JP3357725B2 - 電子消音装置及び電子消音方法 - Google Patents

電子消音装置及び電子消音方法

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JP3357725B2
JP3357725B2 JP23487593A JP23487593A JP3357725B2 JP 3357725 B2 JP3357725 B2 JP 3357725B2 JP 23487593 A JP23487593 A JP 23487593A JP 23487593 A JP23487593 A JP 23487593A JP 3357725 B2 JP3357725 B2 JP 3357725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機器を様々に動作させ
るための信号が基本波成分と成り、これに同期して発生
される周期性、或いは疑似周期性成分を有した騒音信号
を、逆位相で且つ同一音圧の干渉信号により能動的に中
和させる消音方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は特開昭61−296392号公
報に示された従来の能動的騒音対策方法に関するもの
で、ダクトなどの閉空間内で発生する騒音に対して適用
した場合を示している。図において、51は伝搬通路
(ダクト)、52は2次音源、53は吸音材、54A,
54Bはマイクロホン、55A、55BはA/D変換
部、56はD/A変換部、57はディジタルフィルタ、
58は制御部であり、ディジタルフィルタ57は制御部
58により与えられた伝達関数に基づいてA/D変換部
55Aを介して取り込んだマイクロホン54Aの騒音信
号が示す電気信号を取り込み、2次音源52を駆動する
ための駆動信号を作成する。制御部58は伝搬経路51
内に騒音が発生していない状態において、予めマイクロ
ホン54A、54B、2次音源52の各電気音響変換器
間の伝達関数等を求めておき、伝搬通路51内の実際の
騒音をA/D変換部55Bを介したマイクロホン54B
で取り込み、この信号に基づいてディジタルフィルタ5
7の係数を変化させることでディジタルフィルタ57を
制御するとともに、伝搬通路51内で騒音の制御を行
う。
【0003】図13は別の従来例で、特開平3−191
280号公報に示された能動的騒音対策方法であり、1
次元ダクト構造を模擬する冷蔵庫の機械室内で発生する
騒音に対して適用した場合を示している。図において、
60はコンプレッサ、61は前記コンプレッサ60を覆
っている機械室、62は前記コンプレッサの本体に固着
された振動検知装置であり、63は前記機械室61に固
着している2次音源、64は制御回路である。コンプレ
ッサ60作動時に生じる振動信号を、振動検知装置62
が検出し、この振動信号が原因で起こる騒音を低減する
ための制御信号を制御回路64で創生し、機械室61内
部のコンプレッサ60で生じる騒音信号に直接音放射行
う様に設けられた2次音源63から、前記制御回路64
で作られた制御信号を再生することで、機械室61内に
発生する騒音を制御する。
【0004】図14は別の従来例で、特開平3−203
490号公報に示された能動的騒音対策方法であり、1
次元ダクトの閉空間構造を模擬出来る車室内で発生する
騒音に対して適用した場合を示している。図において、
65は車両、66は車室内、67は座席、68はヘッド
レスト、69はヘッドレスト68に設けられた一対のマ
イクロホン、70は各座席67の近傍に設置された2次
音源、71はエンジン、72はクランク角センサ、73
は制御回路である。制御回路73は、個々の座席67
毎、又は車室内66全体で、車室内に籠る騒音を低減さ
せるための制御信号を創生するとともに、制御信号を2
次音源70から再生する。
【0005】図15は別の従来例で、特開平4−162
097号公報に示された能動的騒音対策方法であり、7
5は機械装置、76は機械装置75の騒音発生箇所の騒
音信号を予め測定して機械装置75の動作と同時に必要
な信号を発生させるための入力信号発生部、77は入力
信号発生部76から発生させる信号を記録しておく入力
信号保持部、78はマイクロホン、79は2次音源、8
0は適応制御部、81は信号処理部である。基本的動作
は他の従来例と同等である。
【0006】他の従来例として、特開平3−27489
7号、特開平4−240894号などの公報がある。何
れの公報も同等の手段により能動的騒音制御を行ってお
り、図16にその構成例を示す。図において、85は騒
音を入力するためのセンサマイク、86A、86Bはコ
ントローラ部、87A、87Bは適応型ディジタルフィ
ルタ部、88A、88Bはエラーセンサ、89A、89
Bは2次音源である。予め、エラーセンサ88A、88
Bと、2次音源89A、89B間の伝搬特性(伝達関
数)を測定し、センサマイク85で抽出した騒音信号
が、先に計測して伝搬特性を求めておいたエラーセンサ
88A、88B、および2次音源89A、89B間では
常に最小になるように低減効果を図る様な動作を行うも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の消音システムは
以上のように構成されており、何れの従来例(特開昭6
1−296392号、特開平3−191280号、特開
