JP2977828B2 - 一液性熱硬化型樹脂組成物およびプレコートメタル - Google Patents

一液性熱硬化型樹脂組成物およびプレコートメタル

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐薬品性や耐汚染性にすぐれ、折り曲げな
どの加工にも耐えられる塗膜与えるプレコートメタル用
一液性熱硬化型樹脂組成物に関する。
従来の技術 一般に、プレコートメタルは、亜鉛鉄板その他の金属
板に予め塗料を塗布した後、任意の形状に成型加工して
最終の用途に供するものであり、たとえば冷蔵庫、洗濯
機、電気ストーブなどの家電製品、自動販売機、事務機
器、食品陳列ケースなどを含む什器類などの金属製品に
用いられている。このようなプレコートメタルは、金属
板を先に成型加工して複雑な形状物とした後に塗装を加
えるポストコート方式に比べて塗布工程が合理化される
こと、品質が均一になること、塗布の消費量が節約され
ることなどの利点があることから今後ともその用途は拡
大するものと考えられる。
プレコートメタルに用いられる塗料は、塗膜形成後に
上記用途に応じた形状に成型加工されるため、その塗膜
が折り曲げ、ローラ成型、エンボスプレス、絞り加工な
どの成型加工に耐えるに十分な伸長性と金属面に対する
接着力を保持することが要求される。一方、成型後の製
品は、それぞれの最終用途に適合した性能、たとえば建
築外装材の場合は高度の耐候性や加工した部分を含めた
強度の耐食性が要求され、また、冷蔵庫などの家電製品
では耐擦傷性や耐汚染性が要求される。これらの性能の
他に光沢、耐水性、耐薬品性、耐湿性などの耐久性が用
途に応じて更に要求される。
前述の家電製品のような用途では、従来、アミノアル
キッド樹脂、メラミン硬化アクリルポリオールあるいは
エポキシ樹脂が用いられている。ところがこれらの樹脂
では耐薬品性や耐汚染性を向上させると極端に加工性が
悪くなる欠点がある。
ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンまたは
その付加体のブロック化物とポリオール樹脂とを含有し
てなる組成物を金属板に塗布し、加熱硬化してプレコー
トメタルを製造する方法も知られているが(特開昭56−
89548号公報)、この方法により得られるプレコートメ
タルは必ずしも前記のような物性の全てを満足するもの
ではない。
また、エチレンイミンでブロックしたブロックイソシ
アネート化合物とポリオール樹脂とを含有してなる組成
物を金属板に塗布し、加熱硬化してプレコートメタルを
製造する方法も知られているが(特開昭57−10375号公
報)、この方法により得られるプレコートメタルもまた
前記のような物性の全てを満足するものではない。
発明が解決しようとする課題 前述のように加工性と耐汚染性および硬度をバランス
させた状態で塗膜性能を向上させることは非常に難しい
課題であった。本発明は、耐薬品性,耐汚染性,加工性
および硬度の点でバランスがとれ、しかもその他の塗膜
性能においてもすぐれた塗膜を与える樹脂組成物および
その樹脂組成物を用いて得られるプレコートメタルを提
供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明者等は、耐薬品性や耐汚染性の点で特にすぐれ
た塗膜性能を与える樹脂組成物について鋭意検討をおこ
なった結果、ポリオール成分として官能基数が少なくと
も3のポリエステルポリオールとエポキシ樹脂にアルカ
ノールアミン類および一価フェノール類の一種以上を付
加させたものとを組み合わせて用いることにより耐薬品
性、耐汚染性、特に耐マジック汚染性と耐からし汚染性
にすぐれ、加工性が良好で、硬度が高い塗膜が得られる
ことを知見し、これらの知見にもとづき本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は1.(1)官能基数が少なくとも3
のポリエステルポリオール30〜90重量%, (2)エポキシ樹脂にアルカノールアミン類および一価
フェノール類の一種以上を付加させたもの10〜70重量%
からなるポリオール成分および(3)有機ポリイソシア
ネートのオキシムブロック化物または有機ポリイソシア
ネートと活性水素化合物との反応により得られる末端に
NCO基を有するプレポリマーのオキシムブロック化物を
含有してなるプレコートメタル用一液性熱硬化型樹脂組
成物および 2.(1)官能基数が少なくとも3つのポリエステルポリ
オール30〜90重量%, (2)エポキシ樹脂にアルカノールアミン類および一価
フェノール類の一種以上を付加させたもの10〜70重量%
からなるポリオール成分および(3)有機ポリイソシア
ネートのオキシムブロック化物または有機ポリイソシア
ネートと活性水素化合物との反応により得られる末端に
NCO基を有するプレポリマーのオキシムブロック化物を
含有してなる一液性熱硬化型樹脂組成物を金属板に塗布
し、加熱硬化せしめたことを特徴とするプレコートメタ
ルに関する。
本発明に用いられる官能基数が少なくとも3つのポリ
エステルポリオールは、ジカルボン酸,グリコールおよ
び少なくとも3個のOH基を有するポリオールをエステル
化することにより得られる。
ポリエステルポリオールの製造に用いられるジカルボ
ン酸としては、たとえば、コハク酸,無水コハク酸,ア
ジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン2酸,
