JP3357122B2 - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JP3357122B2
JP3357122B2 JP13576093A JP13576093A JP3357122B2 JP 3357122 B2 JP3357122 B2 JP 3357122B2 JP 13576093 A JP13576093 A JP 13576093A JP 13576093 A JP13576093 A JP 13576093A JP 3357122 B2 JP3357122 B2 JP 3357122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モータ等の回転機械
を備え、住宅等の室内外に設けられた家庭電化製品から
発せられ、住宅等の室内に到来した騒音を能動的に消音
する消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の消音装置としては、従来から、
例えば、特開平3−88600号公報に記載されたもの
があった。この消音装置においては、交流電源によって
駆動されるコンプレッサ等の回転機械の駆動電圧波形又
は駆動電圧周波数、あるいは駆動電圧波形及び駆動電流
波形を検出し、この検出結果に基づいて、回転機械の電
磁音成分や回転音成分等の騒音に対応した騒音成分信号
を生成している。そして、この騒音成分信号から、回転
機械を収容した機械室の開口部における騒音を消音する
ための付加音信号を生成して、この付加音信号によっ
て、機械室の開口部近傍に取り付けられたスピーカ等の
電気音響変換器を駆動することにより、機械室の開口部
から外部へ漏れ出ようとする騒音を能動的に消音してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の消音装置は、個々の家庭電化製品のそれぞれに取り
付けなければならない。しかしながら、現在の各家庭に
おいては、モータ等の回転機械を備えた家庭電化製品
は、電気冷蔵庫、エアーコンディショナの室外機、電気
掃除機、電気洗濯機、換気扇等各種あり、これら全てに
消音装置を取り付けるとなると、個々の価格が高くなっ
てしまう。また、スピーカ等の電気音響変換器は、騒音
の発生源である機械室の開口部近傍に取り付けなければ
ならないので、配線が面倒であると共に、美観上及び各
製品の設計上も好ましくない。
【0004】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、各家庭電化製品に取り付けることなく、簡単な
構成で各種の家庭電化製品から発せられる騒音を消音す
ることができる消音装置を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、電動機を備える電気機器か
ら発せられる騒音と相関のあるノイズパルスを、上記電
気機器に供給される交流電源から検出して出力するノイ
ズパルス検出手段と、入力される付加音信号に基づい
て、上記騒音が消音されるべき所定の領域に向けて付加
音を放射する少なくとも1つの付加音放射手段と、上記
付加音放射手段に対応して上記所定の領域に設けられ、
該所定の領域に到来した上記騒音が上記付加音放射手段
から放射される上記付加音によって打ち消されて残留す
る残留騒音を検出して残留騒音信号を出力する少なくと
も1つの残留騒音検出手段と、上記ノイズパルス検出手
段から出力される上記ノイズパルス及び上記残留騒音検
出手段から出力される残留騒音信号に基づいて、上記所
定の領域において上記騒音の波形成分と逆位相となる付
加音を放射させる上記付加音信号を生成して上記付加音
放射手段に供給する制御手段とを具備することを特徴と
している。
【0006】請求項2記載の発明は、上記制御手段が、
係数の制御が可能なフィルタ、及び上記ノイズパルスと
同一又はその整数倍の周波数の正弦波信号を発生する正
弦波発生部を有し、上記残留騒音信号を参照して、上記
残留騒音検出手段の検出位置における残留騒音レベルが
最小となる上記係数を算出して上記フィルタに供給し、
上記正弦波信号を上記フィルタに入力し、上記フィルタ
の出力信号を上記付加音信合として上記付加音放射手段
