JP2982742B2 - 製氷装置 - Google Patents

製氷装置

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JP2982742B2
JP2982742B2 JP9132000A JP13200097A JP2982742B2 JP 2982742 B2 JP2982742 B2 JP 2982742B2 JP 9132000 A JP9132000 A JP 9132000A JP 13200097 A JP13200097 A JP 13200097A JP 2982742 B2 JP2982742 B2 JP 2982742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄氷槽の水等を循
環路に循環させ、熱交換を行って過冷却することによ
り、蓄氷槽にスラリー状の氷化物を蓄えるようにした製
氷装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒回路に介設される熱交換
器と蓄氷槽との間で蓄氷槽の水を循環させる水循環路を
設け、冷媒回路の冷媒との熱交換により蓄氷槽の水等を
スラリー状の氷にするようにした製氷装置として、例え
ば特開昭63―217171号公報に開示される如く、
水循環路の出口側を上流側で下方に向かいかつ出口端が
蓄氷槽の水面より一定高さだけ上方で開口するように形
成された傾斜樋とし、熱交換器を該樋間に介設して、水
循環路で熱交換器により冷却された水を樋の出口で過冷
却状態を解消させてスラリー状に氷化するとともに、こ
の氷化物を蓄氷槽に落下させることにより、水の氷化の
進行による水循環路の凍結を防止しようとするものは公
知の技術である。
【0003】また、実開平1―112345号公報に開
示される如く、水循環路の出口端を蓄氷槽の上方に開口
させ、その前方に邪魔板を有する傾斜樋を設置して、熱
交換器で過冷却された水を大気中に放出して邪魔板に衝
突させることにより、水の過冷却状態を解消させて水を
氷化させ、樋を介して蓄氷槽内に落下させることによ
り、より確実に水循環路の凍結を防止しようとするもの
も公知の技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のもののうち後者のものでは、蓄氷槽の上方に過冷却
解消部が設けられているために、熱交換器と過冷却解消
部までの距離が長いとその間の配管で過冷却状態が解消
してしまう虞れがある。したがって、熱交換器を蓄氷槽
の近くに設けなければならないので、水配管を曲げる等
の加工が困難となる等、設計上の制約が大きいという問
題がある。
【0005】一方、上記従来のもののうち前者のもので
は、過冷却解消部として、蓄氷槽の上方に相当の高低差
を持った樋を設置する必要があり、やはり設計上の制約
が大きい。また、大気に晒される時間が長いので大気と
の熱交換による熱の浪費が大きいという問題がある。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その主たる目的は、水循環路を蓄氷槽に対して閉
ループ状に接続し、水循環路の途中で水等の過冷却状態
を解消して、スラリー状の氷化物を蓄氷槽まで送る手段
を講ずることにより、水循環路の水配管の構成を簡素化
しながら、所定の蓄冷熱を行うことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の第1の解決手段は、第1図に示すように(破線
部分を含まず)、製氷装置として、水又は水溶液のスラ
リー状の氷化物を貯蔵する蓄氷槽(5)と、上記蓄氷槽
(5)との間で閉ループを形成するように接続されて水
又は水溶液及び氷化物を循環させるための水循環路(5
1)と、上記水循環路(51)に設けられた搬送手段
(52)と、上記水循環路(51)に介設されかつ冷却
装置に接続されて、上記水循環路(51)を流れる水又
は水溶液を過冷却するための主熱交換器(22)と、上
記主熱交換器(22)下流側における上記水循環路(5
1)の管路(51B)に設けられ、上記主熱交換器(2
2)で過冷却された水又は水溶液の過冷却状態を該管路
(51B)内で解消させて該水又は水溶液をスラリー状
に氷化させる過冷却解消部(8)とを備え、上記過冷却
解消部(8)からのスラリー状の氷化物が上記搬送手段
(52)の搬送駆動力によって上記水循環路(51)か
ら上記蓄氷槽(5)に押し込まれるように構成されてい
ることとしたものである。
【0008】第2の解決手段は、第1図に示すように
(破線部分を含む)、上記第1の解決手段の構成に加え
て、水循環路(51)における主熱交換器(22)と過
冷却解消部(8)との間に、主熱交換器(22)への凍
結の進展を阻止する凍結進展防止部(7)を設けた構成
としている。
【0009】第3の解決手段は、同じく上記第1の解決
手段の構成に加えて、水循環路(51)における主熱交
換器(22)と過冷却解消部(8)との間に、主熱交換
器(22)への凍結の進展を阻止するよう氷化物の管壁
への付着を阻止する凍結進展防止部(7)を設けた構成
としている。
【0010】第4の解決手段は、上記第1の解決手段の
構成に加えて、水循環路(51)に、主熱交換器(2
2)と蓄氷槽(5)とを接続する復管路(51B)を備
えさせ、該復管路(51B)の下流端の蓄氷槽(5)に
対する接続位置を、蓄氷槽(5)内に貯蔵された水又は
水溶液の上面よりも下方位置に設定した構成としてい
る。
【0011】第5の解決手段は、上記第1の解決手段の
構成に加えて、過冷却解消部(8)を主熱交換器(2
2)下流側の配管に直接的に設けた構成としている。
【0012】第6の解決手段は、上記第1の解決手段の
構成に加えて、冷却装置に冷媒が循環する冷凍回路
(1)を備えさせる。また、過冷却解消部(8)を、こ
の冷凍回路(1)を循環する冷媒との間で熱交換を行っ
て、過冷却状態の水又は水溶液を再冷却してスラリー状
に氷化させるものとした構成としている。
【0013】第7の解決手段は、上記第2の解決手段の
構成において、凍結進展防止部(7)を水循環路(5
1)を加熱するものとした構成としている。
【0014】第8又は第9の解決手段は、第2図に示す
ように、上記第7の解決手段の構成において、冷却装置
