JPH05298601A - 光磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】光磁気ディスク装置を小型扁平かつ低コストで
構成できるようにする。 【構成】バイアス磁界印加手段を具備する光磁気ディス
ク装置において、１対の軸受け部を有する本体１と、軸
受け部による回転軸に沿う方向で複数に分割し、かつ２
極着磁した永久磁石からなるバイアス磁界印加部３と、
回転軸に沿う方向で４分割し、かつ２極着磁した永久磁
石４をバイアス磁界発生部の両端部に一体的に設けて、
バイアス磁界印加部に回転力を与える駆動手段のロータ
部と、ロータ部の異極間において閉磁気回路を形成し、
扁平コイル９を有してなり回転磁界を発生する駆動手段
の一対の平板状のヨーク部７、９を互いに対向して本体
１に設けることで扁平に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光磁気ディスク装置に係
り、特に光磁気ディスクに対してバイアス磁界を作用さ
せる機能を備える光磁気ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光磁気ディスク装置において、光磁気デ
ィスクの初期化を行うためには、通常は磁性体層側にバ
イアス磁界を作用させるようにしている。このバイアス
磁界を印加する方法としては電磁石による方法、または
永久磁石を用いる方法が知られている。図５は永久磁石
使用のバイアス磁界印加装置の平面図であり、本図にお
いて、二点鎖線で図示される光磁気ディスク２０の幅Ｗ
の範囲には磁性体層を有する磁気記録面が形成されてお
り、この記録面上に永久磁石からなるバイアス磁石３で
あつて、２分割されたＮ極とＳ極を回転させながら近づ
けることで、バイアス磁界を光磁気ディスク２０に作用
させて磁極方向を整えるものである。

【０００３】このためにバイアス磁石３の中心部の長手
方向には回転軸４０が一体的に設けられる一方、回転軸
４０の両端部は本体側の軸受け１ａによつて回転自在に
軸支される。この回転軸４０には、ギア３２がさらに一
体的に固定されており、本体側に固定されるモータ３１
の出力軸に固定されるギア３３に歯合されている。モー
タ３１は外直径Ｄを有する一方、ドライバー１００が接
続されており、不図示の制御装置からの指令を受けてモ
ータ３１の駆動を行い、モータ３１の回転駆動がされる
と、回転をギアにより伝達して、バイアス磁石３を回転
させることでバイアス磁界を光磁気ディスク２０上に印
加させることで記録の消去または、光磁気ディスクの初
期化を行う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来構成の光磁気ディスク装置によれば、バイアス磁
石３を回転するために必要な回転トルクを発生するため
のモータ３１は、バイアス磁石の外直径に比べて比較的
に大きな外直径Ｄを有するものでなければならない結
果、従来構成のバイアス磁界印加装置を内蔵すると光磁
気ディスクの厚さ方向に沿う厚さ寸法が大きくなり、装
置を扁平に構成する障害となつていた。また構成部品点
数が増加し、これにともなう工数増加によりコスト高を
招く問題点があつた。また、モータ３１にパルスモータ
を使用する場合において、モータ３１への通電を停止し
てロータ部とヨーク部の間において形成される閉磁気回
路により保持トルクを得る所謂デイテントトルク状態に
する際に、バイアス磁石３が光磁気ディスク２０に向か
う方向が定まらない不具合がある。

【０００５】したがって、本発明の光磁気ディスク装置
の請求項１は上述の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、光磁気ディスク装置を小
型扁平かつ低コストで構成できるようにすることにあ
る。また、本発明の光磁気ディスク装置の請求項２の目
的とするところは、請求項１の目的に加えて永久磁石の
ロータ部とヨーク部間の閉磁気回路により保持トルクを
得る際に、バイアス磁石が光磁気ディスクに向かう方向
を一定にすることにある。さらに、本発明の光磁気ディ
スク装置の請求項３の目的とするところは、請求項１、
２の目的に加えてヨーク部ヘのコイルの捲回を能率的に
でき、かつ本体への組み立て作業工程を削減することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】及び

【作用】上述の課題を解決し、目的を達成するために、
本発明の光磁気ディスク装置は以下に示す構成を備え
る。すなわち、バイアス磁界印加手段を具備する光磁気
ディスク装置において、１対の軸受け部を有する本体
と、前記軸受け部による回転軸に沿う方向で複数に分割
し、かつ２極着磁した永久磁石からなるバイアス磁界印
加部と、前記回転軸に沿う方向で４分割し、かつ２極着
磁した永久磁石を前記バイアス磁界発生部の両端部に一
体的に設けて、前記バイアス磁界印加部に回転力を与え
る駆動手段のロータ部と、該ロータ部の異極間において
閉磁気回路を形成し、扁平コイルを有してなり回転磁界
を発生する駆動手段の一対の平板状のヨーク部を、互い
に対向して前記本体に設けることで扁平に構成してい
る。

