JPH05296622A - 製氷装置 - Google Patents

製氷装置

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JPH05296622A
JPH05296622A JP10654492A JP10654492A JPH05296622A JP H05296622 A JPH05296622 A JP H05296622A JP 10654492 A JP10654492 A JP 10654492A JP 10654492 A JP10654492 A JP 10654492A JP H05296622 A JPH05296622 A JP H05296622A
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JP
Japan
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ice
supercooling
elimination
circulation path
cold storage
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Application number
JP10654492A
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English (en)
Inventor
Koji Matsuoka
弘二 松岡
Shinji Matsuura
伸二 松浦
Yasunobu Okumura
恭伸 奥村
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】管路内で着氷を生じることなく過冷却状態を完
全に解消する。 【構成】少なくとも再冷却器8から蓄冷材Wの過冷却状
態の解消完了位置までの循環路51に、過冷却解消完了
手段71を設ける。過冷却解消完了手段71を、循環路
51の内面を付着防止面に形成して着氷を防止しつつ過
冷却状態解消を自然進行させる。また、旋回容器とした
過冷却解消完了手段75を設ける。また、氷化付着部を
備えた過冷却解消完了手段88を設ける。さらに、氷核
付着部を氷核付着面にすると共に氷化物の付着防止面に
したり、氷核付着部を突起、凹部または線状部材に構成
する。過冷却解消完了手段71,88により、着氷を防
止しつつ過冷却状態解消を積極的に進行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄氷槽内の蓄冷材を循
環させて過冷却したのちその過冷却状態を解消させてス
ラリ―状の氷化物にするようにした製氷装置に係り、と
くに、過冷却解消の促進対策に関する。
【0002】
【従来の技術】氷の蓄冷熱を用いて空調を行う蓄熱空調
システムには、冷却面に氷を付着させずに氷を生成する
ダイナミック方式があり、このダイナミック方式の一つ
に過冷却制御型の製氷装置がある。過冷却制御型の製氷
装置は、過冷却生成用冷却器と蓄氷槽との間で蓄冷材を
循環路により循環させ、過冷却した蓄冷材の過冷却状態
を解消してスラリー状の氷化物を生成して蓄氷槽に貯溜
するものである。
【0003】この種の製氷装置の過冷却状態の解消手段
は、例えば、実開平1−144722号公報に開示され
ているように、過冷却生成用冷却器で過冷却された蓄冷
材が下流側の循環路において突発的に過冷却状態を解消
して管路を閉塞するという事態を回避するために、過冷
却生成用冷却器の蓄冷材出口の下方に上部が開口してい
る樋を配設しておき、該冷却器から蓄冷材を外気に放出
して該樋に落下させ、樋を流下中に蓄冷材の過冷却状態
を解消し、氷化した蓄冷材を上方に開口した蓄氷槽に流
下している。
【0004】上記管路外解消型の製氷装置では、過冷却
状態の解消を完全に行うために、樋の内面を粗さの異な
る2種類の材料によって構成する等して、過冷却状態の
解消を促進して、完全な解消を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記管路外
解消型の製氷装置では、外気に放出した上で蓄冷材の過
冷却状態の解消を行っているために、氷化した蓄冷材を
蓄氷槽に回収するためには、蓄氷槽の近傍に、樋、さら
には樋に隣接する過冷却生成用冷却器を配置しておかな
ければならず、装置設計の自由度が小さいという欠点が
ある。
【0006】そこで、特開平4−3867号公報に開示
されているように、蓄氷槽から離れた位置に過冷却生成
用冷却器を配置して、循環路の途中で過冷却状態を解消
し、氷化した蓄冷材を蓄氷槽まで送る製氷装置が提案さ
れている。しかしながら、循環路内で過冷却状態の解消
のきっかけを与えるだけで何等の措置を講じることなく
下流側の循環路を流通させるだけでは、過冷却状態が未
解消の蓄冷材が下流側のおもわぬところで氷化して着氷
することがある。そして、着氷が成長して循環路を閉塞
し、装置を破壊するといった不測の事態が発生するおそ
れがある。このため、循環路の閉塞を防止するために
は、過冷却状態が完全に解消するまで管路の内面に氷が
付着しないようにすることが要請されていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であって、過冷却状態解消を開始した蓄冷材について、
管路内において着氷を生じることなく過冷却状態を完全
に解消できるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明が講じた手段は、過冷却解消を
自然に進行させる一方、循環路内面を氷化物の付着防止
面に形成した過冷却解消完了手段を設けるものである。
【0009】具体的には、請求項1に係る発明が講じた
手段は、図1に示すように、スラリー状に氷化される蓄
冷材(W)を貯溜するための蓄氷槽(5)と、蓄冷材
(W)を過冷却するための冷却手段(22)と、過冷却
された蓄冷材(W)の過冷却状態を解消するための過冷
却解消部(8)とが順に循環路(51)により蓄冷材
(W)の循環可能に接続された製氷装置を前提としてい
る。
【0010】具体的には、該過冷却解消部(8)より下
流側の循環路(51)には、少なくとも該過冷却解消部
(8)から蓄冷材(W)の過冷却状態の解消完了位置ま
での循環路(51)の内面を、氷化物の付着防止面(7
3)に形成した過冷却解消完了手段(71)が設けられ
た構成としている。
【0011】また、請求項2以降の請求項は積極的に過
冷却状態解消を進行させるものである。そのうち、請求
項2に係る発明が講じた手段は、蓄冷材の過冷却状態解
消を完了させる旋回流を生起させる過冷却解消完了手段
