JP2712111B2 - 粘弾性組成物 - Google Patents

粘弾性組成物

Info

Publication number
JP2712111B2
JP2712111B2 JP1314272A JP31427289A JP2712111B2 JP 2712111 B2 JP2712111 B2 JP 2712111B2 JP 1314272 A JP1314272 A JP 1314272A JP 31427289 A JP31427289 A JP 31427289A JP 2712111 B2 JP2712111 B2 JP 2712111B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
polyester resin
composition
vibration damping
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1314272A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03177412A (ja
Inventor
憲一 増原
良一 加藤
浩 圓谷
豊 田中
和雄 吉井
良明 三代沢
秀夫 疋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP1314272A priority Critical patent/JP2712111B2/ja
Publication of JPH03177412A publication Critical patent/JPH03177412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2712111B2 publication Critical patent/JP2712111B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は粘弾性組成物に関し、特に、家電製品、建
材、車両などの構造体の構造部材の全部又は一部を構成
して、その構造体の振動を減少させ、騒音を低減させる
のに有用な複合型制振材の製造に適した粘弾性組成物に
関する。
(従来の技術およびその課題) 近年、一般家庭や職場での作業環境の改善のために、
騒音や振動を規制する傾向にある。このような動向に対
応するため、騒音源や振動源である金属材料に対して制
振性を付与することや制振性能の向上を図ることが要請
され、複合型制振材が使用されつつある。
複合型制振材は、金属に加えられる振動エネルギーを
粘弾性層が熱エネルギーに変換、消費して、振動によつ
て発生する騒音を低減させるものである。この制振材
は、近年騒音規制のニーズに対応して、洗濯機、自動車
のオイルパンや、ドア、床、シヤツター等の建材などに
使用されてきている。
この制振材は、通常、互に相対面した金属板や2重金
属管などの金属の中間に粘弾性材料を挟みこんだもので
ある。
従来、そのような用途に用いられる制振材用粘弾性材
料として、ポリエステル系では、例えば、グリコール類
とフタル酸類とからなるガラス転移温度(Tg)が0〜60
℃のポリエステル樹脂、およびこの樹脂にエポキシ樹脂
を混合した組成物が提案されている(特開昭50−143880
号公報参照)。しかしながら、上記提案の樹脂および組
成物はポリエステル樹脂としてTgが0℃以上のもののみ
が使用されていて、振動減衰特性が不充分であり、また
プレス加工などの厳しい加工に対して接着強度が不足し
ているため、複合型制振材にずれが生じやすく、さらに
プレス加工後に焼付工程に付すこともあるが、上記粘弾
性材料はまつたく乃至ほとんど架橋が生じないため、焼
付の際に却つて口開き現象を起こしたり、流出してしま
うという問題があつた。
(課題を解決するための手段) 複合型制振材用の粘弾性組成物は、その要求特性とし
て第一に、接着性が優れていること、実用的には、−20
℃程度の低温から60℃程度までのプレス成型などの加工
時の温度で優れた接着性を示すこと、また加工後、粘弾
性組成物は180℃程度の高温での焼付工程に付されてい
ることもあるので、焼付温度付近で粘弾性組成物が流出
せず、ある程度の接着力(通常、T型剥離強度で1.0kg/
25mm以上)を有することが必要である。また、第二に、
振動減衰特性の値が高いことが重要である。これは損失
係数の大小によつて表わされる。
本発明者らは、このような観点から、常温だけでなく
180℃程度の高温でも優れた接着力を示し、かつ振動減
衰特性の点でも優れた特性を有する粘弾性組成物を開発
すべく鋭意研究の結果、本発明を完成した。
しかして、本発明は、ガラス転移温度(以下、「Tg」
