JPH05295611A - 防ダニ性を有する繊維 - Google Patents

防ダニ性を有する繊維

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JPH05295611A
JPH05295611A JP9967092A JP9967092A JPH05295611A JP H05295611 A JPH05295611 A JP H05295611A JP 9967092 A JP9967092 A JP 9967092A JP 9967092 A JP9967092 A JP 9967092A JP H05295611 A JPH05295611 A JP H05295611A
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善行 的場
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章 木村
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一憲 折居
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 殺ダニの効力及びダニ忌避効果に優れ、且つ
経時、洗濯耐久性に優れた防ダニ性繊維を提供するこ
と。 【構成】 下記一般式(I)又は(II)で表わされる化
合物を0.3〜10wt%配合した繊維。 (式中Rは水素原子又は水酸基、X1 ,X2 ,X3 は単
結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基、Yは―O
―,―COO―,又は―CHOH―を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れた防ダニ
性を有する繊維に関する。さらに詳しくは、敷布団、掛
布団、枕、クッション、ベッド、縫ぐるみ、家具等の詰
綿もしくは不織布用として、また畳の中芯シート基材、
畳の縫糸、障子紙、壁紙、カーペット、カーテン等の分
野、更には衣料用としても好適な新規な防ダニ性を有す
る繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の密閉性、室内の空調設備の
普及、さらにはジュータン、カーペット等の室内のイン
テリヤ製品の普及により、住居内のダニ類にとって好適
な環境条件が創出され、ダニに起因する各種問題、例え
ばアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎等
が多発している。したがって、住居内のダニ類の駆除
は、環境衛生の面だけでなく健康維持の面からも重要と
なっている。
【0003】従来、ダニの駆除剤としては、ピレスロイ
ド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤
等の各種殺虫剤が使用されているものの、有効に駆除す
るためには多量の薬剤を必要とし、安全衛生上問題があ
った。かかる問題点を解決するために、特定の構造を有
する安息香酸エステル、ベンジルアルコールエステルま
たはオイゲノール誘導体等を防ダニ剤として使用するこ
とが、特開平3―264504号公報に提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
防ダニ剤を各種繊維製品に適用する場合、繊維製品を後
処理して繊維表面に塗布もしくは繊維中に含浸させる方
法では、使用中あるいは洗濯時に防ダニ剤が剥離脱落し
て防ダニの効力が短期間で消失したり、後加工工程が複
雑となって生産コストがあがるといった問題があった。
また、本発明者らの検討によれば、これら防ダニ剤を繊
維形成性重合体に配合する方法では、得られる繊維の殺
ダニ効果が弱く、防ダニ性繊維としては未だ不充分であ
ることが判明した。
【0005】本発明は、上記従来技術の有する欠点に鑑
みなされたもので、その目的は、殺ダニの効力が強く、
ダニ忌避効果も良好で、且つ耐久性及び安全衛生性にも
優れた新規な防ダニ性を有する繊維を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、天然精油成分を繊維に配合した場合の
殺ダニ作用の関連を鋭意検討した結果、特定の化学構造
を有する成分が殺ダニ効果に優れ、ダニ忌避作用も併有
し、且つこれらの効果の持続性も優れていることを見出
し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、 1.一般式(I),(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中Rは水素原子又は水酸基を示し、X
1 ,X2 及びX3 は同一または異なって夫々単結合を示
すか又は炭素原子数1〜3のアルキレン基を示し、Yは
―O―,―CO―,―COO―,又は―CHOH―で表