を設けた構成としている。
【0012】具体的には、請求項2に係る発明が講じた
手段は、請求項1に係る発明の前提としての製氷装置に
加えて、該過冷却解消部(8)より下流側の循環路(5
1)には、蓄冷材(W)の過冷却状態の解消を完了させ
る旋回流を生起させる過冷却解消完了手段(75)が設
けられた構成としている。
【0013】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、過冷却解消部より下流側の循環路に、氷核が付着し
て該氷核により過冷却状態を完全に解消させる氷核付着
部を備えた過冷却解消完了手段を設けたものである。
【0014】具体的には、請求項3に係る発明が講じた
手段は、請求項1に係る発明の前提としての製氷装置に
加えて、該過冷却解消部(8)より下流側の循環路(5
1)には、氷核が付着して該付着した氷核により蓄冷材
(W)の過冷却状態の解消を完了させる氷核付着部(8
7)を備えた過冷却解消完了手段(88)が設けられた
構成としている。
【0015】請求項4に係る発明が講じた手段は、請求
項3の過冷却解消部を、氷核付着部が循環路の内面を氷
核の付着材で形成した氷核付着面で構成される一方、氷
核付着部の周囲に付着防止面を形成するものである。
【0016】具体的には、請求項4に係る発明が講じた
手段は、請求項3記載の製氷装置において、過冷却解消
完了手段(88)は、氷核付着部(87)が、循環路
(51)の内面を氷核の付着材で形成した氷核付着面
(89)で構成された構成としている。
【0017】さらに、上記氷核付着部(87)の周囲に
おける循環路(51)の内面で、かつ少なくとも過冷却
解消部(8)から蓄冷材(W)の過冷却状態の解消完了
位置までの循環路(51)の内面に氷化物の付着防止材
よりなる付着防止面(73)が形成されてなる構成とし
ている。
【0018】さらに、請求項5に係る発明が講じた手段
は、請求項4の氷核付着部をらせん状に形成するもので
ある。
【0019】具体的には、請求項5に係る発明が講じた
手段は、請求項4記載の製氷装置において、過冷却解消
完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環路(5
1)の内面にらせん状に形成された構成としている。
【0020】また、請求項6に係る発明が講じた手段
は、請求項3の氷核付着部を循環路の内面より突出した
突起で構成するものである。
【0021】具体的には、請求項6に係る発明が講じた
手段は、請求項3記載の製氷装置において、過冷却解消
完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環路(5
1)の内面より突出して氷核が付着する突起(91)で
構成されている。
【0022】また、請求項7に係る発明が講じた手段
は、請求項3の氷核付着部を循環路の内面より没入した
凹部で構成するものである。
【0023】具体的には、請求項7に係る発明が講じた
手段は、請求項3記載の製氷装置において、過冷却解消
完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環路(5
1)の内面より没入して氷核が付着する凹部(93)で
構成されている。
【0024】また、請求項8に係る発明が講じた手段
は、請求項3の氷核付着部を循環路内の流れ中に位置す
る線状部材より構成するものである。
【0025】具体的には、請求項8に係る発明が講じた
手段は、請求項3記載の製氷装置において、過冷却解消
完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環路(5
1)内の流れ中に位置して氷核が付着する線状部材(9
5)より構成されている。
【0026】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
冷却手段(22)によって過冷却された蓄冷材(W)が
過冷却解消部(8)によって過冷却状態が解消されて蓄
冷材(W)に氷核が生成し、氷核が混在する蓄冷材
(W)は下流側の過冷却解消完了手段(71)に流入す
る。過冷却解消完了手段(71)では、氷核がきっかけ
となって流通中の蓄冷材(W)に過冷却状態解消が自然
進行し、完全に過冷却状態が解消される。過冷却状態解
消が完了して安定状態になった蓄冷材(W)は、もはや
氷が成長することがないので、下流側の循環路(51)
を閉塞することなく蓄氷槽(5)にまで流通する。
【0027】過冷却解消完了手段(71)は、循環路
(51)の内面を氷化物の付着防止面(73)に形成さ
れており、氷生成中の蓄冷材(W)が流通しても循環路
(51)の内面に着氷が生じることはなく、閉塞は起こ
らない。
【0028】また、請求項2に係る発明では、過冷却解
消完了手段(75)が、過冷却解消部(8)によって過
冷却状態が解消された蓄冷材(W)に旋回流を生起さ
せ、旋回流が氷核と過冷却未解消状態の蓄冷材(W)と
の接触の機会を増加して、過冷却状態解消を積極的に進
行させる。このため、過冷却状態解消の完了に要する時
間および距離が短縮され、速やかに過冷却状態解消が完
了すると共に小さな過冷却解消完了手段(75)で過冷
却状態の解消が可能となる。また、水または水溶液より
なる蓄冷材(W)では氷化物は液状態の蓄冷材(W)よ
り比重が小さいので、生成した氷化物は旋回流の中心部
に集まり、過冷却解消完了手段(75)の内面に着氷が
生じることが少ない。
【0029】また、請求項3に係る発明では、過冷却解
消完了手段(88)の氷核付着部(87)により、循環
路(51)内に氷核が保持される。この氷核に蓄冷材
(W)の流れが接触することにより、氷核と過冷却未解
消状態の蓄冷材(W)との接触の機会が増加し、過冷却
状態の解消が積極的に行われることになる。また、過冷
却状態解消の促進に必要な氷核の量は僅かであるので、
氷核付着部(87)は非常に小さなものでよい。したが
って、氷核付着部(87)において氷が成長して循環路
(51)を閉塞することはない。具体的に、請求項4に
係る発明では、請求項3の氷核付着部(87)が循環路
(51)の内面を氷核の付着材で形成した氷核付着面
(89)で構成されており、氷核付着部(87)に氷核
が付着して過冷却状態解消が促進される。一方、氷核付
着部(87)の周囲の内面には氷化物の付着防止材で形
成された付着防止面(73)が形成されており、氷核付
着部(87)の氷核が周囲の循環路(51)の内面にま
で成長して循環路(51)を閉塞することがない。
【0030】さらに、請求項5に係る発明では、請求項
4の氷核付着部(87)がらせん状に形成されているの
で、氷核付着部(87)を付着防止面(73)によって
