、グリコール成分としてエチレングリコー
ルが30〜80モル%占め、残りの成分が炭素数6のグ
リコール類又はポリエチレングリコールあるいはポリテ
トラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレング
リコール類であるようなポリエステルが特に好ましい。
このようなポリエステルをプレポリマーとして用いると
接着性に優れ、制振性能に優れた複合制振材料を製造す
ることができる。
【0020】このようなポリエステルは例えば、二塩基
酸とグリコールを主原料とし、150℃〜220℃に加
熱しながら、常圧下で、主として金属塩よりなる触媒の
存在下で、エステル化反応によりオリゴエステル化を行
い、引き続き、常圧または減圧下で、200〜270℃
に加熱してグリコールを適当量留去することにより、所
望の分子量の水酸基を有するポリエステルを合成でき
る。
【0021】ポリエステルの合成に際し、グリコールは
所望するポリエステル組成中における量の1.5〜2.
0倍を添加して合成することが好ましい。また、重合触
媒は、テトラ−n−ブトキシチタン、酢酸亜鉛、三酸化
アンチモン、シュウ酸チタン酸カリなどの金属塩よりな
る通常の触媒から適宜選択される。
【0022】ジカルボン酸とアルコールとしてジオール
を用いれば本質的に線状のポリエステルが得られ、末端
は水酸基またはカルボン酸なので、通常1分子鎖当りの
官能基(X)の数は2個である。この数を増やすには、
適宜アルコール成分として3価以上のアルコールまたは
カルボン酸成分として3価以上のカルボン酸をゲル化が
進行しない程度に少量ポリエステルの合成の段階で加え
ることにより適宜に行うことができ、これ自体公知の方
法である。
【0023】使用できるその他のプレポリマーについて
具体的に例示する。ポリオールのグリシジルエーテルと
しては、先にポリエステル原料として例示したグリコー
ルあるいはこれらのポリグリコールのジグリシジルエー
テルや、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルが例
示され、また、グリシジルエステルとして前記ポリエス
テルの分子末端をグリシジル化したジグリシジルポリエ
ステルあるいはポリグリシジルポリエステルなどが例示
される。
【0024】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン8や、カプロラクタム、ラウリンラク
タムなどのラクタムとアミノウンデカン酸、アミノドデ
カン酸などのアミノカルボン酸から合成されるポリアミ
ド樹脂、また、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミンなどの有機ジアミンと、先にポリエステル原
料として例示した芳香族二塩基酸あるいは脂肪族二塩基
性酸から合成されるポリアミドなどを例示できる。これ
らの例は本質的に線状であり、高分子の末端はカルボキ
シル基またはアミノ基である。この場合、1分子鎖当り
の官能基(X)の数は通常2個である。官能基数の調整
は、合成の適当な段階でゲル化が進行しない程度に少量
の3価のアミンまたは3価以上のカルボン酸を加えるこ
とにより容易に行うことが可能で、これ自体公知の方法
である。
【0025】変性ポリオレフィンとしては、無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン−プロピレンコポリマー、無
水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニルコポリ
マー、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルア
クリレートコポリマー、無水マレイン酸グラフト変性ポ
リエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレ
ン、エチレン−メタクリル酸コポリマー等が例示され
る。無水マレイン酸のポリオレフィンへの付加量を適宜
に制御することにより、1分子鎖当りの酸無水基の数を
調整することができる。
【0026】さらに、プレポリマーとして、周波数0.