と略称する)が−10℃より低いポリエステル樹脂10〜90
重量%、Tgが−10℃〜30℃のポリエステル樹脂10〜90重
量%およびTgが30℃を超えるポリエステル樹脂0〜50重
量%からなるポリエステル樹脂混合物(A)、数平均分
子量600〜2400でかつエポキシ当量300〜1200のエポキシ
樹脂(B)、およびブロツク化された2個以上のイソシ
アネート基を有するトリレンジイソシアネートプレポリ
マー(C) を樹脂成分とすることを特徴とする粘弾性組成物を提供
するものである。
本発明の組成物は、Tgの異なる特定の複数のポリエス
テル樹脂の混合物(A)を使用する点に大きな特徴があ
り、この混合物(A)と、特定のエポキシ樹脂(B)、
および架橋剤としてブロツク化されたトリレンジイソシ
アネートプレポリマー(C)との組合わせを樹脂成分と
するものである。
本発明の組成物は、ポリエステル樹脂としてTgの異な
る特定の2種もしくはそれ以上のものを特定量で使用す
ることによつて、接着強度および振動減衰特性の有効温
度幅を著るしく拡張することに成功したものである。
以下、本発明の組成物についてさらに詳しく説明す
る。
(A) ポリエステル樹脂混合物: 本発明の組成物に使用されるポリエステル樹脂混合物
(A)は、 (a)Tgが−10℃より低く、好ましくは−40℃〜−15℃
のポリエステル樹脂10〜90重量%、好ましくは20〜80重
量%と、 (b)Tgが−10℃〜30℃、好ましくは−5℃〜20℃のポ
リエステル樹脂10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%
と、 (c)Tgが30℃を超え、好ましくは40℃〜80℃のポリエ
ステル樹脂0〜50重量%、好ましくは2〜10重量%と からなるものである。
ポリエステル樹脂(a)、(b)および(c)の混合
割合が上記の範囲からはずれると、広い温度域において
優れた接着強度および振動減衰特性を兼備した組成物を
得ることができない。
本明細書においてポリエステル樹脂のTgは示差走査熱
量測定(DSC)によるものである。
上記(a)〜(c)のポリエステル樹脂はそれ自体既
知の方法に従い、ジカルボン酸成分とグリコール成分と
を、必要に応じて分子量調製のためのモノカルボン酸成
分と共に重合させることにより製造することができる。
ジカルボン酸成分としては、例えば、ジメチルテレフタ
ル酸、ジメチルイソフタル酸などの芳香族二塩基酸又は
その反応性誘導体;アゼライン酸、アジピン酸、無水ト
リメリツト酸などの脂肪族二塩基酸又はその反応性誘導
体が挙げられ、また、グリコール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−ヘキ
サンジオール、ジエチレンジオール、ネオペンチルグリ
コールなどが挙げられる。さらに、分子量調製のための
モノカルボン酸成分としては、安息香酸、t−ブチル安
息香酸など例示することができる。
これらのカルボン酸成分とグリコール成分との重合
は、通常のポリエステル製造法ん従つて行なうことがで
き、いわゆる直接エステル化法またはエステル変換法の
いずれの方法によつて行なつてもよいが、一般には、酸
成分を低級アルキルエステルとし、亜鉛化合物やマンガ
ン化合物等のエステル交換触媒の存在下にアルコール成
分とのエステル交換反応を行ない、次いでアンチモン化
合物やゲルマニウム化合物等の重縮合触媒の存在下に重
縮合反応を行なうエステル交換法が適している。この反
応は有機溶媒中で行なうこともできる。
生成なるポリエステル樹脂のTgの調整は、各反応成分
の種類および/またはそれらのモル比を適宜変更するこ
とにより行なうことができる。例えば、Tgが−10℃より
低いポリエステル樹脂(a)は、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの炭素
数約6〜約20程度の長鎖脂肪族ジカルボン酸又はそのメ
チルエステルなどのエステル誘導体を二塩基酸成分とし
て多く使用するなどの方法によつて容易に得ることがで
きる。また、Tgが−10℃〜30℃のポリエステル樹脂
(b)およびTgが30℃を超えるポリエステル樹脂(c)
は、二塩基酸成分として上記の長鎖脂肪族ジカルボン酸
の量を少なくしたり又はなくしたりする方法などによ
り、酸成分およびアルコール成分を適宜選択することに
よつて容易に得ることができる。
また、Tgが−10℃より低いポリエステル樹脂(a)お
よびTgが−10℃〜30℃のポリエステル樹脂(b)はそれ
ぞれ、一般に8,000以上、好ましくは10,000〜40,000の
数平均分子量をもつことが好ましく、また、これらのポ
リエステル樹脂(a)および(b)のジカルボン酸成分
は、通常、芳香族ジカルボン酸40〜70モル%と炭素原子