十分に囲みつつ大きな氷核の付着面積が得られることに
なり、着氷を防止しながら過冷却状態解消が一層促進さ
れる。
【0031】また、請求項6に係る発明では、請求項3
の氷核付着部(87)を循環路(51)の内面より突出
した突起(91)で構成することにより、該突起(9
1)に蓄冷材(W)の流れ中の氷核が付着して過冷却状
態解消が促進されることになる。
【0032】上述したように、過冷却状態解消の促進に
必要な氷核の量は僅かであるので、突起(91)は非常
に小さなものでよく、突起(91)に付着した氷核によ
って氷が大きく成長して循環路(51)を閉塞すること
がない。
【0033】また、請求項7に係る発明では、請求項3
の氷核付着部(87)を循環路(51)の内面より没入
した凹部(93)で構成することにより、該凹部(9
3)に蓄冷材(W)の流れ中の氷核が嵌まり込んで付着
して過冷却状態解消が促進されることになる。
【0034】また、請求項6の突起(91)と同様に、
凹部(93)も非常に小さなものでよく、凹部(93)
に付着した氷核が原因となって循環路(51)を閉塞す
ることはない。
【0035】また、請求項8に係る発明では、請求項3
の氷核付着部(87)を循環路(51)内の流れ中に位
置する線状部材(95)より構成することにより、蓄冷
材(W)の流れの中心部より過冷却状態解消が促進され
ることになり、過冷却解消作用が顕著に発揮される。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、過冷却解消完了手段(71)により、過冷却状態
解消が自然進行し、過冷却状態解消中は付着防止面(7
3)が循環路(51)内面への着氷を防止しており、閉
空間である循環路(51)内において着氷を生じること
なく過冷却状態を完全に解消することができる。したが
って、管路内解消型の製氷装置において、過冷却生成用
冷却器や過冷却解消部を蓄氷槽(5)から離れた場所に
自由に配置できるようになり、装置設計の自由度を拡大
することができる。
【0037】また、過冷却状態解消を自然進行に任せる
ことにより、簡単な構造で過冷却状態解消を完了させる
ことができる。
【0038】また、請求項2に係る発明によれば、過冷
却解消完了手段(75)が蓄冷材(W)の流れに旋回流
を形成することにより、氷核と過冷却未解消状態の蓄冷
材(W)との接触の機会を増加することができ、循環路
(51)の内面に着氷を生じさせることなく積極的に過
冷却状態解消を完了させることができる。したがって、
過冷却状態解消の完了に要する時間および距離を短縮で
き、氷が成長して循環路(51)を閉塞するおそれのあ
る不安定状態(過冷却未解消状態)を速やかに完了させ
ることができると共に、過冷却解消完了手段(75)を
小形化することができる。
【0039】また、請求項3に係る発明によれば、過冷
却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)により、
蓄冷材(W)の流れに晒される氷核が循環路(51)内
に保持されることになる。したがって、氷核と過冷却未
解消状態の蓄冷材(W)との接触の機会を増加すること
ができ、循環路(51)の内面に着氷が生じることなく
積極的に過冷却状態解消を完了させることができる。こ
のため、循環路(51)をそのまま用いて過冷却未解消
状態の速やかな完了と過冷却解消完了手段(88)の小
形化とを図ることができる。
【0040】具体的に、請求項4に係る発明によれば、
請求項3の氷核付着部(87)を循環路(51)の内面
を氷核の付着材で形成した氷核付着面(89)で構成す
ると共に、氷核付着面(89)の周囲の内面を氷化物の
付着防止材よりなる付着防止面(73)で形成してい
る。これにより、内面形状を大幅に変更することなく積
極的に過冷却状態解消を完了させることができる。
【0041】さらに、請求項5に係る発明によれば、請
求項4の氷核付着部(87)をらせん状に形成すること
により、着氷を防止しつつ大きな氷核の付着面積を得る
ことができ、過冷却状態解消を促進することができる。
したがって、過冷却状態解消の完了に要する時間および
距離が短縮して、過冷却未解消状態の速やかな完了と過
冷却解消完了手段(88)の小形化とをより促進するこ
とができる。
【0042】また、請求項6に係る発明によれば、請求
項3の氷核付着部(87)を循環路(51)の内面より
突出した突起(91)で構成することにより、着氷を防
止しつつ積極的に過冷却状態解消を完了させることがで
き、簡単な構造で過冷却未解消状態の速やかな完了と過
冷却解消完了手段(88)の小形化とを図ることができ
る。
【0043】また、請求項7に係る発明によれば、請求
項3の氷核付着部(87)を循環路(51)の内面より
没入した凹部(93)で構成することにより、請求項6
に係る発明と同様に、簡単な構造で着氷を防止しつつ過
冷却未解消状態の速やかな完了と解過冷却解消完了手段
(88)の小形化とを図ることができる。
【0044】また、請求項8に係る発明によれば、請求
項3の氷核付着部(87)を循環路(51)内の流れ中
に位置する線状部材(95)より構成することにより、
蓄冷材(W)の流れの中心部より過冷却解消作用が顕著
に発揮される。したがって、過冷却未解消状態の速やか
な完了と過冷却解消完了手段(88)の小形化とをより
一層促進することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0046】図2および図3は、請求項1に係る発明
を、製氷装置を備えた空気調和装置に適用した第1実施
例を示す。図2は、第1実施例の空気調和装置の冷媒回
路の構成を示す。図中において、(11)は第1圧縮
機、(12)は該第1圧縮機(11)の吐出側に配置さ
れ、冷媒と室外空気との熱交換を行う室外熱交換器、
(13)は該室外熱交換器(12)の冷媒流量を調節
し、又は減圧を行う室外電動膨張弁であって、上記第1
圧縮機(11)と、室外熱交換器(12)と、室外電動
膨脹弁(13)とは第1管路(14)中で直列に接続さ
れている。
【0047】また、(21)は第2圧縮機、(22)は
該第2圧縮機(21)の吐出側に配置され、後述の蓄氷
槽(5)の水又は水溶液を過冷却するための冷却手段と
しての水熱交換器、(23)は該水熱交換器(22)が
凝縮器として機能するときには冷媒流量を調節し、蒸発
器として機能するときには冷媒の減圧を行う水側電動膨
張弁であって、上記第2圧縮機(21)と、水熱交換器
(22)と、水側電動膨脹弁(23)は第2管路(2
4)中で直列に接続されている。
【0048】なお、(SD1),(SD2)はそれぞれ