1〜20000Hzの範囲内におけるガラス転移に基づ
く損失正接(tanδ)の極大値が0.5以上を示すも
のが好ましい。tanδが高い値を示すものほど高い制
振性能が付与可能なプレポリマーであるといえるが、t
anδの特に好ましい値は0.7以上である。なお、プ
レポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混
合して用いてもよい。
【0027】低分子量化合物 本発明の態様において、中間層の樹脂を調製するのに用
いられる他の原料は、前記プレポリマーの官能基(X)
と反応して共有結合を生成することのできる官能基
(Y)を一分子当り少なくとも平均2個有する低分子量
化合物である。
【0028】官能基(Y)は官能基(X)と反応して共
有結合を生成するものであるから、官能基(Y)は官能
基(X)の種類に応じて変わる。具体的には以下の如く
に例示される。
【0029】
【0030】低分子量化合物の分子量は、分子量約50
00程度までのものであり、具体的には以下のものを例
示することができる。
【0031】(i) イソシアネート基含有低分子量化合物 2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート(通称TDI)、メチレン−ビス−4
−フェニルイソシアネート(通称MDI)、ポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネートまたはポリオール変
性MDI、例えば市販品としてコロネート1040、コ
ロネート1050(以上、日本ポリウレタン製)、また
はカルボジイミド変性MDI、例えばミリオネートMT
L、ミリオネートMTL−C(以上、日本ポリウレタン
製)などのMDI誘導体、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(通称HDI)及びその誘導体、イソホロンジイソ
シアネート(通称IPDI)及びその誘導体、TDIを
トリメチロールプロパンなどに付加したTDI系アダク
トポリイソシアネート、例えば市販品として、コロネー
トL、HL(以上、日本ポリウレタン)、ディスモフェ
ンL、ディスモジュールN(住友バイエルウレタン)、
あらかじめ反応せしめた重合ポリイソシアネート、例え
ば市販品として、スプラセック3240、3250、コ
ロネート2030、2031(日本ポリウレタン)、デ
ィスモジュール1L、HL(住友バイエルウレタン)、
イソシアネートをカプロラクタム等でマスキングしたブ
ロックイソシアネート、あらかじめ低分子量ポリエーテ
ルと前述の多価イソシアネートとを反応せしめた末端イ
ソシアネートプレポリマーなどを挙げることができる。
【0032】なお、ブロックイソシアネートは加熱によ
りイソシアネートが生成するので、イソシアネート基含
有化合物として表示してある。
【0033】(ii)エポキシ基含有低分子量化合物 ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型及びビ
スフェノールF型エポキシ化合物などのビスフェノール
型エポキシ化合物、例えば市販品として、TD−12
7、YD−7128、YDF−165及びYDB−40
0EK60(以上、東都化成)、EPICRON−83
0(大日本インキ化学工業)、o−クレゾールノボラッ
ク型エポキシ化合物などのノボラック型エポキシ化合
物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリ
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及びポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどのポ
リグリシジルエーテル類、4官能アミン型ポリグリシジ
ルアミンなどのポリグリシジルアミン類、例えば市販品
として、YH−434(東都化成)、フタル酸ジグリシ
ジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル及びジグリシジル−p−オキシ安息香酸エステルな
どのグリシジルエステル類、あるいは脂環型エポキシ化
合物、例えば市販品として、ERL−4234(ユニオ
ンカーバイト)などを挙げることができる。これらのエ
ポキシ化合物のエポキシ当量は250以下のものが好ま
しい。
【0034】(iii) 酸無水物基含有低分子量化合物 無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット
酸等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク
酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の環状脂肪族酸無水
物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、
ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物等を挙げるこ
とができる。
【0035】(iv)アミノ基含有低分子量化合物 ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の鎖
状脂肪族ポリアミン、メンセンジアミン、イソホロンジ
アミン等の環状脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミ
ン等の脂肪芳香族ポリアミン、メタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルフォン等の芳香族ポリアミン等を挙げることができ
る。
【0036】前記プレポリマーと低分子量化合物の好ま
しい組合わせは、プレポリマーがポリエステルであっ
て、低分子量化合物がイソシアネート化合物であるよう
な組合せである。
【0037】プレポリマーに対する低分子量化合物の使
用割合は、官能基(X)の数に対して官能基(Y)が
0.5〜4.0倍の範囲となるような割合で使用するの
が好ましいが、1.0倍、即ち化学量論的な割合で使用
するのが最も好ましい。
【0038】なお、低分子量化合物は、単独で用いても
よいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0039】反応触媒 反応触媒とは、前記の官能基(X)を有するプレポリマ
ーと、官能基(Y)を有する低分子量化合物との反応を
促進させるものをいい、官能基(X)と官能基(Y)と
の組み合わせによって、適宜選択される。
【0040】具体的には、官能基(X)と官能基(Y)
が、水酸基とイソシアネート基の組み合わせの場合に
は、ブタジエンスルフォン、無機酸、オキシ酸、りん酸
またはほう酸などのエステル、パラトルエンスルフォン
酸などの酸、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホ
リン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメ
チルピペラジン、トリエチレンジアミン、N,N,N
´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N
´,N´−テトラメチルトリメチレンジアミン、N,
N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミ
ン、N,N,N´,N´,N″−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、N,N,N´,N″,N″´,N″´−
ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの第3級ア
ミン類、塩化錫(II)、テトラ−n−ブチルチン、トリ
−n−ブチルチンアセテート、n−ブチルチントリクロ
ライド、トリメチルチンハイドロオキサイド、ジメチル
チンジクロライド、ジブチルチンジラウレートなどの錫
類、Cu、Pb、Zn、Co、Ni、Mnなどの重金属
イオンを含むナフテン酸塩類、酢酸、塩酸、硝酸などの
金属塩などが例示されるが、なかでも、第3級アミン類
および錫化合物が好適である。
【0041】カルボキシル基とエポキシ基、および、酸
無水物基とエポキシ基の組み合わせの場合には、ベンジ
ルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチ
ルアミノ)メチルフェノールなどの第3級アミン類、ト
リエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイドなどの第4級アンモニウム塩、2−メチ
ル−4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
などのイミダゾール類などが例示される。
【0042】水酸基と酸無水物基の組み合わせの場合に
は、イミダゾール類、アセチルアセトン第2鉄塩などが
例示される。
【0043】なお、反応触媒は、単独で用いてもよい
し、2種類以上を混合して用いてもよい。反応触媒は、
液状、固体状のいずれであってもよい。また、反応触媒
の使用形態は、そのまま用いてもよいし、または溶液と
して用いてもよい。溶液の場合、溶媒は前記プレポリマ
ー、前記低分子量化合物、沸点が200℃以上の液状物
質等が好ましく、溶液中の反応触媒の濃度は、0.01
重量%以上であるのが好ましい。反応触媒を樹脂塗膜上
に存在させる方法としては、散布、塗布、半硬化させた
層の形で積層する方法が挙げられるが、樹脂塗膜上に反
応触媒を均一に存在させるため、散布するのが好まし
い。
【0044】また、反応触媒は、他の化合物との混合物
として散布してもよい。例えば、前記のプレポリマーや
低分子量化合物との混合物とし、これを散布しても目的
を達成することができる。混合する他の化合物は、最終
的に得られる複合型制振材料の性能を損なわない範囲で
種類や混合量を適宜選択し得る。さらに、本発明の複合