に供給する構成構成とされていることを特徴としてい
る。
【0007】請求項3記載の発明は、装置本体に供給さ
れる交流電源を上記電気機器に供給される交流電源と共
用としたことを特徴としている。
【0008】また、請求項4記載の発明は、上記ノイズ
パルス検出手段が、建物の室内外に設けられた上記電気
機器から発せられる騒音と相関のあるノイズパルスを、
上記電気機器に供給される交流電源から検出して出力す
るものであると共に、上記残留騒音検出手段は、上記騒
音が消音されるべき上記建物内の所定の領域に取り付け
られ、上記残留騒音を検出して残留騒音信号を出力する
ものであることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の構成において、ノイズパルス検
出手段は、家庭電化製品から発せられる騒音と相関のあ
るノイズパルスを、それらに供給される交流電源から検
出して出力する。また、残留騒音検出手段は、残留騒音
を検出して残留騒音信号を出力する。これにより、制御
手段がノイズパルス及び残留騒音信号に基づいて、所定
の検出位置において上記家庭電化製品から発せられる騒
音の波形成分と逆位相となる付加音信号を生成して付加
音放射手段に供給する。したがって、残留騒音検出手段
の検出領域において、上記家庭電化製品から発せられる
騒音が付加音放射手段から放射される付加音によって消
音される。なお、上記残留騒音検出手段及び付加音放射
手段をそれぞれ複数個備えて構成するようにすれば、消
音されるべき領域及び消音対象波長域の拡大を達成する
ことができる。
【0010】請求項2記載の構成において、制御手段
は、上記残留騒音信号を参照して、残留騒音検出手段の
検出位置において残留騒音レベルが最小となるようにフ
ィルタの係数を算出してフィルタに供給する。そして、
制御手段は、正弦波信号をフィルタに通す。これによ
り、家庭電化製品から発せられる騒音の波形成分と同振
幅で逆位相の付加音信号が生成され、付加音放射手段に
供給される。
【0011】なお、請求項3記載の構成とよれば、1つ
の交流電源から消音装置本体に電源が供給されると共
に、ノイズパルスも検出されるので、装置の構成が簡単
になり、かつ、汎用化される。また、この発明を住空間
に適用すれば、騒音のない快適な生活環境を達成でき
る。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。図1はこの発明の一実施例である消音
装置の構成を示すブロック図である。同図において、電
源部1は、コンセントプラグ2が各家庭の壁等に埋め込
まれたコンセントに差し込まれることにより、100V
の交流商用電源が供給され、その100Vの交流商用電
源を整流・平滑化して所定電圧の直流電圧を生成し、装
置各部に供給する。
【0013】ノイズパルス検出部3は、例えば、図2に
示す構成をしており、コンデンサ4a,4b及びアイソ
レートトランス5並びに抵抗6によって100Vの交流
商用電源とノッチフィルタ7とをアイソレートし、ノッ
チフィルタ7によって100Vの交流商用電源周波数
(50Hz又は60Hz)をカットし、100Vの交流
商用電源に混入している、モータ等の回転機械を備え、
住宅等の室内外に設けられた電気冷蔵庫、エアーコンデ
ィショナの室外機、電気掃除機、電気洗濯機、換気扇等
の家庭電化製品から発せられるモータの回転音や電磁音
等の騒音と相関のあるノイズパルス(電圧波形)NPを
取り出す。ここで、ノイズパルス検出部3の各構成要素
の値は、例えば、コンデンサ4a,4bが0.01μ
F、アイソレートトランス5の巻数比が300:50、
抵抗6が50Ωに設定される。
【0014】再び、図1において、エラーマイク81
2は、家庭電化製品から発せられ騒音を消音すべき住
宅の一室内の、騒音が聴取される位置に(例えば、天井
から懸吊状態に)取り付けられ、この例の消音装置によ
って減衰させられて残留する残留騒音のレベルを検出し
て残留騒音信号SN1,SN2に変換する。なお、この
例は、2つのエラーマイク81,82の使用例である。ロ
ーパスフィルタ(以下、LPFという)9は、上記エラ
ーマイク81,82から出力される残留騒音信号SN1,
SN2の低周波成分(5KHz以下)を通過させる。ア