各圧縮機(11),(21)の吐出管に設けられた油分
離器、(C1),(C2)は該各油分離器(SD1),
(SD2)から各圧縮機(11),(21)の吸入側に
それぞれ設けられた油戻し管(RT1),(RT2)に
それぞれ介設された減圧用キャピラリチュ―ブである。
【0049】さらに、(32),(32)は各室内に配
置される室内熱交換器、(33),(33)は冷媒を減
圧する減圧弁としての室内電動膨張弁であって、上記各
機器(32),(33)は各々直列に接続され、かつそ
の各組が第3管路(34)中で並列に接続されている。
【0050】そして、上記第1管路(14)及び第2管
路(24)は第3管路(34)に対して並列に接続され
ている。なお、(Ac)は各圧縮機(11),(21)
の吸入側となる第3管路(34)に設けられたアキュム
レ―タである。
【0051】また、(2)は室外熱交換器(12)のガ
ス管と室内熱交換器(32),(32)のガス管とを各
圧縮機(11),(21)の吐出側又は吸入側に交互に
連通させるよう切換える四路切換弁(2)であって、該
四路切換弁(2)が図中実線側に切換わったときには室
外熱交換器(12)が凝縮器、室内熱交換器(32),
(32)が蒸発器として機能して室内で冷房運転を行う
一方、四路切換弁(2)が図中破線側に切換わったとき
には室外熱交換器(12)が蒸発器、室内熱交換器(3
2),(32)が凝縮器として機能して室内で暖房運転
を行うようになされている。
【0052】さらに、該水熱交換器(22)のガス管と
各圧縮機(11),(21)の吸入管とをバイパス接続
する分岐路(25)と、水熱交換器(22)のガス管を
上記第2圧縮機(21)の吐出管と分岐路(25)とに
交互に連通させる水側切換弁(26)とが設けられてい
る。該水側切換弁(26)は四路切換弁のうちの3つの
ポ―トを利用しており、水側切換弁(26)が図中実線
側に切換わったときには水熱交換器(22)のガス管が
分岐路(25)側つまり各圧縮機(11),(21)の
吸入側に連通し、水熱交換器(22)が蒸発器として機
能する一方、水側切換弁(26)が図中破線側に切換わ
ったときには水熱交換器(22)のガス管が第2圧縮機
(21)の吐出管に連通し、水熱交換器(22)が凝縮
器として機能するようになされている。なお、(C3)
は水側切換弁(26)のデッドポ―ト側の配管に介設さ
れたキャピラリチュ―ブである。
【0053】さらに、第1圧縮機(11)及び第2圧縮
機(21)の吐出管同士を接続するバイパス路(3)が
設けられていて、該バイパス路(3)には第2圧縮機
(21)の吐出管側から第1圧縮機(11)の吐出管側
への冷媒流通のみを許容する逆止弁(4)が介設されて
いる。
【0054】すなわち、室外熱交換器(12)及び水熱
交換器(22)が凝縮器として機能する際、水熱交換器
(22)における凝縮温度が高く圧力が高くなった場
合、第2圧縮機(21)の吐出ガスを室外熱交換器(1
2)側に逃がすことにより、放熱量を分配しうるように
なされている。
【0055】ここで、空気調和装置は製氷装置(S)を
備えている。製氷装置(S)は、スラリー状に氷化され
る蓄冷材(W)を貯溜するための蓄氷槽(5)を備え、
蓄氷槽(5)と水熱交換器(22)との間は、循環路
(51)により蓄冷材(W)の循環可能に接続されてい
る。該循環路(51)は、蓄氷槽(5)の底部から水熱
交換器(22)に蓄冷材(W)を供給する往管路(51
A)と、水熱交換器(22)から蓄氷槽(5)の上部に
スラリ―状の氷化物を戻す復環路(51B)とからなっ
ており、往管路(51A)に介設されたポンプ(52)
により、循環路(51)内で蓄氷槽(5)の蓄冷材
(W)を強制循環させるように構成されている。蓄冷材
(W)としては、水または水溶液が用いられる。
【0056】そして、循環路(51)の往管路(51
A)のポンプ(52)より下流側には、循環路(51)
の蓄冷材(W)中の氷結物やゴミ等の固体物を除去する
ストレ―ナ(53)が介設され、さらに、該ストレ―ナ
(53)より下流側には、水熱交換器(22)に供給さ
れる蓄冷材(W)を予熱する予熱熱交換器(6)が介設
されている。一方、冷媒回路(1)の液ラインには、液
冷媒の一部を水側電動膨張弁(23)をバイパスさせて
予熱熱交換器(6)に流通させる予熱バイパス路(6
1)が設けられており、該予熱バイパス路(61)の予
熱熱交換器(6)より下流側には、冷媒の減圧機能及び
流量制御機能を有する予熱電動膨張弁(62)が介設さ
れている。該予熱電動膨張弁(62)と水側電動膨張弁
(23)とは、予熱バイパス路(61)の冷媒流量を調
節するとともに、水熱交換器(22)の製氷運転時にお
ける冷媒の減圧をも行うようになされている。
【0057】さらに、上記循環路(51)の復管路(5
1B)において、水熱交換器(22)より下流側には、
復管路(51B)の蓄冷材(W)を冷却して水熱交換器
(22)で過冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態を解
消させる過冷却解消部としての再冷却器(8)と、本発
明の特徴としての、該再冷却器(8)による蓄冷材
(W)の過冷却状態解消を完了させるための過冷却解消
完了手段(71)とが上流側から順に設けられている。
【0058】また、冷媒回路(1)の液ラインと各圧縮
機(11),(21)の吸入側となる分岐路(ガスライ
ン)との間には、水熱交換器(22)をバイパスして冷
媒を流通させる再冷却バイパス路(65)が設けられて
いる。該再冷却バイパス路(65)は、上流側から順に
上記再冷却キャピラリーチューブ(C4)と再冷却器
(8)とが介設され、再冷却キャピラリーチューブ(C
4)で減圧された低温の冷媒を再冷却器(8)に流通さ
せ、この冷媒との熱交換により水熱交換器(22)で過
冷却された蓄冷材(W)を再冷却するように構成されて
いる。
【0059】この場合、水熱交換器(22)のガス側配
管を上記水側切換弁(26)を介して分岐路(25)に
連通させる一方、再冷却器(8)のガス側を直接分岐路
(25)に連通させることにより、水側切換弁(26)
の通過による流通抵抗分だけ水熱交換器(22)よりも
低温に維持して、水熱交換器(22)で過冷却された蓄
冷材(W)を再冷却器(8)でさらに低温に冷却しうる
ように構成されている。
【0060】なお、該再冷却器(8)と水熱交換器(2
2)との間の復管路(51B)には、復管路(51B)
の凍結が水熱交換器(22)まで進展するのを阻止する
ための凍結進展防止部としての保温熱交換器(7)が設
けられている。一方、上記冷媒回路(1)の液ラインの
一部は、保温熱交換器(7)に液冷媒を流通させる保温
通路(67)に構成されている。