型制振材料の積層接着に使用する場合の反応触媒の好適
な使用量は、樹脂塗膜面1m2 当たり5〜5000mg
であるのが好ましい。
【0045】導電性充填材 複合型制振材料のスポット溶接性を付与するために導電
性充填材を配合する。このような目的で使用される導電
性物質としては、ステンレス、亜鉛、銅、錫、ニッケ
ル、黄銅などの金属を粉末状、フレーク状、ファイバー
状、ワイヤー状などに加工した金属物質や、銅、あるい
はニッケルなどのめっき処理した鉄系金属や、カーボン
ブラック、グラファイト、カーボンファイバーなどの導
電性炭素物質などを挙げることができる。これらの導電
性物質は、単独または2種類以上組み合わせて使用する
ことができる。良好なスポット溶接性能を発現させるた
めには、金属物質を選択することが好ましい。より良好
な導電性を発現させるためには、2枚の金属板が導電性
物質によって通電可能な状態になる必要がある。
【0046】それ故、導電性物質の性状が粉末状である
場合にはその最大粒径を、また、フレーク状である場合
には、その最大厚みを、さらにファイバー状やワイヤー
状である場合は、その最大直径を、それぞれの代表長さ
(L)とすると、より良好な導電性を発現させるため、
(L)と導電性物質を有する樹脂層の厚さ(T)との比
(L)/(T)が0.5以上、好ましくは0.8以上と
なるものを用いると通電可能となり、スポット溶接性に
優れた制振材料が得られる。
【0047】導電性物質の充填量は樹脂中に0.5〜1
0容積%を占めるようになる量が好ましい。その範囲で
あるとスポット溶接性及び制振性能のバランスのよい制
振材料が得られる。
【0048】複合型制振材料の製造の操作 前記したプレポリマー、低分子量化合物、反応触媒、導
電性充填材から、中間に樹脂層を有する複合型制振材料
を製造する方法を以下に例示する。
【0049】本発明で使用するプレポリマーと低分子量
化合物の混合物は、溶媒に溶解した状態、固形物の状態
のどちらであってもよい。溶媒に溶解する場合には、ト
ルエン、MEK、アセトン、キシレン、クロロホルム、
MIBK、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの溶剤を溶媒に
用いることができる。固形物とする場合には、加熱混合
したのち、フィルム状に成形することができる。
【0050】また、必要により、導電性充填材を配合す
ることができ、プレポリマーと低分子量化合物の混合溶
液中に混合してもよいし、混合物のフィルム中に混在さ
せてもよい。プレポリマーと低分子量化合物の混合溶液
を得た場合には、金属板への塗布方式として、ロールコ
ーター、スプレー、カーテンフローコーター、ドクター
ナイフコーターなどを使用することができる。金属板へ
の塗布は積層する面の片面あるいは両面に行い、引き続
き、室温ないし好ましくは100〜200℃の温度で加
熱して、溶媒を除去する。プレポリマーと低分子量化合
物の混合物が固形物である場合には、加熱溶融させて金
属板上に塗布する。あるいは、混合物が予めフィルム状
に成形されている場合には、金属板上に貼りつける。
【0051】なお、混合物の塗布厚さは、最終的に得ら
れる中間層樹脂の厚さが、積層される1枚の金属板の厚
さの1/50〜1/5となる厚さであることが好まし
く、実質的に20〜150μm となる厚さであることが
好ましい。20μm 未満である場合には、制振性および
接着性が低下し、また150μm を超える場合には、成
形加工時の金属板のずれや割れの原因となることがあ
る。
【0052】また、必要により、導電性充填材を塗膜上
に散布することも可能である。散布方式としては、グラ
ビアロールなどのロール式散布が使用でき、溶媒の除去
前、除去後のいずれにおいても実施可能である。このよ
うにして、プレポリマーと低分子量化合物の混合物を金
属板上に密着させた後、2枚の金属板を積層圧着する直
前に、反応触媒を散布する。反応触媒が液状である場合
には、前記のプレポリマー溶液の塗布装置と同じものが
使用可能であり、なかでも、スプレー方式が均一に散布
でき、好ましい。反応触媒が固体状である場合の散布方
式は、グラビアロールを用いる方法が使用できる。
【0053】反応触媒を塗膜上に散布した後、速やかに
2枚の金属板を積層圧着する。圧着方法は、プレス、ロ
ールのいずれの方式であってもよく、接着と同時に加熱
することが、反応促進の観点から好ましい。加熱圧着温
度は、通常、混合物に130〜250℃程度の加熱が与
えられるようにすればよい。加熱プレスの場合は、30
秒〜2分程度、加熱ロールの場合は、1〜10秒間程度
の接触時間であればよい。また、金属板を予め同温度に
加熱し、冷却プレスまたは冷却ロールにより圧着しても
よい。
【0054】(作用)本発明の作用を従来技術との対比
によって説明する。従来は、プレポリマーと低分子量化
合物との反応性の制御は、あらかじめプレポリマー中あ
るいはプレポリマーと低分子量化合物との混合物中に反
応触媒を添加しておくことによって行っていた。圧着時
