JPH0530034B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は配線基板用コネクタに関し、特に挿入
端縁に並設した接点群を有する配線基板をコネク
タ本体の挿入溝内に差し込んでコンタクトとの弾
性接触を図るようにしたコネクタに係り、上記配
線基板端縁を強固に補捉するコンタクト群から同
配線基板を無理なく容易に離脱し得るようにした
ものである。

従来技術の問題点 従来例として、例えば特開昭60−230378号公報
に開示されているように、配線基板をコネクタ本
体に挿着するには、配線基板をコネクタ本体に対
して後傾姿勢で挿入しつつ配線基板の接点とコネ
クタ本体のコンタクトとを電気的に接続した後、
配線基板を垂直姿勢に起立する操作を必要とし、
又配線基板をコネクタ本体より抜去するには、垂
直姿勢の配線基板を再び後傾させ、この傾斜姿勢
を保ちながらコネクタ本体の接片から配線基板の
接点を離脱する操作を必要とし、このため配線基
板のコネクタ本体に対する挿抜操作時に、挿抜す
る配線基板と相隣れる挿着状態にある配線基板と
の部品が干渉し合つて挿抜が困難となり、場合に
よつては部分を損傷する欠点があつた。

又配線基板を垂直姿勢でコネクタ本体に挿抜で
きるようにしたものもあるが、配線基板のコネク
タ本体に対する挿抜荷重が高い構造であることに
加えて、同配線基板の上部二隅部に穿けた係止孔
にコネクタ本体に設けた係止爪を弾力的に係合し
接続を保持する構造であるため、特に抜去に際し
ては大きな挿抜力が要求され、従つてその抜去に
際しては治具を利用せねばならなかつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は上記各従来例の欠点を解決すべくコネ
クタ本体に配線基板の片側押上げ手段たる単一の
押上レバーを備え、この押上レバーの操作により
配線基板の一端部を他端部を支点として傾斜する
ように回動して配線基板の挿入端縁に並設した接
点群とコンタクト群とを大部分離脱させ抜去に供
するようにしたものである。

即ち、本発明は配線基板を従来のように傾斜及
び垂直動させて挿抜する際の問題点、例えば傾斜
時に隣接する部品に当つて挿抜が困難となつた
り、場合によつては部品を損傷したりする問題点
を解決し、更には後者の例における挿抜荷重が高
く治具を用いて配線基板に係止した係止爪を離脱
せねばならない問題を解決するようにしたもので
ある。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するための手段とし
て、配線基板のコネクタ本体に対する挿入端の隅
部には切欠部を形成し、コネクタ本体の一端部に
は上記配線基板の片側押上げ手段たる単一の押上
レバーを備え、この単一の押上レバーを回動可に
支承し、この押上レバーに上記配線基板の挿着状
態下で上記切欠部と係合する押上部を形成し、上
記押上レバーの回動によりその押上部で上記切欠
部に押上力を与え、配線基板の一端部を他端部を
支点として傾斜するように片側押上げし、配線基
板の挿入端縁に並設した接点群とこれを強固に捕
捉するコンタクト群との完全離脱部と反離脱部と
を有する状態に移行更にコネクタ本体に配線基板
の係止孔に係合するロツク部材を具備させると共
に、押上レバーにロツク解除用突部を設け、上記
押上レバーによる配線基板の押上げに際し、該ロ
ツク解除用突部にてロツク部材を外方に押圧し係
止孔より離脱させ抜去に供する構成としたことを
特徴とする配線基板用コネクタの配線基板抜去装
置に関する。

作 用 コネクタ本体の左右端部の一方の端部に配線基
板の片側押上げ手段としての単一の押上レバーを
用い、配線基板の抜去に際して該押上レバーを操
作し配線基板の一端部をその他端部を支点としつ
つ押上げ回動して傾斜させ、この傾斜によつて完
全接触状態にある接点とコンタクトとの接触関係
を配線基板を押上端側からその中程にかけては完
全に離脱させると共に、この中程から回動支点側
にかけては半離脱させて、配線基板の抜去荷重を
極力小さくして抜去に供するようにしたものであ
る。又本発明はロツク部材を配線基板の係止孔に
係合してその接続を確実に保ちながら、このロツ
ク部材のロツク解除を上記押上レバーに委ね、押
上レバーを回動して配線基板を押上げるに際し、
同レバーのロツク解除用突部がロツク部材を外方
に押圧して軽微な力で容易にロツク部材の解除が
行なえる。