を空気調和装置の冷媒回路(1)とする。そして、凍結
進展防止部(7)を上記冷媒回路(1)の液冷媒又は吐
出ガス冷媒との熱交換により水循環路(51)を加熱す
る熱交換器で構成したものである。
【0015】第10の解決手段は、第5図に示すよう
に、上記第8又は第9の解決手段の構成において、主熱
交換器(22)及び凍結進展防止部(7)を一体的に設
ける構成としたものである。
【0016】第11の解決手段は、第6図に示すよう
に、上記第10の解決手段の構成において、凍結進展防
止部(7)を二重管式構造としたものである。
【0017】第12の解決手段は、第7図及び第8図に
示すように、上記第10の解決手段において、主熱交換
器(22)及び凍結進展防止部(7)をシェルアンドチ
ュ―ブ式構造でかつ管端部に二重管板を備えた構造とす
る。そして、凍結進展防止部(7)を二重管板の間に介
設する構成としたものである。
【0018】第13の解決手段は、第9図に示すよう
に、上記第10,第11又は第12の解決手段の構成に
おいて、主熱交換器(22)に過冷却解消部(8)を一
体的に設ける構成としたものである。
【0019】第14の解決手段は、第5図,第6図,第
7図,第8図及び第9図に示すように、上記第8,第
9,第10,第11,第12又は第13の解決手段の構
成に加えて、主熱交換器(22)に、該主熱交換器(2
2)に供給される水又は水溶液を予熱するための予熱部
(6)を一体的に設けたものである。
【0020】第15の解決手段は、第3図に示すよう
に、上記第2の解決手段において、水循環路(51)の
一部を断熱材料からなるチュ―ブ(71)で形成するこ
とにより、凍結進展防止部(7)を構成したものであ
る。
【0021】第16の解決手段は、第13図に示すよう
に、上記第2の解決手段において、水循環路(51)の
外周に空気との熱交換を行うためのフィン(72)を備
えたもので凍結進展防止部(7)を構成したものであ
る。
【0022】第17の解決手段は、第3図に示すよう
に、上記第2の解決手段において、水循環路(51)の
内壁部に着氷防止材を設けたもので凍結進展防止部
(7)を構成したものである。
【0023】第18の解決手段は、上記第2の解決手段
において、水循環路(51)の内壁部を焼結金属等の油
を含有する多孔質チュ―ブ(74)で形成することによ
り、凍結進展防止部(7)を構成したものである。
【0024】(作用) 以上の構成により、第1の解決手段では、蓄熱槽(5)
の水等を強制循環させて主熱交換器(22)で過冷却し
て氷化する際、主熱交換器(22)下流側の水循環路
(51)に、過冷却された水等の過冷却状態を解消させ
てスラリー状に氷化させる過冷却解消部(8)が設けら
れているので、蓄氷槽(5)に水又は水溶液の氷化物が
スラリー状で循環され、蓄氷槽(5)に貯溜される。
【0025】その際、水循環路(51)の途中で水等の
過冷却状態を解消させるようにしているので、蓄氷槽
(5)の上部に過冷却解消部を設けなければならないと
いうような設計上の制約がなく、設置現場の状態等に応
じた配管が可能になる。
【0026】過冷却水等が空中に晒されずにその過冷却
状態を解消されるので、空気との熱交換による熱損失が
なく、製氷効率が向上することになる。
【0027】水循環路(51)が蓄氷槽(5)に対して
閉ループを形成するように接続されているので、水又は
水溶液が強制循環されると、水循環路(51)内で生成
されたスラリー状の氷が搬送手段(52)の搬送力によ
って蓄氷槽(5)内に押し込まれる。したがって、従来
のような開放された系で製氷したものを蓄氷槽に単に落
下させて蓄えるものと比べ、蓄氷槽(5)への氷の蓄氷
率(IPF)が大幅に向上し、製氷装置の利用効率が大
幅に向上することになる。
【0028】第2及び第3の解決手段では、水循環路
(51)において、過冷却解消部(8)や主熱交換器
(22)の直下流で水等の過冷却状態の解消により氷化
物が生じて管壁に付着し、主熱交換器(22)側に進展
しようとしても、凍結進展防止部(7)で進展が回避さ
れ、主熱交換器(22)の管壁付近の凍結による熱交換
効率の低下が防止されることになる。したがって、水循
環路(51)の途中に設けられた過冷却解消部(8)と
相俟って、蓄冷熱効率が顕著に向上することになる。
【0029】第4の解決手段では、水循環路(51)の
復管路(51B)下流端が蓄氷槽(5)内の水等の上面
よりも下方位置に接続している場合には、氷を落下供給
する場合に比べて蓄氷槽(5)内への氷の供給が困難に
なるが、本解決手段によれば、搬送手段(52)の搬送
力を利用するなどして氷を蓄氷槽(5)内へ押し込むよ
うにしているので蓄氷率(IPF)の大幅な向上を図る
ことができる。
【0030】第5の解決手段では、過冷却解消部(8)
を配管に直接的に設けたことで、該過冷却解消部(8)
を個別に設置する必要がなくなり、その設置スペースを
大きく必要とすることがなくなる。
【0031】第6の解決手段では、冷凍回路(1)の冷
熱を利用して水等の過冷却状態を解消するようにしてい
るので、この過冷却解消のための個別の冷凍回路などを
必要とすることがなく構成が簡略化できる。
【0032】第7の解決手段では、上記第2の解決手段
において、凍結進展防止部(7)により、水循環路(5
1)が加熱されるので、水循環路(51)の管壁への氷
化物の付着がより確実に解離され、凍結進展防止効果が
顕著となる。
【0033】第8及び第9の各解決手段では、蓄熱熱交
換器(22)で水等を過冷却する媒体が空気調和装置の
冷媒回路(1)の冷媒であり、凍結進展防止部(7)は
冷媒回路(1)の冷媒との熱交換により水等を加熱する
熱交換器であるので、冷媒との熱交換のために奪われた
熱量が冷媒回路(1)に回収され、圧縮機入力は変らな
い。したがって、別途電気ヒータ等の加熱源を設けるの
に比べて、消費電力が節減される。
【0034】第10の解決手段では、上記第8又は第9
の解決手段において、主熱交換器(22)と凍結進展防
止部(7)とが一体的に設けられているので、主熱交換
器(22)への凍結の進展が防止されるとともに、両者
(22),(7)の一体化により、配管設計が簡素化さ
れる。
【0035】第11の解決手段では、上記第10の解決