に反応を促進させるためには、反応触媒の添加量を多く
することが有効であるが、圧着前の乾燥や溶融といった
工程において、反応触媒の作用により反応が進行し、圧
着時に良好に接着できる反応率を越えてしまうことは前
述した通りである。このため、反応触媒の添加量には、
おのずと限界が生じ、十分な反応促進がなされていなか
った。
【0055】これに対して、本発明では、反応触媒を圧
着直前に圧着面の表面に存在させて圧着を行うことによ
って、圧着前の加熱による反応の過剰進行を防止でき、
反応触媒の存在量の調整によって、圧着後の反応率を制
御できるものである。さらに、反応触媒の希釈を目的と
して、プレポリマーなどと反応触媒を混合し、この混合
物を圧着直前に中間層樹脂上に存在させることで前記反
応触媒の存在と同様の効果が得られることを見出したも
のである。
【0056】以上、本発明の複合型制振材料の製造方法
について詳細に説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろん
のことである。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。本
実施例においては、下記の各条件にて、2枚の金属板の
間に樹脂組成物を介在させ、複合型制振材料を製造し、
それらを試料とした。また、各試料の性能評価試験方法
は以下の通りである。
【0058】接着性能 (1)T−剥離強度:25mm幅に調製した複合型制振
材料試料について、引張速度200mm/分、室温23
℃にて、JIS K−6854に従って測定した。 (2)剪断接着強度:25mm×12.5mmの接着面
積になるように調製した複合型制振材料試料について、
引張速度10mm/分、室温23℃にて、JIS K−
6850に従って測定した。 なお、接着性能は、複合型制振材料の製造直後からの常
温(23℃)下での経時変化を調査した。なお、表中の
圧着直後とは、製造した複合型制振材料をコイル化する
前に切り出した試験片を指す。
【0059】制振性能 制振性能の評価として、複合型制振材料試料の損失係数
ηを機械インピーダンス法によって測定し、1000H
zにおける損失係数の温度依存性を調査した。ηの最大
値とη最大時の温度を表示した。なお、制振性能は、各
複合型制振材料試料を作成後、21日経過したものにつ
いて調査した。
【0060】コイルの状態 複合型制振材料を作製したのち、速やかにこれを巻取
り、コイルにした。このとき、コイルの板ずれ、剥離、
変形などの異常の有無を調査した。異常のある場合を
×、正常である場合を○で表示した。
【0061】溶接性能 幅100mm、長さ160mmに裁断した2枚の複合型
制振材料試料を重ね合わせて、下記条件によりダイレク
トスポット溶接を行った。 加圧力 :200kgf、 電流:8k
A、 通電サイクル数 :8、 電極:8R
球形状 スポット溶接点間隔:20mm 正常なナゲット径を作ったものを成功とした。試料を重
ね合わせた状態で40点溶接し、その成功率を百分率で
表示した。
【0062】(実施例1)プレポリマーとして以下のも
のを用いた。テレフタル酸残基60、アジピン酸残基4
0、エチレングリコール残基60、1,6−ヘキサンジ
オール残基40のモル比からなり、常法で合成したポリ
エステル 数平均分子量 :15000 ガラス転移点 :−20℃ 平均官能基(水酸基)数:2個/1分子鎖 このような、プレポリマーをトルエンとメチルエチルケ
トンとの混合溶剤(重量比1/1)中に溶解し、固形分
25重量%のプレポリマー溶液とした。
【0063】低分子量化合物溶液として以下のものを用
いた。 重合型トリイソシアネート溶液 商品名:コロネート2030(日本ポリウレタン社製) 官能基(イソシアネート基)数:平均6.2個/1分子 イソシアネート基含有量:7.7重量% 数平均分子量:2150 固形分:50重量%(溶媒:酢酸ブチル) 上記プレポリマー溶液100重量部に対して、低分子量
化合物溶液を2重量部添加、混合し、プレポリマーと低
分子化合物の混合溶液を得た。なお、プレポリマーの官
能基である水酸基(微量のカルボキシル基を含む)に対
して、低分子量化合物の官能基であるイソシアネート基
が1.10倍当量であった。
【0064】さらに、この混合溶液に、導電性充填材と
してニッケルフィラー(平均粒径65μm )を、最終的
に中間層樹脂に対して3体積%になるように配合した。
こうして得た混合溶液を走行している2枚の、予め脱脂
した0.7mm厚の冷間圧延鋼帯(SPCC−SD)の
各片面に、溶媒除去後の膜厚が25μm 程度になるよう
に、ロールコーターを用いて塗布した。塗布後、2枚の
金属帯の各々を乾燥炉(150℃空気中×3分)に入
れ、溶媒を除去した。
【0065】この後、2枚の金属帯の各塗膜面上に、反
応触媒として、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキ
サメチレンジアミン(常温で液状)をスプレー散布し
た。散布量は、各樹脂塗膜面1m2 当たり反応触媒1.