ナログ/ディジタル変換器(以下、A/Dコンバータと
いう)10は、LPF9から出力された残留騒音信号S
N1,SN2及びノイズパルス検出部3から出力された
ノイズパルスNPをそれぞれディジタルの残留騒音デー
タSND1,SND2及びノイズパルスデータNPDに
変換してコントロール部11に供給する。
【0015】コントロール部11は、ノイズパルスデー
タNPDからの周期性を有するパルスデータの周波数選
定、正弦波発生部12及び信号処理部13の制御等を行
う。正弦波発生部12は、コントロール部11から供給
された命令データに基づいて、コントロール部11にお
いて選定された少なくとも1つの周波数fNのそれぞれ
n倍(nは整数)の周波数n×fNを有する複数の正弦
波データを生成し、さらに、生成された複数の正弦波デ
ータを組み合わせ、得られた合成正弦波データMSIN
を信号処理部13に供給する。付加音源スピーカ1
1,142は、騒音を消音すべき住宅の一室内に、エラ
ーマイク81,82に対応して設けられ、家庭電化製品か
ら発せられる騒音を打ち消すべき付加音を放射する。
【0016】信号処理部13は、図3に示すように、制
御回路15、適応フィルタ(以下、ADFという)16
1,162、白色雑音発生部17、補正用フィルタ1
11,1812,1821,1822、コントロールドフィル
タ(以下、CNFという)191,192等から概略構成
され、初期設定動作として、付加音源スピーカ141
142とエラーマイク81,82との間の伝達関数G11
12,G21,G22の同定、及び、適応制御動作として、
騒音源である家庭電化製品とエラーマイク81,82との
間の伝達関数の逆特性F1,F2の逐次同定等を 行い、
家庭電化製品から発せられる騒音を打ち消すべきディジ
タルの付加音データAND1,AND2を生成して出力
する。ここで、上記制御回路15はコントロール部11
からの命令に基づいて信号処理部13内の構成各部を制
御する。上記ADF161,162は、所定の入力データ
に基づいて、最小2乗平均(Least Mean Squre; LMS)
アルゴリズムによる必要な伝達関数(フィルタ係数)の
適応化処理(適応動作)を行う。上記白色雑音発生部1
7は、制御回路15から出される白色雑音要求命令に基
づいて、消音すべき騒音の帯域に制限された白色雑音デ
ータWND1,WND2を生成する。補正用フィルタ1
11,1812,1821,1822には、付加音源スピーカ
141と各エラーマイク81,82との間の伝達関数
11, G12,G21,G22に対応するフィルタ係数
11,h12,h21,h22が設定される。CNF191
192には、センサマイク81,82とエラーマイク81
2との間の伝達関数の逆特性F1,F2に対応するフィ
ルタ係数J1,J2が設定される。このフィルタ係数
1,J2は、ADF161,162によって、サンプリン
グ周期毎に更新される。ディジタル/アナログ変換器
(以下、D/Aコンバータという)20は、信号処理部
7から出力される付加音データAND1,AND2、白
色雑音データWND等をアナログ信号に変換して、アン
チエリアシングフィルタによって構成されたLPF21
に供給する。LPF21は、D/Aコンバータ20の出
力信号の低周波成分を通過させた後、付加音源スピーカ
141,142にそれぞれ供給する。
【0017】次に、この例の動作について説明する。上
記構成において、コンセントプラグ2が部屋A(図4参
照)の壁面に設けられたコンセント22に差し込まれる
と、電源部1において、コンセントプラグ2を介して供
給された100Vの交流商用電源が整流・平滑化されて
所定電圧の直流電圧が生成され、装置各部に供給され
る。これにより、装置各部において動作が開始される。
ノイズパルス検出部3は、100Vの交流商用電源に混
入している隣室B(図4参照)の電気掃除機23から発
せられるモータの回転音等の騒音と相関のあるノイズパ
ルスNPを出力する。出力されたノイズパルスNPは、
A/Dコンバータ10において、ディジタルのノイズパ
ルスデータNPDに変換され、コントロール部11に供
給される。しかし、コントロール部11は、供給される
ノイズパルスデータNPDを無視して、まず、信号処理
部13に初期設定動作の開始を指示する。信号処理部1