【０００７】また、好ましくは、前記バイアス磁界印加
部は、前記回転軸に沿う方向で４分割し２極着磁した円
柱状の永久磁石からなり、円柱状の前記ロータ部に対し
てラジアル方向に４５度分２極着磁方向を傾けて設け、
かつ前記ヨーク部は、前記ロータ部の異極間において効
率良く閉磁気回路を形成するために２か所で段差を設け
る形状を有する構成により、駆動手段の停止状態におい
て、バイアス磁界印加部が光磁気ディスクに対する一定
方向に向かうように働く。

【０００８】そして、好ましくは、前記ヨーク部は前記
扁平コイルの捲回軸中心に沿う方向に延設する延設部を
一体形成し、扁平コイルの捲回工程の回転中心をなすと
ともに、該延設部を前記本体への取り付けに用いる構成
により、扁平コイルの捲回工程を容易にする一方、本体
への取り付けを容易にする。

【０００９】

【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の光磁気デ
ィスク装置の好適な１実施例について詳細に説明する。
図１（ａ）は光磁気ディスク装置のバイアス磁界印加機
構部の外観斜視図であり、図１（ｂ）は図１（ａ）のＸ
−Ｘ部分矢視断面図、図１（ｃ）は図１（ａ）のＷ−Ｗ
矢視断面図である。

【００１０】図１（ａ）において、二点鎖線で図示の本
体１は扁平状に樹脂材料などから形成されるものであ
り、両側に後述の軸受け部を形成して、略中心部におい
てロータ体２を回転自在に支持している。ロータ体２は
両軸受け部を結ぶ回転軸に沿う方向で４分割し、かつ２
極（Ｎ極、Ｓ極）に長手方向に着磁した永久磁石からな
るバイアス磁石３と、回転軸に沿う方向で４分割し、か
つ２極（Ｎ極、Ｓ極）着磁した永久磁石をバイアス磁石
３の両端部に同軸上に一体的に設けて、パルスモータの
ロータ部を形成する回転磁石４を一体的に設けて、所定
の回転トルク発生に必要な磁力を２個の回転磁石４で分
担するようにしている。

【００１１】この回転磁石４は円柱状のバイアス磁石３
に対してラジアル方向に４５度分を傾けて設けること
で、図１（ｂ）、（ｃ）に図示のように、光磁気ディス
ク２０に対して隙間寸法Ｋを離間してバイアス磁石３の
Ｓ極が対向して位置する停止状態において、回転磁石４
が後述のヨークに吸引される停止状態を保てるようにし
ている。この隙間寸法Ｋを１．４ミリに設定した場合
に、約３００エルステツドの磁力を発生する。

【００１２】また、ロータ体２を以上のように形成する
バイアス磁石３と２個の回転磁石４間には樹脂スペーサ
５が介在されており、例えば樹脂磁石の一体成型品とし
て形成できるようにしている。両端の回転磁石４の端面
部には軸部６ａを一体形成した軸体キヤツプ６が圧入な
どされて設けられており、ロータ体２の回転軸支部を形
成している。

【００１３】以上のように構成される回転磁石４に対し
て回転磁界を作用させる第１ヨーク７と第２ヨーク８は
パーマロイ板（板厚０．５ミリ）等の高透磁率の材料
を、図示のように略「コ」の字状の平面投影形状にする
ことで、作用端部７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂが上述の回転
磁石４に向かうようにするとともに、図１（ｂ）に図示
のように作用端部７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂが回転磁石４
の異なる極に夫々対向するように段差部７ｃ，７ｄ，８
ｃ，８ｄを図示のように夫々曲げ加工している。

【００１４】以上のように形成される第１ヨーク７と第
２ヨーク８には回転磁界発生のためのコイル９が夫々巻
きられており、コイル９のリード線９ａを不図示のドラ
イバーに接続して設けている。また、第１ヨーク７と第
２ヨーク８は図示のように互いの作用端が回転磁石４を
介して対向するようにして扁平な状態にされて本体１に
固定されて完成品を得る。