【0061】上記空気調和装置の作動を図2に基づいて
説明する。室内で冷房運転を行うときには、四路切換弁
(2)が図中実線側に切換えられる。そして、水側切換
弁(26)が図中実線側に切換えられているときには、
各圧縮機(11),(21)からの吐出冷媒がいずれも
室外熱交換器(12)で凝縮された後、各室内熱交換器
(32),(32)で蒸発することにより、室内の冷房
を行う。また、水側切換弁(26)が図中破線側に切換
えられているときには、第1圧縮機(11)の吐出冷媒
が室外熱交換器(12)に流れる一方、第2圧縮機(2
1)の吐出冷媒は水熱交換器(22)に流れ、それぞれ
凝縮された後各室内熱交換器(32),(32)で蒸発
するように循環する。
【0062】また、夜間等の電力が安価なときには、蓄
氷槽(5)に冷熱を蓄える蓄冷熱運転が行われる。すな
わち、四路切換弁(2)及び水側切換弁(26)を図中
実線側に切換え、各室内電動膨張弁(33),(33)
を閉じて、各圧縮機(11),(21)の吐出冷媒を室
外熱交換器(12)で凝縮させた後水側電動膨張弁(2
3)(又は予熱電動膨張弁(62))で減圧して水熱交
換器(22)で蒸発させる。これにより、蓄氷槽(5)
の蓄冷材(W)を過冷却する。そして,過冷却された蓄
冷材(W)が再冷却器(過冷却解消部)(8)で再冷却
されて、過冷却状態解消が開始される。再冷却器(8)
より下流側で完全に過冷却状態が解消した蓄冷材(W)
中にはスラリー状の氷化物が生成し、スラリー状の氷化
物が混在する蓄冷材は蓄氷槽(5)へ強制循環されて貯
溜され、昼間の冷房運転時の冷熱として使用される。
【0063】次に、図3に示すように、本発明の特徴で
ある過冷却解消完了手段(71)は、少なくとも再冷却
器(8)から蓄冷材(W)の過冷却状態の解消完了位置
までの復環路(51B)に形成され、かかる長さの復環
路(51B)の内面を氷化物の付着防止面(73)に形
成して構成されている。付着防止面(73)としては、
復環路(51B)の内面全面にアクリル樹脂、フッ素樹
脂等を所定厚さにコーティングした樹脂面が挙げられ
る。なお、(H)は、蓄冷材(W)の流れの方向を示す
矢視である。
【0064】次に、過冷却解消完了手段(71)の作動
について説明する。水熱交換器(22)によって過冷却
された蓄冷材(W)が再冷却器(8)によって過冷却状
態が解消されて蓄冷材(W)に氷核が生成し、氷核が混
在する蓄冷材(W)が下流側の過冷却解消完了手段(7
1)に流入する。過冷却解消完了手段(71)では、氷
核がきっかけとなって流通中の蓄冷材(W)に過冷却状
態解消が自然進行し、完全に過冷却状態が解消される。
過冷却状態解消が完了して安定状態になった蓄冷材
(W)は、もはや氷が成長することがないので、下流側
の復環路(51B)を閉塞することなく蓄氷槽(5)に
まで流通する。
【0065】過冷却解消完了手段(71)は、復環路
(51B)の内面を氷化物の付着防止面(73)に形成
されており、氷生成中の蓄冷材(W)が流通しても復環
路(51B)の内面に着氷が生じることはなく、閉塞は
起こらない。
【0066】そして、本実施例によれば、過冷却解消完
了手段(71)により、過冷却状態解消が自然進行し、
過冷却状態解消中は付着防止面(73)が復環路(51
B)の内面への着氷を防止しており、閉空間である復環
路(51B)内において着氷を生じることなく過冷却状
態を完全に解消することができる。したがって、管路内
解消型の製氷装置において、水熱交換器(22)や再冷
却器(8)を蓄氷槽(5)から離れた場所に自由に配置
できるようになり、装置設計の自由度を拡大することが
できる。
【0067】また、過冷却状態解消を自然進行に任せる
ことにより、簡単な構造で過冷却状態解消を完了させる
ことができる。
【0068】次に、第2実施例以降において、積極的に
過冷却状態解消を進行させる例について説明する。
【0069】図4および図5は請求項2に係る発明の第
2実施例を示す。本実施例は、過冷却解消完了手段であ
る旋回容器(75)が蓄冷材(W)の過冷却解消を完了
させる旋回流を生起させるものである。
【0070】具体的には、再冷却器(8)より下流側の
復環路(51B)に旋回容器(75)が介設されてい
る。この旋回容器(75)は、上下に配置された円筒状
の本体容器(77)の上部に入口管(79)が、下部に
出口管(81)がそれぞれ接線方向の外方に向かって連
接されている。本体容器(77)の内部には、上部中央
に内筒(83)が垂設されて、入口管(79)より接線
方向から流入した蓄冷材(W)が側壁(85)と内筒
(83)との間の環状空間(A)を旋回しながら下降す
る旋回流が形成されるように構成されている。
【0071】本実施例では、旋回容器(75)が、再冷
却器(8)によって過冷却状態が解消された蓄冷材
(W)に旋回流を生起させ、旋回流が氷核と過冷却未解
消状態の蓄冷材(W)との接触の機会を増加して、過冷
却状態解消を積極的に進行させる。このため、過冷却状
態解消の完了に要する時間および距離が短縮され、速や
かに過冷却状態解消が完了すると共に小さな旋回容器
(75)で過冷却状態の解消が可能となる。また、水ま
たは水溶液からなる蓄冷材(W)は、氷化物は液状態の
蓄冷材(W)より比重が小さいので、生成した氷化物は
旋回流の中心部に集まって側壁(85)から離れるの
で、着氷が生じることが少ない。
【0072】以上により、本実施例によれば、旋回容器
(75)が蓄冷材(W)の流れに旋回流を形成すること
により、氷核と過冷却未解消状態の蓄冷材(W)との接
触の機会を増加することができ、復環路(51B)の内
面に着氷を生じさせることなく積極的に過冷却状態解消
を完了させることができる。したがって、過冷却状態解
消の完了に要する時間および距離を短縮でき、氷が成長
して復環路(51B)を閉塞するおそれのある不安定状
態(過冷却未解消状態)を速やかに完了させることがで
きると共に、旋回容器(75)を小形化することができ
る。
【0073】図6および図7は請求項3および4に係る
発明の第3実施例を示す。本実施例は、氷核が付着する
氷核付着部(87)と、氷化物の付着防止面(73)と
よりなる過冷却解消完了手段(88)を設けたものであ
る。
【0074】具体的には、本実施例の過冷却解消完了手
段(88)は、再冷却器(8)から蓄冷材(W)の過冷
却状態の解消完了位置までの領域(解消完了領域
(B))の復環路(51B)内に、好ましくは該解消完
了領域(B)の上流部に、氷核が付着する氷核付着部
(87)が形成される。氷核付着部(87)は、例え
ば、氷核の付着材となる鋼管等の復環路(51B)の地
肌をそのまま露出することにより氷核付着面(89)と
して構成されている。