平3−203490号、特開平4−162097号、特
開平3−274897号、特開平4−240894号)
も、定常・非定常騒音信号の両者を同等に低減する事を
前提とした制御回路構成となっており、騒音信号を低減
するための制御信号を作り出す計算方法は非常に複雑で
あると共に、制御信号を創生するための計算時間は多大
の時間を要する。つまり、従来例による騒音低減効果を
もたらす方法は、抽出した騒音源の信号を常時畳込み演
算処理し、この畳込み演算結果から逆の特性を有する低
減信号を作り出すための適応型フィルタの係数を常に算
出し、このフィルタ係数による音を2次音源から放射す
ることで騒音信号を低減する動作を行っている。この畳
込み演算に要する計算は、騒音源信号を収集するセンサ
の設置数、2次音源の設置数、低減効果を確認するため
のエラーセンサの設置数、低減効果領域、設置空間状
況、その他多数の要因を全て考慮する必要があり、設置
数や効果を拡大するほどに計算量、計算時間は飛躍的に
大きくなる。計算量の増大は、適応型フィルタの基本構
成部材である、DSP(Digital Signal Processor)の
数を増やし、その周辺部材の数も増し、結果的には制御
回路の基本構成自体が非常に大掛かり・複雑で、製作に
かかる費用も莫大な費用になる。そのために、安価に機
器構成を行う必要がある一般的な家電製品のような機種
に、従来のような複雑・高価な構成回路による能動制御
を適用することは不可能である。また、従来方式では、
騒音低減を図る前には低減効果を期待する空間の音響特
性を伝達関数として、低減効果を確認するためのエラー
センサと2次音源間で計算処理することで求める必要が
ある。安定した低減効果を求め続けるために、騒音制御
を行う制御回路の動作を途中で停止させて伝達関数を求
め直すと共に、この動作は機器使用状況、設置状況等で
1日に何回も行う場合が有る。この伝達関数計算の間
は、騒音が低減されないばかりか、場合によっては伝達
関数を求めるための基準音と称する音源さえも一種の騒
音として元々の騒音と一緒に発生・聴取されることにな
る。また、従来技術の消音方法及び装置に於ける騒音源
の抽出方法は、マイクロホンや振動或いは加速度を抽出
するためのセンサーを、機器本体の任意位置、またはそ
の周辺にセンサーを設置しているが、予め設置したマイ
ク及びセンサー位置とは別の場所で騒音が発生した場合
は、その騒音を抽出できなくなることから騒音を低減す
ることは不可能になってしまう。更に、機器使用期間の
長期化、及び機器の使用環境に伴って、騒音を抽出する
各種センサーの初期の良好な状態を保持することは困難
になり、センサー自体の特性劣化も原因となって、消音
性能が著しく劣化する。一般的に、騒音は定常的にくり
返す周期性を有した信号形態である場合が殆どであり、
家電製品においては非定常にランダム変化する騒音信号
が発生する場合は日常的な使用状態では殆ど起こりえな
い。つまり、騒音の殆どは、機器を様々に動作させるた
めの信号が基本波成分と成り、これに同期して騒音信号
も発生している場合が非常に多い。
【0008】この発明は上記の様な問題点を解決するた
めになされたもので、機器を様々に動作させるための信
号が基本波成分と成り、これに同期して発生される周期
性、或いは疑似周期性成分を有した騒音信号を、機器を
駆動している制御回路(動作信号制御部等)から直接抽
出し、この抽出した信号から、逆位相で且つ同一音圧の
干渉信号による消音信号を創生することにより、騒音を
発している機器の騒音を消音することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、たとえ
ば、周期性或いは疑似周期性騒音の周期を各周期毎に検
出し、適応型ディジタルフィルタ及びデジタルフィルタ
の入力信号を、前記周期検出に同期して発生されるイン
パルスとしたものであり、以下の要素を有するものであ
る。 (a)騒音信号を発生させ空間に伝搬させる騒音源、
(b)上記騒音源を動作させ騒音信号の発生に寄与して
いる寄与信号を抽出し、抽出した寄与信号の周期的特徴
を抽出する寄与信号抽出手段、(c)上記寄与信号抽出
手段により抽出された周期的特徴に基づいて、騒音信号
に干渉する消音制御信号を発生する消音制御信号発生手
段、(d)上記消音制御信号発生手段により発生された
消音制御信号に基づいて、付加音源から付加音を発生さ
せ騒音信号が伝搬する空間を消音する消音手段。
【0010】第2の発明は、上記騒音源は、その動作を
制御する動作信号を発生する動作信号制御部を有し、上
記寄与信号抽出手段は、上記動作信号制御部からの動作
信号を寄与信号として抽出することを特徴とするもので
あり、たとえば、周期性或いは疑似周期性騒音の周期
を、機器の動作条件に対して駆動信号を発生させる為の
信号源そのものから、所定の手段により抽出することを
特徴とするものである。
【0011】第3の発明は、上記寄与信号抽出手段が、
寄与信号から寄与信号の周期的特徴として寄与信号のも
つ周期に同期したパルス信号を抽出するとともに、上記
消音制御信号発生手段は、消音制御信号を発生させるた
めのディジタルフィルタを有し、ディジタルフィルタの
タップ長とリファンス信号のタップ長を一致させること
を特徴とするものである。
【0012】第4の発明は、上記寄与信号抽出手段が、
抽出した寄与信号の周期的特徴を記憶するメモリー手段
を有し、メモリー手段に記憶した周期的特徴を消音制御
