JPH1047822A - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JPH1047822A
JPH1047822A JP20336296A JP20336296A JPH1047822A JP H1047822 A JPH1047822 A JP H1047822A JP 20336296 A JP20336296 A JP 20336296A JP 20336296 A JP20336296 A JP 20336296A JP H1047822 A JPH1047822 A JP H1047822A
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JP
Japan
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ice
heat storage
storage device
storage medium
seed
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Application number
JP20336296A
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English (en)
Inventor
Takeo Ueno
武夫 植野
Toshihiro Iijima
俊宏 飯島
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷核の生成部及び過冷却の解消部分の構成を
改良することにより、適切な過冷却解消動作を行う。 【解決手段】 冷媒循環回路と水循環回路(B) とを備
え、ポンプ(P) の駆動により蓄熱タンク(T) から取出し
た水を過冷却熱交換器(42)で過冷却状態にし、氷核生成
器(46)で生成した氷核の周囲で水の過冷却状態を解消し
て製氷する装置に対し、氷核生成器(46)と過冷却解消用
の解消容器(43)とを一体的に構成する。氷核生成器(46)
により解消容器(43)内の水を冷却して種氷を生成し、こ
の種氷と過冷却水とを接触させて氷核を生成する。この
氷核の周囲で水の過冷却を解消してスラリー氷を生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水又は水溶液等の
蓄熱媒体を循環経路内で過冷却状態まで冷却した後、こ
の過冷却状態を解消することにより氷を生成し、該氷を
蓄熱タンクに貯蔵するようにした氷蓄熱装置に関し、特
に、過冷却解消動作の信頼性の向上対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、氷蓄熱型の空気調和装置等に
設けられている氷蓄熱装置として、冷房負荷のピーク時
における電力需要の軽減及びオフピーク時における電力
需要の拡大を図ることに鑑みて、冷房負荷のピーク時に
冷熱として利用するためのスラリー状の氷を冷房負荷の
オフピーク時に生成して蓄熱タンクに貯蔵しておくもの
が知られている。
【0003】この種の氷蓄熱装置の一例として、例え
ば、特開平4−251177号公報に開示されているよ
うに、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び冷媒熱交換部を冷
媒配管によって順次接続して成る冷媒循環回路と、蓄熱
タンク、上記冷媒熱交換部との間で熱交換可能な蓄熱媒
体熱交換部及び過冷却解消部を水配管によって順次接続
して成る水循環回路とを備えたものが知られている。
【0004】そして、この種の氷蓄熱装置の製氷動作と
しては、蓄熱タンクから水配管へ取出した水(蓄熱媒
体)を、蓄熱媒体熱交換部において冷媒熱交換部の冷媒
と熱交換して過冷却状態まで冷却し、過冷却解消部にお
いてこの過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生成す
る。そして、この氷を蓄熱タンクに供給して貯留する。
【0005】また、このような氷の生成動作において、
過冷却の解消動作を迅速に行うために、微小粒の氷でな
る氷核を過冷却水中に供給することが提案されている
(特願平7−284966号)。詳しくは、水循環回路
における蓄熱媒体熱交換部の下流側に氷核生成部を設
け、過冷却状態の水の一部を、この氷核生成部において
微小粒の氷(氷核)にし、これを過冷却解消部に向って
流すことにより、この過冷却解消部において、この氷核
の周囲で過冷却解消動作を行わせて蓄熱用の氷を生成す
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構成では、氷核生成部から水循環回路に供給された氷
核が過冷却解消部に達するまでに、この氷核の周囲で過
冷却解消動作が行われてしまう可能性がある。そして、
このようにして配管内部で生成された氷が管壁に付着し
た場合には、その流路面積が狭くなり、水の流通抵抗の
増大を招いて、製氷効率を著しく悪化させる虞れがあ
る。
【0007】このように、この種の氷蓄熱装置にあって
は、過冷却解消部のみにおいて過冷却解消動作を行うよ
うにすることで、その製氷動作の信頼性が向上できるも
のであるが、従来の装置では、未だこの信頼性が十分に
確保されているとは言えなかった。
【0008】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、氷核の生成部及び過冷却の解消部分の構成
を改良することにより、適切な過冷却解消動作を行わせ
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、氷核生成部と過冷却解消容
器とを一体的に設けた構成とし、氷核を過冷却解消容器
の内部で生成するようにした。
【0010】具体的に、請求項1記載の発明は、蓄熱媒
体(W) を貯留可能な蓄熱タンク(T)と、圧送手段(P)
と、蓄熱媒体熱交換部(42b) と、過冷却解消手段(44)と
が循環配管(45)によって蓄熱媒体(W) の循環が可能に順
に接続されてなる蓄熱循環回路(B) を備えさせる。ま