3において、制御回路15は、コントロール部11から
上記初期設定動作の開始命令を受けると、図3に示すよ
うに、スイッチ241,242を図中左に切り換える。そ
して、白色雑音発生部17に白色雑音要求命令を出す。
白色雑音発生部17は、制御回路15から白色雑音要求
命令を受けると、白色雑音データWNDを生成する。制
御回路15は、白色雑音発生部17の3つの出力端子の
うち2つの出力端子W1,W3を選択し、生成された白
色雑音データWNDを出力端子W1,W3から出力させ
る。この結果、出力端子W1から出力された白色雑音デ
ータWNDは、D/Aコンバータ20、LPF21を経
由して付加音源スピーカ141から白色雑音(音波)と
して出力される。付加音源スピーカ141から出力され
た白色雑音は、各エラーマイク81,82によって収集さ
れ、LPF9、A/Dコンバータ10を経由して、騒音
データSND1,SND2として信号処理部13に入力
される(初期設定時においては、エラーマイク81,82
からの出力値SND1,SND2は、残留騒音ではない
ので、単に騒音データという、以下において同じ)。
【0018】信号処理部13において、ADF131
132は、入力された騒音データSND1,SND2と
白色雑音発生部17の出力端子W3から出力された白色
雑音データWNDとに基づいて、最小2乗平均アルゴリ
ズムによる5秒程の適応化処理(適応動作)を行い、付
加音源スピーカ141と各エラーマイク81,82との間
の伝達関数G11,G12を求める。そして、得られた伝達
関数G11,G12に対応するフィルタ係数h11,h12を、
実際の消音時の補正用のフィルタ係数として補正用フィ
ルタ1811,1812に転送する。
【0019】次に、制御回路15は、白色雑音発生部1
7の3つの出力端子のうち2つの出力端子W2,W3を
選択し、白色雑音データWNDを出力端子W2,W3か
ら出力させる。この結果、出力端子W2から出力された
白色雑音データWNDは、D/Aコンバータ20、LP
F21を経由して付加音源スピーカ142から白色雑音
(音波)として出力される。付加音源スピーカ142
ら出力された白色雑音は、各エラーマイク81,82によ
って収集され、LPF9、A/Dコンバータ10を経由
して、騒音データSND1,SND2として信号処理部
13に入力される。
【0020】信号処理部13において、ADF131
132は、入力された騒音データSND1,SND2と
白色雑音発生部17の出力端子W3から出力された白色
雑音データWNDとに基づいて、最小2乗平均アルゴリ
ズムによる5秒程の適応化処理(適応動作)を行い、付
加音源スピーカ142と各エラーマイク81,82との間
の伝達関数G21,G22を求める。そして、得られた伝達
関数G21,G22に対応するフィルタ係数h21,h22を、
実際の消音時の補正用のフィルタ係数として補正用フィ
ルタ1821,1822に転送する。
【0021】初期設定が完了すると、コントロール部1
1は、信号処理部13に能動的消音を果たすための適応
制御命令を出す。信号処理部13において、制御回路1
5は、コントロール部11から適応制御命令を受ける
と、信号処理部13内のスイッチ241,242を図3中
右に切り換えると共に、白色雑音発生部17に白色雑音
の生成を停止させる。
【0022】コントロール部11は、ノイズパルスデー
タNPDから周期性を有するパルスデータの周波数fN
を少なくとも1つ選定する。例えば、電気掃除機23か
ら発せられる騒音の周波数帯域内で自己相関が取られ、
予め設定されたしきい値を越えるピークを有する周波数
のうち、周期の短い周波数から順次選定する。ただし、
選定された周波数fNの整数倍の周期を有する周波数は
選定されない。次に、コントロール部11は、選定され
た周波数fNのn倍の周波数n×fN(ただし、n×fN
≦対象とする騒音の周波数)を有する複数の正弦波デー
タの生成・合成命令を正弦波発生部12に出す。これに
より、正弦波発生部12において、周波数n×fNを有
する複数のディジタルの正弦波データが生成され、生成
された複数の正弦波データは合成されてディジタルの合
成正弦波データMSINとなって、信号処理部13に供
給される。この合成正弦波データMSINは、信号処理