マレイン酸,無水マレイン酸,フーマル酸,イタコン
酸,ダイマー酸、などの脂肪族系,たとえばフタール
酸,無水フタノール酸,イソフタール酸,イソフタール
酸ジメチルエステル,テレフタノール酸,テレフタノー
ル酸ジメチルエステル,2,6ナフタレンジカルボン酸,ヘ
キサヒドロ無水フタール酸,テトラヒドロ無水フタール
酸,シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル,メ
チルヘキサヒドロ無水フタール酸,無水ハイミック酸,
無水メチルハイミック酸などの芳香族および脂環族系の
ものがあげられる。
グリコールとしては、たとえばエチレングリコール,
ジエチレングリコール,プロピレングリコール,1,3ブチ
レングリコール,1,4ブチレングリコール,ジプロピレン
グリコール,1,5ペンタンジオール,1,6ヘキサンジオー
ル,ネオペンチルグリコール,ヒドロキシピバリン酸の
ネオペンチルグリコールエステル,トリエチレングリコ
ール,1,9−ノナンジオール,3−メチル−1,5ペンタンジ
オール,2,2,4トリメチル−1,3ペンタンジオール,2−エ
チル−1,3ヘキサンジオール,ポリカプロラクトンジオ
ール,ポリβ−メチルバレロラクトンジオール,ポリプ
ロピレングリコール,ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール,ポリカーボネートジオール,2−n−ブチル2−
エチル1,3プロパンジオール,2,2ジエチル1,3プロパンジ
オールなどの脂肪族系のもの、たとえばシクロヘキサン
ジメタノール,シクロヘキサンジオール,キシリレング
リコール,ビスヒドロキシエチルテレフタレート,1,4ビ
ス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン,水添ビスフェ
ノールA,ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
体,ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体な
どの脂環族系あるいは芳香族系のものがあげられる。
少なくとも3個のOH基を有するポリオールとしては、
たとえばグリセリン,トリメチロールプロパン,トリメ
チロールエタン,1,2,6−ヘキサントリオール,ペンタエ
リスリトール,ジグリセリンおよびこれらのポリオール
を開始剤としたエチレンオキサイド付加体,プロピレン
オキサイド付加体あるいはε−カプロラクトン付加体な
どがあげられる。
エステル化反応は通常の方法により縮合物を留去する
ことによっておこなわれるが、生成物が多官能であるた
めに、反応を進めすぎるとゲル化の恐れがあるので通常
酸価0.1〜50、特に1〜20の範囲で停止するのが好まし
い。
具体的な製造法としては、たとえばジカルボン酸をグ
リコールのモル数より過剰に仕込み、180〜260℃の温度
でチッソガスを吹き込みながら縮合水を留去してゆき、
所定の酸価まで反応させて両末端にCOOH基を有するポリ
エステル化物を得る。ついでこのポリエステル化物の末
端がOH基となるように少なくとも3個のOH基を有するポ
リオールを仕込み、同様に縮合水を留去してゆき、酸価
が50以下、好ましくは1〜20の範囲で停止させる方法が
あげられる。
また、ジカルボン酸のジメチルエステルを用いる場合
は、グリコールのモル数より多く仕込み、上記と同様な
条件で縮合物を留去し、両末端がメチルエステル基を有
するポリエステル化物を得、ついで少なくとも3個のOH
基を有するポリオールを仕込み、前述と同様な条件でエ
ステル交換反応をおこない、ポリエステルポリオールを
得る。
酸無水物を併用する場合は、まずジカルボン酸をグリ
コールのモル数より少なく仕込み、上記と同様な条件で
縮合物を留去し、まず、両末端にOH基を有するポリエス
テル化物を得、ついでジカルボン酸無水物を添加し、こ
の開環反応により両末端にCOOH基を有するポリエステル
化物を得る。
つぎに少なくとも3個のOH基を有するポリオールを仕
込み、前述と同様な方法で反応をおこない、ポリエステ
ルポリオールを得る。
本発明に用いられるポリエステルポリオールは官能基
数が3〜7で、特に4〜6で、数平均分子量が600〜350
0で、かつ水酸基価が80〜460のものが特に好ましく、官
能基数が3未満の場合は硬化塗膜の硬度が低くなり、ま
た、耐薬品性も悪くなる。
また、官能基数が7を越えた場合は塗膜の耐折り曲げ
性が悪くなることがある。数平均分子量が600未満の場
合は硬化塗膜の光沢が悪くなり、3500を越えると高粘度
となり、塗装作業性に問題を生じたり、また、塗膜外観
が悪くなることがある。水酸基価が80未満の場合は硬化
塗膜の耐薬品性,耐汚染性が悪くなることがある。また
水酸基価が460を越えると塗膜の耐折り曲げ性が悪くな
ることがある。
本発明に用いられるポリオール成分のもう一方の成分
であるエポキシ樹脂にアルカノールアミン類および一価
フェノール類の一種以上を付加させたものとしては、特
に下記の一般式で表わされるエポキシ樹脂にアルカノー
ルアミン類および一価フェノール類の一種以上を自体公
知の手段、例えば特開昭61−231019号公報の方法により
付加させたものがあげられる。このポリオール成分の水
酸基価は約100〜600程度である。
[式中、Xはハロゲンで置換されていてもよいフェニレ