数4〜10の脂肪族ジカルボン酸60〜30モル%との混合物
であることが好ましく、他方、グリコール成分は炭素原
子数2〜5のアルキレングリコールであることが好まし
い。
(B) エポキシ樹脂: 本発明の組成物を構成するエポキシ樹脂(B)は、数
平均分子量が600〜2,400、好ましくは800〜1,500の範囲
内にありかつエポキシ当量が300〜1,200、好ましくは40
0〜1,00の範囲内にあるものが使用される。
そのようなエポキシ樹脂としては、ビスフエノールA
型のエポキシ樹脂;ビスフエノールF型のエポキシ樹
脂;フエノールノボラツク樹脂;ブロム化フエノールノ
ボラツクエポキシ樹脂、1,4−ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の
ジグリシジルエーテル化合物;フタル酸ジグリシジルエ
ステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、
トリメリツト酸ポリグリシジルエステル等のグリシジル
エステル化合物などを例示することができる。これらの
うち、ビスフエノールA型のエポキシ樹脂が接着性の点
から特に好ましい。また、これらのエポキシ樹脂はそれ
ぞれ単独で用いてもよく、または2種以上混合して使用
できる。
エポキシ樹脂の数平均分子量が600より小さいと、得
られる組成物の振動減衰特性は優れているが、常温で十
分な接着強度が得られず、一方、数平均分子量が2,400
を越えると、ポリエステル樹脂との相溶性が不十分とな
るだけでなく、得られる組成物の高温(150〜180℃)で
の接着強度が著しく低下し、振動減衰特性も低下する。
(C) ブロツク化トリレンジイソシアネートプレポリ
マー(C): 本発明の組成物を構成する第3の成分であるブロツク
化トリレンジイソシアネートプレポリマー(C)は、ト
リレンジイソシアネートと活性水素含有化合物とを、該
化合物の活性水素に対してイソシアネート基が当量以上
となる割合で反応させてイソシアネート基を少なくとも
2個有するプレポリマーを生成せしめ、次いでこのプレ
ポリマーをブロツク剤とそれ自体既知の方法で活性水素
をもたない溶媒中または無溶媒において反応させてイソ
シアネート基をブロツクすることにより製造することが
できる。
トリレンジイソシアネートと反応させうる活性水素含
有化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサンジオール、水添ビスフエノールA、キシ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペン
タエリスリトール、ソルビトール、ひまし油などの低分
子活性水素含有化合物;または各種ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、
エポキシポリオールなどの高分子活性水素含有化合物な
どが挙げられ、またブロツク剤としては、例えば、フエ
ノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール
系、メルカプタン系、酸アミド系、アミン系、イミダゾ
ール系、尿素系、カルバミン酸系、イミン系、オキシム
系などのブロツク剤がいずれも使用できるが、特にフエ
ノール系、オキシム系、ラムタム系、イミン系などのブ
ロツク化剤が有効に使用される。
広い温度域での優れた接着力および低温振動減衰特性
という観点から、上記のトリレンジイソシアネートプレ
ポリマー(C)の製造に用いる活性水素含有化合物とし
てはひまし油が好適であり、また、ブロツク剤としては
特にメチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケト
オキシム、シクロヘキサノオキシムなどのオキシムを用
いることが望ましい。
ブロツク化されたトリレンジイソシアネートプレポリ
マー(C)は、加熱によつてブロツク化剤が解離し、イ
ソシアネート基が再生してポリエステル樹脂混合物
(A)および/またはエポキシ樹脂(B)と反応する架
橋剤として機能する。
粘弾性組成物: 本発明の組成物におけるポリエステル樹脂混合物
(A)、エポキシ樹脂(B)およびブロツク化トリレン
ジイソシアネートプレポリマー(C)のそれぞれの配合
割合は厳密に規制されるものではなく、該組成物の用途
等に応じて変えることができるが、一般には、ブロツク
化トリレンジイソシアネートプレポリマー(C)は、ポ
リエステル樹脂混合物(A)中の水酸基量に対して、該
プレポリマー(C)中の解離再生するイソシアネート基
が0.5〜1.5当量、特に0.7〜1.2当量の範囲内となる割合
で使用することができ、また、エポキシ樹脂(B)は、
ポリエステル樹脂混合物(A)100重量部に対して2〜1