部13内のCNF191,192で処理されて、付加音デ
ータAND1,AND2として、信号処理部13より出
力される。
【0023】これら付加音データAND1,AND2
は、D/Aコンバータ20、LPF21を経由して対応
する付加音源スピーカ141,142からそれぞれ出力さ
れ、消音領域(エラーマイク81,82の検出領域)25
において電気掃除機23から発せられる騒音と干渉す
る。干渉後の音圧はエラーマイク81,82で収拾され、
LPF9、A/Dコンバータ10を経由して、再び信号
処理部11へディジタルの残留騒音データSND1,S
ND2として入力される。
【0024】信号処理部13内のADF161,16
2は、これら入力された残留騒音データSND1,SN
D2と、合成正弦波データMSINとして入力され、補
正用フィルタ1811,1812,1821,1822を通過し
た信号とに基づいて、最小2乗平均アルゴリズムを用い
て、センサマイク81,82と騒音源である電気掃除機2
3との間の伝達関数の逆特性F1,F2を求める。そし
て、得られた伝達関数の逆特性F1,F2に対応するフィ
ルタ係数J1,J2は、CNF191,192に転送され、
CNF191,192のフィルタ係数として設定される。
【0025】CNF191,192は、入力される合成正
弦波データMSINに対して、ADF161,162から
供給されたフィルタ係数J1,J2で畳み込み演算を行っ
て、演算結果を付加音データAND1,AND2として
出力する。これら付加音データAND1,AND2は、
D/Aコンバータ20、LPF21を経由して対応する
付加音源スピーカ141,142からそれぞれ付加音(消
音音波)として出力され、消音領域25において逆位相
の電気掃除機騒音と干渉して電気掃除機騒音を弱める。
上記適応能動制御は、一定のサンプリング周期毎に繰り
返され、最終的に、消音領域25において電気掃除機騒
音と2つの付加音の合波とが同振幅で逆位相の関係とな
って、互いに充分打ち消し合って、消音が達成される。
図5は、消音領域25における電気掃除機騒音のパワー
スペクトル分布図を示し、上記構成の消音装置の作動時
と不作動時の場合が示されている。同図に示すように、
同消音装置の作動時の騒音レベルは、同消音装置の不作
動時のそれの約100分の1以下となる。上記構成によ
れば、電気掃除機、電気洗濯機、電気冷蔵庫等の家庭電
化製品の1つ1つに消音装置を取り付ける必要がない。
それ故、これら家庭電化製品の高騰化を回避することが
できる。しかも、ADF161,162が、サンプリング
周期毎に、CNF191,192のフィルタ係数J1,J2
を更新するので、エラーマイク81,82や付加音源スピ
ーカ141,142等の径年変化又は温度変化に伴う伝達
関数の変動にも迅速に対応できる。
【0026】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、エラーマ
イク81,82と付加音源スピーカ141,142とを互い
に近接して設置することが可能な場合には、信号処理部
13内の補正フィルタ1811,1812,1821,1822
の係数h11,h12,h21,h22を、定数として取り扱う
ことができ、このように係数を固定できる場合には、白
色雑音発生部17が不要となるので、回路構成が一段と
簡易かつ安価となる。また、騒音と相関のある周波数の
選定は、コントロール部11による自動選定に代えて、
人為的に(例えば、選択スイッチ等で)行うようにして
も良い。また、上述の実施例においては、エラーマイク
1, 82及び付加音源スピーカ141,142をそれぞ
れ2つ用いる場合を示したが、 これに限らず、3つ以
上でも良く、単数でも良い。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の消音装
置によれば、モータを使用した一般の家庭電化製品(例
えば、電気冷蔵庫、エアーコンディショナの室外機、電
気掃除機、電気洗濯機、換気扇等)から発せられるモー
タの回転音や電磁音等の騒音を対象にすることができる
ので、汎用性があり、経済的である。また、家庭電化製
品と同系統の交流商用電源を電源とすると共に、その交
流商用電源に混入している各家庭電化製品から発せられ
る騒音と相関のあるノイズパルスを取得するように構成