た、蓄熱タンク(T) から取出した液相の蓄熱媒体(W) を
蓄熱媒体熱交換部(42b) において過冷却状態まで冷却し
た後、過冷却解消手段(44)に存在する微粒子状の氷で成
る氷核(I')の周囲でこの過冷却状態を解消してスラリー
状の氷(I) を生成し、該氷(I) を蓄熱タンク(T) に回収
して貯留する氷蓄熱装置を前提としている。そして、上
記過冷却解消手段(44)に、上記蓄熱媒体熱交換部(42b)
からの過冷却状態の蓄熱媒体(W) が導入する解消容器(4
3)と、該解消容器(43)の内部に設けられ、一部の蓄熱媒
体(W) の過冷却状態を解消して氷核(I')を生成する氷核
生成手段(46)とを備えさせた構成としている。
【0011】この特定事項により、製氷運転時には、蓄
熱タンク(T) から取出した液相の蓄熱媒体(W) が蓄熱媒
体熱交換部(42b) において過冷却状態まで冷却される。
そして、この蓄熱媒体(W) は解消容器(43)に導入され
る。この解消容器(43)の内部では氷核生成手段(46)によ
り氷核(I')が生成されており、この氷核(I')の周囲で蓄
熱媒体(W) の過冷却状態が解消してスラリー状の氷(I)
を生成され、該氷(I) は蓄熱タンク(T) に回収されるこ
とになる。
【0012】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、解消容器(43)の内部に、該解消
容器(43)に導入された蓄熱媒体(W) を撹拌する撹拌手段
(43a) を設けた構成としている。
【0013】この特定事項により、解消容器(43)内部で
は、過冷却状態の蓄熱媒体(W) と氷核(I')とが撹拌さ
れ、蓄熱媒体(W) の過冷却解消動作が促進されることに
なる。
【0014】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の氷蓄熱装置において、撹拌手段を、解消容器(43)内に
配設された邪魔板(43a) とした構成としている。
【0015】この特定事項により、比較的簡単な構成
で、解消容器(43)内部での蓄熱媒体(W) と氷核(I')との
撹拌動作が得られることになる。
【0016】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、解消容器(43)の内部に、氷核生
成手段(46)で生成された氷核(I')が解消容器(43)の出口
側へ流出することを抑制するように、該氷核(I')を捕捉
する捕捉手段(50)を設けた構成としている。
【0017】この特定事項により、氷核(I')が解消容器
(43)の出口側へ容易に流出してしまうことが回避でき
る。このため、解消容器(43)の内部に常時氷核(I')が存
在することになり、この解消容器(43)の内部での蓄熱媒
体(W) の過冷却解消動作が安定して行われることにな
る。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の氷
蓄熱装置において、捕捉手段を、解消容器(43)内の蓄熱
媒体(W) の流路上に配設された中実または中空の棒材(5
0)とした構成としている。
【0019】この特定事項により、氷核(I')が解消容器
(43)の出口側へ流出することを抑制する機能を棒材(50)
が発揮することになる。そして、特に、中空の棒材(50)
を採用した場合には、氷核(I')の一部が中空内部に入り
込むことになる。この中空内部に入り込んだ氷核(I')
は、容易には解消容器(43)の出口側へ流出することはな
く、これによって過冷却解消動作の安定性をいっそう高
いものとすることができる。
【0020】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の氷蓄熱装置において、棒材(50)の表面に、該表面の近
傍を流れる氷核(I')に対して解消容器(43)の出口側へ向
う流動の抵抗を与えるような加工を施した構成としてい
る。
【0021】請求項7及び8記載の発明は、上記請求項
6記載の発明における棒材(50)の表面の加工を具体化し
たものである。つまり、請求項7記載の発明では、棒材
(50)の表面の粗度を、循環配管(45)の内面の粗度よりも
大きく設定している。一方、請求項8記載の発明では、
棒材(50)の表面に針状のフィン(51,51, …) を形成した
構成としている。
【0022】これらの特定事項により、比較的簡単な構
成でもって捕捉手段を実現することができる。
【0023】請求項9記載の発明は、上記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、圧縮機(1)と、熱源側熱交換器
(3) と、膨張機構(52a) と、蓄熱媒体熱交換部(42b) と
の間で熱交換を行う冷媒熱交換部(42a) とが冷媒配管
(8) によって冷媒の循環が可能に接続されてなる冷媒循
環回路(A) を備えさせる。また、氷核生成手段(46)に、
膨張機構(52a) の下流側から分岐された分岐配管(46a)
と、該分岐配管(46a) が解消容器(43)の内部に延長され
て成る種氷生成部(46b) とを備えさせる。そして、蓄熱
循環回路(B) における蓄熱媒体(W) の循環を停止させた
状態で、上記種氷生成部(46b) に導入した冷媒と解消容
器(43)内部の蓄熱媒体(W) とを熱交換させて種氷生成部
(46b) の周囲に種氷(It)を付着生成する種氷生成動作を
行う種氷生成手段(71)と、冷媒循環回路(A) における冷
媒の循環及び蓄熱循環回路(B) における蓄熱媒体(W) の
循環を行い、蓄熱媒体熱交換部(42b) で過冷却状態とさ
れた蓄熱媒体(W) を解消容器(43)に導入し、この蓄熱媒
体(W) の一部を上記種氷(It)に接触させて氷核(I')を生
成し、この解消容器(43)の内部において氷核(I')の周囲
で蓄熱媒体(W) の過冷却状態を解消して蓄熱用の氷(I)
を生成する製氷動作を行う製氷手段(72)とを備えさせた
構成としている。
【0024】この構成により、解消容器(43)内での種氷
(It)の生成動作にあっては、種氷生成手段(71)により、
蓄熱循環回路(B) における蓄熱媒体(W) の循環を停止さ