0重量部、好ましくは3〜8重量部の範囲内で使用する
のが好都合である。
本発明の組成物は、上記の樹脂成分以外にさらに、顔
料、金属粉などの充填剤などを添加剤として含有しても
よく、添加剤として導電性物質を配合することにより組
成物に導電性を付与し、それを用いて形成される材料を
スポツト溶接可能な材料とすることもできる。このよう
な目的で使用される導電性物質としては、例えば、ステ
ンレス、亜鉛、錫、銅、黄銅、ニツケル等の金属を粉末
状、フレーク状、フアイバー状に加工した金属物質やカ
ーボンブラツク、グラフアイト、カーボンフアイバー等
の導電性炭素物質や粉末状のリン化鉄、さらに微粒子状
の樹脂表面に金属ニツケルやカーボンブラツクの薄膜を
施した導電性フイラーなどを挙げることができる。これ
らの充填剤は単独で用いることができ、又は2種類以上
を組合せて使用することもできる。
本発明の組成物は、以上に述べた各成分をデイスパ
ー、アトラクター、サンドミル、ペブルミル、スチール
ミル、ロールミル等を用いて均一に混合することにより
調製することができる。混合に際して、混合に適した粘
度とするなどのために、適当な溶媒を本発明組成物中に
配合せしめることができる。
本発明の粘弾性組成物は、金属などの被塗物に塗布
し、加熱して硬化させることによつて金属に粘弾性層を
形成することができる。上記加熱条件としては、ブロツ
ク化されたトリレンジイソシアネートプレポリマーのブ
ロツク剤が解離する条件であれば特に限定されるもので
はないが、一般的には約120℃〜約300℃の温度において
約40分〜約40秒程度とすることができる。
本発明の組成物からそれを硬化させることにより形成
される粘弾性材料は、広い温度範囲にわたつて優れた接
着強度を示すと同時に、常温領域での振動減衰特性に優
れており、また、加工後焼付工程に付した場合にも、18
0℃程度の温度で粘弾性層が著しい軟化現象や流出を起
こすことがなく、複合型制振材とする場合においても端
面や加工部の口開き現象を生じない。この特性は、粘弾
性組成物にTgの異なる少なくとも2個のポリエステル樹
脂混合物を使用しているため広い温度範囲で接着性、振
動減衰特性に寄与すること、またエポキシ樹脂が接着性
の向上に寄与し、トリレンジイソシアネートプレポリマ
ーが各樹脂成分と有効的に3次元架橋しているため、高
温での粘弾性層の著しい軟化や流出を抑え、口開き現象
を生じないことに基因すると考えられる。
かくして、本発明の組成物は、複合型制振材をはじめ
とし、振動などの衝撃を緩和、減衰させる用途に対して
広く使用することができる。
本発明の組成物を用いて複合型制振材を製造する場
合、その方法としては、例えば、0.2〜1.2m/m程度の厚
さの金属板にロールコータ又はスプレー塗装などにより
本発明の組成物を塗布し、約200〜約280℃の温度で80〜
40秒間焼付けることによつて溶媒を実質的に含まない粘
弾性層を有する金属板を作成し、このようにして作成し
た粘弾性層を有する2枚の金属板の粘弾性層面が互に接
するようにして重ね合わせ、ロールまたはプレスなどに
よつて接着させる方法;上記の如くして作成した粘弾性
層を有する金属板と粘弾性層を有さない金属板とを粘弾
性層を挟むようにして重ね合わせ接着させる方法などが
挙げられる。形成される複合型制振材の粘弾性層の厚さ
は通常、15〜30μmの範囲内にあることが好ましい。15
μm未満であると均一な樹脂層が得られないだけでな
く、十分な接着強度および振動減衰特性も得られず、一
方、30μmを越えると焼付工程で溶剤が完全に蒸発しな
いで微細な気泡として樹脂層に残留し接着強度を低下さ
せるだけでなく、成型加工時において金属板がズレを生
じやすくなる。
上記複合型制振材に用いられる上記の金属板として
は、例えば、冷延鋼板、亜鉛メツキ鋼板、銅板、アルミ
ニウム板、ステンレス板等の金属板、およびこれらの金
属板にクロメート処理やリン酸塩処理などの表面処理を
施した表面処理板等のいずれであつてもよく、また形状
としては切り板状、コイル状等であることができる。
上記の如くして製造される複合型制振材料において、
本発明の組成物の硬化物によつて構成される制振部分
は、自動動的粘弾性測定器(東洋ボールドウイン社製、
MODEL RHEOVIBRON DDV−II−EA)にて周波数110Hzの条
件下で測定したとき、以下に述べる粘弾性特性を有して
いることが望ましい。
動的ヤング率(E):108〜109dyne/cm2 損失ヤング率(E′):108〜109dyne/cm2 損失正接(tan δ)の極大値:30℃以下 本発明の組成物を用いて作成される複合型制振材料
は、厳しい成形加工条件が要求されない建材の分野のみ
ならず、洗濯機などの家電製品、自動車のダツシユパネ
