JPH05297879A - 能動消音システム、およびそれを搭載したmri装置、ファクシミリ装置 - Google Patents

能動消音システム、およびそれを搭載したmri装置、ファクシミリ装置

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JPH05297879A
JPH05297879A JP4099280A JP9928092A JPH05297879A JP H05297879 A JPH05297879 A JP H05297879A JP 4099280 A JP4099280 A JP 4099280A JP 9928092 A JP9928092 A JP 9928092A JP H05297879 A JPH05297879 A JP H05297879A
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雅之 大塚
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悦治 山本
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英己 塩野
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Abstract

(57)【要約】 【構成】シーケンサ6からの出力を遅延回路7を介して
高周波送受信回路8と、傾斜磁場駆動回路9へ送ると共
に、シーケンサからの出力を波形修復器10を通してA
NC装置11に入力する。ANC装置では、この基準信
号に基づいて受音センサ12−a、12−bの出力が最
小となるように、発音手段14−a、14−bの入力信
号を発生する。 【効果】騒音が発生する前に、騒音発生の基となる信号
より騒音の位相と大きさを推定できるので、発生する騒
音と逆位相で、同振幅の音をANCシステムが発生する
ことができ、能動消音が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧又は電流信号に相
関をもって騒音が発生する機械に関し、特に磁気共鳴イ
メ−ジング装置(MRI装置)及びファクシミリ装置に
好適である。
【0002】
【従来の技術】機械などから発生する音を能動的に消音
する装置に関する従来装置に関しては、例えば特表平1
−501344号公報に記載されているように、機械の振動源
の情報として回転軸の回転信号を検出し、その回転信号
を基準信号として、その高調波成分について、消音した
い箇所に置いた音センサの信号エネルギ−を減少させて
いた。
【0003】また、音源の伝搬通路内で能動消音を行う
装置では、特開平2−70195号公報に記載されているよ
うに、騒音源側に配置された騒音源からの音波の情報を
検出する音響センサの出力を基準信号とし、伝搬経路の
下流側に配置した音響センサの出力信号のエネルギ−を
最小にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、次の
不具合を有している。例えば、特表平1-501344号公報に
記載されたものでは、対象とする騒音は、回転数成分を
基本次とした周期的な成分が主であり、低減される騒音
も選択した高調波に限られる。そのため、騒音がランダ
ム成分を含む場合、その音までを消音しようとしても、
もともとの基準信号にその成分が含まれていないので消
音できない。
【0005】また、回転数変化が非常に早い場合には、
基準信号を用いて消音したい点のセンサ出力を低減する
目的で第2の音源から音を出しても、その出した音は能
動消音装置における計算時間等のために時間遅れを生
じ、騒音源から到達した音とは性状が異なってしまい、
消音できない場合がある。
【0006】また、特開平1-501344号公報に記載のもの
は、通路内の騒音源側に配置された音響センサを十分に
騒音源側に近づけることにより、先に述べた従来例では
消音することができなかったランダムな性状の騒音をも
消音することを可能としている。例えば、能動消音装置
のデ−タのサンプリング周波数を2kHzとすると、シス
テムの遅れ時間は約3msであり、騒音を低減するために
は、音響センサを付加音源から騒音源側へ1m以上近づ
ければよい。しかし、一般の小型機械では、装置の制約
から、音響センサを付加音源から1mも騒音源側に近づ