ン基またはシクロヘキシレン基を、Rは水素またはメチ
ル基を、nは0〜12.0を示す。] 上記一般式で表わされるエポキシ樹脂のなかで、Rが
メチル基で、Xがp−フェニレン基のもので、nが2〜
9のものが好ましい。ハロゲンとしては、たとえば臭
素,塩素などがあげられる。この置換基の数は通常、1
〜3個程度で、その位置はフェニレン基もしくはシクロ
ヘキシレン基のいずれの位置でもよい。
アルカノールアミン類としては、たとえばモノエタノ
ールアミン,N−メチルエタノールアミン,N−メチルイソ
プロパノールアミン,N−エチルエタノールアミン,N−ベ
ンジルエタノールアミンなどのモノアルキノールアミ
ン,たとえばジエタノールアミン,ジプロパノールアミ
ン,ジイソプロパノールアミン,ジブタノールアミン,
ジ−2−ヒドロキシブチルアミン,ジ−2−ヒドロキシ
オクチルアミンなどのジアルカノールアミンなどがあげ
られる。これらのなかでジエタノールアミンまたはジイ
ソプロパノールアミンが好ましい。アルカノールアミン
類の付加量は、エポキシ基1当量に対してアルカノール
アミン類が約0.8〜1.8モル程度である。一価フェノール
類としては、たとえばフェノール,クレゾール,イソプ
ロピルフェノール,イソブチルフェノール,ノニルフェ
ノール,キシレノール,ジ−tert−ブチルフェノールな
どがあげられるが、特にアルキルフェノール類のイソプ
ロピルフェノールやイソブチルフェノールが好ましい。
一価フェノール類の付加量はエポキシ基1当量に対して
一価フェノール類が約0.8〜1.2モル程度である。
上記のアルカノールアミン類および一価フェノール類
はそれぞれ一種以上用いてもよく、また、アルカノール
アミン類と一価フェノール類とを併用してもよい。ポリ
オール成分中、(1)官能基数が少なくとも3のポリエ
ステルポリオールの配合割合は、30〜90重量%、好まし
くは40〜90重量%である。(2)のエポキシ樹脂にアル
カノールアミン類および一価フェノール類の一種以上を
付加させたものの配合割合はポリオール成分中10〜70重
量%の割合であるが、特に10〜60重量%の範囲で用いる
のが好ましい。(2)の配合割合が10重量%未満では耐
汚染性のうち、特に耐からし汚染性が悪くなることがあ
る。また、70重量%を越えると耐からし汚染性はよくな
るが、加工性が非常に低下することがある。
本発明に用いられるオキシムブロック化物としては、
少なくとも2個のNCO基を有する化合物、たとえば、ト
リメチレンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシ
アネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,ペンタメ
チレンジイソシアネート,1,2−プロピレンジイソシアネ
ート,2,3−ブチレンジイソシアネート,1,3−ブチレンジ
イソシアネート,2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート,ドデカメチレンジイソシ
アネート,2,6−ジイソシアナートメチルカプロエートな
どの脂肪族ジイソシアネート、たとえば1,3−シクロペ
ンタンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシ
アネート,1,3−シクロヘキサンジイソシアネート,3−イ
ソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシ
ルイソシアネート,4,4′−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート),メチル−2,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート,メチル−2,6−シクロヘキサンジイソ
シアネート,1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロ
ヘキサン,1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘ
キサン,1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキ
サン,トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ートなどのシクロアルキレン系ジイソシアネート,たと
えばm−フェニレンジイソシアネート,p−フェニレンジ
イソシアネート,4,4′−ジフェニルジイソシアネート,
1,5−ナフタレンジイソシアネート,4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート,2,4−または2,6−トリレンジ
イソシアネート,4,4′−トルイジンジイソシアネート,
ジアニシジンジイソシアネート,4,4′−ジフェニルエー
テルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート,
たとえばω,ω′−ジイソシアネート1,3−ジメチルベ
ンゼン,ω,ω′−ジイソシアネート1,4−ジメチルベ
ンゼン,ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチル
ベンゼン,α,α,α′,α′テトラメチルメタキシリ
レンジイソシアネート,α,α,α′,α′テトラメチ
ルパラキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジ
イソシアネート,たとえばトリフェニルメタン−4,4′,
4″−トリイソシアネート,1,3,5−トリイソシアネート
ベンゼン,2,4,6−トリイソシアネートトルエン,ω−イ
ソシアネートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエ
ートなどのトリイソシアナート,たとえば4,4′−ジフ
ェニルメチルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネ
ートなどのテトライソシアネートのブロック化物あるい
はこれらと活性水素化合物との反応により得られる末端
にNCO基を有するプレポリマーのブロック化物があげら
れる。
プレコートメタルとして用いる場合は、耐候性が要求
されるので前述のNCO基を有する化合物のなかでもヘキ
サメチレンジイソシアネート,3−イソシアナートメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート,1,
4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン,1,3
−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン,4,4′
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート),
α,α,α′,α′テトラメチルメタキシリレンジイソ
シアネートなどのイソシアネート化合物を用いるの好ま
しい。
これらのイソシアネート化合物と活性水素化合物との
反応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマー
は前記イソシアネート単量体と活性水素化合物とをイソ
シアネート基が過剰の状態で反応させることにより得ら
れる。
このプレポリマーを製造するのに用いられる活性水素
化合物としては、たとえばエチレングリコール,プロピ
レングリコール,1,2−ブチレングリコール,1,3−ブチレ
ングリコール,1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリ
コール,ジプロピレングリコール,ネオペンチルグリコ
ール,ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エ
ステル,トリエチレングリコール,水添ビスフェノール
A,キシリレングリコール,1,4−ブチレングリコールなど
の2価アルコール,たとえばグリセリン,トリメチロー
ルエタン,トリメチロールプロパン,1,2,6−ヘキサント
リオールなどの3価アルコール,たとえばペンタエリス
リトールなどの4価アルコールなどの低分子量ポリオー
ル,上記ポリオールのプロピレンオキサイドあるいはエ
チレンオキサイド付加物などのポリエーテルポリオー
ル,前述の低分子量ポリオールとジカルボン酸とを反応
させて得られるポリエステルポリオールやポリエステル
ポリオールを製造する際に脂肪酸変性したものなどの高
分子量ポリオール、OH基を有するエポキシ樹脂やラクト
ン類、アルカノールアミン類およびフェノール類の一種
以上で変性されたエポキシ樹脂などがあげられる。
これらのポリオールは単独あるいは混合して使用して
もよい。
プレポリマーは、一般にはNCO基/OH基との当量比が約
2.0〜15,好ましくは約4〜8で、通常40〜140℃,好ま
しくは70〜100℃で反応をおこなった後、必要ならば未
反応のイソシアネート単量体を通常おこなわれている薄
膜蒸留法または抽出法などで取り除くことができる。
この反応には、錫系,鉛系,亜鉛系,鉄系などの有機
金属触媒を用いてもよい。また、プレポリマーとして
は、水、あるいはエチレンジアミンなどの低級アミンと
過剰の上記イソシアネート単量体を反応させて得られる
ビユレット化合物、あるいは上記低分子量ポリオールや
高分子量ポリオールと過剰のイソシアネート単量体とを
反応させて得られるアロファネート化合物,さらには有
機ジイソシアネートのダイマー化,トリマー化触媒とし
て公知の触媒を用いてイソシアネート単量体を反応させ
ることにより得られるダイマー化物やトリマー化物など
があげられる。
前述のイソシアネート単量体またはそれらのプレポリ
マーのオキシムブロック化物はイソシアネート単量体ま
たはそれらのプレポリマーを公知の方法によりオキシム
系ブロック剤と反応させることによって得られる。
オキシム系ブロック剤の具体例としては次のものがあ
げられる。
ホルムアミドキシム,アセトアルドキシム,アセトキ
シム,メチルエチルケトキシム,ジアセチルモノオキシ
ム,ベンゾフェノンオキシム,シクロヘキサノンオキシ
ムなど。
前述のイソシアネート単量体またはそれらのプレポリ
マーとオキシム系ブロック剤との反応の具体的な方法と
しては、たとえばイソシアネート単量体またはそれらの
プレポリマーとブロック剤とをNCO基/ブロック剤中の
活性水素基の当量比=約0.9〜1.0、好ましくは約0.95〜
1.0で反応させる方法、イソシアネート単量体とブロッ
ク剤とをNCO基/ブロック剤中の活性水素基の当量比=
約1.1〜3.0、好ましくは約1.2〜2.0で反応させた後、こ
れに前述のプレポリマーの製造に用いられるような低分
子量ポリオール,高分子量ポリオール,水あるいは低級