ル、ルーフパネル、フロアパネル等、従来、粘弾性組成
物を用いることが困難であつた用途分野においても使用
することができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明の組成物をさらに具体的に
説明する。なお以下の記載において、「部」および
「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味す
る。
製造例1 ポリエステル樹脂液の合成 ジメチルテレフタレート18.3部、ジメチルイソフタレ
ート11.7部、エチレングリコール11.9部、ネオペンチル
グリコール20.5部、エステル交換触媒として酢酸亜鉛二
水和物118mg、重縮合触媒として三酸化アンチモン246mg
を1のオートクレーブに仕込み、160〜210℃に加熱
し、エステル交換反応を行い、約2時間後理論量のメタ
ノールが溜出した時点でエステル交換反応を終了した。
ここで少量のトリメチルホスフエートを添加し、200〜2
10℃で30分間撹拌した。次いで220℃に昇温し、アゼラ
イン酸37.6部を添加し、220〜230℃で30分間エステル化
反応を行なつた。次いで温度を250℃に上げると同時に
徐徐に減圧し250℃、10mmHgで過剰のグリコールを除去
した。さらに昇温と減圧を行ない、次の特性値を有する
ポリエステル樹脂Aを得た。
Mn 数平均分子量:36,000 Tg ガラス転移点:−20℃(DSC法) 酸価 :1.0 OH価 :6.5 さらに、上記樹脂を加熱残分が35%になるように、メ
チルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50から成る
溶剤に希釈した。
製造例2 製造例1に準じて、下記の組成によりポリエステル樹
脂Bを合成した。
テレフタル酸ジメチル :13.7部 イソフタル酸ジメチル :20.9部 アジピン酸 :27.1部 エチレングリコール : 4.8部 ジエチレングリコール :15.3部 ネオペンチルグリコール:18.2部 ここで得られた樹脂Bの特性値はつぎの通りであつ
た。
Mn 数平均分子量:13,000 Tg ガラス転移点:0℃(DSC法) 酸価 :11.4 OH価 :7.5 この樹脂を加熱残分が50%になるように、シクロヘキ
サノンで希釈した。
商品名ベツコライトM−6203−45S(大日本インキ化
学工業(株)製、加熱残分45%のオイルフリーポリエス
テル樹脂液)中のポリエステル樹脂をポリエステル樹脂
Cとした。この樹脂の特性値は下記のとおりであつた。
Mn 数平均分子量:8,000 Tg ガラス転移点:65℃ 酸価 :3 OH価 :25 製造例3 ブロツク化ポリイソイアネート樹脂液の合成 2のフラスコにトリレンジイソシアネートを3モル
(522g)仕込み、70℃に昇温した。次に温度を67〜69℃
にコントロールしながらひまし油1モル(926g)を滴下
した。滴下終了後、温度を70℃に保ちながら、NCO価が8
7になるまで約3〜5時間撹拌を続けた。ついで40℃ま
で冷却後、メチルイソブチルケトオキシム3モル(345
g)を滴下した。NCO価が0となるまで反応させた後、セ
ロソルブアセテート/スワゾール1000(コスモ石油
(株)製、芳香族石油系溶剤)=50/50からなる混合溶
剤で希釈し、オキシムでブロツク化された、トリレンジ
イソシアネートとひまし油との付加物であるイソシアネ
ート樹脂aの固形分約60%の溶液を得た。得られた樹脂
液の特性値は次のとおりであつた。
ブロツク化NCO基含有量: 5.2% 加熱残分 :59.6% 粘度 :560CPS 製造例4 コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製、トリ
レンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付
加物溶液、固形分75%、NCO含有量13.2%)318部に、40
℃で、メチルイソブチルケトオキシム115部を滴下し、N
CO価が0となるまで反応させた後、セロソルブアセテー
ト/スワゾール1000=50/50からなる溶剤で希釈し、固
形分約60%の、オキシムでブロツクされた、トリレンジ
イソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物で
あるイソシアネート樹脂bの固形分約60%の溶液を得
た。
製造例5(比較用) コロネートL 318部のかわりにコロネートHL(日本ポ
リウレタン工業(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンとの付加物溶液、固形分
75%、NCO含有量12.8%)328部を使用する以外は製造例
