JPH0529971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、後車輪を軸支した伝動ケースの上部
に静油圧式無段変速装置を連結し、該静油圧式無
段変速装置に前後に向かつて支承した入力軸の前
部に冷却フアンを取り付けてあるミツドマウント
型芝刈機のブレーキ構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、かかるブレーキ構造としては、例えば実
開昭58−18137号公報に開示されたものがある。
この構成のものは、作業中に刈芝が後方の変速装
置側へ飛散することから、ブレーキ装置を極力刈
芝の影響が少ない変速装置の後側に配置し、且つ
前記フアンからの送風によつて、変速装置を冷却
できるように構成したものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記構成のように、ブレーキ装置を
変速装置の後側に配置しようとすると、この変速
装置下部に連結される伝動ケースなど他の部材の
配置に制約を受けるので、構成上前記入力軸に咬
合するブレーキ軸を別に設けて、このブレーキ軸
にブレーキ装置のブレーキデイスクを取り付けて
おり、前記したブレーキ軸や、このブレーキ軸及
び入力軸などに咬合する各ギヤーを必要として部
品点数が多くなるとともに、構造が複雑なものと
なつていた。

本考案は上記の実情に着目してなされたもので
あつて、ブレーキ装置の合理的な配置により構造
を簡略化することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係るミツドマウント型芝刈
機のブレーキ構造の特徴構成は、静油圧式無段変
速装置の出力軸の後端から伝動ケースに動力伝達
するよう構成するとともに、変速装置ケースの前
面に、前記出力軸の前端と連動連結したブレーキ
装置のケースを取り付けてある点にあり、その作
用及び効果は次の通りである。

〔作用〕 ブレーキ装置を無段変速装置の前面側に配設す
ることにより、該無段変速装置の後端下部に連結
した伝動ケースにブレーキ装置が干渉しなくな
り、従つて無段変速装置の出力軸に直接ブレーキ
装置を連動連結することができる。また、ブレー
キ装置を変速装置ケースの前面側に設けたので
は、前記したように刈芝がこのブレーキ装置に作
用し易くなり、刈芝の影響でブレーキ装置の信頼
性が低下し、好ましくないのであるが、このブレ
ーキ装置を覆うケースを変速装置ケースの前面に
取り付けることにより、刈芝の影響をなくしなが
ら、冷却フアンでブレーキ装置を冷却することが
できる。

〔考案の効果〕

ブレーキ装置を合理的に配置することにより、
従来のようにブレーキ軸や各ギヤを設ける必要が
なくなり、冷却フアンでブレーキ装置を冷却し、
且つ刈芝の影響を少なくしながら、部品点数が減
少できるとともに、構造を簡略化できるようにな
つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図にはミツドマウント型芝刈機が示され、
この芝刈機は、左右一対の操向用駆動前車輪２８
及び駆動後車輪２９を備えた自走車体３の前部
に、出力軸４を車体前後方向に向けたエンジン５
を搭載するとともに、車体３の後部に、前記左右
後車輪２９を軸支する伝動ケース１９を設け、こ
の伝動ケース１９の上部に静油圧式無段変速装置
２を内装した変速装置ケース６を連結し、前記前
車輪２８及び後車輪２９間において車体３の下腹
部に芝刈装置７を昇降自在に連結して構成されて
いる。そして、前記芝刈装置７は前記エンジン５
から前方に突出した出力軸４に連動連結されて駆
動するように構成されている。

第１図に示すように、前記変速装置ケース６内
には前記静油圧式無段変速装置２の油圧ポンプを
駆動する入力軸９と、無段変速装置２の油圧モー
タに連結された出力軸１０とが車体前後方向に向
けて略平行に配置され、前記出力軸１０が前記伝
動ケース１９に内装された差動装置１１のピニオ
ン軸１６にギヤ連結され、後車輪２９へ動力が減
速伝達されるようになつている 前記ピニオン軸１６の前端に、前記前車輪２８
へ動力伝達する伝動軸８がユニバーサルジヨイン
ト１７を介して連結され、この伝動軸８は前記芝
刈機７の上面を跨ぐように車体前後方向へ配設さ
れている。

次に、前記変速装置ケース６部分の構造につい
て詳細に説明すると、第１図に示すように該ケー
ス６から前方へ突出した前記入力軸９には変速装
置ケース６側へ送風する冷却フアン１８が取り付
けられ、また、前記出力軸１０の端部は前記フア
ン１８側へ延出されて、この出力軸１０の延出端
に、ブレーキドラム１ａ及びブレーキシユー１ｂ
等を備えたブレーキ装置１が取り付けられてい
る。そして、該ブレーキ装置１全体を覆うように
通気孔を有したケース２０が変速ケース６の前面
に固設され、このケース２０は前記フアン１８に
緩衡しないように、該フアン１８と変速ケース６
前端との間に配置されている。

従つて、前記フアン１８からの送風によつてブ
レーキ装置１を効率良く冷却できるとともに、ブ
レーキ装置１はその全体がケース２０で覆われて
いるので、前記芝刈装置７で刈り取られた刈芝が
ブレーキ装置１部分に入り込むことは比較的少な
いのである。また、ブレーキ装置１は比較的高速
回転で、且つ低トルクの出力軸１０に取付けてあ
るため、効率良く制動することができるととも
に、小型のブレーキ装置で良いものである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るミツドマウント型芝刈機の
ブレーキ構造の実施例を示し、第１図は要部縦断
側面図、第２図は芝刈機の芝刈装置への駆動系を
示す概略側面図、第３図は芝刈機の前後車輪への
駆動系を示す概略側面図である。 １……ブレーキ装置、２……静油圧式無段変速
装置、６……変速装置ケース、９……入力軸、１
０……出力軸、１９……伝動ケース、２０……ケ
ース、２９……後車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後車輪２９を軸支した伝動ケース１９の上部に
   静油圧式無段変速装置２を連結し、該静油圧式無
   段変速装置２に前後に向かつて支承した入力軸９
   の前部に冷却フアン１８を取り付けてあるミツド
   マウント型芝刈機のブレーキ構造であつて、前記
   静油圧式無段変速装置２の出力軸１０の後端から
   伝動ケース１９に動力伝達するよう構成するとと
   もに、変速装置ケース６の前面に、前記出力軸１
   ０の前端と連動連結したブレーキ装置１のケース
   ２０を取り付けてあるミツドマウント型芝刈機の
   ブレーキ構造。