JPH0529890Y2

JPH0529890Y2 -

Info

Publication number: JPH0529890Y2
Application number: JP1988016968U
Authority: JP
Priority date: 1988-02-10
Filing date: 1988-02-10
Publication date: 1993-07-30
Anticipated expiration: 2003-02-10
Also published as: JPH01125667U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、ノーカーボン式の複写用紙に関し、
特に、用紙裏面や下に重ねられた他の用紙表面に
印刷がなされる、クレジツトカードやキヤツシユ
サービスあるいは生命保険等の各種申込書、航空
券、配送伝票等に用いると好適な複写用紙に関す
る。

従来の技術一般に複写用紙は、多数枚の複写能力、高度な
不透明性、すぐれた印刷適性等の機能を有するこ
とが要求される。

従来の技術ノーカーボン式複写用紙の紙質を主
な項目について示すと、実坪量が41.0g／m²、マ
イクロカプセル層及び呈色剤層を含む厚さが
0.055mm、密度が0.75g／cm²、白色度が81.3％、不
透明度が68％が一般的である。これに対して、従
来の一般市販の上質伝票用紙（連量55Kg）の紙質
を同一項目について示すと、坪量が67.8g／m²、
厚さが0.087mm、密度が0.78g／cm³、白色度が80
％、不透明度が88％が一般的である。

上述した従来例の紙質の比較でも明らかなよう
に、用紙の紙厚を増すと不透明度も高くなるが、
多数枚の複写能力を向上させるためには、用紙の
紙厚を薄くすることが望ましいものであり、これ
らの相反する要求を満たしたノーカーボン式複写
用紙は存在しなかつた。従来のノーカーボン式複
写用紙では、紙厚を厚くすると、複写が不鮮明と
なり、また、複写用紙からなる申込書等の全体が
厚くなつて、取扱や保管が不便となるので、多数
枚の複写能力の向上、及び取扱を優先させてお
り、不透明度は劣つたものとなつている。

考案が解決しようとする問題点このため従来のノーカーボン式複写用紙を、用
紙裏面や下に重ねられた他の用紙表面に契約文、
規約文等が印刷される、各種申込書、航空券、配
送伝票等に用いた場合には、前述の印刷が透けて
見えるので、記入内容が読み取り難いほか、コピ
ーした場合には裏面側の印刷も写つてしまうとい
う欠点があつた。

本考案は、これらの欠点を解消したノーカーボ
ン式の複写用紙を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段上記目的を達成するために本考案のノーカーボ
ン式の複写用紙は、表面には活性白土あるいは酸
性フエノール樹脂等の呈色剤層を設け、裏面には
ロイコ染料を内包したマイクロカプセル層を設
け、厚さは前記呈色剤層及びマイクロカプセル層
を含めて0.075mm以下にするとともに、炭酸カル
シウム、二酸化チタン等の填料を添加して不透明
度を79％以上としたものである。

作用厚さを0.075mm以下として紙厚を薄く設定する
とともに、填料を添加して不透明度を79％以上と
することにより、用紙裏面や下に重ねられた他の
用紙表面に印刷された契約文、規約文等が透ける
ことがなく、また、用紙表面に設けた呈色剤層と
反応し得るマイクロカプセル層を設けた他の用
紙、あるいは用紙裏面に設けたマイクロカプセル
層と反応し得る呈色剤層を設けた他の用紙と組合
わせることにより複写可能となる。

実施例以下、本考案を複写用紙の中用紙に適用した場
合の好適な実施例を添付図面の概略的な拡大断面
図に基づいて詳細に説明する。

複写用紙組１は、上用紙２と、中用紙３と、下
用紙４との三枚の複写用紙は、互いに対応する一
辺縁が糊５により綴じ合わされて構成されてい
る。前記上用紙２と前記中用紙３とには、綴じ合
わせ部分の内側に沿つて上下に対応する位置に切
り用ミシン目６が設けられている。

上用紙２の裏面全体には、ロイコ染料を内包し
たマイクロカプセル層７が設けられている。ま
た、前記上用紙２の表面の適所には、記入欄や記
入注意書き等が印刷された印刷部８が設けられる
一方、その裏面の適所には、契約文、規約文、案
内文等が印刷された印刷部９が設けられている。

中用紙３の表面には、活性白土あるいは酸性フ
エノール樹脂等の酸性材料からなる呈色剤層１０
が設けられ、この呈色剤層１０に上用紙２のマイ
クロカプセル層７の染料が転移すると、発色する
ものである。また、前記中用紙３の表面には、上
用紙２の記入欄に対応して設けられた複写記入欄
や案内文等が印刷された印刷部１１が設けられて
いる。一方、前記中用紙３の裏面には、前記上用
紙２のマイクロカプセル層７と同一のマイクロカ
プセル層１７が設けられるとともに、契約文、規
約文、案内文等が印刷された印刷部１２が設けら
れている。