したので、この消音装置を各家庭電化製品内部に直接取
り付けたり、各家庭電化製品近傍に配置する必要がな
く、簡単な構成で、住宅等の室内外に設けられた電各種
の家庭電化製品から発せられる騒音を、居間や寝室や病
室等において、消音できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である消音装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】ノイズパルス検出部の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図3】信号処理部の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図4】同消音装置の動作を説明するための配置図であ
る。
【図5】同消音装置の動作説明に供せられる電気掃除機
騒音のパワースペクトル分布を示す図である。
【符号の説明】
3 ノイズパルス検出部(ノイズパルス検出手段) 81,82 エラーマイク(残留騒音検出手段) 11 コントロール部(制御手段) 12 正弦波発生部 13 信号処理部(制御手段) 141,142 付加音源スピーカ(付加音放射手
段) 161,162 ADF(フィルタ) 191,192 CNF(フィルタ)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機を備える電気機器から発せられる
    騒音と相関のあるノイズパルスを、前記電気機器に供給
    される交流電源から検出して出力するノイズパルス検出
    手段と、 入力される付加音信号に基づいて、前記電気機器から発
    せられる騒音が消音されるべき所定の領域に向けて付加
    音を放射する少なくとも1つの付加音放射手段と、 前記付加音放射手段に対応して前記所定の領域に設けら
    れ、該所定の領域に到来した前記電気機器から発せられ
    る騒音が前記付加音放射手段から放射される前記付加音
    によって打ち消されて残留する残留騒音を検出して残留
    騒音信号を出力する少なくとも1つの残留騒音検出手段
    と、 前記ノイズパルス検出手段から出力される前記ノイズパ
    ルス及び前記残留騒音検出手段から出力される残留騒音
    信号に基づいて、前記所定の領域において前記電気機器
    から発せられる騒音の波形成分と逆位相となる付加音を
    放射させる前記付加音信号を生成して前記付加音放射手
    段に供給する制御手段とを具備することを特徴とする消
    音装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、係数の制御が可能なフ
    ィルタ、及び前記ノイズパルスと同一又はその整数倍の
    周波数の正弦波信号を発生する正弦波発生部を有し、 前記残留騒音信号を参照して、前記残留騒音検出手段の
    検出位置における残留騒音レベルが最小となる前記係数
    を算出して前記フィルタに供給し、前記正弦波信号を前
    記フィルタに入力し、前記フィルタの出力信号を前記付
    加音信合として前記付加音放射手段に供給する構成とさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の消音装置。
  3. 【請求項3】 装置本体に供給される交流電源を前記電
    気機器に供給される交流電源と共用としたことを特徴と
    する請求項1記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 前記ノイズパルス検出手段は、建物の室
    内外に設けられた前記電気機器から発せられる騒音と相
    関のあるノイズパルスを、前記電気機器に供給される交
    流電源から検出して出力するものであると共に、 前記残留騒音検出手段は、前記騒音が消音されるべき前
    記建物内の所定の領域に取り付けられ、前記残留騒音を
    検出して残留騒音信号を出力するものであることを特徴
    とする請求項1記載の消音装置。
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