信号発生手段に出力することを特徴とするものであり、
たとえば、常に選択される可能性の高い機器運転の動作
信号において、所定の手続きでパルス信号に作成したも
のを所定のメモリー手段に記憶させたことを特徴とする
ものである。
【0013】第5の発明は、上記騒音源が、電力の供給
を受ける電源線を有し、上記寄与信号抽出手段は、上記
電源線から寄与信号を抽出することを特徴とするもので
ある。
【0014】第6の発明は、上記寄与信号抽出手段が、
巻線を有する磁路絶縁コア内に電源線を貫通させ、巻線
に電流を発生させて寄与信号として抽出する測定手段を
有することを特徴とするものである。
【0015】第7の発明は、振動膜の開口面が極力小さ
く、且つ高音圧が出る高周波数帯域用スピーカーを用い
たことを特徴とするものである。
【0016】第8の発明は、方法の発明に係るものであ
り、以下の工程を有するものである。 (a)騒音源を駆動している駆動信号を抽出する駆動信
号抽出工程、(b)駆動信号抽出工程により抽出された
駆動信号の周期を抽出する周期抽出工程、(c)騒音源
からの騒音信号の消音状態を抽出する消音状態抽出工
程、(d)上記周期抽出工程により抽出された周期と、
消音状態抽出工程により抽出された消音状態に基づい
て、消音信号を発生させる消音工程。
【0017】
【作用】第1の発明は、周期性或いは疑似周期性騒音の
基本周期に同期したインパルス等により周期的特徴を抽
出するようにし、これにより付加音源の消音制御信号を
作成するための適応型ディジタルフィルタ、及びリファ
レンス信号を作成するために用いられるディジタルフィ
ルタにおける畳込み演算を不要にする。したがって、消
音制御信号を創生するための計算時間が短縮できる。
【0018】また、この周期的特徴を利用するという手
法により、従来各種センサー(マイクロホン等)を利用
する場合に起こっていた継年変化やそれによる特性劣化
の心配が無くなる。
【0019】第2の発明は、周期性或いは疑似周期性騒
音の基本周期に同期した信号を、機器自身の駆動用の制
御信号を発生させる制御部(動作信号制御部等)から直
接抽出させるようにして、センサーそのものの特性劣化
等により生じる消音効果劣化現象を無くすものであると
共に、確実な消音効果を図るものである。
【0020】また、第3の発明は、基本周期を検出する
毎に、その検出した周期に基づいて適応型ディジタルフ
ィルタのタップ長と、リファレンス信号のタップ長とを
一致させ、理論的にFXアルゴリズムとして扱うことが
できるようにしている。
【0021】第4の発明は、選択される回数の多い動作
を判定し、周期的特徴をパルス信号等に変換した後の信
号を所定のメモリー領域に記憶させるようにし、再びメ
モリーに記憶されている信号に相当する機器の動作が選
択された場合は、前記メモリーに記憶された信号を消音
信号創生のために用いる。また、これにより、騒音に同
期した信号をパルス信号に変換するための作業時間を大
幅に短縮することができると共に、機器の運転機能を選
択したのと同時に消音作業を行う事が出来る。
【0022】更に、第5、第6の発明は、たとえば、機
器の駆動信号に交流電源を直接用いている機器において
は、上記機器に交流電源を供給しているAC電源線を、
2次巻線を施した磁路絶縁コア内に貫通させることで測
定される2次電流を直接用いることで、騒音に同期して
いる信号を確実・正確に抽出することができる。
【0023】第7の発明は、設置状況、騒音対策周波数
範囲に応じて、付加音源として用いられる事が多い大き
な開口面の振動板を有するスピーカーを設置出来ない、
又は設置する必要の無い場合において、薄い振動膜を用
い、開口面が極力小さく、且つ高音圧が望めるリボン型
スピーカーを設置することで、確実な消音効果を発揮で
きるものである。
【0024】第8の発明は、騒音源の駆動信号から周期
を抽出して、消音信号を発生させるので、機器を様々に
動作させるための信号が基本波成分と成り、これに同期
して騒音信号も発生している場合に、簡単かつ効果的に
消音が可能になる。
【0025】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の一実施例である消音装置の電子消音方
法及び装置を洗濯機に用いた場合を示した概略構成図で
あり、図2は前記図1の動作構成図、図3は洗濯機の上
面図、図4はその側面図を示したものである。なお、こ
の実施例では、入力チャンネルは1、エラーセンサ数は
2、付加音源数が2の場合に関して示す。図において、
1は洗濯機の本体、2は前記洗濯機1の上部、3は下
部、4は洗濯槽、5は前記洗濯槽4の内部で回転運動を
行って洗濯行為を行うパルセータ、6は洗濯槽4の下部
に設けているモータであり、7は洗濯機1の動作を行わ
せる為のスイッチ部であり、動作信号制御部に接続され
ているものが多い。洗濯動作は、スイッチ部7で洗濯の
為の機能選択を行うことでモータ6を回転させ、この回
転運動がパルセータ5に送られて、洗濯槽4内で洗濯物
を回転することで洗濯作業が自動的に行われる。脱水動
作は、スイッチ部7で脱水に関する機能を選択すること
でモータ6が回転し、この回転運動を洗濯槽4内の内槽
(図示せず)が回転することで洗濯物の水分の除去作業
が自動的に行われる。洗濯、及び脱水の動作が一連の作
業として行われる全自動洗濯機もある。8は洗濯機1の
上部2の任意位置に設けられたエラーセンサ、9は洗濯