手段において、主熱交換器(22)及び凍結進展防止部
(7)が二重管式構造により一体化されているので、出
口側のヘッダ等で過冷却水の流れが乱されて過冷却状態
が解消されても、上流側で二重管の小径側の配管の管壁
を介して冷媒と水等の熱交換により水循環路(51)が
加熱され、生じた氷化物による主熱交換器(22)への
凍結の進展が防止されることになる。
【0036】第12の解決手段では、上記第10の解決
手段において、主熱交換器(22)及び凍結進展防止部
(7)をシェルアンドチューブ構造にして一体化され、
熱交換効率が向上する。さらに、このようなシェルアン
ドチュ―ブ構造では、管端付近で流れがよどみ、過冷却
が強くなって過冷却の解消が生じ易いが、本解決手段で
は、管の端部を二重管板構造とし、二重管板で挟まれる
管部を凍結進展防止部(7)としているので、管端付近
が加熱され、流れのよどみに起因する管端付近の凍結が
防止されることになる。
【0037】第13の解決手段では、主熱交換器(2
2)、凍結進展防止部(7)及び過冷却解消部(8)が
一体的に設けられているので、一つのケーシング内でス
ラリー状の氷化物を生成することが可能になり、配管設
計上の自由度が向上する。
【0038】第14の解決手段では、上記第8、第9、
第10、第11、第12又は第13の各解決手段に加え
て、予熱部(6)が主熱交換器(22)に一体的に設け
られているので、往管路(51A)側からの氷核の流入
による主熱交換器(22)の凍結が防止される。
【0039】第15の解決手段では、主熱交換器(2
2)と過冷却解消部(8)との間の水循環路(51)が
断熱部材(71)で形成されているので、過冷却解消部
(8)の低温が主熱交換器(22)に伝導することが阻
止され、主熱交換器(22)への凍結の進展が防止され
る。
【0040】第16の解決手段では、過冷却解消部
(8)と主熱交換器(22)との間の水循環路(51)
外周に設けられたフィン(72),…から冷熱が放出さ
れるので、水循環路(51)の温度上昇により凍結の進
展が防止されることになる。
【0041】第17の解決手段では、過冷却解消部
(8)と主熱交換器(22)との間の水循環路(51)
の内壁が氷着防止材で形成されているので、氷化物が水
循環路(51)の内壁に付着しようとしてもはじかれ、
凍結の進展が防止される。
【0042】第18の解決手段では、多孔質チュ―ブ
(74)の内壁に常に油膜が形成されるので、氷化物が
付着することがなく、凍結の進展が防止される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
第2図以下の図面に基づき説明する。
【0044】−第1実施例− まず、第1実施例について説明する。第2図は第1実施
例の空気調和装置の冷媒回路(1)の構成を示し、(1
1)は第1圧縮機、(12)は該第1圧縮機(11)の
吐出側に配置され、冷媒と室外空気との熱交換を行う室
外熱交換器、(13)は該室外熱交換器(12)の冷媒
流量を調節し、又は減圧を行う室外電動膨張弁であっ
て、上記各機器(11)〜(13)は第1管路(14)
中で直列に接続されている。
【0045】また、(21)は第2圧縮機、(22)は
該第2圧縮機(21)の吐出側に配置され、後述の蓄氷
槽(5)の水又は水溶液を過冷却するための主熱交換器
としての水熱交換器、(23)は該水熱交換器(22)
が凝縮器として機能するときには冷媒流量を調節し、蒸
発器として機能するときには冷媒の減圧を行う水側電動
膨張弁であって、上記各機器(21)〜(23)は第2
管路(24)中で直列に接続されている。
【0046】なお、(SD1),(SD2)はそれぞれ各
圧縮機(11),(21)の吐出管に設けられた油分離
器、(C1),(C2)は該各油分離器(SD1),(S
D2)から各圧縮機(11),(21)の吸入側にそれ
ぞれ設けられた油戻し管(RT1),(RT2)にそれぞ
れ介設された減圧用キャピラリチュ―ブである。
【0047】さらに、(32),(32)は各室内に配
置される室内熱交換器、(33),(33)は冷媒を減
圧する減圧弁としての室内電動膨張弁であって、上記各
機器(32),(33)は各々直列に接続され、かつそ
の各組が第3管路(34)中で並列に接続されている。
【0048】そして、上記第1管路(14)及び第2管
路(24)は第3管路(34)に対して並列に接続さ
れ、冷媒が循環する閉回路に構成されている。なお、
(Ac)は各圧縮機(11),(21)の吸入側となる
第3管路(34)に設けられたアキュムレ―タである。
【0049】また、(2)は室外熱交換器(12)のガ
ス管と室内熱交換器(32),(32)のガス管とを各
圧縮機(11),(21)の吐出側又は吸入側に交互に
連通させるよう切換える四路切換弁であって、該四路切
換弁(2)が図中実線側に切換わったときには室外熱交
換器(12)が凝縮器、室内熱交換器(32),(3
2)が蒸発器として機能して室内で冷房運転を行う一
方、四路切換弁(2)が図中破線側に切換わったときに
は室外熱交換器(12)が蒸発器、室内熱交換器(3
2),(32)が凝縮器として機能して室内で暖房運転
を行うようになされている。
【0050】さらに、該水熱交換器(22)のガス管と
各圧縮機(11),(21)の吸入管とをバイパス接続
する分岐路(25)と、水熱交換器(22)のガス管を
上記第2圧縮機(21)の吐出管と分岐路(25)とに
交互に連通させる水側切換弁(26)とが設けられてい
る。該水側切換弁(26)は四路切換弁のうちの3つの
ポ―トを利用しており、水側切換弁(26)が図中実線
側に切換わったときには水熱交換器(22)のガス管が
分岐路(25)側つまり各圧縮機(11),(21)の
吸入側に連通し、水熱交換器(22)が蒸発器として機
能する一方、水側切換弁(26)が図中破線側に切換わ
ったときには水熱交換器(22)のガス管が第2圧縮機
(21)の吐出管に連通し、水熱交換器(22)が凝縮
器として機能するようになされている。なお、(C3)
は水側切換弁(26)のデッドポ―ト側の配管に介設さ
れたキャピラリチュ―ブである。
【0051】さらに、第1圧縮機(11)及び第2圧縮
機(21)の吐出管同士を接続するバイパス路(3)が
設けられていて、該バイパス路(3)には第2圧縮機
(21)の吐出管側から第1圧縮機(11)の吐出管側