実施例 以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は配線基板をコネクタ本体より抜去した
状態の両者の斜視図であつて、１は配線基板を示
し、この配線基板１は正面視長方形に形成されて
おり、そのコネクタ本体に対する挿入側の端縁部
表面には接点２群が該端縁に沿つて一列状に配列
されており、この接点２群が列設されている端縁
を含む二つの隅部のうち一つの隅部には極性判別
用の切欠部３が形成されており、更に上記接点２
群が配列されていない反対側の端縁を含む二つの
隅部には配線基板１のコネクタ本体に対する挿着
位置を決める係止孔４が穿けられている。このよ
うに形成された配線基板１の表面にはIC等の電
気部品が実装される。

５は上記配線基板１を挿抜するコネクタ本体で
あつて、このコネクタ本体５は基台６とその左右
端部に突成した立上部７，８とより成り、正面視
略門型に形成されており、その一方の立上部７の
前後に並立された一対の対向壁間に取付溝９が形
成されており、この取付溝９には上記配線基板１
の片側押上げ手段としての単一の押上レバー１０
が介装され、立上部７に軸１１にて左右に回動可
に支承されており、この押上レバー１０には上記
配線基板１の一端部の挿抜ガイド溝１２が形成さ
れており、このガイド溝１２の配線基板挿入端に
相当する部分には配線基板１の挿着状態におい
て、上記極性判別用の切欠部３と係合する押上部
１３が形成されている。

１４は上記立上部８に形成した配線基板１の他
端部の挿抜ガイド溝を示し、１５は上記基台６に
形成された配線基板１１の挿入端の挿入溝であつ
て、この挿入溝１５は上記押上レバー１０と立上
部８とに形成したガイド溝１２，１４と連なるよ
うに形成されている。１６は上記挿入溝１５内に
一列状に配置するように上記基台６に植装したコ
ンタクト群である。

又１７，１７は上記配線基板１に穿けた係止孔
４，４に係合する係止爪で、この係止爪１７，１
７は上記基台６の上記立上部７，８寄りの部分に
立ち上げられたロツク部材１８，１８の先端に形
成されており、このロツク部材１８，１８の内側
面の略中間部には上方に行くに従つて内側方に突
出する傾斜面１９が形成されている。２０は上記
押上レバー１０の押上部１３両側に形成したガイ
ド溝画成壁を兼ねるロツク解除用突部で、この突
部２０は上記傾斜面１９に常時当接されている。
２１は上記押上レバー１０の底部に突設したスト
ツパー片で、２２は上記ストツパー片２１と対向
するコネクタ本体５の部分に形成した段部でこの
段部２２と上記ストツパー片２１の衝合にて上記
押上レバー１０の押上方向に対する回動死点とす
る。

尚、上記係止爪１７は図示の実施例の２個に限
定されることなく、例えば何れか一方の係止爪或
は双方の係止爪を削除して実施することもでき
る。

而して配線基板１を挿入するには配線基板１の
接点２群が配列されている側を先端側としその両
側縁を押上レバー１０及び立上部８に形成したガ
イド溝１２，１４を案内としつつ挿入し、同配線
基板１の表面で係止爪１７，１７をその挿入軌跡
外に排除しつつ基台６の挿入溝１５に挿入して接
点２群をコンタクト１６群に夫々接触させ、この
配線基板１が挿入終端に達する直前に係止爪１７
を係止孔４に係入させ、同配線基板１の挿入端縁
を挿入溝１５の底面に当接する。この挿着状態
（第２図Ａ及び第３図Ａ参照）においては係止孔
４と係止孔１７が配線基板１の抜去方向に遊びを
有する状態に係合されている。

上記配線基板１をコネクタ本体５に対し挿入す
る際、上述したように配線基板１の表面で一方の
係止爪１７を配線基板挿入軌跡外に排除するよう
にしながら押上レバーを操作して予め他方の係止
爪１７を配線基板挿入軌跡外に排除しても良い。

上記挿着状態で第２図Ａ及び第３図Ａに示すよ
うに押上部１３と切欠部３及び突部２０と傾斜面
１９とが夫々係合関係にあつて配線基板１の抜去
操作に備えている。又この挿着状態における押上
レバー１０のガイド溝１２の側壁１０ａと配線基
板１の側端面とは当接されている。

次に配線基板１をコネクタ本体５より抜去する
には、先ず第２図Ｂ及び第３図Ｂに示すように、
押上レバー１０を軸１１を中心として矢印ａ方向
に、即ち押上げ方向に回動して押上部１３で切欠
部３を押上げて同切欠部３を形成した配線基板１
の一端部を他端部を支点として同配線基板１を傾
斜させるべく矢印ｂ方向、即ち押上げ方向に斜行
回動し、この押上げ過程において突部２０が傾斜
面１９を外方に押圧して一方の係止爪１７を矢印
ｃ方向に移動して係止孔４より離脱させる。