せた状態で、種氷生成部(46b) に導入した冷媒と解消容
器(43)内部の蓄熱媒体(W) とが熱交換して種氷生成部(4
6b) の周囲に種氷(It)が付着生成する。一方、製氷動作
にあっては、製氷手段(72)により、蓄熱媒体熱交換部(4
2b) で過冷却状態とされた蓄熱媒体(W) を解消容器(43)
に導入して、この蓄熱媒体(W) の一部を種氷(It)に接触
させて氷核(I')を生成し、この氷核(I')の周囲で蓄熱媒
体(W) の過冷却状態を解消して蓄熱用の氷(I) を生成す
ることになる。
【0025】請求項10記載の発明は、上記請求項9記
載の氷蓄熱装置において、種氷生成手段(71)による種氷
生成動作時、種氷生成部(46b) の周囲に種氷(It)が付着
生成すると、該種氷生成部(46b) への冷媒の供給を停止
する停止手段(73)を設けた構成としている。
【0026】この構成により、種氷生成動作時に、種氷
生成部(46b) の周囲に種氷(It)が付着生成すると、この
種氷生成動作が中止されることになる。このため、種氷
(It)が必要以上に成長することが抑制される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0028】図1は本実施形態に係る氷蓄熱式空気調和
装置に備えられた冷媒循環回路(A)の全体構成を示して
いる。また、図2は蓄熱循環回路としての水循環回路
(B) を示している。
【0029】冷媒循環回路(A) は、圧縮機(1) 、室外熱
交換器(3) 、第1室外電動膨張弁(5) 、縦型のシェルア
ンドチューブ式の熱交換器で成る過冷却熱交換器(42)、
第2室外電動膨張弁(52a) 、二重管構造の熱交換器で成
る予熱器(40)、室内電動膨張弁(6) 及び室内熱交換器
(7) が冷媒配管(8) によって接続されている。そして、
四路切換弁(2) によって、圧縮機(1) の吐出側を室外熱
交換器(3) に接続し且つ吸入側を室内熱交換器(7) に接
続する状態(図1に実線で示す状態)と、圧縮機(1) の
吐出側を室内熱交換器(7) に接続し且つ吸入側を室外熱
交換器(3) に接続する状態(図1に破線で示す状態)と
で切換え可能となっている。
【0030】また、第1室外電動膨張弁(5) と過冷却熱
交換器(42)との間の2箇所には第1及び第2の三方電磁
弁(CRV-1,CRV-2) が設けられている。各電磁弁(CRV-1,C
RV-2) について説明すると、第1室外電動膨張弁(5) 側
に位置する第1三方電磁弁(CRV-1) は、3つのポートの
うち第1ポート(P-1) が室外熱交換器(3) 側に、第2ポ
ート(P-2) が第2三方電磁弁(CRV-2) 側に、第3ポート
(P-3) が第1バイパス管(8a)を介して予熱器(40)と室内
電動膨張弁(6) との間に夫々接続されている。また、過
冷却熱交換器(42)側に位置する第2三方電磁弁(CRV-2)
は、3つのポートのうち第1ポート(P-1) が第1三方電
磁弁(CRV-1) 側に、第2ポート(P-2) が蓄熱熱交換器(4
2)側に、第3ポート(P-3) が第2バイパス管(8b)を介し
て室内熱交換器(7) と四路切換弁(2) との間に夫々接続
されている。
【0031】次に、本形態に係る水循環回路(B) につい
て説明する。図2に示すように、本形態に係る水循環回
路(B) は、蓄熱タンク(T) 、圧送手段としてのポンプ
(P) 、上記予熱器(40)、過冷却熱交換器(42)及び過冷却
解消器(44)が水配管(45)によって水の循環(図2におけ
る実線の矢印参照)が可能に順に接続されている。
【0032】また、上記予熱器(40)及び過冷却熱交換器
(42)では、冷媒循環回路(A) の冷媒と水循環回路(B) の
水との間で熱交換が行われるようになっている。詳しく
は、予熱器(40)は、上述した如く二重管構造の熱交換器
で成り、二重管の内部に水が、その外部に冷媒が流れ
て、この両者間で熱交換可能となっている。過冷却熱交
換器(42)は、ケーシング内に複数本の伝熱管(42b) が配
設され、その内部に水が流れ、その外側の空間(42a) に
は冷媒が満液状態で流れるようになっており、伝熱管(4
2b) の壁面を介して、この両者間で熱交換可能となって
いる。つまり、伝熱管(42b) の内部が本発明でいう蓄熱
媒体熱交換部に、外部が本発明でいう冷媒熱交換部に夫
々構成されている。
【0033】尚、図2における(48)は、過冷却熱交換器
(42)から流出した水を過冷却解消器(44)及び蓄熱タンク
(T) をバイパスしてポンプ(P) の上流側に流すバイパス
配管である。そして、このバイパス配管(48)の下流側端
の水配管(45)に対する接続部分には比例制御弁で成る三
路切換え弁(CRV) が設けられている。この三路切換え弁
(CRV) は、ポンプ(P) の上流側を、蓄熱タンク(T) に連
通させる第1の切換え状態と、バイパス配管(48)に連通
させる第2の切換え状態(過冷却解消器(43)及び蓄熱タ
ンク(T) をバイパスする切換え状態)とに切換え可能と
なっている。
【0034】更に、この水循環回路(B) には、予熱器(4
0)から流出した水の一部をポンプ(P) の上流側に戻す戻
し配管(49)が設けられている。この戻し配管(49)は、上
流端が、上記予熱器(40)と過冷却熱交換器(42)との間
に、下流端が、水配管(45)におけるバイパス配管(48)の
下流端の接続位置とポンプ(P) との間に夫々接続されて
いる。そして、予熱器(40)と過冷却熱交換器(42)とを接
続する水配管(45A) は、戻し配管(49)の接続位置よりも
上流側の第1配管(45a) と、下流側の第2配管(45b) と
で成っている。そして、これら配管(45a,45b) 及び戻し
配管(49)の流路面積について説明すると、第2配管(45
b) の流路面積と、戻し配管(49)の流路面積とは略同一
に設定されている。また、第1配管(45a) の流路面積
は、上記第2配管(45b) の流路面積と戻し配管(49)の流
路面積との和に略等しくなっている。これにより、予熱
器(40)から流出し、第1配管(45a) を経た水が、第2配
管(45b)及び戻し配管(49)に略均等に分流されるように