アミンとを反応させる方法、あるいはイソシアネート単
量体と低分子量ポリオール,高分子量ポリオール,水あ
るいは低級アミンをNCO基/活性水素基の当量比=約1.5
〜10.0、好ましくは約2.0〜7.0で反応された後、これに
ブロック剤を反応させる方法などがあげられる。
上記の各反応は活性水素基を持たない溶媒中(例;ベ
ンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族系,ソルベッソ
ー100,ソルベッソー200などの石油系溶剤,酢酸エチ
ル,酢酸ブチルなどのエステル系,たとえばアセトン,
メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロ
ヘキサノンなどのケトン系,たとえばテトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系など)あるいはこのような溶媒の不
存在下に公知の方法でおこなわれる。反応に際しては、
たとえば3級アミン,有機金属などの公知の触媒を使用
してもよい。
本発明のプレコートメタル用一液性熱硬化型樹脂組成
物は、前述のポリエステルポリオールとエポキシ樹脂に
アルカノールアミン類および一価フェノール類の一種以
上を付加させたものを特定比率で含有するポリオール成
分およびオキシムブロック化物を含有してなる組成物で
ある。
ポリオール成分とオキシムブロック化物の配合割合は
OH基/再生NCO基の当量比が約1/2〜2/1、特に約1/0.8〜
1/1.2が好ましい。
上記ポリオールおよびブロック化物以外に、たとえば
酢酸エチル,酢酸ブチル,アセト酢酸メチル,2−エトキ
シエチル−アセテートなどのエステル系,キシレン,ト
ルエンなどの芳香族系,メチルエチルケトン,メチルイ
ソブチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン系,ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル
系,ソルベッソー100,ソルベッソー200などの石油系な
どの有機溶媒、たとえば着色顔料や体質顔料,シリコン
系,アミン系,ポリエーテル系,ポリエステル系,ヒマ
シ油系,合成ワックス系,ベントナイト系などの分散
剤、消泡剤,レベリング剤,揺変剤,ベンゾトリアゾー
ル系,ヒンダードアミン系,ヒンダードフェノール系な
どの安定剤,錫系,鉛系,亜鉛系,鉄系などの反応触媒
などを必要に応じて加えてもよい。
このようにして得られる本発明のプレコートメタル用
一液性熱硬化型樹脂組成物は、素材に塗布後、加熱する
ことによりブロック化物中に含まれるブロック剤が解離
してNCO基を再生し、この再生NCO基がポリオール成分中
のOH基と反応して硬化した塗膜を与える。
プレコートメタルの製造に用いられる金属板は、通
常、プレコートメタル用金属として用いられるものであ
れば如何なるものでもよいが、たとえば冷延鋼板,亜鉛
めっき鋼板,合金化亜鉛めっき鋼板,スズめっき鋼板,
クロムめっき鋼板,アルミニウムめっき鋼板,鉛めっき
鋼板,ニッケルめっき鋼板,アルミニウム板,チタン
板,ステンレス板などがあげられる。本発明の樹脂組成
物は、これらに直接又は通常の塗装前処理を施した後に
塗装される。また、いずれの場合にも必要に応じてプラ
イマー塗料を塗布し乾燥した後に又は乾燥せずに本発明
の樹脂組成物を塗布することができる。塗装前処理とし
てはクロメート化成処理やリン酸塩化成処理,複合酸化
皮膜処理などがある。クロメート化成処理には電解クロ
メート,塗布型クロメート,反応型クロメート処理が、
リン酸塩化成処理にはリン酸亜鉛処理,リン酸鉄処理
が、複合酸化皮膜処理にはニッケルとコバルトを含有す
る処理がある。
プライマー塗料はエポキシ樹脂系,高分子ポリエステ
ル系など通常用いられているものが使用できる。
金属板の形状としては、たとえば平板状,筒状など、
いずれでもよい。この金属板に本発明の樹脂組成物を塗
布する。塗布量は限定されるものではなく、自由に決め
ることができるが、乾燥膜厚10〜30μとなるような量が
好ましい。
塗布する手段としては、たとえばスプレーガン,ロー
ルコーター,フローコーターなどがあげられる。
つぎに、塗布した金属板を加熱硬化する。
加熱温度はブロック剤の種類などによって異なるが、
約150〜350℃で、その時間は約20秒〜120秒程度が好ま
しい。この加熱操作によってブロック化物中に含まれる
ブロック剤が解離してNCO基を再生し、この再生NCO基が
ポリオール中のOH基と反応して架橋化し、強靭な塗膜が
得られる。
発明の効果 本発明のプレコートメタル用一液性熱硬化型樹脂組成
物を硬化して得られる塗膜には加熱操作によるヤケや熱
劣化は全てみられない。しかも耐薬品性、耐汚染性、特
に耐からし汚染性の点ですぐれており、硬度も高く、加
工性もよい。特に、本発明の組成物から良好なプレート
鋼板がえられるので家電製品などに有利に用いることが
できる。
以下、参考例および実施例によって本発明をより具体
的に説明する。実施例中、部あるいは%はそれぞれ重量
部もしくは重量%を示す。
参考例1 エポトートST−3000(東都化成(株)製品,水添ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量=234.5,粘
度(25℃)=3400cps)301.4部を反応容器に仕込み、か