けて配置することは極めて困難である。このため、ラン
ダムな性状の騒音を能動的に消音することができない。
【0007】本発明の目的は、ランダムな性状をもつ騒
音の低減が可能であり、しかも、騒音を効率よく消音で
きるようにした能動消音装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のように構成している。すなわち、機
械の駆動信号が、機械の駆動回路へ出力されて発生する
騒音を低減させるために、本来駆動回路に直接入力され
るべき駆動信号を遅延回路を介して駆動回路へ入力する
と共に、その同じ駆動信号を基準信号として能動消音装
置に入力している。さらに、複数の駆動回路によって機
械が駆動される場合には、複数の遅延回路を設け、その
遅延回路の信号の遅延量を調整できるように構成してい
る。さらに、能動消音装置では、この基準信号に応じ
て、第2の駆動音源から騒音とは逆位相の音を発生し、
機械からの騒音とで形成される音場を感知するセンサ手
段の出力である騒音エネルギ−を最小にする制御手段を
備えている。
【0009】また、機械の駆動信号が複数ある場合に、
それぞれの駆動信号をろ波回路に入力し、その出力に応
じて基準信号を生成する手段を設けている。
【0010】また、ろ波回路の特性を、前記駆動信号と
この駆動信号に応じて発生する騒音との間の伝達特性と
している。
【0011】
【作用】初めに、一入力一出力装置の場合を例にとり、
能動消音の動作について述べる。一般に能動消音システ
ムでは、基準信号をXi、適応フィルタ係数をWi、発音
手段から受音手段までの伝達特性をCiとすると、発音
手段の出力yは、
【0012】
【数1】
【0013】で表され、適応フィルタ係数Wと入力信号
Xとのたたみ込み積分となる。この適応フィルタ係数W
は適当な初期値から始まり、受音手段の出力を最小にす
るように適応制御される。このアルゴリズムには種々の
ものがあるが、ここでは代表的なフィルタード・エック
ス最小二乗平均法( Filtered-x LMS )アルゴリズムを用
いたときについて説明する。このアルゴリズムでのWの
更新アルゴリズムは、仮想入力をR、センサ手段の出力
をeとして、次式で表すことができる。
【0014】
【数2】
【0015】この手順をデ−タを取得しながら繰り返し
実行していけば、センサ手段の出力が低下していくこと
になる。
【0016】ここで、このアルゴリズムを適用するに際
しては、計算に要する時間、装置が備えているAD変換
器の前後に入るフィルタ(低域通過フィルタ:LPF)
などによる時間遅れのため、音の特質によっては受音域
での音が低減しなくなってしまう。例えば、正弦波など
規則的な波形の音を消音する場合は、発音手段からの音
が遅れていても、適当な遅れ時間をもって、騒音源から
到達した音と逆位相の音を加えれば、消音効果が得られ
る。しかし、ランダム音では、基準信号Xが充分に早く
ないかぎり、上述した理由により発音手段から出た音は
騒音源からの音に対して時間的に遅れてしまい、発音手
段から出た音を騒音源から到達した音と逆位相にするこ
とが難しく消音効果は得られない。
【0017】本発明では、機械の駆動回路への駆動信号
を分岐し、遅延回路を通して駆動回路に入力している。
そして、能動消音装置(ANC装置)への基準信号入力
を駆動回路への信号入力より早くしているので、機械装
置から発生する音より付加音源からの音の方が早くセン
サ手段に到達することになる。その結果、付加音源から
の音を適当な遅れをもつ場所で、機械装置で発生した音
に対して逆位相とすることができ、消音が可能になる。
これにより、ランダム音の場合においても消音が可能と
なる。
【0018】また、機械の駆動信号を加工して周波数特
性を改善することにより、発生した装置騒音の中で、騒
音レベルの高い周波数成分を基準信号に有意に含ませる
ことが可能となり、適応フィルタ係数の更新式のBi
値を大きくすることができる。その結果、能動消音の消
音速度を速めることができ、消音効果を高めることが可
能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は本発明をMRI装置に適用した場合のブ
ロック図である。MRI本体1内には静磁場を発生する
ための超伝導コイル2、3軸それぞれに傾斜磁場を発生
させることが可能な傾斜磁場コイル3、傾斜磁場コイル