なっている。つまり、予熱器(40)から流出した水の約半
分は戻し配管(49)によりポンプ(P) の上流側に戻される
構成となっている。
【0035】そして、本形態の特徴として、上記過冷却
解消器(44)は、解消容器(43)と氷核生成器(46)とが一体
的に設けられて成っている。以下、この解消容器(43)及
び氷核生成器(46)について説明する。
【0036】解消容器(43)は、円筒状の容器であって、
導入側の水配管(45B) が側面上部に、導出側の水配管(4
5C) が側面下部に夫々接続されている。そして、この解
消容器(43)の内部には、図3に示すように、撹拌手段と
して、上下方向に所定間隔を存して複数枚の邪魔板(43
a,43a, …) が配設されている。この邪魔板(43a) は、
円形の板材の一部が切欠かれて成り、上下に隣接する邪
魔板(43a,43a) 同士の切欠き部分の位置が互いに異なる
ように、つまり、解消容器(43)内部の水の流通経路がで
きるだけ長く確保され、且つ流通する水が撹拌されるよ
うな配設状態とされている。また、この邪魔板(43a,43
a, …) の切欠き部分の先端形状は、氷の生成を行い易
くするためにはエッジ状(例えば先端部の厚さ0.1μ
m)になっていることが好ましい。また、解消容器(43)
及び邪魔板(43a,43a, …) の材質としては、熱伝導率の
低いステンレス鋼等を用いることが好ましい。
【0037】一方、氷核生成器(46)は、冷媒循環回路
(A) から分岐されて解消容器(43)に延びる分岐配管(46
a) と、この分岐配管(46a) の一部が解消容器(43)の上
層部分に導入されて成る種氷生成部(46b) とを備えて成
っている。詳しくは、分岐配管(46a) の上流端は、冷媒
循環回路(A) における予熱器(40)と第2室外電動膨張弁
(52a) との間に接続されている。一方、分岐配管(46a)
の下流端は、第2三方電磁弁(CRV-2) と四路切換弁(2)
との間の第2バイパス管(8b)に接続されている。また、
この分岐配管(46a) には、種氷生成部(46b) への冷媒の
流通状態を切換える開閉自在な電磁弁(SV)が設けられて
いる。
【0038】−制御の構成− そして、本空気調和装置は、上述した各電磁弁(CRV,CRV
-1,CRV-2,SV)の開閉切換え、各電動膨張弁(5,6,52a) の
開度調整及び圧縮機(1) の容量等を制御するコントロー
ラ(70)が備えられている。また、このコントローラ(70)
には、種氷生成手段(71)、製氷手段(72)及び停止手段(7
3)が設けられている。各手段について説明すると、種氷
生成手段(71)は、水循環回路(B) における水(W) の循環
を停止させた状態で、種氷生成部(46b) に導入した冷媒
と解消容器(43)内部の蓄熱媒体(W) とを熱交換させて種
氷生成部(46b) の周囲に種氷(It)を付着生成する種氷生
成動作を行わせるものである。
【0039】製氷手段(72)は、冷媒循環回路(A) におけ
る冷媒の循環及び水循環回路(B) における水(W) の循環
を行い、過冷却熱交換器(42)で過冷却状態とされた水
(W) を解消容器(43)に導入し、この水(W) の一部を上記
種氷(It)に接触させて、その過冷却を解消させて氷核
(I')を生成し、この解消容器(43)の内部において氷核
(I')の周囲で水(W) の過冷却状態を解消して蓄熱用の氷
(I) を生成する製氷動作を行わせるものである。
【0040】停止手段(73)は、上記種氷生成動作時に、
種氷生成部(46b) の周囲に種氷(It)が付着生成すると、
電磁弁(SV)を閉鎖することで種氷生成部(46b) への冷媒
の供給を停止するものである。
【0041】−運転動作− 次に、上述の如く構成された空気調和装置の運転動作に
ついて説明する。本空気調和装置の運転モードとして
は、通常冷房運転、種氷生成運転、冷蓄熱運転、解凍運
転及び冷蓄熱利用冷房運転がある。
【0042】以下、各運転モードにおける冷媒循環動作
について説明する。
【0043】−通常冷房運転− この通常冷房運転時には、四路切換弁(2) が図4中実線
側に切換わり、第1三方電磁弁(CRV-1) が、第1ポート
(P-1) と第3ポート(P-3) とを連通させる切換え状態と
なる。また、第1室外電動膨張弁(5) が全開状態に、室
内電動膨張弁(6) が所定開度に制御(室内熱交換器(7)
出口側の過熱度一定制御)される。
【0044】この状態で圧縮機(1) が駆動すると、該圧
縮機(1) から吐出された冷媒は図4に矢印で示すよう
に、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に導入さ
れ、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱交換を
行って凝縮する。その後、この冷媒は第1バイパス管(8
a)を経た後、室内電動膨張弁(6) で減圧され、室内熱交
換器(7) において室内空気との間で熱交換を行い蒸発し
て室内空気を冷却する。そして、このガス冷媒は四路切
換弁(2) を経て圧縮機(1) の吸入側に戻される。このよ
うな冷媒の循環動作を行うことにより室内の冷房が行わ
れる。
【0045】−種氷生成運転− この種氷生成運転は、上記種氷生成手段(71)の動作によ
り行われ、後述する冷蓄熱運転時に、過冷却水の過冷却
解消を行うための核となる氷核を生成するための種氷を
種氷生成部(46b) に付着生成させる運転モードである。
【0046】具体的には、水循環回路(B) にあってはポ
ンプ(P) が停止された状態で行われる。一方、冷媒循環
回路(A) では、四路切換弁(2) が図5中実線側に切換わ
り、第1三方電磁弁(CRV-1) が、第1ポート(P-1) と第
2ポート(P-2) とを連通させる切換え状態となり、第2
三方電磁弁(CRV-2) も、第1ポート(P-1) と第2ポート
(P-2) とを連通させる切換え状態となる。また、第2室
外電動膨張弁(52a) は所定開度に制御される。また、室
内電動膨張弁(6) は全閉状態に、第1室外電動膨張弁