きまぜながらチッソガス雰囲気下で昇温する。内温が15
5℃になったところで、滴下ロートを用いてジエタノー
ルアミン148.6部を約2時間かけて滴下反応させる。滴
下終了後約1時間内温を150〜160℃に保った後、冷却し
て取り出す。このポリオールの水酸基価は516.0であっ
た。
参考例2 エポトートYD−904(東都化成(株)製品,ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量=941.4,軟化点
=104.5℃)400.0部を反応容器に仕込み、チッソガス雰
囲気中で昇温してゆくと140℃に達したところで均一溶
液となる。かきまぜながら内温が150℃になったところ
で滴下ロートを用いてジエタノールアミン60.0部を約1
時間かけて滴下反応させる。滴下終了後約2時間内温を
150〜160℃に保った後、冷却して取り出す。このポリオ
ールの水酸基価は313.1であった。
参考例3 水添ビスフェノールA 364.9部(1.52モル),アジ
ピン酸441.6部(3.02モル)を反応容器に仕込み、220℃
に加熱してチッソガスを吹き込み、生成する縮合水を留
去しながら反応させ、酸価250.0となったところでトリ
メチロールプロパン(以下、TMPという)304.1部(2.27
モル)を仕込み、同様に縮合水を留去しながら反応させ
酸価2.6,水酸基価187.2,官能基数5,数平均分子量1478の
ポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリ
オール600部とエポミックVU−458CT−60[三井石油化学
工業(株)製品,ビスフェノールA型エポキシ樹脂のジ
エタノールアミン,ジイソプロパノールアミン付加体,
固形分;60.0%粘度(25℃);2900cps,水酸基価;132.0溶
剤;セルソルブアセテート,トルエン混合物]666.7部
とをシクロヘキサン733.3部に溶解し、固形分50%の溶
液とした。この溶液の性状を第1表に示した。
参考例4 1,4ブタンジオール236.7部(2.63モル)とコハク酸61
4.1部(5.20モル)を反応容器に仕込み、220℃に加熱し
てチッソガスを吹き込み生成する縮合水を留去しながら
反応させ、酸価が356.5となったところでTMP523.3部
(3.90モル)を仕込み、同様に縮合水を留去しながら反
応させ、酸価5.7,水酸基価281.5,官能基数5,数平均分子
量977のポリエステルポリオールを得た。このポリエス
テルポリオール600部と参考例3で使用したエポミックV
U−458CT−60 666.7部をシクロへキサノン733.3部に溶
解し固形分50%の溶液とした。この溶液の性状を第1表
に示した。
参考例5 シクロヘキサンジメタノール320.5部(2.22モル)と
無水ハイミック酸722.5部(4.40モル)を反応容器に仕
込みチッソガスを吹き込み昇温する。内温が150℃に達
してから1時間反応させ酸価が207.0となったところでT
MP445.0部(3.32モル)を仕込み、縮合水を留去しなが
ら反応させ酸価5.5,水酸基価207.6,官能基数5,数平均分
子量1316のポリエステルポリオールを得た。このポリエ
ステルポリオール600部と参考例3のエポミックVU−458
CT−60 666.7部をシクロヘキサノン733.3部に溶解し固
形分50%の溶液とした。この溶液の性状を第1表に示し
た。
参考例6 1,6ヘキサンジオール205.8部(1.74モル),ジメチル
イソフタレート670.1部(3.45モル)と酢酸亜鉛0.1gを
反応容器に仕込み、220℃に加熱してチッソガスを吹き
込み、生成するメタノールを留去しながら反応させ、メ
タノールが121ml留出したところでTMP347.2部(2.59モ
ル)を仕込み、同様にメタノールを留去しながら反応さ
せ酸価1.4,水酸基価193.6,官能基数5,数平均分子量1438
のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポ
リオール600部と参考例3のエポミックVU−458CT−60
666.7部をシクロヘキサノン733.3部に溶解し固形分50%
の溶液とした。この溶液の性状を第1表に示した。
参考例7 参考例5で得られたポリエステルポリオール120.0部
と参考例1で得られたポリオール80.0部をシクロヘキサ
ノン200.0部に溶解し、固形分50%の溶液とした。この
溶液の性状を第1表に示した。
参考例8 参考例6で得られたポリエステルポリオール120.0部
と参考例1で得られたポリオール80.0部をシクロヘキサ
ノン200.0部に溶解し、固形分50%の溶液とした。この
溶液の性状を第1表に示した。
参考例9 トリメチロールプロパン724.5部(5.40モル),ジメ
チルテレフタレート699.1部(3.60モル)および酢酸亜
鉛0.34部を反応容器に仕込み、220℃に加熱してチッソ
ガスを吹き込み、生成するメタノールを留去しながら反
応させ酸価0.2,水酸基価403.0,官能基数5,数平均分子量
696のポリエステルポリオールを得た。このポリエステ
ルポリオール120.0部と参考例2のポリオール80.0部を
シクロヘキサノン200.0部に溶解し、固形分50%の溶液
とした。この溶液の性状を第1表に示した。
参考例10 参考例6で得られたポリエステルポリオール120.0部
と参考例2のポリオール80.0部をシクロヘキサノン200.