【0075】さらに、上記解消完了領域(B)、好まし
くはさらに下流側の復環路(51B)には、氷化物の付
着防止面(73)が形成されている。付着防止面(7
3)は、上記氷核付着部(87)の周囲における復環路
(51B)の内面をアクリル樹脂、フッ素樹脂等の氷化
物の付着防止材で形成されて構成されている。
【0076】本実施例の過冷却解消完了手段(88)の
形成には、例えば、氷核付着部(87)を形成しようと
する鋼管の内面の地肌に被覆テープを貼着した上、アク
リル樹脂、フッ素樹脂等を所定厚さにコーティングし、
この後被覆テープを剥がし取るようにする。
【0077】本実施例では、氷核付着部(87)の氷化
付着面(89)に氷核が付着し、復環路(51B)内に
氷核が保持される。この氷核に蓄冷材(W)の流れが接
触することにより、氷核と過冷却未解消状態の蓄冷材
(W)との接触の機会が増加し、過冷却状態の解消が積
極的に行われることになる。また、過冷却状態解消の促
進に必要な氷核の量は僅かであるので、氷核付着部(8
7)は非常に小さなものでよい。したがって、氷核付着
部(87)において氷が成長して復環路(51B)を閉
塞することはない。さらに、氷核付着部(87)の周囲
の内面には氷化物の付着防止材で形成された付着防止面
(73)が形成されており、氷核付着部(87)の氷核
が周囲の復環路(51B)の内面にまで成長して復環路
(51B)を閉塞することがない。
【0078】以上により、本実施例によれば、過冷却解
消完了手段(88)の氷核付着部(87)により、蓄冷
材(W)の流れに晒される氷核が復環路(51B)内に
保持されることになる。したがって、氷核と過冷却未解
消状態の蓄冷材(W)との接触の機会を増加することが
でき、復環路(51B)の内面に着氷が生じることなく
積極的に過冷却状態解消を完了させることができる。こ
のため、復環路(51B)をそのまま用いて過冷却未解
消状態の速やかな完了と過冷却解消完了手段(88)の
小形化とを図ることができる。
【0079】また、氷核付着部(87)を復環路(51
B)の内面を氷核の付着材で形成した氷核付着面(8
9)で構成し、付着防止面(73)を上記内面を氷化物
の付着防止材で形成することにより、内面形状を大幅に
変更することなく積極的に過冷却状態解消を完了させる
ことができる。
【0080】図8は請求項4に係る発明の第4実施例を
示す。本実施例は、第3実施例の過冷却解消完了手段
(88)の氷核付着部(87)を、環状の氷核付着面
(89)に代え、散点状の氷核付着面(89)にするも
のである。
【0081】図中において、氷核付着部(87)は、鋼
管の地肌を円形に露出された氷核付着面(89),(8
9),…が複数個、形成されており、これらの氷核付着
面(89),(89),…は規則正しく、または不規則
に復環路(51B)の内面に散在して構成されている。
他の構成は、第3実施例と同様である。
【0082】本実施例では、氷核付着部(87)を付着
防止面(73)によって十分に囲みつつ大きな氷核の付
着面積が得られることになり、着氷を防止しながら過冷
却状態解消が一層促進される。
【0083】このため、本実施例によれば、復環路(5
1B)の閉塞を防止しつつ大きな氷核の付着面積を確保
でき、過冷却状態解消の完了に要する時間および距離が
短縮して、過冷却未解消状態の速やかな完了と過冷却解
消完了手段(88)の小形化とをより促進することがで
きる。
【0084】図9は請求項5に係る発明の第5実施例を
示す。本実施例は、請求項4の過冷却解消完了手段(8
8)の氷核付着部(87)を散点状に代え、らせん状に
形成するものである。
【0085】具体的には、らせん状の氷核付着部(8
7)は、復環路(51B)の内面に、鋼管の地肌をらせ
ん状に露出させた氷核付着面(89)を形成して構成さ
れている。他の構成は、第3実施例と同様である。
【0086】本実施例では、氷核付着部(87)がらせ
ん状に形成されているので、前実施例と同様に、氷核付
着部(87)を付着防止面(73)によって十分に囲み
つつ大きな氷核の付着面積が得られることになり、着氷
を防止しながら過冷却状態解消が一層促進される。
【0087】このため、本実施例によれば、復環路(5
1B)の閉塞を防止しつつ大きな氷核の付着面積を確保
でき、過冷却状態解消の完了に要する時間および距離が
短縮して、過冷却未解消状態の速やかな完了と過冷却解
消完了手段(88)の小形化とをより促進することがで
きる。
【0088】図10および図11は請求項6に係る発明
の第6実施例を示す。本実施例は、請求項3の過冷却解
消完了手段(88)の氷核付着部(87)を復環路(5
1B)の内面より突出した突起(91)とするものであ
る。
【0089】本実施例の突起(91)は柱体状、具体的
には、円柱状に形成され、解消完了領域(B)の復環路
(51B)の内面側部に1個の突起(91)が形成され
ている。この突起(91)に蓄冷材(W)の流れ中の氷
核が付着して過冷却状態解消が促進されることになる。
しかも、突起(91)が復環路(51B)内の流れを乱
すことにより、過冷却状態解消が促進される。
【0090】上述したように、過冷却状態解消の促進に
必要な氷核の量は僅かであるので、氷核付着部(87)
は非常に小さなものでよい。したがって、突起(91)
に付着した氷核によって氷が大きく成長して復環路(5
1B)を閉塞することがない。
【0091】以上により、本実施例によれば、過冷却解
消完了手段(88)を復環路(51B)の内面より突出
した突起(91)で構成することにより、着氷を防止し
つつ積極的に過冷却状態解消を完了させることができ、
簡単な構造で過冷却未解消状態の速やかな完了と過冷却
解消完了手段(88)の小形化とを図ることができる。
【0092】また、図12および図13は第6実施例の
第1変形例を示す。本変形例は、突起(91)の形状が
錐体状、具体的には、円錐状に形成されており、第6実
施例と同様の効果を発揮することができる。
【0093】また、図14および図15は第6実施例の
第2変形例を示す。本変形例は、突起(91)の形状が
四角柱状に形成されており、第6実施例と同様の効果を
発揮することができる。
【0094】また、図16および図17は第6実施例の
第3変形例を示す。本変形例は、突起(91)の形状が
側面4箇所に切り込みが形成された花形状に構成されて
おり、氷核の付着性を高めることができる。
【0095】また、図18および図19は第6実施例の
第4変形例を示す。本変形例は、突起(91)が円環状
に解消完了領域(B)の復環路(51B)の内面に形成
されており、第6実施例と同様の効果を発揮することが
できる。
【0096】次に、図20および図21は請求項7に係