(5) は全開状態にされる。更に、分岐配管(46a) の電磁
弁(SV)は開放される。これにより、図5に矢印で示すよ
うに、圧縮機(1) から吐出された冷媒は、四路切換弁
(2) を経て室外熱交換器(3) 及び過冷却熱交換器(42)を
順に流れて、これら室外熱交換器(3) 及び過冷却熱交換
器(42)において凝縮する。その後、この冷媒は、第2室
外動膨張弁(52a) により減圧される。そして、この低圧
となった冷媒は、分岐配管(46a) に導入され、該分岐配
管(46a) を経て種氷生成部(46b) に供給されることにな
る。ここで、冷媒は、解消容器(43)内の水と熱交換を行
って蒸発し、この水を冷却する。その後、この蒸発した
ガス冷媒は、第2バイパス管(8b)及び四路切換弁(2) を
経て圧縮機(1) の吸入側に戻される。
【0047】このような冷媒循環動作が行われることに
より、解消容器(43)の種氷生成部(46b) の周囲では水温
が氷点下に達し、この種氷生成部(46b) には氷が種氷(I
t)として付着生成されることになる(図3参照)。
【0048】そして、このようにして種氷(It)が付着生
成されると、上記停止手段(73)により電磁弁(SV)が閉鎖
されて種氷生成運転が終了する。つまり、後述する冷蓄
熱運転では、種氷生成部(46b) には冷媒が供給されない
ので、この種氷生成部(46b)に付着生成する種氷(It)が
必要以上に成長して解消容器(43)内での水の流通を阻害
するといったことが回避される。
【0049】−冷蓄熱運転− この冷蓄熱運転は、上記種氷(It)を利用して過冷却水の
過冷却を解消することでスラリー状の氷(I) を生成する
ものである。この運転時には、水循環回路(B)にあって
は、三方電磁弁(CRV) がポンプ(P) の上流側を蓄熱タン
ク(T) に連通させる第1の切換え状態となる。そして、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B)において水が循
環する(図2の実線で示す矢印参照)。一方、冷媒循環
回路(A)では、四路切換弁(2) が図6中実線側に切換わ
り、第1三方電磁弁(CRV-1) が、第1ポート(P-1) と第
3ポート(P-3) とを連通させる切換え状態となり、第2
三方電磁弁(CRV-2) が、第2ポート(P-2) と第3ポート
(P-3) とを連通させる切換え状態となる。また、第2室
外電動膨張弁(52a) は所定開度に制御される。また、室
内電動膨張弁(6) は全閉状態に、第1室外電動膨張弁
(5) は全開状態にされる。これにより、図6に矢印で示
すように、圧縮機(1) から吐出された冷媒は、四路切換
弁(2) を経て室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交
換器(3) において外気との間で熱交換を行って凝縮す
る。その後、この冷媒は、第1バイパス管(8a)を経て、
予熱器(40)に導入し、水循環回路(B) を循環する水を加
熱する。その後、この冷媒は、第2室外動膨張弁(52a)
により減圧される。そして、この低圧となった冷媒は、
過冷却熱交換器(42)に導入され、水との間で熱交換を行
い、水を冷却して蒸発する。その後、この蒸発したガス
冷媒は第2バイパス管(8b)を経て圧縮機(1) の吸入側に
戻される。
【0050】そして、この冷蓄熱運転における水循環回
路(B) での水の循環動作について説明すると、ポンプ
(P) の駆動に伴って蓄熱タンク(T) から取出された水
は、該ポンプ(P) を経て予熱器(40)に導入され、ここで
冷媒との間で熱交換を行って温度が上昇する。これによ
り、仮に、蓄熱タンク(T) から取出された水中に氷が混
入していたとしても、この氷の融解が促進されることに
なる。そして、この予熱器(40)から導出した水は、第1
配管(45a) を経た後、第2配管(45b) 及び戻し配管(49)
に分流されることになる。そして、戻し配管(49)を流れ
た水は、再びポンプ(P) の上流側を流れ、蓄熱タンク
(T) から導出した水と混合された後、ポンプ(P) に導入
され、この際に、該ポンプ(P) 内での撹拌作用により、
水と氷が撹拌されて、ここでも氷の融解が促進される。
また、ポンプ(P) から導出した水は、再度、予熱器(40)
に導入されて温度が上昇する。このような動作が、過冷
却熱交換器(42)の上流側において繰り返し行われるの
で、この過冷却熱交換器(42)に導入される水中の氷の量
を極端に少なく、若しくは、殆ど氷がない状態にするこ
とができる。
【0051】その後、この過冷却熱交換器(42)に導入さ
れた水は過冷却状態まで冷却された後、解消容器(43)に
導入する。この解消容器(43)に導入した過冷却水は、邪
魔板(43a) に沿って流れ(図3の矢印参照)、その一部
は、種氷生成部(46b) の種氷(It)に接触する。この接触
により、この一部の過冷却水は過冷却状態が解消し、微
小粒状の氷でなるる氷核(I')が生成される。そして、こ
の氷核(I')は、過冷却水の流れに沿って解消容器(43)を
流れる。このようにして、氷核(I')及び過冷却水(W) が
解消容器(43)内を邪魔板(43a) に沿って流れることで、
過冷却水の過冷却状態が氷核(I')の周囲で解消されてい
き、スラリー状の氷(I) が生成される。そして、この氷
(I) は、解消容器(43)から取出された後、蓄熱タンク
(T) に送込まれ、該蓄熱タンク(T) に冷熱源として貯留
される。
【0052】−解凍運転− 上述したような冷蓄熱運転の際、過冷却熱交換器(42)に
おいて水の過冷却が解消して該過冷却熱交換器(42)が凍
結した場合には、この冷蓄熱運転を一時的に中断して解
凍運転に切り換える。この解凍運転では、冷媒循環回路
(A) では、四路切換弁(2) が図7中破線側に切換わり、
第2三方電磁弁(CRV-2) が、第3ポート(P-3) と第2ポ
ート(P-2) とを連通させる切換え状態となり、第1三方
電磁弁(CRV-1) が、第3ポート(P-3) と第1ポート(P-
1) とを連通させる切換え状態となる。また、第2室外
電動膨張弁(52a) が全開状態に、第1室外電動膨張弁
