JPH037213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、農用トラクタ等の作業用車両の動力
取出装置に関する。

〔従来の技術〕

農用トラクタ等の作業用車両においては、トラ
クタエンジンの動力を外部へ取り出すための動力
取出装置が設けられている。この動力取出装置の
PTO軸は、通常１本が車外に突出している。し
かし複数の作業機を同時駆動する必要がある場合
などは、複数本のPTO軸を突出させている。

かかる複数のPTO軸を有する従来の技術とし
て、例えば、実願昭54−70969号（実開昭55−
170127号）の願書に添付した明細書及び図面の内
容を撮影したマイクロフイルムに開示のものがあ
る。

この従来のものは、 「前部PTO軸と後部PTO軸とを備えた動力取出
装置において、前部PTOクラツチと後部PTOク
ラツチとを同一軸心上に前後に配置し、この各
PTOクラツチに動力を伝達する共通動力伝達系
を設け、各PTOクラツチと各PTO軸とを連結す
る前部及び後部PTO系を設けたことを特徴とす
る動力取出装置。」 であつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来の動力取出装置は、エンジンに連結さ
れた推進軸の垂直下方に、最終のPTO軸が配置
されてなるものであつた。

従つて、ミツシヨンケースの上下方向の寸法が
大きくなり、該ミツシヨンケースの上方に運転席
を設けた車両に採用することができなかつた。

そこで、本考案は、ミツシヨンケースの上下方
向の寸法を小さくすることができる作業用車両の
動力取出装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案は、次の手段
を講じた。即ち、本考案の作業用車両の動力取出
装置の特徴とする処は、作業用車車両の運転席の
下方にミツシヨンケースが配置され、該ミツシヨ
ンケースのほぼ中央部に、エンジンに連結された
PTO主軸が軸架され、該ミツシヨンケースの左
右両側にPTO副軸が軸架され、前記主軸と両副
軸は夫々ギヤーで連動連結され、かつ、両副軸に
夫々クラツチが独立して設けられ、該PTO副軸
の先端部がミツシヨンケースから外方に突出して
いる点にある。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基き詳述する。

第１図に示すものは、作業用車両の一例として
示すトラクタ１であり、該トラクタ１は、前輪２
と後輪３を有し、車体４の前部にステアリングハ
ンドル５を有している。該ハンドル５の後方に運
転席６が配置されている。エンジン７は車体４の
後部に搭載され、エンジン７の前方に油圧変速機
８及びミツシヨンケース９が配置されている。

油圧変速機８は油圧ポンプ１０と油圧モータ１
１とからなる正逆転切換自在の無段変速機であ
り、該油圧ポンプ１０の入力軸１２とエンジン７
とがクラツチ１３及び伝動軸１４を介して連動連
結されている。

油圧モータ１１の出力軸１５はミツシヨンケー
ス９内に突出し、複数段のギヤ例１６を介して前
輪駆動用デフ装置１７へ動力を伝達する。

前記油圧ポンプ１０には、入力軸１２に直結さ
れた出力軸１８がミツシヨンケース９内に突出す
るよう設けられている。ミツシヨンケース９内に
は、この油圧ポンプの出力軸１８と平行なPTO
主軸１９が架設され、該PTO主軸１９と出力軸
１８とはギヤ２０を介して連動連結されている。

第２図に示すように、ミツシヨンケース９内の
左右両側には、PTO副軸２１，２２がPTO主軸
１９と平衡に架設されている。PTO主軸１９と
同副軸２１，２２はギヤ２３，２４を介して連動
連結されている。

第３図に示すように、一方のPTO副軸２１は
ミツシヨンケース９の前端面より前方に突出し、
前部PTO軸２５とされている。他方のPTO副軸
２２は、ミツシヨンケース９の後端面より後方へ
突出し、ミツドPTO軸２６とされている。

前部PTO軸２５とギヤ２３間、及び、ミツド
PTO軸２６とギヤ２４間には、夫々独立操作可
能なクラツチ２７，２８が設けられ、動力伝達の
入・切が行なわれる。

第３図に示すように、トラクタ１の前部には、
前装モーア２９が装着されている。またトラクタ
１の側部には集草用ブロアー３０が配置されてい
る。モーア２９の排草口３１とブロアー３０間は
ダクト３２で連結されている。

モーア２９の上面には動力受入軸３３が設けら
れているが、該受入軸３３は、モーアの一側に排
草口３１が形成されている関係上、トラクタ１の
センターより若干偏心した位置に設けられてい
る。

上記モーアの動力受入軸３３と、前部PTO軸
２５とが自在連結軸３４で連動連結されている。
このとき、前部PTO軸２５も動力受入軸３３と
同様、トラクタ１のセンタより偏心して設けられ
ているので、前部PTO軸２５と動力受入軸３３
は、ほぼ一直線上で連結される。

前記ミツドPTO軸２６にはプーリ３５が設け
られ、該プーリ３５と集草用ブロアー３０のプー
リ３６間にベルト３７が架設されている。

上記本考案の実施例によれば、前部PTO軸２
５及びミツドPTO軸３６は、エンジン７に直結
されたポンプ軸に連動連結されているので、車両
の走行とは無関係のライブPTOとして使用する
ことができる。

２つのPTO軸２５，２６はPTO副軸１９に
夫々連結され、かつ独立したクラツチ２７，２８
を有しているので、独立して使用することができ
る。

前部PTO軸２５はトラクタ１のセンタライン
より偏心しているので、前装モーア２９等をオフ
セツトでき、しかも作業時のジヨイント角を小さ
くすることができる。

PTO副軸２１，２２をPTO主軸１９に対して
左右振り分け状に設けているので、上下に配置し
たものに比べ、地上高を大きくすることができ
る。

ミツドPTO軸２６は車体４のほぼ中央部の下
部の側部に突出しているので、集草ブロアー３０
の駆動に便利である。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
ない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、PTO主軸に対し、PTO副軸
が左右に配置されているため、上下に配置された
従来のものに比べ、ミツシヨンケースの上下方向
の寸法を小さくできる。従つて、運転席の下方に
ミツシヨンケースを配置した車両においては、車
体の地上高を大きくすることができる。

また、各PTO副軸に独立操作可能なクラツチ
を設けているので、前記従来のカウンタ軸にクラ
ツチを設けたものに比べ、軸の本数を減少させる
ことができ、その分、ミツシヨンケースの上下方
向の寸法を小さくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すトラクタの断面
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
本考案の実施例の平面図である。 １……トラクタ（車両）、７……エンジン、９
……ミツシヨンケース、１９……PTO主軸、２
１，２２……PTO副軸、２７，２８……クラツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業用車両の運転席の下方にミツシヨンケース
   が配置され、該ミツシヨンケースのほぼ中央部
   に、エンジンに連結されたPTO主軸が軸架され、
   該ミツシヨンケースの左右両側にPTO副軸が軸
   架され、前記主軸と両副軸は夫々ギヤーで連動連
   結され、かつ、両副軸に夫々クラツチが独立して
   設けられ、該PTO副軸の先端部がミツシヨンケ
   ースから外方に突出していることを特徴とする作
   業用車両の動力取出装置。