3を支持する円筒状のボビン16が、および筐体(図示
せず)を備えている。また、ボビン16の内側には、患
者の診断部位に応じて装置内に運び込まれた高周波送受
信コイル4が、ベース(図示せず)に固定されて設けら
れている。また、診断を制御して実行するCPU5から
シーケンサ6へ、診断モードの選択指示信号が送られ、
シーケンサ6から、あらかじめ定められた信号が、遅延
回路7を通して高周波送受信回路8へ、また、シーケン
サ6から信号が、3個の遅延回路7を通して対応する傾
斜磁場駆動回路9に送られる。
【0020】オペレータは目的に応じて診断モードを設
定し、それに対応してCPU5から、シーケンサ6へ、
診断モードの選択指示信号が送られる。そして、シーケ
ンサ6から、診断モードに対応して定められた信号が、
遅延回路7に送られる。例えば、スピンエコーと呼ばれ
る撮影法では、傾斜磁場駆動回路9を3個必要とし、そ
れぞれが、定められた規則に従って、パルス列を発生す
る。このパルス列は、それぞれ、撮影断面方向を決める
スライス信号、断面内の1部分ずつを切り出す位相エン
コード信号、反応信号を取り出すためのリードアウト信
号となり、これらが、繰り返される。なお、このシーケ
ンスでは撮影断面を256回に分割するため、位相エン
コード信号を変えて撮影している。
【0021】従来、ボビン16の周囲に互いに対向して
配置した3セットの傾斜磁場コイル3には、それぞれ3
個の傾斜磁場駆動回路9から出力されるパルス状の電流
により、フレミングの左手の法則に従い電磁力が作用す
る。そして、この電磁力が傾斜磁場コイル3を変形しよ
うとし、ボビンに衝撃的な変動力を加えていた。そし
て、この変動力によりボビンが振動し、甚大な騒音を発
生していた。さらに、スライス信号、リ−ドアウト信号
は、同じ形のものが繰返し発生するので、発生する騒音
に繰返し性がある。しかし、位相エンコード信号は繰返
し発生するが、そのパルスの発生ごとに振幅が変化する
ので、位相エンコード信号発生用のコイルに起因する騒
音には、もはや繰返し性がない。即ち、ボビンから発生
する騒音はランダム性をもつことになる。
【0022】一方、シーケンサ6の出力の一部を、遅延
回路7を通さずに3軸の信号それぞれについて、予め定
められた周波数特性を持つフィルタを備えた加算機能を
持つ波形修復器10に入力する。そして、波形修復器1
0で1個の出力信号にして能動騒音制御装置(ANC装
置)11に入力する。また、高周波送受信コイル4の近
傍に設置された2つのマイクロホン12−a,12−b
の信号はアンプ13−a,13−bで増幅され、ANC
装置11に入力される。ANC装置11で生成された信
号はアンプ15−a,15−bで増幅された後に動電型
スピーカ14−a,14−bに送られ、実際の音を発生
する。発生した音は、動電型スピ−カに固定されボビン
に通じているゴム製のチュ−ブ40−a,40−bを経
てボビン内に達し、2つのマイクロホン12−a,12
−bの位置で騒音源から到達した騒音と同振幅、逆位相
となるように制御される。ここで、動電型スピ−カ14
−a,14−bを磁場の影響を受けないような位置に置
く。本実施例の場合には、磁束密度が5ガウス以下とな
る位置に置き、チュ−ブの長さを全長で約7mとしてい
る。また、シーケンサ6からの信号を遅延回路7を通し
て、傾斜磁場駆動回路9と高周波送受信回路8に送るこ
とにより、傾斜磁場コイル3から発生する騒音の時期を
遅らせる。これに対して、ANC装置11への入力は、
発生する騒音より時間的に早いタイミングとなってい
る。つまり、本実施例の場合には、マイクロホン12−
a,12−bや動電型スピーカ14−a,14−bでの
応答遅れ、ANC装置11内の低域通過フィルタで発生
する遅れ、ANC装置11での演算処理時間、動電型ス
ピーカ14−a,14−bからマイクロホン12−a,
12−bまでの音波の伝搬時間などに起因する、能動消
音システム全体の時間遅れよりも、遅延回路7の遅れ時
間が大きくなるように約25msに設定している。
【0023】ANC装置11内では、波形修復器10の
出力を基準信号として、マイクロホン12−a,12−
bの出力を最小にするように適応制御を行い、動電型ス
ピーカ14−a,14−bを駆動する。一般にランダム
音では騒音源からの騒音を、早い時間に取得して能動制
御を行わないと消音効果が得られない。本実施例では、