への冷媒流通のみを許容する逆止弁(4)が介設されて
いる。
【0052】すなわち、室外熱交換器(12)及び水熱
交換器(22)が凝縮器として機能する際、水熱交換器
(22)における凝縮温度が高く圧力が高くなった場
合、第2圧縮機(21)の吐出ガスを室外熱交換器(1
2)側に逃がすことにより、放熱量を分配しうるように
なされている。
【0053】ここで、空気調和装置には、蓄熱媒体とし
ての水又は水溶液のスラリ―状の氷化物を貯留するため
の蓄氷槽(5)が配置されていて、該蓄氷槽(5)と水
熱交換器(22)との間は、水循環路(51)により水
又は水溶液の循環可能に接続されている。該水循環路
(51)は、蓄氷槽(5)の底部から水熱交換器(2
2)に水等を供給する往管路(51A)と、水熱交換器
(22)から蓄氷槽(5)の上部に水等のスラリ―状の
氷化物を戻す復管路(51B)とからなっており、同図
に示すように、蓄氷槽(5)に対して閉ループ状を形成
するように接続されている。そして、水循環路(51)
の往管路(51A)に介設された搬送手段としてのポン
プ(52)により、水循環路(51)内の水又は水溶液
を蓄氷槽(5)に強制循環させるようになされている。
【0054】そして、水循環路(51)の往管路(51
A)のポンプ(52)の下流側には、水循環路(51)
の水又は水溶液中の氷結物やゴミ等の固体物を除去する
ストレ―ナ(53)が介設され、さらに、該ストレ―ナ
(53)の下流側には、水熱交換器(22)に供給され
る水等を予熱する予熱熱交換器(6)が介設されてい
る。一方、冷媒回路(1)の液ラインには、液冷媒の一
部を水側電動膨張弁(23)をバイパスさせて予熱熱交
換器(6)に流通させる予熱バイパス路(61)が設け
られいて、該予熱バイパス路(61)の予熱熱交換器
(6)の下流側には、冷媒の減圧機能及び流量制御機能
を有する予熱電動膨張弁(62)が介設されている。該
予熱電動膨張弁(62)と水側電動膨張弁(23)とに
より、予熱バイパス路(61)の冷媒流量を調節すると
ともに、水熱交換器(22)の製氷運転時における冷媒
の減圧をも行うようになされている。
【0055】ここで、本発明の特徴として、上記水循環
路(51)の復管路(51B)において、水熱交換器
(22)の下流側には、復管路(51B)の水等を冷却
して水熱交換器(22)で過冷却された水等の過冷却状
態を解消させる過冷却解消部としての再冷却器(8)が
設けられ、さらに、該再冷却器(8)と水熱交換器(2
2)との間には、復管路(51B)の凍結が水熱交換器
(22)まで進展するのを阻止するための凍結進展防止
部としての保温熱交換器(7)が設けられている。
【0056】また、上記冷媒回路(1)の液ラインから
保温熱交換器(7)に液冷媒をバイパスして流通させる
保温バイパス路(36)が設けられる一方、水熱交換器
(22)の製氷運転時に上記保温バイパス路(36)の
下流側となる液ラインからは再冷却バイパス路(37)
が延びていて、該再冷却バイパス路(37)は、再冷却
キャピラリチュ―ブ(C4)を介して再冷却器(8)に
流通した後、圧縮機(11),(21)の吸入側となる
分岐路(25)に接続されている。
【0057】すなわち、再冷却器(8)において、再冷
却キャピラリチュ―ブ(C4)で減圧された冷媒との熱
交換により、水熱交換器(22)で過冷却された水等を
再冷却し、その過冷却状態を解消させてスラリ―状に氷
化させ、復管路(51B)を介してスラリ―状の氷化物
を蓄氷槽(5)まで循環させる一方、保温熱交換器
(7)において、液ラインの液冷媒との熱交換により加
熱して、上記再冷却器(8)や復管路(51B)で水等
の過冷却解消により生じた氷化物が復管路(51B)の
管壁に付着して凍結が水熱交換器(22)まで進展する
のを防止するようになされている。
【0058】空気調和装置の運転時、室内で冷房運転を
行うときには、四路切換弁(2)が図中実線側に切換え
られる。そして、水側切換弁(26)が図中実線側に切
換えられているときには、各圧縮機(11),(21)
からの吐出冷媒がいずれも室外熱交換器(12)で凝縮
された後、各室内熱交換器(32),(32)で蒸発す
ることにより、室内の冷房を行う。また、水側切換弁
(26)が図中破線側に切換えられているときには、第
1圧縮機(11)の吐出冷媒が室外熱交換器(12)に
流れる一方、第2圧縮機(21)の吐出冷媒は水熱交換
器(22)に流れ、それぞれ凝縮された後各室内熱交換
器(32),(32)で蒸発するように循環する。
【0059】また、夜間等の電力が安価なときには、蓄
氷槽(5)に冷熱を蓄える蓄冷熱運転が行われる。すな
わち、四路切換弁(2)及び水側切換弁(26)を図中
実線側に切換え、各室内電動膨張弁(33),(33)
を閉じて、各圧縮機(11),(21)の吐出冷媒を室
外熱交換器(12)で凝縮させた後水側電動膨張弁(2
3)(又は予熱電動膨張弁(62))で減圧して水熱交
換器(22)で蒸発させることにより、蓄氷槽(5)の
水又は水溶液を過冷却して蓄氷槽(5)の水等を氷化
し、冷熱を蓄えるようになされている。
【0060】そのとき、本実施例では、蓄氷槽(5)の
水循環路(51)において、水熱交換器(主熱交換器)
(22)下流側の復管路(51B)に、水熱交換器(2
2)で過冷却された水等の過冷却状態を解消させてスラ
リ―状に氷化させる再冷却器(過冷却解消部)(8)が
設けられているので、蓄氷槽(5)にこの氷化物をスラ
リ―状で強制循環させることにより、蓄氷槽(5)にス
ラリ―状の氷化物を貯溜することができ、冷熱を蓄えて
おくことができる。
【0061】その際、復管路(51B)の途中で水等の
過冷却状態を解消させるので、上記従来のもののような
蓄氷槽(5)の上部で過冷却を解消させることによる設
計上の制約がなく、設置現場等の状況に応じた配管を行
うことができるとともに、水等をいったん空中に晒すこ
となく蓄氷槽(5)まで循環させるので、空気との熱交
換による熱損失を生じることがなく、よって、蓄冷熱効
率の向上をも図ることができる。また、蓄氷槽(5)に
対して水循環路(51)を閉ループを形成するように接
続しているので、水循環路(51)で生成されたスラリ
ー状の氷を蓄氷槽(5)内にポンプの圧力によって強制