る発明の第7実施例を示す。本実施例は、請求項3の過
冷却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)を復環
路(51B)の内面より没入した凹部(93)とするも
のである。
【0097】この凹部(93)は、円柱状の窪みが解消
完了領域(B)の復環路(51B)の内面に形成されて
なり、この凹部(93)に蓄冷材(W)の流れ中の氷核
が嵌まり込んで付着して過冷却状態解消が促進されるこ
とになる。
【0098】また、第6実施例の突起(91)と同様
に、凹部(93)も非常に小さなものでよく、凹部(9
3)に付着した氷核が原因となって復環路(51B)を
閉塞することはない。
【0099】以上により、本実施例によれば、過冷却解
消完了手段(88)を復環路(51B)の内面より没入
した凹部(93)で構成することにより、簡単な構造で
着氷を防止しつつ過冷却未解消状態の速やかな完了と過
冷却解消完了手段(88)の小形化とを図ることができ
る。
【0100】また、図22は第7実施例の第1変形例を
示す。本変形例は、凹部(93)が円環状に復環路(5
1B)の内面に形成されており、第4実施例と同様の効
果を発揮することができる。
【0101】次に、図23は請求項8に係る発明の第8
実施例を示す。本実施例は、請求項3の過冷却解消完了
手段(88)の氷核付着部(87)を、解消完了領域
(B)の復環路(51B)内の流れ中に位置する線状部
材(95)より構成するものである。
【0102】線状部材(95)は、復環路(51B)の
内面に固定される基端部(97)と、該基端部(97)
に連続し、復環路(51B)の中央部において管軸方向
に平行に配向する配向部(99)とが、直角に折曲形成
されて構成されている。
【0103】本実施例では、氷核付着部(87)は復環
路(51B)内の流れ中に位置する線状部材(95)よ
り構成されており、復環路(51B)内の流れの中心部
より過冷却状態解消が促進されることになり、過冷却解
消作用が顕著に発揮される。
【0104】以上により、本実施例によれば、過冷却解
消完了手段(88)を復環路(51B)内の流れ中に位
置する線状部材(95)より構成することにより、蓄冷
材(W)の流れの中心部より過冷却解消作用が顕著に発
揮される。したがって、過冷却未解消状態の速やかな完
了と、過冷却解消完了手段(88)の小形化とをより一
層促進することができる。
【0105】図24は第8実施例の第1変形例を示す。
本変形例は、線状部材(95)の形状についての変形例
である。
【0106】つまり、線状部材(95)は、配向部(9
9)が、管軸方向に平行な平行部(101)に2本の交
叉部(103),(103)が所定間隔を隔てて直角に
連接されて構成されている。2本の交叉部(103),
(103)により、氷核の付着面積を増加することがで
き、過冷却状態解消の一層の促進を図ることができる。
【0107】また、図25は第8実施例の第2変形例を
示す。本変形例は、線状部材(95)の配向部(99)
を流れの方向の前方に向かって拡がるように円錐形のら
せん状に形成されており、蓄冷材(W)の流れの中心部
から周辺部にわたってむらなく氷核を配置することがで
き、過冷却状態解消の一層の促進を図ることができる。
【0108】なお、第3実施例〜第5実施例の氷核付着
面(89)は、鋼管の地肌に限らず、内面を氷核の付着
に適した表面粗さに形成した加工面であってもよく、鋼
管の内面に別の氷核の付着材を形成したものであっても
よい。
【0109】また、第3実施例〜第5実施例の氷核付着
面(89)は、少なくとも解消完了領域(B)の復環路
(51B)として四フッ化エチレン等の樹脂パイプを用
い、該樹脂パイプの内面を氷核付着面(89)に構成し
てもよい。
【0110】また、第1実施例の過冷却解消完了手段
(88)は、四フッ化エチレン等の樹脂パイプであって
もよい。
【0111】また、第6実施例および対応する変形例の
氷核付着部(87)の突起(91)と、第7実施例およ
び対応する変形例の氷核付着部(87)の凹部(93)
とは、複数個であってもよい。
【0112】また、第6実施例および対応する変形例の
氷核付着部(87)の突起(91)と、第7実施例およ
び対応する変形例の氷核付着部(87)の凹部(93)
の双方を復環路(51B)の内面に混在して形成しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の空気調和装置の冷媒回路の回路図
である。
【図3】第1実施例の過冷却解消完了手段の断面図であ
る。
【図4】第2実施例の旋回容器の要部横断面図である。
【図5】第2実施例の旋回容器の縦断面図である。
【図6】第3実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断面
斜視図である。
【図7】第3実施例の過冷却解消完了手段の断面図であ
る。
【図8】第4実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断面
斜視図である。
【図9】第5実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断面
斜視図である。
【図10】第6実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断
面図である。
【図11】第6実施例の過冷却解消完了手段の横断面図
である。
【図12】第6実施例の第1変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図13】第6実施例の第1変形例の過冷却解消完了手
段の横断面図である。
【図14】第6実施例の第2変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図15】第6実施例の第2変形例の過冷却解消完了手
段の横断面図である。
【図16】第6実施例の第3変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図17】第6実施例の第3変形例の過冷却解消完了手
段の横断面図である。
【図18】第6実施例の第4変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図19】第6実施例の第4変形例の過冷却解消完了手
段の横断面図である。
【図20】第7実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断
面図である。
【図21】第7実施例の過冷却解消完了手段の横断面図
である。
