JPS626918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行動力車、例えば車輪形トラクタ
用の前部動力取出装置に関する。

従来のこの種動力取出装置は、ベルトとプーリ
ーのように巻掛伝動体による動力取出が採用さ
れ、減速大にする等のためにプーリー径が大きく
なつて所定の地上高を取ることが困難であつた。

又、前輪駆動形になれば、車軸の中央にデフ装
置を内有したキヤリアーが設けてあるため、これ
をさけて動力取出しが要望されている。

本考案は前記実状に鑑み案出されたもので、車
体の前部に第１伝動ケースを設け、該伝動ケース
の下方に第２伝動ケースを設け、該第２伝動ケー
スを高さ方向に移動固定自在に構成し、前記第１
伝動ケースに動力受入軸を有するベベルギヤ伝動
機構を内蔵し、前記第２伝動ケースに動力取出軸
を有するベベルギヤ伝動機構を内蔵し、前記両ベ
ベルギヤ伝動機構を伸縮伝動軸を介して連動連結
したことを特徴とする。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

１は２軸４車輪形のトラクタで示す走行動力車
で、２が前輪、３が後輪である。

４はエンジンで、前部に出力軸５を有し、巻掛
伝動体６を介してラジエータ７のフアンを駆動す
る。

８はボンネツトで、エンジン４、ラジエータ７
等を覆つている。

９は前車軸フレームで、エンジン４等とともに
車体１０の一部を構成する。

１１は前車軸で、前記フレーム９に懸架され、
車軸中央のキヤリア１２内のデフ装置にプロペラ
シヤフト１３を介して動力を伝達するとともにデ
フ出力軸１４を介して左右一対の前輪駆動装置１
５により前輪２を駆動可能である。

１６は第１伝動ケースで、前車軸フレーム９内
に取付ブラケツト１７等を介して装着され、該ケ
ース内にはベベルギヤ伝動機構１８が内蔵されて
いる。該伝動機構１８には前記出力軸５の動力を
カツプリング５Ａ、クラツチ装置１９を介して受
入れる受入軸２０を有し、減速下で下向のスプラ
イン軸２１を駆動する。なお、クラツチ装置１９
は多板、単板式又はドツグ式でもよい。

２２は第２伝動ケースで、前記第１伝動ケース
１６の下方に設けられ、本例では伝動ケース１６
又は前車軸フレーム９より左右一対の下向ブラケ
ツト２３を下方に延設し、該ブラケツト２３の下
部に高さ方向の長孔２４とボルト２５を介して高
さ方向に移動固定自在に装着されている。

第２伝動ケース２２内にはベベルギヤ伝動機構
２６が内蔵され、該機構２６に対する入力軸が雌
スプライン軸２７とされ、前記スプライン軸２１
にスプライン嵌合され、ここに伸縮伝動軸２８を
介して連動連結されるとともに水平方向に突出す
る動力取出軸２９を連動する。

３０は伸縮形カバー体で、伸縮伝動軸２８をカ
バーリングしている。

３１はモーアで示す作業機で、前記動力取出軸
２９にジヨイント伝動軸３２を連結することで駆
動される。

動力取出軸２９はこれを通常、後向として第２
伝動ケース２２より突出するが、該軸２９を作業
形態により前向、横向に突出するには第６，７図
に示す構造を付加すれば好ましい。

即ち、第１伝動ケース１６に軸２３を突出し、
下向ブラケツト２３の頂部に前記軸３３に嵌合し
かつ回動自在の連結部材３４を固定し、該連結部
材３４に軸３３を中心とする弧状長孔３５を形成
し、この長孔３５にボルト３６を挿通螺合して第
１伝動ケース１６に固定解放自在とするのであ
り、これによれば、ボルト３６を弛めると、ブラ
ケツト２３とともに第２伝動ケース２２を前後左
右に方向変換自在で、各位置においてボルト３６
を締め上げれば固定でき、その前後向の方向変換
一例を第４，５図に示している。

なお、第６，７図に示す方向変換機構は、第２
伝動ケース２２の下面に軸３３を突出し、これに
下向ブラケツト２３の下部に固定の連結部材３４
を回動自在に嵌合し、長孔３５とボルト３６で前
述同様に構成してもよく、このときは、第２伝動
ケース２２が固定のブラケツト２３に対して方向
換えされるのである。

而して、本考案の実施例によれば、出力軸５か
らの動力はクラツチ装置１９を介して第１伝動ケ
ース１６のベベルギヤ伝動機構１８に伝達され、
伸縮伝動軸２８を介して第２伝動ケース２２のベ
ベルギヤ伝動機構２６に伝達されて動力取出軸２
９を駆動するのであり、該取出軸２９にジヨイン
ト伝動軸３２を連結することで、作業機３１等を
駆動できるのである。

そして、取出軸２９の高さ方向位置を変更する
にはボルト２５を弛め長孔２４の範囲で第２伝動
ケース２２を昇降すればよく、ここに第１伝動ケ
ース１６又は車体１０等の固定側に対して第２伝
動ケース２２の位置が自由に変更固定自在となる
のである。又、このように第２伝動ケース２２の
位置変更をしても伸縮伝動軸２８で連結している
故に支障ないのである。

本考案は、車体１０の前部に第１伝動ケース１
６を設け、該伝動ケース１６の下方に第２伝動ケ
ース２２を設け、該第２伝動ケース２２を高さ方
向に移動固定自在に構成し、前記第１伝動ケース
１６に動力受入軸２０を有するベベルギヤ伝動機
構１８を内蔵し、前記第２伝動ケース２２に動力
取出軸２９を有するベベルギヤ伝動機構２６を内
蔵し、前記両ベベルギヤ伝動機構１８，２６を伸
縮伝動軸２８を介して連動連結したことを特徴と
するものであるから次の利点がある。

車体１０の前部に装着の第１伝動ケース２２に
対して下方の第２伝動ケース２２を高さ方向に位
置変更（移動固定）自在にしているので、動力取
出軸２９の高さ位置を作業機３１又は前車軸１１
位置に合わせて設定でき、確実にして円滑な動力
を伝動できるし、又、前車軸１１等と干渉するこ
ともない。

更に、第１伝動ケース１６のベベルギヤ伝動機
構１８と第２伝動ケース２２のベベルギヤ伝動機
構２６は伸縮伝動軸２８で連結されているが故
に、前記高さ方向の変更にさいしても伝動は確実
に保証されるし、ベベルギヤ伝動機構１８，２６
を用いていることから所要の増減速を確保しなが
らも地上高を大にでき、うねまたぎ走行にも支障
なく、草、ワラ等の絡みも少なくなる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案一例の前面図、第２図は同側面
図、第３図は要部斜視図、第４図は要部詳細の側
断面図、第５図は前向動力取出の側断面図、第
６，７図は前後方向変更装置一例の平面又は底面
図である。 １０……車体、１６……第１伝動ケース、１
８，２６……ベベルギヤ伝動機構、２２……第２
伝動ケース、２８……伸縮伝動軸、２９……動力
取出軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体１０の前部に第１伝動ケース１６を設け、
   該伝動ケース１６の下方に第２伝動ケース２２を
   設け、該第２伝動ケース２２を高さ方向に移動固
   定自在に構成し、前記第１伝動ケース１６に動力
   受入軸２０を有するベベルギヤ伝動機構１８を内
   蔵し、前記第２伝動ケース２２に動力取出軸２９
   を有するベベルギヤ伝動機構２６を内蔵し、前記
   両ベベルギヤ伝動機構１８，２６を伸縮伝動軸２
   ８を介して連動連結したことを特徴とする走行動
   力車用前部動力取出装置。