(5) が所定開度に制御(室外熱交換器(3) 出口側の過熱
度一定制御)される。これにより、図7に矢印で示すよ
うに、圧縮機(1) から吐出された冷媒は第2バイパス管
(8b)及び第2三方電磁弁(CRV-2) を経て過冷却熱交換器
(42)に導入され、その温熱によって過冷却熱交換器(42)
内の氷を融解する。そして、この冷媒は予熱器(40)、第
1バイパス管(8a)、第1三方電磁弁(CRV-1) 及び室外熱
交換器(3) を経て圧縮機(1) の吸入側に戻される循環状
態となる。
【0053】一方、水循環回路(B) にあっては、過冷却
熱交換器(42)への吐出冷媒(ホットガス)の供給と同時
若しくは、それよりも前に三方電磁弁(CRV) を第1の切
換え状態から第2の切換え状態に切換える。
【0054】そして、このようにして三方電磁弁(CRV)
が第2の切換え状態に切換えられると、循環水が解消容
器(43)及び蓄熱タンク(T) をバイパスして流れることに
なり(図2に破線で示す矢印参照)、蓄熱タンク(T) に
対する水の給排が行われなくなり、効率良く過冷却熱交
換器(42)内の氷の融解が行われる。また、過冷却熱交換
器(42)で加温された水(W) が解消容器(43)及び蓄熱タン
ク(T) に流れ込むことがないので、種氷生成部(46b) の
種氷(It)や蓄熱タンク(T) 内の氷(I) が融解することが
回避され、冷蓄熱運転を再開する際に種氷生成運転を行
う必要がなくなり、また、蓄熱タンク(T) 内の冷蓄熱量
を高く維持することができる。
【0055】−冷蓄熱利用冷房運転− この運転モードは、上述した冷蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯留された氷の冷熱を利用しながら室内の冷
房を行うものである。
【0056】この冷蓄熱利用冷房運転時には、水循環回
路(B) にあっては、ポンプ(P) が駆動して該水循環回路
(B) において水が循環する。この際、三方電磁弁(CRV)
は、ポンプ(P) の上流側を、蓄熱タンク(T) に連通させ
る第1の切換え状態となる。一方、冷媒循環回路(A) で
は、四路切換弁(2) が図8中実線側に切換わり、第1三
方電磁弁(CRV-1) が、第1ポート(P-1) と第2ポート(P
-2) とを連通させる切換え状態となり、第2三方電磁弁
(CRV-2) が、第1ポート(P-1) と第2ポート(P-2) とを
連通させる切換え状態となる。また、室内電動膨張弁
(6) は所定開度に、第1室外電動膨張弁(5) 及び第2室
外電動膨張弁(52a) は全開状態にされる。これにより、
図8に矢印で示すように、圧縮機(1) から吐出された冷
媒は、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) 及び過冷
却熱交換器(42)に順に導入され凝縮する。そして、この
冷媒は、室内電動膨張弁(6) により減圧した後、室内熱
交換器(7) において室内空気との間で熱交換を行って蒸
発し、室内空気を冷却した後、圧縮機(1) の吸入側に戻
される。
【0057】以上のような各運転モードの冷媒循環動作
が行われる。
【0058】このように本形態では、解消容器(43)の内
部に種氷生成部(46b) を備えさせ、この種氷生成部(46
b) に付着生成される種氷(It)を利用して氷核(I')を生
成するようにしている。このため、氷核が水配管内部を
流れるといった従来のもののように、氷核が過冷却解消
部に達するまでに、この氷核の周囲で過冷却解消動作が
行われてしまい、これが配管の管壁に付着して製氷効率
を悪化させるといった不具合を回避することができる。
つまり、解消容器内でのみ過冷却解消動作を行うことが
でき、製氷運転の信頼性の向上を図ることができる。
【0059】(解消容器の変形例)次に、解消容器(43)
の内部構成に関する2つの変形例について説明する。こ
れら変形例は、氷核(I')が解消容器(43)の出口側へ流出
してしまうのを抑制するための捕捉手段(50)を採用した
ものである。以下、各変形例について説明する。
【0060】−第1の変形例− 先ず、第1の変形例としては、図9((a) は解消容器(4
3)の縦断面図、(b) は(a) のA−A線に対応した位置に
おける解消容器(43)の断面図)に示すように、解消容器
(43)の中央部に中空の金属製の棒材(50)が設けられてい
る。この棒材(50)は、解消容器(43)の底面に立設されて
おり、その上端は解消容器(43)の上端近傍位置に設定さ
れている。更に、この棒材(50)の外周面には、図9にお
いて左右方向に延びる複数本の針状フィン(51,51, …)
が上下方向に所定間隔を存して突設されている。
【0061】また、この解消容器(43)に繋がる上記導入
側水配管(45B) 及び導出側水配管(45C) は、該解消容器
(43)の外周面に対し、その接線方向から接続している。
つまり、この解消容器(43)の内部では棒材(50)の周囲を
流れる旋回流が形成されるようになっている。
【0062】従って、本変形例にあっては、解消容器(4
3)内部では、氷核(I')が上記旋回流に沿って流れること
になる。そして、この際、氷核(I')は、針状フィン(51,
51,…) によって流動抵抗が与えられ、この解消容器(4
3)内部から導出側水配管(45C) へ容易に流れ出てしまう
ことはない。従って、この解消容器(43)内部に、常に多
数の氷核(I')を存在させることができ、水(W) の過冷却
解消動作を安定して行うことができることになる。
【0063】更に、解消容器(43)内部に存在する氷核
(I')の一部は、金属製棒材(50)の中空内部に入り込む。
この中空内部に入り込んだ氷核(I')は、容易には解消容
器(43)の出口側へ流出することはなく、これによって
も、解消容器(43)内部に、常に多数の氷核(I')を存在さ
せることができる。
【0064】また、棒材(50)としては、中空状のものに
限らず、中実状のものを使用してもよい。更に、棒材(5
0)の近傍を流れる氷核(I')に高い流動抵抗を与えるため
に、該棒材(50)の表面の粗度を高く設定しておくように
してもよい。具体的には、棒材(50)の表面の粗度を、水