わされる基を示す。但し、Yが―COO―であり、X2
が単結合、X3 が単結合もしくはメチレン基である場合
を除く)で表わされる化合物を含有する重合体からなる
繊維であって、該化合物の含有量が繊維重量に対して
0.2〜10wt%であることを特徴とする防ダニ性を
有する繊維であり、また、 2.下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物
と、
【0010】
【化5】
【0011】(式中Rは水素原子又は水酸基を示し、X
1 ,X2 及びX3 は同一または異なって夫々単結合を示
すか又は炭素原子数1〜3のアルキレン基を示し、Yは
―O―,―CO―,―COO―,又は―CHOH―で表
わされる基を示す。但し、Yが―COO―であり、X2
が単結合、X3 が単結合もしくはメチレン基である場合
を除く) 下記一般式(III )〜(V)
【0012】
【化6】
【0013】(式中R1 は水素原子又は水酸基を示し、
2 は炭素原子数5〜9のアルキル基又はアルケニル基
を示し、R3 は炭素原子数2〜8のアルキル基を示し、
4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示
し、R5 は1―又は2―プロペニル基を示す。)で表わ
される化合物少なくとも1種以上とを含有し、その合計
の添加量が0.2〜10wt%であることを特徴とする
防ダニ性を有する繊維である。
【0014】本発明の防ダニ性を有する繊維は、上記一
般式(I)又は(II)で表わされる化合物を含有してい
ることが大切であり、式中X1 ,X2 又はX3 の2価の
アルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、プロ
ピレン、メチルメチレン、エチルメチレン、メチルエチ
レン等をあげることができる。
【0015】本発明において好適に用いられる一般式
(I)で表わされる化合物としては、例えばジフェニル
メタン、ジベンジル等をあげることができ、一方一般式
(II)で表わされる化合物としては、ベンジルフェニル
エーテル、ベンジルフェニルエチルエーテル、ベンゾフ
ェノン、ベンジルフェニルケトン、ジベンジルケトン、
ベンザルアセトフェノン、β―フェニルエチルベンゾエ
イト、γ―フェニルプロピルベンゾエイト、フェニル酢
酸フェニル、ベンジルフェニルアセテート、β―フェニ
ルエチルフェニルアセテート、フェニルシンナメート、
ベンジルシンナメート、β―フェニルエチルシンナメー
ト、β―フェニルプロピルシンナメート、シンナミルシ
ンナメート、ジフェニルカルビノール、フェニルベンジ
ルカルビノール、ジベンジルカルビノール等をあげるこ
とができる。
【0016】本発明においては、かかる化合物を繊維中
に0.3〜10重量%、好ましくは0.5〜3.0重量
%含有せしめる必要がある。繊維中の配合量が0.3重
量%未満の場合には、該防ダニ剤の繊維中からのにじみ
出し・揮散が少なくなり、ダニ忌避効果は得られても充
分な殺ダニ効果が得られなくなり、またその持続性も低
下するので好ましくない。一方10重量%を越える場合
には、殺ダニ効力は飽和に達するだけでなく、得られる
繊維の機械的特性が低下したり、該防ダニ剤が高濃度に
揮散されるようになって不快な臭いを呈するようになる
ので好ましくない。
【0017】また、本発明においては、上記(I)又は
(II)で表わされる化合物に加えて、さらに一般式(II
I )〜(V)で表わされる化合物を少なくとも1種以上
含有していることが、殺ダニ効果が一層向上し、またダ
ニ忌避効力も向上するので好ましい。
【0018】
【化7】
【0019】上記式中、R1 は水素原子又は水酸基を示
し、R2 は炭素原子数5〜9のアルキル基又はアルケニ
ル基を示し、その例として、n―アミル、iso―アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルのような直鎖状又は
分岐鎖状のアルキルまたはn―1―(または2―)ヘプ
テニル、iso―1―(または2―)ヘプテニル、n―
1―(または2―もしくは3―)ヘキセニル、iso―
1―(または2―もしくは3―)ヘキセニル、n―1―
(または2―、3―もしくは4―)ヘプテニル、iso
―1―(または2―、3―もしくは4―)ヘプテニルの
ような直鎖状又は分岐鎖状のアルケニルがあげられる。
3 は炭素原子数2〜8のアルキル基を示し、その例と
してエチル、n―プロピル、iso―プロピル、n―ブ
チル、iso―ブチル、n―アミル、iso―アミル、
n―ヘキシル、iso―ヘキシル、n―ヘプチル、is
o―ヘプチル、オクチル、iso―オクチル等があげら
れる。R4 は水素原子又はメチル、エチル、n―プロピ
ル、iso―プロピル、n―ブチルのような炭素原子数
1〜4のアルキル基を示す。R5 は1―または2―プロ
ペニル基を示す。
【0020】本発明において好適に用いられる式(III
)を有する化合物の例としては、n―アミルベンゾエ