的に押し込むことができ、蓄氷槽(5)内への氷の貯蔵
率(IPF)を大幅に向上させることができる。
【0062】また、復管路(51B)において、再冷却
器(8)と水熱交換器(22)との間に水熱交換器(2
2)への凍結の進展を阻止するよう氷化物の管壁への付
着を解離させる保温熱交換器(凍結進展防止部)(7)
が設けられているので、上記再冷却器(8)や水熱交換
器(22)の直下流で水等の過冷却状態の解消により氷
化物が生じて管壁に付着し、水熱交換器(22)まで管
壁の凍結が進展しようとしても、その付着が凍結進展防
止部(7)で解離される。したがって、水熱交換器(2
2)の凍結に起因する熱交換効率の低下を有効に防止す
ることができる。すなわち、復管路(51B)の途中に
過冷却を解消するための再冷却器(8)を設けたことと
相俟って、蓄冷熱効率の顕著な向上を図ることができる
のである。
【0063】なお、過冷却解消部及び凍結進展防止部の
構造は、上記第1実施例の構成に限定されるものではな
い。第3図は、上記第1実施例の変形例を示し、(8
1)は復管路(51B)の管壁に設けられた突起、(8
2)は該突起(81)の直下流に設けられた曲り部であ
って、上記突起(81)により、復管路(51B)の面
積を狭めて水等の流速を速めるとともに、曲り部(8
2)で水等を衝突させて水等の過冷却状態を解消させる
ようになされている。また、(71)は上記突起(8
1)と水熱交換器(22)との間の復管路(51B)の
一部を構成する合成樹脂チュ―ブ料からなる断熱部材で
あって、該断熱部材(71)により、過冷却解消部
(8)から水熱交換器(22)への冷熱の伝導を阻止す
るようになされている。
【0064】すなわち、このように、復管路(51B)
の一部を断熱部材(71)で構成することにより、過冷
却解消部(8)の低温の水熱交換器(22)への伝導を
阻止することができ、よって、水熱交換器(22)への
凍結の進展を防止することができる。
【0065】また、その場合、樹脂材料としてシリコン
樹脂、フロン樹脂等の水をはじく性質を有するものを使
用することにより、氷化物の壁面への付着、つまり氷着
を有効に防止することができる。すなわち、復管路(5
1B)の内壁を氷着防止材となる樹脂製チュ―ブ(7
1)で形成することにより、氷化物が配管壁面に接して
も、氷化物と壁面との間の水が壁面からはじかれて、氷
化物が壁面に付着することがなく、よって凍結の進展を
有効に防止することができるのである。なお、その場
合、配管全体を撥水性樹脂材料で構成する必要はなく、
例えばシリコン樹脂等を内壁に塗布するようにしてもよ
い。
【0066】さらに、上記実施例のように、凍結進展防
止部たる保温熱交換器(7)により、復管路(51B)
を加熱するようにしているので、復管路(51B)の管
壁への氷化物の付着をより確実に解離させることがで
き、よって、凍結進展防止効果について、著効を発揮す
ることができる。
【0067】なお、復管路(51B)を加熱する手段と
しては上記のような冷媒との熱交換だけでなく、例えば
電気ヒ―タ等により加熱するようにしてもよいことはい
うまでもない。
【0068】なお、上記水熱交換器(22)で水等を過
冷却する手段は必ずしも空気調和装置の冷媒回路(1)
に限定されるものではなく、例えばブライン等を介して
水熱交換器(22)で水等を過冷却するようにしてもよ
いことはいうまでもない。
【0069】本実施例のごとく、水熱交換器(22)で
水等を過冷却する媒体が空気調和装置の冷媒回路(1)
の冷媒であり、凍結進展防止部である保温熱交換器
(7)は冷媒回路(1)の冷媒との熱交換により水等を
加熱するものであるので、氷化物の管壁への付着を解離
させることができるに加えて、消費電力の節減をも図る
ことができる。すなわち、第4図のモリエル線図に示す
ように、凍結進展防止を付加しないサイクル(つまり、
保温熱交換器(7)がないとしたときのサイクル)は、
図中→→→で示されるが、保温熱交換器(7)
を付加したときのサイクルは図中→→’→’と
なって、→’で奪われた熱量を→’で回収する
ことになる。したがって、各圧縮機(11),(21)
への入力は変らないので、別途電気ヒ―タ等の加熱源を
設ける場合に比べて、消費電力の節減を図ることができ
る。
【0070】−第2実施例− 次に、第2実施例について説明する。第5図は本実施例
における冷媒配管系統を示し、本実施例では、保温熱交
換器(7)が水熱交換器(22)と一体的に設けられて
いる以外は上記第1実施例と同様である。すなわち、第
6図に示すように、上記水熱交換器(22)は曲管状に
形成された冷媒配管(22a)及び該冷媒配管(22
a)の内部に設けられた小径の水配管(51a)からな
る二重管構造をしているとともに、水循環路(51)の
往管路(51A)側には、水配管(51a)とで二重管
を構成して予熱バイパス路(61)の冷媒を流通させる
予熱熱交換器(6)の冷媒配管(6a)と、該冷媒配管
(6a)の入口側の入口ヘッダ(6b)とが設けられる
一方、水循環路(51)の復管路(51B)側には、水
配管(51a)とで二重管を構成して保温バイパス路
(36)の冷媒を流通させる冷媒配管(7a)と、該冷
媒配管(7a)の出口側の出口ヘッダ(7b)とが設け
られていて、水熱交換器(22)、予熱熱交換器(6)
及び保温熱交換器(7)が一つのキットとして一体的に
形成されている。
【0071】したがって、本実施例は、水熱交換器(主
熱交換器)(22)と保温熱交換器(7)とが一体的に
設けられているので、水熱交換器(22)への凍結の進
展を有効に防止することができるとともに、両熱交換器
(22),(7)を一つのキットに収納したことによ
り、冷媒回路(1)及び水循環路(51)の設計が簡素
化される利点がある。
【0072】そして、水熱交換器(22)及び保温熱交
換器(7)を二重管式構造により一体化することによ
り、ヘッダ(7b)等で過冷却水の流れが乱されて過冷
却状態が解消されても、上流側の保温熱交換器(7)の
冷媒配管(7a)内で水配管(51a)の管壁を介して
冷媒と水等の熱交換により復管路(51B)が加熱さ
れ、生じた氷化物による水熱交換器(22)への凍結の
進展を有効に防止することができる。
【0073】−第3実施例− 次に、第3実施例について説明する。第7図は第3実施