遅延回路7の遅延時間をシステム全体の時間遅れより大
きくすることで、上記の条件を満たすことができ、充分
な消音効果を得ている。また、基準信号に騒音信号その
ものではなく傾斜磁場駆動信号を用いているので、騒音
信号を基準信号に用いた時に、音の循環により生じるハ
ウリングを防止できる。また、本実施例では、動電型ス
ピーカ14−a,14−bから発生する音をチュ−ブを
使ってボビン内に送り込んでいるので磁場を乱すことが
なく、撮影画像に与える影響を少なくできるという効果
もある。
【0024】また、遅延回路7の遅延時間をANC装置
11および動電型スピーカ14−a,14−bにおける
遅れ時間と、動電型スピーカ14−a,14−bからマ
イクロホン12−a,12−b迄の音波の伝搬に伴う時
間遅れとの合計、即ち、能動消音システム全体の時間遅
れより大きく設定したので、MRIのボビンで発生する
騒音の基となる信号を、早いタイミングでANC装置1
1の基準信号とすることができる。その結果、マイクロ
ホン部で消音するための信号をANC装置が発生するの
に十分な時間を得ることができ、適応制御での適応も速
く、発生したランダムな性状の騒音に対しても充分な消
音効果を得ることができる。
【0025】また、遅延回路7の遅延時間を能動消音シ
ステム全体の遅延時間より大きく設定し、適応制御に用
いる適応フィルタ係数Wの中に現われる遅延時間成分を
ほぼ0とすることにより、適応フィルタ係数Wにおい
て、逆位相の音波生成に必要な時間に関する情報を不要
とし、適応フィルタ係数Wの長さを小さくできる。これ
によって、適応制御に要する全体の計算量を小さくする
ことができ、さらに、必要なメモリ−量を減少させるこ
とができる。
【0026】また、動電型スピーカ14−a,14−b
を磁場の影響を受けない位置に置いているので、撮影画
像に影響をほとんど与えない。また、スピーカから発生
した音をチュ−ブによりマイクロホンの近くに送ってい
るので、スピーカからの音が拡散すること無くマイクロ
ホンに入る。これにより、スピーカの出力を小さくで
き、スピ−カアンプを小型化できる。また、必要なスピ
ーカ出力が小さいと、付加する音のエネルギも小さくて
済み、マイクロホン近傍以外での騒音の増大を抑制でき
る。また、マイクロホンも高周波送受信コイル4の外部
に設置しているので、撮影画像を乱すことが無い。
【0027】図2は、図1の波形修復器10の詳細を示
すブロック図である。シーケンサ6からの3個の信号を
周波数変調回路17−1、17−2、17−3にそれぞ
れ入力し、そのそれぞれの周波数変調回路17−1,1
7−2,17−3の出力信号を加算する。さらに、その
加算された信号を増幅回路18で増幅した後にANC装
置11に入力する。この周波数変調回路17−1,17
−2,17−3の特性は、それぞれ対応する傾斜磁場駆
動信号と騒音間の伝達関数に相当する特性である。これ
により、発生する騒音とほぼ同一の性質をもつ信号を、
ANC装置11に入力することができる。
【0028】このように構成しているので、図1で示し
た遅延回路7の特性と合わせて、発生する騒音を予知で
き、能動消音の効果を著しく高めることができる。な
お、3つの周波数変調回路17−1〜17−3の特性は
それぞれ異なるものを用いるのが好ましいが、消音効果
の多少の低下を許容できれば同一の特性を持たせてもよ
い。また、この例では周波数変調回路17−1〜17−
3をアナログ回路で構成しているが、デジタルフィルタ
を用いてもよい。
【0029】図3は周波数変調回路17をデジタルフィ
ルタで構成したもので、z~1は時間遅れ要素19を示
し、hはデータに関する係数でタップ係数20と呼ばれ
る。+は加算器を示す。このように構成すると、タップ
係数に必要な値を入れて置くだけで必要な出力を得るこ
とができる。また、周波数変調回路17−1〜17−3
を同一構造のモジュールで構成すると、内部に組み込む
ソフトウェアを変更するだけで、自由に周波数特性を決
定できる利点がある。さらに、用いるタップ係数に傾斜
磁場駆動信号と騒音間のインパルス応答値を用いるよう
にすれば、周波数変調回路入力とタップ係数との間との
畳み込み積分により、騒音信号が生成されることはな
い。さらには、傾斜磁場駆動信号と騒音間のインパルス
応答を適応フィルタによって求めれば、簡便に特性が決
定できる。また、実際の環境で特性を測定できるので、