ート、iso―アミルベンゾエート、ヘキシルベンゾエ
ート、ヘプチルベンゾエート、オクチルベンゾエート、
ノニルベンゾエート、シス―3―ヘキセニールベンゾエ
ート、n―アミルサリシレート、iso―アミルサリシ
レート、ヘキシルサリシレート、シス―3―ヘキセニー
ルサリシレートがあげられ、式(IV)を有する化合物の
例としては、ベンジルプロピオネート、ベンジル―n―
ブチレート、ベンゾル―iso―ブチレート、ベンジル
―n―バレレート、ベンジル―iso―バレレート、ベ
ンジルカプロエート、ベンジルヘプタノエート、ベンジ
ルカプリレート、ベンジルノニレートがあげられる。ま
た式(V)を有する化合物の例としてはオイゲノール、
メチルオイゲノール、iso―オイゲノールがあげられ
る。
【0021】かかる化合物の添加量は、あまりに多すぎ
ると不快な臭いが強くなるとともに繊維の力学的特性も
低下する傾向があり、逆に少なすぎる場合には、防ダニ
効果が改善される割合が小さくなるので、繊維重量に対
して0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以
上で、前記(I)又は(II)で表わされる化合物の添加
量の倍量以下、且つ(I)〜(V)の添加量の合計が
0.2〜10wt%、好ましくは0.3〜3wt%以下
とするのが望ましい。
【0022】本発明の防ダニ性を有する繊維は、上記剤
を含有する重合体単独からなるものであっても、上記剤
を含有しない重合体との複合繊維であってもよい。なか
でも上記剤を含有する重合体を芯部とし、上記剤がより
拡散し難い重合体を鞘部とする複合繊維は、防ダニ剤が
極めて小さい繊維断面から主として揮散されることによ
り防ダニ効果が発現されるため、その防ダニ効果の持続
時間が長くなるとともに、後加工、洗濯等による防ダニ
効果の低下が少なくなり、得られる繊維の力学的特性も
良好で、さらに複合繊維製造時においても防ダニ剤を含
有しない鞘部が急速に固化され防ダニ剤の蒸散が抑制さ
れるので、作業環境上も望ましい。
【0023】前記防ダニ剤を配合せしめる重合体は、特
に限定する必要はなく、繊維の用途及び使用する防ダニ
剤等により適宜選択すればよい。重合体と防ダニ剤との
親和性が低い場合には、防ダニ剤の分散が悪くなって製
糸性が低下するので望ましくなく、逆にあまりに親和性
がよすぎる場合には、得られる繊維からの防ダニ剤の揮
散が乏しくなって充分な防ダニ効果が得られなくなる。
好ましく用いられる重合体として、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン―1等のポリ
オレフィン重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン―
6、ナイロン―66、メタキシリレンジアジポアミド等
のポリアミド及びこれらの重合体に少量の第3成分を共
重合した共重合体を例示することができ、複合繊維用の
防ダニ剤を含有せしめる重合体としては、さらにエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、低融点(共重合)ポリエステ
ル、低融点(共重合)ポリアミド等の繊維形成性に劣る
ものも例示することができる。
【0024】複合繊維の他方を構成する重合体は、繊維
に機械的特性を付与できる重合体であれば特に限定する
必要はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート及びこれらに第3成分を少量共重合
したポリエステルが、本発明の繊維を詰綿もしくは不織
布として使用する場合、嵩高性、耐ヘタリ性といった特
性も良好となるのでとくに望ましい。
【0025】また芯鞘型の複合繊維となす場合の芯部及
び鞘部を構成する重合体の比率は、重量比で芯部/鞘部
を70/30〜30/70の範囲にするのが望ましい。
芯部の比率が70を超えると芯鞘構造の形成が難しくな
り、芯部が露出して芳香効果の持続性が低下する場合が
ある。一方芯部の比率が30未満になると、芯部の占有
断面積が小さくなり、防ダニ剤の空気中への揮散量が少
なくなって防ダニ効果が低下する傾向がある。
【0026】本発明の繊維を製造するには、従来より用
いられている紡糸装置を用い、常法に従って溶融紡糸、
延伸を行えばよい。この際防ダニ剤は、重合体チップの
表面に付着させた後、溶融紡糸装置に供給してもよく、
あるいは、あらかじめ重合体中に溶融混合したものを用
いてもよい。特に後者の方法は、防ダニ剤の重合体中へ
の分散状態がよくなり、製糸性及び防ダニ効果の持続性
が向上するため好ましい。
【0027】かくして得られる未延伸繊維は、延伸した
後所望によって捲縮を付与し、次いでカットして短繊維
となしてもよい。カット長は用途に応じて適宜変更すれ
ばよく、例えば、複合繊維の場合には、30〜100m
m、好ましくは40〜70mmの範囲とする。繊維長が3
0mm未満の複合短繊維の場合には、短繊維1本内に含有