例における水熱交換器(22)等の構造を示し、冷媒配
管系統は上記第2実施例と同様である。本実施例におい
て、各熱交換器(22),(6),(7)は、外側の冷
媒配管(22a),(6a),(7a)とその内部に設
けられた多数の細管状の水配管(51b)とからなって
いて、いわゆるシェルアンドチュ―ブ構造をしている。
そして、その管端部を、2枚の円板(CP1),(CP
2)で仕切る二重管板構造とし、各二重管板(CP1),
(CP2)で挟まれる管部を予熱熱交換器(6)及び保
温熱交換器(7)としている。
【0074】したがって、本実施例では、各熱交換器
(22),(7)をシェルアンドチュ―ブ構造にして一
体化するようにしているので、熱交換効率が向上する。
さらに、このようなシェルアンドチュ―ブ構造では、管
端付近で流れがよどみ、過冷却が強くなって過冷却の解
消が生じ易いが、本発明では、その端部を二重管板構造
とし、二重管板(CP1),(CP2)で挟まれる管部を
保温熱交換器(7)としているので、管端付近が加熱さ
れ、過冷却の解消による管端付近の凍結を有効に防止す
ることができることになる。
【0075】なお、上記第2実施例及び第3実施例で
は、水熱交換器(21)を曲管構造としたが、水熱交換
器(22)を直管構造としてもよい。
【0076】第8図は第3実施例の変形例を示し、上記
第7図の構成に代えて、直管形状の冷媒配管(22b)
と、水配管(51c)とが設けられている。その他の構
成は上記第2実施例と同様である。本変形例でも上記第
2又は第3実施例と同様の効果を発揮することができ
る。
【0077】−第4実施例− 次に、第4実施例について説明する。第9図は第4実施
例に係る空気調和装置の冷媒配管系統を示し、上記第2
実施例における第5図の構成に加えて、本実施例では、
水熱交換器(22)、予熱熱交換器(6)、保温熱交換
器(7)及び再冷却器(8)が一体的に設けられてい
る。その他の構成は、上記第2実施例と同様である。
【0078】本実施例では、各熱交換器(22),
(7),(8)が一体的に設けられているので、一つの
ケ―シング内でスラリ―状の氷化物を生成することがで
きる。よって、水熱交換器(22)と再冷却器(8)と
の間に介設された保温熱交換器(7)により、再冷却器
(8)で生じた氷化物による水熱交換器(22)への凍
結の進展を確実に防止しながら、水循環路(51)等の
設計自由度の向上を図ることができる。
【0079】特に、水熱交換器(22)に供給される水
等を予熱する予熱熱交換器(6)が一体的に設けられて
いるので、上記各発明の効果に加えて、水熱交換器(2
2)に供給される水等内に含まれる氷核を溶かして水熱
交換器(22)の凍結を有効に防止しながら、配管構造
の簡素化を図ることができる。
【0080】なお、上記第1〜第4実施例において、保
温熱交換器(7)に冷媒回路(1)の液ラインからの液
冷媒を流通させるようにしたが、本発明は、係る実施例
に限定されるものではなく、冷媒の供給源として、冷媒
回路(1)の各部位からの冷媒を利用することができ
る。
【0081】第10図〜第12図は、保温バイパス路
(36)を冷媒回路(1)の各部位からの冷媒を利用す
るようにした上記第4実施例の第1〜第3変形例をそれ
ぞれ示す。
【0082】第1変形例では、第10図に示すように、
第2圧縮機(21)の吐出管から保温バイパス路(3
6)が延び、各圧縮機(11),(21)の吸入側に戻
るようになされている。すなわち、第1変形例では、保
温バイパス路(36)を介して保温熱交換器(7)に吐
出ガスが導入されるので、加熱量が大きくなり、凍結進
展防止効果が大きいという利点がある。
【0083】第2変形例では、第11図に示すように、
保温バイパス路(36)は、第2圧縮機(21)の油分
離器(SD2)から延び、そのキャピラリチュ―ブ(C
2)に戻るようになされている。つまり、油戻し管(R
T2)を利用するようになされている。したがって、第
2変形例では、上記第1変形例と同様に加熱量を大きく
できるとともに、油戻し回路を利用するので、構成がよ
り簡素になる利点がある。
【0084】第3変形例では、第12図に示すように、
保温バイパス路(36)は、水熱交換器(22)の運転
モ―ドを切換える水側切換弁(26)のデッドポ―トか
ら延びてキャピラリチュ―ブ(C3)に戻るようになさ
れている。したがって、第3変形例でも、吐出ガスの導
入により保温熱交換器(7)における加熱量を大きくす
ることができ、上記第2変形例と同様の利点を得る。
【0085】−第5実施例− 次に、第5実施例について、第13図に基づき説明す
る。第13図は水循環路(51)の一部を示し、冷媒配
管系統図及び水配管の全体は省略する。同図において、
水熱交換器(22)と再冷却器(8)の間の復管路(5
1B)外周には、多数のフィン(72),…が設けられ
ていて、さらに、このフィン(72),…に送風するフ
ァン(73)が付設されている。すなわち、ファン(7
3)から供給される室内空気との熱交換によりフィン
(72),…から冷熱を放出させて、復管路(51B)
を暖めることにより、再冷器(8)から水熱交換器(2
2)への凍結の進展を防止するようになされており、上
記復管路(51B)の一部と外周のフィン(72),…
により凍結進展防止部(7)が構成されている。
【0086】本実施例では、フィン(72),…によ
り、再冷器(8)と水熱交換器(22)との間の復管路
(51B)から冷熱が放出されるので、復管路(51
B)の温度の低下を有効に防止することができ、よっ
て、再冷器(8)から水熱交換器(22)への凍結の進
展を有効に防止することができるのである。なお、本発
明では、必ずしもファン(73)は必要でないが、ファ
ン(73)の送風により凍結進展防止効果をより顕著に
発揮することができる。
【0087】−第6実施例− 次に、第6実施例について、第14図に基づき説明す
る。第14図において、(74)は上記水熱交換器(2
2)と再冷器(8)との間に設けられ、焼結金属で形成
された凍結進展防止部としての多孔質チュ―ブ、(7
5)は該多孔質チュ―ブ(74)に油を供給するための
オイルタンクである。
【0088】本実施例では、油を含有する多孔質チュ―
ブ(74)の内壁には常に油膜が形成されているので、
配管内で氷化物が生じても、氷化物が壁面に付着するこ