常に安定した効果が期待できる利点をもつ。
【0030】図4は本実施例におけるANC装置11の
詳細を説明する図である。プロセッサ/記憶ユニット2
6はデジタルシグナルプロセッサと呼ばれる1チップマ
イコンであり、プログラムとデータ領域を共に内蔵して
いるものである。プロセッサ/記憶ユニット26はサン
プル速度発振器31からの信号によって、AD変換器
(アナログディジタル変換器)29及びDA変換器(デ
ィジタルアナログ変換器)30のデータの取り込み指示
を行うと共に、内部で能動消音を行うための演算処理を
行う。内部の処理内容については後に詳述する。
【0031】マイクロホンからの信号をアンプ21を介
して、アンチエイリアジングフィルタと呼ばれるローパ
スフィルタ(LPF)23を通し、マルチプレクサ27
に入力する。マルチプレクサ27ではプロセッサ/記憶
ユニット26からの指令に基づきデータを保持して、切
り換えながらAD変換器29にアナログデータを転送す
る。AD変換器29はデータをディジタル化してプロセ
ッサ/記憶ユニット26にバスライン(図示せず)を通し
て転送する。プロセッサ/記憶ユニット26からバスラ
インを通って転送されたデータはDA変換器30でアナ
ログデータに変換され、マルチプレクサ28で切り換え
られ、LPF25、アンプ22を介してスピーカへと送
られる。図4に示したANC装置11は、1枚のボード
上に形成されている。なお、このボード上に波形修復器
10を同時に組み立ててもよい。また、MRIのCPU
5から、MRIの運転モードあるいは高周波送受信コイ
ル4の種類などの情報を運転状態設定信号として、プロ
セッサ/記憶ユニット26に送る。なお、これらのボ−
ド上に構成したものをLSI化し、1チップ化すればよ
り省スペ−スとなる。
【0032】上述の構成により、撮影シーケンス、ある
いは、高周波送受信コイルの種類などのMRIの運転状
態の情報が分かり、例えば、MRIの運転状態によっ
て、処理に必要なフィルタの係数(あらかじめ計測され
ている)を選択使用でき、速やかに消音できる利点を持
つ。また、MRIの運転状態として、画像処理のイニシ
ャル処理時に、スピーカよりM系列などのランダムな音
を発生させ、スピーカからマイクロホンまでの伝達特性
を測定することができる特長もある。また、MRIの動
作を統括するCPU5とANC装置11をシ−ケンサを
用いずに直接つないで、CPU5から直接所定の動作指
令をANC装置11に与えてもよい。
【0033】次に、プロセッサ/記憶ユニット26の内
部に組み込まれている能動消音の基本的な信号処理方法
を図5に示す。適応形フィルタ32−1、32−2に
は、基準信号Xとマイクロホン12−a、12−bから
の出力e1、e2が入力され、それぞれの出力は二つのス
ピーカ14−a、14−bに送られる。適応型フィルタ
31、32には、有限長インパルス応答フィルタ(FI
Rフィルタ)を用い、その適応アルゴリズムとして、最
小自乗平均法(LMS)を用いている。即ち、マイクロ
ホン12−a、12−bの出力を最小にするように、適
応フィルタのフィルタ係数を変化させる方法が用いられ
ている。。
【0034】すなわち、2つのスピーカへの出力信号y
1、y2
【0035】
【数3】
【0036】より計算され、W1i及びW2iの更新式は2
つのスピーカからマイクロホンまでの伝達特性を、それ
ぞれC11,C12,C21,C22とし、仮想入力をR11,R
12,R21,R22とすれば、次式で表される。
【0037】
【数4】
【0038】上式のように、e1,e2を最小とするよう
に適応フィルタ係数W1,W2を変化させるので、次のよ
うな効果がある。MRI本体内の温度が変化すると音速
が変化し、騒音の伝達特性が変化する。しかし、適応フ
ィルタ係数W1,W2は、温度上昇に対応して増加するマ
イクロホン出力e1,e2を低下させ、また温度低下の場
合にはその逆に、マイクロホン出力を増加させるように
変化するので、消音効果が維持される。
【0039】また、プロセッサ/記憶ユニット26内の
メモリーには図6に示すように適応フィルタテーブル3
3が用意されていて、選択器34の指令に基づいてフィ
ルタ係数が適応フィルタテーブル33から実際の制御で
用いられるメモリー上の適応フィルタテーブル35に格
納される。この適応フィルタテーブル33は、たとえ
ば、使用する高周波送受信コイルが頭部用であることに