する防ダニ剤の量が少なくなるため、防ダニ性の持続が
低下する傾向がある。一方、短繊維超が100mmを超え
ると、カード通過性が低下し、またフトン綿として使用
したときに嵩高性が劣るため好ましくない。
【0028】なお、本発明においては、カットする前の
芯鞘型複合長繊維(フィラメント)をカーペットのカッ
トパイル糸の如く製織後フィラメントをカットする方法
でも、良好な防ダニ効果とその優れた耐久性を得ること
ができる。
【0029】
【発明の作用・効果】以上に説明した本発明の防ダニ性
を有する繊維は、特定の防ダニ剤が繊維を構成する重合
体に混合されているため、使用時摩擦等により脱落する
ようなことがなく、また洗濯によっても脱落することが
ない。しかも混合された防ダニ剤は、繊維中を徐々に拡
散して繊維表面から揮散され防ダニ効果を発現するの
で、該繊維に直接接触していない場所でも殺ダニ、ダニ
忌避効果を発現する。特に芯鞘型の複合構造を有する繊
維であって芯部に防ダニ剤を含有する複合短繊維は、主
として面積の小さい繊維横断面から防ダニ剤を揮散させ
ることができるので、極めて容易に防ダニ効果の持続性
を長くすることができる。
【0030】また本発明においては、さらに異なった化
学構造(III 〜V)を有する防ダニ剤を併用する場合、
殺ダニ効力が増大するばかりでなく、該化合物の揮散に
よるダニ忌避効果も一層向上させることが可能となる。
【0031】このため、本発明の繊維を、布団、枕、ク
ッション、縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布等、衣料、
寝装、インテリア、車両内装、家具、家庭用雑品等の分
野の製品に単独でまたは他の繊維と混合して使用する
と、極めて長期間防ダニ効果が得られるのである。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、防ダニ効果の評価は下記方法に従った。
【0033】(1)殺ダニ率 試料繊維を目付100g/m2 のウェブとなし、5cm2
の大きさにカットする。この供試ウェブを直径10cmの
シャーレに入れ、ウェブ上に供試ダニ(コナヒョウヒダ
ニ)を飼育した培地150mg(ダニ数約200匹)を乗
せ、室温25℃、相対湿度75%の条件下で48時間経
過させた後、熱追い出し法により生ダニ数Aを求めた。
一方対照として防ダニ剤を含有しない繊維を用いて同様
にして生ダニ数Bを求め、下式より殺ダニ率を求めた。
この値が60%以上の時良好、80%以上の時極めて良
好と判断した。 殺ダニ率(%)=(1−A/B)×100
【0034】(2)ダニ忌避率(侵入阻止法) 周囲を飽和食塩水で満たされた、直径10cmのシャーレ
中に、供試ダニ(コナヒョウヒダニ)を飼育培地ととも
に約200匹(培地として150mg)を3ケ所に分けて
入れ、シャーレの中心部には直径3.2cmのシャーレを
置き、そのシャーレ中にダニの餌を入れさらに上記と同
じ試料ウェブを詰め、25℃,75%RH条件下で72
時間放置した後、ウェブ中に侵入したダニ数Cを測定し
た。
【0035】一方、対照として防ダニ剤を含有していな
い試料を用い同様にしてウェブ中に侵入したダニ数Dを
求め、下記式よりダニ忌避率を求めた。この値が60%
以上の時良好、80%以上の時極めて良好と判定した。
【0036】 殺ダニ率(%)=(D−C)/D×100
【0037】
【実施例1】各種濃度でベンゾフェノンを含有するエチ
レン酢酸ビニル共重合体(共重合重量比84:16)5
重量部と高密度ポリエチレン95重量部とをチップブレ
ンドしたものを250℃で溶融し芯部に、また極限粘度
0.64のポリエチレンテレフタレートを280℃で溶
融し鞘部に配するよう芯鞘型複合紡糸装置に供給し、孔
径0.5mmφ、孔数260ホールを有する口金より押出
し、800m/分の速度で引き取って缶に揺り込んだ。
この際の芯鞘比は50/50とし、ベンゾフェノンの含
有量は0、0.1、0.25、0.5、2.0、5.0
wt%とした。
【0038】得られた未延伸糸を集束して400万デニ
ールとし、温水中70℃で3倍に延伸し、スタッフィン
グボックスに供給して捲縮を付与した後、120℃下3
0分間熱処理し、繊維長51mmにカットして約6デニー
ルの短繊維を得た。
【0039】得られた繊維の殺ダニ率及びダニ忌避効果
を図1に示す。また1年経過後、及び家庭用洗濯機で通
常の洗濯を5回実施後の殺ダニ率、ダニ忌避効果いずれ
も、配合量が0.3wt%以上で良好なレベルを維持し
ていた。
【0040】また得られた短繊維を、ポリエステルタフ
タからなる側地に吹き込んで、クッションを作成したと
ころ、使用1年後でもダニの発生が認められなかった。
【0041】
【実施例2】ベンゾフェノンの代りにベンジルエーテル
を用いる以外は実施例1と同様にした。結果を図2に示
す。この結果から明らかなように、添加量が0.3wt
%以上で良好な防ダニ効果の得られることがわかる。
【0042】
【実施例3】ベンゾフェノンの代りにジベンジルを0.