4と同様に行ない、オキシムでブロツクされた、ヘキサ
メチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンと
の付加物であるイソシアネート樹脂cの固形分約60%の
溶液を得た。
製造例6(比較用) コロネートL 318部のかわりにタケネートD−140N
(武田薬品(株)製、イソホロンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンとの付加物溶液、固形分75%、NC
O含有量10.5%)400部を使用する以外は製造例4と同様
に行ない、オキシムでブロツクされた、イソホロンジイ
ソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物であ
るイソシアネート樹脂dの固形分約60%の溶液を得た。
実施例1 ステンレス製ビーカーに製造例1で得た35%ポリエス
テル樹脂A液106.9部(固形分37.4部)、製造例2で得
たポリエステル樹脂B液74.8部(固形分37.4部)、45%
ポリエステル樹脂C液7.1部(固形分3.2部)、製造例3
で得た60%イソシアネート樹脂a液31.2部(固形分18.7
部)、およびメチルイソブチルケトンに溶解した40%エ
ピコート1001液8.3部(固形分3.3部)を配合し、均一に
撹拌して粘弾性組成物を得た。
実施例2〜7および比較例1〜8 表1に示す配合とする以外、実施例1と同様に行な
い、各々の組成物を得た。なお、エポキシ樹脂は、固形
分40%となるよう、メチルイソブチルケトンに溶解した
液として使用した。また、表1における各樹脂の配合量
は固形分表示とした。
表−1において使用したエポキシ樹脂は、いずれもシ
エル化学社製のエポキシ樹脂であり、数平均分子量およ
びエポキシ当量は下記のとおりである。
エピコート 828:数平均分子量約350、 エポキシ当量約190。
エピコート 1001:数平均分子量約900、 エポキシ当量約480。
エピコート 1004:数平均分子量約1400、 エポキシ当量約950。
エピコート 1007:数平均分子量約2900、 エポキシ当量約2250。
[試験方法] (1)粘弾性組成物の硬化物の粘弾性特性: 各粘弾性組成物をブリキ板に乾燥膜厚が45μmとなる
ように塗布し、素材到達温度240℃となるよう60秒間焼
付けた後、塗膜を剥離し、この塗膜の動的ヤング率Eお
よびtan δの極大値温度を、自動動的粘弾性測定器[東
洋ボールドウイン社製、モデルレオバイブロン DDV−II
−EA]を用い、周波数110Hzにて測定した。動的ヤング
率Eは20℃で測定した。
以下の各試験は、複合型制振材としての性能試験であ
る。
複合型制振材の作成 0.8×150×300mmのクロメート処理合金化亜鉛メツキ
鋼板(商品名ペンタイトPF、日新製鋼製)を2枚1組で
使用し、各2枚の鋼板のそれぞれの片面に表−1の粘弾
性組成物をバーコータにて乾燥膜厚が23μmになるよう
に塗布し、2枚の金属板を同時に雰囲気温度が270℃の
乾燥器に入れ60秒間焼付した。この時のPMT(金属板の
最高到達温度)は240℃であつた。焼付工程終了直後に
粘弾性組成物の塗布面同志を重ね合せゴムロールで圧着
し、平行な2枚の金属板の間に粘弾性層を有する複合型
制振材を作成した。
(2)振動減衰率: 作成した複合型制振材について、電磁加振法により測
定した。測定温度は20℃測定周波数は200Hz、500Hzとし
た。また、複合型制振材を180℃で20分間再加熱したも
のについても同様に測定した。
(3)接着強度: 作成した複合型制振材を幅25mmに切断し、この試料の
T型剥離強度および引張剪断強度を測定した。T型剥離
強度については、試料を200mm/分の引張り速度でT型剥
離し測定した。引張り剪断強度はJIS K−6850の試験
法に基づいて5mm/分の引張り速度で測定した。測定温度
は、いずれの方法も20℃とした。また、複合型制振材を
180℃で20分間再加熱したものについても同様に接着強
度を測定した。
(4)高温でのT型剥離強度: 幅25mmに切断した複合型制振材を雰囲気温度が180℃
の乾燥器で5分間加熱した後、取出し、即座にバネ秤で
T型剥離強度を調べた。なお加熱工程での端面の口開き
現象を防止するためには、一般に約1kg/25mm以上の強度
が必要である。
(5)沸騰水浸漬試験後のT型剥離強度: 幅25mmに切断した複合型制振材を沸騰水に24時間浸漬
した後、取出して室温に24時間放置したもののT型剥離
強度を測定した。
(6)耐湿性試験後のT型剥離強度: 幅25mmに切断した複合型制振材を温度50℃、湿度98%
RH以上の湿潤試験器中で480時間湿潤させた後、取出し
て室温に24時間放置したもののT型剥離強度を測定し