対応したものを備えている。このように構成した本実施
例では、十分に学習したフィルタ係数を消音時に用い、
適応フィルタをある程度適応した状態から消音を開始す
るので、速やかに高い消音効果が得られる。なお、この
適応フィルタテーブル33にデータを新たに登録できる
機能があれば、新しい運転モードを用いる場合などに速
やかに対応できることは言うまでもない。空間伝達関数
についてもこの図とほぼ同じ構成を準備することによ
り、同様な効果が得られる。
【0040】以上述べたように、本実施例においては、
MRI装置の騒音を能動的に消音することができるの
で、患者は耳栓やヘッドセットを装着する必要が無く、
患者に身体的圧迫感を与えることが無い。さらに、防振
ゴムの変形量を小さくできるので、撮影画像への影響も
無い。さらに、能動消音に用いるスピーカとかマイクロ
ホンとかが撮影画像に悪影響を与えるのを防止する効果
も得られる。能動消音においては、大きな消音効果を得
ることができるのみでなく、診断部位の撮影時に速やか
に消音効果を得ることもできる。また、能動消音時に一
般に問題となるハウリングは確実に発生することがない
などの効果がある。
【0041】次に、本発明の他の実施例であるファクシ
ミリ装置の場合について説明する。ファクシミリ装置で
は原稿に記された内容を読み取り、印字内容に応じて記
録用紙を動かす。つまり、ファクシミリ装置においては
原稿読み取りの時点で、印字部で発生する騒音がその周
波数成分に至るまで予測される。そこで、この記録用紙
の駆動源として、矩形パルスを用いるパルスモータにつ
いて考える。
【0042】記録用紙の移動速度は原稿に応じて、微妙
に変化している。このため、一見周期的な騒音が発生す
るように見えるが、厳密には駆動パルス列によって決定
される、ランダム性を有した騒音が発生している。そこ
で、上述したANC装置の原理をファクシミリ装置にも
適用できる。
【0043】すなわち、パルスモータの駆動信号を遅延
回路を通してドライバ・モータへと送り、また、直接ア
クティブ消音装置の基準信号として利用することによ
り、消音量を大幅に増加させることができる。この時の
遅延回路の遅延量としては、筐体の大きさに見合うもの
として1ms、アクティブ消音装置内の遅れに伴うものと
して4msを必要とし、したがって、合計約5msに設定さ
れる。
【0044】本実施例では、上述の構成をとることによ
り、パルスモータ駆動に伴って発生する騒音を、ランダ
ム性を有する成分に渡ってまで消音できる効果がある。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば次の
効果を得る。騒音の基となる信号を遅延して騒音発生部
位へ送るとともに、第2の発音源へ送る信号として、騒
音の基となる信号をANC装置へ入力し,このANC装
置において観測点に到達する騒音と逆位相で、同振幅の
音が観測点で発生するような信号を発生することができ
るので、観測点に設けたセンサの出力を0にすることが
できる。
【0046】また、発生する騒音が予期できるので、騒
音の周波数成分が不規則であっても、周波数成分ごとに
消音処理する必要がなく、どの周波数成分においても、
観測点における騒音を0にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すMRI装置のブロック
図である。
【図2】本発明の一実施例の波形修復器のブロック図で
ある。
【図3】周波数変調回路をディジタルフィルタで構成し
たときのブロック図である。
【図4】ANC装置の詳細なブロック図である。
【図5】能動制御時の信号の流れを示す図である。
【図6】適応フィルタテーブルとデータの流れを示す図
である。
【符号の説明】
1・・・MRI本体,2・・・超伝導コイル、3・・・傾斜磁場
コイル、4・・・高周波送受信コイル、5・・・CPU、6・・
・シーケンサ、7・・・遅延回路、8・・・高周波送受信回
路、9・・・傾斜磁場駆動回路、10・・・波形修復器、11
・・・ANC消音装置、12・・・マイクロホン、13・・・ア
ンプ、14・・・スピーカ、15・・・アンプ、16・・・ボビ
ン、17・・・周波数変調回路、26・・・プロセッサ/記憶
ユニット、29・・・AD/C(AD変換器)、30・・・D
A/C(DA変換器)、32・・・適応形フィルタ、33・