5gとなるようにした。この後、2枚の金属帯の樹脂塗
膜面同士をロール(線圧10kgf/cm)によって貼り合わ
せ、引き続き、3組の加熱ロール(各220℃、線圧1
0kgf/cm)で圧着し、冷却した後に巻き取って、複合型
制振材料のコイルを得た。得られた複合型制振材料試料
の性能を調査し、その結果を表1に示した。
【0066】(比較例1)反応触媒を散布しない他は、
実施例1と同様にして複合型制振材料を作製した。同様
の性能調査を行い、結果を表1に示した。
【0067】(比較例2)反応触媒を散布する代わりに
塗膜面上に散布した反応触媒と同量の反応触媒を、金属
帯に塗布する前の混合溶液中に予め添加しておいた他
は、実施例1と同様にして複合型制振材料を作製した。
同様の性能調査を行い、結果を表1に示した。
【0068】表1からわかるように、実施例1に示すよ
うな本発明によると、複合型制振材料を製造した直後に
おいて、接着性能が高い。このため、製造後の接着性能
の経時変化も小さい。制振性能、溶接性能は、反応触媒
を加えない従来法(比較例1)と比べて同等であり、満
足できる水準である。
【0069】これに対し、比較例1では、製造直後の接
着性能が低く、このために、コイルの変形等を生じる。
製造後に徐々に反応が進行するため、接着性能の経時変
化が大きい。実施例1と同量の反応触媒を予め混合溶液
に添加した従来法(比較例2)では、積層圧着前の溶媒
加熱除去の工程で反応が進行するため、積層圧着時の接
着性が低下し、圧着直後の接着性能が低い。さらに、制
振性、溶接性も低下する。
【0070】(実施例2)プレポリマーとして実施例1
と同じものを用い、同様にプレポリマー溶液を調製し
た。低分子量化合物として以下のものを用いた。 カルボジイミド変性ジイソシアネート 商品名:ミリオネートMTL−C(日本ポリウレタン社
製) 官能基(イソシアネート基)数:平均2.3個/1分子 イソシアネート基含有量:28.4重量% 数平均分子量:340 上記プレポリマー溶液100重量部に対して、低分子量
化合物溶液を0.5重量部添加、混合し、プレポリマー
と低分子化合物の混合溶液を得た。なお、プレポリマー
の官能基である水酸基(微量のカルボキシル基を含む)
に対して、低分子量化合物の官能基であるイソシアネー
ト基が1.01倍当量であった。
【0071】こうして得た混合溶液を、走行している2
枚の、予め脱脂した0.7mm厚の冷間圧延鋼帯(SP
CC−SD)の各片面に、溶媒除去後の膜厚が25μm
程度になるように、ロールコーターを用いて塗布した。
塗布後、一方の樹脂塗布面上に、導電性充填材としてニ
ッケルフィラー(平均粒径65μm )を、最終的に中間
層樹脂に対して3体積%になるように、グラビアロール
を用いて散布した。
【0072】続いて、2枚の金属帯の各々を、乾燥炉
(150℃空気中×3分)に入れ、溶媒を除去した。こ
の後、2枚の金属帯の各塗膜面上に、反応触媒として、
ジブチルチンジラウレートと前記のプレポリマーとの混
合物の粉末をグラビアロールを用いて散布した。なお、
両者の混合比は、プレポリマー100重量部に対して、
反応触媒が1重量部である。この混合物は粒径50μm
程度の粉末とし、粉末同士の粘着を抑制するために、冷
却したものを散布した。散布量は、各樹脂塗膜面1m2
当たり、混合物1.0gとなるようにした。この後、2
枚の金属帯の樹脂塗膜面同士をロール(線圧10kgf/c
m)によって貼り合わせ、引き続き、3組の加熱ロール
(各220℃、線圧10kgf/cm)で圧着し、冷却した後
に巻き取って、複合型制振材料のコイルを得た。得られ
た複合型制振材料試料の性能を調査し、その結果を表1
に示した。
【0073】(比較例3)反応触媒とプレポリマーの混