機1の下部3の任意位置に設けられた電気−音響変換を
行う付加音源であり、図ではスピーカーの場合を示す。
10は騒音に対する中和信号を創生するためのメインコ
ントロール部である。
【0026】図1中の矢印(→)は、洗濯、及び脱水作
業中に洗濯機1内部で発生する騒音の空間的な放射・伝
搬方向を示すベクトルマップを表している。モータ6の
回転運動で発生する騒音や洗濯・脱水行為そのものが原
因で発生する騒音は、その大部分が洗濯機1の上部2か
ら洗濯機外部に放射されている。洗濯機1を取り扱う人
間の位置は、騒音の伝搬方向である上部2の位置に居る
場合が多く、騒音の放射方向なども考慮に入れた場合の
騒音を消音すべき場所は、洗濯機1の上部2が最も効果
的で有る。このために、エラーセンサ8は、洗濯機1の
上部2に限り無く近い任意の位置に設置する。エラーセ
ンサ8は、騒音源からの騒音信号と後述する付加音源9
からの中和信号とにより干渉された干渉信号を検出し
て、この干渉信号が表すエラー信号をA/D変換部11
を介してメインコントロール部10に送る。付加音源9
は、洗濯機1内部で発生する騒音に対して直接音放射を
行わせる為、騒音の発生音源を包み込む、且つ上部2の
周辺に騒音を消音させる為の中和領域を創生する事など
を満足させることを目的としている。そのために、洗濯
機1内部の限り無く下部3に近く、且つ上部2の方向に
スピーカー音放射面を向けた設置方法とした。
【0027】本発明の基本的な消音方法及び装置の動作
を詳述する。洗濯機使用者が、洗濯機1の上部2に取り
つけられたスイッチ部7の、動作行為に必要なスイッチ
12を選択することで、洗濯動作を制御する動作信号制
御部13が選択された動作行為に必要な信号を発生す
る。動作信号制御部13で選択した信号そのものは、洗
濯機1本来の作業に必要な様々なモータ6の動作を制御
する。洗濯機に限らず、モータの様な可動部を備えてい
る家電製品等で発生する騒音信号の音響成分と、機器を
様々に動作させるための信号とは同一の場合が殆どであ
り、つまりは機器動作のための信号が騒音信号の基本波
成分と成り、これに同期した周期性の騒音信号が発生し
ている場合が非常に多い。よって、機器を動作させる制
御信号そのものの信号を消音装置への基本入力信号とし
て入力させる方法で、家電製品から発生する騒音を消音
する。
【0028】動作信号制御部13で選択した信号は分岐
されて、メインコントロール部10内の同期パルス作成
部14に送られる。図5に同期パルス作成部14の動作
を示す。まず、同期パルス作成部14は、動作信号制御
部13からの信号を一旦全て入力し、高速フーリエ解析
(FFT)処理する。FFT処理では、動作信号制御部
13からの全信号をインパルスレスポンス信号として表
す。このインパルスレスポンス信号は、モータ6などを
動かすためのそもそもの周期性信号や、突発的に発生す
る電磁ノイズ的信号や基板の周囲環境が原因で発生する
雑音ノイズ信号など様々な信号を重畳して表現している
ものである。複数回インパルスレスポンス処理した信号
を平均化することで、常に周期的に変換している定常信
号(周期性信号)が含まれていることが観測できるとと
もに、周期性信号だけのインパルスレスポンス信号にす
ることができる。この周期性信号が、純粋なモーターな
どを駆動させるための信号であり、この信号に同期した
周期性騒音が常に発生している。異常な過渡信号などに
汚染されていない純粋な周期性信号成分のインパルスレ
スポンス信号を逆FFT処理することで、周期的な信号
波形として処理する。この周期的な信号波形を、ディジ
タルフィルタで処理しやすくするために、任意のタップ
長でインパルス信号(パルス信号、又は単にパルスと略
す)として表現する。このように、同期パルス作成部1
4で創生したパルス信号は、疑似スイッチ15を介し
て、後述するSynchronized Filtered-X アルゴリズム
(以下、SFXアルゴリズム)16に送られて、付加音
源9を駆動するための駆動信号y(n)を創生し、実際
にはD/A変換部17でアナログ信号に変換した後に、
洗濯機1の下部3に設置した付加音源9を駆動する。
【0029】エラーセンサ8は消音すべき所定領域に設
置され、洗濯機1内で生じている消音すべき周期性騒音
と付加音源9から発生される付加音との干渉した音波
(消音誤差)を検出して、その消音誤差を示すエラー信
号e(n)をメインコントロール部10内のSFXアル
ゴリズム16に出力する。
【0030】次に、図6にSFXアルゴリズムの構成を
示す。図において、x(n)は同期パルス作成部14で
作成されたインパルス信号、e(n)は消音誤差を示す
エラー信号、126A、126Bはリファレンス信号制
御部、r(n)はリファレンス信号制御部から出力され
るリファレンス信号、115はアルゴリズム制御部、1
30、131、132は演算部、133は疑似スイッ
チ、wはアルゴリズム制御部で演算されたフィルタ係
数、114は適応型ディジタルフィルタ、y(n)は適
応型ディジタルフィルタから出力されるフィルタ出力で
ある。SFXアルゴリズムそのものの基本動作について
は、「同期式適応フィルタとそのアクティブ騒音・振動
制御への応用.浜田晴夫、他」の文献に述べられている
ので、ここでは簡単に説明する。SFXアルゴリズムに
おいても従来のFXアルゴリズムを用いている。FXア
ルゴリズムに於ける入力x(n) を、数1に示す様にイン