た。
表−1に示したようにガラス転移点の異なる2種以上
のポリエステル樹脂、トリレンジイソシアネート系のブ
ロツク化イソシアネートプレポリマーおよびエポキシ樹
脂としてエピコート1001またはエピコート1004を用いた
粘弾性組成物は複合型制振材に使用した場合、初期およ
び再加熱後の接着強度が高く、また高温でも高い接着力
を示すとともに振動減衰率も大きく良好な振動減衰特性
を示した。また実用的な耐久性試験である耐沸騰水浸漬
試験後、耐湿性試験後のいずれにおいても接着強度の低
下が認められないか低下率が低かつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 C08L 67/02 // C09K 3/00 C09K 3/00 P F16F 15/02 8919−3J F16F 15/02 Q (72)発明者 圓谷 浩 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新 製鋼株式会社内 (72)発明者 田中 豊 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新 製鋼株式会社内 (72)発明者 吉井 和雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 三代沢 良明 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 疋田 秀夫 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−198622(JP,A) 特開 昭64−69685(JP,A) 特開 昭64−48813(JP,A) 特開 昭53−58536(JP,A) 特開 平3−119020(JP,A) 特開 昭53−10652(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度(Tg)が−10℃より低いポ
    リエステル樹脂10〜90重量%、Tgが−10℃〜30℃のポリ
    エステル樹脂10〜90重量%およびTgが30℃を超えるポリ
    エステル樹脂0〜50重量%からなるポリエステル樹脂混
    合物(A)、 数平均分子量が600〜2400でかつエポキシ当量300〜1200
    のエポキシ樹脂(B)、および ブロツク化された2個以上のイソシアネート基を有する
    トリレンジイソシアネートプレポリマー(C) を樹脂成分とすることを特徴とする粘弾性組成物。
  2. 【請求項2】トリレンジイソシアネートプレポリマー
    (C)が、トリレンジイソシアネートとひまし油とを活
    性水素に対してイソシアネート基が当量以上となる割合
    で反応させることにより得られるポリイソシアネートの
    イソシアネート基をブロツク化したものである請求項1
    記載の粘弾性組成物。
JP1314272A 1989-12-05 1989-12-05 粘弾性組成物 Expired - Lifetime JP2712111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1314272A JP2712111B2 (ja) 1989-12-05 1989-12-05 粘弾性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1314272A JP2712111B2 (ja) 1989-12-05 1989-12-05 粘弾性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03177412A JPH03177412A (ja) 1991-08-01
JP2712111B2 true JP2712111B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=18051362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1314272A Expired - Lifetime JP2712111B2 (ja) 1989-12-05 1989-12-05 粘弾性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2712111B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2613502B2 (ja) * 1991-05-31 1997-05-28 東洋紡績株式会社 制振材料用粘弾性樹脂組成物
JP4667740B2 (ja) * 2002-12-09 2011-04-13 株式会社フジクラ プリント配線板