次に第２図Ｃ及び第３図Ｃに示すように、押上
レバー１０を更に上記と同方向に回動すると、配
線基板１は上記他端部を支点として上記と同方向
に斜行回動されて第４図に示すような傾斜姿勢が
得られる。

この傾斜姿勢により、接点２群とコンタクト１
６との接触状態が配線基板１の押上端側から中程
にかけては完全離脱状態に且つ、この中程から支
点側にかけては半離脱状態に夫々移行され抜去に
供される。

上記押上レバー１０は第２図Ｃ図に示すよう
に、ストツパー片２１がコネクタ本体５に形成し
た段部２２に当接することによりそれ以上の回動
が阻止される。

上記配線基板１の抜去後、押上レバー１０は一
方のロツク部材１８の復元力で突部２０を押圧さ
れ挿入待機姿勢に復帰すると共に、ロツク部材１
８，１８及びその係止爪１７，１７自身も配線基
板１挿入前の状態に復帰される。

発明の効果 上述したように、コネクタ本体に備えた単一の
押上レバーを一方の片手にて操作することによ
り、配線基板を斜行回動させ、配線基板の押上端
側たる一端側から中程にかけての接点群をコンタ
クト群より完全に離脱すると共に、中程から回動
支点側の他端側にかけての接点群をコンタクト群
より半離脱して、抜去荷重を著しく軽減し、他方
の片手にて軽く抜去することができ、更に単一の
押上レバーにて配線基板を斜行回動させ抜去に供
するようにしたから、コネクタ本体の設置及び押
上レバー操作スペースを最小なものとしコネクタ
の高密度実装を可能とする。

更に配線基板の回動傾斜は同配線基板の片側切
欠部を利用し押上げするようにしたから、配線基
板の表面スペースを多く使用せず接点の極数を高
密度化することができ、しかも配線基板の挿抜操
作時に同配線基板に実装した電気部品が隣接する
配線基板に実装した電気部品に当つて挿抜を困難
なものとしたり、電気部品を損傷したりする恐れ
が全くなく、挿抜操作を完全に且つ簡単に行ない
得る利点を有する。又本発明によればロツク部材
を配線基板の係止孔に係合してその接続を確実に
する効果を享受しながら、押上レバーを回動して
配線基板を押上げるに際し、同レバーのロツク解
除用突部をロツク部材に作用させてこれを軽微な
力で容易に係止孔より離脱させることができ、ロ
ツク部材を使用しても配線基板の抜去操作に負担
を課すことなく配線基板の抜去が難なく行なえ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は配線
基板とコネクタ本体との分解斜視図、第２図Ａ，
Ｂ，Ｃ及び第３図Ａ，Ｂ，Ｃは配線基板をコネク
タ本体より抜去する動作説明図、第４図は配線基
板抜去操作時の斜行回動姿勢を示す説明図であ
る。 １……配線基板、２……接点、３……切欠部、
５……コネクタ本体、１０……押上レバー、１３
……押上部、１６……コンタクト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 挿入端側の隅部に切欠部を有し且つ挿入端縁
   に多数の接点を並設した配線基板と、この配線基
   板を挿抜する挿入溝を有し且つ挿入溝内に上記接
   点群に弾力的に接触すべく配置された多数のコン
   タクトを有するコネクタ本体とより成る配線基板
   用コネクタにおいて、上記コネクタ本体に上記配
   線基板の片側押上げ手段たる単一の押上レバーを
   具備させ、該単一の押上レバーを上記コネクタ本
   体の一端部に回動可に支承し、この押上レバーに
   配線基板の挿着状態下で上記切欠部と係合する押
   上部を形成し、上記押上レバーの回動によりその
   押上部で上記切欠部に押上力を与え、配線基板の
   一端部を他端部を支点として傾斜するように回動
   させて上記接点群の大部分をコンタクト群から離
   脱させ抜去に供する構成とし、更に上記コネクタ
   本体には配線基板に穿けた係止孔に係合するロツ
   ク部材を具備させると共に、上記押上レバーに上
   記ロツク部材のロツク解除用突部を設け、上記押
   上レバーを回動して配線基板を押上げる際上記ロ
   ツク解除用突部でロツク部材を外方に押圧して上
   記係止孔より離脱させる構成としたことを特徴と
   する配線基板用コネクタ。