とがなく、よって、凍結の進展を有効に防止することが
できる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、蓄氷槽内の水又は
水溶液を水循環路においてスラリ―状の氷化物に生成す
る製氷装置に対し、水循環路に、水等を過冷却するため
の主熱交換器と、主熱交換器で過冷却された水等の過冷
却状態を解消してスラリ―状の氷化物とする過冷却解消
部とを介設する構成としたので、配管設計上の自由度を
確保できるとともに、水循環路でスラリー状の氷を生成
することによる製氷効率の向上と、水循環路で生成した
氷を蓄氷槽に強制的に押し込むことによる蓄氷率の向上
とを図ることができる。
【0090】特に、水循環路を水又は水溶液及び氷化物
を空中に晒すことなく循環させるように構成し、又は過
冷却解消部を水又は水溶液の過冷却状態を管路内で解消
させるように構成することにより、水等の空気との熱交
換による熱損失がなく、製氷効率が向上する。
【0091】水循環路の過冷却解消部と主熱交換器との
間に凍結進展防止部を設け、主熱交換器への凍結の進展
を阻止するようにしたので、主熱交換器の凍結による熱
交換効率の低下を有効に防止することができ、よって、
製氷効率の向上を図ることができる。
【0092】水循環路の復管路の下流端の蓄氷槽に対す
る接続位置を、蓄氷槽内に貯蔵された水又は水溶液の上
面よりも下方位置に設定しており、この場合、蓄氷槽に
氷を落下供給する場合に比べて蓄氷槽内への氷の供給が
困難になるが、上述の如く氷を蓄氷槽内へ押し込むよう
にしているので蓄氷率(IPF)の大幅な向上を図るこ
とができる。
【0093】過冷却解消部を配管に直接的に設けたこと
で、その設置スペースを大きく必要とすることがなくな
り、装置全体の大型化を回避しながら確実な過冷却解消
機能を得ることができる。
【0094】冷凍回路の冷熱を利用して水等の過冷却状
態を解消するようにしているので、この過冷却解消のた
めの個別の冷凍回路などを必要とすることがない。つま
り、冷凍回路に、水等を過冷却にする機能と、この過冷
却状態を解消させる機能とを兼用させることができ、簡
素な構成で確実な製氷動作を得ることができる。
【0095】凍結進展防止部で水循環路を加熱するよう
にしたので、氷化物の管壁の付着を確実に解離させるこ
とができる。
【0096】主熱交換器の冷却源として、空気調和装置
の冷媒回路の冷媒を利用するようにしたので、空気調和
装置の圧縮機への入力を増大することなく、凍結進展防
止部における凍結進展防止のための加熱をすることがで
き、よって、消費電力の節減を図ることができる。
【0097】主熱交換器と凍結進展防止部とを一体的に
設けたので、配管構成の簡素化を図ることができる。
【0098】主熱交換器と凍結進展防止部とを二重管構
造としたので、配管出口等における流れの乱れにより過
冷却が解消されて氷化物が生じても、主熱交換器への凍
結の進展を有効に防止することができる。
【0099】主熱交換器をシェルアンドチューブ構造と
し、その管端を二重管板構造として、二重管板の間に凍
結進展防止部を介設するようにしたので、シェルアンド
チュ―ブ構造による熱交換率の向上を図りつつ、管端に
おける流れのよどみに起因する凍結を有効に防止するこ
とができる。
【0100】過冷却解消部を主熱交換器及び凍結進展防
止部と一体的に設けたので、単一のケーシング内でスラ
リー状の氷化物を生成することができ、主熱交換器への
凍結の進展を有効に防止しながら、配管設計の自由度の
向上を図ることができる。
【0101】主熱交換器の上流側に水等を予熱する予熱
部を主熱交換器と一体的に設けたので、氷核の導入によ
る主熱交換器の凍結を防止しながら、配管構造の簡素化
を図ることができる。
【0102】凍結進展防止部として、水循環路の一部を
断熱材料で形成したので、過冷却解消部から主熱交換器
への冷熱の伝導が阻止され、よって、凍結の進展を有効
に防止することができる。
【0103】凍結進展防止部として、水循環路の外周に
空気との熱交換を行うフィンを設けたので、過冷却解消
部と主熱交換器との間の水循環路が暖められ、よって、
凍結の進展を有効に防止することができる。
【0104】凍結進展防止部として、水循環路の内壁を
氷着防止材で形成するようにしたので、氷化物が壁面に
付着しようとしてもはじかれ、よって、凍結の進展を有
効に防止することができる。
【0105】凍結進展防止部として、水循環路の一部を
焼結金属等の油を含有する多孔質チュ―ブで形成するよ
うにしたので、内壁に常に形成される油膜により氷化物
の壁面への付着が阻止され、よって、凍結の進展を有効
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の構成を示すブロック図である。
【図2】空気調和装置の構成を示す冷媒配管系統図であ
る。
【図3】変形例に係る水循環路の一部を縦断面で示す図
である。
【図4】モリエル線図である。
【図5】第2実施例における空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図6】第2実施例における水熱交換器の二重管構造を
示す斜視図である。
【図7】第3実施例における曲管式のシェルアンドチュ
―ブ構造を示す斜視図である。
【図8】第3実施例における直管式のシェルアンドチュ
―ブ構造を示す斜視図である。
【図9】第4実施例における空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図10】第4実施例における第1変形例に係る空気調
和装置の冷媒配管系統図である。
【図11】第4実施例における第2変形例に係る空気調
和装置の冷媒配管系統図である。
【図12】第4実施例における第3変形例に係る空気調
和装置の冷媒配管系統図である。
【図13】第5実施例における水循環路の一部を縦断面
で示す正面図である。
【図14】第6実施例における水循環路の一部を縦断面
で示す正面図である。
【符号の説明】