パルスとすると、
【0031】
【数1】
【0032】適応型ディジタルフィルタのフィルタ出力
y(n) は、数2となる。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、Nは周期性入力信号の1周期当た
りのポイント数であり、Iは適応型ディジタルフィルタ
のタップ長である。そして、常にI=Nとなるように適
応型ディジタルフィルタのタップ長を定めれば、数2は
数3のようになる。
【0035】
【数3】
【0036】一方、従来のアルゴリズム方式であるFX
アルゴリズムに於けるリファレンス信号r(n) は、数4
で表される。
【0037】
【数4】
【0038】数1のx(n) を用いて数4のr(n) は数5
の様に成る。
【0039】
【数5】
【0040】以上、SFXアルゴリズムは、FXアルゴ
リズムにおいてフィルタ出力y(n)及びリファレンス信
号r(n) を作成する際に、畳込み演算を不要にすること
ができるアルゴリズムである。こうして、洗濯機使用者
が洗濯機1の上部2に取りつけられたスイッチ部7の、
動作行為に必要なスイッチ12を選択することで、洗濯
動作を制御する動作信号制御部13が、選択された動作
行為に必要な信号をモータ等に伝送する。この結果、動
作信号制御部13のスイッチ12で選択した信号に同期
した周期性騒音が洗濯機1内の可動部分から発生するこ
とになるが、この周期性騒音本来の基本信号を動作信号
制御部本体から抽出しており、動作信号制御部から基本
周期を検出する毎に、その検出した周期に基づいて適応
型ディジタルフィルタのタップ長と、リファレンス信号
のタップ長とを一致させ、理論的にFXアルゴリズムと
してメインコントロール部10のSFXアルゴリズム1
6で扱うことで、洗濯機1の下部3に設置した付加音源
9から、メインコントロール部10で創生された消音信
号波を洗濯機内に直接放射して、エラーセンサ8を設置
している洗濯機の上部2に騒音を消音する領域(干渉
域)を創生する。
【0041】18はメモリースイッチ、19は周期パル
スメモリー部である。同期パルス作成部14では、動作
信号制御部13で選択した動作信号を、この動作信号に
同期した周期性を持つパルス信号に変換するが、動作信
号制御部13自体に異常が生じない限りは、常に動作信
号制御部13から同期パルス作成部14には定常な信号
が伝送される。この定常信号に対して常に周期性のパル
ス信号に変換するための更なる計算時間短縮を行う事
と、周期パルス作成部14でのパルス信号作成から干渉
信号を発生させて消音を行うまでの時間をも短縮させる
ために、常に洗濯機の運転に使用される動作選択(洗濯
や脱水行為)の信号の周期性パルス信号を周期性パルス
メモリー部19に記憶させておく。詳しくは、洗濯機1
の動作に必要な機能をスイッチ部7で選択することで、
動作に必要な信号が動作信号制御部13からモータ6等
に供給されると同時にこの信号は周期パルス作成部にも
供給される。この一連の動作は、単純な運転動作を基本
としている洗濯機の様な機器では大きく変化することは
考えられず、作成すべきパルス信号の数は多様に変化し
ない。よって、洗濯機に代表されるような単純動作を行
う機器は、動作の度にパルス信号を創生して騒音に対す
る消音行為を行うよりも、動作信号に同期した周期性パ
ルス信号を作成した後のこの信号を記憶させておくこと
で、周期性パルス信号を作成するための計算時間を著し
く短縮できる。但し、メモリーに記憶させるべき動作信
号は、常に使用される信号のみを記憶することを前提に
しており、同じスイッチが10回以上選択された場合の
スイッチ信号(動作信号制御部の信号)のみを記憶する
こととする。あるいは、10回に限らず、所定回以上で
もよい。あるいは、合計回数に限らず連続回数や間隔時
間等により判定してもよい。動作は、スイッチ12で選
択した動作信号が、動作信号制御部13から同期パルス
作成部14に一旦送られるが、ここで常に選択されてい
るのと同じ信号であるかどうかを検索し、常に選択され
ている(たとえば、10回以上)信号と判断した場合に
は、疑似スイッチ15をOFF状態にすると共に、メモ
リースイッチ18をON状態にする。これにより、動作
信号制御部13信号は、同期パルス信号作成部14の計
算行程を素通りし、直接周期パルスメモリー部19に送
られて、周期パルスメモリー部19では選択した動作信
号制御部13信号用のパルス信号をSFXアルゴリズム
16に伝送する。これにより、同期パルスを作成するた
めの計算時間、計算容量等を削減できると共に、スイッ
チ12を選択すると同時に、直ちに消音効果を発揮する
ことができる。図7は洗濯機騒音の消音結果の一例を示
したものである。
【0042】以上のように、この実施例は、騒音源から
発生される周期性或いは疑似周期性騒音を消音するた
め、逆位相で且つ同音圧の付加音を付加音源から発生さ
せ、所定領域でその音波干渉により消音を行う電子消音
装置に対して、騒音源からの騒音信号を伝搬する空間を
消音するための手段と、上記で発生する周期性或いは疑
似周期性騒音に基づく寄与信号を抽出する手段と、上記
周期性或いは疑似周期性騒音を消音する付加音源用の消
音信号を創生して、上記消音するための手段に与える手
段を備えたことを特徴とする。
【0043】また、上記周期性或いは疑似周期性騒音に
基づく寄与信号抽出には、機器の動作条件に対する駆動