中用紙３の厚さは、呈色剤層１０とマイクロカ
プセル層１７をも含めて平均値0.047mmであり、
炭酸カルシウム、二酸化チタン等の填料を添加し
て不透明度を平均値79.9％に高めている。前記填
料は、中用紙３の表面側に多く、裏面側には少な
く、またはその逆に分布するよう内添されてい
る。また、前記中用紙３の厚さは、0.040〜0.075
mmの範囲にあることが好ましくまた、不透明度は
79.0％以上であればよく、その他の主要な値は、
実坪量が35〜45g／m²、密度が0.798〜0.90g／cm³、
灰分が13.0〜20.8％、白色度が84.0〜90.5％、透
気度150秒以上好ましくは200秒以上である。な
お、坪量はJIS−Ｐ−8124、密度はJIS−Ｐ−
8118、灰分はJIS−Ｐ−8204、白色度はJIS−Ｐ−
8123、不透明度はJIS−Ｐ−8138、透気度はJIS−
Ｐ−8117の測定法に準じて測定した値である。

下用紙４は、その表面に中用紙３の呈色剤層１
０と同一の呈色剤層２０が設けられ、この呈色剤
層２０に中用紙３のマイクロカプセル層１７の染
料が転移すると、発色するものである。この下用
紙４の裏面には、上用紙２及び中用紙３の記入欄
に対応して設けられた複写記入欄や案内文等が印
刷された印刷部１３が設けられている。

なお、上用紙２及び下用紙４の紙質は、マイク
ロカプセル層７あるいは呈色剤層２０を含めた厚
さが0.047mmであることをはじめ、すべて中用紙
２と同一である。

本実施例は以上のように構成したので、上用紙
２、中用紙３の表面から、それぞれの裏面に設け
た印刷部９，１２や下に重なつた中用紙３あるい
は下用紙４の表面に設けた印刷部１１，１３が透
けて見えることはほとんどない。したがつて、前
記上用紙２表面の印刷部７の一部である記入欄に
所定事項を書き込んだり、同じく上用紙２表面の
印刷部７、あるいは前記中用紙３表面の印刷部１
１の印刷内容を読み取る動作を、各印刷部９，１
１あるいは１２，１３により煩わされることな
く、容易、かつ確実に行うことができる。そし
て、上用紙２の記入欄に記入された各事項は、上
下に対応位置する上用紙２及び中用紙３の各マイ
クロカプセル層７，１７が破壊されて、内包され
ていた染料がそれぞれ対向位置する中用紙及び下
用紙４の呈色剤層１０に転移することにより発色
し、前記中用紙３及び下用紙４の複写記入欄に複
写記入されるものである。また、上用紙２及び中
用紙４の表面側をコピーした場合に、裏面側の各
印刷部９，１２が写ることはない。

なお、本考案は上述した各実施例に限定される
ものではなく、例えば、上用紙２と下用紙４の紙
質は必ずしも中用紙３と同一である必要はなく、
従来の複写用紙と同様のものであつてもよい。ま
た、接着力が弱い糊５を使用することにより、綴
じ合わされた各用紙２，３，４は離反自在とすれ
ば、切り用ミシン目６は不要となる。さらに、各
用紙２，３，４の各印刷部８，９，１１，１２，
１３は必ずしも設けなくてもよいほか、下用紙４
の裏面に印刷部を設けることも可能である。また
さらに、本考案が適用される複写用紙組１の枚数
が三枚に限定されないことはもちろんである。

効果以上説明したところで明らかなように、本考案
によれば、薄くて不透明度の高い複写用紙を得る
ことができるほか、用紙裏面に印刷部が存在した
り、下に重なつた他の用紙の表面に印刷部が存在
しても、これらが透けて見えることがほとんどな
く、用紙表面の印刷や複写記入事項の読み取り
を、容易かつ確実に行うことができるとともに、
コピーをしても裏面の印刷部が写らないという多
くの効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示す概略的な拡大
断面図である。１……複写用紙組、２……上用紙、３……中用
紙、４……下用紙、７，１７……マイクロカプセ
ル層、１０，２０……呈色剤層、８，９，１１，
１２，１３……印刷部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

用紙表面には呈色剤層が設けられ、裏面にはマ
イクロカプセル層が設けられ、前記呈色剤層とマ
イクロカプセル層を含めた厚さが0.075mm以下で
あるとともに、填料を添加して不透明度を79％以
上としたことを特徴とする複写用紙。