【００１５】図２は第１ヨーク７の右側面図であり、第
２ヨーク８は第１ヨーク７と左右対称に形成されるの
で、本図において、代表して構成を述べる。図中の一点
鎖線図示のロータ体２の外周面に対して近接されて設け
られる作用端７ｂ、７ａを９０度のラジアル角度分を隔
てて設ける一方、作用端７ａは２２．５度水平方向に対
して傾けて設けられており、作用端７ａと作用端８ａと
でなす角度が４５度になるようにして回転磁界により回
転磁石４を回転できるようにしている。

【００１６】次に、図３（ａ）は図１のバイアス磁界印
加機構の実機の平面図、（ｂ）は側面図であつて、３．
５インチ直径の光磁気ディスクのバイアス磁界印加機構
例を示したものである。本図において、図１で説明の構
成部分には同様の符号を付して説明を割愛し、特徴部分
についてのみ述べると、本体１は樹脂材料からなり、１
対の軸受け部１ａを形成する一方、軸受け部１ａの片側
を形成した部分は分割されており、ロータ体２をセツト
した後に固定している。この本体１は横幅３２ミリ、縦
幅１６ミリ、高さ（厚さ）寸法Ｈが２．４ミリであり、
ロータ体２を回転させるために必要な回転トルク０．８
グラム−センチを発生できる。

【００１７】図４は第２ヨーク８の外観斜視図であり、
扁平のコイル９の捲回軸中心に沿う方向に延設する延設
部１８、１６を一体形成した様子を表している。これら
の延設部１８、１６は図中の矢印Ｌで回転させながら巻
きつけるコイル９の回転中心と一致する部に切欠部１
７、１５を形成しており、巻線装置に容易にセツトでき
るようにする一方、本体１に形成されたセツト穴部に延
設部１８、１６を圧入して組み立て完了するようにして
いる。以上説明のように構成する結果、ヨーク部７、８
と２個の回転磁石４と、バイアス磁石３は非常に扁平な
状態で完成できる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
磁気ディスク装置を小型扁平かつ低コストで構成でき
る。また、永久磁石のロータ部とヨーク部間の閉磁気回
路により保持トルクを得る際に、バイアス磁石が光磁気
ディスクに向かう方向を一定にできる。さらに、ヨーク
部ヘのコイルの捲回を能率的にでき、かつ本体への組み
立て作業工程を削減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は光磁気ディスク装置のバイアス磁界印
加機構部の外観斜視図であり、図１（ｂ）は図１（ａ）
のＸ−Ｘ部分矢視断面図、図１（ｃ）は図１（ａ）のＷ
−Ｗ矢視断面図である。

【図２】第１ヨーク７の右側面図である。

【図３】（ａ）は図１のバイアス磁界印加機構の平面
図、（ｂ）は側面図である。

【図４】第２ヨークの外観斜視図である。

【図５】従来の光磁気ディスク装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 本体、 ２ ロータ体、 ３ バイアス磁石、 ４ 回転磁石、 ５ 樹脂スペーサ、 ６ 軸体キヤツプ ７ 第１ヨーク ８ 第２ヨーク ９ コイルである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バイアス磁界印加手段を具備する光磁気
   ディスク装置において、 １対の軸受け部を有する本体と、 前記軸受け部による回転軸に沿う方向で複数に分割し、
   かつ２極着磁した永久磁石からなるバイアス磁界印加部
   と、 前記回転軸に沿う方向で４分割し、かつ２極着磁した永
   久磁石を前記バイアス磁界発生部の両端部に一体的に設
   けて、前記バイアス磁界印加部に回転力を与える駆動手
   段のロータ部と、 該ロータ部の異極間において閉磁気回路を形成し、扁平
   コイルを有してなり回転磁界を発生する駆動手段の一対
   の平板状のヨーク部を、互いに対向して前記本体に設け
   ることで扁平に構成したことを特徴とする光磁気ディス
   ク装置。
2. 【請求項２】 前記バイアス磁界印加部は、前記回転軸
   に沿う方向で４分割し２極着磁した円柱状の永久磁石か
   らなり、円柱状の前記ロータ部に対してラジアル方向に
   ４５度分２極着磁方向を傾けて設け、 かつ前記ヨーク部は、前記ロータ部の異極間において効
   率良く閉磁気回路を形成するために２か所で段差を設け
   る形状を有することを特徴とする請求項１の光磁気ディ
   スク装置。
3. 【請求項３】 前記ヨーク部は前記扁平コイルの捲回軸
   中心に沿う方向に延設する延設部を一体形成し、扁平コ
   イルの捲回工程の回転中心をなすとともに、該延設部を
   前記本体への取り付けに用いることを特徴とする請求項
   １または請求項２の光磁気ディスク装置。