5wt%添加する以外は実施例1と同様にした。殺ダニ
率は64.5%であり、良好なレベルであった。
【0043】
【実施例4】一般式(II)の化合物の0.5wt%添加
における殺ダニ率を実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】上記表から、式(II)の化合物が配合され
た繊維は、良好なレベルの防ダニ性を有することがわか
る。
【0046】
【実施例5】ベンゾフェノン4部、ベンジルエーテル4
部、ヘプチルベンゾエート1部、ベンジルプロピオネー
ト2部を混合した剤を用いる以外は実施例1と同様にし
て添加量が0.25wt%と0.50wt%の繊維を得
た。これらの殺ダニ率は夫々80.0%、99.6%と
極めて良好な結果が得られた。
【0047】
【実施例6】ベンゾフェノン10部、ベンジルエーテル
80部、ヒノキチオイル8部、ヒノキチオール2部を混
合した剤を用いる以外は実施例1と同様にして添加量が
0.25wt%及び0.50wt%の繊維を得た。これ
らの殺ダニ率は夫々71.2%、85.7%と極めて良
好な結果が得られた。
【0048】
【実施例7,8】ベンゾフェノン10部、ベンジルエー
テル10部、オイゲノール5部、n―ヘキシルベンゾエ
ート3部、シス―3―ヘキセニルベンゾエート1部とか
らなる剤(実施例1)またはベンゾフェノン5部、ベン
ジルエーテル3部、ヘプチルベンゾエート2部、ベンジ
ルプロピオネート3部、n―ヘキシルベンゾエート4
部、シス―3―ヘキセニルベンゾエート4部とからなる
剤(実施例8)を用いる以外は実施例1と同様にした。
結果は夫々図3及び図4に示す。いずれも添加量0.2
wt%以上で良好な殺ダニ性を示していることがわか
る。
【0049】また配合量0.5wt%のものについて、
耐洗濯性を評価したところ、洗濯回数5回後(水洗5
分、洗剤洗浄10分、水洗20分を1サイクルとした)
の殺ダニ率は夫々83.0%、80.5%といずれも良
好なレベルであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果を示すグラフである。
【図2】実施例2の結果を示すグラフである。
【図3】実施例7の結果を示すグラフである。
【図4】実施例8の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 幸二郎 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)又は(II) 【化1】 (式中Rは水素原子又は水酸基を示し、X1 ,X2 及び
    3 は同一または異なって夫々単結合を示すか又は炭素
    原子数1〜3のアルキレン基を示し、Yは―O―,―C
    O―,―COO―,又は―CHOH―で表わされる基を
    示す。但し、Yが―COO―であり、X2 が単結合、X
    3 が単結合もしくはメチレン基である場合を除く)で表
    わされる化合物を含有する重合体からなる繊維であっ
    て、該化合物の含有量が繊維重量に対して0.2〜10
    wt%であることを特徴とする防ダニ性を有する繊維。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)又は(II)で表わされ
    る化合物と、 【化2】 (式中Rは水素原子又は水酸基を示し、X1 ,X2 及び
    3 は同一または異なって夫々単結合を示すか又は炭素
    原子数1〜3のアルキレン基を示し、Yは―O―,―C
    O―,―COO―,又は―CHOH―で表わされる基を
    示す。但し、Yが―COO―であり、X2 が単結合、X
    3 が単結合もしくはメチレン基である場合を除く) 下記一般式(III )〜(V) 【化3】 (式中R1 は水素原子又は水酸基を示し、R2 は炭素原
    子数5〜9のアルキル基又はアルケニル基を示し、R3
    は炭素原子数2〜8のアルキル基を示し、R4は水素原
    子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R5 は1
    ―又は2―プロペニル基を示す。)で表わされる化合物
    少なくとも1種以上とを含有し、その合計の添加量が
    0.2〜10wt%であることを特徴とする防ダニ性を
    有する繊維。
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JPH07292541A (ja) * 1994-04-20 1995-11-07 Hagiwara Kogyo Kk カ−ペット基布

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