配管(45)の内面の粗度よりも大きく設定する。これによ
り、棒材(50)の近傍では、水(A) の流線が乱され、これ
に伴って、この部分での氷核(I')の流速が低下すること
になる。つまり、氷核(I')が解消容器(43)の出口部分に
達するまでの時間を遅らせることで、解消容器(43)内部
に、常に多数の氷核(I')を存在させることができること
になる。
【0065】−第2の変形例− 本第2の変形例では、図10((a) は解消容器(43)の縦
断面図、(b) は(a) のB−B線に対応した位置における
解消容器(43)の断面図)に示すように、上述した実施形
態における解消容器に加えて、邪魔板(43a,43a, …) の
上面に突起(43b,43b, …) を設けた構成としている。
【0066】このような構成によれば、邪魔板(43a,43
a, …) の上面に沿って流れる氷核(I')は、この突起(43
b,43b, …) の存在により流動抵抗が与えられる。この
ような構成によっても上述した第1の変形例の場合と同
様に、氷核(I')が解消容器(43)内部から導出側水配管(4
5C) へ容易に流れ出てしまうことはない。従って、解消
容器(43)内部には、常に多数の氷核(I')を存在させるこ
とができ、水(W) の過冷却解消動作が安定して行われ
る。
【0067】また、この第2の変形例においても上述し
た第1の変形例と同様に、邪魔板(43a,43a, …) 及び突
起(43b,43b, …) の表面の粗度を高く設定しておくよう
にしてもよい。
【0068】尚、上述した実施形態及び変形例では、蓄
熱用の蓄熱媒体として水を使用したが、その他ブライン
水溶液等を使用するようにしてもよい。
【0069】また、空気調和装置用の氷蓄熱装置に本発
明を適用した場合について説明したが、その他の蓄冷熱
を利用する装置に対しても適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載の発
明によれば、過冷却状態の蓄熱媒体が導入する解消容器
の内部に、氷核を生成するための氷核生成手段を備えさ
せ、この解消容器の内部で氷核の生成と蓄熱用のスラリ
ー氷の生成とが共に行えるようにしたために、氷が水循
環回路の管壁に付着して製氷効率を悪化させるといった
不具合が生じる虞れがなくなり、解消容器内でのみ過冷
却解消動作を行うことができて、製氷運転の信頼性の向
上を図ることができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、解消容器の
内部に設けた撹拌手段により解消容器に導入された蓄熱
媒体を撹拌するようにしたために、蓄熱媒体の過冷却解
消動作が促進されてスラリー氷の生成を円滑に行うこと
ができる。
【0072】請求項3記載の発明によれば、撹拌手段
を、解消容器内に配設された邪魔板としたことで、撹拌
手段を具体化でき、また、比較的簡単な構成で、解消容
器内部での蓄熱媒体と氷核との撹拌動作が得られ、実用
性の向上を図ることができる。
【0073】請求項4記載の発明は、解消容器の内部
に、氷核を捕捉する捕捉手段を設けて、氷核が解消容器
の出口側へ流出することを抑制したために、解消容器の
内部に常に多数の氷核を存在させることができ、この解
消容器の内部での蓄熱媒体の過冷却解消動作が安定して
行われ、装置全体としての信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0074】請求項5記載の発明は、解消容器内の蓄熱
媒体の流路上に中実または中空の棒材を配設して氷核の
流出を抑制したために、この流出抑制機能が確実に得ら
れ、特に、中空の棒材を採用した場合には、氷核の一部
が中空内部に入り込んで、容易には解消容器の出口側へ
流出しなくなるので、過冷却解消動作の安定性をいっそ
う向上させることができる。
【0075】請求項6〜8記載の発明は、棒材の構成を
より具体化することができ、比較的簡単な構成でもっ
て、上述した請求項4記載の発明の効果を得ることがで
きる。
【0076】請求項9記載の発明によれば、種氷の生成
動作及び製氷運転動作を具体化することができ、蓄熱用
の氷の生成を確実に行うことができる。
【0077】請求項10記載の発明によれば、種氷生成
動作時、種氷生成部の周囲に種氷が付着生成すると、こ
の種氷生成動作を中止するようにしたことで、種氷が必
要以上に成長することが抑制でき、解消容器内での製氷
動作の円滑化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る空気調和装置に備えられた冷媒
循環回路の全体構成を示す図である。
【図2】水循環回路の構成を示す図である。
【図3】解消容器の内部構造を示す断面図である。
【図4】通常冷房運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図5】種氷生成運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図6】冷蓄熱運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図7】解凍運転の冷媒循環動作を示す回路図である。
【図8】冷蓄熱利用冷房運転の冷媒循環動作を示す回路
図である。
【図9】解消容器の第1の変形例を示すものであって、
(a) は解消容器の縦断面図、(b) は(a) のA−A線に対
応した位置における解消容器の断面図である。
【図10】解消容器の第2の変形例を示すものであっ
て、(a) は解消容器の縦断面図、(b) は(a) のB−B線
に対応した位置における解消容器の断面図である。
【符号の説明】
(1) 圧縮機 (3) 室外熱交換器(熱源側熱交換器) (8) 冷媒配管 (42a) 冷媒熱交換部 (42b) 蓄熱媒体熱交換部 (43) 解消容器 (43a) 邪魔板(撹拌手段) (44) 過冷却解消器(過冷却解消手段) (45) 水配管(循環配管) (46) 氷核生成器(氷核生成手段) (46a) 分岐配管 (46b) 種氷生成部 (71) 種氷生成手段 (72) 製氷手段 (73) 停止手段 (A) 冷媒循環回路 (B) 水循環回路(蓄熱循環回路) (T) 蓄熱タンク (P) ポンプ(圧送手段) (W) 水(蓄熱媒体) (It) 種氷 (I') 氷核 (I) 氷