【図22】第7実施例の第1変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図23】第8実施例の過冷却解消完了手段の中央縦断
面図である。
【図24】第8実施例の第1変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【図25】第8実施例の第2変形例の過冷却解消完了手
段の中央縦断面図である。
【符号の説明】
5 蓄氷槽 8 再冷却器(過冷却解消部) 22 水熱交換器(冷却手段) 51 循環路 71,88 過冷却解消完了手段 73 付着防止面 75 旋回容器(過冷却解消完了手段) 87 氷核付着部 89 氷核付着面 91 突起 93 凹部 95 線状部材 W 蓄冷材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリー状に氷化される蓄冷材(W)を
    貯溜するための蓄氷槽(5)と、 蓄冷材(W)を過冷却するための冷却手段(22)と、 過冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態を解消するため
    の過冷却解消部(8)とが順に循環路(51)により蓄
    冷材(W)の循環可能に接続された製氷装置において、 該過冷却解消部(8)より下流側の循環路(51)に
    は、少なくとも該過冷却解消部(8)から蓄冷材(W)
    の過冷却状態の解消完了位置までの循環路(51)の内
    面を、氷化物の付着防止面(73)に形成した過冷却解
    消完了手段(71)が設けられていることを特徴とする
    製氷装置。
  2. 【請求項2】 スラリー状に氷化される蓄冷材(W)を
    貯溜するための蓄氷槽(5)と、 蓄冷材(W)を過冷却するための冷却手段(22)と、 過冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態を解消するため
    の過冷却解消部(8)とが順に循環路(51)により蓄
    冷材(W)の循環可能に接続された製氷装置において、 該過冷却解消部(8)より下流側の循環路(51)に
    は、蓄冷材(W)の過冷却状態の解消を完了させる旋回
    流を生起させる過冷却解消完了手段(75)が設けられ
    ていることを特徴とする製氷装置。
  3. 【請求項3】 スラリー状に氷化される蓄冷材(W)を
    貯溜するための蓄氷槽(5)と、 蓄冷材(W)を過冷却するための冷却手段(22)と、 過冷却された蓄冷材(W)の過冷却状態を解消するため
    の過冷却解消部(8)とが順に循環路(51)により蓄
    冷材(W)の循環可能に接続された製氷装置において、 該過冷却解消部(8)より下流側の循環路(51)に
    は、氷核が付着して該付着した氷核により蓄冷材(W)
    の過冷却状態の解消を完了させる氷核付着部(87)を
    備えた過冷却解消完了手段(88)が設けられているこ
    とを特徴とする製氷装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の製氷装置において、過冷
    却解消完了手段(88)は、氷核付着部(87)が、循
    環路(51)の内面を氷核の付着材で形成した氷核付着
    面(89)で構成される一方、 上記氷核付着部(87)の周囲における循環路(51)
    の内面で、かつ少なくとも過冷却解消部(8)から蓄冷
    材(W)の過冷却状態の解消完了位置までの循環路(5
    1)の内面に氷化物の付着防止材よりなる付着防止面
    (73)が形成されてなることを特徴とする製氷装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製氷装置において、過冷
    却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環
    路(51)の内面にらせん状に形成されていることを特
    徴とする製氷装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の製氷装置において、過冷
    却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環
    路(51)の内面より突出して氷核が付着する突起(9
    1)で構成されていることを特徴とする製氷装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の製氷装置において、過冷
    却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環
    路(51)の内面より没入して氷核が付着する凹部(9
    3)で構成されていることを特徴とする製氷装置。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の製氷装置において、過冷
    却解消完了手段(88)の氷核付着部(87)は、循環
    路(51)内の流れ中に位置して氷核が付着する線状部
    材(95)より構成されていることを特徴とする製氷装
    置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007517652A (ja) * 2004-01-06 2007-07-05 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック(セーエヌエールエス) 溶液の部分結晶化の連続的方法とそれを実施するための装置
JP2008075900A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Ihi Corp 壁面付着氷の伝播防止方法
US7824725B2 (en) 2007-03-30 2010-11-02 The Coca-Cola Company Methods for extending the shelf life of partially solidified flowable compositions
KR102439174B1 (ko) * 2022-04-18 2022-09-01 (주)대일 과냉각을 이용한 해수 아이스 슬러리 제빙 시스템
KR102517712B1 (ko) * 2022-04-13 2023-04-05 (주)대일 과냉각을 이용한 해수 아이스 슬러리 제빙 시스템

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