1 冷媒回路 5 蓄氷槽 6 予熱熱交換器(予熱部) 7 保温熱交換器(凍結進展防止部) 8 再冷却器(過冷却解消部) 22 水熱交換器(主熱交換器) 51 水循環路 51B 復管路 52 ポンプ(搬送手段) 71 断熱チュ―ブ 72 フィン 74 多孔質チュ―ブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲沢 優司 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所 金岡工場内 (72)発明者 飯島 俊宏 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所 金岡工場内 (56)参考文献 特開 平1−114682(JP,A) 特開 昭63−14063(JP,A) 特開 昭63−231157(JP,A) 特開 昭63−73041(JP,A) 特開 平2−40431(JP,A) 実開 平2−34925(JP,U) 実開 平1−88235(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25C 1/00 F24F 5/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水又は水溶液のスラリー状の氷化物を貯
    蔵する蓄氷槽(5)と、 上記蓄氷槽(5)との間で閉ループを形成するように接
    続されて水又は水溶液及び氷化物を循環させるための水
    循環路(51)と、 上記水循環路(51)に設けられた搬送手段(52)
    と、 上記水循環路(51)に介設されかつ冷却装置に接続さ
    れて、上記水循環路(51)を流れる水又は水溶液を過
    冷却するための主熱交換器(22)と、 上記主熱交換器(22)下流側における上記水循環路
    (51)の管路(51B)に設けられ、上記主熱交換器
    (22)で過冷却された水又は水溶液の過冷却状態を該
    管路(51B)内で解消させて該水又は水溶液をスラリ
    ー状に氷化させる過冷却解消部(8)とを備え、 上記過冷却解消部(8)からのスラリー状の氷化物が上
    記搬送手段(52)の搬送駆動力によって上記水循環路
    (51)から上記蓄氷槽(5)に押し込まれるように構
    成されている製氷装置。
  2. 【請求項2】 水循環路(51)における主熱交換器
    (22)と過冷却解消部(8)との間に設けられ、主熱
    交換器(22)への凍結の進展を阻止する凍結進展防止
    部(7)を備えた請求項に記載の製氷装置。
  3. 【請求項3】 水循環路(51)における主熱交換器
    (22)と過冷却解消部(8)との間に設けられ、主熱
    交換器(22)への凍結の進展を阻止するよう氷化物の
    管壁への付着を阻止する凍結進展防止部(7)を備えた
    請求項に記載の製氷装置。
  4. 【請求項4】 水循環路(51)は、主熱交換器(2
    2)と蓄氷槽(5)とを接続する復管路(51B)を備
    えており、該復管路(51B)の下流端の蓄氷槽(5)
    に対する接続位置は、蓄氷槽(5)内に貯蔵された水又
    は水溶液の上面よりも下方位置に設定されている請求項
    に記載の製氷装置。
  5. 【請求項5】 過冷却解消部(8)は主熱交換器(2
    2)下流側の配管に直接的に設けられている請求項
    記載の製氷装置。
  6. 【請求項6】 冷却装置は冷媒が循環する冷凍回路
    (1)を備えており、 過冷却解消部(8)は、この冷凍回路(1)を循環する
    冷媒との間で熱交換を行って、過冷却状態の水又は水溶
    液を再冷却してスラリー状に氷化させるものである請求
    に記載の製氷装置。
  7. 【請求項7】 凍結進展防止部(7)は、水循環路(5
    1)を加熱するものである請求項記載の製氷装置。
  8. 【請求項8】 冷却装置は空気調和装置の冷媒回路
    (1)であり、凍結進展防止部(7)は上記冷媒回路
    (1)の液管を流れる液冷媒との熱交換により水循環路
    (51)を加熱する熱交換器である請求項記載の製氷
    装置。
  9. 【請求項9】 冷却装置は空気調和装置の冷媒回路
    (1)であり、凍結進展防止部(7)は上記冷媒回路
    (1)の吐出ガス冷媒との熱交換により水循環路(5
    1)を加熱する熱交換器である請求項記載の製氷装
    置。
  10. 【請求項10】 主熱交換器(22)及び凍結進展防止
    部(7)は一体的に設けられている請求項8又は9のい
    ずれか一つに記載の製氷装置。
  11. 【請求項11】 凍結進展防止部(7)は、二重管式構
    造のものである請求項10記載の製氷装置。
  12. 【請求項12】 主熱交換器(22)及び凍結進展防止
    部(7)はシェルアンドチューブ式構造でかつ管端部に
    二重管板を備えたものであり、凍結進展防止部(7)は
    上記二重管板の間に介設されているものである請求項
    記載の製氷装置。
  13. 【請求項13】 主熱交換器(22)は過冷却解消部
    (8)を一体的に設けたものである請求項10、11又
    は12のいずれか一つに記載の製氷装置。
  14. 【請求項14】 主熱交換器(22)は、該主熱交換器
    (22)に供給される水又は水溶液を予熱するための予
    熱部(6)を一体的に設けたものである請求項8、9、
    10、11、12又は13のいずれか一つに記載の製氷
    装置。
  15. 【請求項15】 凍結進展防止部(7)は、水循環路
    (51)の一部を断熱材料からなるチュ―ブで形成した
    ものである請求項記載の製氷装置。
  16. 【請求項16】 凍結進展防止部(7)は、水循環路
    (51)の外周に空気との熱交換を行うためのフィン
    (72)を備えたものである請求項記載の製氷装置。
  17. 【請求項17】 凍結進展防止部(7)は、水循環路
    (51)の内壁部に着氷防止材を設けたものである請求
    記載の製氷装置。
  18. 【請求項18】 凍結進展防止部(7)は、水循環路
    (51)の一部を焼結金属等の油を含有する多孔質チュ
    ―ブ(74)で形成したものである請求項記載の製氷
    装置。
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