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱媒体(W) を貯留可能な蓄熱タンク
    (T) と、圧送手段(P)と、蓄熱媒体熱交換部(42b) と、
    過冷却解消手段(44)とが循環配管(45)によって蓄熱媒体
    (W) の循環が可能に順に接続されてなる蓄熱循環回路
    (B) を備え、 蓄熱タンク(T) から取出した液相の蓄熱媒体(W) を蓄熱
    媒体熱交換部(42b) において過冷却状態まで冷却した
    後、過冷却解消手段(44)に存在する微粒子状の氷で成る
    氷核(I')の周囲でこの過冷却状態を解消してスラリー状
    の氷(I) を生成し、該氷(I) を蓄熱タンク(T) に回収し
    て貯留する氷蓄熱装置において、 上記過冷却解消手段(44)は、 上記蓄熱媒体熱交換部(42b) からの過冷却状態の蓄熱媒
    体(W) が導入する解消容器(43)と、 該解消容器(43)の内部に設けられ、一部の蓄熱媒体(W)
    の過冷却状態を解消して氷核(I')を生成する氷核生成手
    段(46)とを備えていることを特徴とする氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 解消容器(43)の内部には、導入された蓄熱媒体(W) を撹
    拌する撹拌手段(43a)が設けられていることを特徴とす
    る氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の氷蓄熱装置において、 撹拌手段は、解消容器(43)内に配設された邪魔板(43a)
    であることを特徴とする氷蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 解消容器(43)の内部には、氷核生成手段(46)で生成され
    た氷核(I')が解消容器(43)の出口側へ流出することを抑
    制するように、該氷核(I')を捕捉する捕捉手段(50)が設
    けられていることを特徴とする氷蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の氷蓄熱装置において、 捕捉手段は、解消容器(43)内の蓄熱媒体(W) の流路上に
    配設された中実または中空の棒材(50)であることを特徴
    とする氷蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の氷蓄熱装置において、 棒材(50)の表面には、該表面の近傍を流れる氷核(I')に
    対して解消容器(43)の出口側へ向う流動の抵抗を与える
    ような加工が施されていることを特徴とする氷蓄熱装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の氷蓄熱装置において、 棒材(50)の表面は、その粗度が循環配管(45)の内面の粗
    度よりも大きく設定されていることを特徴とする氷蓄熱
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の氷蓄熱装置において、 棒材(50)は、その表面に針状のフィン(51,51, …) が形
    成されていることを特徴とする氷蓄熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 圧縮機(1) と、熱源側熱交換器(3) と、膨張機構(52a)
    と、蓄熱媒体熱交換部(42b) との間で熱交換を行う冷媒
    熱交換部(42a) とが冷媒配管(8) によって冷媒の循環が
    可能に接続されてなる冷媒循環回路(A) を備えており、 氷核生成手段(46)は、膨張機構(52a) の下流側から分岐
    された分岐配管(46a)と、該分岐配管(46a) が解消容器
    (43)の内部に延長されて成る種氷生成部(46b)とを備え
    ており、 蓄熱循環回路(B) における蓄熱媒体(W) の循環を停止さ
    せた状態で、上記種氷生成部(46b) に導入した冷媒と解
    消容器(43)内部の蓄熱媒体(W) とを熱交換させて種氷生
    成部(46b) の周囲に種氷(It)を付着生成する種氷生成動
    作を行う種氷生成手段(71)と、 冷媒循環回路(A) における冷媒の循環及び蓄熱循環回路
    (B) における蓄熱媒体(W) の循環を行い、蓄熱媒体熱交
    換部(42b) で過冷却状態とされた蓄熱媒体(W)を解消容
    器(43)に導入し、この蓄熱媒体(W) の一部を上記種氷(I
    t)に接触させて氷核(I')を生成し、この解消容器(43)の
    内部において氷核(I')の周囲で蓄熱媒体(W) の過冷却状
    態を解消して蓄熱用の氷(I) を生成する製氷動作を行う
    製氷手段(72)とを備えていることを特徴とする氷蓄熱装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の氷蓄熱装置において、 種氷生成手段(71)による種氷生成動作時、種氷生成部(4
    6b) の周囲に種氷(It)が付着生成すると、該種氷生成部
    (46b) への冷媒の供給を停止する停止手段(73)が設けら
    れていることを特徴とする氷蓄熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223507A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Maekawa:Kk 除霜装置及びこれを備えるエアサイクル冷凍システム
CN108061396A (zh) * 2017-10-27 2018-05-22 三河同飞制冷股份有限公司 蓄冷装置及水冷系统

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