信号を発生させる為の制御回路からの制御信号そのもの
を抽出することを特徴とする。
【0044】また、電子消音装置を構成する適応型ディ
ジタルフィルタ及びディジタルフィルタの入力信号を上
記制御回路から抽出した信号に同期して発生されるイン
パルスとし、前記同期を検出する毎に、その検出した周
期に基づいて前記適応型ディジタルフィルタのタップ長
と、リファレンス信号のタップ長とを一致させるように
したことを特徴とする。
【0045】また、10回以上、機器の或る動作条件に
対する駆動信号を発生させる為の制御回路から制御信号
が発生していると判断した場合には、前記制御信号に基
づいて創生しているパルス信号をメモリー手段に記憶さ
せると共に、再び同じ前記動作条件を選択時には前記メ
モリー手段に記憶したパルス信号を消音信号創生のため
の信号源とすることを特徴とする。
【0046】実施例2.上記実施例では、入力チャンネ
ル数は1、エラーセンサ数は2、付加音源数は2の場合
に関して示したが、エラーセンサ数、及び付加音源数は
それぞれ2以上あっても構わず、その設置数は限定され
ない。例えば、図8にエラーセンサ数、及び付加音源数
がそれぞれ4の場合を洗濯機の構成した場合の概略上面
図を示す。エラーセンサ数、及び付加音源数を増やすこ
とで、更に広い範囲(空間)を消音させることが可能で
ある。
【0047】実施例3.上記実施例では、洗濯機の内部
に消音システムを構成する場合について記載したが、洗
濯機に関わらず、筐体内に開空間を有する家電製品或い
は筐体内に開空間を有する装置全てに、本消音方法及び
装置を構成できることは言うまでもない。例えば、図9
に本発明を掃除機本体に構成した概略図を示す。図にお
いて、25は掃除機の本体、26は掃除機25内のモー
タ、27は排出通路、28は排出通路27の出口、29
はリボンスピーカーである。本実施例では、入力チャン
ネル数は1、エラーセンサ数は1、付加音源数は1であ
る。掃除機25は、モータの回転力によりゴミ等の吸入
を行うが、モータが超高速回転を行い、狭い排出通路2
7を経て出口28からゴミ吸気に伴う風を排出するため
に、掃除機の騒音は高い周波数帯域(2kHz以上)で
あると共に高音圧を生じている。この騒音は、先述の洗
濯機同様、モータへの回転信号に同期して周期的に発生
している。そのために、入力チャンネルは洗濯機同様、
掃除機25内に固着されている掃除機25の動作をコン
トロールしている動作信号制御部の、モータへの供給信
号を用いている。付加音源としてスピーカーを用いる場
合、掃除機内でのゴミ等から振動板を守ることは不可能
であり、音発生のために振動板を持たず、音放射の開口
を極力小さくしてもある程度の音圧を得ることが可能な
物を用いる必要がある。この問題対策のために、付加音
源にはリボン型スピーカーを用いる。消音の為のメイン
コントロール部10を含む動作は、先述の洗濯機と同様
である。図10は掃除機騒音の消音結果の一例を示した
ものである。
【0048】実施例4.上記までは、機器本体内で騒音
を消音する方法について記述したが、閉空間と言える機
器内騒音に対してだけ効果を発揮するだけでなく、開か
れた空間にも同等の効果を発揮することができる。例え
ば、図11は開空間への応用を示した概要図であり、キ
ッチン等での作業者に対して浴びせられる事が容易に考
えられる換気扇からの騒音に対して、作業者の頭部周辺
に消音域を創生する例を示す。図において、30はキッ
チンシステムの一端、31はキッチンシステムの任意位
置に設置された付加音源、32はキッチンシステム30
での作業者、33はキッチンシステム30の近傍に設置
して成る換気機能(換気扇)、34は換気扇の交流(A
C)供給電源に固着してなる波形測定装置である。大部
分の換気扇33は、先述の掃除機同様、換気扇33その
ものの構成部材であるモータ26を高速回転させること
で、キッチンシステム30で作業者32が行う調理等で
発生した煙・匂い等を外部に排気する。高速回転を行っ
ているために、換気扇33使用時には、非常に大きな音
圧を有する騒音が、換気扇33近傍の作業者32に常に
浴びせられている。換気扇33は他の家電製品と異な
り、様々な運転条件は必要無く、連続の回転運動だけを
必要とするものであり、交流(AC)電源だけで動作を
行う。そのために、換気扇33の動作時に生じる騒音
は、電源の入力信号に同期した、周期性騒音を発生して
いるので、換気扇で生じている騒音対策には、換気扇3
3のモータ26に駆動信号を与えているAC電源の信号
波を抽出して、消音装置への入力チャンネルとして用い
ることで対策出来る。
【0049】消音までに至る動作を簡単に記述する。換
気扇33のモータ26への駆動信号を供給しているAC
電源線の任意位置に、モータ26の駆動波形を観測して
電流信号として抽出するための波形測定装置34を装着
し、メインコントロール部10に於ける入力チャンネル
の入力信号とする。この波形測定装置34には、例えば
CT(Current Transformer) 技術を応用した電流測定法
等を用いる。波形測定装置34の部材構成としては、閉
磁路である磁路絶縁コア35に複数回2次巻線(n)3
6を巻きつけた構造である。磁路絶縁コア35の中間空
洞部内に、AC電源線37を貫通させることで、2次巻
線36にAC電源線37に流れている2次電流(出力電
流)が発生し、数6の式を成り立たせることができる。
この結果から、AC電源線37に流れる出力電流(i)