0部に溶解し、固形分50%の溶液とした。この溶液の性
状を第1表に示した。
参考例11 参考例6で得られたポリエステルポリオール120.0部
とエポミックU−407[三井石油化学工業(株)製品,
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のイソブチルフェノー
ル付加体、軟化点;116℃,水酸基価;190.0]80.0部をシ
クロヘキサノン200.0部に溶解し、固形分50%の溶解と
した。この溶液の性状を第1表に示した。
参考例12 タケネートD−120N[武田薬品工業(株)製品,TMP−
1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン付
加体,固形分75%,イソシアネート含有11.7% 溶剤;
酢酸エチル]を785.3部,セルソルブアセテート319.9部
を反応容器に仕込む、チッソガス雰囲気下で内温が60〜
70℃を保つようにメチルエチルケトキシムの194.9部を
徐々に滴下し、添加完了後、約2時間上記温度に保つと
固形分60%,再生イソシアネート基含量7.09%,25℃あ
わ粘度、Z1〜Z2のブロック化物溶液を得た。この溶液の
性状を第2表に示した。
参考例13 タケネートD−160N[武田薬品工業(株)製品,TMP−
ヘキサメチレンジイソシアネート付加体,固形分75%,
イソシアネート含有13.2%,あわ粘度(25℃)J〜K]
を760.7部およびセロソルブアセテート325.6部を仕込
み、チッソガス雰囲気下で、内温が60〜70℃を保つよう
にメチルエチルケトキシムの213.7部を徐々に滴下し、
添加完了後、約2時間上記温度に保つと固形分60%,再
生イソシアネート基含量7.77%,あわ粘度(25℃)Q〜
Rのブロック化物溶液を得た。この溶液の性状を第2表
に示した。
参考例14 1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン1
64.1部をシクロヘキサノン191.7部に溶解しメチルエチ
ルケトキシム122.7部を75〜80℃に保つように1時間で
滴下する。滴下後さらに1時間上記温度に保持する。次
に1,1,3,3−テトラn−ブチル−1,3−ジアセトキシジス
タノキサン0.36部とエポミックVU−455CT−60[三井石
油化学工業(株)製品,ビスフェノールA型エポキシ樹
脂のジエタノールアミンとジイソプロパノールアミン付
加体,固形分60%,粘度(25℃);5700cps,水酸基価;14
4.0,溶剤;セロソルブアセテート,トルエン混合物]12
0.7部を加え75〜80℃で4時間反応させる。かくして再
生イソシアネート基含量9.86%,固形分60%のブロック
化物溶液を得た。この溶液の性状を第2表に示した。
参考例15 1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン1
16.5部をシクロヘキサン303.3部に溶解し、メチルエチ
ルケトキシム87.1部を75〜80℃に保つように1時間で滴
下する。滴下後、さらに1時間上記温度に保持する。次
に1,1,3,3−テトラn−ブチル−1,3−ジアセトキシジス
タノキサン0.31部とプラクセルG−402[ダイセル化学
工業(株)製品,ビスフェノールA型エポキシ樹脂のε
−カプロラクトン付加体、エポキシ当量;1250,水酸基
価;119.0]99.0部を加え75〜80℃で3時間反応させる。
かくして再生イソシアネート基含量6.93%,固形分50%
のブロック化物溶液を得た。この溶液の性状を第2表に
示した。
参考例16 1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン1
16.5部をシクロヘキサノン299.7部に溶解し、メチルエ
チルケトキシム87.1部を75〜80℃に保つように1時間で
滴下する。滴下後、さらに1時間上記温度に保持する。
次に1,1,3,3−テトラn−ブチル−1,3−ジアセトキシジ
スタノキサン0.31部とエピコート1001[油化シェルエポ
キシ(株)製品,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エ
ポキシ当量;470]95.5部を加え75〜80℃で4時間反応さ
せる。かくして再生イソシアネート基含量7.01%,固形
分50%のブロック化物溶液を得た。この溶液の性状を第
2表に示した。
参考例17 2の4径フラスコに撹拌機,温度計,チッソガス導
入管,還流冷却用コンデンサーを取り付け、TMPとα,
α,α′,α′テトラメチルメタキシリレンジイソシア
ネートとの付加体(室温で固形状物,イソシアネート含
量13.3%)を500部,酢酸エチル427.1部および1,1,3,3
−テトラn−ブチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサ
ン0.19部を仕込み、チッソガス雰囲気下で内温60〜70℃
に保つようにメチルエチルケトキシムの140.5部を徐々
に滴下してゆき、添加完了後、約4時間上記温度に保つ
と固形分60%,再生イソシアネート基含量6.20%,あわ
粘度(25℃)Q〜Rのブロック化物溶液を得た。この溶
液の性状を第2表に示した。
参考例18 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)262.4部をトルエン198.2部およびシクロヘキサノン
198.2部の混合溶剤に溶解しメチルエチルケトキシム87.
1部を30分間で滴下する。滴下終了後さらに1時間75〜8
0℃に加熱する。次に1,1,3,3−テトラn−ブチル−1,3
−ジアセトキシジスタノキサン0.19部とTMP46.1部を加
え75〜80℃で4時間反応させる。かくして再生イソシア
ネート基含量5.30%,固形分50%のブロック化物溶液を
得た。この溶液の性状を第2表に示した。
実施例1 参考例3で得られたポリオール溶液15.56部と参考例1
2のブロック化物16.45部を仕込み(NCO/OH当量比=1.