合物の粉末を散布する代わりに実施例1で用いた反応触
媒と同量の反応触媒を、金属帯に塗布する前の混合溶液
中に予め添加しておいた他は、実施例2と同様にして複
合型制振材料を作製した。同様の性能調査を行い、結果
を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】表1からわかるように、実施例2に示すよ
うな本発明によれば、複合型制振材料を製造した直後に
おいて、接着性能が高い。このため、製造後の接着性能
の経時変化も小さい。制振性能、溶接性能は、反応触媒
を加えない従来法(比較例1)と比べて同等であり、満
足できる水準である。
【0076】これに対し、比較例3では、製造直後の接
着性能が低く、このために、コイルの変形等を生じる。
接着不良であるため、製造直後の接着性能が低い。ま
た、制振性、溶接性も低い。
【0077】
【発明の効果】本発明の製造方法で製造された複合型制
振材料は、製造直後で中間層樹脂の硬化反応がほぼ完結
する。すなわち、製造直後で製品性能が飽和するため、
製造直後の接着性能低下による製品不良を抑制できる。
さらに、本発明によれば、硬化反応を伴う中間層樹脂か
らなる複合型制振材料を高速で製造することが容易とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂 本 誠 司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 杉 辺 英 孝 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子鎖当たり少なくとも平均2個の官能
    基(X)を有するプレポリマーと、官能基(X)と反応
    して共有結合を生成することのできる官能基(Y)を1
    分子当たり少なくとも平均2個有する低分子量化合物と
    を反応せしめて得られる樹脂が、2枚の金属板に挟持さ
    れてなる複合型制振材料の製造方法において、プレポリ
    マーと、低分子量化合物を混合して混合物を得、該混合
    物を2枚の金属板の少なくとも一方の面に塗布した後、
    続いて塗布面に反応触媒を存在させて、該塗布面が該2
    枚の金属板に挟持されるように圧着することを特徴とす
    る複合制振材料の製造方法。
  2. 【請求項2】1分子鎖当たり少なくとも平均2個の官能
    基(X)を有するプレポリマーと、官能基(X)と反応
    して共有結合を生成することのできる官能基(Y)を1
    分子当たり少なくとも平均2個有する低分子量化合物と
    を反応せしめて得られる樹脂が、2枚の金属板に挟持さ
    れてなる複合型制振材料の製造方法において、プレポリ
    マーの溶液と、低分子量化合物あるいは低分子量化合物
    の溶液とを混合して混合溶液を得、該混合溶液を2枚の
    金属板の少なくとも一方の面に塗布したのち、溶媒を加
    熱除去し、続いて該塗布面に反応触媒を存在させて、該
    塗布面が該2枚の金属板に挟持されるように加熱圧着す
    ることを特徴とする複合型制振材料の製造方法。
  3. 【請求項3】下記、(a)〜(f)の各項目のうち、少
    なくとも一つの項目を満足する請求項1または2に記載
    の複合型制振材料の製造方法。 (a)プレポリマーが飽和ポリエステルである。 (b)官能基(X)が水酸基である。 (c)官能基(Y)がイソシアネート基である。 (d)反応触媒が錫類あるいは/および第3級アミン類
    である。 (e)反応触媒がプレポリマーとの混合物である。 (f)樹脂が導電性充填材を含む。
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