が検出出来ると共に、周期性騒音信号に寄与している同
期信号を抽出できる。
【0050】i=I0 /n (I0 =貫通電流)
【0051】前記波形測定部34での電流波形を周期信
号源として、パルス信号に変換し、SFXアルゴリズム
により干渉信号を創生し、キッチンシステム30の任意
位置に設置した付加音源から、干渉信号に基づく消音信
号を再生し、作業者の周辺に消音域を創生する。
【0052】以上のように、この実施例は、機器に直接
電源供給している交流電源線から機器駆動の制御を行っ
ている電流波形を測定することで、上記周期性或いは疑
似周期性騒音に基づく寄与信号源を抽出していることを
特徴とする。
【0053】また、前記電流波形の測定手段として、閉
磁路構造である磁路絶縁コアに複数回2次巻線を巻きつ
け、前記磁路絶縁コアの空洞内に交流電源線を貫通させ
るようにして、前記2次巻線に2次電流を発生させるこ
とを特徴とする。
【0054】実施例5.以上、上記実施例では家電製品
を対象に説明してきたが、家電製品に関わらず、機器自
体を制御している動作信号制御部や交流電源に同期した
周期性或いは疑似周期性騒音が発生している物全てに利
用できることは言うまでもない。また、付加音源にはス
ピーカー以外の電気−音響変換器(振動加振器等)を、
エラーセンサにはマイクロホン以外の音響−電気変換器
(振動ピックアップ等)を用いることが出来る事は言う
までもない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による消音
方法及び装置によれば、周期性或いは疑似周期性騒音の
基本周期が同期している機器そのものを制御している動
作信号制御部や交流電源の信号を入力チャンネルにして
いるために、騒音に関わる信号を確実・正確に入力でき
ると共に効果的な消音が発揮できる。また、SFXアル
ゴリズムを用いることで、上記基本周期に同期したイン
パルスを発生し、基本周期を検出する毎に、その検出し
た周期に基づいて適応型フィルタのタップ長と、リファ
レンス信号のタップ長とを一致させ、理論的にFXアル
ゴリズムとして扱えるようになったため、付加音源の駆
動信号を作成するための適応型フィルタ、及びリファレ
ンス信号を作成するために用いられるディジタルフィル
タにおける畳込み演算を省略することができ、適応型フ
ィルタのフィルタ出力を算出するための計算量を大幅に
削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による消音装置の電子消音方法及び装
置を洗濯機に用いた場合の概略構成図である。
【図2】図1の動作構成図である。
【図3】図1の洗濯機の上面図である。
【図4】図1の洗濯機の側面図である。
【図5】この発明の動作信号制御部の動作説明図であ
る。
【図6】この発明のSFXアルゴリズムの構成図であ
る。
【図7】図1の洗濯機の消音結果の特性一例図である。
【図8】図1の消音装置の構成を変更した他の実施例を
示す図である。
【図9】本発明を掃除機本体に構成した他の実施例を示
す図である。
【図10】掃除機騒音の消音結果の特性一例図である。
【図11】本発明を開空間へ応用した他の実施例を示す
図である。
【図12】従来技術の消音装置をダクトに適用した場合
の構成図である。
【図13】従来技術の消音装置を冷蔵庫に適用した場合
の構成図である。
【図14】従来技術の消音装置を車室内に適用した場合
の構成図である。
【図15】従来技術の消音装置を機械装置に適用した場
合の構成図である。
【図16】従来技術の消音方法の構成図である。
【符号の説明】
7 スイッチ部 8 エラーセンサー 9 付加音源 10 メインコントロール部 11 A/D変換部 12 スイッチ 13 動作信号制御部 14 周期パルス作成部 15 疑似スイッチ 16 SFXアルゴリズム 17 D/A変換部 18 メモリースイッチ 19 周期パルスメモリー部 29 リボンスピーカー 34 波形測定装置 35 磁路絶縁コア 36 2次巻線 37 AC電源線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−80776(JP,A) 特開 昭61−79169(JP,A) 特開 昭59−212777(JP,A) 特開 平6−274179(JP,A) 特開 平6−266370(JP,A) 特開 平5−303388(JP,A) 特開 平5−249984(JP,A) 特開 平5−249985(JP,A) 特開 平5−232969(JP,A) 特開 平4−162097(JP,A) 特開 平4−308897(JP,A) 実開 昭58−65575(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 F01N 1/00 H03H 17/02 601

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)騒音信号を発生させ空間に伝搬さ
    せる騒音源と、 (b)上記騒音源を動作させ騒音信号の発生に寄与して
    いる寄与信号を抽出し、抽出した寄与信号の周期的特徴
    を抽出する寄与信号抽出手段と、 (c)上記寄与信号抽出手段により抽出された寄与信号
    の周期的特徴に基づいて、騒音信号に干渉する付加音の
    発生を制御する消音制御信号を発生させる消音制御信号