・・適応フィルタテーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/00 C 7046−5C (72)発明者 山本 悦治 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 塩野 英己 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 滝口 賢治 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械装置に所定の動作を行わせる駆動信号
    を発生する駆動信号発生装置と、前記駆動信号により駆
    動され、第1の音を発生する第1の音源と、該第1の音
    を消音するための第2の音を発生する第2の音源と、該
    第1の音および第2の音を感知するセンサとを備えた能
    動消音システムにおいて、 前記駆動信号を入力し遅延して前記第1の音源へ出力す
    る遅延回路と、前記駆動信号に応じて前記第2の音源を
    駆動する能動消音装置とを備えたことを特徴とする能動
    消音システム。
  2. 【請求項2】前記能動消音装置は、前記センサ位置にお
    ける前記第1の音の位相と、前記第2の音の位相とを逆
    相とする制御信号を出力することを特徴とする請求項1
    に記載の能動消音システム。
  3. 【請求項3】少なくとも1つの第1の音源から発生され
    る騒音を低減させるための能動的消音装置であって、前
    記第1の音源を駆動する駆動回路の駆動信号を入力する
    遅延回路と、前記駆動信号を基準信号として入力する駆
    動手段と、該駆動手段により駆動される複数の第2の駆
    動音源と、前記第1の駆動音源と前記第2の駆動音源に
    よって形成される音場を感知するセンサ手段とを設け、
    前記センサ手段によって検出される騒音エネルギ−を減
    少するよう前記駆動手段を制御することを特徴とする能
    動消音システム。
  4. 【請求項4】前記遅延回路に遅延量を調節する手段を設
    けたことを特徴とする請求項3に記載の能動消音システ
    ム。
  5. 【請求項5】前記駆動信号をろ波回路に入力し、そのろ
    波回路の出力に基づいて前記基準信号を求めることを特
    徴とする請求項3に記載の能動消音システム。
  6. 【請求項6】前記ろ波回路の特性を、前記駆動信号とこ
    の駆動信号に応じて発生する騒音との間の伝達特性とし
    たことを特徴とする請求項3に記載の能動消音システ
    ム。
  7. 【請求項7】請求項5において、前記ろ波回路をディジ
    タルフィルタで構成したことを特徴とする能動消音シス
    テム。
  8. 【請求項8】請求項2に記載の能動消音システムを搭載
    したことを特徴とするMRI装置。
  9. 【請求項9】前記センサ手段を、被検者の頭部近傍に設
    けたことを特徴とする請求項8に記載のMRI装置。
  10. 【請求項10】請求項2に記載の能動消音システムを搭
    載したことを特徴とするファクシミリ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008229162A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置
US9602928B2 (en) 2014-03-18 2017-03-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Speaker system having a sound collection unit for combining sound waves
US9747885B2 (en) 2015-03-26 2017-08-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Noise reduction system

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JPH0573076A (ja) * 1991-09-18 1993-03-26 Toshiba Corp 適応型能動消音装置

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