0),PWC(ピグメント ウエイト コンセントレーショ
ン)=50%となるように酸化チタン(タイペークR−82
0;石原産業(株))17.65部を仕込む。更に触媒として
1,1,3,3−テトラn−ブチル−1,3−ジアセトキシジスタ
ノキサン0.017部およびBYK−300(BYK−マリンクロット
社)0.15部を添加してペイントコンディショナーにより
十分混練し白エナメル溶液を得た。この溶液を0.6mm厚
の電解亜鉛めっき鋼板に電解クロメート処理を施した
後、エポキシ樹脂系のプライマー塗料を乾燥膜厚5μに
なるように塗装,焼付したものの上に、乾燥膜厚20μに
なるようにバーコーターで塗装し、260℃の雰囲気下で6
0秒焼き付けると光沢のある白色塗膜が得られた。白エ
ナメルの配合及び塗膜性能を第3表に示した。
実施例2〜11 参考例12〜18のブロック化物を用い、第3表に示すよ
うにPWC=50%の白エナメル溶液の全量が50部となる配
合物について、焼付条件は実施例1と同様の条件でおこ
なった。
評価方法*1 鉛筆硬度 キズ跡法 JIS−K−5400の方法に準拠し鉛筆
で塗膜を掃引し、掃引面を脱脂綿でふきとり、キズ跡が
付かない鉛筆の硬さで表わす。
JIS法 JIS−K−5400の方法による。*2 ゴバン目エリクセン JIS−K−5400の基盤目試験に準拠
して塗面にカッターナイフで100個のマス目をつける。
マス目の中央部分を塗面の裏側からエリクセン試験機で
7mm押出した後、セロテープにより付着性を試験する。
剥離が認められない場合は100/100,全て剥離の場合は0/
100で表わす。*3 マジック汚染性 マジックインキで塗面に線描きし、
24時間放置後、脱脂綿にエタノールを含ませて拭きと
り、線のあとを評価する。
◎:あとが残っていない。
○:かすかにあとが残る。
△:若干あとが残る。
×:あとがはっきり残る。*4 からし汚染性(△E) 市販のねりからし60部を水100部に
十分分散させ、これに塗装板を室温で浸漬する。24時間
後取り出して、よく水洗し塗面の色差を測定する。*5 からしサイクル汚染性(5サイクル) 塗面に市販のねりからしを塗布し、
温度60±2℃,温度91±3%の雰囲気に8時間放置、そ
の後常温常湿で16時間放置を1サイクルとして5サイク
ル実施した後塗布したねりからしをふきとり塗面の状態
を目視で評価する。
○:黄色のあとがかすかに残る。
△:黄色のあとが若干残る。
×:黄色のあとがはっきり残る。*6 キシレンラビング 布にキシレンを含浸させ、一定荷重
で塗面をこすり、往復で1回とし、50回で塗面の破れが
生ずるか否かで判定する。*7 耐アルカリ性 塗装板の端をワックスでシールし5
%のNaOH水溶液に72時間浸漬後取り出し塗面の外観を目
視で評価する。*8 耐酸性 塗装板の端をワックスでシールし5
%のHCl水溶液に72時間浸漬後取り出し塗面の外観を目
視で評価する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 18/58 C08G 18/58 18/80 18/80 (72)発明者 岡 襄二 千葉県君津市君津1 新日本製鐡株式会 社内 (72)発明者 坂本 琢郎 兵庫県川西市南花屋敷3丁目6番8号 (56)参考文献 特開 昭57−10375(JP,A) 特開 昭63−301215(JP,A) 特開 昭63−301217(JP,A) 特開 昭59−38261(JP,A) 特開 昭59−89366(JP,A) 特開 昭64−20273(JP,A) 特開 昭57−159858(JP,A) 特開 昭63−183913(JP,A) 特開 昭52−941(JP,A) 特公 昭46−40869(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 175/00 - 175/16 C08G 18/00 - 18/87

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)官能基数が少なくとも3のポリエス
    テルポリオール30〜90重量%と, (2)エポキシ樹脂にアルカノールアミン類および一価
    フェノール類の一種以上を付加させたもの10〜70重量%
    からなるポリオール成分、および (3)有機ポリイソシアネートのオキシムブロック化物
    または有機ポリイソシアネートと活性水素化合物との反
    応により得られる末端にNCO基を有するプレポリマーの
    オキシムブロック化物を含有してなるプレコートメタル
    用一液性熱硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキ
    シ樹脂であり、アルカノールアミン類がジアルカノール
    アミンである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】(1)官能基数が少なくとも3のポリエス
    テルポリオール30〜90重量%, (2)エポキシ樹脂にアルカノールアミン類および一価
    フェノール類の一種以上を付加させたもの10〜70重量%
    からなるポリオール成分、および(3)有機ポリイソシ
    アネートのオキシムブロック化物または有機ポリイソシ
    アネートと活性水素化合物との反応により得られる末端
    にNCO基を有するプレポリマーのオキシムブロック化物
    を含有してなる一液性熱硬化型樹脂組成物を金属板に塗
    布し、加熱硬化せしめたことを特徴とするプレコートメ
    タル。
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