FR2858282B1 (fr) * 2003-07-30 2008-03-21 Saint Gobain Performance Plast Materiau a propriete d'amortissement acoustique et de collage
JP3975403B2 (ja) 2004-03-25 2007-09-12 東洋紡績株式会社 非晶性ポリエステル樹脂用改質剤、およびこれを用いた成形品
JP5110962B2 (ja) 2006-10-31 2012-12-26 関西ペイント株式会社 カチオン電着塗料組成物及び当該電着塗料を用いて塗装した物品
JP5371191B2 (ja) * 2007-01-05 2013-12-18 日本特殊塗料株式会社 二液型常温硬化塗布型制振塗料組成物
JP5508909B2 (ja) * 2010-03-16 2014-06-04 日新製鋼株式会社 塗装ステンレス鋼板およびその製造方法
JP5501055B2 (ja) * 2010-03-25 2014-05-21 日新製鋼株式会社 塗装エンボスステンレス鋼板およびその製造方法
JP5827850B2 (ja) * 2011-09-20 2015-12-02 日新製鋼株式会社 塗装鋼管およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03177412A (ja) 1991-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5061778A (en) Resin composition for composite-type vibration-damping material, composite-type vibration-damping material using the resin composition and process for production of the vibration-damping material
EP0792908B2 (en) Precoating of aluminium and stainless steel sheets
US4812518A (en) Polyester group containing polysiloxanes for lacquers and molding compositions
JP4278265B2 (ja) 熱硬化性水性塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法、ならびに、複層塗膜形成方法
US5194502A (en) Epoxy resin, urethane-modified epoxy resin and carboxylated polyester
JP2712111B2 (ja) 粘弾性組成物
JPS63150289A (ja) 二成分接着剤
JPH0418328A (ja) Al合金製プレス成形板の接着構造
JPH02155966A (ja) メッキ鋼板の表面処理方法
JPH09286968A (ja) 接着剤組成物
JPH06198802A (ja) 加工性にすぐれた複合型制振材料
JP2855685B2 (ja) ウレタン樹脂の製造方法
JPH0258532A (ja) 変性ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いた塗料
JP2022114079A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、硬化物及び積層体
JP3694205B2 (ja) 環境調和性と加工部耐食性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法
KR20120130843A (ko) 폴리우레탄 접착제 조성물 및 이의 제조방법
JPH03237173A (ja) プレコートメタル用一液性熱硬化型樹脂組成物及びプレコートメタル
JP2568089B2 (ja) 複合型制振鋼板用樹脂組成物
JPS6386715A (ja) 樹脂組成物およびそれを硬化してなる樹脂
JPH04372676A (ja) 制振鋼板用粘弾性組成物およびこれを塗装した制振鋼板
JPH07103357B2 (ja) 接着剤組成物
JP2977828B2 (ja) 一液性熱硬化型樹脂組成物およびプレコートメタル
JPH0550554A (ja) 複合型制振材料およびその製造方法
JPH0733502B2 (ja) フィルム貼合せ鋼板の製造方法および接着剤組成物
JP3223630B2 (ja) ポリエステルポリオールおよびポリウレタン