    発生手段と、 (d)上記消音制御信号発生手段により発生された消音
    制御信号に基づいて、騒音信号に干渉する付加音を発生
    させ騒音信号が伝搬する空間を消音する消音手段とを有
    し、FX(Filtered−X)アルゴリズムで動作
    する電子消音装置であって、 上記消音制御信号発生手段は、第1のフィルタ係数で動
    作しリファレンス信号を作成して出力するリファレンス
    信号制御部と、上記リファレンス信号制御部が出力する
    リファレンス信号を入力して第2のフィルタ係数(W)
    を算出するアルゴリズム制御部と、上記アルゴリズム制
    御部が算出する第2のフィルタ係数(W)で動作し消音
    制御信号を発生させる適応型ディジタルフィルタとを有
    し、 上記寄与信号抽出手段は、寄与信号から寄与信号の周期
    的特徴として寄与信号の持つ周期に同期した任意のタッ
    プ長を持つパルス信号を抽出するとともに、 上記リファレンス信号制御部は、上記寄与信号抽出手段
    が抽出した寄与信号の持つ周期に同期した任意のタップ
    長を持つパルス信号を入力し、第1のフィルタ係数を変
    化させて、入力したパルス信号のタップ長と一致するタ
    ップ長を持つリファレンス信号を作成して出力し、 上記アルゴリズム制御部は、入力したパルス信号のタッ
    プ長と一致するタップ長を持つリファレンス信号を用い
    て第2のフィルタ係数(W)を算出し、 上記適応型ディジタルフィルタは、上記寄与信号抽出手
    段が抽出した寄与信号の持つ周期に同期した任意のタッ
    プ長を持つパルス信号を入力し、上記アルゴリズム制御
    部により算出された第2のフィルタ係数(W)を用いて
    リファレンス信号のタップ長と一致するタップ長を持つ
    消音制御信号を創生して出力することにより、上記リフ
    ァレンス信号制御部と上記適応型ディジタルフィルタと
    における 畳込み演算を不要としたことを特徴とする電子
    消音装置。
  2. 【請求項2】 上記騒音源は、その動作を制御する動作
    信号を発生する動作信号制御部を有し、上記寄与信号抽
    出手段は、上記動作信号制御部からの動作信号を上記寄
    与信号として抽出することを特徴とする請求項1記載の
    電子消音装置。
  3. 【請求項3】 上記寄与信号抽出手段は、抽出した寄与
    信号の周期的特徴を記憶するメモリー手段を有し、メモ
    リー手段に記憶した周期的特徴を消音制御信号発生手段
    に出力することを特徴とする請求項1記載の電子消音装
    置。
  4. 【請求項4】 上記騒音源は、電力の供給を受ける電源
    線を有し、上記寄与信号抽出手段は、上記電源線から寄
    与信号を抽出することを特徴とする請求項1記載の電子
    消音装置。
  5. 【請求項5】 上記寄与信号抽出手段は、巻線を有する
    磁路絶縁コア内に電源線を貫通させ、巻線に電流を発生
    させて寄与信号として抽出する測定手段を有することを
    特徴とする請求項1記載の電子消音装置。
  6. 【請求項6】 上記消音手段に、高温用スピーカーを用
    いたことを特徴とする請求項1記載の電子消音装置。
  7. 【請求項7】 リファレンス信号を作成して出力するリ
    ファレンス信号制御部とフィルタ係数で動作し消音制御
    信号を発生させる適応型ディジタルフィルタとを有する
    電子消音装置の電子消音方法において、以下の工程を有
    する電子消音方法 (a)騒音源を駆動している駆動信号を抽出する駆動信
    号抽出工程、 (b)駆動信号抽出工程により抽出された駆動信号の周
    期を抽出して該駆動信号を周期的な信号波形として処理
    し、任意のタップ長で周期的な信号波形を表現するパル
    ス信号として出力する周期抽出工程、 (c)騒音源からの騒音信号の消音状態を抽出する消音
    状態抽出工程、 (d)上記周期抽出工程が出力する任意のタップ長で周
    期的な信号波形を表現するパルス信号をリファレンス信
    号制御部の入力とし、該リファレンス信号制御部を該パ
    ルス信号の任意のタップ長と一致するタップ長のディジ
    タルフィルタとして動作させてリファレンス信号を作成
    して出力するリファレンス信号出力工程、 (e)上記消音状態抽出工程により抽出された消音状態
    と上記リファレンス信号出力工程で出力されたリファレ
    ンス信号とをもとにFX(Filtered−X)アル
    ゴリズムを適用してフィルタ係数を算出する算出工程、 (f)上記周期抽出工程が出力する任意のタップ長で周
    期的な信号波形を表現するパルス信号と上記算出工程に
    より算出されたフィルタ係数とを適応型ディジタルフィ
    ルタの入力として、該適応型ディジタルフィルタのタッ
    プ長を該パルス信号の任意のタップ長と一致させ、該適
    応型ディジタルフィルタに騒音信号に干渉する消音信号
    を発生させるための消音制御信号を創生させる消音制御
    信号創生工程、 (g)上記消音制御信号創生工程により創生された消音
    制御信号に基づいて、消音信号を発生させる消音工程。
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